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ブレイクスルーを生み出す 次世代アクチュエータ研究

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ブレイクスルーを生み出す 次世代アクチュエータ研究
文部科学省 科学研究費補助金
特定領域研究438
ブレイクスルーを生み出す
次世代アクチュエータ研究
文部科学省 科学研究費補助金
特定領域研究438
ブレイクスルーを生み出す
次世代アクチュエータ研究
目 次
研究概要
…
2
研究組織
…
4
申請までの準備研究・調査の状況等
…
7
研究内容の理解に役立つ解説
…
9
計画研究
…
14
公募研究
…
44
活動予定
…
45
連絡先
…
45
ホームページアドレス
…
45
− 1 −
研究概要
次世代の科学技術
・産業を創出する
次世代の科学技術・
アクチュエータ研究
領域代表者 樋口俊郎
(東京大学・大学院工学系研究科
大学院工学系研究科・
・教授)
「ものを動かし,操る」アクチュエータ技術は,現代のあらゆる科学・産業の基盤となる
技術である.近年,医療福祉分野やアミューズメント産業において,人間型ロボットやペッ
トロボットが注目されているが,
これらを実現するためには生物の筋肉に匹敵する優れたア
クチュエータが必要となっている.情報機器,生命科学,材料科学といった科学技術分野に
おけるマイクロ・ナノ化の進行においても,アクチュエータ技術の必要性は高度化かつ多様
化している.また,高効率のアクチュエータの実現は地球上のエネルギー消費量を大きく低
減すると期待されている.
このように,優れた次世代アクチュエータを実現することは,基礎科学,産業,医療福祉
など幅広い分野から望まれており,次世代アクチュエータ研究は,経済産業の発展をはじめ
地球環境保護や生活文化水準向上に大きく寄与すると期待できる.
本領域では,将来の応用展開を踏まえた各種の次世代アクチュエータの実現と,アクチュ
エータ技術全体に共通する基盤技術の確立を目的として研究を進める.
個別のアクチュエー
タの実現に関する研究としては,(1)ナノメートルオーダでの移動を実現するアクチュ
エータに関する研究,
(2)マイクロメートルオーダの構造を持つ小型アクチュエータに関
する研究,
(3)高度な情報通信機能に基づく知的なアクチュエータの研究,
(4)力が必要
な分野へ応用する高出力アクチュエータの研究,
(5)特殊な環境下で使用可能なアクチュ
エータの研究を行う.さらにこれらに共通する基盤技術として,アクチュエータに利用する
ことのできる機能性材料,アクチュエータの製造のための加工技術,アクチュエータの制御
技術,アクチュエータ性能の評価方法に関する研究を行う.
アクチュエータ技術は機械,精密,電気,電子,情報,ロボット,材料,物理,化学など
多岐にわたる学術分野が統合されて成り立っている.このため,機能性材料,加工法,計測
技術なども含め,
幅広い関連分野の研究者が次世代アクチュエータを対象として研究を進め
る体制を構築する.さらに,研究者間での研究に関連する情報交換を通して研究成果が生ま
れるように領域内の融合を促進する.
◆用語解説
アクチュエータ:エネルギーが与えられると,機械や物を動かすために伸縮したり,回った
りする装置または要素.模型の車ではモータ,人間では筋肉がこれにあたる.
機能性材料:エネルギーを与えることで伸縮する,粘り気が変化するなどの働きをする材
料.または,このような働きを助けるような材料.電圧を加えると伸びるセラミックス,電
圧を加えると流れ方が変わる液体,薬品をかけると収縮する樹脂などがある.
− 2 −
研究のイメージ
下に示すのは,この特定領域研究のイメージ図である.アクチュエータの機能性材料,加
工法などの技術開発を研究協力と性能競争の促進および技術統合と領域研究融合の推進を
図って行い,ブレイクスルーを生み出す次世代アクチュエータの研究を推進する.
− 3 −
研 究 組 織
総括班
総括班は実施グループと評価グループからなり,
後述する各研究班と緊密な連絡をとりつ
つ,効果的な特定領域推進を実現する.
実施グループは,領域の研究方針策定,各研究項目の企画調整,領域全体の成果の発信,
広報,等を担当する.この際,各研究項目の研究の進行状況および領域外の関連技術動向を
踏まえつつ,領域の研究方針の策定を行うとともに,各研究班に共通する基盤技術,およ
び,研究開発動向の共有化を進める.
評価グループは,領域の評価を行う.
総括班の具体的活動は,email 等を用いた情報,意見交換を随時行うほか,年間 2 回程度
の開催を予定している会議を通して実施する.
領域全体の会議は,年 2 回実施し,うち 1 回は領域外へ公開することを計画している.平
成 16 年度は,開始時と年度末に,領域全体会議を行う計画である.
代表者氏名(所属・職名)
総括班における役割
実施グループ
(研究代表者)
樋口俊郎(東京大学・大学院工学系研究科・教授)
領域代表者(領域の総括)・A05
班担当
(研究分担者)
鈴森康一(岡山大学・大学院自然科学研究科・教授)
領域の研究方針の策定,各研究
項目の企画調整担当・A03班担当
黒澤 実(東京工業大学・大学院総合理工学研究科・助教授)
A01班担当
服部 正(兵庫県立大学・高度産業科学技術研究所・教授)
A02班担当
則次俊郎(岡山大学・大学院自然科学研究科・教授)
A04班担当
横田眞一(東京工業大学・精密工学研究所・教授)
領域の広報担当
山本晃生(東京大学・大学院工学系研究科・助教授)
領域の事務担当
神田岳文(岡山大学・大学院自然科学研究科・講師)
領域の連絡担当
評価グループ
梅谷陽二(東京工業大学名誉教授,有限会社知能システム研究所代表) 評価者(領域の評価)
上羽貞行(東京工業大学・精密工学研究所・所長)
評価者(領域の評価)
海老 豊(株式会社リコー・執行委員画像技術本部本部長)
評価者(領域の評価)
坂本正文(日本サーボ株式会社・技師長・群馬大学非常勤講師)
評価者(領域の評価)
研究班
上記した 5 つの研究項目にそれぞれ対応した研究班を 5 つ設け,研究を進める.各研究班
は,それぞれ 3 つの計画研究と,5 つ程度の公募研究から構成される.計画研究は,領域の
研究を最も効果的に進めるために必要で,準備研究の結果を踏まえて研究者を組織してい
− 4 −
る.一方で,アクチュエータの研究では幅広い視野や意外な着想が大きな成果を生むことが
多く,また,アクチュエータやアクチュエータに関連する研究者の層は厚い.これらを考慮
して,研究領域を一層推進するために公募研究を設ける.公募研究では 1 研究課題当たり,
200 ∼ 800 万円程度の研究経費が必要であると考える.
以下,各研究項目の研究内容・組織などを記す.
研究項目A01超精密ナノアクチュエータ
超精密位置決め,プローブ顕微鏡用アクチュエータ,ナノポジショニングアクチュエータ等の超精密ナ
ノアクチュエータに関連する研究
研究題目
ア「超精密モーションコントロールに用いるエネルギー環流
駆動方式の弾性表面波モータ」
イ「アザラシ型位置決め機構を用いたメゾ/マイクロ/ナノ
マニピュレータの開発」
研究代表者
黒澤 実(東京工業大学・
大学院総合理工学研究科・助教授)
古谷克司(豊田工業大学・
工学部・助教授)
ウ「周波数領域設計での入力外乱推定オブザーバによる
アクチュエータのロバスト制御」
公募研究(5件程度)
白石昌武(茨城大学・
工学部・教授)
公募研究では,超精密ナノアクチュエータに関して,材料技術,ナノ加工技術,科学研究領域への応用
展開研究など,計画研究を補完する関連研究
研究項目A02マイクロアクチュエータ
情報機器用デバイス,ストレージ,MEMSアクチュエータ,マイクロアクチュエータアレイ,マイクロ
流体素子,微細加工等のマイクロアクチュエータに関連する研究
研究題目
エ 「マイクロ・ナノ立体加工技術の開発と次世代
アクチュエータへの展開」
オ「機能性流体を応用したニューアクチュエータの研究」
カ 「マイクロアクチュエータ・アレイによる圧覚と
すべり覚の融合呈示」
公募研究(5件程度)
研究代表者
服部 正(兵庫県立大学・
高度産業科学技術研究所・教授)
横田眞一(東京工業大学・
精密工学研究所・教授)
大岡昌博(名古屋大学・
大学院情報科学研究科・助教授)
公募研究では,マイクロアクチュエータに関して,機能性材料技術,微細加工技術,MEMSプロセス,
材料技術,マイクロリアクター,情報機器への機能デバイス応用展開研究など,計画研究を補完する関
連研究
研究項目A03スマートアクチュエータ
マイクロロボット,医療用マイクロマシン,アクチュエータシステム,ハプティックデバイス,アク
チュエータ・センサ集積,アクチュエータシステムの制御,通信・制御,マイクロチップ実装等のアク
チュエータのスマート化に関連する研究
研究題目
キ 「多自由度メカトロニクス用インテリジェント
アクチュエータの研究」
ク 「能動索状体のアクチュエーションに関する研究」
研究代表者
鈴森康一(岡山大学・
大学院自然科学研究科・教授)
田所 諭(東北大学・
大学院情報科学研究科・教授)
岩附信行(東京工業大学・
大学院理工学研究科・教授)
ケ 「マイクロ繊毛アクチュエータ群の研究」
公募研究(5件程度)
公募研究では,スマートアクチュエータに関して,システム設計技術,マイクロ機能デバイスの開発と
実装,アクチュエータ用センサ,高性能ドライバ,アクチュエータ制御技術,超多自由度メカニズムへ
の応用展開研究など,計画研究を補完する関連研究
− 5 −
研究項目A04パワーアクチュエータ
ロボット用アクチュエータ,人工筋肉,パワーアクチュエータ,人間親和型アクチュエータ,ソフトア
クチュエータ,アクチュエータと機構,エネルギー効率等のパワーアクチュエータに関連する研究
研究題目
コ 「空気圧ソフトアクチュエータの開発と人間親和
メカニズムへの応用」
サ 「ロボット用パワー超音波モータの非線形特性解析と
制御」
シ 「多自由度アクチュエータ」
研究代表者
則次俊郎(岡山大学・
大学院自然科学研究科・教授)
前野 隆司(慶應義塾大学・
理工学部・助教授)
矢野智昭(産業技術総合研究所・
知能システム研究部門・主任研究員)
公募研究(5件程度)
公募研究では,パワーアクチュエータに関して,機能性材料,人工筋肉,アクチュエータ周辺機構,高
エネルギー密度アクチュエータ,エネルギー回生/蓄積技術,ロボットへの応用展開研究など,計画研究
を補完する関連研究
研究項目A05特殊環境アクチュエータ
極低温,高温,超高真空,超クリーン環境,強磁場環境,超低漏洩磁場要求環境等,通常のアクチュ
エータが動作できない環境におけるアクチュエータに関連する研究
研究題目
ス 「特殊温度環境下で利用できる革新的アクチュエータの
開発」
セ 「特殊環境下で実施される基礎科学実験に適用可能な静電
モータの実現に関する研究」
研究代表者
樋口俊郎(東京大学・
大学院工学系研究科・教授)
山本晃生(東京大学・
大学院工学系研究科・助教授)
ソ 「局所狭隘作業機器への応用可能なマイクロ
アクチュエータ構造体システムの研究」
公募研究(5件程度)
神田岳文(岡山大学・
大学院自然科学研究科・講師)
公募研究では,特殊環境で用いるアクチュエータに関して,極低温,高温,超高真空,超クリーン環境
用アクチュエータや,特殊環境化でのアクチュエータ応用展開研究など,計画研究を補完する関連研究
研究推進体制
− 6 −
申請までの準備研究
・調査の状況等
申請までの準備研究・
(1)科学研究費補助金基盤研究調査企画研究,(2)日本機械学会の委員会での活動,(3)その
他,に分けて以下に述べる.
(1) 科学研究費補助金基盤研究調査企画研究
平成14年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(1))調査企画研究「次世代アクチュエータの予
測調査研究」(研究課題番号14605004)を実施した.アクチュエータに関する各技術分野を20
名の研究者が調査テーマを分担し,最新動向の調査と今後の研究指針について検討を行っ
た.下記に調査研究テーマとその担当研究者名を記す.
調査研究テーマ
調査研究者
所属・職(当時)
研究企画・調査全般
樋口俊郎
東京大学・大学院工学系研究科・教授
次世代圧電アクチュエータと応用技術調査
岩附信行
東京工業大学・大学院理工学研究科・
助教授
医療福祉,仮想現実感,情報技術への応用展開の
調査
大岡昌博
静岡理工科大学・理工学部・助教授
ニューアクチュエータの実用化に関する調査
金子 卓
(株)デンソー・基礎研究所・担当部員
ニューアクチュエータの実用化に関する調査
川崎 修
超音波モータに関する調査
黒澤 実
位置決めにおけるアクチュエータ技術調査
白石昌武
茨城大学・工学部・教授
マイクロロボット用アクチュエータの調査
鈴森康一
岡山大学・工学部・教授
アクチュエータの計測制御技術の調査
高森 年
神戸大学・工学部・教授
高分子ゲルアクチュエータの調査研究
田所 諭
神戸大学・工学部・助教授
ニューアクチュエータ(光,機能性流体)の調査
中田 毅
東京電機大学・工学部・教授
空気圧ソフトアクチュエータの調査
則次俊郎
岡山大学・工学部・教授
マイクロアクチュエータとその製造技術の調査
服部 正
姫路工業大学・高度産業科学技術研究所
・教授
古谷克司
豊田工業大学・工学部・助教授
前川 仁
産業技術総合研究所・産学官連携部門・
主任研究員
超音波モータに関する調査
前野隆司
慶應義塾大学・理工学部・助教授
ニューアクチュエータによる省エネ効果の調査,
多自由度アクチュエータに関する調査
矢野智昭
産業技術総合研究所・知能システム研究
部門・主任研究員
静電アクチュエータに関する調査
山本晃生
東京大学・大学院工学系研究科・講師
機能性流体を応用したアクチュエータの調査
横田眞一
東京工業大学・精密工学研究所・教授
機能性流体を応用したアクチュエータの調査
吉田和弘
東京工業大学・精密工学研究所・助教授
圧電アクチュエータの応用(位置決め・加工分野
など)の調査
既存アクチュエータシステムの新展開の調査,
ロボティクス・メカトロニクスへの展開調査
− 7 −
松下電器産業(株)・デバイス・環境技術
担当室・参事
東京工業大学・大学院総合理工学研究科
・助教授
調査研究の結果,アクチュエータに関連する国内外の研究状況がまとめられ,早急に次世
代アクチュエータに関する研究者が集結し,総合的な視野から,機動的な研究開発を実施す
る必要性を指摘した.
研究成果は,A4 版 365 ページの「次世代アクチュエータ技術の予測調査研究」研究成果
報告書,および同抜粋 B5 版 197 ページにまとめられ,関係者に配布している.
(2) 日本機械学会の委員会での活動
本研究の領域代表者および計画研究代表者のうち9名は,
日本機械学会機素潤滑設計部門ア
クチュエータシステム技術企画委員会に属しており,1991 年の設立(設立当初の名称は機能
要素技術企画委員会.2001 年に現名称に改称)以来,毎年 2 回会合を持ち,アクチュエータ
技術に関する動向調査を継続的に行うとともに,アクチュエータおよびセンサに関する講演
会や講習会を多数企画運営してきた.参考までに過去3年間の主な活動実績を下表に記す.ま
た,各年の研究動向は,日本機械学会誌年鑑において毎年レビュー記事としてまとめている.
アクチュエータシステム技術企画委員会の過去 3 年の活動
講習会
「IT革命を支えるセンサ・アクチュエータ技術」
日本機械学会 オーガナイズドセッション「センサ・アクチュエータとその統合化システム」
機素潤滑設計
基調講演「先端アクチュエータの開発を目指して-新原理アクチュエータを中心
平成 部門講演会 にして」
13
年度
基調講演「ITSの最新動向」
日本機械学会
ワークショップ「ITSを支えるセンサアクチュエータ技術」
年次大会
横断企画(共同企画)「センサ・アクチュエータシステムとその知能化
-実環境で活躍するメカトロニクスを目指して-」
講習会
「ITSを支えるセンサ・アクチュエータ技術」
日本機械学会 オーガナイズドセッション「センサ・アクチュエータとその統合化システム」
機素潤滑設計
平成 部門講演会 基調講演「触覚センサ・呈示技術の現状と将来」
14
年度
基調講演「静電力を利用したマニピュレーション」
日本機械学会
ワークショップ「ニューアクチュエータ(実演付き)」
年次大会
横断企画(共同企画)「センサ・アクチュエータシステムとその知能化
-実環境で活躍するメカトロニクスを目指して-」
講習会
「実用段階に入った小型ニューアクチュエータ(実演付き)」
日本機械学会 オーガナイズドセッション「アクチュエータシステム」
機素潤滑設計
平成 部門講演会 基調講演「アクチュエータシステムの制御-ロバスト制御を中心として-」
15
年度
基調講演「次世代アクチュエータの現状と展望」
日本機械学会
ワークショップ「次世代アクチュエータの現状と展望」
年次大会
横断企画(共同企画)「センサ・アクチュエータシステムとその知能化
-実環境で活躍するメカトロニクスを目指して-」
− 8 −
(3) その他の準備
本計画研究代表者を中心として,
学術的視野から現時点でのアクチュエータ工学の体系化
を進め,専門書としてまとめた.養賢堂より「アクチュエータ工学」として 2004 年 12 月に
発刊の予定である.
このほか,本計画研究の研究代表者の一部が中心となって,専門学術誌での特集テーマと
してアクチュエータ技術の現状をまとめている.過去3年間に発行された学術誌の特集を下
記に示す.
精密工学会誌 2002 年 5 月号特集「最新のマイクロアクチュエータ技術」
電気学会 E 部門誌 2002 年 12 月号特集「マイクロアクチュエータ技術」
日本ロボット学会誌 2003 年 10 月号特集「次世代アクチュエータ」
以上のような準備研究を経て,
アクチュエータのニーズの多様化や高性能アクチュエータ
への期待の高まり,および,ニューアクチュエータの出現および周辺シーズの高まりを再認
識し,アクチュエータの機動的な研究の推進の重要性を鑑み,本研究領域の申請を行うもの
である.
研究内容の理解に役立つ解説
・ 樋口俊郎, 次世代ニューアクチュエータの展望, 日本ロボット学会誌, Vol.21, No.7, pp.698701, 2003
[展望記事]
次世代ニューアクチュエータの展望
樋口俊郎
1.はじめに
アクチュエータはロボットの不可欠な構成要素である.運動を引き起こすための駆動源とな
るものがアクチュエータである.機械の運動性能はアクチュエータの性能で決まると言って良
い.力が強く,パワーが大きく,効率が良く,制御がしやすく,軽いアクチュエータを求めて,
研究開発が行われてきている.
従来からの代表的なアクチュエータであるサーボモータでは,
磁
性材料や制御法の発展による性能の向上が進められているが,近年,超音波モータや静電モー
タなどの新しい原理や方式によるアクチュエータの研究開発が活発に行われている.
これは,
マ
イクロ化の要求など,既存のアクチュエータの単なる改良では,満たすことができない要求が
増してきていることによるものである.また,新材料の出現や加工法の発展に伴い,これらを
利用して新しい構造のアクチュエータを開発しようとする試みが盛んになっている.
本稿では,
新しいアクチュエータの開発の動向を概観し,将来の研究開発の方向を論じたい.
2.近年のアクチュエータ研究の動向と特徴
1970 年代から 80 年代が,NC 工作機械やロボットの駆動用のサーボモータや,磁気ディスク
記憶装置ヘッドアクセス用のリニア DC モータの開発など,磁界を利用した電動モータの研究
開発が進められた時代であったのに対し,
近年は新しい駆動原理のアクチュエータの探索と,
新
素材を利用した種々の機構のアクチュエータの開発が活発に行われている.
− 9 −
2.1 圧電素子の利用の拡大
古くからの圧電材料である水晶などでは,数 kV の電圧を印加する必要があったが,PZT 等の
圧電性セラミック材料の発展と,コンデンサーの製造法を適用した積層化技術により,100[V]
以下の電圧で10[µm]の変位が得られる積層形の圧電素子が開発されるなど,圧電素子を手軽に
利用できるようになった. 圧電素子の利用の形態は,素子自身の変形を直接利用するだけでな
く,これと何らかのメカニズムを組み合わせる工夫により,尺取り虫機構や急速変形を利用し
た移動機構など種々の方式の微動移動機構が開発されてきている.超音波モータも圧電材料を
利用したアクチュエータである.この原理的なアイデアは旧ソ連で種々の形態とともに既に提
案されていたが,この20年間の我国の研究者の努力により,実用化に成功している.超音波モー
タは,高トルク・低騒音の特徴を有しており,今後の発展がさらに期待できるアクチュエータ
の一つである.
2.2 ナノメータの操作
STM(走査トンネル顕微鏡)の実現には,ナノメータさらにはオングストロームの分解能を
有するプローブの位置決め機構が必要であった.STMは機械的な操作によって原子のオーダの
世界を扱えることを実証したといえる.STM と,これから発展した AFM はじめ一連の走査プ
ローブ顕微鏡においては,プローブを試料に近づけるための機構,プローブと試料とのギャッ
プを極めて精密に制御する機構,プローブあるいは試料をXYに走査する機構が必要である.ナ
ノメータからオングストロームの分解能の要求に対し,主として圧電素子を利用した種々の機
構の開発が行われ,超精密位置決めを実現するための,センサーとアクチュエータの研究が発
展した.
一方,半導体製造装置や超精密加工の分野においても,ナノメータを扱うことが要求される
ようになった.これには,アクチュエータだけでなく,テーブルの案内機構,位置決め制御の
ためのセンサー,NC制御装置の位置決めシステム全体として,ナノメータに対応する必要があ
る.そして,1[nm] の位置決め分解能を有する超精密 NC 工作機械が市販され,精密光学部品
用金型の加工に広く利用されている.
2.3 マイクロ化への挑戦
近年の磁気ディスク記憶装置,ビデオカメラ等の小型化には,驚くべきものがある.これら
の機器の小型化を実現するためには,大きな体積と重量を占める部品であるアクチュエータの
小型化が必要である.多くの場合,製品に使われているアクチュエータの方式は,大きくは変
化しておらず,モータの小型化と形状の変化の工夫によって対処して来ている.
しかし,さらなる小型軽量化を進めるには,これまでの方法では限界に達して来ており,
これが,マイクロメカニズムの研究開発や,新しい原理・機構によるマイクロアクチュエー
タの探索を推進する動機になっている.
シリコンのマイクロマシニングを利用して,微小なモータ,微小な機械部品の製作を行おう
とする試みが契機となり,約 15 年前から MEMS(Micro Electro Mechanical Systems) の研究が活
発になった.
寸法が数mmのマイクロロボットの開発を目指す場合,
これを駆動するマイクロアクチュエー
タの開発が最も困難な課題となっている.加速度センサー,圧力センサーなどへの応用が早く
から始まっているセンサーのマイクロ化に対して,
マイクロアクチュエータの実用化は難しく,
シリコンのマイクロマシニングだけでなく,他の微細加工技術を用いた探索的な研究が活発に
行われてきている. 寸法効果により,支配的な物理則がマイクロの世界と通常の世界では異なってくることから,
マイクロの世界に適した形式のアクチュエータが存在するはずである.例えば,通常の寸法の
世界では,静電力を利用するモータは,磁界を利用するモータと較べて,力が比較にならない
− 10 −
ほど小さく,実用化は諦められていた.しかし,微小寸法の世界では,静電気による力が表に
現れてくる.これは,静電塗装,静電集塵,静電写真など微小な粉を扱う時に静電気が広く利
用されてきたことからも分かる.さらに,加工のしやすさを考えたとき,基本的にはコンデン
サーを構成することになり,薄い電極を利用できることから,コイルを必要とする従来のモー
タと比較して,静電モータは微細化に適している.このようなことから,静電気を利用したモー
タの研究がマイクロの世界で復活した.また,微小な世界では,体積に対する表面積の割合が
大きくなり,放熱がやり易くなるために,通常の世界で応答性が問題となっていた形状記憶合
金など,熱による変形を利用する形式のアクチュエータの研究も有望となる.このように,マ
イクロの世界は,新しい工夫によるアクチュエータを開発できる新天地であるといえる.
2.4 アクチュエータの薄型化
人が直接操作し利用する機器においては,マイクロ化の要求は,XYZ の 3 軸に等比率では
ない.例えば,ノート型パソコンやビデオカメラでは,表示部の面積は大きく保ちつつ,軽
量化をはかることが求められてきている.このために,機器の薄型化が特に重要な課題と
なっており,アクチュエータにおいても薄型化に対する強い要求がある.磁界を利用する
モータでは,空隙に磁界をつくるために磁束を導くための磁気回路を必要とすることから薄
型化を進めるには限界がある.薄型アクチュエータとして,静電モータや弾性表面波モータ
などの発展が期待できる.
2.5 特殊環境用アクチュエータ
一般に入手できるアクチュエータは通常の環境での使用を前提として供給されていることか
ら,真空,超クリーン,高温,極低温,極微小磁界などの環境下で利用できるアクチュエータ
の要求が高まってきている.半導体製造や材料の研究において,超クリーン環境や真空環境
の利用が拡大してきている.これは,純度の高い製品を得たり,高精度の実験を行う為に
は,プロセスのノイズとなるバックグランドの不純物を可能な限りなくすことが求められる
からである.真空中において何らかの作業を行うためには,試料の搬送や位置決め等の機械
的操作が必要である.真空は,潤滑剤を使用が制限されるなど,機械にとっては特殊環境の
一つであり,通常の環境での利用を前提として設計された機械や要素部品を,そのまま真空
で使用することには無理がある.真空での利用が出来る位置決め機構と,これを構成するため
の真空用アクチュエータや機構要素の開発を進めることは重要な課題となっている.
これに対しては,磁気軸受などの非接触浮上機能を組み込んだ非接触アクチュエータの開発
などが進められて来ている.また,電子ビーム露光装置やMRI内で動作する手術ロボットでは,
磁界を発生したり,
磁界を乱さないことが要求され,
非磁性材料だけで構成されたアクチュエー
タが求められている.
2.6 人工筋肉
ロボット用アクチュータ開発の目標は筋肉に匹敵する性能を有するアクチュエータを作るこ
とであるといえる.筋肉は生物が長年に亘る進化によって獲得したエネルギー変換機関である.
極めて優れたエネルギー変換効率,柔軟性,自己修復能力などの特徴を筋肉は有している.筋
肉の巧妙な仕組みを明らかにしようとする研究が進んできているが,まだその完全な解明には
いたっておらず,筋肉と同じのものを作ることは当分できそうもないと言える.したがって,人
工筋肉の研究は「筋肉のようなアクチュエータ」の開発をめざして進められてきている.ゴム
空気圧アクチュエータ,静電モータ,高分子アクチュエータなどの研究が進められている.
3. アクチュエータの研究開発の方法
アクチュエータの研究開発には,一つの形式のアクチュエータの考案から始まり,製作法,制
御法の研究,応用に至るまで,いくつかの段階と側面がある.
− 11 −
3.1 新機構アクチュエータの考案
アクチュエータの研究で最も学術的に価値の高いものは,新しい原理や方式によるアク
チュエータの考案であろう.新しいアクチュエータの考案に役立つ事項を挙げてみる.
1)エネルギー変換を伴う現象への興味と理解
アクチュエータは,機械を駆動する力を発生する機構である,電気モータは電気エネルギー
から機械エネルギーの変換器であるように,アクチュエータでは,何らかのエネルギーから機
械エネルギーへ変換を伴う.逆に,機械エネルギーへの変換を可能とする自然現象があれば,こ
れを利用してアクチュエータを構成できる可能性があると言える.従って,新しい仕組みの
アクチュエータを考案するためには,利用できそうな現象を探し出すことが必要である.例
えば,何らかの作用により,固体あるいは液体が膨張・収縮する現象は,高分子アクチュ
エータの例のように,アクチュエータとして利用できる.また,機械振動を発生する機構が
あれば,超音波モータと同様に仕組みにより,振動を利用したモータを作ることができる.
2)新材料の利用
アクチュエータの性能は,最終的には材料の特性で決まる.アクチュエータに関係する材料
として,磁性材料,絶縁材料,超電導材料,圧電材料,磁歪材料などの他に,最近では,電界
で大きな変形を生じる高分子材料などがある.新しい機能や性能を有する材料の開発は新アク
チュエータの開発につながる.
3)具体的な機械の開発への関与
新しい方式のアクチュエータを開発するきっかけを最も多く生むのは,何らかの機械を開発
している時である.先ず,既存のアクチュエータを用いて設計するが,満足すべき性能が得ら
れなかった時には,アクチュエータの改良,制御法の工夫が研究課題となる.そしてさらには,
全く新しい機構のアクチュエータの開発に発展する.
このように,
具体的なニーズからアクチュ
エータの開発が始まる場合は,目標が明確であり研究開発を行い易い.
4)将来必要とされるアクチュエータの予測
例えば,半導体製造における回路パターンの微細化を進めるには,塵埃の発生を極力抑える
必要がある.そこで,塵を発生しないアクチュエータが必要となることが考えられる.また,真
空環境の利用も今後ますます増えるであろうから,真空で利用できるアクチュエータも必要と
なる.人に近いロボットを作るには,筋肉に近いアクチュエータが必要となる.このように将
来の技術動向から予測される必要とされるアクチュエータをどのようにして実現するかを考え
ることは,新しい機構のアクチュエータの開発に役立つ.
5)温故知新と敗者復活
アクチュエータに利用可能と考えられる現象の多くのものは,30 年前でも知られていたと思
われる.従って,過去にそれらを利用したアクチュエータの提案や研究がなされている可能性
は高い.応用が見つからずに開発を中止したものもあり,また,当時の材料では満足な性能が
得られなかったものもあろう.このように,過去に見捨てられた方式を,もう一度,現在の技
術で見直すことは次世代のアクチュエータの開発に有意義である.
3.2 製造法と使用法の研究
試作でいくら良い性能を得ても,製作に手間が掛かり,高価となれば,そのアクチュエータ
は実用化からは遠くなる.アクチュエータの開発には,その製造法を併せて考えることが不可
欠である.筆者らが現在,取り組んでいる静電アクチュエータの開発においても,いかに簡便
な方法で微細な電極をフィルム上に構成するかが,重要な課題となっており,印刷技術を利用
するなど,考えられるいくつかの製作法についての研究を行っている.
また,アクチュエータをいかに駆動し,制御するかも,アクチュエータの研究で極めて重要
な部分を占める.アクチュエータの性能は,アクチュエータへのエネルギーの供給の方法(モー
− 12 −
タでは電源と駆動回路)と制御法の影響を強く受ける.新しいアクチュエータが実際に利用
されるには,電源や駆動回路を含めた,アクチュエータシステムとしての完成度を高める必
要がある.例えば,マイクロアクチュエータの開発では,駆動回路のマイクロ化を併せて進
めることが必要になる.また,アクチュエータを上手く制御するためには,変位や速度の検
出の他に,アクチュエータの内部の状態量を測定するセンサーの開発も重要である.
3.3 実用化への展開と課題
アクチュエータの研究の醍醐味は,開発したアクチュエータや制御手法の特徴を生かせる応
用分野の開拓へと研究が展開できるところである.
研究成果を学会等で発表することにより,
機
器の開発者からの問い合わせから応用への取り組みが始まることもあるが,通常,機器の開発
担当者は危険を冒してまでも,評価の定まっていない新しいアクチュエータを使おうとはしな
いものである.応用分野を見つけるためには,アクチュエータの開発者自身が,応用できると
考えられる機器を想定して,その機構部のプロトタイプを作り,その性能を目で見える形で実
証することが必要である.アクチュエータの原理を考案し,試作機による基礎データを発表す
れば,企業が実用化を進めてくれると考えるのは,アクチュエータに関しては必ずしも正しく
ない.大学の研究者は,この点に注意する必要があり,個々の機器への実用化の際に問題とな
る課題にも積極的に取り組む必要がある.
3.4 標準化と試験法の確立
アクチュエータの性能の評価に普遍性を持たせ,使用者と供給者との間の情報の伝達を正確
にするためには,アクチュエータの試験法の共通化をはかる必要がある.
アクチュエータの種類によっても事情が異なると思うが,例えば,筆者の研究室で取り組ん
で来たステップモータについて見てみると,その動的な特性が負荷の条件や駆動回路によって
大きく影響を受けることが原因と考えられるが,モータの供給者と使用者の間で性能評価の食
い違いの問題を生じた例をたびたび経験した.モータの特性を測定する試験法の研究の不備が
痛感された.一見,地味ではあるが,あるアクチュエータの研究を推進し,そのアクチュエー
タの実用化を円滑に行うには,そのアクチュエータに対する性能の試験法と評価法に関する研
究を併せて行う必要がある.例えば,マイクロモータでは,発生できるトルクが小さいことも
あり,これを如何に測定するかが重要な課題となっている.
4.次世代アクチュエータ研究の推進にむけて
アクチュエータは種々の自動機械に不可欠の構成要素であり,アクチュエータの性能は機械
の性能を決定するといえる.その重要性と今後予想される技術の広がりの大きさに較べて,こ
れを担当する研究者の数は十分でなく,我が国の研究開発の体制も他の重要分野に比べて整備
されているとは言えない.アクチュエータに関係する研究発表がなされている学会は,ロボッ
ト学会,日本機械学会,電気学会,精密工学会,計測制御学会,電気通信学会,油空圧学会,日
本 AEM学会,静電気学会など 多岐にわたり分散している.アクチュエータの応用研究まで含
めるとさらに多くなる.これは,アクチュエータが学術的には境界領域あるいは総合的な学問
分野であり,一方で,産業と科学技術を支える基盤技術であることを表している.
本特集号での各アクチュエータの解説で明らかなように,アクチュエータ研究に関して,我
が国は先進国のひとつであると言える.しかし,ドイツではアクチュエータに関する国際会議
が毎年開催されており,また,米国では人工筋肉の研究開発センターが設置されているなど,ア
クチュエータに関する研究開発が各国で盛んになってきている.次世代アクチュエータにおい
ても,我が国が優位を保ち,世界を主導するために,産官学の連携による,アクチュエータの
研究開発体制を速急に整備しなければならない.
− 13 −
計画研究 A01 超精密ナノアクチュエータ ア
超精密モーションコントロールに用いる
エネルギー環流駆動方式の弾性表面波モータ
研究代表者 黒澤 実(東京工業大学・大学院総合理工学研究科
・助教授)
大学院総合理工学研究科・
URL:
:http: //www.kurosawa.ip.titech.ac.jp/
黒澤 実
これまで通信機器に広く用いられてきた弾性表面波素子を駆動力源とする,
革新的な高性
能マイクロリニアモータの研究開発を進めている.
超音波モータの一種であるが,このデバイスの駆動周波数が 10~100MHz 程度と高い周波
数であることから,小型でパワフルなアクチュエータを実現できる.主な構成部品の重量が
10g 以下にも関わらず,最大推力は 13N にも達する.移動速度も 1.5 m/s 以上と高速応答で
ある.
また,位置分解能はサブナノメートルのオーダーであり,ナノメートルからサブナノメー
トルの領域で制御できる見通しである.
ナノメートルの領域で起こる振動から駆動力への変
換に関する物理現象の解明と制御技術の開発により,
高性能なマイクロアクチュエータの実
用化をめざしている.
エネルギー環流型弾性表面波
モータの概略
弾性表面波モータの概略
ステータに用いる弾性表面波
デバイス(10MHz)
スライダに用いるシリコンデバイス
− 14 −
エネルギー環流型弾性表面波モータ
の実験装置
マイクロ弾性表面波モータ(100MHz)
最近の主な研究業績
[1] 浅井勝彦 , 黒澤実 , “弾性表面波モータの摩擦駆動モデル”, 電子情報通信学会論文誌 A, vol. J85-A, no. 12,
pp. 1428-1439, 2002
[2] 浅井勝彦 , 黒澤実 , 樋口俊郎 , “エネルギー環流弾性表面波モータ”, 電子情報通信学会論文誌 A, vol. J86A, no. 4, pp. 345-353, 2003
[3] T. Shigematsu, M. K. Kurosawa and K. Asai, “Nanometer stepping drives of surface acoustic wave motor”, IEEE
Trans. on UFFC, vol. 50, no. 4, pp. 376-385, 2003
[4] M. K. Kurosawa, H. Itoh and K. Asai, “Elastic friction drive of surface acoustic wave motor”, Ultrasonics, vol. 41, no.
4, pp. 271-275, 2003
[5] 浅井勝彦 , 黒澤実 , “周期的に配置された円柱状突起による接触を考慮した弾性表面波モータの摩擦駆動
モデル”, 電子情報通信学会論文誌 A, vol. J86-A, no. 12, pp. 1442-1452, 2003
[6] 浅井勝彦 , 黒澤実 , “摩擦駆動モデルを用いた弾性表面波モータの駆動性能評価” , 電子情報通信学会論
文誌 A, vol. J86-A, no. 12, pp. 1453-1463, 2003
[7] 黒澤実 , “弾性表面波モータ”, トライボロジスト , vol. 47, no. 9, pp. 681-686, 2002
[8] 黒澤実 , “弾性表面波モータ”, 日本ロボット学会誌 , vol. 21, no. 7, pp.736-739, 2003
[9] T. Shigematsu, M. K. Kurosawa and K. Asai, “Sub-nanometer stepping drive of surface acoustic wave motor”, Proc. of
3rd IEEE Conf. on Nanotechnology, IEEE-NANO 2003, pp.299-302, San Francisco, Aug. 12-14, 2003
[10]Y. Nakamura, M. K. Kurosawa, T. Shigematsu and K. Asai, “Effects of ceramic thin film coating on friction surfaces
for surface acoustic wave linear motor”, Proc. of IEEE Ultrasonics Symp., pp. 1766-1769, Oct., 2002
[11]T. Shigematsu and M. K. Kurosawa, “Miniaturized SAW motor with 100MHz driving frequency”, Proc. of 17th IEEE
Int. Micro Electro Mechanical Systems Conf., MEMS 2004, pp.482-485, 2004
[12]T. Shigematsu and M. K. Kurosawa, “Nanometer resolution 2-D in-plane SAW motor”, Proc. of 9th Int. Conf. on New
Actuators 2004, Actuator 2004, pp.140-143, Bremen, Germany, 17-19 June, 2004
[13]T. Iseki, T. Shigematsu, M. Okumura, T. Sugawara and M. K. Kurosawa, “Two-dimensionally self-holding Deflector
with SAW (Surface Acoustic Wave) Actuation”, Proc. of IEEE/LEOS Intl. Conf. on Optical MEMS and Their Application,
OPTICAL MEMS 2004, pp.62-63, Takamatsu, Japan, 22-26 Aug., 2004
− 15 −
計画研究 A01 超精密ナノアクチュエータ イ
アザラシ型位置決め機構を用いた
メゾ/マイクロ/ナノマニピュレータの開発
研究代表者 古谷克司(豊田工業大学・工学部
・助教授)
工学部・
:http: //www.toyota-ti.ac.jp/Lab/Kikai/5k60/furutani/index.html
URL:
古谷克司
走査型プローブ顕微鏡などのステージには,
高い分解能と広範囲に移動可能な多自由度の
機構が必要とされている.一般的に用いられているインチワーム機構では,自由度の増加に
伴い制御素子の増加,装置の大型化,複雑化などの問題が生じる.
アザラシ型 3 自由度機構は,平面内の 3 自由度(xyθ)を持ち,制御されるアクチュエー
タが少ないにもかかわらず,インチワーム機構による移動機構とほぼ同様の特性を持つ.摩
擦機構の一つで一定摩擦力を与え,他の摩擦機構をオン・オフ制御する.これにより,片方
の摩擦機構をすりながら移動する.
この動きがアザラシが後足をすりながら移動するのに似
ているため,アザラシ型機構と呼んでいる.
本研究では,
アザラシ型機構とパラレル機構による微動ステージとを組合わせることでナ
ノメータからミリメートルオーダまでの領域で物体を操作・観察する小型システムを開発す
ることを目的とする.
アザラシ型機構概観
アザラシ型機構による
位置決め例
アザラシ型機構動作原理
− 16 −
パラレル機構による微動ステージ
形状加工例
フォースカーブの例
最近の主な研究業績
[1] Katsushi Furutani, Mitsunori Urushibata, Naotake Mohri: Displacement Control of Piezoelectric Element by Feedback
of Induced Charge, Nanotechnology, 9, 2, pp. 93-98, 1998
[2] 古谷克司 , 山川耕志郎 , 毛利尚武:誘導電荷のフィードバックによる圧電素子の変位制御(第 2 報)−パ
ラレルメカニズム制御への適用− , 精密工学会誌 , 65, 10, pp. 1445-1449, 1999
[3] 古谷克司 , 末冨彰 , 毛利尚武:圧電素子を用いた多軸微小送り機構 , 精密工学会誌 , 65, 12, pp. 1778-1782,
1999
[4] Katsushi Furutani, Akinori Saneto, Hideki Takezawa, Naotake Mohri, Hidetaka Miyake: Accretion of Titanium Carbide
by Electrical Discharge Machining with Powder Suspended in Working Fluid, Precision Engineering, 25, 2, pp. 138144, 2001
[5] Katsushi Furutani, Motoya Furuichi, Naotake Mohri: Coarse motion of `seal mechanism' with three degrees of freedom
by using difference of frictional force, Measurement Science and Technology, 12, 12, pp. 2147-2153, 2001
[6] Katsushi Furutani, Noriyuki Ohguro, Nguyen Trong Hieu, Takashi Nakamura: In-process measurement of topography
change of grinding wheel by using hydrodynamic pressure, International Journal of Machine Tools and Manufacture,
42, 13, pp. 1447-1453, 2002
[7] Katsushi Furutani, Nguyen Trong Hieu, Noriyuki Ohguro, Takashi Nakamura: Pressure-based In-process Measurement
by Null Method for Automatic Compensation of Wheel Wear during Surface Grinding, Proceedings of Institution of
Mechanical Engineering, Part B, Journal of Engineering Manufacture, 217, B2, pp. 153-159, 2003
[8] Katsushi Furutani, Hirotaka Sunada: Fabrication of Abrasive Layer Using Dispersion of Hard Powder by Electrical
Discharge Machining (2nd Report) Evaluation of Abrasive Layer through Grinding Process, International Journal of
Electrical Machining, 9, pp. 21-26, 2004
[9] Katsushi Furutani, Noriyuki Ohta, Katsumi Kawagoe: Coarse and Fine Positioning Performance of L-shaped Seal
Mechanism with 3 Degrees of Freedom, Measurement Science and Technology, 15, 1, pp. 103-111, 2004
[10]Katsushi Furutani, Michio Suzuki, Ryusei Kudoh: Nanometer-cutting Machine Using Stewart-platform Parallel
Mechanism, Measurement Science and Technology, 15, 2, pp. 467-474, 2004
− 17 −
計画研究 A01 超精密ナノアクチュエータ ウ
周波数領域設計での入力外乱推定オブザーバ
によるアクチュエータのロバスト制御
研究代表者 白石昌武 ( 茨 城 大 学 ・ 工学部 ・ 教授)
URL:
:http://shiraishi.dse.ibaraki.ac.jp
白石昌武
本研究では,
既に提案した周波数領域でのロバストな外乱推定オブザーバを用いて入力外
乱を推定し,それによるロボットマニピュレータの位置決めを達成するための,ロバストな
アクチュエータ制御に焦点を絞る.
近年,より人間に近いロボットを目指した研究が脚光を浴びているが,その狙いの一つに
介護あるいは福祉用ロボットがある.本開発のシステムでは,簡易型の脳波測定装置を用
い,快適と感じられる場合の脳波のα波信号を用いて多関節型ロボットのマニピュレータを
操作することにより,
より人間に近い共生動作の制御法とそれによる介護用ロボットの開発
を目指すことで,快適なライフサイエンスに貢献しようとするものである.
具体的には人に快,不快の聴覚刺激を与え,α波の1/fゆらぎ信号に注目し,マニピュレー
タ動作制御のパラメータとして,
実時間で各関節に脳波からの信号を角度位置として入力し
制御する.
この場合不要な入力外乱を周波数領域でロバスト推定し,
その影響が出力されぬようマニ
ピュレータのロバストな感性制御を行う.
α 波の測定
脳波測定装置
− 18 −
対象とした三関節型マニピュレータ
(脳波信号で作動)
鯉のぼりの動きとして表現した
マニピュレータ
最近の主な研究業績
[1] 伊藤彰啓, 白石昌武; ロバストオブザーバを併合したサーボ系の外乱ロバスト性, 日本機械学会論文集 (掲
載決定)
[2] 伊藤彰啓 , 白石昌武 ; 周波数領域におけるオブザーバの統一的な設計法と構成条件 , 日本機械学会論
文集, 69, 681, pp. 1317-1322, 2003
[3] 菊池誠, 白石昌武; 力帰還型マイクロマニピュレータの安定性, 日本機械学会論文集, 69, 680, pp. 1019-1023,
2003
[4] A. Ito and M. Shiraishi; Observer Design for Mechatronics System based on Frequency Domain, Proc. of Japan-USA
Symposium on Flexible Automation, Hiroshima, pp. 425-529, July, 2002
[5] M. Shiraishi and T. Koizumi; Friction Control of Positioning by AE Detection, Proc. of EWGAE, Czech, pp. 67-72,
September 2002
[6] M. Shiraishi, T. Yamagiwa and K. Koizumi; A Possibility of Laser Speckle and Light Sectioning Methods for Quality
Assurance, Proc. of MID 2002, Germany, pp.89-95, September 2002
[7] M. Shiraishi and T. Koizumi; Friction Control in Mechatronics System, Proc. of Japan-Korea Positioning Symposium,
Korea, pp. 38-44, October 2002
[8] M. Shiraishi, T. Yamagiwa and A. Ito, Practical Dimensional Error Control and Surface Roughness Inspection in
Turning, ASME Symposium, 2002 IMECE, New Orleans, pp. 54-60, 2002
[9] A. Ito and M. Shiraishi; New Design Method of Observer-Frequency Domain Approach, Japan Society for Precision
Eng., 67, 5, pp. 781-785, 2001
[10]M. Shiraishi, S. Sugano and S. Aoshima; High Accuracy Positioning in SCARA-Type Robot by Sensor-based Decoupling
Control, Trans ASME, J. of Manufacturing Science and Engng., 122, 1, pp. 166-173, 2000
− 19 −
計画研究 A02 マイクロアクチュエータ エ
マイクロ
・ ナノ立体加工技術の開発と
マイクロ・
次世代マイクロアクチュエータへの展開
研究代表者 服部 正 ( 兵 庫 県 立 大 学 ・ 高度産業科学技術研究所
・ 教授)
高度産業科学技術研究所・
兵庫県立大学
兵庫県立大学URL:http: //www.u-hyogo.ac.jp/index.html
高度産業科学技術研究所光応用
・ 先端技術大講座ナノマイクロシステム分野
高度産業科学技術研究所光応用・
URL:http: //www.lasti.u-hyogo.ac.jp/LASTI/org/microsystem/index.html
服部 正
石垣博行
兵庫県立大学高度産業科学技術研究所に設置された国内で3番目の規模を誇る中型放射光
施設「ニュースバル」を使って LIGA プロセスによるナノマイクロシステムの研究に取り組
んでいます.
LIGA プロセスとは放射光(X 線)を用いたリソグラフィ,電気鍍金(電鋳)を用いた超精密
金型の作製,その金型から成形技術を用いて微細構造体を大量生産するという3つのプロセ
スをいいます.
放射光を用いることで,現在の機械加工技術では作製出来ない数µm程度の加工を行いま
す.量産を視野に入れたトータルナノマイクロシステムの確立を目標と,情報通信用,医
療,
マイクロ化学分野に向けた小さくても強力な立体型マイクロアクチュエータを開発して
いきます.
8 × 8 光スイッチ,立体チップコイル,バックライトパネル,狭ピッチプローブカードや
バイオ分析用のチップと,様々なナノマイクロシステム用の要素部品を作製してきました.
これらの技術をベースとして,新規マイクロアクチュエータを開発していきます.
− 20 −
LIGA プロセスによる
レジスト加工例
1.0 × φ0.5mm 立体チップコイル
放射光照度分布制御による 3 次元 PMMA パターン
最近の主な研究業績
[1]
Harutaka Mekaru, Shinji Kusumi, Noriaki Sato, Michiru Yamashita, Osamu Shimada, and Tadashi Hattori, “Fabrication
of Mold Master for Spiral Microcoil Utilizing X-Ray Lithography of Synchrotron Radiation”, Japanese Journal of
Applied Physics, Vol.43, No.6B, pp.4036-4040, 2004
[2] Osamu Shimada, Shinji Kusumi, Harutaka Mekaru, Noriaki Sato, Michiru Yamashita, and Tadashi Hattori, “Fabrication
of Spiral Micro-Coil Utilizing LIGA Process”, The International Conference on Electrical Engineering 2004
(ICEE2004), Sapporo, Japan, pp.553-556, 2004
[3] 銘苅春隆 , 中村修 , 丸山修 , 服部正 , “大気ホットエンボッシング成形での超音波振動による精密転写技
術の開発”, 日本設備管理学会誌 , Vol.16, No.1, pp.8-14, 2004
[4] 服部正 , “次世代アクチュエータの加工法”, 日本ロボット学会誌 , Vol.21, No.7 pp.748-751, 2003
[5] X.C.Shan, Ryutaro Maeda, Tuyoshi Ikehara, Harutaka Mekaru, and Tadashi Hattori, “Fabrication of X-ray masks and
applications for optical switch molding”, Sensors and Actuators A , Vol.108, Issues 1-3, pp224-229, 2003
[6] Yuichi Utsumi, Motoaki Ozaki, Shigeru Terabe, and Tadashi Hattori, “Effects of Improved Microchannel Structures
on the Separation Characteristics of Microchip Capillary Electrophoresis”, Japanese Journal of Applied Physics,
Vol.42, No.6B, pp.4098-4101, 2003
[7] Harutaka Mekaru, Yuichi Utsumi, and Tadashi Hattori, “Effects of Synchrotron Radiation Spectrum Energy on
Polymetyl Methacrylate Photosensitivity to Deep X-ray Lithography”, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.42,
No.6B, pp.3807-3810, 2003
[8] Yoshihiro Fukuda, Hiroyasu Ueda, Kinji Takiguchi, and Tadashi Hattori, “Fabrication of 3D microstructure by the Xray intensity distribution control”, MICRO SYSTEM Technologies 2003, Munich, Germany, pp.510-512, 2003
[9] Tadashi Hattori, Harutaka Mekaru, and Yuichi Utsumi, “An approach to three-dimensional microstructure fabrication
utilizing hard x-ray lithography of synchrotron radiation”, REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENS, Vol.73, No.3,
pp.1376-1378, 2002
[10] K.Kondo, K.Mabuchi, T.Chinzei, Y.Nasu, N.Kakuta, T.Suzuki, T.Sato, and H.Ishigaki, “Images of the Spectrum
Analysis of the Changes in Skin Temperature and its Application for the Evaluation of Autonomic Nervous Function”,
European Journal of Thermology, Vol.11, No.2, 81, 2002
− 21 −
計画研究 A02 マイクロアクチュエータ オ
機能性流体を応用した
ニューアクチュエータの研究
研究代表者 横田眞一(東京工業大学・精密工学研究所
・教授)
精密工学研究所・
URL:
:http: //yokota-www.pi.titech.ac.jp/
横田眞一
吉田和弘
竹村研治郎
板状電極で電圧をかけるとサラサラの状態からドロドロの状態に変化するERF
(電気粘性
流体),電磁石の磁界で同様の変化を生じる MRF(磁気粘性流体),線状電極で電圧をかけ
るとジェット状の流れを生じるECF(電界共役流体)などのユニークな液体を総称して機能
性流体と呼ぶ.
機能性流体は,
電極や磁極から成る機械的摺動部がない単純構造のデバイスで流れや圧力
を電気信号により簡単に制御でき,
その動きにより機械を動かす新しいアクチュエータの実
現が期待できる.
本研究では,
ミリメートルサイズでパワフルな動作を行う次世代マイクロマシンの実現の
ため機能性流体の応用を試み,軽量・高出力なECFマイクロモータ,指のように曲がるECF
マイクロアクチュエータ,小形・軽量な ECF マイクロ人工筋,高出力な伸縮型 ERF/MRF マ
イクロアクチュエータ,
高出力マイクロポンプなどのニューアクチュエータおよび周辺デバ
イスの開発を行うとともに,応用について検討する.
内径 2mm,1mm の
ECF ジェット
駆動マイクロモータ
内径 9mm の 8 層高集積
DP-ECF ジェット
駆動マイクロモータ
− 22 −
管内走行マイクロマシン
構想概念図
MEMS-ERF
マイクロバルブ
MEMS-ERF マイクロ
バルブ集積形
マイクロアクチュエータ
PZT 共振駆動
マイクロポンプ
最近の主な研究業績
[1] Jung-Ho PARK, Kazuhiro Yoshida, Chikara Ishikawa, Shinichi Yokota, Tetuo Seto, Kunihiro Takagi: A Study on HighOutput Resonance-driven Piezoelectric Micopumps Using Active Check Valves, the Journal of Robotics and
Mechatronics, Vol.16, No.2, pp.171-177, 2004
[2] 横田眞一 , 桑嶋 崇 , 枝村一弥 : 積層 DP-RE 形 ECF マイクロモータの高集積化 , 日本機械学会論文集 C,
70巻, 693号, pp.1463-1469, 2004
[3] 吉田和弘 , 鄭 淵午 , 朴 重濠 , 横田眞一 , 瀬戸毅 , 高城邦彦 : 管路慣性を応用したマイクロポンプの最適
構造 , 日本機械学会論文集 C, 70 巻 , 697 号 , pp.2668-2673, 2004
[4] 鄭 淵午 , 吉田和弘 , 横田眞一 : MR 流体を弁体としたマイクロバルブ , 日本機械学会論文集 C, 69 巻 ,
682号, pp.1633-1639, 2003
[5] Shinichi YOKOTA, Yutaka KONDOH, Kokichi ISHIHARA, Yasufumi OTSUBO, Kazuya EDAMURA: A Fluid Control
Valve by Making Use of an Increase in Viscosity of Dielectric Fluids Caused by an Electrode Planted with Hair-like
Short Fibers (Proposition of a Fiber -planted ER Valve), JSME International Journal, Vol.46, No.4, Series C, pp.15381546, 2003
[6] Kazuhiro Yoshida, Hiroshi Yano, Jung-Ho Park, Shinichi Yokota: A valve-integrated microactuator using homogeneous
electro-rheological fluid, the Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.15, No.2, pp.244-250, 2003
[7] Takeshi Seto, Kunihiko Takagi, Kazuhiro Yoshida, Jung-Ho Park, Shinichi Yokota: Development of High-Power Micropump Using Inertia Effect of Fluid for Small-Sized Fluid Actuators, the Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.15,
No.2, pp.128-135, 2003
[8] Shinichi YOKOTA: A 2mm ECF micromotor, Proc. of 7th International conference on Mechatronics Technology
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[11] 近藤 豊 , 丁 向 , 横田眞一 : バイモルフ形 P Z T 素子アレイを用いた薄形ぜん動管路形マイクロポン
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