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高澤新さん - 東京造形大学
留学報告書 University of Southampton Winchester School of Art 2012.1.25 ∼ 2012.6.21 東京造形大学大学院 造形研究科 デザイン研究領域 2 年 151016 髙澤新 留学の目的 人々が抱く街への愛着心の研究 近年、日本では建物のコンバージョンが積極的に行われている。しかし、すでに欧州では何百年も昔からコンバージョン は行われている。その時代毎のライフスタイルに合わせて内装を替え、一つの建物を大切に使ってきた国が欧州には数多く 存在する。イギリスもそのうちの一つだと言えよう。日本でそれがなし得なかったのは、一つに災害の多い国であるという ことが言える。しかし、その理由以上に、日本人は建物や都市が持つ雰囲気を尊重してこなかったからではないか、と私は 考える。私はイギリスの建物や都市がかつての姿のまま存在できていることについて、そこに暮らす市民一人ひとりがその 都市が持つ雰囲気に誇りを持ち、それが市民一人ひとりのこころをつなぎとめているからではないかと考える。建物や都市 が歴史を背負った威厳のあるものだからこそ、市民は歴史から目を背けること無く過去を尊重し、伝統を守ってこられたの ではないか。 私は都市や建物が人々を見えないかたちでつなぎとめているのではないかと考える。日本の都市部における人間関係の希 薄化や、東日本大震災によって壊滅した街におけるコミュニティーの崩壊を見ても分かるように、建物や街全体の急速な変 化が、いかに人々の間に大きな影響を及ぼしてしまうかがわかる。 これから、日本では人々のライフスタイルは大きく変化していくと考える。日本はこれまで目覚ましい発展を遂げてきた。 それは私たちの生活を支え、非常に暮らし易い国にした。そして今日もその発展のスピードを緩めることは無い。非常に短 期間のうちに、爆発的に発達した国だ。しかし、それによって生まれた代償は大きい。自殺者数が年間約3万人。日々分け の分からぬ犯罪がどこかで起きるようになってしまった。ありとあらゆる尋常ではないことが身近で起きているのに、私た ちはそのことについて考え、立ち止まることはない。このような社会は決して成熟しているとは言えない。原発の問題が代 表されるように、私たちはその様なリニアな思考を捨て、新しいライフスタイルを確立しなければならないと考える。世界 有数の巨大都市を持ち、豊かな国となった日本。唯一私たちに足りなかったことは、真の意味での成熟であると考える。それを、 私はイギリスの古都であるウィンチェスターから学び得たいと考えた。そこには、私が見たことも無いライフスタイルが存 在しているのではないかと思った。 人々をつなぎとめている街の雰囲気、真の意味での成熟……実態がつかみにくいものを私は知ろうと試みていたが、私は それを知るために、「人々が抱く街への愛着心」というキーワードを掲げて研究を進めていった。現地で模索したことはこの ような抽象的な事柄であるが、長期間の留学だからこそ、それらを生け捕りにすることができたと感じている。私は自分が 見て、感じたことを、生きたまま作品に注ぎ込んだ。その過程で得られたことを、今後の自分の活動に反映していきたいと思う。 留学の概要 日程 【1月】 25日 成田発 25日 イギリス着 30日 交換留学生は10時にレセプションに集合。グラフィック、絵画の学生はそれぞれ個別の教室へ行き、 プロジェクト(課題)の説明を聞く。この日から授業開始。 【2月】 3日 交換留学生全員(約9名)で、学校がチャーターしたバスでサウサンプトン大学ハイフィールドキャン パスへ。講堂にてオリエンテーションを受ける。 16日 クリッツ(Supplement) 【3月】 1日 クリッツ(Genius loci) 13日 ハンドイン(Reflective journal) 19 4/15 イースター休暇 【4月】 16日 授業再開 【5月】 17日 クリッツ(Self-Initiated Project) 21日 ハンドイン 【6月】 15日 セメスター2終了 20日 イギリス発 21日 成田着 プロジェクト (課題)は全部で4本(Supplement、Genius loci、Reflective journal、Self-Initiated Project)。 授業は週2、3回あった。授業は大きく分けて、下記の通り3つ。 ・チュートリアルというプロジェクトの経過報告(週2回) ・グラフィックデザインに関するレクチャー(月2、3回) ・ワークショップと呼ばれる授業で、一同に製本やレイアウトなどを行い、実際に手を動かしてデザインについて考え る授業。 (月1回) 授業概要 私が在籍したグラフィックアーツは、さらに4つのコースに分かれている(グラフィックデザイン、モーショングラフ ィックス、イラストレーション、写真)。私はグラフィックデザインのコースで学んだ。さらに、その中で5つのグループに 分かれている。プロジェクトに対する授業はチュートリアルと言うもので、経過報告を中心に行われる。 これは週2回、 グループ毎に行われる。チュートリアルでは、チューター1人に対し学生8人程の割合である。チュートリアルでは、ス ケッチブックなどに自分の思考のプロセスや自分のアイディアに影響を与えた文献や資料などを添付したものや、作 品のモックアップやスタディを持ち込み、自分の作品がどのような方向へ向いているのかを説明する。その際にもち ろんのこと、チューターや他の学生からアドバイスや意見をもらうことができる。また、レクチャーと言う授業が月に2 、3回行われる。 これはグラフィックデザインに関する専門的な座学の授業で、講堂でコース全体に対して行われる。 さらに、ワークショップと言う授業が月に1回程行われる。 これもコース全体に対して行われる。基本的にコース毎に 授業が進められるが、 グラフィックアーツ全体でプロジェクト内容が共通していることがユニークである。媒体は違え ど、同じ趣旨で作品を制作するのである。また、コースの中でも、必ずしも自分が所属するコースの媒体を扱う必要は 無かった(グラフィックの学生が写真で表現するなど)。その表現が適切であれば、媒体の垣根を越えても許容される 。座学を行うこともあるが、チューターからは基本的に制作に関するロジックや方法論の様なことは教わらず、最低限 のことを口頭で説明することに留めおり、自主的に学ぶことが奨励されている。学生の自由な発想を尊重し、学校側 が多くを干渉することは無い。 プロジェクトが発表される際には講堂でグラフィックアーツ全体に対して説明会が行われる。そこでブリーフという プロジェクト概要が書かれたものが配られる。各プロジェクトで数回のチュートリアル、レクチャー、ワークショップが 行われ、最終的にクリッツと言う講評会がグループ毎に行われる。 クリッツでは2人のチューターが参加する。各学生 はプレゼンテーションの後、チューターからアドバイスを受け、他の学生からも意見をもらうことができる。 クリッツは そのプロジェクト期間の最後に行われるため、その日にプレゼンテーションすることが重要視されているが、これは 作品提出日とは異なる。 クリッツを経て、意見をもらい、さらに自分の作品をブラッシュアップするために行われる。 作品提出は学期末のハンドインと言う日に、それまで行った全てのプロジェクトで制作した作品をまとめて提出す る。その際に、作品の最終版とともに、各課題毎で使用したノートやスケッチブックなど、作品を生み出すまでのプロ セスが分かるものを同梱する。 プロジェクトは、 「 Supplement」、 「 Genius loci」、 「 Reflective journal」、 「 Self-Initiated Project」の4本である。 「Reflective jpurnal」は他のプロジェクトとは性質が異なり、成果物を伴うプロジェクトではない。自分が興味のある 事柄について文献などから調べ、自分の興味の方向性を探っていくというものである。 このプロジェクトは自主研究 であり、チュートリアルは2回程しか行われなかった。他のプロジェクト同様、プロセスが重要視されるが、特に自分の 考えを裏付けるための情報の量が重要となっている。 このプロジェクトのみ、ハンドインがイースター休暇の前に行 われる。 全プロジェクトの大まかな流れ 1/30 2/16 Supplement クリッツ 3/1 Genius loci クリッツ Self-Initiated Project 3/13 Reflective journal ハンドイン 私を担当したチューター Danny Aldred, Jodie Silsby, Justin Burns, Paul Stevens, Steve Sanderson 5/17 5/21 クリッツ ハンドイン プロジェクト プロジェクト名:Supplement(1 月 30 ∼ 2 月 16 日) プロジェクト概要 あらかじめ指定された雑誌のタイトルの中から一つ選び、その雑誌を研究し、想定でその雑誌に付属する小冊子を 作成する。小冊子に挿入される図や写真などは、すべてオリジナルのものでなければならない。小冊子のテーマは 各自で決める。 このプロジェクトはグラフィックデザインコースでのみ行われた。 スタディ 私は建築に興味があるので、 「 BLUEPRINT」 という建築誌を選択した。図書館でその建築誌を借り、それがどの様な 法則に則ってエディトリアルデザインさているのかを研究した。 このプロジェクトが発表される前に、エディトリアル デザインの基本である、 グリッドに関するワークショップが行われたので、その建築誌がどのようなグリッドで作成さ れているのかを重点的にスタディした。 成果物 「BULUEPRINT」は建築誌であるが、私はその付録雑誌として、人間がつくったものではない、動物や自然界がデザ インした「建築」を特集した付録をつくった。 レビュー チューターより、全ての絵を手描きで起こしたことに驚かれた。 グリッドの研究は非常に大切であるため、他の学生に も私が行ったようにグリッドを探ることを勧めていた。成果物の感想としては、単調で図鑑のように見えるということ だった。 レイアウトをもっと工夫するべきだと言われた。 プロジェクト プロジェクト名:Genius loci(2 月 16 ∼ 3 月 1 日) プロジェクト概要 「魂が宿る場所」 という漠然としたテーマが与えられ、各個人がそれを感じる場所を任意で選択し、それを任意の媒 体で表現する。 スタディ 私はイギリスの伝統的な建材である「レンガ」に魂が宿っていると感じた。たった一つのレンガにも、その中にあらゆ る歴史が内包されていると感じたからだ。それをつくった人、それを用いて構造物を施工した職人、また、それを使 ってきた持ち主、痛んだために自力で直した持ち主……。あらゆる思いが、たった一つのレンガに刻まれている。そ の一つひとつの思いが、魂なのではないかと感じた。私は人の痕跡が残ったレンガを200枚程撮影し、それを元に 作品をつくろうと考えた。 成果物 レンガを取り出して手にとり、その中に眠る歴史を覗いてみたい、 という私自身の欲求を、ダイレクトにかたちにした 。自分が選んだ題材がイギリス特有のものであることから、現地の人が作品を見て共感したり、何かに気付くことが できるような作品にしたかった。 クリッツ後にグラフィックアーツ全体で展示会をすることにもなっていたので、特に そのことを気にして制作した。 レビュー 当初私はアニメーションで表現する予定であったが、人の痕跡が残ったレンガの写真を私が多く撮っていたので、チ ューターから、 「アニメーションによる表現よりもフォトブックにした方が人に伝わるのではないか」 というアドバイス を受け、考えなおした。その後、鑑賞者に受動的に作品を見てもらおうとしていた考えから一転、 「 手に取ってもらい、 見てもらう」 ということはどういうことかということを思考した結果、鑑賞者自らがアクションを起こすことで理解する ことができる作品をつくることができた。 プロジェクト プロジェクト名:Self-Initiated Project(3 月 1 ∼ 5 月 17 日) プロジェクト概要 自らプロジェクトをプランし、それに向けてリサーチ、実験、手法の開発を行うなどして、高度な制作を目指す。研究 を開始するにあたり、規定のフォーマットに、 「タイトル」、 「 序論」、 「 研究概要」、 「 研究を構成する要素」、 「 研究の目 標と方針」、 「成果物のフォーマット・提出方法」、 「スケジュール」を明記し、チューターの承認を受けなければならな い。 スタディ 今留学での研究目的であった「人々が抱く街への愛着心」を、このプロジェクトで行った。成果物の形式はアニメー ションとあらかじめ決めており、 リサーチをする過程で得たスケッチ、写真、動画を材料としてアニメーションを制作 しようと考えた。 リサーチ対象とする街は学校が所在するウィンチェスター。ウィンチェスターの中でスケッチ、撮影 するなどし、フィールドワークを繰り返した。また、自分にとって新たな手法を開発するべく、カラーコピーした画像に 薬品を使って手作業の痕跡を残す実験をするなどした。さらに、イギリスの芸術家、アレクサンダー・カズンズがあみ 出した風景画を描くための手法に興味を持ち、それについて調べ、作品の中に取り入れようと考えた。 成果物 この作品は1分38秒間のアニメーションである。 この作品で表現したかったのは、 「 懐かしさ」、 「 哀愁」である。イギリ スのどの街に住む人でも、この作品を見てそのように感じてもらえることを願って制作した。帰国後、ちょうどイギリ スから造形大へ来ていた留学生に見てもらったところ、まず最初に言われたのが、 「 懐かしい」であった。ウィンチェ スターではない街から来た彼女がこのように感じたのは、この作品の表す映像が、イギリス人の誰の内面にも印象 として残っている普遍的なイギリスを感じさせるものであったためであろう。私が映像におさめたものは、 「石造りの 橋」、 「レンガ造りの建物の外壁」、 「 石畳のある路地」、 「レンガ色の街の遠景」、 「街の外に広がる田園風景」など。 こ れらは全てウィンチェスターで採集したものだが、イギリスではどこでも見ることができる街の要素だ̶なぜどこで も見られるものを選んだか。私は一般的に言われる「シビックプライド」 とは異なる、もっと根源的で普遍的な部分に ある「人々が抱く街への愛着心」を探ろうとしていたためである。特定の街の特性を追うと、結果的にその街でしか有 効でないものしか発見できないと考えたからだ̶私が見た街の要素は、それぞれが独立して存在しているのではな く、全てが関係性をもち、全てが必然的に一つの街の中に存在しているように私の目には映った。それらは決して贅 沢な要素ではない。だが、それらは人々の生活と関係し、人々の生活に潤いを与えている。それらの要素は、彼らら しい暮らしをする上で最低限必要なものであると感じられた。 この関係性は、イギリス人にとって、当たり前のことの ようであるが、日本人である私にとっては非常に成熟したものに感じられた。私はその関係性自体が、イギリス人に とっての「街への愛着心」ではないかと考えた。 レビュー 手法の開発にあたって試行錯誤したことについて評価を受けたが、手法が定まるまで時間がかかり、本当に完成す るのかどうかと心配された。当初、音楽を入れない予定でいたが、チュートリアルで途中経過を見せた時に「この作 品は悲みを表現しているのか、それとも幸せを表現しているのか」 という質問を受け、ムードを決定づけるための要 素が必要だと思い、音楽を入れようと考えた。 しかし、作業が追いつかず、結局クリッツの際に音楽が無い状態でし か披露できなかった。案の定、チューターから、 「この作品には音楽をつけたほうがいい」 というアドバイスをもらった 。また、他の学生からは、映像が「気味が悪い」 という感想も頂いた。その後、音楽を付け、ハンドインの際に最終版を 提出した。 プロジェクト プロジェクト名:Reflective journal(1 月 30 ∼ 3 月 13 日) プロジェクト概要 自分が興味を抱いているモノについてリサーチし、エッセイを書くプロジェクト。 リサーチでは自分の主観的意見を 排除し、主に文献を用いて行う。自分の興味がどの方向へ向かっているのかをエッセイを通して説明する。必ず参考 文献を明示しなければならない。 スタディ 私は偶然が生み出すデザインに興味があり、それについてリサーチすることに決めた。 リサーチする中で、その研究 に影響を与えた作家を挙げなければならなかったのだが、私は以前から興味のあったイギリス人芸術家のアレクサ ンダー・カズンズについて調べた。カズンズは偶然つけたインクの「染み」から、その偶然できたかたちから着想を得 て、実風景を見ることなく風景画を完成させるという手法をつくった芸術家である。 成果物 一冊のファイルに、それまで調べた文献のコピーとメモを入れたものと、エッセイを提出した。アレクサンダー・カズ ンズや他の文献を読む中で感じたのは、偶然できたかたちが何らかのかたちとして認識されることは、それを見た 人間の記憶と深く結びつきがあるのだと言うことが分かった。カズンズの文献にもあったが、心理学で扱われるロー ルシャッハテストと同じ様なものである。また、カズンズの「染み」からもうすこし解釈を広げ、 「 汚れ」や「朽ち」に関し ても考察を広げてみた。古民家などに行くと、なぜ癒されるのか。新築の家では決して得られないあの独特な感情は 、過去に自分が経験した記憶が左右しているのではないのか。 「 汚れ」や「朽ち」は偶然できてしまうのであるが、そ れをある程度受け入れることも、モノを大切にすることにつながるのではないかと感じる。 「 汚れ」や「朽ち」もデザイ ンなのだと考えた。 レビュー どのようにして抽象的な図形から着想を得ることができるのか、 ということを考えるべきだというアドバイスをもらっ た。核心的な部分が欠落してしまったことに反省。絵を描く人にはなんとなく分かる部分を、疑う余地なく受け入れ てしまったのが間違いであった。 留学後記 到着後一週間はとても日本が恋しくて不安でした。この留学がきっと自分の糧になると信じてはいたものの、漠然とした 不安感がありました。しかし、学校に慣れ、友達ができ、生活に慣れるに従ってそこでの生活が楽しくなっていきました。 いつの間にか、自分は元々この国に暮らし、この学校の学生であったかのように思える程、その土地はホームと化していき ました。突然 40℃以上の熱が 3 日間出たりと、いろいろと大変なことはありましたが、学校でも寮でも街のスーパーでも、 いろいろな人達に助けてもらいました。 授業では英語がなかなかついていけず戸惑っていましたが、先生に聞き返したり、後でクラスメイトから教えてもらうな どしてなんとかやっていました。言葉が不自由でも、礼儀だけはしっかりできるはずだと思い、毎日誠意を込めてみなさん と接していました。 学校では皆一生懸命努力している姿が見られました。特にチュートリアルの時など、スケッチブックいっぱいのリサーチ やスケッチを皆が用意してくることに驚かされました。 私はウィンチェスターから離れた、サウサンプトンと言う街に住んでいて、学校へは電車で通っていました。私はその電 車から見える景色に癒されながら、プレゼンで話すための単語をチェックしつつ学校へ向かったものでした。私はウィンチェ スターの街が大好きで、学校帰りや休みの日などにカメラやスケッチブックを持ってよく街を散策しました。街から少し外 れると丘があり、そこから見える美しい街並と自然にいつも胸が打たれるのでした。 この留学はデザインの研究のためであることは言うまでもありませんが、実際にその国に住むことによって身体を通して 得られた経験は大きかった思います。それは自分の長い人生において、非常に有意義なものになることは間違いありません。 ここでの学びや生活は、毎日が宝物でした。 このような素晴らしい機会を与えてくださった東京造形大学と両親に、感謝したいです。ありがとうございました。