Comments
Transcript
症例:16歳 男性 主訴:ふらつき、めまい(vertigo)、頭痛 現病歴:平成13
症例:16歳 男性 主訴:ふらつき、めまい(vertigo)、頭痛 現病歴:平成13年8月下旬ごろより頭痛、めまい (vertigo)、ふらつき出現。自転車に乗れなくなった。 近医耳鼻科受信し、MRIにて後頭蓋窩に腫瘤を指 摘された。9月6日に当院脳神経外科に入院。 9月 10日にCT、9月11日にMRI施行。 入院時現症:体幹失調、左滑車神経麻痺、複視、視野 狭窄(右耳側半盲、左下1/4盲)、左下肢のlimb ataxia、両側うっ血乳頭 既往歴、家族歴:特記すべき事項なし 検査成績:特記事項なし T1WI T2WI Gd axial image Gd sagital image plain CT 手術所見 • 腫瘍の殆どは左小脳半球内にあり、一部第 四脳室に突出、superior cerebellar cistern にも突出 • 左上小脳動脈がmain feeder 北大での病理所見 • 標本A – myxoid matrixの中で紡錘形の毛様の突起を有する異型 astrocyteがdiffuseに増生 – GFAP強陽性 – Pilomyxoid astrocytoma と診断 – ただし、MIB-1 indexは15%-高値 • 標本B – GFAP陰性でminigemistocyte様の細胞が増生 – MIB-1 indexは15% – Myxoid glioma? Pilomyxoid astrocytomas • 乳幼児の視床下部・視交叉部にみられる pilocytic astrocytomaに類似の腫瘍 • 腫瘍細胞が豊富な粘液性基質を伴って増殖する ことが特徴 • Rosenthal fibersや好酸性顆粒小体は見られな い • 免疫組織化学的にはGFAP陽性、MIB-1陽性率 は平均4%以下 • 術後再発や死亡例があり予後は必ずしも良くな い