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全文PDF - 感染症学雑誌 ONLINE JOURNAL
307 原 著 Vibrio cholerae O1 の生物型と PCR を用いたゲノタイプの比較 千葉県衛生研究所細菌研究室 横山 栄二 小岩井健司 内村眞佐子 (平成 16 年 11 月 17 日受付) (平成 17 年 2 月 14 日受理) Key words: Vibrio cholerae O1, biotyping, PCR, El Tor, classical 要 旨 Vibrio cholerae O1 の生物型別と PCR を用いたゲノタイプを,V. cholerae O1 アジア型 9 株およびエル トール型 81 株を使用して比較した. V. cholerae O1 の生物型別に用いられる溶血性,鶏赤血球凝集性,VP 反応,ポリミシキン B 感受性お よびクラシック・ファージ IV 感受性について調べたところ,アジア型 1 株が鶏赤血球凝集反応で非定 型的性状を示し,エルトール型 18 株がポリミキシン B 感受性以外の生化学性状で非定型的性状を示し た. PCR を用いて hlyA,rtxA および rtxC 保有状況を調べた結果,アジア型の全ての株がアジア型 hlyA のみ保有し,エルトール型の全ての株がエルトール型 hlyA,rtxA および rtxC を保有していた.一方 tcpA の保有状況は,アジア型の全ての株がアジア型 tcpA を保有していたが,ctx を保有しないエルトー ル型 5 株でエルトール型 tcpA 特有の増幅バンドが得られず,そのうち 1 株ではアジア型 tcpA 特有の増 幅バンドが確認された. 以上のことから,V. cholerae O1 の生物型は PCR を用いて検査した hlyA,rtxA および rtxC いずれか の保有状況に基づくゲノタイプと一致しており,生化学性状の代用として PCR を用いてゲノタイプを調 べることで生物型別を行うことの有効性が確認されたが,エルトール生物型の起源を考え合わせると, hlyA 保有状況により型別することが最も適切であると思われる. 〔感染症誌 序 文 79:307∼313,2005〕 年 7 月から 8 月にかけて,関東 1 都 3 県で 12 名の コレラはコレラトキシン産生性 Vibrio cholerae 患者および保菌者が確認され,原因食品は不明で O1 および O139 による感染症で,古くから公衆衛 あったが diffuse outbreak として発生した可能性 生上重要な腸管感染症であり,現在でも世界各地 が指摘された2). で発生が認められる.我が国では,輸入感染症と コレラ発生の際には,疫学解析手法として古く しての発生が認められるだけでなく,海外渡航歴 から V. cholerae O1 の抗原型と生物型の組み合わ 1) のない患者の発生も報告されている .また,2002 せによる型別が行われている.生物型は,羊赤血 球溶血性,鶏赤血球凝集性,VP 反応,ポリミキシ 別 刷 請 求 先: (〒260―8715)千 葉 市 中 央 区 仁 戸 名 町 666―2 千葉県衛生研究所細菌研究室 横山 栄二 平成17年 5 月20日 ン B 感受性およびクラシック・ファージ IV 感受 性によりアジア型(classical)とエルトール型(El Tor)に型別される3).これらの生化学性状検査は 308 横山 栄二 他 Table 1 V. cholerae O1 strains analyzed in this study Biovar O antigen type ctx Source No. of strains Ogawa Inaba + + provided provided 6 2 VC154, TC02, NIH41, 465, VC92, VC100 NIH35, 569B untypable + provided 1 CA385 Ogawa + + − provided our isolates provided 6 54 3 classical El Tor Inaba Strain designations CH25, 34/D3, MAS, Itatsuke, MUK757, 59729 80-61, Ubon13, 79-514 + provided 1 + our isolates 15 TVC103 − provided 1 ATCC14033 − our isolate 1 CVC11 結果判定までに数日を要するが,2 類感染症のコ 球凝集性,VP(Voges-Proskauer)反応,ポリミ レラの場合,感染拡大の防止のために行政から早 キシン B 感受性およびクラシック・ファージ IV 期に結果を求められることが多く,対応に苦慮す 感 受 性 の 生 化 学 性 状 と,PCR に よ る hlyA, ることが多い.また非定型的性状を示す菌株が存 tcpA,rtxA および rtxC 保有状況を比較し,PCR 在することから 3) ∼6) ,型別には複数の生化学性状 を用いたゲノタイプと生物型を比較した. 材料および方法 を調べる必要があり,ルーチンで行うには煩雑で ある. 1.供試菌株 近年,アジア型とエルトール型の溶血素遺伝子 7) hlyA および腸管定着因子 tcpA 4) 8) ∼10) アジア型は分与を受けた 9 株を使用した.エル に塩基配列 トール型は,分与を受けた 11 株および千葉県内で の違いがあることが報告された.また,細胞間の 1978∼2002 年に分離 さ れ た 70 株(ヒ ト 由 来 68 アクチン結合を弱める RTX toxin をコードする 株,環境由来 2 株)を使用した(Table 1) . rtxA および rtxC はエルトール型のみ保有してい 11) 供試菌株の O 抗原型別は,コレラ菌 AD(デン ること も明らかにされた.PCR でこれらの遺伝 カ生研)を使用して実施した.コレラ毒素産生性 子を検出し,生物型別に応用することは,PCR は,VET-RPLA キット(デンカ生研)を使用して の特徴である迅速性・特異性から考えて有効と思 調べるとともに,ctx 保有の有無を小林ら12)に準じ われる.Basu ら4)は,tcpA 保有状況とポリミキシ て PCR により調べた. ン B 感受性およびクラシック・ファージ IV 感受 2.生化学性状試験 性の結果を比較した.しかし,その他の遺伝子保 Staphylococcus aureus(ATCC25923)を 用 い た 有状況と生化学性状の関連性については,過去の CAMP テストによる溶血性試験5),鶏赤血球凝集 報告7)∼11)では生化学性状との比較が記載されてい 反応3),VP 反応,ポリミキシン B 感受性3)および ないため明らかとなっていない.また,エルトー クラシック・ファージ IV 感受性試験3)を実施し ル生物型はヒツジまたはヤギ赤血球の溶血性がア た. ジア型コレラ菌と異なる点で区別されたものであ 3) 3.PCR を用いた遺伝子保有状況調査 り ,hlyA 保有状況および溶血性との比較は, 被検菌株を LB 培地で 37℃ 一夜培養後,100℃ PCR を用いた生物型別の有効性を評価するため 10 分間加熱して DNA を抽出した. PCR 反応は, には必須と思われる. Table 2 に示した primer11)13)を使用し,GeneAmp そこで今回我々は,V. cholerae O1 アジア型 9 株,エルトール型 81 株の羊赤血球溶血性,鶏赤血 PCR System 9700(PE Applied Biosystem)を用い て実施した. 感染症学雑誌 第79巻 第5号 コレラ菌生物型とゲノタイプの比較 309 Table 2 Characteristics of primers used in this study Targeted gene hlyA tcpA rtxA rtxC Primer Sequence(5’ to 3’) 489F GGG AAA CAG CGA AAC AAA TAC C 744F 1184R GAG CCG GCA TTC ATC TGA AT CTC AGC GGG CTA ATA CGG TTT A 72F 477R CAC GAT AAG AAA ACC GGT CAA GAG CGA AAG CAC CTT ACG CCG AAT G 647R TTA CCA AAT GCA ACG CCG AAT G rtxA-F CTG AAT ATG AGT GGG TGA CTT ACG rtxA-R GTG TAT TGT TCG ATA TCC GCT ACG rtxC-F CGA CGA AGA TCA TTG ACG AC rtxC-R CAT CGT CGT TAT GTG GTT GC amplicon size(bp) Reference El Tor:481 and 738 classical:727 13 El Tor:451 classical:620 13 El Tor:417 11 El Tor:263 11 Table 3 Biochemical properties of tested V. cholerae O1 strains Biovar classical O antigen type ctx Ogawa Inaba untypable + + + Ogawa Inaba Number of samples Hemolysis1) + − 6 2 1 0 0 0 6 2 1 + − 60 3 53 3 76) 0 60 2 0 15)6) + − 16 2 15 2 16) 0 16 2 0 0 El Tor 1) Hemolysis Agglutination2) + 0 1 0 − 6 1 1 VP test + phage4) + − 6 2 1 6 2 1 0 0 0 57 0 36) 35)6) 0 0 60 3 36) 0 57 3 16 2 0 0 0 0 16 2 0 16) 16 1 0 0 0 − Polymyxin B3) + 6 2 1 − 0 0 0 of sheep erythrocytes by CAMP test of avian erythrocytes 2) Agglutination 3) Sensitivity 4) Sensitivity 5) Strain to polymyxinB to classical phage Ⅳ 80-61 showed atypical reactions on both agglutination and VP test with atypical reaction 6) Strains また,PCR の増幅産物を制限酵素 Pst I および であった.18 株中 1 株(80―61 株)は鶏赤血球凝 Ssp I で処理し , Restriction Fragment Length 集反応および VP 反応の 2 項目で非定型的性状を Polymorphism(RFLP)分析を行った. 示した.ポリミキシン B 感受性試験で感受性を示 成 績 した株はなかった(Table 3) . 1.生化学性状試験 2.遺伝子保有状況 アジア型 9 株中,1 株(11.1%)が鶏赤血球凝集 アジア型 9 株中,全ての菌株でアジア型 hlyA 反応で非定型的性状を示した(Table 3) . およびアジア型 tcpA 特有の増幅バンドが得られ エルトール型では,81 株中,18 株が非定型的性 た.エルトール型 hlyA,エルトール型 tcpA,rtxA 状を示した.その内訳は,溶血性陰性株が最も多 および rtxC 特有の増幅バンドは得られなかった く 8 株(9.9%) ,次 い で VP 反 応 陰 性 株 が 6 株 (7.4%) ,クラシック・ファージ IV 感受性株が 4 株(4.9%) ,鶏赤血球凝集反応陰性株が 1 株(1.2%) 平成17年 5 月20日 (Fig. 1,Table 4). エルトール型 81 株中,全ての菌株でエルトール 型 hlyA,rtxA および rtxC 特有の増幅バンドが 310 横山 栄二 他 Fig. 1 Typical gene identity in strains analyzed by PCR Lane M:100 ladder marker Lane 1:hlyA, Lane 2:tcpA, Lane 3:rtxA, Lane 4:rtxC Table 4 Gene identification in V. cholerae O1 strains using polymerase chain reaction No. of strains with approopriate amplicon for target gene Biovar O antigen type ctx Ogawa + 6 6 0 Inaba + 2 2 0 untypable + 1 1 0 Ogawa + − 60 3 0 0 60 3 Inaba + − 16 2 0 0 16 2 classical Number of samples classical hlyA El Tor hlyA classical tcpA El Tor tcpA rtxA rtxC 6 0 0 0 2 0 0 0 1 0 0 0 0 11) 60 02) 60 3 60 3 0 0 16 02) 16 2 16 2 El Tor 1) Atypical 2) Atypical reaction observed in strain Ubon13 reaction observed in 5 ctx-negative El Tor strains 得られた.アジア型 hlyA 特有の増幅バンドは得 考 察 られなかった.また 81 株中 76 株(93.8%)でエル 今回の調査の結果,PCR で検査した hlyA,rtxA トール型 tcpA 特有の増幅バンドが得られた(Fig. および rtxC いずれかの保有状況に基づくゲノタ 1,Table 4) .エルトール型 tcpA 特有の増幅バン イプは,生化学性状で非定型的性状を示した株を ドが得られなかった 5 株は ctx を保有せず(Table 含めた供試菌株全てで生物型と一致したことか 1,Fig. 2),そのうち 1 株(Ubon 13 株)ではアジ ら,生化学性状の代用として PCR を用いてゲノタ ア型 tcpA 特有の増幅バンドが得られた(Table イプを調べることで V. cholerae O1 を生物型別出 4,Fig. 2) .PCR で得られた Ubon 13 株の増幅バ 来ることが確認された.ゲノタイプに基づく型別 ンドを RFLP 分析したところ,そのパターンは他 は,型別までに要する時間が生化学性状に基づく のアジア型菌株とは異なっていた(Fig. 3) . 型別より短縮出来ることから,ルーチンで用いる 感染症学雑誌 第79巻 第5号 コレラ菌生物型とゲノタイプの比較 Fig . 2 Detection of tcpA in classical and El Tor strains by PCR Lane M:100 ladder marker Lane 1:NIH35(classical, Inaba, ctx positive),Lane 2:MUK757(El Tor, Ogawa, ctx positive),Lane 3: Ubon13(El Tor, Ogawa, ctx negative)Lane 4:8061(El Tor, Ogawa, ctx negative),Lane 5:79-514(El Tor, Ogawa, ctx negative),Lane 6:ATCC14033(El Tor, Inaba, ctx negative),Lane 7:CVC11(El Tor, Inaba, ctx negative) 311 Fig. 3 RFLP analysis of tcpA amplicon by Pst I and Ssp I digestion Lane M:100 bp Ladder Lane 1:Ubon13 Lane 2:NIH35 Lane 3:NIH41 株) では,アジア型 tcpA 特有の増幅バンドが得ら れた.増幅バンドの RFLP 分析では他のアジア型 菌株とはパターンが異なっていたことから,変異 したアジア型 tcpA を保有していると推察され のに有効であると思われる. tcpA の保有状況は,ctx 非保有エルトール型 5 る.Ubon 13 株は,1960 年にタイのウーボンで分 株でエルトール型 tcpA を保有していなかった. 離され,カッパ型ファージの産生および感受性が tcpA はコレラ菌の腸管定着に関与する TCP を 認められない古典的ウーボン型に分類された株で コードする遺伝子であり,欠損株は病原性がない ある3)19).コレラのパンデミーは第 1 次から第 6 ことが報告されている14)∼16).tcpA は ctx と共に 次まではアジア型によるものであり,1961 年から 17) toxRS による制御を受けており ,ctx を保有し エルトール型による第 7 次パンデミーが発生し ない非病原性株が tcpA を保有しないことは当然 た3)19)が,第 7 次 パ ン デ ミ ー 直 前 に 分 離 さ れ た のことと思われる.コレラの疫学調査において ctx Ubon 13 株が,変異したアジア型 tcpA を保有して 非保有株を型別する必要はないことから,tcpA いるという事実は興味深い知見である. 保有状況に基づき型別しても問題ないと思われる 今回検討を行った遺伝子のうち hlyA,rtxA お が,ctx を保有しない非病原性株であっても tcpA よび rtxC 保有状況に基づくゲノタイプはいずれ を保有する株や ctx を保有しているにもかかわら も生化学性状に基づく型別の代用として用いるこ ず tcpA を保有しない株の存在も報告されてい とが出来る結果が得られた.しかし,生物型が生 13) る .また,tcpA は外部からファージによって伝 化学性状に基づく型別であることを考慮すると, 播された遺伝子群である V. cholerae Pathogenic- 生化学性状試験の代用として PCR を用いて被検 18) ity Island に存在することが報告されており , 菌の生化学性状を調べることが適当であると思わ 外部から伝播した遺伝子のみを対象に型別するこ れる.エルトール生物型の起源3)を考慮すると,溶 とは危険が伴うことが考えられる.従って,tcpA 血性に基づく型別が適当と思われ,その代用とし の保有状況は生物型別より,むしろ病原性の検査 て PCR を用いて hlyA 保有状況を調査して型別 に有効と思われる. することが最適と思われる.近年分離されるエル ctx 非保有エルトール型 5 株中 1 株(Ubon 13 平成17年 5 月20日 トール生物型株の溶血性は従来の方法では陰性と 312 横山 なることが多いこと3)から,今回は S. aureus の β ヘモリジンとの相乗溶血現象である CAMP テス ト5)により溶血性を調べた.その結果,エルトール 型 8 株が hlyA を保有するにもかかわらず溶血性 を示さなかった.CAMP テストは,使用する S. aureus 菌株,被検菌と S. aureus の接種距離,接種 菌量,培養時間などの要因が成績に影響する20)こ とが知られており,これらの要因が今回の溶血性 の成績に影響したものと思われる.また,このこ とから生化学性状の検査は用いる試験方法などに よりその結果が影響を受け,安定した結果が得ら れにくいことが再確認された. 以上のことから,PCR で検査した hlyA,rtxA および rtxC いずれかの保有状況に基づくゲノタ イプは V. cholerae O1 の生物型と一致し,同等の特 異性があることが確認された.生化学性状の代用 として PCR を用いてゲノタイプを調べることで 生物型別を行うことの有効性が示唆されたが,エ ルトール生物型の起源を考慮すると,hlyA 保有状 況による型別が最適と思われる. 謝辞:稿を終えるにあたり,貴重な菌株を分与いただき ました故神中寛先生を初め, 関係各位に深謝いたします. 文 献 1)国立感染症研究所:コレラ 2002 年 8 月現在.病 原微生物検出情報 2002;23:219―24. 2)小岩井健司,岸田一則,江下倉重,依田清江,内 村眞佐子,久門勝利:千葉県で分離された Vibrio cholerae O1 の PFGE 法による疫学解析.第 41 回 千葉県公衆衛生学会 3)神中 寛:コレラ菌およびカッパ型ファージ検 出法.日本細菌学会教育委員会編,コレラ菌と毒 素原性大腸菌の検査法,菜根出版,東京,1981; p. 1―44. 4)Basu AKA, Mukhopadhyay AK, Chakrabarti SK, Niyogi MR, Saha SY, Takeda Y, et al.:Comparison between 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Eighteen El Tor biovar strains showed atypical reactions, with the exception of sensitivity to polymyxin B. By PCR detection of hlyA , rtxA and rtxC amplifications, all classical biovar strains possessed only classical type hlyA, while all El Tor biovar strains possessed El Tor type hlyA, rtxA and rtxC . By PCR analysis of amplicons, all classical biovar strains possessed classical type tcpA. One ctx-negative El Tor biovar strain possessed degenerated classical type tcpA and 4 ctx-negative El Tor biovar strains had no detectable tcpA. These results indicated that genotype of V. cholerae O1 using PCR detection of hlyA , rtxA and rtxC was consistent with biotype of the organism, suggesting that analysis of the genotype of the organism was as effective as by biochemical properties. However, PCR detection of hlyA is most appropriate for the biotyping of V. cholerae O1, as compared to biochemical properties, since El Tor biovar was originally distinguished from classical biovar strains by the hemolytic reaction. 平成17年 5 月20日