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営農情報局(広報誌「敦賀美方」2014年8月号より)
環境と調和した農業を目指しましょう!! ★夏秋まき露地野菜の計画的播種と害虫防除 ●ダイコン・カブ・葉もの等、 秋冬野菜の播種シーズンになりましたが、 多品目を作られる方は、 計画的かつ 手際よく播種準備をして、 適期の播種作業を行って下さい。 ●ネキリムシはじめ、 各種の土壌害虫やアブラムシ類、 蝶・蛾の幼虫類が多発する恐れがあります。夏秋ま き野菜の播種、 定植に当たっては必ず土壌処理剤を散布して下さい。 高品質ダイコンの作り方 近年、管内で収穫されるダイコンは、土壌の酸性化に伴い、微量要素欠乏による生理障害や害虫の食害 等、 全般に品質の劣化が目立っていますが、 品質の良いダイコンを作るには次の4つがポイントです。 ①根が深く伸びてから肥大するので、 深耕と砕土を十分行い、 均一な耕土を作ること ②間引きが遅れると、 根の肥大が著しく悪くなるので、 間引きは適期に行うこと ③基肥の多施用を避け、 生育中期から後半にかけて追肥で生育を調節すること ④石灰の多施用は避け、 土壌pHはやや酸性の6.3∼6.5に維持すること ★圃場準備=有機質資材の施用 播種予定日の2週間前までの土壌が乾燥した日に、 堆肥2t/10a、 石灰質資材140kg/10aを全面に施 用し、 根を深く伸長させるために、 トラクターでゆっくり耕転、 深耕し、 作土をできるだけ深くして下さい。 ★基肥施用 播種予定日の1週間前までに、あさひを60kg/10a、微量要素補給のためF.T.Eを4kg/10a全面施用 し、 トラクターで耕転後、 そさい5号20kg/10aを表層施用して下さい。 なお、 畝立ては、 排水の良い圃場では2条播き、 水はけが劣る圃場では1条播きとし、 畝高は最低30cmと して下さい。 ★害虫防除用土壌処理剤の施用 最近、 ネキリムシ、 タネバエ、 キスジノミノハムシ等、 土壌害虫が多発し、 根部の食害跡が目立っていますが、 これら土壌害虫類の防除のために、 畝立て前にフォース粒剤を6∼9kg/10a全面施用して下さい。 ★播種と間引き 播種は、発芽揃いを良くするため、土壌の表面が膨軟で湿っている畝立て直後に行い、間引きは3回に分 けて、 土の表面が乾いている晴天時に行って下さい。 ・播種間隔:1条播きの場合=25cm 2条播きの場合=30cm×25cm ・播 種 期:8月20日∼9月10日 ・播 種 量:1穴当たり4∼5粒 ・間引き時期:1回目=本葉が1∼2枚の頃に3本にする。 ⇒子葉がハート型で、 左右の大きさが揃った ものを残して下さい。 2回目=本葉が3∼4枚の頃に2本にして下さい。 3回目=本葉が6∼7枚の頃に1本にして下さい。 果 樹 ★カキノヘタムシ (カキミガ)防除 本害虫の被害を受けると、 成熟期前に軟化着色し、 落果してしまいます。今月中旬 (15∼20日) に、 スミチ オン水和剤1,000倍液またはパダンSG水溶剤1,500倍液を散布して下さい。 ★温州ミカンのハダニ類の防除 常時、園内を見回り、 ハダニ類発生の有無(葉がカスリ状になっていないか) を観察し、発生がみられたら 早期防除を行って下さい。薬剤はダニトロンフロアブルの2,000倍またはサンマイト水和剤3,000倍液を 交互に使用して下さい。 ★仕上げ摘果の早期実施 着果量が多いと、S級中心の果実しか生産されず、 さらに来年の着花量が極端に不足します。園内を見回 り、 着果量の多い樹は今月中旬までに仕上げ摘果を実施して下さい。 暑い日が続きます。万全の熱中症対策をとって、農作業を行って下さい。 水 稲 営農 情報局 夏秋まき露地野菜の播種 出穂以後から収穫にかかるこの時期は、おいしくて良質な 米作りにおいて最も重要な時期となります。水管理や刈取作 業を適正に行わなければ、収量・品質ともに大きな影響を及 ぼしますので注意してください。 最後まで適期・適切な対応を心掛け、 おいしい、 良質な米を たくさん収穫しましょう。 ★水管理 1.出穂直後 出穂前後一週間は最も水分を必要とします。出穂前10日ごろから出穂後20日間は、 水不足や強風、 乾 燥風に遭うと異常蒸散により収量・品質ともに大きく低下してしまうので、 水切れをさせないでください。 2.登熟期間 出穂後20日以降になると、 水の張りっぱなしは高水温と酸素不足で根を腐らせます。逆に、 水切れは粒 の肥大や登熟を大きく阻害します。穂が傾いたら間断潅水(①3日以上は湛水せず、②3日以上は土の表 面を乾かさずに足跡に水が残る程度に潅水の繰り返し) を行ってください。 3.完全落水 圃場がよく乾いていないと稲刈りが大変だからといって、早期に落水すると粒張りを悪くしたり乳白米 や胴割れ米を発生させ、 米の品質に悪影響を及ぼします。刈取り1週間∼10日前までは、 落水しないでく ださい。 ★適期刈取りの実施 1.適期収穫 早刈りは未熟粒が多くなり、収量、品質、食味を低下させます。逆に刈り遅れは、胴割粒や着色粒を多く して玄米の色沢を劣化させるなど、 品質と食味低下を招きます。 作期と品種によって収穫適期や適期幅は異なりますが、 ●出穂後の日数 ⇒ 約40日程度 ●登熟積算気温 (出穂後の平均気温の合計) ⇒ ハナエチゼン:860℃ コシヒカリ:990℃ ●稲籾の色付き具合 ⇒ 1穂の中の青籾の割合:ハナエチゼン=6∼7粒、 コシヒカリ=7∼8粒 ●籾水分 ⇒ 20∼25% 等の視点から、 総合的に収穫適期を判断してください。 2.収穫作業 高水分収穫はコンバインに詰まりを生じるだけでなく乾燥時間も長くなり、 品質や食味を低下させるの で避けてください。ちなみに、収穫時の籾水分を1%下げるだけでも、 コンバインと乾燥の燃料を5%ほ ど節減できます。 ●籾水分20∼25%の範囲で、 できるだけ水分を下げて収穫してください。 ●コンバインの適正扱胴回転数で、 稲の出来具合に応じた適正な穀粒流量を守って、 連続した作業を行って ください。 ●倒伏の激しいものや生育遅れ、 穂発芽などが見られるものは、 必ず刈り分けてください。 ●収穫した籾は、 できるだけすぐに乾燥施設に搬入し、 乾燥を行ってください。 ★乾燥調製 ●最近の乾燥機は、張り込み量に応じた設定をすれば、あとは確認をするだけでよくなっていますが、品質 低下を防ぐため、 急激な乾燥は避け、 1時間当たりの水分減少 (毎時乾減率) は0.8%以下に設定し、 それ 以上温度を上げないで下さい。 ●玄米の仕上げ水分は15.0%を目標とし、過乾燥にならないよう注意して下さい。特に高温期に乾燥する ハナエチゼンは、乾燥終了後の貯留中でもさらに乾燥が進む場合が多いので、あらかじめやや高めの水 分で仕上げておいた方が無難です。ただし、未熟粒が多いと貯留中に水分の戻りが生じるので、青籾が 8%以上ある場合は乾燥終了時の水分は0.5%程度低めに設定して下さい。 ●刈り取り時の天候により、 籾水分の差が大きいことが想定される場合は、 乾燥作業終了後に乾燥が進んだ り、 水分が戻ったりすることがないように、 2段乾燥 (=水分18%程度で6時間程度乾燥を止め、 調湿を行 った後、 仕上げ乾燥する。) を行い、 籾水分の均一化を図って下さい。 ●籾摺り作業は早くても乾燥終了から2∼3日後とし、 籾が完全に常温に戻り、 水分ムラがなくなってから行 って下さい。 ●敦賀・美浜・三方カントリーのハナエチゼン荷受けは8月18日 (月)開始予定です。 ただし、今後の天候により変更する場合があります。 3 敦賀美方農業協同組合広報誌 敦賀美方農業協同組合広報誌 2 環境と調和した農業を目指しましょう!! 水田のケイ酸資材の施用を秋の田起しをしましょう ケイ酸は、 ●葉や茎を硬くし、 病気や倒伏に強くなる。 ●葉が垂れにくくなるので、 下葉まで光が当たるようになり、 収量や品質、 食味にも影響を及ぼす 等の効果があります。 ……………………………………………………………………………………………………………………………… ケイ酸が 不足して います! 資材 紹介 ★元気3兄弟(60kg/10a) 苦土5−ケイ酸23−リン酸4−加里7+その他微量要素 ★いね一番(100kg/10a) 苦土10−ケイ酸21−窒素2−リン酸16 ★ニューケイカル(100∼200kg/10a) 苦土5−ケイ酸22 ……………………………………………………………………………………………………………………………… 10月は 県下秋の 田起し 月間です!! ●秋の田起しは、 稲わらが腐熟しやすくなり、 翌年のガスの発生を抑え、 根を健全にします。 ●また、 土の中の雑草の種を掘り起し枯死させ、 翌年の発生を減少させます。 秋起しは稲の収穫後気温が高いうちに行う方が効果が高くなります。 なるべく9月∼10月までに行ってください。 新鮮素材で 楽しくクッキング 夏野菜とイカのピリ辛炒め 料理研究家 波多野充子 イタリアンそばサラダ 旬の野菜の選び方と保存方法 ゴーヤ ○主な栄養成分と効果 ・血糖値を安定させる効果がある。糖尿病に有効。→モモルデシン、 チャランチン、 植物インスリン ・コレステロールを低下させる。動脈硬化に有効。→モモルデシン、 チャランチン ・免疫向上、疲労回復、肌荒れ。→ビタミンC(ゴーヤ1個につきレモン約2個分、 ホウレンソウの約2倍) ○選び方 表面のゴツゴツが剥がれずに、 ツヤハリがあり、 密集しているもの。緑色が濃く、 重いもの。小ぶりのものの方が味が良い。 ○保存方法 乾燥に弱いので、 野菜袋かポリ袋に入れて冷蔵庫で保存。 トウモロコシ ○主な栄養成分と効果 ・高エネルギー食品→炭水化物 (糖質) 、 タンパク質を多く含む ・コレステロールを低下させる。動脈硬化に有効。→リノール酸、 オレイン酸 ・血行を良くし、 冷え症、 肩こり、 更年期障害に有効。→ビタミンE ・便秘改善、 大腸ガンの予防、 美容。→食物繊維 (フキやセロリより多い) ・新陳代謝が活発になる。疲労回復。→ビタミンB1、 B2 ○選び方 粒がしっかりとふくらみ、 ぎっしりと詰まっているもの。ひげがふさふさしていて、 茶褐色で瑞々しいもの。ひげの数=実の数なので、 ひげが多い方が実も多い。皮 が黄色に変色しているものは古い。 ○保存方法 収穫直後に食べるのが一番良い。保存する場合、 すぐに茹でるか蒸すかして、冷蔵庫か冷凍庫で保存。生 で保存する場合皮付きのままラップして立てて冷蔵庫で保存。ただし、 翌日には食べきった方が良い。 モロヘイヤ 夏場が旬のスルメイカと野菜を、 サッと炒め合わせて作るピリ辛なおか ずです。暑くて食欲がないときにも、 ご飯やビールが進んでしまううれしい メニュー。 イカは炒め過ぎると硬くなりますので、 手早く仕上げましょう。豆 板じゃんの量で、 お好みの辛さに調整してお召し上がりください。 材 料(2人分) スルメイカ …………………1杯 ナス…………………………1本 パプリカ …………………1/2個 ズッキーニ …………………1本 トウモロコシ ………………1本 ニンニク ……………………1片 ショウガ……………………少々 1食当たり約407kcal ごま油 …………………大さじ2 合わせ調味料 酒 ……………………大さじ1 みりん ………………大さじ2 酢 ……………………大さじ2 塩 ……………………小さじ2 豆板じゃん ………小さじ1/2 作り方 (1)イカは内臓、目、くちばしを取り除き、胴は輪切り。足は食べやすい大きさ に切る。 (2)ナス、パプリカ、ズッキーニは大きめの乱切り。トウモロコシは皮をむき包丁 で実を芯から切り取る。ニンニクは芽を取り薄切り、ショウガも薄切りにする。 (3)フライパンにごま油大さじ2とニンニクを入れ、香りが出たらショウガ、ナス、 ズッキーニを加えて炒める。 (4)全体がしんなりしてきたらパプリカ、トウモロコシとイカを加え、イカが少し白 っぽくなったら合わせ調味料を入れて炒め合わせる。 5 敦賀美方農業協同組合広報誌 おそばにたっぷりの生野菜とポーチドエッグを載せ、 フレッシュトマトソ ースでいただく、暑い日にピッタリな一品です。2種のトマトが甘味と酸味 を引き出し、 とろーり卵がおそばによく絡み、 こくをプラス。 いろいろな野菜 をトッピングしてお召し上がりください。 材 料(2人分) ゆでそば ……………………2人前 トマト(中) ………………………1個 フルーツトマト …………………1個 キュウリ …………………………1本 ダイコン …50g(キュウリと同量程度) ミョウガ …………………………1本 卵 ………………………………2個 1食当たり約504kcal こしょう ……………………少々 合わせ調味料 レモン汁 ……………大さじ1 塩 …………………小さじ1.5 しょうゆ………………小さじ1 EVオリーブ油 ………大さじ2 作り方 (1)トマトとミョウガはさいの目切りにし、合わせ調味料に入れて冷蔵庫で冷や しておく。 (2)キュウリとダイコンは細千切りにする。 (3)ポーチドエッグは鍋に湯を沸かし0.5%の塩(材料外)を加え、殻を割った卵 をそっと落とし入れ約3分ですくい上げる(卵の白身は自然に丸く集まってき ますがバラバラな場合は、菜箸で寄せる)。 (4)そばはゆでてから冷水にさらし、水気を切る。 (5)皿にそばを盛り(1)のトマトソースをたっぷり掛け、キュウリとダイコンを添 え、ポーチドエッグを載せ、仕上げにこしょうを振る。 (6)全体を混ぜ合わせていただく。 ○主な栄養成分と効果 ・細胞の老化を遅らせて血管や粘膜を丈夫にする。→カロテン (ホウレンソウの4.6倍) ・骨粗鬆症の予防、 イライラを防ぐ。→カルシウム (ホウレンソウの9倍) 、 ビタミンK ・免疫向上、 疲労回復、 肌荒れ。→ビタミンC ・貧血、 めまい、 息切れ。→鉄分 ・便秘改善、 大腸ガンの予防、 美容。→食物繊維 ・糖尿病の予防、 消化不良、 食欲不振。→ムチン ○選び方 葉先がピンとしていて、 葉一枚一枚がしっかりとして厚みのあるもの。切り口が瑞々し いもの。茎が手で折れそうなくらいしっかりとしていて、 しおれていないもの。 ○保存方法 茎つきのまま新聞紙に包んで冷蔵庫で保存。 ズッキーニ ○主な栄養成分と効果 ・水分が多く低カロリーなのでダイエットにおすすめ (14kcal/100g、 西洋カボチャの約1/7) ・皮膚や粘膜を正常に保つ。ガン予防、 風邪予防。→β-カロテン ・血圧を安定させる。→カリウム ・細胞の老化を遅らせて血管や粘膜を丈夫にする。→カロテン ・骨にカルシウムが沈着するのを助ける→ビタミンK ○選び方 皮にハリがあり色ツヤが美しいもの。あまり太くなく、太さが均一なも の。上下の端、 切り口が瑞々しいもの。 ○保存方法 ビニール袋に入れるかラップをして、 冷蔵庫で保存。 敦賀美方農業協同組合広報誌 4