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岡本 一朗 氏
事例報告④ 「大学生の消費者被害防止の取り組み」報告 岡本 一朗 氏 三重県生活協同組合連合 事務局長 こんにちは。三重県生活協同組合連合会の岡本と申します。よろしくお願いします。昨年の 6 月まで 三重大学生協にいまして、大学生協全部というわけではありませんが、新入生のための生協のガイダン スとかそういうふうなところで、消費者被害、マルチ商法とか訪問販売とかいうことを紹介をしていま した。最近では特に消費者被害に限らない「学生 110 番」という、これはお金が掛かるんですけど、会 員になっていただいた方に例えば水漏れ事故とか自転車のパンクとかの相談の中で、消費者被害、例え ば国民生活センターを紹介したりしております。そこで今回は大学生の消費者被害のことについて、少 し報告させていただきたいと思います。 3 つに分けて報告をしたいと思います。まず、三重県の大学生を中心とした若者の被害がどのぐらい 相談があるかということを表にしました。上の表が相談件数で、18 から 22 というのが、18 歳から 22 歳まで。右に学生というのが、そのうちの学生と分かる範囲なんですけど、だいたい 3 分の 1 ぐらいが 学生さんの被害になっているということが言えるのではないかなと思います。だいたい特別に低いとか 高いということが言えるかどうかというところなんですけど、特に下宿、アパートの関係とか、放送料 金ですから、たぶん NHK とかそういうことだと思うんですけど、それの勧誘とかは、割合から言うと 少し多い。大学生が初めて下宿をしたりすることが原因ではないかなということは考えられると思いま す。 特に大学生ということでは、アダルトサイトとか、出会い系サイトなんかの相談というのがやっぱり 多いようで、一人暮らしを始めた大学生の息子が、携帯で出会い系サイトを利用し高額な請求をされた。 これ以上払いたくないというような相談とか、身の覚えのないサイトから不審なメールが次々に送られ てくるとかいう相談事はあるようです。 テレビとか放送の関係では、県外の娘のもとに、放送局から受信契約をするように訪問され、契約書 に署名し支払いをした。クーリングオフできないかとかいうようなこととか、マンションで一人暮らし を始めた未成年の息子に業者が訪問し、公共料金、受信料の契約をさせられた。解約したいということ はあるようです。 不動産の関係では、娘が賃貸アパートから退去したが、不動産業者に修理費用を請求されている。一 度は請求しないと言っていたのに納得できないという相談があるようです。これらは三重県さんから提 供していただいた資料ですが、こういうことは、やはりこれ以上にあるのではないかなというふうに思 います。 三重県内には 8 校の短大や 4 年制の大学があるんですけど、ホームページで少し探してみまして、ど ういうふうな形で消費者被害のことが紹介されているかを少し調べてみました。これだけではないと思 います。新入生には必ず何らかのそういうふうな喚起のチラシとかが入っていると思います。 まず、三重大学なんですけど、訪問販売とマルチ販売の悪徳商法に気をつけようということや、個人 情報を聞き出そうとする不審な電話というチラシが入っています。ここに連絡をしてほしいというよう な形で入っております。特に皇學館大学は、ホームページにおいて分量を結構取ってありまして、クー リングオフとか、少し説明なども丁寧にされているんじゃないかなと思っております。 あと鈴鹿医療大学、ほかの大学にもあるんですけど、学生相談室が窓口になっているということとか。 特に大学の場合は、セクシュアルハラスメントとか、直接消費者被害とか関係ない部分のこともありま す。1 つ思っていることは、やっぱり各大学によって書き方は違うにしても、やっぱり不十分なところ がたくさんあると思いますから、直接行って、こういうことを載せてほしいと各大学に呼び掛けるのも 1 つの方法ではないかなと思います。 どうしても連絡先が分からず自分から調べて行くというのはなかなか学生さんの場合には面倒くさ いということもありますから、今はもうほとんどホームページを見るというのは大学にとっては当たり 前のことになっておりますから、大学のホームページで、そういうところがすぐ探せるようなことを大 学にやってもらうということは、1 つの防止の取り組みになるのではないかと思います。 それから、最後になりますけど、文部科学省の生涯学習政策局というところがまとめた資料で『大学 等における消費者教育の取組事例』とか、 『大学生を対象とした消費者教育の試行的実施及び効果検証』 という冊子がありますから、皆さんも見ていただければいいと思います。ホームページでも発表されて おりますから検索していただければできると思います。又、『大学生がダマされる 50 の危険』という本 が、昨年の 2 月に青春出版から発行されております。これは聞いた話ですが、1 刷が 3,000 部で、1 刷 はすぐなくなったということです。先ほど言いました三重大生協でも、50 冊ほど販売させてもらったん ですけど、わりと硬い本というんですかね、こういうふうな本で、全国で 3,000 冊もうちょっと売れて いるというのは、よく売れているんじゃないかなと思います。 そういう形のベースになった資料として、いわゆる大学の講義の中で、どういうふうなことがされて いるかをまとめられている報告書があります。専門教育でやっているところ、初年次教育でやっている ところ、教養教育の中で消費者被害をやっているところとかいうのが、参考になるんじゃないかなと思 います。 その中で、三重大学の教育学部の例なんですけど、消費者教育論という専門の教育になるそうなんで すけど、こういう形で授業がされております。その授業の中で、 「替え歌」、 「消費者かるた」作成とか、 そういうふう活動が、去年、おととしだと思いますけど、されております。そういう形で、大学のとこ ろでも、やはりきちんと初年次教育なり、必要なところの学部教育として、消費者教育をきちんとやっ てもらえるようにする必要があるのではないかなと思っております。 もう 1 つは、大学だけではなくて、小学校とか高校とか中学を含めて、一定の消費者教育というんで すか、それは消費者教育だけではなくて、食育とかそういうふうなことも含めて、社会に出ていく必要 なことをやはりきちんと学校教育の中でやっていくということが必要なのではないかなと思います。で きれば、そういうことが提言なりできればいいんじゃないかなと思います。