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第2期長浜市特定健康診査等実施計画

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第2期長浜市特定健康診査等実施計画
第 2 期長浜市特定健康診査等実施計画
背景と趣旨
この計画は、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和 57 年法律第 80 号)第 18 条により定められ
た特定健康診査及び特定保健指導の適切かつ有効な実施を図るための基本的な指針(以下「特定健康
診査等基本指針」という。
)に基づき、同法第 19 条の規定により特定健康診査及び特定保健指導(以
下「特定健康診査等」という。)の実施方法に関する基本的な事項、特定健康診査等の実施及びその
成果に係る目標に関する基本的な事項について定めるものです。
近年、被保険者の生活様式は多様化し、疾病構造も変わってきました。生活習慣病である悪性新生
物、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病等の割合が増加し、死亡原因及び医療費においても生活習慣
病が占める割合が多くなっています。
特に、心疾患、脳血管疾患等の発症の重要な危険因子である糖尿病、高血圧症、高脂血症等の有病
者やその予備群が増加しています。
この計画では、その発症前の段階であるメタボリックシンドロームに着目し、特定健康診査及び特
定保健指導により早期に生活習慣を改善し、被保険者自身の健康維持・増進と将来医療費の削減によ
り増加する医療費の抑制を図ることを目的とします。
第 2 期(平成 25 年度から 29 年度)は、平成 20 年度から 24 年度の実施状況を踏まえ、新たな目
標を達成すべくさらに積極的な推進を図ります。
平成 25 年 3 月
1
第1章 目標
1
特定健康診査の実施率
特定健康診査等基本指針に基づき、平成 25 年度から 29 年度の特定健康診査実施率の目標は次
のとおりとします。
■
特定健康診査の目標実施率
項目
H25
H26
H27
H28
H29
特定健康診査実施率
特定健康診査実施率
40.0%
45.0%
50.0%
55.0%
60.0%
【第 1 期の反省点と第 2 期の方針】
第 1 期(平成 20 年度から 24 年度)の実積(見込)を振り返ると、目標と大きく乖離する結果
となりました。
主な原因としては、1 市 6 町合併(平成 22 年 1 月 1 日)により、特に旧 6 町地域の、特定健康
診査及びその実施体制や手順が大きく変わったことと、あわせてその周知が不十分であったこと、
また、市域の拡大により、合併前の小規模な健診会場を人口規模に合わせて見直し、統合したこと
で、物理的にも意識的にも予想以上に健診との距離が開いてしまったのではないかと思われます。
さらに、平成 20 年度から実施された「0 次健診事業」により、平成 20 年度から 21 年度にかけ
ては受診者数も上向きとなりましたが、
「0 次健診事業」終了後、0 次健診受診者を特定健康診査
の受診につなげられなかったことがあげられます。
第 2 期(平成 25 年度から 29 年度)においては、健診受診環境の充実を図るとともに、被保険
者の健康意識を高め、自らすすんで健診を受診する気風を醸成し、さらに健診の効果や影響等の周
知・広報に積極的に取り組みます。
2
【参考】平成 20 年度~24 年度の特定健康診査実施率
H20
H21
H22
H23
H24(見込)
対象者数
12,332 人
19,868 人
19,768 人
19,655 人
19,600 人
受診者数
3,157 人
5,631 人
4,449 人
3,886 人
5,000 人
実施率
25.6%
28.3%
22.5%
19.8%
25.5%
目標実施率
25.0%
35.0%
45.0%
55.0%
65.0%
※
各数値は、法定報告数値(H20 は、旧長浜市の法定報告数値)
2
特定保健指導の実施率
特定健康診査等基本指針に基づき、平成 25 年度から 29 年度の特定保健指導実施率の目標は次
のとおりとします。
■
特定保健指導の目標実施率
項目
H25
H26
H27
H28
H29
特定保健指導実施率
40.0%
45.0%
50.0%
55.0%
60.0%
【第 1 期の反省点と第 2 期の方針】
第 1 期(平成 20 年度から 24 年度)の実積(見込)を振り返ると、特定保健指導も目標達成は
できませんでした。
主な原因として、特定保健指導を受ける意義が被保険者に十分浸透していなかったことがあげら
れます。実施方法については、対象者の都合に合わせて個別指導を実施するなど、利用しやすい体
制づくりに引き続き取り組む必要があります。
第 2 期においては、第1期の実施内容に加えて、生活習慣の改善による健康づくりの重要性と、
その支援をする保健指導について、基準該当の有無を問わず広く健康教育を行い、特定保健指導の
ニーズの醸成に取り組みます。
【参考】平成 20 年度~24 年度の特定保健指導実施率
H20
H21
H22
H23
H24(初回)
保健指導対象者数
824 人
730 人
485 人
407 人
488 人
実施者数
211 人
171 人
139 人
120 人
222 人
実施率
25.6%
23.4%
28.7%
29.5%
45.5%
目標実施率
40.0%
43.0%
43.0%
45.0%
45.0%
※
各数値は、法定報告数値(H20 は、旧長浜市の法定報告数値)
※
H24 は、初回面接実施者数
3
第2章 特定健康診査等の対象者
1
特定健康診査実施率目標に対する対象者数等
特定健康診査の対象者は、実施年度において 40 歳以上 74 歳以下の被保険者のうち、妊産婦等除
外規定の該当者(海外在住、長期入院等)を除いた者です。
対象者数は、1 市 6 町合併した平成 21 年度から 23 年度法定報告数値での平均伸率から推計しま
した。
対象者数(推計)に対する実施予定者数は、次のとおりです。
■
特定健康診査実施予定者数
項目
H25
H26
H27
H28
H29
特定健診対象者数 A
19,459 人
19,362 人
19,265 人
19,196 人
19,073 人
目標実施率 B
40.0%
45.0%
50.0%
55.0%
60.0%
実施予定者数 A×B
7,784 人
8,713 人
9,632 人
10,543 人
11,444 人
目標実施者数
目標実施者数
8,000 人
9,000 人
10,000 人
11,000 人
12,000 人
2
特定保健指導実施目標に対する対象者数等
特定健康診査の結果から、腹囲が男性 85cm 以上、女性 90cm 以上の者、又は腹囲が男性
85cm 未満、女性 90cm 未満の者で BMI が 25 以上の者のうち、血糖(空腹時血糖 100mg/dl
以上または HbA1c5.2%以上)・脂質(中性脂肪 150mg/dl 以上又はHDLコレステロール
40mg/dl 未満)・血圧(収縮期血圧 130mmHg 又は拡張期血圧 85mmHg 以上)に該当する者
(糖尿病、高血圧症又は高脂血症の治療に係る薬剤を使用している者を除く。)を選定します。
また、追加リスクの数と喫煙歴の有無により、動機づけ支援の対象者か積極的支援の対象者
かを選定します。
対象者数は、平成 23 年度の保健指導発生割合に基づき推計しました。
対象者数に対する実施予定者数は次のとおりです。
■
特定保健指導実施予定者数
項目
H25
H26
H27
H28
H29
特定保健指導
特定保健指導対象者数
保健指導対象者数 A
2,043 人
2,033 人
2,022 人
2,015 人
2,002 人
目標実施率 B
40.0%
45.0%
50.0%
55.0%
60.0%
実施予定者数 A×B
817 人
905 人
1,011 人
1,108 人
1,201 人
目標実施
目標実施者数
実施者数
850 人
950 人
1,050 人
1,150 人
1,250 人
※
特定保健指導対象者数=特定健診対象者数×H23 特定保健指導対象者発生割合(10.5%)
※
H23 特定保健指導対象者実施割合(10.5%)=動機付け支援(8.1%)+積極的支援(2.4%)
4
■
特定保健指導の対象者
腹囲
≧85cm(男性)
≧90cm(女性)
追加リスク
④喫煙歴
①血糖 ②脂質 ③血圧
2 つ以上該当
あり
1 つ該当
BMI≧25
40-64 歳
積極的支援
65-74 歳
動機付け支援
なし
3 つ該当
上記以外で
対象
あり
2 つ該当
なし
1 つ該当
5
積極的支援
動機付け支援
第3章 特定健康診査の実施方法等
1
特定健康診査
(1) 実施方法
①
集団健診による実施
市内の公共施設等で実施します。がん検診等と同時実施し受診者の利便を図ります。
②
人間ドックによる実施
人間ドック受診は特定健診を受診したものとします。
③
0次健診による実施
0次健診受診は特定健診を受診したものとします。
④
医療機関(契約した医療機関に限る。)による実施
委託契約した医療機関で実施します。また、治療中の人も、医療機関から検査情報の提供
があった場合は特定健診を受診したものとします。
⑤ 上記以外で健診を受診した被保険者から検査情報の提供があった場合は、特定健診を受診
したものとします。
(2) 実施項目
①
基本的な健診の項目
ア
質問項目(服薬の有無、既往歴、喫煙歴、生活習慣など)
イ
身体計測(身長、体重、BMI、腹囲(内臓脂肪面積)
)
ウ
理学的検査(身体診察)
エ
血圧測定
オ
血液化学検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
カ
肝機能検査(AST(GOT)
、ALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP))
キ
血糖検査(空腹時血糖、HbA1c)
※
ク
②
医療機関健診は、空腹時血糖又は HbA1c とする。
尿検査(尿糖、尿蛋白)
詳細な健診の項目(医師が必要と判断した場合)
ア
心電図検査
イ
眼底検査
ウ
貧血検査
③
追加項目(市が独自で追加するもの)
ア
血液化学検査(尿酸、クレアチニン)
イ
その他必要に応じて追加する項目
(3) 実施時期
5月から翌年3月
6
(4) 周知及び受診勧奨
①
受診券の送付
受診券を個別に送付し特定健診の実施を周知します。
②
受診勧奨
市広報やホームページ、ケーブルテレビや有線放送など様々な媒体を活用した勧奨は、第
1期同様引き続き行います。
また、第 1 期の反省を生かし、特定健診を身近なものとするため、地域団体の協力をいた
だき、人と人の繋がりの中で、受診勧奨がなされていく仕組みをつくっていきます。この仕
組みによって、健診の重要性が認識され、定期的な健診が生活習慣となることを狙いとしま
す。
(5) 自己負担額
自己負担額は、受診率や財政状況を踏まえ、毎年度検討します。
2
特定保健指導の実施方法等
(1) 実施時期
特定健康診査結果に基づき、特定健康診査が終了した時点から、保健指導対象者の状況を踏
まえ随時実施していきます。
(2) 特定保健指導の支援レベル別保健指導実施計画
1)情報提供
健診結果と共に、健診項目の説明やメタボリックシンドローム、生活
習慣病予防に関する情報を提供し、特定保健指導対象者にならない
支援方法
よう予防について指導するとともに、次年度の健診受診を促します。
指導が必要な方や相談を希望される方には、保健師・管理栄養
士による個別相談を実施します。
2)動機づけ支援
従事者
保健師、管理栄養士(栄養士)
標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)の実施要件を満たした
支援方法
内容とし、初回面接にて健診結果の説明を行い、生活目標を立てま
す。
6か月後に生活習慣改善の実践と継続の評価をします。
3)積極的支援
従事者
保健師、管理栄養士(栄養士)
標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)の実施要件を満たし
支援方法
た内容とし、個別面接や通信支援を組み合わせた6か月間のプログラ
ムで生活習慣の行動変容が継続できるよう支援します。
6か月後に生活習慣改善の実践と継続の評価をします。
7
(3) 特定保健指導実施率向上と継続的に生活習慣改善に取り組める仕組みづくり
生活習慣病予防のための知識や生活習慣改善の意義について、広い集団を対象とした健康
教育を実施し、健診受診率と特定保健指導実施率の向上を目指します。
特定保健指導対象となった方には、対象者の利便性を考慮し、面接実施会場や方法等を工
夫します。また、個別面接だけでなく、生活習慣改善に取り組む仲間がいることを実感して
もらうことで改善効果を高める集団指導も取り入れます。
特定保健指導を受講した後は、自らが開始した生活習慣病予防のための取り組みを継続で
きるよう、利用できる施設やサークル等の紹介を行うとともに、次年度の健診受診結果で生
活習慣改善の効果を評価すること、最終目標は心臓病・脳卒中等の重症疾患の発症を予防す
ることであることについて、情報提供を行います。
(4) 保健指導実施者の人材確保
特定保健指導の実施にあたっては、生活習慣病対策を推進するため、保健師、管理栄養士を
適正に配置します。
8
第4章 個人情報の保護に関する事項
基本的な考え方
「個人情報の保護に関する法律」及び「長浜市個人情報保護条例」に基づき適切な管理を行う
ものとし、職員の義務(データの正確性の確保、漏洩防止措置、従事者の監督、委託先の監督)
について周知を図ります。
また、特定健康診査・特定保健指導等を外部に委託する際は、個人情報の厳格な管理や、目的
外使用の禁止等を契約書に明記し、必要に応じ委託先への聞き取り、立ち入り検査を行うものと
します。
第5章 特定健康診査等実施計画の公表及び周知に関する事項
1
本計画は、長浜市広報及びホームページに掲載し周知を図ります。
また、見直し等により計画の変更を行った時も広報等により住民への周知を行います。
2
特定健康診査等の受診率等の向上を図るため、長浜市広報やホームページ等を活用し啓発を図
ります。
また、受診券等を送付する際に、パンフレット等を同封し制度等の周知を図ります。
第6章 特定健康診査等実施計画の評価及び見直しに関する事項
評価は、
「特定健康診査・特定保健指導」の成果について評価を行うことであり、有病者や予備
群の数、生活習慣病関連の医療費の推移などで評価します。その成果が数値データとして現れるの
は数年後になることが想定されるため、健診結果や生活習慣の改善状況などの短期間で評価ができ
る事項についても評価を行います。
なお、評価方法としては
ア 「個人」を対象とした評価方法
保健指導プログラム参加者の行動変容ステージ、生活習慣改善状況など
イ 「集団」としての評価方法
受診者全体の肥満度(腹囲・BMI)、血液検査(糖・脂質・血圧)、メタボリックシンドローム
該当者・予備群割合の経年的変化など
ウ 「事業」としての評価方法
健診受診率(性別、年齢別、地区別)や保健指導プログラム参加継続率(脱落率)など
以上、それぞれについて評価を行うとともに、事業全体を総合的に評価します。成果については、
各目標数値との比較・分析を行い、より効果的かつ持続的な事業展開を目指します。
また、国保運営協議会および特定健診等事業検討会議において毎年進捗状況を報告し、状況に応
じて特定健診等実施計画を見直すとともに、健康づくり推進協議会にも資料提供し、「健康ながは
ま21」と一体的な評価を行います。
9
第7章 その他
国民健康保険被保険者に対し行う特定健康診査と健康増進法による健診等及び介護保険法によ
る事業等については、整合性を図り進めていきます。
また、他の保険者の特定健康診査、特定保健指導についても、国民健康保険被保険者の健診等実
施状況を加味し調整を図ります。
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