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上下水道コンサルタントの入札契約問題と 「要望と提案」

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上下水道コンサルタントの入札契約問題と 「要望と提案」
Vol.49
No.600
2012/10
特別企画
下 水 道 協 会 誌
一般社団法人全国上下水道コンサルタント協会
における「入札契約方式」等の取り組み
上下水道コンサルタントの入札契約問題と
「要望と提案」
一般社団法人全国上下水道コンサルタント協会
対外活動委員長(日本上下水道設計(株))
村
雅
亮
積される。地域の業務に精通した技術者が育つ。これ
.は じ め に
上下水道コンサルタントは「上下水道事業体のパー
トナー」を目指す経営を長年続けてきましたが、そろ
そろモデルチェンジの時期のようです。
パートナーが言われ始めたのは 1980 年代ですが、
1980 年代と今ではコンサルタントをめぐる状況は大
きく変化しています。下水道の普及率は格段に向上
し、建設の時代から管理の時代となり、入札契約に関
しても透明性・競争性が強く求められる時代となりま
した。そしてコンサルタントの担う業務が一段と広が
り責任も重くなっています。新しい市場環境、コンサ
ルタントの立ち位置の変化、これらに適切に対応し、
新しい成長の道を見つけていくことが必要になってい
により品質確保と業務効率化が進む。事業体も地域の
上下水道に精通したコンサルタントに安心して業務を
任せることができる。結果として事業体の信頼が増
し、次回の業務の受注につながっていく。このような
好循環を形成することにより、コンサルタントの経営
が安定していくことになります。
パートナーモデルは、地域の上下水道事業に貢献す
るという社会的機能と企業として経営の安定を図ると
いう実利の確保とを同時に追求できるコンサルタント
にとって都合の良い合理的な経営モデルということが
できます。
その基本的な仕組みは図−
.コンサルタントの経営モデル
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図−
⑵
パートナーモデル
パートナーモデルは、業務受注から人材育成、品質
管理までの経営要素が一体的に機能する経営モデルと
なっています。
パートナーとは事業体との強い信頼関係を表すもの
ですが、同時に「何時でも何でも相談できる」という
継続的かつ包括的な依存関係も表しています。地域に
おいて幅広く継続的に業務を受注する。業務経験が蓄
のとおりです。
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ます。
入札契約問題についてもこうしたコンサルタントの
おかれた環境と経営について分析し整理することが必
要と考えます。
ここでは、以上の観点からコンサルタントの入札契
約問題を検討し、後段に一般社団法人全国上水道コン
サルタント協会(以下、水コン協)が取り組んでいる
「要望と提案」活動について報告いたします。
以下、
「事業体のパートナー」を目指す経営モデルの
ことを「パートナーモデル」と呼ぶこととします。
⑴
上
パートナーモデルの仕組み
受注競争の状況
今、このパートナーモデルが現場でうまく回らなく
なっています。パートナーモデルの前提条件であった
継続的な業務受注が容易でなくなっているのです。
図− は、下水道事業における設計業務の落札率の
推移ですが、平成 17 年以降、落札率は大きく低下し、
その後も低下傾向が続いています。近年の工事落札率
が 85%前後で推移していることを考えると、コンサル
タントの落札率は低く、厳しい受注競争にさらされて
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Vol.49
No.600
2012/10
上下水道コンサルタントの入札契約問題と「要望と提案」
いることが分かります。受注競争の激化がコンサルタ
ントの経営モデルを危うくしています。
○入札・契約の過程、内容の透明性の確保
○入札参加者の公正な競争の促進
㪈㪇㪇
○談合その他の不正行為の排除の徹底
○公共工事の適正な施工の確保
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㪏㪇
また、制度改正の趣旨は次のとおりです。
㪎㪎
これらにより、これまで指名競争入札が中心であっ
たコンサルタント業務も一般競争入札が増加し、価格
㪎㪍
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㪎㪇
事前公表や抽選入札も目立つようになりました。
㪍㪇
図− は、建設コンサルタントの契約方式別件数比
率ですが、平成 18 年と平成 22 年の 年間で、一般競
㪌㪇
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図−
㪟㪈㪏
㪟㪈㪐
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㪟㪉㪈
㪟㪉㪉
争入札が %増加し、指名競争入札が 10%減少してい
ます。なお、図− のデータは、契約先を地方公共団
下水道事業設計業務落札率(%)
(出典:国土交通省下水道部)
受注競争の激化の原因については、コンサルタント
業務量自体の減少と入札契約制度改正に伴う受注環境
の変化が考えられます。
体に限定したものです。
入札契約制度改正の動きの中で、コンサルタントの
受注競争は激化し、低価格入札が常態化するようにな
りました。
⑶
業務量減少の状況
図− は水コン協の会員企業の平成 11 年以降の売
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上高の推移ですが、この 10 年間で 割にまで減少し
ています。同期間で水コン協の会員企業の数も減って
いるため、売上高の減少には会員減少の影響も入って
いますが、押しなべて各社の金額ベースの業務量は半
減している状況です。
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図−
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建設コンサルタントの契約方式別比率
(出典:建設コンサルタント関係団体連絡協議会)
⑸
上下水道コンサルタントの課題
上下水道コンサルタントは、大きな試練に直面して
います。競争激化は売上の減少となるばかりでなく、
品質面や人材面にも影響を及ぼします。対策は受注確
保だけでなく品質管理も含めた経営全般に及びます。
具体的な対策については、根本原因である業務量の
減少に対し業務の確保と拡大を図ること、受注環境の
改善として健全な競争環境の形成に向けた取組み及び
品質確保を図る取組みがあげられます。
いずれも、コンサルタントの主体的な取組みと発注
者と連携した一体的な取組みが必要になります。
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業務量減少の原因としては、上下水道の普及率の向
上、平成 13 年度以降の公共事業費の縮減、前述の落札
率低下があげられます。図− からは、H13 から H18
までは公共事業費の減少の影響が大きいこと、H18 年
以降は落札率低下の影響が大きいことが推測できます。
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図−
.業務確保の対策
水コン協会員売上高(億円)
(出典:水コン協)
⑷
入札契約制度の改正の状況
公共事業の入札契約制度の改正は、近年、着実に進
められました。平成 13 年以降に制定された入札契約制
度に関する主な法律をあげると表− のとおりです。
表−
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入札契約制度に関する法律
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コンサルタントの業務の確保と拡大については、業
務の対象を広げることと業務を実施する場面(機会)
を増やすことの 点から考えることができます。
業務の対象を広げるためには、従来型の業務に加え
て新規業務分野を積極的に開発していくことが必要で
す。有望な開発分野を整理すると次のとおりです。
①(改築・更新型業務)従来型業務の延長線上にある
施設の改築・更新関連業務、長寿命化計画、アセッ
トマネジメント等
②(機能拡充型業務)安全面や環境面の観点より機能
の拡張や強化を図る業務、災害対策業務、低炭素社
会・循環型社会に向けた検討業務等
( 39 )
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No.600
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下 水 道 協 会 誌
③(経営・管理型業務)経営面や管理面での業務、企
業会計移行支援業務、経営計画業務、新事業手法導
入業務等
これらのイメージを図−
に示します。
き技術向上と社会利益の増進を図るという価値観を
共有し一体で取り組む
○発注者においては、コンサルタントの特性を踏まえ
て技術重視の選定とともに価格面の規制や評定制度
などの誘導策を効果的に運用する
○コンサルタントは、競争をモチベーションとして技
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ᡷ▽䊶ᦝᣂဳᬺോ㩷
⑵
術向上や生産性向上につなげていく
品質確保の取組み
競走促進の事業環境では、従来にも増して計画的か
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図−
つ組織的な品質確保の取組みが必要と考えます。
パートナーモデルでは、発注者と受注者のコミュニ
ᯏ⢻᜛లဳᬺോ㩷
コンサルタントの業務確保の分野
ケーションが良好に保たれているため、品質管理の面
次にコンサルタントが活用される場面を増やすとい
でも比較的対応が容易であったといえます。
しかし、競争促進の環境ではこのような自然な形の
う観点からは、建設段階だけでなくさまざまな段階、
場面で業務を確保することが考えられます。具体的に
品質管理は期待できません。発注者と受注者が意識的
に品質確保に取り組む必要があります。
は、経営や維持管理の場面でもコンサルタントが活躍
できる業務をつくる、PFI や包括的民間委託などの
発注者においては、品質確保を阻害するような環境
要因を排除していただく取組みが重要になると考えま
パッケージ型事業の中でコンサルタントが役割を果た
していくなどが考えられます。
業務開発にしても機会拡大にしてもコンサルタント
が主体的に業務を発掘し手法を開発することが不可欠
となります。仕事は目の前にあるものではなくつくる
す。具体的には、発注にあたっては、業務仕様(目的、
ものと認識することが重要になります。
保に向けた対策例を示します。
範囲、方法等)を明確にすること、また品質確保に必
要な工期を確保すること、履行期限の平準化を図るこ
と、業務プロセスにおいては、指示や決定の迅速化な
どがあげられます。表− に、発注者における品質確
.新しい入札契約環境への対応
表−
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⑴
競争促進のメリット・デメリット
入札契約制度の改正に伴い、コンサルタントの受注
競争は一気に加速しました。本来、市場競走は、参加
者の動機付けとなり、技術向上と生産性向上を促し、
社会全体の利益を高めるものですが、条件によっては
競争が競争を生み参加者が疲弊するという事態も生ま
れます。競走の促進がもたらす効果と弊害を見極め、
メリットを生かしてデメリットを抑制する取組みが重
要となります。表− に、上下水道コンサルタントに
係わる競走促進のメリットとデメリットを示します。
表−
競走促進のメリットとデメリット
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競走促進の環境を生かして、コンサルタントを発展
させていくためには、以下のような取組みが必要と考
えます。
○発注者と受注者は、不正のない公正な競争社会を築
品質確保に向けた対策例
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コンサルタントにおいては、従来以上に人材育成と
品質管理に注力することが求められます。これまでの
ように業務を通じて自動的に人が育ち品質も管理され
ていくという時代ではありません。組織的として計画
的に人材を育成し業務品質を管理していくことが求め
られる時代です。
⑶ コンサルタント選定の基本的考え方
競走の性格は選定方法により大きく左右されます。
コンサルタントの選定については、コンサルタントの
特性を生かした方法としていただきたいと考えます。
コンサルタント選定においても他の公共調達と同じ
ように、透明性と競争性の高い選定方法、選定基準の
明確化、選定対象の公正な評価が求められます。
コンサルタントの選定が他の選定と相違する点は、
選定対象が製品等の目的物ではなく、目的物を制作す
る主体(人と組織)を選定すること、あるいは委任事
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上下水道コンサルタントの入札契約問題と「要望と提案」
項を遂行する主体を選定することです。建設工事の請
選定方式については、業務仕様の確定度合(仕様は
負契約でも同様に制作主体を選定しますが、コンサル
タントの場合は建設工事ほど目的物が明確に定義され
確定しているか、
受注者の提案を加味した方が有利か)
が問題となります。業務仕様の確定度合については、
ていません。コンサルタントの業務は打合せによって
しばしば変更が発生し、業務によっては明確な目的物
指針マニュアル類の整備状況、歩掛りや積算資料の整
備状況も判断基準になります。
が定義されない場合もあります。
このため、コンサルタントの選定では、選定対象で
表− の選定要件例は、仕様が確定できるものを定
型業務、仕様が受注者に依存する余地のあるものを非
あるコンサルタントの能力(技術力や業務遂行力)の
定型業務として整理しています。どちらのタイプにつ
評価が必須となると考えます。何か人にものを頼むと
き先ず信頼できる人かどうか気になることと同じであ
いても、資格要件や審査項目により、能力評価が選定
に反映されることが望ましいと考えます。
り、大切なことを人に頼むとき誰も価格だけでは決め
ていません。
⑸
コンサルタントの選定においては、技術力等のコン
サルタントの能力の評価が組み込まれた選定方法であ
また透明性の高い公正な選定のためのキーファクター
となるものです。平成 17 年の「公共工事の品質確保
る必要があり、そのためには、コンサルタントの能力
の促進に関する法律」では、発注者に競争参加者の技
の見える化、すなわちコンサルタントの能力の公正な
評価の実施と選定への反映が必要になると考えます。
術的能力の審査を求めています。また、発注者による
技術力評価は、受注者の技術競走を助長し技術向上に
⑷
も寄与するものと考えられます。
コンサルタントの能力の見える化には、能力情報を
取得し整備する仕組みと選定時に活用できる仕組みを
構築することが必要になります。
表− は、評価方法による能力情報の管理機能を整
理したものです。中でも、発注者による業務成績評定
選定方式と選定要件
選定方法については、業務内容に応じた適切な選定
方式と選定要件が問題となります。
表− に選定方式と適用対象業務、表− に業務特
性と選定要件の例を示します。
表−
選定方式と適用対象業務
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コンサルタントの能力の見える化
コンサルタントの能力評価は、品質の確保のため、
や技術提案書の審査は実務を通じて得られた評価であ
り、信頼性も高く受注者に対する動機付けの面でも効
果が高い方法といえます。
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表−
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業務特性と選定要件例
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評価方法による能力情報管理機能
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⑹
低価格入札対策について
公正な競争の促進により良質な成果を適正な価格で
調達できる環境を整備するためには、競争の促進とと
もに競走に伴う弊害を抑制する対策が必要になりま
す。特に低価格化が進行しているコンサルタント業務
については効果的な低価格入札対策が必要と考えま
す。
コンサルタント業務において低価格入札対策が必要
な理由は次のとおりです。
・需要が減少する市場では過剰な価格競走が生じしや
すく放置すると業界全体が疲弊する
・過度の価格低下は業務品質の低下を招き上下水道事
業の健全な発展を阻害する
・過度な低価格を認めることは積算基準の運用と矛盾
し予定価格の正当性を否認するものとなる
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下 水 道 協 会 誌
入札契約制度の改正の目的は、不正の排除とともに
ただきたいと思います。
中長期的に競走を通じて技術の進歩や生産性の向上を
図ることにありますが、過度の価格低下はこの目的と
長寿命化計画・アセットマネジメント業務、地震・
浸水・津波等の災害対策関連業務、低炭素社会・循環
逆行するものとなります。
また、コンサルタントの原価は人件費単価と時間の
型社会構築業務、企業会計移行業務等にも上下水道コ
積で算出されますが、過度の価格低下は単価の切り下
げや作業時間の短縮につながり、いずれも品質低下や
ンサルタントの活用をお願いしています。
.適正な工期確保と早期発注による履行期限の平準化
品質確保については、最初に工期確保と履行期限の
社会的利益を損なうものになります。
平準化をお願いしています。作業時間を確保し過度な
一方、低価格入札を規制する対策には最低制限価格
や調査基準価格の設定がありますが、これらの方法は
業務集中を防止するための項目です。
.発注仕様書の明確化
競走促進を阻害する、抽選入札が多くなるなどの問題
点も指摘されています。前述のようにコンサルタント
の特性をいかし、技術力などのコンサルタントの能力
評価を選定に組み込み、健全な競争の促進を図る対策
発注仕様書の確認は、業務の受注・着手時における
重要な品質項目です。業務の品質向上のためにも仕様
書の明確化をお願いします。
.ワンデーレスポンス等迅速かつ円滑なコミュニ
もあわせて進めていく必要があると考えます。
ケーションの形成
ワンデーレスポンスとは懸案事項についてその日の
うちに回答するか回答する日を連絡することです。迅
.「提案と要望」活動について
水コン協は、上下水道コンサルタントの事業環境の
改善を目的として「要望と提案」活動を実施していま
す。要望と提案の相手先は上下水道事業を実施してい
る主な地方公共団体です。要望と提案の方法は個別に
訪問する方法、意見交換会等を開催する方法、郵送に
よる方法がとられています。
⑴ 「要望と提案」の構成
平成 24 年度の「要望と提案」は、良質な社会資本整
備に向けた取組みを中心に 部構成とし、それぞれ業
務確保、品質確保、技術重視の選定、低入札対策の取
組みを位置付けています(図−
参照)。
.業務成績評定の実施と選定への反映
業務を通じてコンサルタントの技術力や業務遂行力
等を評価していただき、評価結果をもって選定に反映
していただくお願いです。
.技術力重視の選定手法の採用
プロポーザルや総合評価方式など技術重視の選定を
拡大していただくお願いです。
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図−
速かつ円滑な業務対応に関するお願いです。
.設計意図の伝達を目的とした三者会議の活用と費
用の計上
建設工事の品質確保と効率化を目的として施工者を
含めた三者会議の開催に関する提案とお願いです。
「要望と提案」の構成
⑵ 「要望と提案」項目
「要望と提案」項目は次の 項目です。
.上下水道コンサルタントの積極的な活用
地域における良質な社会資本整備を目的として上下
水道コンサルタントを活用していただくお願いです。
東日本大震災における上下水道コンサルタントの支援
は延べ 万人以上にのぼりましたが、地域と上下水道
に精通した上下水道コンサルタントを是非活用してい
.低価格入札対策の強化
低価格入札対策の強化の要望です。最低制限価格や
調査基準価格の設定、制限価格の切り上げ、予定価格
の事前から事後への切り替えをお願いしています。
⑶ 「要望と提案」活動にあたって
今年度の「要望と提案」は全体を通して、発注者と
受注者が一体となって諸課題に取り組むという姿勢を
明確にしています。上下水道事業は、建設から運営の
ステージに入りサービスの質が問われる時代になって
きました。持続可能な事業、市民に支持される事業を
目指して官民が連携することが重要と考えます。
上下水道コンサルタントは、地域を重視するという
これまでの経営姿勢を堅持しさらに技術とサービスの
充実を図っていきたいと考えております。
引続き事業体の皆様のご支援とご協力を賜ります様
お願い申し上げます。
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