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駐留軍等労働者の労務管理に関する検討会

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駐留軍等労働者の労務管理に関する検討会
第1回駐留軍等労働者の労務管理に関する検討会議事要旨
1
日
時:平成20年8月5日(火)
2
場
所:防衛省庁舎D棟6階第2省議室
3
出席者:
(委
午後2時~午後4時
員)井口委員、加藤委員、喜屋武委員、藤村委員、宮家委員、山本委員
(防衛省)井上地方協力局長、伊藤地方協力局次長
(機
構)向独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構理事
(組
合)山川全駐留軍労働組合中央執行委員長
(事務局)石尾労務管理課長、兵庫給与厚生室長
4
5
議事次第:
(1)
各委員の紹介、座長の互選
(2)
駐留軍等労働者の労務管理業務等について概要説明
(3)
組合より意見聴取
(4)
質疑応答
(5)
次回の日程等
議事要旨:
冒頭の各委員の紹介に続き、座長の互選を行った後、検討会において広く意見を
聴取するため、防衛省、組合及び機構の出席を求めることとした。
防衛省、組合及び機構の出席後、駐留軍等労働者の労務管理業務等について事務
局から説明を行い、組合側の現状の問題点等についての意見聴取が行われた。
次に、各々について委員からの質問、組合及び防衛省側からの回答等が行われた。
その概要については以下のとおり。
【組合より意見聴取】
(組
合)
駐留軍等労働者は、初期の時代においては法的根拠を持たない単なる国の雇用者
でしたが、1948年7月の国家公務員法制定に伴い、国家公務員一般職に規定さ
れました。その位置付けはいろいろと考えがあったわけですが、実際には政府職員
としての身分、処遇は与えられず、対等の立場による団交権や争議権が否定された
-1 -
ことから、当時の労働組合は公務員法の適用除外ということを申し立て、同年の1
2月には労働三法が適用される特例的な国家公務員特別職というものに変更されま
した。これは1952年の講和条約発効まで続くわけですが、一般職及び特別職と
された時期を含め、自己の意思に反して免職されることはない身分保障及び国家公
務員共済組合法が適用されることはありませんでした。そして講和条約の発効に伴
い、駐留軍への移行に際して間接雇用方式が導入されました。
法律174号で駐留軍等労働者は国家公務員ではないと規定されました。第8条
第1項の後半に書いてあり、公務員ではないと規定されています。そして2項にお
いては、駐留軍等労働者は国家公務員法第2条第6項に規定する勤務者と解しては
ならないと、こういう形に定められたということです。駐留軍等労働者の身分に関
する法律はこの法律だけと私の方では理解しています。それから第9条2項で駐留
軍労働者の勤務条件は防衛大臣が決めるという規定があります。
米軍基地及び基地労働の特殊性ということで、排他的基地管理権とわが国の法令
が適用されない法的地位、私どもの職場は在日米軍の施設・地域です。従って、地
位協定第3条によって、いわゆる排他的な使用権、管理権を有する米軍の管理下に
あり、日本側公権力も米側の許可なしにその施設、区域には立ち入れません。在日
米軍の公務中の米軍人・軍属には我が国の法令は適用されない特別な法的地位であ
るという職場です。一例を挙げますと、労務管理を行っている防衛省の皆さん方も
米側の許可を得ない限りは、駐留軍労働者の職場には立ち入ることができないため、
いろんな弊害の実態を把握できないという点が多々あります。その中でじん肺裁判
がありました。横須賀基地で働いたSRF(艦船修理部)の皆さんがじん肺に罹り、
その損害賠償を求めた裁判ですが、その判決の中では、被告(国)は米海軍横須賀
基地内における個々の作業内容や粉じん対策をほとんど把握していなかったと言う
ことができる。このような状態では不断の調査・監視をしていたということはでき
ないし、また、必要な措置を講ずるよう働きかけることもできないというべきであ
るから、被告(国)は、対策推進義務を充分に尽くしていなかった、こういう趣旨
で安全配慮義務の責任があったとして、原告全員を救済する国側敗訴の判決が出さ
れています。これはまた、高等裁判所に上がって別の判断が出ておりますけど、そ
こには立ち入りませんが、このような労働災害等についても、なかなか実態把握が
できないというような問題が発生しています。
それから駐留軍労働者の場合、先程申し上げましたとおり国家公務員ではないと
いうことで、民間労働者と同じ立場にあります。それは地位協定第12条5項によ
り、所得税、地方住民税及び社会保障云々が、相互間で別段の合意をする場合を除
くほか、賃金及び諸手当に関する条件その他の雇用及び労働の条件、労働者保護の
ための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本国の法令に定めるところ
によらなければならない、このように定められています。この中で一番問題になる
のが、相互間で別段の合意をする場合を除くほか、というこの書き振りです。この
-2 -
点に関しては、私どもがいろんな参考文献を見た限りにおいて、外務省は、別段の
合意とは保安解雇に関し特別の手続きを定めている地位協定第12条6項が別段の
合意だという解釈をしていると聞いています。ただ米側はそれとは別に、3つの労
務提供に係る契約がありますが、これは条約でも地位協定でもなく、労務提供に関
する別段の契約ですが、それが条約を押しのけてというような形で、これが別段の
合意に当たる、このように米側は主張していまして、米軍もその内容が、日本側の
労働関係法令と相違することについては特に問題がないんだという主張を米側はし
ているということです。この主張は日本側の解釈と対立していて、現在でも解決に
至っていないと私は理解しています。
基本労務契約という3つの契約のうちの1つ、これが主たる契約の最大のもので
すが、この19条には、B側(日本側)は、A側(米側)との協議交渉及び事前の
文書による合意なくしては、この契約に基づき提供される従業員の就業規則若しく
は雇用条件又は作業条件を定め、又は変更しないものとするという規定があります。
このため、防衛大臣が定めることになっている駐留軍労働者の給与・労働条件につ
いては、いくら法令事項であっても、米側の同意なしには、新たに定めることも変
更することも実際上はできない、こういう実態にあります。
そして労働関係法令に合致していない項目が4項目あります。このうちの1番目、
年次休暇の付与、これをずっと完了していないでここまで来たことには私ももう怒
っています。それは困ると思っており、これは進展するものと考えています。2番
目の36協定については、基地管理権に関わる重要な観点から米側はこれを中々受
け入れないだろう、今までもそうだったし、今後も極めて難しい問題である。3番
目の就業規則の変更届もその必要はないと米側は言っているようですが、これもな
かなか難しいなと。それから4番目の労働安全衛生委員会も米軍の基準で、基地内
でやっているものを含めてこれを認めようとしていませんので、基地の中で適用さ
せることは、絶対できないとは思いませんが、かなり難しい課題と思っています。
そのほか、私どもは、これは抵触すると考えられるものとして、労働基準監督官
の立ち入り制限というのがあり、これも許可が無ければ入れない。しかも同伴でな
ければいけない。いろいろな困難な制約があって、私どもから言わせれば、監督官
としての法律上の責務が果たせるのかどうか少し疑問がある。今までも米側が立入
を拒否したということがあったという意味において全面的に解決したものではない
と思っています。それから、これはまた後ほど少し触れますが、基地内においては、
通常当たり前の組合活動が休憩時間中といえども禁止されている、労組法上の制約
がある。こういうこともあるということで、ちょっと細かい事かもしれませんが、
私どもとしては重要な課題と思っています。
こういう労働条件に係る決定権者の問題、それから採用、昇格、降格、配置転換、
制裁、解雇に関する問題などの人事措置の最終決定権、これは意見の相違がA、B
間であった場合でも、最終的には米側の権限があるという関係です。そして直接の
-3 -
駐留軍労働者の指揮、監督、命令は訓練も含めて米軍が行いますので、ある意味で
は、米軍というのは単なる使用者ではなくして、実質的な雇用主という状況です。
今申し上げたように駐留軍労働者は、国の安全保障に関わる重要な公務と私どもは
思っていますが、これに携わりながらも、公務員ではないとされ、一方では、他の
民間労働者であれば必ず適用されるであろう労働者保護、権利を保障する国内法令
等からも漏れているということで、まさに主権国家である日米間の間に立たされ、
国家公務員でもなければ民間企業の労働者でもないという、2つの社会的身分の狭
間に置かれた、日本では他に類を見ない特殊な存在であるという認識をしていると
ころです。
次に、米軍の労務管理及び労使関係の実態ですが、駐留軍労働者は本質的に不安
定雇用ということで、これは、米国のと申し上げたほうがいいと思いますが、世界
戦略、軍事戦略等々の変更に伴い、必要があれば、世界的な米軍再編があって、こ
の労務提供契約の中にも米軍の都合によっていつでも人員を削減することができる、
そういう人員整理規定というものがあります。例えば円高ドル安だとか、防衛予算
の削減とか経費節減というようなこと等々、あるいは不採算部門の、これはIHA
の関係ですけども、そういう所では採算が合わないということを理由に廃止・縮小
される、ということも含めてこの人員整理が付き纏っているということが出てきた
と理解しています。具体的には、昭和47年には沖縄も入れると従業員が48,0
00人位いましたが、6年後には21,000人と、6年間で27,000人も減
っていくという劇的な削減が行われ、これはそう遠い時期の話ではありません。
こういうような状況からも、極めて駐留軍雇用は不安定です。現在において、で
は安定しているかというと、ここ20数年、日本政府の労務費負担により、比較的
安定的に推移しまして、大量の人員整理ということは行われませんでした。これは
大変私どもとしてはありがたかったことで、評価していますが、ただ、米軍の世界
的な再編に関連して、2006年5月1日には、在日米軍の再編に係る最終合意が
行われ、在沖海兵隊のグアム移転、それから沖縄の中南部地域基地返還及び同基地
機能の沖縄北部地域への移転・統合が行われることになっています。これに関連す
る施設の従業員数は、トータルで4,755人です。本土においては、空母艦載機
部隊の岩国移転に伴い、厚木飛行場の従業員に影響があるだろうと見られています
が、これが1,064名ということで、合計関係従業員数は5,800人に何らか
の影響が出るだろうと思われます。ただ、雇用に係る詳細計画が、まだ明確になっ
ていませんので、一体何人が雇用に影響が出るかという細かいことまでは分かって
いませんが、いずれにしても、2014年を最終年とする米軍再編計画が実施され
た場合には、雇用への重大な影響が必ず出てくると私どもは睨んでおり、そのため
の対策が必要だと考えます。
そのほか、日本の財政事情もありますが、労務費負担が大変大きく雇用の安定に
寄与してきましたけど、これがどのように今後なっていくのか、労務費を含む駐留
-4 -
経費の全体が見直しということも検討材料になっているようですので、私どもは引
き続き駐留軍労働者の雇用については不安を感じていますし、本質的にそういうも
のだと理解しています。
駐留軍における労務管理は米軍が行っていますが、人種差別的なものが無い訳で
はないし、パワハラ的なことが無い訳でもない、というような極めて高圧的な労務
管理が横行しているというのが現場からの報告で、これは地方協力局にもいろいろ
申し上げて協力していただいていますが、一例を挙げると、レントゲン技師の資格
を持たない、いわゆる歯科衛生士とか歯科補助職の皆さんが、米側の一方的な都合
で本人の意思に反してレントゲン撮影のトレーニングが行われました。それが新聞
に報道され、現時点では中断して日米間協議が行われていますが、どういう形でま
とめられるか分かりませんが、実はほかの職場では昔からレントゲン撮影をその補
助職の人たちがやっていたというのが実態です。そういうことが米軍の中では往々
にして起こり得るというのが、実態です。
それから、休憩時間中といえども組合活動は禁止されているということです。今
日は申し上げませんが、最高裁の判断も出ている中身です。実際上は、米軍基地の
中においては、私どもは何にもやっていない訳ではなく、現場段階では、米側が裁
量権を持ってやっておりますから、それなりに職場でできることもありますが、米
軍基地の中は原則的に、司令官命令で組合活動は禁止されております。したがって
組合事務所もなければ掲示板もない、一切の会議その他打ち合わせはできない、機
関紙配布も職場によってはできない、このようなことも含めて、労組法上認められ
ている、あるいは日本においては官民を問わず当たり前の職場内における休憩時間
等の組合活動さえできない、という労働組合法違反があります。
それから包括的な労働協約、通常は労使交渉を行い、まとまれば労働条件として
協定を結ぶわけですが、残念ながらそういう時期も1950年当時はありましたが、
その後の協議の中で意見が対立し、1957年にこの包括的な労働協約が失効して
以来、半世紀にわたって事実上無協約状態が続いています。法律で義務付けられて
いる協定が別途ありますが、労使間の労働条件その他全般的に包括的に協約化され
ているものは現状ではありません。現段階においては、協議のテーブルに乗せると
いう事もできておりませんので、事実上、私どもは労働協約締結権が奪われている
状態にあると理解しています。
それから、私どもは間接雇用方式を否定しているわけではありませんが、団体交
渉は日本政府側である防衛省と私どもが行っており、この団体交渉には米側の出席
が義務付けられておりませんので、どちらかといえば、解釈すれば出ても出なくて
もいい、というような形になっていて、いわゆる米側には団交当事者としての義務
も責任も持たない存在というふうに定義付けられています。これは基本労務契約等
に団体交渉の規定があります。したがって、先程申し上げましたように防衛大臣は
勤務条件その他について米側の同意無しには新設改編はできないということなので、
-5 -
事実上、当事者能力を残念ながら持ち得てないところと私どもは団体交渉せざるを
得ないということで、そういう意味ではこの間接雇用制度の下においては、いわゆ
る自立的な労使関係というのが成り立たないと、そういう制約があると理解してい
ます。
その他、法の下の平等に反する保安解雇というものがあります。日本の裁判所及
び労働委員会等で解雇無効という決定が出た場合でも、米側がこの労働者を就労さ
せない事ができる。ただ、これは保安解雇という施設区域内における軍紀の維持の
攪乱を含む安全上の理由による解雇という規定なので、保安解雇と通常言われてお
ります。ただこれがかつては組合活動をねらい打ちにする、必ずしも政治的なイデ
オロギーに基づく破壊活動を旨とするような人達の行動じゃない者も含めて行われ
たというようなこともありました。こういうことは他の事業所ではあり得ない。米
軍という特殊性ということもあろうかと思いますが、いずれにしてもこのような基
本的な権利が制約されている職場である、良い悪いは色々あるが制約はされている
ことは間違いない。そういう職場であるということは言わざるを得ないと私どもは
理解しています。
次に、駐留軍労働者のステータスの確立ということです。駐留軍労働者が国の安
全保障という公務といえる職務に従事していながら公務員ではないと規定されてか
ら、半世紀以上にわたり主権国家である日本と同じく主権国家であるアメリカとの
狭間において、公務員でもなければ民間事業者の労働者でもないという、2つの社
会的身分のどちらとも言えない存在です。具体的には、国内労働関係法の適用漏れ
により労働上の不利益から保護されず権利行使ができないという身分上の制約があ
ります。また、国の雇用でありながら、給与をはじめ休暇、業務上災害等の補償な
ど労働条件の面でも多くの面で公務員を下回り、加えて共済組合法が適用されず年
金、医療、福利厚生面でも国家公務員との比較では大幅な格差があるなどの不利益
を受けています。労働基本権についても、間接雇用方式の下で米側の拒否によって
事実上労働協約締結権を奪われ、自立的な労使関係の構築ができないなどの制約を
受けています。こうした様々な制約、制限、不利益は、日米地位協定に関する日米
間の解釈の違い及び力関係により半世紀以上未解決とされてきた問題であり、駐留
軍労働者の権利と米軍の権益が相対立するものであることから、日米間における協
議において直ちにあるいは容易に是正できると言えるものではないと考えています。
そういう意味から、そのステータスについては駐留軍等労働者雇用基本法、これは
仮称でして基本法令と言ってもよいと思いますが、こういうものを制定して、国の
安全保障という公務に携わる者としても身分上の位置付けを定めていただきたい。
その上で給与等の処遇及び福利厚生の施策については、原則として国家公務員に準
じた制度とすることを明確にすることであると考えています。この方法については、
私どもは政府自らがやっていくことがもっともふさわしいと思っていますが、状況
次第によっては議員立法による基本法令制定も視野に入れていかなければならない
-6 -
と考えているところです。
それから公正・公平な比較による労働条件の総合的な改善・是正、これが必要で
あると考えています。これはこういう方向で今後見直しが行われていくだろうと、
そういう問題意識は地方協力局にもお持ちあることは承知の上で申し上げたいと思
いますが、私どもは、平成19年12月18日防衛省の発出で駐留軍等労働者の給
与の見直しがありましたが、これは昨年、格差給、語学手当あるいは退職手当等、
公務員にはない給与・手当を廃止又は水準を公務員並に合わせようというご提示を
いただきました。これについていろいろ交渉協議を行った上で、防衛省と組合側で
合意しました。これは既に基本労務契約等の改正が行われ、この4月から実施され
ています。私どもとしては、経過措置として在職者の現給保障等が行われています
ので、多くの人達にとって必ずしも生活に困窮が起きるということはないと理解し
ていますが、新しく4月から入った人、あるいは若手の方、こういう方については
事実上給与水準が下がる。格差給は基本給の10%ですから、これがなくなるわけ
ですから相当生活に影響が出るだろうというふうに見なければならないと考えてい
ます。私どもは、格差給、語学手当等については、確かに国家公務員にはない手当
ですが、必ずしもこれが国家公務員を上回っていたとは思っていません。ただ残念
ながら、労使間でも協議しましたが、私どもも理解し、そしてお互いが納得できる
公正・公平・精確な比較というところまでは、多分時間的な制約もあったと思いま
すが、至りませんでした。そういう意味ではこの辺はそのまま残されています。は
たして精確な比較が行われたのか、見直しが行われたのか、そうではなかったと私
は理解しており、そういう意味で今後の問題を含めて、今後は給与水準の問題、そ
れから諸手当の問題、これらを見直す際には公正・公平・精確な比較、これが必要
であると思っています。さらに部分的に給与水準を見るだけではなく、福利厚生を
含む総合的な労働条件全般を比較し、そのなかで劣っているもの、上回っているも
のがあればそこは是正するというのが、当然のことだと思っています。比較は民間
も参考にしなければなりませんが、国に雇用されるものであって、そして、公務と
いう職務上の条件から、国家公務員に準じるべきであると理解していますので、そ
ういう比較の上で労働条件を見直し、給与・手当等の水準をしっかり公正にやって
いただきたいと思っています。
共済制度に関して、基本は駐留軍労働者が国家公務員とされた時期もありました
が、身分上或いはその間、国家公務員共済法とかが適用されていないという中でで
した。ただ、共済関係に限って言えば、現在は国家公務員だけではなくなっていて、
たばこ産業株式会社、日本電信電話株式会社、旅客鉄道会社、それから郵政会社等
々も国家公務員共済法が適用されており、共済組合の職員の方々も適用されると理
解しています。そういう意味では、駐留軍等労働者は国に雇用されている、それか
ら大きく安全保障という公務に携わるものというところから国家公務員共済組合法
が適用されていてもおかしくない存在であると理解しており、そういう意味では防
-7 -
衛省共済組合に入っていてもおかしくない、これから入ってもおかしくないと私ど
もは思っています。そうではないとしても、それに準じた制度を立法措置は一緒に
なるんだろうとは思いますが、そういう形で制度を作るべきである、新設するべき
であると考えています。
それから、雇用の安定確保、教育訓練による能力開発及び離職対策の関係ですが、
これらについては、雇用の不安定、場合によっては離職を余儀なくされるという特
殊性を踏まえ、5年ごとの臨時措置法というよりも、むしろ恒久法的なもので対応
策をしっかり、時代がくれば変えればいいわけですが、そういう施策が行われるよ
うな法律にすべきであると考えています。
今いろいろ申し上げましたが、基本にあるのはその核心が、駐留軍等労働者が今
は曖昧になっていて、公務員法の一部を改正する法律で身分があるようなないよう
な形になっている。これはやっぱり駐留軍労働者のステータスを基本法令によって
まとめていただいて、その上で処遇を様々に規定していただくということが重要だ
と確信しているわけです。このことを、ぜひご理解賜ればありがたいと思っていま
す。私ども駐留軍等労働者が誇りと希望を持って職務に専念できるようなそんな将
来展望をぜひこういう機会に示していただければありがたいと思っています。
【質疑応答】
(委
員)
組合の意見の中で、基本法の制定というところですが、日本には基本法が10
いくつかしかないんですね。教育基本法とかものづくり基本法ですけども、基本法
というものを制定したいという気持ちはとてもよくわかりますが、これを制定する
ことによって具体的に何が変わると考えていますか。
(組
合)
私どもの場合、基本法的なものという意味合いでもいいと思っていまして、今の
ところ私どもの身分を決める法律は公務員法の一部改正法の中に少しあるだけです
ので、雇用主を明確にする規定とかそういうものの基本的なものがしっかり定まっ
たものがないものですから、いろんな制約がある中での保護規定等というものがな
かなか活かされない、法律上の保護が受けられないとか、いろいろな制約があると
いうことが米軍基地の中においてはやむを得ないような、私はそういうものを前提
としながらもこれを保護する、救済するということを前提とした基本法令的なもの、
例えば公務員法みたいに制約がある場合はこういう形になりますよというものがあ
る訳ですから、そういう意味合いで基本法令的なものを定めていただきたいという
趣旨です。それがあればいろいろな制約、あるいは保障が適用されないということ
-8 -
で問題視されているものを別の角度から直していただける。私どもは国家公務員以
上のものを求めている訳ではないので、制約上いろいろある中で国家公務員法をあ
る程度理解して、我々もそういうものに限りなく近いものになれば非常に役に立つ
ということは十分理解しております。ただし法律の理解は私ども労働組合ですから
非常に曖昧でして、むしろご享受にしていただければありがたいと思います。
(委
員)
約25,000人の方が働いている職場なのに日本の法律が適用されない部分が
ある。何か中途半端というかそこをちゃんと整理してほしいということですね。そ
れともう1点、駐留軍等労働者は本質的に雇用は不安定であるというところですが、
これは、基地の再編によって雇用の場が失われる可能性があるという問題と、もう
1つはアメリカの雇用慣行というのをアメリカ軍が駐留軍等労働者の人たちにも適
用するので、日本だったらそう簡単に解雇されないような場面でも首を切られると
いうことと2つあると思いますが、主にどちらを気にしていらっしゃるのですか。
(組
合)
現場的に言いますと歳出関係のところは全部再編に関わってくるかと思っており
ますが、営業が成り立つか成り立たないか、しかもそれだけではなくていろいろ問
題があるんですね。米側的にも必要がなくなれば、あるいは不採算になれば切ると
言うことも当然あります。主たる原因はやっぱり米軍の再編に伴って部隊が移動す
る、基地が閉鎖されるという中で提供するサービスがなくなるということです。
(委
員)
例えば米軍を1つの企業だとすると、いろいろなところに事業所があって25,
000人が雇われている。日本の民間企業とすればこっちの工場を閉鎖してどこか
と統合するということがありますよね。その場合に元々そこで生まれ育った人で、
でも新しい所に移転してもいいよと事業所間の配転を受け入れる方もいれば、動け
ないので退職する人もいる。そのように考えたときに組合としては、日本の民間企
業が普通に行っている事業再編のようなものとして基地の再編を捉えられるのか、
あるいは公務員に準ずる身分なのだからそれは違うのではないかという、どちらの
考えに近いですか。
(組
合)
日米安全保障条約が基本でありますから安全保障上必要とされている役務であっ
て、国家公務員に近いものと理解しています。
(委
員)
-9 -
公務員の場合、住居の移転を伴うような異動はあり得ます。例えば、厚木から岩
国への異動、その時に動いてくださいという選択肢もあり得ると思いますが、そう
いうことは条件次第で受け入れるということですか。
(組
合)
基本的にはそういう場合もある訳ですから、当然条件整備をして、行けるものは
行ってくださいというのが組合のスタンスです。条件整備はかなり難しくて、もと
もと地元に採用されているものですから、国家公務員のように地方に2、3年行っ
て戻ってくるというスタイルじゃない、行ったら行ったっきりですからやっぱり行
けない人もいます。行くにしても住宅をどう確保するか、駐留軍労働者の場合は官
舎に当たるものはありませんから、条件整備がどこまでできるのか、費用がかかる
ことですので、今の官舎のような形がある訳でないものですから、そういう意味で
は制約があります。
(委
員)
駐留軍等労務管理機構はどういう経過で今どういう役割を果たしていますか。駐
留軍の要請を受けて機構が人を募集して採用するという役割だと理解していました
が、そうすると機構が雇用主の立場に立てるのか立てないのかを伺いたい。
(機
構)
雇用主は国となっています。
(委
員)
国というのは誰になるのですか。
(機
構)
防衛大臣となっています。
(委
員)
防衛大臣というと抽象的な感じがするのですが、具体的な雇用主の責任を持って
いる人達は誰ですか。
(防衛省)
雇用主については国と決まっております。雇用主としての事務をするのは防衛省
でして、勤務条件等は防衛大臣が決めるという形で一部決められているところです
が、その具体的な労務管理の事務をするところは防衛省地方協力局となっています。
- 10 -
(委
員)
そうすると機構というのはどういう意味合いを持っているのですか。
(機
構)
端的に言えば、決定に関しては国、そこに至るまでの作業、それが100あった
ら99なのか70なのか80なのか仕事の中身はそれぞれ違いますけれども、あく
までも国の下請けといいますか、決定権を持たない事務手続関係全般を持っていま
す。
(委
員)
それは国の依頼なり要請なり命令を受けて事務サービスをするという役割ですか。
働いている方達の労働条件を直接決定する立場にないということですか。
(機
構)
いろんな行政サービスみたいなことです。
(委
員)
地位協定の中に詳しく書いてあるのかも知れませんが、そもそも米軍基地という
ものは治外法権なのでしょうか。国内法の適用関係が基本的に基地内ではどのよう
になっているのか改めてご説明いただきたいのが第一点目です。もう一つは、米軍
基地というのは世界中にたくさんありますが、日本における労使間の関係とドイツ
やフィリピンでのアメリカ軍基地における現地の人との労使関係は同じような関係
なのか、日本だけが特殊なのか、その2点について教えていただければと思います。
(防衛省)
基本的には、日本とアメリカは安全保障条約があり、それで米軍に対して施設を
提供して、米軍が日本に駐留しているという形です。そのことで地位協定があり、
米軍には施設管理権、日本政府から提供を受けたところに関する施設を管理する権
利というものがありますので、その施設管理権に基づいて行動するという権利があ
ります。そうだからといって日本の法令が一切適用されないというわけではなく、
地位協定で別段の定めを除く場合は、基本的には、日本の労働関係法令というのが
適用されます。労働関係法令については、今いろんな事情で法令と必ずしも適合さ
れていないという分野がありますけど、それも日米間の協議委員会があって、安保
条約に基づく米軍との関係については、合同委員会というのがありまして、外務省
の北米局長、それから防衛省は地方協力局長もメンバーになっていますが、そうい
う恒常的な会議の場で様々な議論をしますし、労務問題について申し上げますと、
労務分科委員会というのが下部機構にありまして、米側の労働担当者と日本側とで
- 11 -
いろんな協議をします。そのような場も通じてまして、ひとつひとつ解決しようと
いうことでお話しをしています。
先程の不適合の問題については、ひとつは、組合が説明されたこともありますけ
れども、地位協定に関する別段の合意の解釈の考え方が日米間で必ずしも一致して
いないという事情はあります。
それからもうひとつは、現場において、必ずしも米軍の軍人が日本の法令等につ
いて精通していない、或いは誤解をしていてそういう対応をとってしまうという場
合もありまして、後者の場合においては、米軍の方でいろいろと指導して、その事
態が是正されるということもあります。制度的な問題と、日本の法令に対する不理
解というか、理解不足というような運用上の問題、そういうことで出てくるという
のが現状です。
(委
員)
原則的には、国内法令は適用されるということでしょうか。
(防衛省)
労働関係法令はそうですね。
(委
員)
建築基準法でも建築確認なんてありますよね。そういったものが原則的には適用
になるということなんですか。
(防衛省)
法律については、法律で適用除外なる場合もありますし、施設管理権との関係で、
条約等との解釈の整合性からして法令が適用されないという場合もありますけれど
も、労働関係法令については、地位協定の規定により、それが一応適用されるとい
う形で日米間で合意がなされております。
(事務局)
建築基準法のような規制法令については、米軍そのものには直接の適用はないで
すが、それを請け負う事業者ですとか、或いは医療行為を行う駐留軍等労働者には
適用があるという整理です。
(防衛省)
例えばアスベストに関するような素材が使われているようなものに対する工事と
か、修理とかをする場合の業者さんは日本の法令を遵守しなければいけませんので、
それに基づいた工事をするように義務づけれらますし、国土交通省さんの方が立入
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検査をする場合があります。許可がなければ入れませんが、通例の場合は、米側は
どうぞということで許可を出しますので、監督官庁も監督しているというのが多い
と承知しています。それから、他の国でどういう関係になっているのかというのが、
なかなか実状難しいですが、1つ申し上げられるのは、日本の場合は、間接雇用制
度ということで特殊な形態であり、他の国においては、直接雇用という形態をとっ
ている場合があります。ただ、その場合には、良い点と悪い方といろいろあると思
いまして、先ほどの雇用の安定という観点からすると、間接雇用の方が雇用の安定
に寄与する面が大きいのではないかという理解が通例なされているのではないかと
思いますが、直接雇用の場合ですと、雇用の安定というところが、米軍の都合によ
るという形になるかと思います。それから、実際にそれぞれの労働者の処遇がどう
であるとか、決め方がどうであるのかとか、私どももいろいろ調べていますが、な
かなか細部に至る実態について、現実問題として事実関係が入手できていないとい
うのが現状です。それから日本の特徴として、特別協定により駐留軍の従業員の方
々の基本給を、23,055人という上限はありますが、負担するようになってま
して、それは非常に諸外国と比べても手厚い対応ですので、従業員の方々の雇用が
確保されているところがあろうかと思います。
(委
員)
労務管理機構の役割なんですけど、地方協力局の次長が事実上の雇用主の立場に
立って労使交渉には対応しますと、機構は事務部門みたいな理解でいいんですか。
(防衛省)
機構との関係ですが、労使交渉の場合は、基本的に給与状況等の制度を変えます
とか、例えば給与については、法律の規定ですと、民間事業主の水準、国家公務員
の状況、そういうことを勘案して、防衛大臣が決めるということになっております
が、現実には、人事院の勧告を基準にして国家公務員に準じた対応を提案させてい
ただいて、それで組合と調整をし、米軍とも調整をした上で契協約の改正をすると
いうようなことをしておりますが、そういった形で制度改正がなされた場合に、実
際の給与の支給等においては、それぞれの従業員のデータを基にして、それぞれの
従業員の給与支給を具体的にやるというような仕事は機構でやっています。それか
らその他の福祉や様々なサービスの提供の業務を機構で行っています。これは元々
は国の機関委任事務として、都道府県の方で仕事をされてました。それを地方と国
の業務分担の見直しということで機関委任事務を廃止した際に、国の事務とするこ
とがよろしいという結論もありまして、ただ、都道府県の職員の方々とかを大量に
国家公務員にして、執行的な業務をするということは、国の業務の拡大にも繋がり
ますので、独立行政法人という形で発足して、そのような機構の業務をするという
ことにしました。こういう経緯となっています。
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(委
員)
韓国とドイツとオランダと日本の基本的な比較を、恐縮ですけど調べていただい
て教えていただけるとありがたいなと。それぞれ事情があるのでしょうけど、そう
いうことで是非お願いします。
(防衛省)
基本的な雇用の形態、先ほどの間接雇用か直接雇用かとか、そういう形態の資料
はありますので、そういうのを簡単にまとめさせていただくことはできると思うの
ですが、個別の、例えば細かい手当がどうなっているかとかはですね、そういうと
ころまではちょっと・・。
(委
員)
基本的な雇用の形態と、基本的な労使関係制度がどうなっているのか。それから
適用法令がどうなっているか。
(防衛省)
お調べいたします。
(委
員)
もう分かる範囲で。
(委
員)
職場でいろいろなトラブルがあるんでしょうが、日本人従業員は、管理職レベル
といいますか、どのレベルまでが配置されるのか、あるいはみんな「平」なのです
か。職場でトラブルがあった場合、米軍とある程度責任を持って調整役割を担う日
本人従業員の配置はどうなんでしょうか。
(防衛省)
色んな職種がありまして、その職種ごとに形態が違いますが、管理職的な仕事を
している人が一切いないかというと、必ずしもそういうことではありません。ただ、
在日米軍司令官は軍人でいるわけですし、それぞれの陸軍、部隊の司令官というの
はアメリカの軍人がおりますので、最終的に上がると軍人の人。その中間的に管理
をしている課長クラスの方がいないかというと必ずしもそうではない。いわゆる日
本人従業員の方が日本人従業員の部下といっていいかどうかわかりませんけど、持
つような形態がないかといいますと、必ずしも、職場によりますけどそうでもない
と思います。
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(組
合)
今言われたことは間違いではないですが、管理職的な、部下が数十から数百いる
という立場でいる人はごく僅かですね。私の知っている限りでは10名くらいいる
かいないか。ほとんどが管理職にあたるというよりかは、むしろ職場の班長さんに
あたる。部下が何人だと班長さん、その班が3つ集まるとその上の監督者といった
形で、現場監督者的な、職制上の監督者はいますけど、全体の米側の利益を代表す
るような管理者というのはなかなかいない。ただ沢山の部下を持って管理職に相当
する等級の職を受けている人は、10名くらいというのが私の認識です。
(委
員)
財団法人駐留軍労働福祉財団、これは具体的にはどんなことをなさっているのか
教えていただきたい。
(事務局)
財団ですが、具体的にやっている最も従業員のメリットとなっている事業という
のは、慶弔の事業というのがあります。慶弔、祝い事などの給付金を支給するとい
うことが、最も大きな事業だと思います。
また、駐留軍要員健康保険組合も入っている駐健保会館という建物がありますが、
そのマネージメントなども財団が行っています。
(委
員)
今現場でいろいろ提起される問題、課題についての調査研究を、本格的になされ
ているというわけではないということですか。
(防衛省)
必ずしもそういうわけではありません。そのような研究は、最近では独立行政法
人の駐留軍等労働者労務管理機構の方にお願いをしてやっていただいています。
(委
員)
組合にはスト権がありますか。
(組
合)
あります。
(委
員)
これまでにストライキが行われた実績はありますか。
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(組
合)
一番最近は昨年の10月頃にありました。全国統一で4時間程、もう一つは24
時間、終日行ったところです。理由は格差給及び語学手当等の廃止及びその他労働
条件の見直しによるものです。
(委
員)
そのようにストライキをやった場合に、基地の方ではロックアウト等はあります
か。
(組
合)
ロックアウトについて、最近はないですね。
(委
員)
駐留軍等労働者は、以前には国家公務員であって、それが一般職から特別職にな
った。組合員の方々としては自分たちは国家公務員であるべきだと思っておられる
のでしょうか、それとも、国家公務員ではないと思われているのでしょうか。先ほ
ど国家公務員の特別職から「そうではない」となった法改正についてご説明を伺っ
たのですが、今ひとつよく分からないのです。本質的な話で今日結論を出す話では
ないのですが、駐留軍等労働者というのは、どういうステータスであるべきなのか、
もしくはどういうふうに組合員の方がお考えなのか、もう少し伺いたいのです。国
家公務員特別職から外されたことについて、これはおかしいと思っておられるのか、
それとも、それは仕方がないと、しかし何かの形で救済はすべきなんだとお考えな
のか、その辺はどうお考えなのでしょうか。
(組
合)
組合全体の意見としては、両方の意見がありまして、当然国家公務員というふう
にやるべきだとの意見もないわけではありませんが、私的には後者の方ですね。国
家公務員ではないと否定されたわけですから、その時に、両国家の狭間の中で宙ぶ
らりんにならないように、日本の政府の雇用主の果たす義務を法律的に一部法改正
ではなくて、法律をもってですね、駐留軍労働者の雇用の責任と、そしてその義務
を負う法律的な根拠を作っておくべきではなかったか。それが出来ていないから今
なおいろいろな問題があると、ただそれがあったら全部解決するかというと、勿論
アメリカという相手があることですから、考えておりませんけれども、それがない
が故に我々の寄って立つ基盤というか処遇に関しても、宙ぶらりんの民間でもなけ
れば公務員でもないという形で、どっちつかずの、あっちの法律こっちの法律、あ
っちを持ってくるこっちを持ってくるという形で処遇されているわけで、そういう
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ことになってしまったことについて、もう少し是正して頂きたい。
(委
員)
国家公務員ではないとした最大の理由は何なのですか。
(防衛省)
当時は、いわゆる占領から独立しました時期ですので、独立前は占領軍でしたの
で、米軍の仕事というのは日本の統治という仕事ですが、そこでの仕事というのは
国家公務員の仕事と言ってもよろしいのかもしれませんが、独立した後、駐留軍に
なり、駐留軍の仕事というのは日本国の仕事ではないと整理され、日本国の国家公
務員ではないとしたものです。
(委
員)
占領軍時代は国家がなかったのだから、国家公務員というのも変ですよね。
(防衛省)
国家公務員はいたわけですね。米軍の占領下ではあったわけですけれど、米軍自
体が占領軍の一員として日本国の戦後の仕事をさせていたわけです。
(委
員)
どうもありがとうございました。今日は第1回目ということもあり、いろいろな
角度からお話をいだだいて、私達の理解を深めることができたと思います。次回は
もう少し具体的な議論に入っていきたいと思います。検討課題のうちの労働条件が
どういう状況なのかということから話をしたいと思いますので、まず、現状どうな
っているかというところを事務局から資料をお出しいただいて、それをベースにま
た議論するという方向でいきたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。
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