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第5章 要因分析(51~54P)

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第5章 要因分析(51~54P)
第5章
要因分析
高齢者虐待の要因
認知症の理解
認知症の理解
社会環境などの要因
社会環境などの要因
認知症の
認知症の
無理解・無関心
無理解・無関心
高高
齢齢
者者
経済的・精神的依存
経済的・精神的依存
力関係の変化
力関係の変化
折り合いの悪さ
折り合いの悪さ
長年続く暴力
長年続く暴力
世代間・家族間
世代間・家族間
連鎖
連鎖
心身の疾病・障害
心身の疾病・障害
介護依存・医療依存
介護依存・医療依存
能力の低下
能力の低下
(意思表出、判断、金銭管理
(意思表出、判断、金銭管理
財産管理)
財産管理)
性格・パ-ソナリティ-の偏り
性格・パ-ソナリティ-の偏り
暴力への慣れ、あきらめ、罪悪感
暴力への慣れ、あきらめ、罪悪感
支援の拒否
支援の拒否
経済的困窮
経済的困窮
ニーズに合わない医療・
ニーズに合わない医療・
介護サービスの提供
介護サービスの提供
虐待の容認・あきらめ
虐待の容認・あきらめ
単身、老老、認認
単身、老老、認認
老障、障老介護の増加
老障、障老介護の増加
介護をする方の
介護をする方の
息抜きの場づくり
息抜きの場づくり
孤立、指導的態度
孤立、指導的態度
人間関係
人間関係
虐虐
待待
者者
介護負担、排泄介助のストレス
介護負担、排泄介助のストレス
心身の疾病・障害
心身の疾病・障害
依存、性格・パ-ソナリテイ-の偏り
依存、性格・パ-ソナリテイ-の偏り
介護への一方的思い込み
介護への一方的思い込み
就労困難・無職
就労困難・無職
経済的困窮
経済的困窮
支援拒否、消極的態度
支援拒否、消極的態度
金銭ねらい
金銭ねらい
支えあい・理解
支えあい・理解
虐待
虐待
適切なアセスメント
適切なアセスメント
東京都パンフレット「高齢者虐待防止と権利擁護」を基に一部改変
東京都パンフレット「高齢者虐待防止と権利擁護」を基に一部改変
【高齢者虐待を引き起こす背景・因子と考えられるもの】
【高齢者虐待を引き起こす背景・因子と考えられるもの】
高齢者の因子
高齢者の因子
心身の疾病・障害による精神・身体症状(徘徊、興奮、漏便、頻尿等)
心身の疾病・障害による精神・身体症状(徘徊、興奮、漏便、頻尿等)
心身の疾病・障害によるコミュニケーション能力の低下
心身の疾病・障害によるコミュニケーション能力の低下
心身の疾病・障害による判断能力の低下
心身の疾病・障害による判断能力の低下
心身の疾病・障害による金銭管理・財産管理能力等の低下
心身の疾病・障害による金銭管理・財産管理能力等の低下
*上記には統合失調症などの精神疾患やパーキンソン病などの身体疾患も広く
*上記には統合失調症などの精神疾患やパーキンソン病などの身体疾患も広く
含まれる。
含まれる。
養護者の因子
養護者の因子
介護依存度の高さ(寝たきり、夜間もたびたび介護が必要な状況等)
介護依存度の高さ(寝たきり、夜間もたびたび介護が必要な状況等)
医療依存度の高さ(経管栄養、胃ろうや処置等)
医療依存度の高さ(経管栄養、胃ろうや処置等)
性格・パーソナリティーの偏り
性格・パーソナリティーの偏り
経済的困窮(無年金等)
経済的困窮(無年金等)
暴力への慣れ、あきらめ、養護者に対する罪悪感
暴力への慣れ、あきらめ、養護者に対する罪悪感
高齢者自身の介護・支援への拒否
高齢者自身の介護・支援への拒否
過剰な介護負担
過剰な介護負担
介護知識・技術への助言への拒否や消極的態度
介護知識・技術への助言への拒否や消極的態度
支援拒否(生活保護費の受給申請等)
支援拒否(生活保護費の受給申請等)
排泄介助のストレス(漏便・頻尿等)
排泄介助のストレス(漏便・頻尿等)
養護者の心身の疾病・障害
養護者の心身の疾病・障害
52
第 5 章 要因分析
依存・アディクション(アルコール依存、ギャンブル依存等)
性格・パーソナリティーの偏り
介護への一方的な思い込み
意図的な高齢者の財産・金銭の搾取や無断使用
金銭管理能力の課題(浪費癖、使途不明の借金等)
就労困難・無職、経済的困窮
高齢者と
経済的依存、精神的依存
養護者の
長年継続している暴力
関係性の因子
力関係の変化・逆転
世帯の因子
経済的困窮
介護やケアを要する人が、世帯に複数存在する状態
世帯・家族内の力関係の変化
暴力の世代間・家族間連鎖、世帯・家族間の折り合いの悪さ
家族の認知症への無理解、介護に対する無関心(とくに主介護者以外の)
老老介護、認認介護、単身介護、老障介護、障老介護
近隣からの孤立
地域の因子
第5章
家屋の老朽化、不衛生、狭すぎる住環境、人通りの少ない環境
認知症についての無理解
近隣の介護に対する無関心
高齢者・養護者に対する指導的言動
関係機関の
高齢者や養護者にとって理解しにくい説明(疾病やサービス内容、介護方
因子
法について等)
要因分析
高齢者虐待防止等に関する知識不足
世帯のライフスタイルに対する先入観
個別性を無視したニーズ設定
高齢者ではなく家族の意思・意向のみを重視したサービス提供
「家庭医・かかりつけ医」の不在(不適切な多剤併用など)
高齢者虐待防止等に関する知識不足
高齢者虐待への容認、あきらめ
*東京都パンフレット「高齢者虐待防止と権利擁護―いつまでも自分らしく安心して暮らし続けるために―」及び
厚生労働省老健局(2006)
「市町村・都道府県における 高齢者虐待への対応と養護者支援についてマニュアル」p.23
「『横須賀市高齢者虐待対応マニュアル(第 2 版)』横須賀市」を参考に作成
(報告書 p62~63 より)
53
第6章
本人意思の確認・尊重と自己決定支援
本人意思の確認・尊重のポイント
[図表4−27] 本人意思の確認・尊重のポイント
1 本人への情報提供とエンパワメント
・現在の状況や支援の方法、今後の生活についての見通し等についての情報提供や様々
な支援をすることで、本人が自分の状況や望ましい生活の在り方を客観的に考えられ
るよう働きかける。
・本人の意思は確定しているものではなく、支援の過程でも変化しやすいことを理解す
る。
2 本人の表情・言動への注意
・関係者からの情報収集やカンファレンスでの意見交換の中で、ストレートに表現され
なくても意思を読み取れる表情や言動についての情報が得られることがある。
・認知症だから分からないと決めつけるのではなく、快・不快や、したい・したくない
等意思表示をしやすい言葉かけを工夫したり、自然な対応で様々な感覚を生かしたコ
ミュニケーションを心がける。
3 本人と虐待者の同席場面と分離場面の違いの観察
・本人と虐待者が一緒の場面と、分離して同席しない場面との違いをみる。本人の怯え、
リラックスの状況を表情などから観察し、本人の感じ方を探る。
4 分離により落ち着いた環境の中で本人の状況を観察
・高齢者をショートステイなどで一時保護し、ケアの行き届いた落ち着いた環境の中で
高齢者の状況を観察し、適切と思われる対応策を検討する。
5 主たる協力者の発掘
・本人の考え方や意思をある程度把握し、代弁できると見られる協力者を家族、親族、
近隣住民等から探し出す。
・本人の意思表示がはっきりしていた時のことを知る人から、本人の考え方やパーソナ
リティの傾向についての情報を収集し、それを踏まえて本人にとってより良いと考え
られることを判断する。
6 本人の利益を多角的に考える
・本人が人としての尊厳が守られた生活を送れることを前提として、何が本人の利益に
かなうのかを様々な立場から多角的に考える。
7 必要に応じた権利擁護事業の活用
・必要に応じて、地域権利擁護事業や成年後見制度を活用し、本人の身上監護の実施や
後見的立場の人材確保を行う。
(東京都 p112 より)
56
第6章 本人意思の確認・尊重と自己決定支援
─1
1
2─
高齢者の自己決定をサポートする支援に必要な参考知識
■パワレス
差別
差別
差別
競争
競争
競争
比較
比較
比較
【被害者の心理】
【被害者の心理】
【被害者の心理】
個性
性
個
美
美
可能
能性
性
可
恐怖と不安
恐怖と不安
恐怖と不安
⇒安心ではない
⇒安心ではない
⇒安心ではない
感性
性
感
生命
命力
力
生
無力感
無力感
無力感
⇒自信がない
⇒自信がない
⇒自信がない
能力
力
能
無視
無視
無視
暴力
暴力
暴力
過剰な期待
過剰な期待
過剰な期待
選択肢がない
選択肢がない
選択肢がない
⇒自由でない
⇒自由でない
⇒自由でない
※森田ゆり『エンパワメントと人権』(2005)を参考に作成
※森田ゆり『エンパワメントと人権』(2005)を参考に作成
※森田ゆり『エンパワメントと人権』(2005)を参考に作成
■トラウマ
■トラウマ
1 トラウマとは、「何らかの出来事によって引き起こされる心の傷」のことを言う
1 トラウマとは、「何らかの出来事によって引き起こされる心の傷」のことを言う
2 トラウマ反応(トラウマによって引き起こされる変化)
2 トラウマ反応(トラウマによって引き起こされる変化)
1) 心の病気の症状
第6章
うつ病や不安障害、アルコール依存等さまざまな病気の原因となる
1) 心の病気の症状
うつ病や不安障害、アルコール依存等さまざまな病気の原因となる
2) PTSD 症状
事故・事件のあとも、当時の記憶にとらわれて苦しむ
○再体験(フラッシュバックに悩まされ、生活が困難になる)
2) PTSD
症状 事故・事件のあとも、当時の記憶にとらわれて苦しむ
○回避・まひ(似たような状況をおそれ、さけようとする)
本人意思の確認・尊重と自己決定支援
○再体験(フラッシュバックに悩まされ、生活が困難になる)
○過覚醒(常に緊張していて、物音や接触をこわがる)
○回避・まひ(似たような状況をおそれ、さけようとする)
3) ○過覚醒(常に緊張していて、物音や接触をこわがる)
ASD(急性ストレス障害)症状
○解離(感情がまひして、悲しめなくなる)
3) ASD(急性ストレス障害)症状
・本当はつらいのに、感情にならない。
○解離(感情がまひして、悲しめなくなる)
・自分はつらくないと思いこむ
・本当はつらいのに、感情にならない。
○心理面(責任を感じて自己評価を下げ、消極的になる)
・恥ずかしさや責任感に悩む。
・自分はつらくないと思いこむ
・強く自己否定をして、生きる気力を失う。
○心理面(責任を感じて自己評価を下げ、消極的になる)
○身体面(不眠や息切れ、集中力の低下がでる)
・恥ずかしさや責任感に悩む。
・不安やいらだちが身体症状に(過呼吸症状、手足の震え、極度から体調不良に)
・強く自己否定をして、生きる気力を失う。
・症状が怖くて外出できない。
○身体面(不眠や息切れ、集中力の低下がでる)
・不眠症で日中の活動に影響がでる。
・不安やいらだちが身体症状に(過呼吸症状、手足の震え、極度から体調不良に)
飛鳥井望「PTSD とトラウマのすべてがわかる本」2007 年、講談社を参考に作成
・症状が怖くて外出できない。
・不眠症で日中の活動に影響がでる。
飛鳥井望「PTSD とトラウマのすべてがわかる本」2007 年、講談社を参考に作成
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