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HORRAT補足説明資料(PDF:137KB)
(補足説明) HorRat について 1 HorRat とは 化学物質の分析法の性能指標の一つ 実験で求めた相対標準偏差と、計算式から求めた相対標準偏差の 予測値の比。 • HorRat (R) = RSDR / PRSDR HorRat (r) = RSDr / PRSDR RSDr, RSDR: 実験値から求めた相対標準偏差 PRSDR: Horwitz式(計算式)から求めた 相対標準偏差の予測値 ( = 2C-0.15) • 普通、0.5 ≦ HorRat(R) ≦ 2、 0.3 ≦ HorRat(r) ≦ 1.3 GUIDELINES ON ANALYTICAL TERMINOLOGY (CAC/GL 72-2009) (注) EUのREGULATION No 836/2011 は、HORRATr を RSDr / PRSDr と定義。 CAC/GL72-2009の HorRat(r) と異なる。 2 1 (参考) 3 分析値のばらつき • 同じ試料を何度も分析すると、その分析値はば らつき、正規分布を示す • 化学物質の分析では、試験室間での再現性に ついて、食品の種類や分析対象の化学物質の 種類、分析法ではなく、分析対象の化学物質の 濃度に依存することが報告されている • 試験室間での再現性について、相対標準偏差を Horwitz/Thompson 式で予測可能 4 2 コーデックスのガイドライン RSDR (%): 室間再現相対標準偏差 C:濃度(質量分率) 分析対象の化学物質の濃度が10-7より大きいとき ⇒ Horwitzの式 分析対象の化学物質の濃度が10-7より小さいとき ⇒ Thompsonの式 ⇒ 22% (Codex Procedural Manual, 23ed.) (参考) 5 相対標準偏差について 相対標準偏差(%): 標準偏差÷平均値 ×100 変動係数CV (coefficient of variation)と同一 RSDr : 併行相対標準偏差 (Repeatability relative standard deviation) 併行条件で繰り返し分析した分析値の相対標準偏差 RSDR :室間再現相対標準偏差 (Reproducibility relative standard deviation) 室間再現条件で分析した分析値の相対標準偏差 6 3 Repeatability(併行精度) ○併行条件における測定結果間の一致の程度 (Precision(精度)) • 併行条件: 短い間隔をおいて同じ試験・測定施設で同じ作 業者が同じ機器を用い、同一の試験/測定項目 に対して同じ方法により、それぞれ独立した試験 /測定結果が得られる観察条件。 7 Reproducibility(室間再現精度) ○室間再現条件による測定結果間の一致の程度 (Precision(精度)) ・室間再現条件: 異なる試験・測定施設で異なる作業者が異なる 機器を用いて、同一の試験/測定項目に対して 同じ方法により、それぞれ独立した試験/測定 結果を得るという観察条件。 8 4 Horwitz の式(近似式) Horwitz の式 RSD R (%) 2 1 - 0 .5 log 10 C Horwitz の式の近似式 RSDR (%) = 2 C -0.1505 RSDR (%): 試験室間の分析値の相対標準偏差 C:濃度(質量分率) 分析対象成分の濃度が100%のとき、C=1 1%のとき、C=0.01 A ppm のとき、C=A×10-6 9 Horwitzの式を図にすると 200 128% 45% 150 相対標準偏差 [%] 100 16% 4% 50 0 -50 -100 -150 -200 1 ppt 1 ppb 1 ppm 1% ※低濃度になると、相対標準偏差が大きくなる 10 5 Thompson式(修正Horwitzの式) RSDR (%)= 22 C < 1.2×10-7 2 C-0.1505 1.2×10-7 ≤ C ≤ 0.138 C-0.5 C > 0.138 Thompson, M., Analyst, 125, 385-386 (2000) 11 Thompson式を図にすると 30 16% 相対標準偏差 [%] 20 10 22% 0 -10 -20 -30 1 ppt 1 ppb 1 ppm 0.1ppm 濃度 1% Thompson, M., Analyst, 125, 385-386 (2000) 12 6