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3.本県における特徴的な自然環境の調査台帳 地域別、環境別

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3.本県における特徴的な自然環境の調査台帳 地域別、環境別
3 . 本 県 に お け る特 徴 的 な 自 然 環 境 の 調 査 台 帳
地 域 別 、 環 境 別の 特 徴 的 な 自 然 環 境 に つ い て 整 理 し た も の を 次 頁 以 降 に 示し た 。
2-2-26
本県における特徴的な自然環境(自然環境台帳-地域別、環境別) 沖縄島北部地域
圏域
概要
沖縄島北部
環境区分
森林
面積:530.8km2
やんばる遠景
西銘岳
与那覇岳
代表的な地域
・やんばる(国頭村、大宜味村、東村の山間部)、ヨリアゲの森
特徴
イタジイを中心とする自然度の高い照葉樹林が広がっている。これら森林には、多数の固有種、固有亜種、希少
種や本県を分布の北限あるいは南限とする種などが生息し、その多様性・特異性に富む生物相は世界的にも貴
重な価値を持つものである。
代表的な植生
主に粘板岩などの風化した土壌を土台に、常緑広葉樹林ヤブツバキクラス域のオキナワシキミ-スダジイ(イタジ
イ)群集や、ギョクシンカ-スダジイ(イタジイ)群落などに分類されるシイ型の森林が発達している。風衝性の強い
山頂域にはオキナワテイショウソウ-マテバイシ群集が、谷部地形ではオキナワウラジロガシの優占した林分も
見られる。
指定地域等
沖縄海岸国定公園:陸域10320ha(慶良間諸島含む)
国指定 やんばる(安田)鳥獣保護区:1279ha 特別保護地区:220ha
国指定 やんばる(安波)鳥獣保護区:465ha
県指定 西銘岳鳥獣保護区:84ha 特別保護地区:30ha
県指定 佐手鳥獣保護区:158ha 特別保護地区:58ha
県指定 与那覇岳鳥獣保護区:666ha 特別保護地区:23ha
県指定 大保鳥獣保護区:240ha(うち水面180ha)
県指定 名護岳鳥獣保護区:371ha 特別保護地区:207ha
県指定 恩納鳥獣保護区:517ha
県指定 山田鳥獣保護区:186ha
嘉津宇岳・安和岳・八重岳自然環境保全地域(県指定):156,2ha(全て陸域)
2-2-27
生態系(食物連鎖図)
注) 沖縄島北部の森林生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
環境省
RL
沖縄県
RDB
絶滅危惧IA類
絶滅危惧IB類
絶滅危惧II類
絶滅危惧IA類
絶滅危惧IB類
絶滅危惧II類
合計
維管束
植物
41
30
54
48
121
哺乳類
鳥類
2
4
0
3
3
0
6
2
2
6
1
4
4
13
爬虫・
両生類
0
2
7
0
4
4
9
魚類
昆虫類
-
0
2
5
1
2
7
甲殻類
貝類
1
7
1
2
0
0
2
13
2
3
12
24
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
ギンネム*、ムラサキカタバミ*、ツルヒヨドリ*、ヤコウカ、モクマオウ類、タイワンハンノキ、モミジヒルガオ、アフリカホ
ウセンカなど
【動物】
フイリマングース**、イエネコ、クマネズミ、セマルハコガメ、タイワンスジオ**(北限:恩納村)、タイワンハブ**(名護
市、今帰仁村、本部町、恩納村)、サカイシロテンハナムグリ*、アフリカマイマイ*、ニューギニアヤリガタリクウズムシ
**
など
**:「特定外来生物」。外来生物法の規制対象になる国外由来の外来生物。
*:「要注意外来生物」。外来生物法による規制の対象外であるが、生態系に悪影響を及ぼしうる外来生物(環境省指定)。
開発行為等による影響
・ダム建設、林道建設に伴う森林伐採による生息環境の縮小、消失、移動経路の分断。
・ロードキル(轢死、側溝での落下)の発生による個体の損失(ヤンバルクイナ、ケナガネズミ、イボイモリなど)。
・外来種による生態系の撹乱(ギンネム、フイリマングース、イエネコなど)。
・盗掘等の採取による個体の消失(ヤンバルテナガコガネ、オキナワセッコクなど)。
・レジャー客による踏み荒らしやゴミの放置。
課題
・ダム、林道建設に伴う森林伐採による生息環境の縮小、消失、移動経路の分断の緩和・再生。
・従前より林業が行われている地域における自然環境の利用と保全の両立。
・ロードキル(轢死、側溝での落下)の回避(ヤンバルクイナ、ケナガネズミ、イボイモリなど)。
・外来種による生態系の撹乱の防止(ギンネム、フイリマングース、イエネコなど)。
・盗掘等の採取による個体消失の防止(ヤンバルテナガコガネ、オキナワセッコクなど)。
・土壌の保全と、赤土等流出によるサンゴ礁生態系や藻場等への影響の回避。
2-2-28
主な貴重種
【植物】
ナンカクラン、カンザシワラビ、タカサゴキジノオ、ヤンバルフモトシダ、シマオオタニワタリ、ノコギリシダ、キイレツチトリモチ、ニッケイ、
ウラジロガシ、ヤマアイ、シラキ、コバノミヤマノボタン、クニガミヒサカキ、クスノハカエデ、ヒゼンマユミ、アオキ、ケラマツツジ、ヤナギ
バモクセイ、オキナワヤブムラサキ、オオシロショウバカマ、ホンゴウソウ、オキナワテンナンショウ、ヒナノシャクジョウ、マメヅタラン、カ
ツウダケエビネ、ツルラン、アキザキナギラン、ナギラン、オキナワセッコク、タカツルラン、カシノキラン、カゴメラン、リュウキュウサギソ
ウ、ボウラン、チケイランなど
【哺乳類】
オリイオオコウモリ、オキナワコキクガシラコウモリ、ヤンバルホオヒゲコウモリ、コユビナガコウモリ、リュウキュウテングコウモリ、リュ
ウキュウイノシシ、オキナワトゲネズミ、ケナガネズミなど
【鳥類】
オシドリ、リュウキュウツミ、サシバ(旅、冬)、ヤンバルクイナ、アマミヤマシギ、カラスバト、リュウキュウコノハズク、リュウキュウオオコ
ノハズク、リュウキュウアオバズク、リュウキュウアカショウビン(夏)、ノグチゲラ、リュウキュウコゲラ、リュウキュウサンショウクイ、ホン
トウアカヒゲ、リュウキュウキビタキ、リュウキュウサンコウチョウ(夏)、アマミヤマガラなど
【爬虫類】
リュウキュウヤマガメ、クロイワトカゲモドキ、オキナワヤモリ、オキナワキノボリトカゲ、バーバートカゲ、アマミタカチホヘビ、ハイなど
【両生類】
イボイモリ、シリケンイモリ、ハロウエルアマガエル、リュウキュウアカガエル、オキナワイシカワガエル、ハナサキガエル、ホルストガエ
ルなど
【昆虫類】
ヤンバルテナガコガネ、オキナワミナミヤンマ、ヤンバルトゲオトンボ、オキナワサナエ、カラスヤンマ、オキナワサラサヤンマ、オキナ
ワコヤマトンボ、オキナワオオモリゴキブリ、ヤンバルクロギリス、オキナワマルバネクワガタ、オキナワカブトムシ、オキナワホシシマト
ビケラ[オキナワオオシマトビケラ]、ハグルマヤママユ、クロシマカラスヨトウなど
【貝類】
リュウキュウヤマタニシ、クニガミゴマガイ、オオシマゴマガイ、キバサナギガイ、ウスチャイロキセルガイモドキ、カズマキノミギセル、サ
カヅキノミギセル、リュウキュウギセル、エイコベッコウ、マサキベッコウ、ベッコウマイマイ科の一種、クンチャンマイマイ、ヤンバルマイ
マイ、ヘリトリケマイマイ、トウガタホソマイマイ、コメツブダワラガイ、オキナワムシオイ類似種など
【甲殻類】
オキナワオオサワガニ、ヒメユリサワガニ
典型的な種
【植物】
コシダ、タカワラビ、ヒカゲヘゴ、ヒリュウシダ、カツモウイノデ、ケホシダ、ヤエヤマオオタニワタリ、リュウキュウマツ、スダジイ、オキナ
ラウラジロガシ、ホソバムクイヌビワ、ハマイヌビワ、シバニッケイ、ヤブニッケイ、タブノキ、イスノキ、オキナワシャリンバイ、イルカン
ダ、ヒラミレモン、ゲッキツ、サルカケミカン、ヒメユズリハ、クスノハガシワ、ハゼノキ、ホルトノキ、イジュ、アデク、シシアクチ、エゴノキ、
シマタゴ、セイタカスズムシソウ、タシロルリミノキ、ボチョウジ、ツワブキ、リュウキュウチク、オキナワスゲ、クロツグ、クワズイモ、ノシラ
ン、アオノクマタケランなど
【哺乳類】
クマネズミ(外来)など
【鳥類】
アカハラダカ(旅)、ヤマシギ(冬)、キジバト、ズアカアオバト、ホトトギス(旅)、ヒヨドリ、ルリビタキ(冬)、シロハラ(冬)、ウグイス、メボソムシ
クイ(冬)、エゾビタキ(旅、冬)、シジュウカラ、メジロ、アオジ(冬)、ハシブトガラスなど
【爬虫類】
ミナミヤモリ、ヘリグロヒメトカゲ、リュウキュウアオヘビ、アカマタ、ハブ、ヒメハブなど
【両生類】
オキナワアオガエル、リュウキュウカジカガエル、ヒメアマガエルなど
【昆虫類】
オキナワナカボソタマムシ、オキナワハナボタル、オキナワアオジョウカイ、オキナワクロミナミボタル、オキナワアカミナミボタル、タテ
オビフサヒゲボタル、オキナワジョウカイ、オキナワクロジョウカイ、チュウジョウコメツキモドキ、オキナワユミアシゴミムシダマシ、エグ
リユミアシゴミムシダマシ、オキナワチャボハナカミキリ、オキナワズマルトラカミキリ、オキナワフトカミキリ、クロヘリオオヒゲナガゾウ
ムシ、オキナワナガハナアブ、オキナワマエモンヒメクチバなど
【貝類】
オキナワヤマキサゴ、オキナワヤマタニシ、マルナタネガイ、ノミギセル、ツヤギセル、シュリマイマイ、オキナワウスカワマイマイ、アシ
ヒダナメクジなど
【甲殻類】
オカヤドカリ、カクレイワガニなど
特殊な環境に依存する種
着生:ヨウラクヒバ、オキナワセッコク
崖地:イワヒバ、ハカマウラボシ
洞窟:オキナワコキクガシラコウモリ、コユビナガコウモリ(ねぐら、繁殖場所として)、ホラアナゴキブリ
洞窟、石灰岩が発達した山地:ヘリトリケマイマイ、ヒメユリサワガニ
照葉樹林の樹洞:ヤンバルホオヒゲコウモリ、リュウキュウテングコウモリ(ねぐらとして)、ケナガネズミ(ねぐら、繁殖場所として)、ヤン
バルテナガコガネ、ヤンバルクロギリス、リュウキュウコクワガタ、オキナワマルバネクワガタ
樹齢50年以上のイタジイ壮齢林:ノグチゲラ(繁殖場所として)
2-2-29
圏域
概要
沖縄島北部
環境区分
陸水(河川、池沼、湿地)
面積:10.1km2
伊江川上流
伊江川下流
新川川中流
代表的な地域
・やんばる河川群
特徴
中南部地域の河川と比べると生活雑排水の流入等による水質汚濁の程度が小さく、人為的影響が少ないことなど
から、比較的河川生物の種類が豊富である。
中流から上流以上の区間は海岸段丘による地形的条件から遡上可能な生物種が限られ、甲殻類や水生昆虫類を
主とした生物相になっている。
代表的な植生
河川(渓流)では、沖縄島固有種であるクニガミトンボソウ、クニガミサンショウヅルなどの貴重種を含む、リュウキュ
ウツワブキ、サイゴクホングウシダ、ナガバハグマなどの渓流性の種が生育している。湿地、池沼では、セイコノヨ
シ、ハイキビなどの湿地性植物や、ヒメガマ、ミカワタヌキモなどの水生植物が生育する。
指定地域等
県指定 大保鳥獣保護区:240ha(うち水面180ha)
日本の重要湿地500 東村の慶佐次マングローブと流入河川(流入河川)
日本の重要湿地500 瀬底島の小湿地および周辺沿岸(瀬底島の小湿地)
日本の重要湿地500 ヤンバル河川群
日本の重要湿地500 大浦湾および大浦川(大浦川)
日本の重要湿地500 アミスガー・ハマサ(今帰仁村の湧水)
2-2-30
生態系(食物連鎖図)
注) 沖縄島北部の陸水(河川)生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
植物
10
10
爬虫・
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
両生類
絶滅危惧IA類
0
0
0
13
2
環境省
0
3
絶滅危惧IB類
0
1
3
9
1
RL
絶滅危惧II類
0
7
2
6
6
4
4
絶滅危惧IA類
22
0
0
0
7
1
1
沖縄県
4
絶滅危惧IB類
24
0
2
4
12
2
1
RDB
絶滅危惧II類
0
5
1
2
3
2
6
合計
56
0
11
5
29
12
8
10
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
哺乳類
鳥類
主な外来種
【植物】
**
**
*
*
*
オオフサモ 、ボタンウキクサ 、アメリカハマグルマ 、ホテイアオイ 、オオサンショウモ 、パラグラス、アイノコアカ
ウキクサ、シュロガヤツリなど
【動物】
*
*
**
**
ヤエヤマイシガメ、セマルハコガメ、ミシシッピアカミミガメ 、スッポン 、ウシガエル 、シロアゴガエル (北限:宜名
*
**
*
**
**
*
*
真)、マダラロリカリア 、カダヤシ 、グッピー 、ブルーギル 、オオクチバス 、カワスズメ 、ナイルティラピア 、スク
*
*
*
ミリンゴガイ 、タイワンシジミ 、アメリカザリガニ など
**:「特定外来生物」。外来生物法の規制対象になる国外由来の外来生物。
*:「要注意外来生物」。外来生物法による規制の対象外であるが、生態系に悪影響を及ぼしうる外来生物(環境省指定)。
開発行為等による影響
・治水事業に伴う河川横断工作物(砂防ダム、取水堰等)の設置、河道の人工化による生息環境の消失。
・河川改修による移動経路の分断。
・水田、池沼、湿地の埋立・開発による生育、生息環境の消失。
・盗掘等の採取による個体の消失(アオバラヨシノボリ、クニガミトンボソウなど)。
・外来種による生態系の撹乱(ボタンウキクサ、シロアゴガエル、オオクチバス、カダヤシなど)。
・上流域のダム建設、林道建設、農地開発等に伴う赤土等の流出や集落内からの生活雑排水等の流入による水
質汚濁。
課題
・治水事業、河道の人工化、河川改修等による生息環境の消失、移動経路の分断の緩和・再生。
・盗掘等の採取による個体消失の防止(アオバラヨシノボリ、クニガミトンボソウなど)。
・外来種による生態系の撹乱の防止(ボタンウキクサ、シロアゴガエル、オオクチバス、カダヤシなど)。
・上流域のダム建設、林道建設、農地開発等に伴う赤土等の流出や集落内からの生活雑排水等の流入による水
質汚濁の防止。
2-2-31
主な貴重種
【植物】
ツルカタヒバ、ヒメミゾシダ、イワヒトデ、タカウラボシ、ナンゴクデンジソウ、アカウキクサ、ナツノウナギツカミ、ホソバノウナギツカミ、
クニガミサンショウヅル、ハンゲショウ、ヤクシマスミレ、イヌタヌキモ、ミカワタヌキモ、タチミゾカクシ、ナガバハグマ、リュウキュウツ
ワブキ、コケタンポポ、アオヤギバナ、ミズオオバコ、マルミスブタ、スイシャホシクサ、タヌキアヤメ、イグサ、コウガイゼキショウ、タ
イワンアシカキ、チャボチヂミザサ、アオゴウソ、オキナワヒメナキリ、ミスミイ、オオシロショウジョウバカマ、カンダヒメラン、クニガミト
ンボソウなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
カイツブリ、リュウキュウヨシゴイ、オシドリ、ミサゴ(冬)、リュウキュウヒクイナ、オオバン(冬)、タカブシギ(冬)、セイタカシギ(冬)、カワ
セミなど
【爬虫類】
なし
【両生類】
イボイモリ、シリケンイモリ、ハロウェルアマガエル、リュウキュウアカガエル、ナミエガエル、オキナワイシカワガエル、ハナサキガエ
ル、ホルストガエルなど
【魚類】
メダカ、ヨロイボウズハゼ、アカボウズハゼ、ハヤセボウズハゼ、コンジキハゼ、タイワンキンギョ、ドジョウ、タウナギ、タナゴモドキ、
タメトモハゼ、ルリボウズハゼ、コンテリボウズハゼ、トサカハゼ、シマエソハゼ、エソハゼ、アオバラヨシノボリ、キバラヨシノボリ、フ
ナ、ミナミヒメミミズハゼ、コゲウツボ、ヒメテングヨウジ、カワクモハゼ、ヤエヤマノコギリハゼ、マングローブゴマハゼ、ホシマダラハ
ゼ、ゴシキタメトモハゼなど
【昆虫類】
タイワンコオイムシ、オキナワミナミヤンマ、ヤンバルトゲオトンボ、オキナワサナエ、カラスヤンマ、オキナワサラサヤンマ、オキナワ
コヤマトンボ、オキナワマツモムシ、オキナワホシシマトビケラ[オキナワオオシマトビケラ]、フタキボシケシゲンゴロウ、オキナワマル
チビガムシなど
【貝類】
アカグチカノコ、ツバサカノコ、オカイシマキ、カミングフネアマガイ、スグカワニナ、アマミカワニナ、ムチカワニナ、マルタニシ、クル
マヒラマキガイ、マメシジミ属の一種など
【甲殻類】
オキナワオオサワガニ、シオカワヨコエビ、オキナワミナミサワガニ、ミナミオニヌマエビ、アラモトサワガニ、サカモトサワガニ
典型的な種
【植物】
サイゴクホングウシダ、テツホシダ、ミズワラビ、ナンゴクホウビシダ、ヒメタカノハウラボシ、ホコザキウラボシ、ケタデ、タガラシ、ナ
ガバハマササゲ、カキバカンコノキ、サガリバナ、キダチキンバイ、セリ、ヒメタムラソウ、シソクサ、シマウリクサ、ミミカキグサ、ミゾカ
クシ、ヌマダイコン、クマノギク、ヒメガマ、エビモ、ホッスモ、クロモ、タイヌビエ、チゴザサ、ハイキビ、セイコノヨシ、アキカサスゲ、ヒト
モトススキ、ヒデリコ、タマガヤツリ、オオアブラガヤ、イヌクログワイ、カンガレイ、コウキヤガラ、ナンゴクアオウキクサ、シマツユク
サ、コナギ、ハリコウガイゼキショウなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
カワウ(冬)、ゴイサギ(冬、一部留)、ダイサギ(冬)、コサギ(冬、一部留)、アオサギ(冬)、カルガモ(冬、一部留)、コガモ(冬)、ヒドリガモ
(冬)、オナガガモ(冬)、ハシビロガモ(冬)、キンクロハジロ(冬)、シロハラクイナ、バン、コチドリ(冬)、アオアシシギ(旅、冬)、クサシギ
(冬)、キアシシギ(旅、冬)、イソシギ(冬)、タシギ(冬)、キセキレイ(冬)、ハクセキレイ(冬)など
【爬虫類】
ガラスヒバァ、ヒメハブなど
【両生類】
ヌマガエル、オキナワアオガエル、リュウキュウカジカガエル、ヒメアマガエルなど
【魚類】
なし
【昆虫類】
リュウキュウハグロトンボ、アマミオヨギカタビロアメンボ、オキナワミジンダルマガムシ、オキナワミゾドロムシ、オキナワマルヒラタド
ロムシ、グマガトビケラなど
【貝類】
アカグチカノコ、ツバサカノコ、オカイシマキ、カミングフネアマガイ、スグカワニナ、アマミカワニナ、ムチカワニナ、マルタニシ、クル
マヒラマキガイ、マメシジミ属の一種など
【甲殻類】
ミゾレヌマエビ、トゲナシヌマエビ、ミナミテナガエビ、モクズガニなど
特殊な環境に依存する種
水辺近くの森林内の樹洞:オシドリ(繁殖場所として)
山間渓流の源流域:リュウキュウアカガエル、ナミエガエル、オキナワイシカワガエル、ホルストガエル(繁殖場所として)
山間渓流の滝壺:ハナサキガエル(繁殖場所として)
山間渓流の上流域:クニガミサンショウヅル、クニガミトンボソウ、ツバサハゼ、ヨロイボウズハゼ、アカボウズハゼ、ハヤセボウズハ
ゼ、ルリボウズハゼ、コンテリボウズハゼ、オニヤンマ、カラスヤンマ
山間渓流の湿った岸壁:ヤンバルトゲオトンボ、オキナワトゲオトンボ
山間渓流の泥底:オキナワサナエ
山林内の湿地:オキナワサラサヤンマ
洞窟地下水又は陸封潮溜まり:チカヌマエビ
2-2-32
圏域
概要
沖縄島北部
環境区分
海岸(海岸林、砂浜、岩礁)
自然海岸延長:221.8km
美作海岸
魚泊海岸
○○海岸
魚泊海岸
代表的な地域
・東部沿岸(美作海岸、魚泊海岸)
特徴
琉球列島の海岸植生には、隆起サンゴ礁上の植生、砂浜植生、海崖植生などがあり、これらはいずれも熱帯の造
礁性サンゴの生育する海洋環境に形成される植生である。琉球列島の海浜植物は熱帯域のそれに類似し、世界的
に見ると熱帯海浜植生の北限域と捉えられる。
沖縄島では、全体として比較的小規模な砂浜が島の海岸線に沿ってまんべんなく分布する。国頭村、東村ではサン
ゴ礁生物起源の砂に加えて、火成岩起源の砂が含まれる。沖縄島北部では火成岩起源の砂の割合が高い砂浜が
多く、沖縄島南西部ではこのような砂質の砂浜は少ない。塩屋・大保川、大浦湾、億首川などに砂浜が知られる。
代表的な植生
海岸の砂浜には、温暖な気候条件と南からの暖流の影響を反映したアダン、モンパノキ、クサトベラ、ハマササゲ、
グンバイヒルガオ、ツキイゲ、クロイワザサ、キダチハマグルマなど東南アジア、太平洋諸島など熱帯・亜熱帯にも
広く分布している植物が多く繁茂しており、特徴ある群落を形成している。
指定地域等
国指定 屋我地鳥獣保護区:3,224ha(うち水面2,128ha)
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(慶良間諸島を含む)
2-2-33
生態系(食物連鎖図)
注) 沖縄島北部の海岸(砂浜、岩礁)生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
絶滅危惧IA類
環境省
絶滅危惧IB類
RL
絶滅危惧II類
絶滅危惧IA類
沖縄県
絶滅危惧IB類
RDB
絶滅危惧II類
合計
維管束
植物
5
6
6
9
19
哺乳類
鳥類
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5
0
0
3
6
爬虫・
両生類
0
2
3
0
1
2
5
魚類
昆虫類
0
1
1
0
1
0
2
0
0
0
1
0
1
甲殻類
貝類
0
2
1
1
0
4
5
5
2
5
8
21
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
*
*
*
アメリカハマグルマ 、コマツヨイグサ 、ハイアワユキセンダングサ 、モクマオウ類など
【動物】
**
*
*
*
フイリマングース 、クマネズミ、オガサワラヤモリ、ムラサキイガイ 、ムールガイ 、ミドリイガイ など
**:「特定外来生物」。外来生物法の規制対象になる国外由来の外来生物。
*:「要注意外来生物」。外来生物法による規制の対象外であるが、生態系に悪影響を及ぼしうる外来生物(環境省指定)。
開発行為等による影響
・護岸整備による海岸生態系の消失、移動経路の分断。
・海岸への車の乗り入れなどによる海浜植物、シロチドリ、コアジサシの営巣地、ウミガメ類の産卵場の踏みつけ。
・沿岸の岩礁や無人島、サンゴ州島の観光化による人の接近、利用頻度の増加等によるアジサシ類の営巣地の
撹乱。
・外来種による生態系の撹乱(アメリカハマグルマ、モクマオウ類、クマネズミなど)。
・捕獲圧による個体数の減少(エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビなど)。
・砂の採取、護岸工事、港湾工事等による周辺砂浜の流出による砂の減少。
・定置網、刺網によるウミガメの混獲・羅網。釣り糸などによる海鳥の羅網。
・ゴミの不法投棄による漂着ゴミの増加(子ガメの帰海の妨害、海浜植物の生育阻害、海岸利用者の危険ゴミ(医
療廃棄物、電球、蛍光灯など)による被害、景観やレジャーへの影響)。
課題
・自然海岸の保全、復元。
・海岸における人間活動の制限。
・外来種による生態系の撹乱の防止(アメリカハマグルマ、モクマオウ類、クマネズミなど)。
・沖合漁業による定置網、刺網の設置時期の制限、漁具・漁法の改良。
・ゴミの不法投棄の防止。
2-2-34
主な貴重種
【植物】
オキナワハイネズ、ハママンネングサ、ウコンイソマツ、オキナワマツバボタン、ハリツルマサキ、ハナコミカンボク、
オキナワスミレ、ナハキハギ、イソフジ、ヒメクロウメモドキ、テンノウメ、ミズガンピ、ヒメイヨカズラ、ヤエヤマアオキ、
モクビャクコウ、オキナワギク、イソノギク、ヒメヤブラン、コウボウシバ、ヤリテンツキ、オニシバ、コオニシバなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ミサゴ(冬)、ハヤブサ(冬)、シロチドリ(留、一部冬)、ベニアジサシ(夏)、エリグロアジサシ(夏)、コアジサシ(夏)、リュウ
キュウアカショウビン(夏)、リュウキュウコゲラなど
【爬虫類】
アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ、オキナワキノボリトカゲ、オキナワトカゲなど
【両生類】
なし
【魚類】
マサゴハゼ、ドロクイ、オキナワキチヌ、クサフグ
【昆虫類】
ハマコオロギ
【貝類】
ミニカドカド、ドームカドカド、リュウキュウダカラ、ウスイロバイ、クンチャンマイマイ、トウカイタママキ、カモジガイ、
アダンソンタママキ、オトメタママキ、ナミノコガイ、キュウシュウナミノコガイ、ヒノデガイ、アマサギガイ、ホシヤマナミ
ノコザラ、トンガリベニガイ、トガリユウシオガイ、オガタザクラ、コバコガイ、Psammotaea inflata、マテガイの一種、ス
リガハマなど
【甲殻類】
オキナワアカシマホンヤドカリ、キノボリエビ、ヒトハカニダマシ、ヤシガニ、タイワンベンケイガニ、ヤエヤマヒメオカ
ガニ、リュウキュウアカテガニ、イワトビベンケイガニなど
典型的な種
【植物】
オニヤブソテツ、ソテツ、カワラアカザ、ハママツナ、イソフサギ、ミルスベリヒユ、ツルナ、スナヅル、ハスノハギリ、
ハマヒサカキ、オオハマボウ、ハマボッス、ナンテンカズラ、シイノキカズラ、クロヨナ、ハマササゲ、ハマナタマメ、ス
ナジダイゲキ、シマシラキ、ナンゴクハマウド、ボタンボウフウ、ミフクラギ、グンバイヒルガオ、モンパノキ、イボタク
サギ、ハマゴウ、クサトベラ、ソナレムグラ、キダチハマグルマ、シマアザミ、ホソバワダン、アダン、ハナカモノハシ、
サワスズメノヒエ、ソナレシバ、クロイワザサ、コウライシバ、シオカゼテンツキ、テッポウユリ、ハマオモトなど
【哺乳類】
クマネズミ(外来)など
【鳥類】
クロサギ、メダイチドリ(旅、冬)、キョウジョシギ(旅、冬)、イソシギ(冬)、キジバト、ハクセキレイ(冬)、ヒヨドリ(留、一部
冬)、イソヒヨドリ、キマユムシクイ(冬)、シジュウカラ、メジロ、アトリ(冬)、マヒワ(冬)、ハシブトガラスなど
【爬虫類】
ミナミヤモリ、ヘリグロヒメトカゲ、アオカナヘビ、アカマタなど
【両生類】
なし
【魚類】
スズメダイ科、チョウチョウウオ科、ブダイ科、ベラ科、ハタ科、カマス科、イットウダイ科、ハタンポ科、イソギンポ科
(タマカエルウオ、ヨダレカケ)など
【昆虫類】
なし
【貝類】
ウスイロヘソカドガイ、クビキレガイ、ハマシイノミガイ、ツヤハマシイノミガイなど
【甲殻類】
ナキオカヤドカリ、ムラサキオカヤドカリ、オカガニ、ミナミオカガニ、オオカクレイワガニ、ミナミイワガニ、ツノメガニ
など
特殊な環境に依存する種
風衝地:オキナワハイネズ、オキナワギク、ヒメヤブラン
隆起石灰岩:ミズガンピ、テンノウメ、ウコンイソマツ、モクビャクコウ
砂浜:ハマコオロギ
海浜植物と連続する砂浜:アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ(繁殖場所として)
淡水が海浜の砂礫を通して滲出してくる中潮帯環境:レモンカノコ、ハナガシミカノコ
2-2-35
圏域
概要
沖縄島北部
環境区分
干潟・マングローブ林
干潟面積:338ha
マングローブ面積:27.57ha
慶佐次川
億首川
羽地内海
代表的な地域
・慶佐次川河口、羽地内海、大浦川河口、億首川河口
特徴
干潟は、羽地内海、塩屋湾、大保川、大浦川、億首川などに見られる。また、慶佐次湾など、26の河川の河口域
でマングローブが生育している。
慶佐次川の河口部に形成された約10haのマングローブ林は沖縄島で最大規模である。この地域はヤエヤマヒル
ギの北限地であり、かつ群落として広い地域を占めていることなどから国の天然記念物に指定されている。
億首川の河口部には約2.5haマングローブ林が拡がる。ヒルギモドキの北限地であり、沖縄島に生育する4種類の
マングローブが唯一見られる地域として知られる。
代表的な植生
沖縄に分布するマングローブ(ヒルギ類)はメヒルギ、オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、マヤプシキ、ヒルギモドキ、ヒル
ギダマシの4科6属6種である。
慶佐次の河口近くにはヤエヤマヒルギが多く、中央部にはオヒルギ、上流近くや陸地との境にはメヒルギやイボタ
クサギ、サキシマスオウノキが生育している。この地域はヤエヤマヒルギの分布の北限であるほか、サキシマスオ
ウノキも群落形成する場所としては北限地となっている。
億首川のマングローブ林は河口域から左右の河岸に沿って発達している。河口部にはヤエヤマヒルギ、オヒル
ギ、メヒルギを主体としたマングローブ林が発達しており、北限種であるヒルギモドキも自生する貴重な群落であ
る。
指定地域等
国指定 屋我地鳥獣保護区:3,224ha(うち水面2,128ha)
日本の重要湿地500 屋我地(羽地内海含む)
日本の重要湿地500 東村の慶佐次マングローブと流入河川
日本の重要湿地500 大浦湾および大浦川
日本の重要湿地500 慶武原川
日本の重要湿地500 億首川流域
2-2-36
生態系(食物連鎖図)
注) 沖縄島北部の干潟・マングローブ林生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
植物
1
0
爬虫・
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
両生類
絶滅危惧IA類
0
0
0
1
0
環境省
0
6
絶滅危惧IB類
0
1
0
3
0
RL
絶滅危惧II類
0
9
0
3
0
0
31
絶滅危惧IA類
0
0
1
0
1
0
5
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
1
0
0
0
2
0
9
RDB
絶滅危惧II類
0
4
0
2
0
5
28
合計
2
0
10
0
9
0
5
66
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
哺乳類
鳥類
主な外来種
【植物】
なし
【動物】
なし
開発行為等による影響
・護岸整備や河川改修等による生息環境の縮小・消失。
・外来種による生態系の撹乱(マングローブの植栽など、他地域からの持ち込みによる遺伝子の撹乱や生物相の
撹乱)。
課題
・現存する干潟の保全と、低下した機能の回復。
・外来種による生態系の撹乱の防止(マングローブの植栽では、他地域から持ち込まない)。
2-2-37
主な貴重種
【海藻・海草類】
ホソエガサ、クビレミドロ(恩納地区)など
【植物】
ヒルギモドキ、ハマジンチョウなど
【哺乳類】
リュウキュウイノシシ
【鳥類】
ミサゴ(冬)、ハヤブサ(冬)、シロチドリ(留、一部冬)、ハマシギ(冬)、アカアシシギ(旅、冬)、カワセミなど
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
トカゲハゼ、トビハゼ、マサゴハゼ、ジャノメハゼ、ミナミアシシロハゼ、ホホグロハゼ、チワラスボ、アサガラハゼ、ヒゲワ
ラスボなど
【昆虫類】
なし
【貝類】
タイワンキサゴ、マドモチウミニナ、ヒメカワザンショウ、ミニカドカド、ガタチンナン、イソマイマイの一種、ナマリレイシダ
マシ、アラムシロ、ウスイロバイ、ドロアワモチ、ナラビオカミミガイ、デンジハマシイノミ、ナズミガイ、イシワリマクラ、ヒナ
ノヒオウギの一種、ミナミマガキ、ハボウキガイ、スエヒロガイ、トンガリベニガイ、モモイロサギガイ、ウスムラサキアシ
ガイ、オオズングリアゲマキ、マテガイ、ダンダラマテガイ、カミブスマ、シラオガイ、オキシジミ、コヅツガイ、ソトオリガイ
など
【甲殻類】
キノボリエビ、イリオモテマメコブシガニ、アマミマメコブシガニ、コウナガカワスナガニ、ミナミムツバアリアケガニ、シモフ
リシオマネキ、アゴヒロカワガニなど
典型的な種
【海藻・海草類】
ヒトエグサ、ボウアオノリ、アナアオサ、アオモグサ、リュウキュウガサ、カサノリ、イソスギナ、フクロノリ、ハイテングサな
ど
【植物】
ハママツナ、ミルスベリヒユ、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ナンテンカズラ、シイノキカズラ、シマシラキ、オオハ
マボウ、イボタクサギ、ソナレシバ、サワスズメノヒエ、ヨシ、イソヤマテンツキなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ゴイサギ(冬、一部留)、ダイサギ(冬)、コサギ(冬、一部留)、クロサギ、アオサギ(冬)、シロハラクイナ、バン、コチドリ
(冬)、メダイチドリ(旅、冬)、ムナグロ(旅、冬)、ダイゼン(冬)、キョウジョシギ(旅、冬)、トウネン(旅、冬)、ヒバリシギ(旅、
冬)、アオアシシギ(旅、冬)、キアシシギ(旅、一部冬)、チュウシャクシギ(旅、一部冬)など
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
ジャノメハゼ、ホシマダラハゼ、ボラ、リュウキュウドロクイ、ミナミトビハゼなど
【昆虫類】
なし
【貝類】
オニヒザラガイ、カンギク、ウズラタマキビ、アマオブネガイ、オイランカワザンショウ、クワノミカニモリ、ネジヒダカワニ
ナ、ゴマフニナ、ムカシタモト、キイロダカラ、ホウシュノタマ、レイシダマシモドキ、レイシダマシ、イボヨフバイ、シマベッ
コウバイ、マダライモ、コウダカカラマツガイ、ウラシマミミガイ、ナガオカミミガイ、ヌノメハマシイノミガイ、カリガネエガ
イ、ヒバリガイモドキ、オハグロガキ、リュウキュウザル、タママキガイ、リュウキュウバカガイ、アラスジケマンガイ、ヒメ
アサリ、ツクエガイなど
【甲殻類】
イッテンコテナガエビ、オキナワアナジャコ、オオベンケイガニ、ミナミコメツキガニ、フタバカクガニ、ベニシオマネキ、オ
キナワハクセンシオマネキ、フタハオサガニ、アミメノコギリガザミなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-38
圏域
沖縄島北部
環境区分
藻場
面積:550ha
概要
古宇利島
伊江川上流
漢那
伊江川下流
屋嘉田潟原
代表的な地域
・東部沿岸(辺野古~漢那)、屋嘉田潟原、瀬底島周辺沿岸
特徴
藻場は、海藻類が優占するガラモ場と海草類が優占するアマモ場に大別されるが、南西諸島の藻場は、亜熱帯性
のガラモ場と小型海藻を中心とした種多様性が高い海藻群落を形成していることが特徴である。
沖縄島の藻場の主体はガラモ場であり、リーフ内の礁池や干潟の岩上に点在する。一方で、沖縄海域のアマモ場
は、トチカガミ科およびシオニラ科に属する熱帯性の海草類が多種出現し、アマモ科の海草が主体となっている鹿
児島以北のアマモ場とは大きく異なっている。沖縄島周辺の藻場として沖縄島東部沿岸、瀬底島地先沿岸などが
知られる。
沖縄島では、ヒジキ、クビレオゴノリ、ユミガタオゴノリ、イバラノリ、ヒトエグサなどが食用として採取されており、地
域固有の食材となっている。
名護市、宜野座村(辺野古~漢那)の東部沿岸は、大規模な藻場が生育しており、アマモ類を餌にする特別天然記
念物のジュゴンが確認されていることから、「沖縄本島東沿岸」として日本の重要湿地に登録されている。
代表的な植生
当該地域に生育する注目すべき藻類としては、日本では沖縄県のみで見られるシオカワモッカが知られる。また、
沖縄海域では、計11種の海草類が生育しており、当該地域に生育する注目すべき海草類としてヒメウミヒルモ、カワ
ツルモ、コアマモが知られる。
名護市、宜野座村(辺野古~漢那)の東部沿岸は、ボウバアマモ、リュウキュウアマモ、ベニアマモなどの大きな群
落が形成されており、特別天然記念物のジュゴンの餌場となっている。
指定地域等
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(慶良間諸島を含む)
日本の重要湿地500 瀬底島の小湿地および周辺沿岸(瀬底島周辺沿岸)
日本の重要湿地500 塩川
日本の重要湿地500 沖縄本島東沿岸(辺野古~漢那)
日本の重要湿地500 屋嘉田潟原
2-2-39
生態系(食物連鎖図)
注) 沖縄島北部の藻場生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
爬虫・
哺乳類
鳥類
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
植物
両生類
絶滅危惧IA類
0
1
0
0
0
0
環境省
0
7
絶滅危惧IB類
0
0
0
0
0
0
RL
絶滅危惧II類
0
0
2
0
0
0
13
絶滅危惧IA類
0
1
0
0
0
0
2
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
1
0
0
0
0
0
6
RDB
絶滅危惧II類
0
0
1
0
0
0
7
合計
1
1
0
2
0
0
0
27
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
なし
【動物】
なし
開発行為等による影響
・埋立等による藻場の減少。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁、それに伴う海藻類の生育環境の悪化。
課題
・現存する藻場の保全。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁の防止。
・赤土等流出による海藻類の生育環境の悪化の防止、藻場生態系への影響の回避。
・藻場が形成される海岸は、砂泥底の海底や砂浜を介し淡水が浸み出しているため、海岸構造や後背地等全体を
視野に入れた環境保全が不可欠である。
2-2-40
主な貴重種
【海藻・海草類】
ウミヒルモ、トゲウミヒルモ、リュウキュウスガモ、ボウバアマモ、ベニアマモ、リュウキュウアマモ、マツバウミジグ
サ、ウミジグサ、コアマモなど
【哺乳類】
ジュゴン
【鳥類】
なし
【爬虫類】
アオウミガメ、ヒロオウミヘビ
【両生類】
なし
【魚類】
なし
【昆虫類】
なし
【貝類】
リュウキュウダカラ、チビツクシ、ウチワガイ、ヒナキンチャク、スエヒロガイ、ハートガイ、リュウキュウマテガイ、ジャ
ングサマテガイ、リュウキュウアサリ、マダライオウハマグリ、タイワンシラオガイなど
【甲殻類】
なし
典型的な種
【海藻・海草類】
ムクキッコウグサ、タカノハズタ、センナリズタ、サイハイズタ、コテングノハウチワ、マユハキモ、ミツデサボテング
サ、ハゴロモ、カタミズタマ、ウスガサネ、フデノホ、イトアミジ、ハイオオギ、ウスバウミウチバ、ウスユキウチワ、オキ
ナワモズク、フクロノリ、カゴメノリ、ヤバネモク、ヤツマタモク、コバモク、イバラノリ、カイメンソウ、トゲノリ、マクリ、オ
オウミヒルモ、ホソウミヒルモなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
なし
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
マトフエフキ、チビブダイ、アミアイゴ、ハタタテギンポ、ウミショウブハゼなど
【昆虫類】
なし
【貝類】
ヒメアワビ、ヒメクワノミカニモリ、オハグロガイ、マガキガイ、コモンダカラ、フトコロガイ、ムシエビ、イボヨフバイ、イト
マキボラ、マダライモ、ムシロタケ、カリガネエガイ、アコヤガイ、ニワトリガキ、イワカワハゴロモ、シロスジナデシコ、
リュウキュウザル、リュウキュウバカガイ、サラサガイなど
【甲殻類】
イソギンチャクカクレエビ、コモンヤドカリ、ソデカラッパ、イッカクガニ、タイワンガザミ、スエヒロイボテガニ、ヒメヒヅ
メガニ、メナガオサガニなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-41
沖縄島北部
圏域
概要
環境区分
サンゴ礁
面積:10265ha
写真提供 沖縄県環境科学センター
赤崎
写真提供 沖縄県環境科学センター
ウフビシ
写真提供 沖縄県環境科学センター
前兼久
代表的な地域
・赤崎、ウフビシ、前兼久など
特徴
沖縄島周辺のサンゴ礁は、島の周囲に形成される裾礁と島から離れた離礁からなる。裾礁とはいえ、島の東岸で
はサンゴ礁は島から数kmの広がりを見せ、堡礁的性格を見せるところもある。黒潮海域に当たるため比較的高緯
度であるにもかかわらず340種のイシサンゴ目及び、8種のイシサンゴ目以外の造礁サンゴが分布している。国頭
村本部町の水納島は裾礁であり、種の多様性が高いことから「水納島周辺沿岸」として日本の重要湿地に登録さ
れている。
代表的な造礁サンゴ
ニオウミドリイシ、ハナヤサイサンゴ属、ミドリイシ属、アザミサンゴ、塊状ハマサンゴ属、パラオハマサンゴ属、イボ
サンゴ属、ユビエダハマサンゴ属、エダコモンサンゴ、チヂミウスコモンサンゴ、卓状ミドリイシ属、枝状ミドリイシ属
など
指定地域等
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(慶良間諸島を含む)
日本の重要湿地500 水納島周辺沿岸
重要サンゴ群集 赤崎
重要サンゴ群集 楚洲
重要サンゴ群集 水族館前
重要サンゴ群集 ウフビシ
重要サンゴ群集 前兼久
2-2-42
生態系(食物連鎖図)
注)沖縄島北部のサンゴ礁生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
植物
0
0
爬虫・
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
両生類
絶滅危惧IA類
1
0
0
0
0
環境省
0
0
絶滅危惧IB類
0
0
2
0
0
RL
絶滅危惧II類
0
4
4
0
0
0
1
絶滅危惧IA類
0
1
0
0
0
0
1
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
0
0
0
1
0
0
1
RDB
絶滅危惧II類
0
3
2
2
0
0
1
合計
0
1
5
6
2
0
0
1
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
哺乳類
鳥類
主な外来種
【植物】
なし
【動物】
なし
開発行為等による影響
・埋立等によるサンゴ礁の減少。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁、それに伴うサンゴ礁の生息環境の悪化。
・ダイバー等のレジャー客によるサンゴ礁の踏み荒らし。
・サンゴの白化現象(1998年、2001年の高水温)やオニヒトデの食害等によるサンゴ礁の荒廃。
課題
・現存するサンゴ礁の保全。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁の防止。
・赤土等流出によるサンゴの生息環境の悪化の防止、サンゴ礁生態系への影響の回避。
・ガイドの育成、レジャー客への啓蒙活動によるサンゴ礁の踏み荒らしの防止。
・サンゴの白化現象(1998年、2001年の高水温)やオニヒトデの食害等により被度が低下したサンゴ礁の回復。
2-2-43
主な貴重種
【海藻・海草類】
キツネノオ、ムクキッコウグサ、ハイオオギ、ウスユキウチワ、ラッパモク、カギケノリ、イバラノリ、カイメンソウ、ウブ
ゲグサなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ミサゴ(冬)、ベニアジサシ(夏)、エリグロアジサシ(夏)、コアジサシ(夏)など
【爬虫類】
アカウミガメ、タイマイ、エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビ、イイジマウミヘビなど
【両生類】
なし
【魚類】
タマカイ、メガネモチノウオ
【昆虫類】
なし
【貝類】
アラゴマフダマ、クダボラ、サンゴガキチリメンカノコアサリなど
【甲殻類】
なし
典型的な種
【海藻・海草類】
キツネノオ、ムクキッコウグサ、ハイオオギ、ウスユキウチワ、ラッパモク、カギケノリ、イバラノリ、カイメンソウ、ウブ
ゲクサなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
なし
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
ミズン、ヤマトミズン、ヤイトハタ、アカマダラハタ、ヒメフエダイ、センネンダイ、チョウチョウウオ類、デバスズメダイ、
ベニハゼ、ヒメアイゴ、サンゴアイゴ、ナガニザなど
【昆虫類】
なし
【貝類】
ニシキウズ、マガキガイ、スイショウガイ、フタモチヘビガイ、ホシダカラ、コモンダカラ、サツマボラ、コオニコブシ、ム
シエビ、ジュドウマクラ、チョウセンフデ、ミノムシガイ、ジュズカケサヤガタイモ、ムシロタケ、エガイ、カリガネエガイ、
ソメワケグリ、クロチョウガイ、ウミギク、ヒメシャコガイ、サラサガイ、ツクエガイなど
【甲殻類】
ルリツボムシ、オトヒメエビ、ツマジロサンゴヤドカリなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-44
本県における特徴的な自然環境(自然環境台帳-地域別、環境別) 沖縄島中南部地域
圏域
概要
沖縄島中南部
環境区分
森林
面積:62.1km2
斉場御嶽
末吉公園
代表的な地域
・知花城跡、末吉公園、斉場御嶽
特徴
古くから集落や耕地化が進んでいるため、自然植生は戦禍をまぬがれた御嶽林や断層崖に残る林分のみとなって
いる。全般的には自然度が低くなっているが御嶽林や集落抱護林として小規模ながら特徴的な森林が残されてい
る。また、石灰岩風化土が広く分布しており、好石灰岩地生の森林植生が多くみられる。
末吉公園は、那覇市首里の北西に位置し、東西に流れる安謝川を挟んで段丘状の地形になっている。公園内は、
地形的に琉球石灰岩が分布し、低い所は泥岩層あるいはその風化土壌であるジャーガルからできている。那覇市
街地に残存する自然林として鳥獣保護区に指定されている。
代表的な植生
隆起サンゴ礁や泥岩等を基盤にもつリュウキュウガキ・ガジュマルなどで特徴づけられるリュウキュウガキ-ナガミ
ボチョウジ群団の植生である。同じ常緑広葉樹林でも北部のシイ型の森林とは異なる。
末吉公園の中央を流れる安謝川より北側の崖沿いと斜面上に、クスノハカエデ、ホルトノキ、ヤブニッケイ、ホソバ
ムクイヌビワなどを主な構成種とする自然林が成立し、広い面積を占めている。林内は石灰岩の転石が多く、ハマイ
ヌビワ、アコウ、ガジュマルなどのイヌビワ属やホラカグマ、ホウビカンジュ、オニヤブソテツなどのシダ植物が生育
する。
指定地域等
県指定 比謝川鳥獣保護区:8ha(うち水面2ha)
県指定 末吉鳥獣保護区:19ha(うち水面1ha)
2-2-45
生態系(食物連鎖図)
注) 沖縄島中南部の森林生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
植物
5
3
爬虫・
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
両生類
絶滅危惧IA類
0
0
0
0
環境省
1
5
絶滅危惧IB類
2
0
0
0
RL
絶滅危惧II類
0
5
4
1
1
8
絶滅危惧IA類
8
0
0
0
2
0
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
2
2
0
0
0
1
RDB
絶滅危惧II類
0
1
3
1
0
7
合計
12
2
5
4
1
0
14
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
哺乳類
鳥類
主な外来種
【植物】
ギンネム*、ムラサキカタバミ*、ツルヒヨドリ*、ヤコウカ、モクマオウ類、モミジヒルガオ、シッサス・シキオイデス(公式
記録なし)、ミスミトケイソウ、オウゴンカズラ、アフリカホウセンカなど
【動物】
フイリマングース**、イエネコ、クマネズミ、セマルハコガメ、グリーンアノール**(那覇市)、タイワンスジオ**(南限:北
谷町、北中城村)、サキシマハブ(南部)、サカイシロテンハナムグリ*、アフリカマイマイ*、ニューギニアヤリガタリクウ
ズムシ**など
**:「特定外来生物」。外来生物法の規制対象になる国外由来の外来生物。
*:「要注意外来生物」。外来生物法による規制の対象外であるが、生態系に悪影響を及ぼしうる外来生物(環境省指定)。
開発行為等による影響
・中南部は平坦部が多くを占め、古くから開墾が行われてきたことや戦争による破壊により自然林が少なく、野生
動植物の生息・生育状況も北部に比べて低い。
・外来種による生態系の撹乱(フイリマングース、グリーンアノール、サキシマハブなど)。
課題
・外来種による生態系の撹乱の防止(フイリマングース、グリーンアノール、サキシマハブなど)。
・残存緑地の保全
2-2-46
主な貴重種
【植物】
マツザカシダ、オキナワヤマコウバシ、オオツヅラフジ、クスノハカエデ、リュウキュウツチトリモチ、オキナワソケイなど
【哺乳類】
オリイオオコウモリ、オキナワコキクガシラコウモリ、コユビナガコウモリなど
【鳥類】
リュウキュウツミ、サシバ(旅、冬)、リュウキュウオオコノハズク、リュウキュウアオバズク、リュウキュウアカショウビン(夏)、リュウキュウ
サンショウクイ、リュウキュウサンコウチョウ(夏)など
【爬虫類】
クロイワトカゲモドキ、オキナワキノボリトカゲ、オキナワトカゲ、アマミタカチホヘビ
【両生類】
イボイモリ(極めて局所的)、シリケンイモリ
【昆虫類】
フタオチョウ、イワカワシジミなど
【貝類】
オオシマゴマガイ、ノミガイ、ウスチャイロキセルガイモドキ、ミカヅキノミギセル、リュウキュウギセル、アマノヤマタカマイマイ、イトマン
ケマイマイ、トウガタホソマイマイ、コメツブダワラガイなど
【甲殻類】
オキナワオオサワガニ、ヒメユリサワガニ
典型的な種
【植物】
ホウライシダ、ハチジョウシダ、リュウキュウイノモトソウ、ホウビカンジュ、オニヤブソテツ、ヤエヤマオオタニワタリ、フウトウカズラ、ア
マミアラカシ、ホソバムクイヌビワ、オオバイヌビワ、アコウ、ガジュマル、ハマイヌビワ、オオイタビ、ヤマグワ、ヤブニッケイ、ハマビワ、
タブノキ、ゲッキツ、サルカケミカン、アカギ、オオバギ、クスノハガシワ、ハゼノキ、ショウベンノキ、ホルトノキ、モクタチバナ、アカテツ、
リュウキュウガキ、クチナシ、ナガミボチョウジ、オキナワスズメウリ、エダウチチヂミザサ、タシロスゲ、クロツグ、クワズイモ、トウツル
モドキ、ヤブランなど
【哺乳類】
フイリマングース(外来)、クマネズミ(外来)、イエネコ(外来)など
【鳥類】
キジバト、ズアカアオバト、ホトトギス(旅)、ヒヨドリ、シロハラ(冬)、ウグイス、メボソムシクイ(冬)、エゾビタキ(旅、冬)、シジュウカラ、メジ
ロ、アオジ(冬)など
【爬虫類】
ミナミヤモリ、ヘリグロヒメトカゲ、リュウキュウアオヘビ、アカマタ、ハブ、ヒメハブなど
【両生類】
オキナワアオガエル、ヌマガエル、リュウキュウカジカガエル、ヒメアマガエルなど
【昆虫類】
ハラビロカマキリ、オキナワモリバッタ、オサヨコバイ、ナナホシキンカメムシ、オキナワイチモンジハムシ、イチジクカミキリ、コガタスズ
メバチ、インドオオズアリ、バナナセセリ、キイロヒトリモドキなど
【貝類】
オキナワヤマキサゴ、オキナワヤマタニシ、マルナタネガイ、ノミギセル、ツヤギセル、シュリマイマイ、オキナワウスカワマイマイ、アシ
ヒダナメクジなど
【甲殻類】
オカヤドカリ、カクレイワガニなど
特殊な環境に依存する種
崖地:オキナワヒメウツギ
洞窟:オキナワコキクガシラコウモリ、コユビナガコウモリ(ねぐら、繁殖場所として)
洞窟、石灰岩が発達した山地:アマノヤマタカマイマイ、ヒメユリサワガニ
2-2-47
圏域
概要
沖縄島中南部
環境区分
陸水(河川、池沼、湿地)
面積:5.5km2
安謝川
大城ダム
雄樋川下流
代表的な地域
・安謝川、大城ダム、雄樋川
特徴
河川はほとんどが護岸整備されており、都市河川の様相を呈している。特に南部の河川においては水質汚濁が進
んでいる。また、ほとんどの河川にティラピアやグッピーなどの外来魚が生息しているのも特徴である。
一方、地域住民等による河川の清掃、普及啓発活動、環境学習等も盛んである。自然が残存している一部の地域
では魚類のタイワンキンギョやタウナギ、甲殻類のサカモトサワガニ等の貴重種が生息している。
安謝川の源流から末吉公園までの上流部は、川幅が5m以下と狭く、殆ど蛇行しないコンクリート三面張りの直線形
状河川となっているため、生物の生息は殆どない。中流部は自然林が残存する末吉公園内を蛇行して流れる自然
河川となっており、サカモトサワガニ、トゲナシヌマエビ、クロヨシノボリなどの水生生物が生息している。
雄樋川は、大里村の大城ダムを源流とし、大里村、玉城村内を流下しており、オオクチバスやティラピア類などの外
来魚が多く生息する。流域における土地利用の大部分が市街地、耕作地で、市街化の進展により自然環境が減
少、消滅している。
代表的な植生
安謝川の源流から末吉公園までの上流部は、大部分がコンクリートの三面張りとなっている。中流部は自然林が残
存する末吉公園内を流れており、水際にはシュロガヤツリ、ヤナギバルイラソウなどの帰化植物が群生を形成して
いる。さらに下流部は、市街地の中を流れる都市河川の様相を示しており、ススキ、ヤナギバルイラソウなどが繁茂
している。
指定地域等
日本の重要湿地500 屋富祖井
日本の重要湿地500 斉場御獄
2-2-48
生態系(食物連鎖図)
注)沖縄島中南部の陸水(河川)生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
絶滅危惧IA類
環境省
絶滅危惧IB類
RL
絶滅危惧II類
絶滅危惧IA類
沖縄県
絶滅危惧IB類
RDB
絶滅危惧II類
合計
維管束
植物
1
4
4
4
11
哺乳類
鳥類
0
0
0
0
0
0
0
0
1
7
0
1
5
10
爬虫・
両生類
0
0
1
0
0
1
1
魚類
昆虫類
4
5
4
3
4
2
14
0
1
1
0
1
3
甲殻類
貝類
0
0
3
1
1
2
6
1
0
0
3
4
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
アメリカハマグルマ*、ホテイアオイ*、オオサンショウモ*、パラグラス、シュロガヤツリなど
【動物】
クサガメ、ヤエヤマイシガメ、ミシシッピアカミミガメ*、スッポン*、ウシガエル**、シロアゴガエル**、マダラロリカリア
*
、カダヤシ**、グッピー*、オオクチバス**、カワスズメ*、ナイルティラピア*、ウォーキングキャットフィッシュ*、スクミリ
ンゴガイ*、ジャンボタニシ*、タイワンシジミ*、アメリカザリガニ*など
**:「特定外来生物」。外来生物法の規制対象になる国外由来の外来生物。
*:「要注意外来生物」。外来生物法による規制の対象外であるが、生態系に悪影響を及ぼしうる外来生物(環境省指定)。
開発行為等による影響
・工事・事業場排水、畜舎排水、生活排水の流入による水質汚濁。
・治水機能のみを重視した過去の河川整備等による河川生態系の撹乱。
・外来種による生態系の撹乱(ホテイアオイ、ミシシッピアカミミガメ、ティラピア類など)。
課題
・河川における水質汚濁(工事・事業場排水、畜舎排水、生活排水)の緩和。
・生物多様性に配慮した河川改修による河川生態系の再生。
・外来種による生態系の撹乱の防止(ホテイアオイ、ミシシッピアカミミガメ、ティラピア類など)。
2-2-49
主な貴重種
【植物】
イヌドクサ、ナンゴクデンジソウ、アカウキクサ、タカウラボシ、ハンゲショウ、ナツノウナギツカミ、ホソバノウナギツカ
ミ、カワヂシャ、イヌタヌキモ、ミカワタヌキモ、ミズオオバコ、マルミスブタ、スイシャホシクサ、タヌキアヤメ、コウガイ
ゼキショウ、タイワンアシカキ、アオゴウソ、タマハリイ、ミスミイ、トクサイ、オオアゼテンツキ、カンダヒメランなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
カイツブリ、リュウキュウヨシゴイ、ミサゴ(冬)、リュウキュウヒクイナ、オオバン(冬)、タカブシギ(冬)、セイタカシギ
(冬)、カワセミなど
【爬虫類】
なし
【両生類】
イボイモリ(極めて局所的)、シリケンイモリ
【魚類】
メダカ、タイワンキンギョ、ドジョウ、タウナギ、タナゴモドキ、タメトモハゼ、アオバラヨシノボリ、フナ、ホクロハゼ、ミナ
ミヒメミミズハゼ、マングローブゴマハゼ、ホシマダラゼ
【昆虫類】
コフキトンボ、シオカラトンボなど
【貝類】
アカグチカノコ、アラハダカノコ、クルマヒラマキガイ、マメシジミ属の一種など
【甲殻類】
オキナワオオサワガニ、シオカワヨコエビ、アラモトサワガニ、サカモトサワガニ
典型的な種
【植物】
ミズワラビ、テツホシダ、ケタデ、タガラシ、ミゾハコベ、キカシグサ、キダチキンバイ、セリ、シソクサ、シマウリクサ、
スズメノトウガラシ、フタバムグラ、ミゾカクシ、ヌマダイコン、トキンソウ、タカサブロウ、クマノギク、ヒメガマ、エビモ、
ホッスモ、クロモ、イヌビエ、タイヌビエ、チゴザサ、ハイキビ、セイコノヨシ、ヒデリコ、タマガヤツリ、ムツオレガヤツ
リ、オニガヤツリ、ミズハナビ、オオアブラガヤ、マツバイ、イヌクログワイ、イヌホタルイ、コウキヤガラ、カンガレイ、
ナンゴクアオウキクサ、ウキクサ、シマツユクサ、コナギ、ハリコウガイゼキショウなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
カワウ(冬)、ゴイサギ(冬、一部留)、ダイサギ(冬)、コサギ(冬、一部留)、アオサギ(冬)、カルガモ(冬、一部留)、コガモ
(冬)、ヒドリガモ(冬)、オナガガモ(冬)、ハシビロガモ(冬)、キンクロハジロ(冬)、シロハラクイナ、バン、コチドリ(冬)、ア
オアシシギ(旅、冬)、クサシギ(冬)、キアシシギ(旅、冬)、イソシギ(冬)、タシギ(冬)、キセキレイ(冬)、ハクセキレイ(冬)
など
【爬虫類】
ヤエヤマイシガメ(外来)、ミシシッピアカミミガメ(外来)、ヒメハブなど
【両生類】
ヌマガエル、オキナワアオガエル、リュウキュウカジカガエル、シロアゴガエル(外来)、ヒメアマガエルなど
【魚類】
なし
【昆虫類】
なし
【貝類】
イガカノコガイ、トウガタカワニナ、カワニナ、サカマキガイ
【甲殻類】
ミゾレヌマエビ、トゲナシヌマエビ、ミナミテナガエビ、モクズガニなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-50
圏域
概要
沖縄島中南部
環境区分
海岸(海岸林、砂浜、岩礁)
自然海岸延長:100.0km
大度海岸
荒崎海岸
荒崎海岸
代表的な地域
・荒崎~米須(大度海岸)
特徴
琉球列島の海岸植生には、隆起サンゴ礁上の植生、砂浜植生、海崖植生などがあり、これらはいずれも熱帯の造
礁性サンゴの生育する海洋環境に形成される植生である。琉球列島の海浜植物は熱帯域のそれに類似し、世界的
に見ると熱帯海浜植生の北限域と捉えられる。
沖縄島では、全体として比較的小規模な砂浜が島の海岸線に沿ってまんべんなく分布する。しかし、西海岸の那覇
市、豊見城市、浦添市、宜野湾市、北谷町、嘉手納町などの海岸線は開発が著しいため、砂浜は殆ど存在しない。
沖縄の砂浜の砂はサンゴ礁生物起源の白い砂であるが、国頭村、東村ではサンゴ礁生物起源の砂に加えて、火成
岩起源の砂が含まれる。沖縄島北部では火成岩起源の砂の割合が高い砂浜が多いが、本島南西部ではこのよう
な砂質の砂浜は少ない。
中南部を代表する海岸砂丘として、米須砂丘(荒崎~米須)が広がる。
代表的な植生
海岸の砂浜には、温暖な気候条件と南からの暖流の影響を反映したアダン、モンパノキ、クサトベラ、ハマササゲ、
グンバイヒルガオ、ツキイゲ、クロイワザサ、キダチハマグルマなど東南アジア、太平洋諸島など熱帯・亜熱帯にも
広く分布している植物が多く繁茂しており、特徴ある群落を形成している。
指定地域等
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(慶良間諸島を含む)
2-2-51
生態系(食物連鎖図)
注) 沖縄島中南部の海岸(砂浜、岩礁)生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
絶滅危惧IA類
環境省
絶滅危惧IB類
RL
絶滅危惧II類
絶滅危惧IA類
沖縄県
絶滅危惧IB類
RDB
絶滅危惧II類
合計
維管束
植物
0
1
0
3
4
哺乳類
鳥類
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5
0
0
3
6
爬虫・
両生類
0
2
3
0
1
2
5
魚類
昆虫類
0
1
1
0
1
0
2
0
0
0
0
0
0
甲殻類
貝類
0
4
1
1
0
4
5
2
2
3
5
14
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
アメリカハマグルマ*、コマツヨイグサ*、アメリカネナシカズラ*、ハイアワユキセンダングサ*、モクマオウ類など
【動物】
フイリマングース**、クマネズミ、オガサワラヤモリ、ムラサキイガイ*、ムールガイ*など
**:「特定外来生物」。外来生物法の規制対象になる国外由来の外来生物。
*:「要注意外来生物」。外来生物法による規制の対象外であるが、生態系に悪影響を及ぼしうる外来生物(環境省指定)。
開発行為等による影響
・護岸整備による生態系・移動経路の分断。
・海岸への車の乗り入れなどによる海浜植物、シロチドリ、コアジサシの営巣地、ウミガメ類の産卵場の踏みつけ。
・沿岸の岩礁や無人島、サンゴ州島の観光化による人の接近、利用頻度の増加等によるアジサシ類の営巣地の
撹乱。
・外来種による生態系の撹乱(アメリカハマグルマ、モクマオウ類、クマネズミなど)。
・捕獲圧による個体数の減少(エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビなど)。
・砂の採取、護岸工事、港湾工事等による周辺砂浜の流出による砂の減少。
・定置網、刺網によるウミガメの混獲・羅網。釣り糸などによる海鳥の羅網。
・ゴミの不法投棄による漂着ゴミの増加(子ガメの帰海の妨害、海浜植物の生育阻害、海岸利用者の危険ゴミ(医
療廃棄物、電球、蛍光灯など)による被害、景観やレジャーへの影響)。
課題
・自然海岸の保全、復元。
・海岸における人間活動の制限。
・沖合漁業による定置網、刺網の設置時期の制限、漁具・漁法の改良。
・外来種による生態系の撹乱の防止(アメリカハマグルマ、モクマオウ類、クマネズミなど)。
・ゴミの不法投棄の防止。
2-2-52
主な貴重種
【植物】
ハママンネングサ、ウコンイソマツ、オキナワマツバボタン、ヤリテンツキ、ハリツルマサキ、ナハキハギ、イソフジ、
テンノウメ、ミズガンピ、ヤエヤマアオキ、モクビャクコウなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ミサゴ(冬)、ハヤブサ(冬)、シロチドリ(留、一部冬)、ベニアジサシ(夏)、エリグロアジサシ(夏)、コアジサシ(夏)、リュウ
キュウアカショウビン(夏)など
【爬虫類】
アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ、オキナワキノボリトカゲ、オキナワトカゲなど
【両生類】
なし
【魚類】
マサゴハゼ、ドロクイ、オキナワキチヌ、クサフグ
【昆虫類】
なし
【貝類】
ドームカドカド、リュウキュウダカラ、ウスイロバイ、アダンソンタママキ、オトメタママキ、ナミノコガイ、キュウシュウナ
ミノコガイ、アマサギガイ、ホシヤマナミノコザラ、トンガリベニガイ、トガリユウシオガイ、オガタザクラ、コバコガイ、
Psammotaea inflataなど
【甲殻類】
オキナワアカシマホンヤドカリ、キノボリエビ、ヒトハカニダマシ、ヤシガニ、タイワンベンケイガニ、ヤエヤマヒメオカ
ガニ、イワトビベンケイガニなど
典型的な種
【植物】
オニヤブソテツ、ソテツ、カワラアカザ、ハママツナ、イソフサギ、ミルスベリヒユ、ツルナ、スナヅル、ハスノハギリ、オ
オハマボウ、ハマボッス、ナンテンカズラ、シイノキカズラ、クロヨナ、ハマササゲ、ハマナタマメ、アオガンピ、スナジ
ダイゲキ、シマシラキ、ナンゴクハマウド、ボタンボウフウ、ミフクラギ、グンバイヒルガオ、モンパノキ、イボタクサギ、
ハマゴウ、クサトベラ、ソナレムグラ、キダチハマグルマ、シマアザミ、ホソバワダン、アダン、ハナカモノハシ、サワス
ズメノヒエ、ソナレシバ、クロイワザサ、コウライシバ、シオカゼテンツキ、テッポウユリ、ハマオモトなど
【哺乳類】
クマネズミ(外来)など
【鳥類】
クロサギ、メダイチドリ(旅、冬)、キョウジョシギ(旅、冬)、イソシギ(冬)、キジバト、ハクセキレイ(冬)、ヒヨドリ(留、一部
冬)、イソヒヨドリ、キマユムシクイ(冬)、シジュウカラ、メジロ、アトリ(冬)、マヒワ(冬)など
【爬虫類】
ミナミヤモリ、ヘリグロヒメトカゲ、アオカナヘビ、アカマタなど
【両生類】
なし
【魚類】
スズメダイ科、チョウチョウウオ科、ブダイ科、ベラ科、ハタ科、カマス科、ヒイラギ科、クロサギ科、キス科、イサキ科
(ホシミゾイサキ、クロコショウダイ)、ボラ科など
【昆虫類】
なし
【貝類】
ウスイロヘソカドガイ、クビキレガイ、ハマシイノミガイ、ツヤハマシイノミガイなど
【甲殻類】
ナキオカヤドカリ、ムラサキオカヤドカリ、オカガニ、ミナミオカガニ、オオカクレイワガニ、ミナミイワガニ、ツノメガニな
ど
特殊な環境に依存する種
隆起石灰岩:ミズガンピ、テンノウメ、ウコンイソマツ、モクビャクコウ
海浜植物と連続する砂浜:アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ(繁殖場所として)
淡水が海浜の砂礫を通して滲出してくる中潮帯環境:レモンカノコ、ハナガシミカノコ
2-2-53
圏域
概要
沖縄島中南部
環境区分
干潟・マングローブ林
干潟面積:731ha
マングローブ面積:18.31ha
漫湖
慶佐次川
泡瀬干潟
佐敷干潟
代表的な地域
・泡瀬干潟、佐敷干潟、具志干潟、漫湖
特徴
【本島中部】
沖縄市の沿岸で、中城湾の北に位置する泡瀬干潟は、現存する干潟や浅海域の広がりとしては南西諸島でも最
大級の規模を誇り、渡り鳥であるムナグロの最大越冬地である。また、トカゲハゼ、キララハゼの日本唯一の生息
地でもあり、世界的にも分布の北限にあたる。トビハゼ、マサゴハゼの日本での分布南限にもあたる。
【本島南部】
那覇市を流れる国場川河口部の漫湖一帯は、道路や公園、住宅地に囲まれた都市環境に残された干潟である。
海から3km上流の内陸にあるが、潮の干満差の影響を強く受け、干潮時に最大約47haの泥質干潟が出現する。
漫湖の西岸には、メヒルギを優占種とした約11haのマングローブ林が広がっている。ラムサール条約の登録湿地
であり、シギ・チドリ類、カモ類、クロツラヘラサギなどの水鳥・渡り鳥の重要な中継地、越冬地となっている。
その他、中城湾の南に位置する佐敷干潟や瀬長島周辺に広がる具志干潟が分布している。
代表的な植生
沖縄に分布するマングローブ(ヒルギ類)はメヒルギ、オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、マヤプシキ、ヒルギモドキ、ヒル
ギダマシの4科6属6種である。
漫湖の西岸には、小規模のヨシ原と、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、オヒルギなど約11haのマングローブ林が広がっ
ている。北岸にはシマシラキ、クロヨナ、オオハマボウが、上流にはサキシマスオウノキも分布している。
指定地域等
国指定 漫湖鳥獣保護区:174ha(うち水面58ha)
ラムサール条約湿地 漫湖:58ha
日本の重要湿地500 漫湖
日本の重要湿地500 中城湾(泡瀬干潟、佐敷干潟)
日本の重要湿地500 具志干潟~大嶺岬周辺沿岸
日本の重要湿地500 与根干潟
2-2-54
生態系(食物連鎖図)
注)沖縄島中南部の干潟・マングローブ林生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
爬虫・
哺乳類
鳥類
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
植物
両生類
絶滅危惧IA類
0
0
0
0
1
0
環境省
0
6
絶滅危惧IB類
0
0
1
0
3
0
RL
絶滅危惧II類
0
9
0
3
0
1
28
絶滅危惧IA類
0
0
1
0
1
1
4
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
0
0
0
0
1
0
4
RDB
絶滅危惧II類
0
4
0
2
0
5
18
合計
0
0
10
0
9
0
6
50
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
なし
【動物】
なし
開発行為等による影響
・護岸整備や河川改修等による生息環境の縮小・消失。
・干潟や浅海域の埋め立てによる生息環境の縮小・消失、生息環境の分断・孤立化。
・国場川河口域(漫湖)におけるマングローブ分布域の急激な拡大と底質の変化、それに伴う底生生物の変化や水
鳥類の減少。
・漫湖において、国場川と饒波川上流からの土砂堆積量の増加、ゴミの流入も問題となっている。
・外来種による生態系の撹乱(マングローブの植栽など、他地域からの持ち込みによる遺伝子の撹乱や生物相の
撹乱)。
課題
・現存する干潟の保全と、低下した機能の回復。
・マングローブ林の適切な管理による、底生生物や水鳥等の減少の阻止。
・上流からの土砂流入の防止。
・外来種による生態系の撹乱の防止(マングローブの植栽では、他地域から持ち込まない)。
2-2-55
主な貴重種
【海藻・海草類】
ホソエガサ、クビレミドロ(泡瀬地区、屋慶名地区)など
【植物】
ハマジンチョウ
【哺乳類】
なし
【鳥類】
クロツラヘラサギ(冬)、ミサゴ(冬)、ハヤブサ(冬)、シロチドリ(留、一部冬)、ハマシギ(冬)、アカアシシギ(旅、冬)、カワ
セミなど
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
トカゲハゼ、トビハゼ、ジャノメハゼ、ミナミアシシロハゼ、キララハゼ、ホホグロハゼ、チワラスボ、アサガラハゼ、ヒ
ゲワラスボ
【昆虫類】
なし
【貝類】
ウスイロバイ、オキナワヌカルミクチキレ、ドロアワモチ、クリイロコミミガイ、ミナミマガキ、ハボウキガイ、スエヒロガ
イ、カゴガイ、イレズミザルガイ、トウカイタママキ、トンガリベニガイ、モモイロサギガイ、ウスムラサキアシガイ、ダン
ダラマテガイ、フジイロハマグリ、シラオガイ、オキシジミ、コオキナガイなど
【甲殻類】
シオマネキ、キノボリエビ、イリオモテマメコブシガニ、アマミマメコブシガニ、コウナガカワスナガニ、ミナミムツバアリ
アケガニ、シモフリシオマネキなど
典型的な種
【海藻・海草類】
ヒトエグサ、ボウアオノリ、アナアオサ、アオモグサ、リュウキュウガサ、カサノリ、イソスギナ、フクロノリ、ハイテング
サなど
【植物】
ハママツナ、ミルスベリヒユ、オヒルギ、メヒルギ、シイノキカズラ、シマシラキ、オオハマボウ、イボタクサギ、ソナレシ
バ、サワスズメノヒエ、ヨシ、イソヤマテンツキなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ゴイサギ(冬、一部留)、ダイサギ(冬)、コサギ(冬、一部留)、クロサギ、アオサギ(冬)、シロハラクイナ、バン、コチドリ
(冬)、メダイチドリ(旅、冬)、ムナグロ(旅、冬)、ダイゼン(冬)、キョウジョシギ(旅、冬)、トウネン(旅、冬)、ヒバリシギ
(旅、冬)、アオアシシギ(旅、冬)、キアシシギ(旅、一部冬)、チュウシャクシギ(旅、一部冬)など
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
ジャノメハゼ、ホシマダラハゼ、ボラ、リュウキュウドロクイ、ミナミトビハゼなど
【昆虫類】
なし
【貝類】
オニヒザラガイ、カンギク、ウズラタマキビ、アマオブネガイ、オイランカワザンショウ、クワノミカニモリ、ネジヒダカワ
ニナ、ゴマフニナ、ムカシタモト、キイロダカラ、ホウシュノタマ、レイシダマシモドキ、レイシダマシ、イボヨフバイ、シマ
ベッコウバイ、マダライモ、コウダカカラマツガイ、ウラシマミミガイ、ナガオカミミガイ、ヌノメハマシイノミガイ、カリガ
ネエガイ、ヒバリガイモドキ、オハグロガキ、リュウキュウザル、タママキガイ、リュウキュウバカガイ、アラスジケマン
ガイ、ヒメアサリ、ツクエガイなど
【甲殻類】
イッテンコテナガエビ、オキナワアナジャコ、オオベンケイガニ、ミナミコメツキガニ、フタバカクガニ、ベニシオマネ
キ、オキナワハクセンシオマネキ、フタハオサガニ、アミメノコギリガザミなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-56
圏域
概要
沖縄島中南部
環境区分
藻場
面積:574ha
藪地島
泡瀬沖
伊江川下流
中城湾南部
代表的な地域
・藪地島周辺沿岸、泡瀬沖、久場沖
特徴
藻場は、海藻類が優占するガラモ場と海草類が優占するアマモ場に大別されるが、南西諸島の藻場は、亜熱帯性
のガラモ場と小型海藻を中心とした種多様性が高い海藻群落を形成していることが特徴である。
沖縄島の藻場の主体はガラモ場であり、リーフ内の礁池や干潟の岩上に点在する。一方で、沖縄海域のアマモ場
は、トチカガミ科およびシオニラ科に属する熱帯性の海草類が多種出現し、アマモ科の海草が主体となっている鹿
児島以北のアマモ場とは大きく異なっている。沖縄島の主な藻場として東部沿岸、瀬底島地先沿岸(本部町)などが
知られる。
沖縄島では、ヒジキ、クビレオゴノリ、ユミガタオゴノリ、イバラノリ、ヒトエグサなどが食用として採取されており、地域
固有の食材となっている。
代表的な植生
当該地域の主な藻場は、泡瀬沖・久場沖に分布しており、貴重な植物種として泡瀬通信施設南西海域で、クビレミド
ロが確認されている。その他、泡瀬干潟では絶滅危惧種のホソエガサ、新種のホソウミヒルモや、オオウミヒルモ、
ヒメウミヒルモなどの日本新産が発見され、それらの群落が砂地海底に広く分布している。中城湾南部(与那原町か
ら南城市)では、ヒジキ、フタエヒイラギモク、ハイテングサなどが生育している。ウミトラノオは、南西諸島での生育地
として那覇新港ほか数箇所で、隔離個体群として希少性が高い。
指定地域等
日本の重要湿地500 薮地島周辺沿岸
日本の重要湿地500 中城湾(北部(泡瀬、久場沖など)、南部)
2-2-57
生態系(食物連鎖図)
注) 沖縄島中南部の藻場生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RLもしくは沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
植物
0
0
爬虫・
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
両生類
絶滅危惧IA類
1
0
0
0
0
環境省
0
7
絶滅危惧IB類
0
0
0
0
0
RL
絶滅危惧II類
0
0
2
0
0
0
15
絶滅危惧IA類
0
1
0
0
0
0
2
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
1
0
0
0
0
0
6
RDB
絶滅危惧II類
0
0
1
0
0
0
8
合計
1
1
0
2
0
0
0
31
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
哺乳類
鳥類
主な外来種
【植物】
なし
【動物】
なし
開発行為等による影響
・埋立等による藻場の減少。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁、それに伴う海草類の生育環境の悪化。
課題
・中城湾南部において周辺後背地の開発が著しい。生育するヒジキは有用種であると共に隔離個体群として植物
地理学的な見地からも希少性が高い。
・中城湾北部において確認されているクビレミドロは、泡瀬地区以外では生育は2箇所のみとなっており、保全が急
務である。
・ウミトラノオは、埋立や環境悪化で沖縄の個体群の消失が危惧される。
・現存する藻場の保全。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁の防止。
・赤土等流出による海藻類の生育環境の悪化の防止、藻場生態系への影響の回避。
・藻場が形成される海岸は、砂泥底の海底や砂浜を介し淡水が浸み出しているため、海岸構造や後背地等全体を
視野に入れた環境保全が不可欠である。
2-2-58
主な貴重種
【海藻・海草類】
ウミヒルモ、トゲウミヒルモ、リュウキュウスガモ、ボウバアマモ、ベニアマモ、リュウキュウアマモ、マツバウミジグ
サ、ウミジグサ、コアマモなど
【哺乳類】
ジュゴン
【鳥類】
なし
【爬虫類】
アオウミガメ、ヒロオウミヘビ
【両生類】
なし
【魚類】
なし
【昆虫類】
なし
【貝類】
リュウキュウダカラ、アラゴマフダマ、ミノムシガイ、チビツクシ、ツヤイモ、ウチワガイ、ヒナキンチャク、スエヒロガ
イ、ハートガイ、リュウキュウマテガイ、ホソバラフマテガイ、ジャングサマテガイ、ウスカガミ、リュウキュウアサリ、マ
ダライオウハマグリ、タイワンシラオガイなど
【甲殻類】
なし
典型的な種
【海藻・海草類】
ムクキッコウグサ、タカノハズタ、センナリズタ、サイハイズタ、コテングノハウチワ、マユハキモ、ミツデサボテング
サ、ハゴロモ、カタミズタマ、ウスガサネ、フデノホ、イトアミジ、ハイオオギ、ウスバウミウチバ、ウスユキウチワ、オ
キナワモズク、フクロノリ、カゴメノリ、ヤバネモク、ヤツマタモク、コバモク、イバラノリ、カイメンソウ、トゲノリ、マク
リ、オオウミヒルモ、ホソウミヒルモなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
なし
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
マトフエフキ、チビブダイ、アミアイゴ、ハタタテギンポ、ウミショウブハゼなど
【昆虫類】
リュウキュウハグロトンボ、アマミオヨギカタビロアメンボ、ミズギワカメムシ、オキナワミジンダルマガムシ、キベリヒ
ラタガムシ、オキナワミゾドロムシ、オキナワマルヒラタドロムシ、グマガトビケラなど
【貝類】
ヒメアワビ、ヒメクワノミカニモリ、オハグロガイ、マガキガイ、コモンダカラ、フトコロガイ、ムシエビ、イボヨフバイ、イ
トマキボラ、マダライモ、ムシロタケ、カリガネエガイ、アコヤガイ、ニワトリガキ、イワカワハゴロモ、シロスジナデシ
コ、リュウキュウザル、リュウキュウバカガイ、サラサガイなど
【甲殻類】
イソギンチャクカクレエビ、コモンヤドカリ、ソデカラッパ、イッカクガニ、タイワンガザミ、スエヒロイボテガニ、ヒメヒヅ
メガニ、メナガオサガニなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-59
沖縄島中南部
圏域
概要
環境区分
サンゴ礁
面積:8089ha
写真提供 沖縄県環境科学センター
長浜
長浜
写真提供 沖縄県環境科学センター
ヨコヒシ
写真提供 沖縄県環境科学センター
大度
代表的な地域
・ヨコヒシ(浜比嘉島東)、大渡
特徴
沖縄島周辺のサンゴ礁は、島の周囲に形成される裾礁と島から離れた離礁からなる。裾礁とはいえ、島の東岸では
サンゴ礁は島から数kmの広がりを見せ、堡礁的性格を見せるところもある。黒潮海域に当たるため比較的高緯度で
あるにもかかわらず340種のイシサンゴ目及び、8種のイシサンゴ目以外の造礁サンゴが分布している。読谷村の残
波岬は裾礁であり、種の多様性が高いことから「残波岬地先沿岸」として日本の重要湿地に登録されている。
代表的な造礁サンゴ
エダコモンサンゴ、塊状ハマサンゴ属、被覆状コモンサンゴ属、卓上ミドリイシ属、ソフトコーラル、リュウモンサンゴ
属、クサビライシ科、スジウミバラ属、アナキッカサンゴ属、ユビエダハマサンゴ、トゲコモンサンゴなど
指定地域等
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(慶良間諸島を含む)
日本の重要湿地500 残波岬地先沿岸
重要なサンゴ群集 長浜
重要なサンゴ群集 砂辺
重要なサンゴ群集 下曽根
重要なサンゴ群集 ヨコヒシ
重要なサンゴ群集 喜屋武漁港南
重要なサンゴ群集 大度
2-2-60
生態系(食物連鎖図)
注) 沖縄島中南部のサンゴ礁生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
植物
0
0
爬虫・
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
両生類
絶滅危惧IA類
1
0
0
0
0
環境省
0
0
絶滅危惧IB類
0
0
2
0
0
RL
絶滅危惧II類
0
4
4
0
0
0
1
絶滅危惧IA類
0
1
0
0
0
0
1
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
0
0
0
1
0
0
1
RDB
絶滅危惧II類
0
3
2
1
0
0
1
合計
0
1
5
6
1
0
0
1
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
哺乳類
鳥類
主な外来種
【植物】
なし
【動物】
なし
開発行為等による影響
・埋立等によるサンゴ礁の減少。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁、それに伴うサンゴ礁の生息環境の悪化。
・ダイバー等のレジャー客によるサンゴ礁の踏み荒らし。
・サンゴの白化現象(1998年、2001年の高水温)やオニヒトデの食害等によるサンゴ礁の荒廃。
課題
・現存するサンゴ礁の保全。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁の防止。
・赤土等流出によるサンゴの生息環境の悪化の防止、サンゴ礁生態系への影響の回避。
・ガイドの育成、レジャー客への啓蒙活動によるサンゴ礁の踏み荒らしの防止。
・サンゴの白化現象(1998年、2001年の高水温)やオニヒトデの食害等により被度が低下したサンゴ礁の回復。
2-2-61
主な貴重種
【海藻・海草類】
キツネノオ、ムクキッコウグサ、ハイオオギ、ウスユキウチワ、ラッパモク、カギケノリ、イバラノリ、カイメンソウ、ウブ
ゲグサなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ミサゴ(冬)、ベニアジサシ(夏)、エリグロアジサシ(夏)、コアジサシ(夏)など
【爬虫類】
アカウミガメ、タイマイ、エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビ、イイジマウミヘビなど
【両生類】
なし
【魚類】
メガネモチノウオ
【昆虫類】
なし
【貝類】
アラゴマフダマ、クダボラ、サンゴガキチリメンカノコアサリなど
【甲殻類】
なし
典型的な種
【海藻・海草類】
キツネノオ、ムクキッコウグサ、ハイオオギ、ウスユキウチワ、ラッパモク、カギケノリ、イバラノリ、カイメンソウ、ウブ
ゲクサなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
なし
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
ミズン、ヤマトミズン、ヤイトハタ、チャイロマルハタ、ヒメフエダイ、センネンダイ、チョウチョウウオ類、デバスズメダ
イ、ベニハゼ、ヒメアイゴ、サンゴアイゴ、ナガニザなど
【昆虫類】
なし
【貝類】
ニシキウズ、マガキガイ、スイショウガイ、フタモチヘビガイ、ホシダカラ、コモンダカラ、サツマボラ、コオニコブシ、ム
シエビ、ジュドウマクラ、チョウセンフデ、ミノムシガイ、ジュズカケサヤガタイモ、ムシロタケ、エガイ、カリガネエガイ、
ソメワケグリ、クロチョウガイ、ウミギク、ヒメシャコガイ、サラサガイ、ツクエガイなど
【甲殻類】
ルリツボムシ、オトヒメエビ、ツマジロサンゴヤドカリなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-62
本県における特徴的な自然環境(自然環境台帳-地域別、環境別) 周辺離島地域
圏域
周辺離島
環境区分
森林
面積:70.0km2
概要
宇江城岳(久米島)
大岳(久米島)
久葉山(伊平屋
代表的な地域
・伊平屋島、久米島、渡嘉敷島の山間部
特徴
地形は島ごとに異なるが低島が多く、低地部はサトウキビ畑等の耕作地として利用されている。山地部にはイタジ
イ-オキナワウラジロガシ林やリュウキュウマツ林などの代償植生の他、海岸付近や断崖に自然植生をもつ島が
多く、島ごとに特徴的な群落を有している。特に隆起サンゴ礁からなる低島では内陸部のほとんどが代償植生で占
められ、自然林は御嶽、断層崖に僅かに見られる。
代表的な植生
久米島の山地部は概ねシイ・カシ二次林やリュウキュウマツ植林で占められ、低地部はサトウキビ畑などの耕作
地として利用されている。自然植生は大岳・宇江城岳のイタジイ林、阿良岳のイタジイ林が山間部に残っているの
みである。
伊平屋島北端の田名岬には、海岸近くから山頂にかけてビロウが特に優占した久葉山のビロウ群落がある。内陸
の山地部にはリュウキュウマツ群落、リュキュウアオキースダジイ(イタジイ)群集がある。後岳から腰岳、賀陽山に
かけての山地部の中腹部から山頂部にかけての植生は特定群落に指定されている。
渡嘉敷島の低地部はサトウキビ畑などの耕作地として利用されており、山地部の森林は概ねスダジイ(イタジイ)-
オキナワウラジロガシ林(二次林)やリュウキュウマツ林などの代償植生で占められており、自然植生は山頂部や断
崖、海岸付近に分布するのみである。
指定地域等
国指定 大東諸島鳥獣保護区:4,251ha(全て陸域)
県指定 屋嘉比島鳥獣保護区:129ha(全て陸域)
県指定 仲里鳥獣保護区:245ha(全て陸域)
県指定 具志川鳥獣保護区:290ha(うち水面21ha)
田名の久葉山自然環境保全地域(県指定):29,1ha(全て陸域)
後岳自然環境保全地域(県指定):109,9ha(全て陸域)
腰岳自然環境保全地域(県指定):63,3ha(全て陸域)
賀陽岳自然環境保全地域(県指定):94,5ha(全て陸域)
阿波岳自然環境保全地域(県指定):53,2ha(全て陸域)
伊是名山自然環境保全地域(県指定):53,5ha(全て陸域)
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(沖縄島を含む)
久米島県立自然公園:陸域6,125ha、海域5,743ha
渡名喜県立自然公園:陸域342ha、海域1,260ha
2-2-63
生態系(食物連鎖図)
注) 久米島の森林生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RLもしくは沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
爬虫・
哺乳類
鳥類
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
植物
両生類
絶滅危惧IA類
9
1
0
2
1
環境省
1
6
絶滅危惧IB類
5
2
1
2
0
RL
絶滅危惧II類
0
7
6
5
2
8
絶滅危惧IA類
13
1
2
1
3
1
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
15
2
2
4
0
3
RDB
絶滅危惧II類
0
2
3
4
0
11
合計
33
3
10
10
7
3
18
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
ギンネム*、ムラサキカタバミ*、モクマオウ類、モミジヒルガオなど
【動物】
イタチ(座間味島、南北大東島)、ヤギ(渡嘉敷島、座間味島)、クマネズミ、サカイシロテンハナムグリ*、アフリカマイ
マイ*、ニューギニアヤリガタリクウズムシ**など
**:「特定外来生物」。外来生物法の規制対象になる国外由来の外来生物。
*:「要注意外来生物」。外来生物法による規制の対象外であるが、生態系に悪影響を及ぼしうる外来生物(環境省指定)。
開発行為等による影響
・ダム建設、農地の拡大等に伴う森林伐採による生息環境の縮小、消失。
・外来種による生態系の撹乱(ギンネム、モクマオウ類、イタチ、クマネズミなど)。
課題
・消失した林の回復。
・外来種による生態系の撹乱の防止(ギンネム、モクマオウ類、イタチ、クマネズミなど)。
2-2-64
主な貴重種
【植物】
イワヒバ、エダウチクジャク、マルバホングウシダ、カレンコウアミシダ、コウラボシ、エノキフジ、ウバメガシ、シマカナメモチ、クスノハカ
エデ、トカラアジサイ、ケラマツツジ、タイワンヤマツツジ、サコスゲ、ツルラン、ボウラン、フウランなど
【哺乳類】
ダイトウオオコウモリ(大東諸島)、オリイオオコウモリ、オキナワコキクガシラコウモリ、コユビナガコウモリ
【鳥類】
サシバ(旅、冬)、アマミヤマシギ(冬)、カラスバト、リュウキュウコノハズク、ダイトウコノハズク(大東諸島)、リュウキュウアオバズク、リュ
ウキュウアカショウビン(夏)、リュウキュウサンショウクイ、ダイトウヒヨドリ(大東諸島)、リュウキュウサンコウチョウ(夏)、ダイトウメジロ
(大東諸島)など
【爬虫類】
リュウキュウヤマガメ、イヘヤトカゲモドキ(伊平屋島)、クメトカゲモドキ(久米島)、マダラトカゲモドキ(渡嘉敷島、阿嘉島、渡名喜島、伊
江島)、オキナワヤモリ(伊平屋島、久米島)、オキナワキノボリトカゲ、オキナワトカゲ、バーバートカゲ、アマミタカチホヘビ(渡嘉敷島)、
クメジマハイ(伊江島、渡名喜島、久米島、座間味島等)、ハイ(伊平屋島、伊是名島、渡嘉敷島等)
【両生類】
イボイモリ(渡嘉敷島)、シリケンイモリ(慶良間諸島)、リュウキュウアカガエル(久米島)、ホルストガエル(渡嘉敷島)
【昆虫類】
アサトカラスヤンマ、カマドウマ粟国島亜種、クメジマボタル、ダイトウヒラタクワガタ、クメジマカブトムシ、ダイトウサルハムシ、ダイトウ
スジヒメカタゾウムシ
【貝類】
リュウキュウゴマガイ、クメジマゴマガイ、キビオカチグサ類似種、ウスチャイロキセルガイモドキ、イトヒキツムガタノミギセル、ミカヅキ
ノミギセル、サカヅキノミギセル、マサキベッコウ、クメジママイマイ、リュウキュウヒダリマキマイマイ、ハンミガキマイマイ、オモロヤマタ
カマイマイ、イヘヤヤマタカマイマイ、カドマルウロコケマイマイトウガタホソマイマイなど
【甲殻類】
イヘヤオオサワガニ(伊平屋島)、クメジマオオサワガニ(久米島)、トカシキオオサワガニ(渡嘉敷島)
典型的な種
【植物】
コシダ、ヒリュウシダ、カツモウイノデ、ケホシダ、ヤエヤマオオタニワタリ、リュウキュウマツ、スダジイ、オキナワウラジロガシ、ホソバ
ムクイヌビワ、ガジュマル、アコウ、ハマイヌビワ、シバニッケイ、ヤブニッケイ、タブノキ、イスノキ、オキナワシャリンバイ、イルカンダ、
ヒメユズリハ、アカメガシワ、ハゼノキ、ホルトノキ、イジュ、アデク、シシアクチ、エゴノキ、クチナシ、ボチョウジ、ナガミボチョウジ、ツワ
ブキ、リュウキュウチク、オキナワスゲ、コゴメスゲ、タシロスゲ、クロツグ、ビロウ、クワズイモ、トウツルモドキ、ヤブラン、ノシラン、アオ
ノクマタケランなど
【哺乳類】
ケラマジカ(慶良間諸島)、クマネズミ(外来)など
【鳥類】
ヤマシギ(冬)、キジバト、ズアカアオバト、ホトトギス(旅)、ヒヨドリ(留、冬)、シロハラ(冬)、メボソムシクイ(冬)、ウグイス、エゾビタキ(旅、
冬)、メジロ、アオジ(冬)など
【爬虫類】
ミナミヤモリ、ヘリグロヒメトカゲ、リュウキュウアオヘビ、アカマタ、ハブ、ヒメハブなど
【両生類】
オキナワアオガエル、リュウキュウカジカガエル、ヒメアマガエルなど
【昆虫類】
メススジエダナナフシ、ダイトウマメクワガタ、イヘヤネブトクワガタ、ヒサマツサイカブト、クメジマミナミボタル、シブイロヒゲボタル、オキ
ナワマドボタル久米島亜種など
【貝類】
マルナタネガイ、ツヤギセル、シュリマイマイ、オキナワウスカワマイマイ、アシヒダナメクジなど
【甲殻類】
オカヤドカリ、カクレイワガニなど
特殊な環境に依存する種
着生:ナゴラン、フウラン
崖地:イワヒバ
洞窟:オキナワコキクガシラコウモリ[久米島、渡嘉敷島、伊平屋島]、コユビナガコウモリ[久米島](ねぐら、繁殖場所として)、カマドウマ
粟国島亜種[粟国島]
石灰岩が発達した山地:イヘヤヤマタカマイマイ[伊平屋島]、オモロヤマタカマイマイ[久米島]
朽木:ダイトウヒラタクワガタ[南北大東島]
2-2-65
圏域
概要
周辺離島
環境区分
陸水(河川、池沼、湿地)
面積:2.6km2
アーラ川(久米島)
白瀬川(久米島)
島尻の沢(久米島)
代表的な地域
・久米島(白瀬川など)、渡嘉敷島山地水域、伊平屋島(田名池)
特徴
久米島の北部を西から東へ、大岳(230m)-宇江城岳(309m)の丘陵が扇形に連なり、南東にゆるやかな傾斜地が
開け、浦地川、白瀬川が流れ下る。大岳から宇江城岳を源流として四方に流れる小渓流と、その周辺の湿地生態
系が「久米島の渓流・湿地」としてラムサール条約登録湿地となっている。ある所では伏流する溶存酸素量の多い
清流によって、湿潤で良好な環境が保たれ、キクザトサワヘビ、クメジマボタル、クメジマミナミサワガニなど絶滅が
危惧される多くの久米島固有種が生息する久米島独特の生態系で、学術的価値の高い湿地である。
伊平屋島は腰岳、賀陽岳など小高い尾根上の丘陵地が連続している。前岳とアサ岳から後岳へと連なる山地に挟
まれた平野に田名池をはじめ、河川、葦原、水田などを含む湿地帯が拡がる。
渡嘉敷島の大半は丘陵性の地形環境をしており、平地が少ない島である。島内を流れる川は3km未満と小さな川で
あるが、山間を流れる渓流河川となっており、貴重種であるリュウキュウヤマガメやイボイモリ、シリケンイモリなど
が生息する。また、沖縄島北部地域及び渡嘉敷島固有のホルストガエルが局所的に生息する。
代表的な植生
久米島の宇江城岳を源流とする渓流、湿地、森林を中心とする地域がラムサール条約登録湿地となっている。イタ
ジイ、オキナワウラジロガシなど自然度の高い森や河畔林が発達した良好な渓流環境である。
伊平屋島のほぼ中央部に位置する田名池は、開水面が見えないほど湿地性植物のヒメガマ、ナガボフトイ、セイコ
ノヨシ、ヒトモトススキなどの湿地性植物が密生し、湿地草原を形成している。
指定地域等
ラムサール条約湿地 久米島の渓流・湿地:255ha
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(沖縄島を含む)
久米島県立自然公園:陸域6,125ha、海域5,743ha
生息地等保護区(種の保存法) 宇江城岳キクザトサワヘビ生息地等保護区管理地区(沖縄県島尻郡久米島町):60
日本の重要湿地500 慶良間諸島渡嘉敷島の山地水域
日本の重要湿地500 南大東島の池と洞窟群(大池を除く)
日本の重要湿地500 久米島の渓流・湿地
2-2-66
生態系(食物連鎖図)
注) 久米島の陸水(河川)生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
絶滅危惧IA類
環境省
絶滅危惧IB類
RL
絶滅危惧II類
絶滅危惧IA類
沖縄県
絶滅危惧IB類
RDB
絶滅危惧II類
合計
維管束
植物
4
7
8
17
30
哺乳類
鳥類
0
0
0
0
0
0
0
0
1
6
0
1
4
9
爬虫・
両生類
1
1
1
1
1
1
3
魚類
昆虫類
3
4
3
3
4
2
11
3
1
5
0
3
10
甲殻類
貝類
2
0
6
3
1
4
10
2
0
0
2
3
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
アメリカハマグルマ*、オオサンショウモ*、パラグラス、シュロガヤツリなど
【動物】
クサガメ(久米島)、ヤエヤマイシガメ(伊平屋島)、スッポン*(伊平屋島、久米島、南北大東島)、ミヤコヒキガエル(南
北大東島)、オオヒキガエル**(南北大東島)、ウシガエル**、サキシマヌマガエル(南北大東島)、シロアゴガエル**、マ
ダラロリカリア*、カダヤシ**、グッピー*、ブルーギル**、カワスズメ*、ナイルティラピア*、スクミリンゴガイ*、ジャンボ
タニシ*など
**:「特定外来生物」。外来生物法の規制対象になる国外由来の外来生物。
*:「要注意外来生物」。外来生物法による規制の対象外であるが、生態系に悪影響を及ぼしうる外来生物(環境省指定)。
開発行為等による影響
・水田を主とする人力を中心とした農耕からサトウキビ畑へ変化し、機械力等で畑や道路が整備されたことによる
生息地の分断。
・農薬や消毒薬などの河川への薬物流入による科学的汚染。
・各開発事業、農地改良等に伴う赤土等の流出による水質汚濁。
・外来種による生態系の撹乱(ヒキガエル類、ウシガエル、シロアゴガエル、ティラピア類など)。
課題
・上流域での農薬や消毒薬などの河川への薬物流入による科学的汚染の防止。
・上流域での農地開発等に伴う赤土等の流出による水質汚濁の防止。
・外来種による生態系の撹乱の防止(ヒキガエル類、ウシガエル、シロアゴガエル、ティラピア類など)。
2-2-67
主な貴重種
【植物】
ナンゴクデンジソウ、アカウキクサ、タカウラボシ、ハンゲショウ、ナツノウナギツカミ、ホソバノウナギツカミ、ヒメミソ
ハギ、カワヂシャ、ミカワタヌキモ、マルミスブタ、ミズオオバコ、タヌキアヤメ、スイシャホシクサ、イグサ、コウガイゼ
キショウ、タイワンアシカキ、ヒメホウキガヤツリ、タマハリイ、ミスミイ、トクサイ、オオアゼテンツキなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
カイツブリ、リュウキュウヨシゴイ、ミサゴ(冬)、リュウキュウヒクイナ、オオバン(冬)、タカブシギ(冬)、セイタカシギ
(冬)、カワセミなど
【爬虫類】
キクザトサワヘビ(久米島)
【両生類】
イボイモリ(渡嘉敷島)、シリケンイモリ(慶良間諸島)、リュウキュウアカガエル(久米島)、ホルストガエル(渡嘉敷島)
【魚類】
メダカ、タイワンキンギョ、ドジョウ、タウナギ、タナゴモドキ、ルリボウズハゼ、キバラヨシノボリ、フナ、ホシマダラハ
ゼ
【昆虫類】
アサトカラスヤンマ、マダラゲンゴロウ、クメジマボタル、コフキオオメトンボ、サトウカラヒメドロムシ、イヘヤダルマガ
ムシ
【貝類】
マルタニシ、クルマヒラマキガイ、マメシジミ属の一種など
【甲殻類】
イヘヤオオサワガニ(伊平屋島)、クメジマオオサワガニ(久米島)、トカシキオオサワガニ(渡嘉敷島)、ドウクツヌマエ
ビ(南大東島)、オハグロテッポウエビ(南大東島)、アシナガヌマエビ(南大東島)、クメジマミナミサワガニ(久米島)、トカ
シキミナミサワガニ(渡嘉敷島)
典型的な種
【植物】
サイゴクホングウシダ、テツホシダ、ミズワラビ、ケタデ、タガラシ、カキバカンコノキ、サガリバナ、キダチキンバイ、
セリ、ヒメタムラソウ、シソクサ、シマウリクサ、ミゾカクシ、ヌマダイコン、トキンソウ、タカサブロウ、クマノギク、ヒメガ
マ、エビモ、ホッスモ、タイヌビエ、チゴザサ、ハイキビ、セイコノヨシ、ヒトモトススキ、ヒデリコ、タマガヤツリ、オオア
ブラガヤ、マツバイ、イヌクログワイ、イヌホタルイ、カンガレイ、コウキヤガラ、ナンゴクアオウキクサ、ウキクサ、シマ
ツユクサ、コナギ、ハリコウガイゼキショウなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
カワウ(冬)、ゴイサギ(冬、一部留)、ダイサギ(冬)、コサギ(冬、一部留)、アオサギ(冬)、マガモ(冬(大東諸島は留))、カ
ルガモ(冬、一部留)、コガモ(冬)、ヒドリガモ(冬)、オナガガモ(冬)、ハシビロガモ(冬)、キンクロハジロ(冬)、シロハラク
イナ、バン、コチドリ(冬)、アオアシシギ(旅、冬)、クサシギ(冬)、キアシシギ(旅、冬)、イソシギ(冬)、タシギ(冬)、キセキ
レイ(冬)、ハクセキレイ(冬)など
【爬虫類】
ヤエヤマイシガメ(外来)、ミシシッピアカミミガメ(外来)、ガラスヒバァ、ヒメハブなど
【両生類】
ヌマガエル、オキナワアオガエル、リュウキュウカジカガエル、シロアゴガエル(外来)、ヒメアマガエルなど
【魚類】
なし
【昆虫類】
なし
【貝類】
イガカノコガイ、トウガタカワニナ、カワニナ、サカマキガイなど
【甲殻類】
ミゾレヌマエビ、トゲナシヌマエビ、ミナミテナガエビ、モクズガニなど
特殊な環境に依存する種
山間渓流の源流域:リュウキュウアカガエル[久米島]、ホルストガエル[渡嘉敷島](繁殖場所として)
山間渓流の上流域:キクザトサワヘビ[久米島]、ルリボウズハゼ[久米島]、アサトカラスヤンマ[渡嘉敷島、阿嘉島]
洞窟地下水又は陸封潮溜まり:ドウクツヌマエビ、アシナガヌマエビ、オハグロテッポウエビ[南大東島]
2-2-68
圏域
概要
周辺離島
環境区分
海岸(海岸林、砂浜、岩礁)
自然海岸延長:323.6km
アーラ浜(久米島)
タチジャミ(久米島)
ミーフガー(久米島)
代表的な地域
・慶良間諸島周辺沿岸
特徴
琉球列島の海岸植生には、隆起サンゴ礁上の植生、砂浜植生、海崖植生などがあり、これらはいずれも熱帯の造
礁性サンゴの生育する海洋環境に形成される植生である。琉球列島の海浜植物は熱帯域のそれに類似し、世界的
に見ると熱帯海浜植生の北限域と捉えられる。
慶良間諸島の屋嘉比島、久場島は特にアオウミガメの産卵が多く確認されている。
代表的な植生
海岸の砂浜には、温暖な気候条件と南からの暖流の影響を反映したアダン、モンパノキ、クサトベラ、ハマササゲ、
グンバイヒルガオ、ツキイゲ、クロイワザサ、キダチハマグルマなど東南アジア、太平洋諸島など熱帯・亜熱帯にも
広く分布している植物が多く繁茂しており、特徴ある群落を形成している。
指定地域等
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(沖縄島を含む)
久米島県立自然公園:陸域6,125ha、海域5,743ha
渡名喜県立自然公園:陸域342ha、海域1,260ha
日本の重要湿地500 慶良間諸島周辺沿岸
2-2-69
生態系(食物連鎖図)
注) 久米島の海岸(砂浜、岩礁)生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
絶滅危惧IA類
環境省
絶滅危惧IB類
RL
絶滅危惧II類
絶滅危惧IA類
沖縄県
絶滅危惧IB類
RDB
絶滅危惧II類
合計
維管束
植物
7
2
8
9
21
哺乳類
鳥類
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5
0
0
3
6
爬虫・
両生類
0
2
5
0
1
2
7
魚類
昆虫類
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
1
甲殻類
貝類
0
2
1
0
0
3
3
0
0
0
1
3
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
*
*
*
アメリカハマグルマ 、コマツヨイグサ 、ハイアワユキセンダングサ 、モクマオウ類など
【動物】
*
*
イタチ(座間味島、南北大東島)、ヤギ(渡嘉敷島、座間味島)、クマネズミ、ムラサキイガイ 、ムールガイ など
*:「要注意外来生物」。外来生物法による規制の対象外であるが、生態系に悪影響を及ぼしうる外来生物(環境省指定)。
開発行為等による影響
・護岸整備による生態系・移動経路の分断。
・海岸への車の乗り入れなどによる海浜植物、シロチドリ、コアジサシの営巣地、ウミガメ類の産卵場の踏みつけ。
・沿岸の岩礁や無人島、サンゴ州島の観光化による人の接近、利用頻度の増加等によるアジサシ類の営巣地の
撹乱。
・外来種による生態系の撹乱(アメリカハマグルマ、モクマオウ類、イタチ、クマネズミなど)。
・捕獲圧による個体数の減少(エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビなど)。
・砂の採取、護岸工事、港湾工事等による周辺砂浜の流出による砂の減少。
・定置網、刺網によるウミガメの混獲・羅網。釣り糸などによる海鳥の羅網。
・ゴミの不法投棄による漂着ゴミの増加(子ガメの帰海の妨害、海浜植物の生育阻害、海岸利用者の危険ゴミ(医
療廃棄物、電球、蛍光灯など)による被害、景観やレジャーへの影響)。
課題
・自然海岸の保全、復元。
・海岸における人間活動の制限。
・沖合漁業による定置網、刺網の設置時期の制限、漁具・漁法の改良。
・外来種による生態系の撹乱の防止(アメリカハマグルマ、モクマオウ類、イタチ、クマネズミなど)。
・ゴミの不法投棄の防止。
2-2-70
主な貴重種
【植物】
オキナワハイネズ、ハママンネングサ、ウコンイソマツ、オキナワマツバボタン、ヒメハマナデシコ、ハリツルマサキ、
イソフジ、テンノウメ、ミズガンピ、ヒレザンショウ、アツバアサガオ、トゲイボタ、ヤエヤマアオキ、ヤエヤマスズコウ
ジュ、ハマウツボ、モクビャクコウ、ヒメヤブラン、コウボウシバ、ヤリテンツキ、ヒメネズミノオ、オニシバ、コオニシバ
など
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ミサゴ(冬)、ハヤブサ(冬)、シロチドリ(留、一部冬)、ベニアジサシ(夏)、エリグロアジサシ(夏)、コアジサシ(夏)、リュウ
キュウアカショウビン(夏)など
【爬虫類】
アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ、オキナワキノボリトカゲ、オキナワトカゲ、エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビなど
【両生類】
なし
【魚類】
マサゴハゼ、ドロクイ、オキナワキチヌ、クサフグ
【昆虫類】
ダイトウヒメハルゼミ、ダイトウウミコオロギ
【貝類】
リュウキュウダカラ、アダンソンタママキ、オガタザクラなど
【甲殻類】
ヤシガニ、ヘリトリオカガニ(南北大東島)、タイワンベンケイガニ(久米島)、ヤエヤマヒメオカガニ、イワトビベンケイガ
ニなど
典型的な種
【植物】
オニヤブソテツ、ソテツ、カワラアカザ、ハママツナ、イソフサギ、ミルスベリヒユ、ツルナ、スナヅル、ハマヒサカキ、
オオハマボウ、ハマボッス、ナンテンカズラ、シイノキカズラ、クロヨナ、ハマササゲ、ハマナタマメ、スナジダイゲキ、
シマシラキ、ナンゴクハマウド、ボタンボウフウ、ミフクラギ、グンバイヒルガオ、モンパノキ、イボタクサギ、ハマゴウ、
クサトベラ、ソナレムグラ、キダチハマグルマ、シマアザミ、ホソバワダン、アダン、ハナカモノハシ、サワスズメノヒ
エ、ツキイゲ、ソナレシバ、クロイワザサ、コウライシバ、シオカゼテンツキ、テッポウユリ、ハマオモトなど
【哺乳類】
ケラマジカ(慶良間諸島)、イタチ(座間味島、大東諸島(外来))、クマネズミ(外来)など
【鳥類】
クロサギ、メダイチドリ(旅、冬)、キョウジョシギ(旅、冬)、イソシギ(冬)、キジバト、ハクセキレイ(冬)、ヒヨドリ(留、一部
冬)、イソヒヨドリ、キマユムシクイ(冬)、メジロ、アトリ(冬)、マヒワ(冬)など
【爬虫類】
ミナミヤモリ、ヘリグロヒメトカゲ、アオカナヘビ、アカマタなど
【両生類】
なし
【魚類】
スズメダイ科、チョウチョウウオ科、ブダイ科、ベラ科、ハタ科、カマス科、フエダイ科、フエフキダイ科、トウゴロウイワ
シ科など
【昆虫類】
なし
【貝類】
ウスイロヘソカドガイ、クビキレガイ、ハマシイノミガイ、ツヤハマシイノミガイなど
【甲殻類】
ナキオカヤドカリ、ムラサキオカヤドカリ、オカガニ、ミナミオカガニ、オオカクレイワガニ、ミナミイワガニ、ツノメガニな
ど
特殊な環境に依存する種
風衝地:オキナワハイネズ、ボウコツルマメ、ヒレザンショウ、ヒメヤブラン
隆起石灰岩:ミズガンピ、テンノウメ、ウコンイソマツ、モクビャクコウ
海浜植物と連続する砂浜:アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ(繁殖場所として)
岩礁飛沫帯:ダイトウウミコオロギ[南大東島]
琉球石灰岩でできた特定の海岸洞窟:エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビ[久高島](繁殖場所として)
2-2-71
圏域
概要
周辺離島
環境区分
干潟・マングローブ林
干潟面積:27ha
マングローブ面積:3.61ha
儀間川(久米島)
儀間川(久米島)
儀間川(久米島)
代表的な地域
・久米島(儀間川河口)
特徴
久米島南側にある儀間川の河口部には、小規模なメヒルギ群落が見られる。
代表的な植生
沖縄に分布するマングローブ(ヒルギ類)はメヒルギ、オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、マヤプシキ、ヒルギモドキ、ヒル
ギダマシの4科6属6種である。
久米島南側にある儀間川の河口部には、小規模なメヒルギ群落が見られ、河床部にはヒメガマやパラグラスなど
の湿地性植物が生育している。
指定地域等
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(沖縄島を含む)
久米島県立自然公園:陸域6,125ha、海域5,743ha
渡名喜県立自然公園:陸域342ha、海域1,260ha
日本の重要湿地500 南大東島の池と洞窟群(大池)
2-2-72
生態系(食物連鎖図)
注) 久米島の干潟・マングローブ林生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
植物
1
0
爬虫・
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
両生類
絶滅危惧IA類
0
0
0
0
0
環境省
0
0
絶滅危惧IB類
0
1
0
0
0
RL
絶滅危惧II類
0
9
0
0
0
0
4
絶滅危惧IA類
0
0
1
0
0
0
0
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
1
0
0
0
0
0
0
RDB
絶滅危惧II類
0
4
0
0
0
0
5
合計
2
0
10
0
0
0
0
9
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
哺乳類
鳥類
主な外来種
【植物】
なし
【動物】
なし
開発行為等による影響
・儀間川上流域のダム建設、河川改修等に伴う赤土の流出による水質汚濁。
課題
・上流域のダム建設、河川改修等に伴う赤土の流出による水質汚濁の防止。
2-2-73
主な貴重種
【海藻・海草類】
ホソエガサなど
【植物】
なし
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ミサゴ(冬)、ハヤブサ(冬)、シロチドリ(留、一部冬)、ハマシギ(冬)、アカアシシギ(旅、冬)、カワセミなど
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
なし
【昆虫類】
なし
【貝類】
ドロアワモチなど
【甲殻類】
ルリマダラシオマネキ、コムラサキオカヤドカリ
典型的な種
【海藻・海草類】
ヒトエグサ、ボウアオノリ、アナアオサ、アオモグサ、リュウキュウガサ、カサノリ、イソスギナ、フクロノリ、ハイテング
サなど
【植物】
メヒルギ、シイノキカズラ、オオハマボウ、イボタクサギ、ソナレシバなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ゴイサギ(冬、一部留)、ダイサギ(冬)、コサギ(冬、一部留)、クロサギ、アオサギ(冬)、バン、コチドリ(冬)、メダイチドリ
(旅、冬)、ムナグロ(旅、冬)、ダイゼン(冬)、キョウジョシギ(旅、冬)、トウネン(旅、冬)、ヒバリシギ(旅、冬)、アオアシシ
ギ(旅、冬)、キアシシギ(旅、一部冬)、チュウシャクシギ(旅、一部冬)など
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
ジャノメハゼ、ホシマダラハゼ、ボラ、リュウキュウドロクイ、ミナミトビハゼなど
【昆虫類】
なし
【貝類】
オニヒザラガイ、カンギク、ウズラタマキビ、アマオブネガイ、オイランカワザンショウ、クワノミカニモリ、ネジヒダカワ
ニナ、ゴマフニナ、ムカシタモト、キイロダカラ、ホウシュノタマ、レイシダマシモドキ、レイシダマシ、イボヨフバイ、シマ
ベッコウバイ、マダライモ、コウダカカラマツガイ、ナガオカミミガイ、ヌノメハマシイノミガイ、カリガネエガイ、ヒバリガ
イモドキ、オハグロガキ、リュウキュウザル、タママキガイ、リュウキュウバカガイ、アラスジケマンガイ、ヒメアサリ、ツ
クエガイなど
【甲殻類】
イッテンコテナガエビ、オキナワアナジャコ、オオベンケイガニ、ミナミコメツキガニ、フタバカクガニ、ベニシオマネキ、
オキナワハクセンシオマネキ、フタハオサガニ、アミメノコギリガザミなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-74
圏域
概要
周辺離島
環境区分
藻場
面積:152ha
代表的な地域
周辺離島においては大規模な藻場は見られない。
特徴
藻場は、海藻類が優占するガラモ場と海草類が優占するアマモ場に大別される。沖縄島の藻場の主体はガラモ場
であり、リーフ内の礁池や干潟の岩上に点在する。一方で、沖縄海域のアマモ場は、トチカガミ科およびシオニラ科
に属する熱帯性の海草類が多種出現し、アマモ科の海草が主体となっている鹿児島以北のアマモ場とは大きく異
なっている。
代表的な植生
周辺離島においては大規模な藻場は見られない。
指定地域等
久米島県立自然公園:陸域6,125ha、海域5,743ha
渡名喜県立自然公園:陸域342ha、海域1,260ha
2-2-75
生態系(食物連鎖図)
注) 周辺離島の藻場生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
植物
0
0
爬虫・
魚類
昆虫類 甲殻類
貝類
両生類
絶滅危惧IA類
0
0
0
0
0
環境省
0
0
絶滅危惧IB類
0
0
0
0
0
RL
絶滅危惧II類
0
0
2
0
0
0
1
絶滅危惧IA類
0
0
0
0
0
0
1
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
1
0
0
0
0
0
1
RDB
絶滅危惧II類
0
0
1
0
0
0
2
合計
1
0
0
2
0
0
0
5
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
哺乳類
鳥類
主な外来種
【植物】
なし
【動物】
なし
開発行為等による影響
周辺離島においては大規模な藻場は見られない。
課題
周辺離島においては大規模な藻場は見られない。
2-2-76
主な貴重種
【海藻・海草類】
ウミヒルモ、リュウキュウスガモ、ボウバアマモ、ベニアマモ、リュウキュウアマモ、マツバウミジグサ、ウミジグサ、コ
アマモなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
なし
【爬虫類】
アオウミガメ、ヒロオウミヘビ
【両生類】
なし
【魚類】
なし
【昆虫類】
なし
【貝類】
リュウキュウダカラ、リュウキュウアサリなど
【甲殻類】
なし
典型的な種
【海藻・海草類】
ムクキッコウグサ、タカノハズタ、センナリズタ、サイハイズタ、コテングノハウチワ、マユハキモ、ミツデサボテング
サ、ハゴロモ、カタミズタマ、ウスガサネ、フデノホ、イトアミジ、ハイオオギ、ウスバウミウチバ、ウスユキウチワ、オキ
ナワモズク、フクロノリ、カゴメノリ、ヤバネモク、ヤツマタモク、コバモク、イバラノリ、カイメンソウ、トゲノリ、マクリ、オ
オウミヒルモ、ホソウミヒルモなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
なし
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
マトフエフキ、チビブダイ、アミアイゴ、ハタタテギンポ、ウミショウブハゼなど
【昆虫類】
なし
【貝類】
ヒメアワビ、ヒメクワノミカニモリ、オハグロガイ、マガキガイ、コモンダカラ、フトコロガイ、ムシエビ、イボヨフバイ、イト
マキボラ、マダライモ、ムシロタケ、カリガネエガイ、アコヤガイ、ニワトリガキ、イワカワハゴロモ、シロスジナデシコ、
リュウキュウザル、リュウキュウバカガイ、サラサガイなど
【甲殻類】
イソギンチャクカクレエビ、コモンヤドカリ、ソデカラッパ、イッカクガニ、タイワンガザミ、スエヒロイボテガニ、ヒメヒヅ
メガニ、メナガオサガニなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-77
周辺離島
圏域
概要
環境区分
サンゴ礁
面積:7996ha
写真提供 沖縄県環境科学センター
筆ン崎
写真提供 沖縄県環境科学センター
オーハ島北
写真提供 沖縄県環境科学センター
ヒジュイシ
代表的な地域
・慶良間諸島、渡名喜島周辺海域
特徴
阿嘉島を中心とした慶良間海域で確認された造礁サンゴは248種である。日本国内でおよそ400種の造礁サンゴが
確認されていることから、慶良間諸島にはそのおよそ62%が生息していることになり、面積的な広がりから考えると
慶良間諸島の造礁サンゴ相は極めて豊富である。
代表的な造礁サンゴ
枝状・卓上ミドリイシ属、塊状ハマサンゴ属、ユビエダハマサンゴ、エダイボサンゴ、葉状リュウキュウキッカサンゴ
属、コモンシコロサンゴ、ハナヤサイサンゴ属、ハマサンゴ属、トゲサンゴ、ショウガサンゴ、ミドリイシ属、シコロサン
ゴ属、アザミサンゴ、トゲキクメイシ属、コモンサンゴ属、チヂミウスコモンサンゴなど
指定地域等
ラムサール条約湿地 慶良間諸島海域:353ha(座間味233ha,渡嘉敷120ha)
沖縄海岸国定公園:陸域10,286ha、海域26,173ha(沖縄島を含む)
久米島県立自然公園:陸域6,125ha、海域5,743ha
渡名喜県立自然公園:陸域342ha、海域1,260ha
日本の重要湿地500 渡名喜島周辺沿岸
日本の重要湿地500 慶良間諸島周辺沿岸
重要サンゴ群集 野甫島西
最重要保全区域 アリガー
重要サンゴ群集 屋ノ下島西
最重要保全区域 ヒジュイシ
重要サンゴ群集 久米島北西
最重要保全区域 嘉比島南
重要サンゴ群集 オーハ島北
最重要保全区域 ニシバマ
重要サンゴ群集 トンバラサシ
最重要保全区域 チビ
重要サンゴ群集 筆ン崎
重要サンゴ群集 ウーグ浜
重要サンゴ群集 渡名喜島北
重要サンゴ群集 渡名喜島東
2-2-78
生態系(食物連鎖図)
注) 周辺離島のサンゴ礁生態系を代表的な動植物で模式的に示した例であり、食物連鎖の全てを表すものではない。
貴重種数
環境省RL、沖縄県RDBで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている植物、絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類に指定されている動物
維管束
爬虫・
哺乳類
鳥類
魚類
昆虫類 甲殻類
植物
両生類
絶滅危惧IA類
0
0
0
0
0
0
環境省
0
絶滅危惧IB類
0
0
0
2
0
0
RL
絶滅危惧II類
0
4
4
0
0
0
絶滅危惧IA類
0
0
0
0
0
0
沖縄県
0
絶滅危惧IB類
0
0
0
1
0
0
RDB
絶滅危惧II類
0
3
2
2
0
0
合計
0
0
5
6
2
0
0
貝類
0
0
0
0
0
0
注)環境省RL、沖縄県RDBの掲載種に重複があるため、合計数は種数の総和とは異なっている場合がある。
主な外来種
【植物】
なし
【動物】
なし
開発行為等による影響
・ダイバー等のレジャー客によるサンゴ礁の踏み荒らし。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁、それに伴うサンゴ礁の生息環境の悪化。
・サンゴの白化現象(1998年、2001年の高水温)やオニヒトデの食害等によるサンゴ礁の荒廃。
課題
・ガイドの育成、レジャー客への啓蒙活動によるサンゴ礁の踏み荒らしの防止。
・河川域からの赤土等流入による水質汚濁の防止。
・サンゴの白化現象(1998年、2001年の高水温)やオニヒトデの食害等により被度が低下したサンゴ礁の回復。
2-2-79
主な貴重種
【海藻・海草類】
キツネノオ、ムクキッコウグサ、ハイオオギ、ウスユキウチワ、ラッパモク、カギケノリ、イバラノリ、カイメンソウ、ウブ
ゲグサなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
ミサゴ(冬)、ベニアジサシ(夏)、エリグロアジサシ(夏)、コアジサシ(夏)など
【爬虫類】
アカウミガメ、タイマイ、エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビ、イイジマウミヘビなど
【両生類】
なし
【魚類】
タマカイ、メガネモチノウオ
【昆虫類】
なし
【貝類】
アラゴマフダマ、クダボラ、チリメンカノコアサリなど
【甲殻類】
なし
典型的な種
【海藻・海草類】
キツネノオ、ムクキッコウグサ、ハイオオギ、ウスユキウチワ、ラッパモク、カギケノリ、イバラノリ、カイメンソウ、ウブ
ゲクサなど
【哺乳類】
なし
【鳥類】
なし
【爬虫類】
なし
【両生類】
なし
【魚類】
ミズン、ヤマトミズン、ヤイトハタ、アカマダラハタ、ヒメフエダイ、センネンダイ、チョウチョウウオ類、デバスズメダイ、
ベニハゼ、ヒメアイゴ、サンゴアイゴ、ナガニザなど
【昆虫類】
なし
【貝類】
ニシキウズ、マガキガイ、スイショウガイ、フタモチヘビガイ、ホシダカラ、コモンダカラ、サツマボラ、コオニコブシ、ム
シエビ、ジュドウマクラ、チョウセンフデ、ミノムシガイ、ジュズカケサヤガタイモ、ムシロタケ、エガイ、カリガネエガイ、
ソメワケグリ、クロチョウガイ、ウミギク、ヒメシャコガイ、サラサガイ、ツクエガイなど
【甲殻類】
ルリツボムシ、オトヒメエビ、ツマジロサンゴヤドカリなど
特殊な環境に依存する種
なし
2-2-80
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