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小児の道具操作の適応と学習プロセスの事例研究

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小児の道具操作の適応と学習プロセスの事例研究
靑山學院女子短期大學 紀要 第 69 輯(2015)
小児の道具操作の適応と学習プロセスの事例研究
渡部かなえ
〔キーワード〕幼児,道具操作,操作手,位置と向き,目視
1.諸言
単に便利というだけではなく,健康と命を守りサバイバルしていくのにも,身近な道具をう
まく使える能力は重要である。例えば,手で直接つまめないものを移動させねばならない場合
(熱くてすぐには食べられないし手でつまめないものを,とっておいて後で食べる,小さな混
入物や不要物,腐敗物を除去する等)
,対象物を道具を使って摘み上げ,特定の目的とする場
所(ゴール)に運ぶことが必要になるが,それには,使う道具,道具操作の対象物,そしてター
ゲットの理解が必要とされる。本研究はこの対象物を摘み上げる・運ぶ動作の典型例の 1 つで
あるピンセット操作の学習過程を小児で検証した。実験パラダイムはサル(ニホンザル)の実
験で広く用いられているもの(Hirai ら 20101))を,ヒトの子どもが理解しやすいようにアレ
ンジして用いた。そして,自己判断と自己決定ができ,適切な行動が取れる子どもと,指示さ
れればやれるようになるが自分からはできない,あるいは不適切な行動をとってしまう子ども
の,行動学習の違いを検討するため,前者のサンプルとして道具操作能の学習過程をヒトの 3
歳児で検証し,後者のサンプルに該当するサル(ニホンザルの成体)の実験1)で報告された
結果と比較した。
2.方法
(1)被験者は 3 歳児 8 名(男児 5 名,女児 3 名)であった。
(2)課題
実験課題は,机上のピンセットに手を伸ばしてつかみ,小さな対象物(直径 5㎜,厚さ 2㎜
の円形のタブレット)をピンセットで摘み上げ,それをゴール(紙で作った猫の顔の口を模し
た穴)まで運んでその穴の中で放す,というものであった。子どもには,「ネコちゃんがお腹
を空かせています。ご飯をあげてください。ネコちゃんのご飯(タブレット)を,これ(ピンセッ
ト)でネコちゃんのお口に入れてあげてください。」と言葉で指示した。課題は 16 回~ 20 回,
連続して行わせた。
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渡部かなえ
(2)実験条件 .(図1)
①ピンセットの位置:机の右・中央・左に置く
②ピンセットの向き:右向き・左向きに置く
③対象物の位置:ピンセットで摘まむ対象物を机上の右・中央・左に置く
ゴールは子どもの左前方に固定した。
①②→
③ →
図1:実験条件
図1:実験条件
①ピンセットの位置,②ピンセットの向き,③対象物の位置
①ピンセットの位置、②ピンセットの向き、③対象物の位置
(3)記録(図2)
椅子に座り,机の上で課題を遂行している子どもの動作を,3つのビデオカメラで,正面・左・
子どもの頭上から撮影した。3つの画像データは,課題開始前に画面に映しこんでおいたトリ
ガー(LED のオン・オフ)を用いて実験後に同期させた。また子どもの額の中央と鼻先に直
径 5㎜のマーカーを医療用テープで貼付し,顔の向き・視線の方向を後で判定できるようにし
た。また親指と人差し指の第二関節部にもマーカーを同様に貼付し,ピンセットの持ち方・使
い方の解析の際の指標とした。
図2:実験課題
図2:実験課題
(4)人権擁護と研究協力者への配慮
子どもが緊張しないよう,実験には保護者に付き添って貰い子どもの横に座っていて貰っ
た。対象物(タブレット)は子どもが誤って口に入れても心配がないよう食品(菓子)を用い
た。またピンセットは,先端で子どもが怪我をしないよう,先の丸いプラスチック製のものを
用いた。実験実施にあたっては,
日本体育学会の「研究者の倫理について(覚書)」2)を遵守し,
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小児の道具操作の適応と学習プロセスの事例研究
保護者への丁寧な説明をしたうえで,保護者の了解が得られた場合のみ,子どもに実験に参加
して貰った(インフォームドコンセント)
。また,実験開始前でも実験中でも,保護者が子ど
もの様子から中断・中止してほしい旨を申し出た場合は,直ちに中断・中止すること,またそ
れによって,いかなる不利益も保護者ならびに子どもに生じることがないことを保証した。な
お,顔写真については,学会発表や論文に掲載してよいとの了解を得た保護者と子どものもの
のみを用いた。実験終了後,画像データは DVD に焼いて保護者に謹呈し,もし,データとし
て使ってほしくないとの申し出があれば,当日でも後日でも,いつでもデータから除外し,元
データも破棄することを保証した。
3.結果
生まれ月による多少の成長差や子どもの性格の違い(大胆,慎重など)はあったが,多くの
子どもに共通して見られた典型的なパターンを抽出して検討した。
(1)操作手
子どもは,ピンセットの置かれた位置とピンセットの向きの両方から,使う手(操作手)を
選んでいた。ピンセットが右または左におかれた場合は,子ども達はピンセットに近い方の手
を使った(操作手とした)すなわち,ピンセットが机の右側に置かれれば右手を使い,左側に
置かれれば左手を使った(図3:A,B)
。しかし,ピンセットが机の中央に置かれた場合は,
ピンセットの向きによって使う手(操作手)は決められた。すなわち,ピンセットの結合部が
右で開口部が左の場合は右手を使い,ピンセットの結合部が左で開口部が右の場合は左手を
使った。
(図3:C)
図3:実験条件の違いのよる操作手の選択
図3:実験条件の違いのよる操作手の選択
(2)分断された動きの分節から滑らかな一連の動きへ
3 歳児は,初期段階では,動作は 3 つの分節-ピンセットをつかむ(図4のグラフの◆)
,
ピンセットで対象物を摘まむ(図 4 中の○)
,対象物をゴールに運ぶ(図 4 中の▲)-に分か
れており,1つ1つ順番に行われていて,オーバーラップして行われることはなかった。すな
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渡部かなえ
わち,初期,特に最初の試行では,子どもはまずピンセットを自分の手で掴むまで見て,次に
小さな対象物をピンセットで摘まみ上げるまで見て,そして最後に,対象物をうまくゴールま
で運び入れるまでゴールを見ていた。そしてゴールに入れる動作の分節で失敗したら(例えば
対象物を落としてしまったり,ゴールできなかったりした場合)
,子どもは失敗する前の分節
に戻って動作を再開した。よって最初は課題完遂に長い時間がかかった。
ところが,課題完遂までの時間はあっという間に短縮された。具体的には,1 回目の試行で
は 92 秒かかっていたものが,
2 回目では 16 秒に,3 回目では 4 秒以下になった。特に分節のオー
バーラップ(前の動作の分節が終わる前に次の動作の分節が始まる)が時間短縮に影響を及ぼ
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図4:動きの分節・動作と目視の流れ
図4:動きの分節・動作と目視の流れ
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小児の道具操作の適応と学習プロセスの事例研究
していた。例えば,4 回目の試行で子どもはピンセットを持ち上げる前に小さな対象物を目視
し,さらに 8 回目の以降の数回の試行ではピンセットを見る前に小さな対象物を目視していた
が,このように動作の分節がオーバーラップするようになると,課題完遂までの時間は劇的に
速くなり,動作が効率化された。
ヒトの子どもは 3 歳児でも,このように提示された複雑な課題を,動作を分節単位で直列で
1つ1つ行う最初のやり方から,ゴールをうまく見定めることによって動作範囲を限定した
フェーズを構成し,即座に継ぎ目なくスムーズにそれらのフェーズをつなぐことを学習して行
うようになった。けれど,エラーが起こると,それがどの段階で起こっても,3 歳の子ども達は,
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渡部かなえ
分節単位で 1 つ 1 つ直列で行うやり方に逆戻りした。
人間の子ども(3歳)と大人のサル(ニホンザル)の共通点は,手が動き始めるのと同時に
あるいは手が動き始める前にピンセットを見ることと,小さな対象物を摘み上げる前に見るこ
とであった。
しかし,ヒトの子どもは試行の最初から,練習なしで,手を動かすのと同時または手が動き
始める前にピンセット(最初の動作分節の対象物)を見たが,一方サルは,かなり練習をしな
いと,ピンセットをそのタイミングで見るようにはならなかった。
また,人間の子どもは,どちらの手を使うかは,ピンセットの置かれた位置と向きの両方に
よって異なっていたが,
サルはかなりの訓練を経ないとピンセットの向きを理解できなかった,
という点でも異なっていた。
ヒトの子どもは,試行開始直後の 1 回目,2 回目こそ動作パターンはシリアル(1 つの動作
分節をやり終えてから次の動作分節を始める)であったが,すぐに前後の分節をオーバーラッ
プさせ始めた(前の動作分節が終了する前に次の動作分節を始めた)
。ゆえに,ごく僅かの試
行で課題を素早く遂行するため有意に時間を短縮させた。サルは何度も試行を重ねたのち,やっ
と動作分節をオーバーラップさせるようになった。
またヒトの子どもは,2,3 回の試行で課題動作を完遂できるようになったが,サルは課題
を遂行できるようになるのに 200 回以上の試行が必要で,しかも 200 回を経てもなお完遂はで
きなかった。
4.考察
サルも何回も繰り返した訓練の結果,手に持ったピンセットで対象物をつかみ,操作するこ
とを学習できた。しかし,サルは,学習の初期段階では道具(ピンセット)を使おうとせず,
実験者が誘導してやらねばならなかった。また,ピンセットを持たせても,ゴールに触れるま
でターゲットを見なかった。その理由は,サルが課題を理解していなかったためと Hirai ら1)
は考察している。数百回の試行後,サルはピンセットをつかむ前にピンセットを見るようにな
り,
またピンセットでつまんだ対象物をゴールに向かって運ぶ時にゴールを見るようになった。
サルとは対照的に人間の 3 歳児が動作の分節のオーバーラップがすぐにできるようになった
のは,
道具操作は連続性と統合力の獲得によって達成されるものだということを示唆している。
道具操作は,幼児が周囲の環境についての情報を得るためにいつもやっている知覚―行動に根
ざしている。子ども達は,対象物,関係する空間的な枠組みの調整,自分の道具操作の初期の
行動パターンの間にある“知覚されたアフォーダンス”
(*)を検出し参照している(Lockman,
2000)3)と推察される。
またヒトの子どもは,説明されるとすぐに課題(ピンセットで対象物を摘み上げゴールまで
運ぶ)を達成することができた。また,課題遂行の所要時間はあっという間に短縮された。こ
れは,道具のアフォーダンスの知覚は,行為者,道具,対象物など様々「モノ」自分」の関係
を統合できる能力を必要とする(van Leevwen, 1994)4)ことを示す。本研究の結果からも,ヒト
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小児の道具操作の適応と学習プロセスの事例研究
の子どもは 3 歳で高レベルの(複雑な)アフォーダンス構成を知覚できることが確認された。
日々の生活の中で環境を探索し変えるために道具を使うことを学びながら育ってきた子ども達
3)
には,そのアフォーダンスを即座に知覚できる能力が育っていると考えられる。
*アフォーダンスとは環境が人に与える意味,ヒトが生活する環境を探索することによって獲
得することができる意味/価値のことである。なお Lockman3)は affordance を real affordance
(ヒトとモノとの関係性を示す)ではなく,perceived affordance(ヒトをある行為に誘導する手
がかり)という定義で使っている。
アフォーダンスを知覚できる能力が育つには環境が重要である。チンパンジー(成獣)とヒ
トの 1 歳半から 2 歳 8 か月の幼児での,対象物の操作動作を見て真似てできるようになる学習
過程の比較研究によると(Tomasello, 1993)5),チンパンジーの環境で育ったチンパンジーは,
人間の文化環境で育ったチンパンジーや人間の子どもに比べるとかなり劣っていた。しかし,
人間の文化環境で育ったチンパンジーとヒトの子どもでは違いはなかった。
このことは,
サルにも「教わって学ぶ」潜在的な能力はあるが,サルの生活環境には「教わっ
て学ぶ」環境がないのでその能力が育たないと考えられる。
「教わって学ぶ」ことが生育環境
の中で十分に行われないと,ヒトでもその能力が十分に発達しない可能性が示唆される。
実は,ヒトは「やってみせる・教える」
「お手本を見せて貰う・教わる」という教育・指南を
する側と学習する側の相互関係が成り立っているが,サルは別の個体の行動を一方的に見て真
似るだけで,真似られる側のサルが「やって見せる」
・
「教える」ことはしない。有名な幸島の
サルの芋洗いも,芋を海水で洗って食べているサルをみて他のサルが真似ることはあるが,真
似られる方のサルは,
「こうやるといいよ」
「こうするんだよ」という感じで教えたりやって見
せてあげたりすることはなく,自分を見ているサルのことは無視している・あるいは眼中にな
いことが,近年の研究で明らかになった(自分が洗って食べている芋に手を出してきた場合は
威嚇・攻撃する)
。母猿ですら,我が子に見せて教えることはせず,それどころか,自分が洗っ
た芋(食糧)を幼い我が子(子猿)に分け与えることすらしない(高間,2010)6)。
一方,アフリカの,子どもの栄養状態や発育状態がよくない国の家庭での食事の私的な観察
に基づくレポート(曽野綾子,2007)7)によると,一つの大皿に盛られたものを大家族が各々
手を伸ばして,調理されたものを指先で丸めて口に運ぶという形態で,皿が空になったら終わ
りである。大人達は自分達が食べることに夢中で,幼い子どもがちゃんと食べることができて
いるかどうかに頓着していない。よって,幼い子どもは,食べるのが遅いうえに上手に食べら
れないため,ほとんど食べることができず,発育不良や健康不良となっている。小さな子ども
のために食事を別に取り分けて,小さな口にこぼさないように運んでやって食べさせてあげる
ことで食べ方を教える,という社会文化環境がないところでは,それが人間の社会であっても,
子ども達は摂食というサバイバルの基本中の基本がなかなか習得できない。このような国の子
ども達が生き延びられない原因である発育不良・健康不良をもたらしているのは,食糧不足と
劣悪な衛生環境だけでなく,貧困ゆえの余裕のなさに起因する幼い子どもへの食に関する「教
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渡部かなえ
える」
「学ぶ」社会文化環境の不十分さであると思われる。
これらのことから,自己判断と自己決定ができ,適切な行動が取れる子どもと,指示されれ
ばやれるようになるが自分からはできない,あるいは不適切な行動をとってしまう子どもの,
行動学習の違いは,
幼児期の「教わる―学ぶ」環境の影響を受けると推察される。幼児期に「教
わる―学ぶ」環境に恵まれなかった子どもは,アフォーダンスを即座に知覚できる能力の発達
に遅れが生じる可能性を示唆しており,それは一連の動作のオーバーラップが実現できるかど
うかで判断することができるのではないかと考えられる。
5.謝辞
本報告は,科学研究費補助金 基盤研究(C)課題番号 21610009 の一部である。サルで先に
行われた実験パラダイムとその結果について詳細な説明をして下さり,ヒトの子どもでの研究デ
ザインの相談にのって下さった平井直樹先生(杏林大学医学部名誉教授)
,稲富貴美氏(杏林大
学医学部)
,魚谷添太郎氏(杏林大学医学部)に感謝いたします。また子どもを対象とした実験
を行うに当たり,ご理解とご協力を頂きました保護者の皆様,実験に参加してくれた子ども達
に心からお礼を申し上げます。
参考文献
1)Hirai N., Hongo T., Naito K., Sasaki S. The process of learning tool-use movements in monkeys: the
initial process of picking up and using forceps. Neuroscience Research. 67(3): pp. 215-227, 2000.
2)日本体育学会 (2011) 研究社の倫理について(覚書)
(平成 23 年 6 月 11 日 平成 23 年度総会で採択). http://taiiku-gakkai.or.jp/wp-content/uploads/2014/02/2015_03_kenkyu_
ukoutebiki.pdf,(2015 年 9 月 5 日 閲覧)
3)Lockman J.J. A perception-action perspective on tool use development. Child Development, 71(1),
pp.137-144, 2000.
4)
van Leeuwen L., Smitsman A., van Leeuwen C. Affordances, perception complexity, and the
development of tool use. Journal of Experimental Psychology, 20(1), pp.174-191, 1994.
5)
Tomasello M., Savage-Rumbaugh S., Kruger A. C. Imitation learning of action on objects by
children, chimpanzees and enculturated chimpanzees. Child Development 64(6), pp.1688-1705, 1993.
6)高間大介(NHK 取材班)
,
人間はどこから来たのか,どこへ行くのか,第 2 章 私という“不思議のサル”,
角川書店,東京,pp.41-74,2010.
7)曽野綾子,貧困の光景,石入りご飯,新潮社,東京,pp.27-36,2007.
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小児の道具操作の適応と学習プロセスの事例研究
The process of learning tool-use in movements in infants
obser ved from hand preference, given tool location,
orientation, and gaze
WATANABE Kanae
Children learned to pick up a small object with forceps and put it in a goal. Which hand was
used for reaching for the forceps depended on both position and direction of the forceps. From
the hands laterality, as the background of the task for picking the object by the forceps, not only
understanding the movement task of picking up but also understanding construction and function
of the tool (forceps) might be needed. After several trials, children could do the performance
quicker and the timing of seeing the next target became earlier. After experiencing several
trials, children saw the small object before completing the movement of holding and lifting
the forceps, and saw the goal before completing picking up the small object. At the beginning,
each motor segment might be completed one by one, i.e. serial processing. After several trials,
before completing one movement segment, the next movement segment started, i.e. parallel and
superimpose processing. That might be the process of learning tool-use, and the children’s ability
for tool-use learning might depend on whether the taught-learn or not. From those observations,
the dif ference of behavioral learning between children with and without self-decision and
adaptation might be affected by the disciplinal environment (taught-learn environment) during
their early childhood period. With children who could not have a good taught-learn experience
during their early childhood, their development of the ability of quick detection and the relation
of affordance between objects, coordinate special frames of references and incorporation of early
appearing action patterns into instrumental behaviors will be delayed. It would be evaluated by
whether they can realize the overlapping of serial actions or not.
Keywords : children, tool-use, hands laterality, position and direction seeing
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Using a questionnaire sur vey to investigate parents’ recognition
and understanding of the most important objective of ocean
and nature experience programs for early childhood
WATANABE Kanae, UNNO Yoshiaki
The most important objective of ocean and nature experience programs for early childhood
is that children should appreciate the ocean, nature, and natural creatures. We administered
a questionnaire sur vey twice to parents of children (1) enrolled in the program (Sazanami),
(2) attending a kindergarten offering outdoor and nature activities, (3) attending a normal
kindergarten and (4) attending a normal nurser y school, and compared the differences in
the responses to investigate whether there were any changes in children’s attitudes towards
nature and natural creatures and in parents’ recognition and understanding of the objective. The
results showed that the parents in the Sazanami group neither expected nor were very satisfied
with “children’s contact with nature” and “children’s interest in nature and natural creatures.”
However, the children became interested in nature and natural creatures. The parents neither
recognized nor understood what the most important objective of ocean and nature experience
programs for early childhood was, but the children themselves did. We determined that if parents
are to understand and realize the objective of ocean and nature experience programs for early
childhood, they must appreciate the ocean, nature, and natural creatures with children, and to
share children’s sense of wonder and joy.
Keywords : Ocean and nature experience program, Early childhood, Sense of wonder
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