...

「5回報告書」:目次、巻頭 - npo

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

「5回報告書」:目次、巻頭 - npo
(2010 年 5 月 27 日~6 月 3 日実施)
アンコールやまなみファンド
Angkor Yamanami Fund
第五回〝やまなみ塾〟訪問と遺跡見学ツアー報告
目次
・巻頭
アンコールとベトナム・フエ-インドシナ的感性の意味するもの ・・ 中川 武
・旅行記録
第5回やまなみ塾訪問とアンコール遺跡見学ツアー行程記録 ・・・・ 山崎 雄平
〔付〕 日程表
・参加記
第5回やまなみ塾訪問記
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 多賀 正夫
アンコールワット遺跡を見て-やっと実現したアンコールワット訪問- ・・ 大野 一枝
第5回ツアーに参加して
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 堀越 美智子
ツアー参加雑感 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 関野 晉
クラウ村へ再び-新たな感動- ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 黒田 慶子
カンボジア・ヴェトナムの旅に参加して ・・・・・・・・・・・・・ 水津 幸一
アンコール「やまなみ塾」を訪ねて ・・・・・・・・・・・・・・・ 越智 敏子
み たび
三度のカンボジア、そして一人旅も ・・・・・・・・・・・・・・・ 盛 和子
初めて参加して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 黒田 裕子
第五回やまなみ塾訪問と遺跡見学ツアーに参加して ・・・・・・・・ 佐脇 修司
子供たちのパワーに触れて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 岡田 雅子
旅の記憶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 野村 裕子
一緒にやるのは楽しい ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 金岡 隆
ベトナム・カンボジア旅行を経験して ・・・・・・・・・・・・・・ 岡島 嗣光
第五回ツアーを終えて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 山岡 直子
・交流会
交流会プログラム
交流会「皆で歌おう」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 関野 晉
みんなで絵を描こう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 金岡 隆
英語劇「ももたろう」奮闘記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 畝本 紀子
楽器で遊ぼう! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 青木 克子
日本語と習字コーナー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大野 一枝
紙飛行機と風船アート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 喜田 粂吉
(インタビュアー 岡田 雅子)
スポーツを通して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 阿原 出
自由に参加 絵を描こう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 野村 裕子
・日本語の先生から
やまなみ塾での日本語授業の感想 ・・・・・・・・・・・・・・・・ Bun Socheat
・やまなみ塾を巣立っていった子たち
アンコールとベトナム・フエ
―
インドシナ的感性の意味するもの
中川 武
<アンコールとフエ>
私は 1991 年に、ベトナムの阮朝の古都フエを初め
て訪問した。フエの歴史的建造物群の世界遺産登録へ
向けて日本政府が協力することになり、ユネスコ・コ
ンサルタントとして、1 週間ばかりの短い滞在であっ
たが、現地専門家と修理方針の協議をしたり、レクチ
ャーしたり、遺跡群を見て回ったりした。香江を中心
とした透明でゆっくりとしたフエの環境と、その中で
受容した中国文化の、日本とは違う佇まいが興味深か
王宮午門にて
った。以来、フエ王宮都市の全容解明と王宮紫禁城の中心殿舎である勤政殿の復原研究を、
文部科学省科学研究費補助金等の助成金を得て進めてきた。アンコールは 1992 年からであ
るから、ベトナムの方が一足先にスタートしたことになる。本年の AYF アンコール訪問の
皆さんに、強行日程ではあったが、フエに立ち寄っていただいた。この際、何故、アンコ
ールとベトナム・フエなのか、ということについて考えを述べてみたい。
<アンコール遺跡の基本的性格>
アンコール遺跡は、シェムリアップ州の中央部とラオス・タイ・ベトナムやカンボジア
の周辺部では傾向に違いがあること、プレ・アンコール期および初期(7C〜9C)のレンガ
造とスタッコ彫刻を主体にしたもの、丹精な古典期(10C〜11C)、伽藍の巨大化と夥しい地
方への増殖を進めた発展期(12C〜13C 中)、やや退嬰的なプロポーションのみに活路を求
め、繰り返しに終始した後期(13C 後〜15C)というように歴史的な変遷なども大方視野に
入りつつある。したがって、一括りにすることは困難であるが、私がアンコール遺跡で最
も注目している基本的性格は以下の 2 点である。
① 雨水の浸透を許容した版築基壇:
アンコールの建物の大きな特徴は、高い基壇を繋げて、建物を高く、大きく見せる点に
あるが、その基壇は、摺り合わせ、目地の接着剤無し空積の砂岩で表面を覆い、内部は
版築土層による。風が運んだ細い目地の中の土に草木が芽を出す。丁寧にメンテナンス
していれば大事にはならないが、それでも激しい雨期の雨水の基壇内部への浸入は避け
1
られない。なるべく基壇の側壁から外へ出さないようにして、雨水は基壇内部の奥深い
砂層に吸着させる。そして長い乾期の間に蒸散させる、という企図だったのではないか。
宿命的な風土を受け入れ、それにソフトに対応したテクノロジーだといえよう。
② 2つの中軸基準線の併存:
アンコールの伽藍は、私たちが実測したものは全て、伽藍の周壁の中心線と建物群の中
心線は、意識的、周到にずらされている。その方法には複数のパターンがあるが、いず
れも基準尺と建物の設計方法に連関しており、勿論誤差ではない。伽藍の敷地は、先祖
が切り拓いた風土に根ざした聖地に由来しており、それを区画する周壁の中心線は、伝
統と土地の固有性の象徴である。それに対し、建物群の中心線は、いうまでもなく、新
しく伝来した宗教・文明・技術・権威等を象徴するものである。このような 2 つの基準
軸線の併存は、即ち 2 つの価値観の併存と調和を意味するものと考えられる。これらの
例だけからいえば唐突の感は免れないだろうが、インドにおける伝統的な方位観と中心
性の意義や、東南アジア諸国、特にインドネシアにおける、敷地と建物群の 2 つの中心
線を明示した関係を念頭に置くと、アンコールの性格が際立ってくる。アンコールの場
合、中心建物が中心を占めないことだけが重要なのではなく、2 つの基準線が分かるも
のには分かるという、共同体的なルールに準じていることが重要なのだと思う。私たち
が、この眼に視えないルールに到達するために、ほぼ 30 年間のアジア建築の学習が必要
だったように思う。
<ベトナムの中のフエ>
フエの都城や残存した遺構は、中国およびフランスの直接的な影響が目立ったものとな
っている。しかし私が関心を持ったのは、中国古代建築様式の長い歴史の経験後に、しか
も雨や台風の多いベトナム中南部というフエの地にほとんど古式のまま受容している面と、
全体的な形式は中国の踏襲であるが、小さな部分的構成要素に分割して、陰影感が深く、
リズムを重視したデザインが見られることで、この点は山と川が織りなす谷あいに点在す
る皇帝陵により多く見られる。他の 1 つは、中国の第 1 級の建物に見られない登り梁架構
法を第 1 級の宮殿に取り入れ、独特な水平感の強い連続空間を形成している点である。こ
れらのフエの特徴は,ハノイ周辺のベトナム北部には見られない傾向であり、北部地方は、
中国の直接的影響に長くさらされてきたことを思わせる。
中国文化の影響を受けながらも・・・
2
<文明の中心と周縁>
日本は,強大な 4 大文明の 1 つであるアジア的古代中国文明の、朝鮮半島とは違って、
やや距離を置いた周辺に位置したことによって、中央集権的な古代国家の秩序や文明を、
あるものは直接受け入れ、あるものは選択的にかたちを変えてきたといえる。そして、も
う 1 つの特徴は,中国のような古代統一的な国家の形成過程で払拭されてしまった、それ
以前の原始的ともいえる農村、小共同体的な文化が周縁にこそ残存する可能性があったと
いうことである。日本の、世界史的に見た文化の特徴は、残存した古代以前的なものと、
選択的な古代文化の、長い時間をかけた洗練にある。中国とインドから強い影響を受けな
がらも、かなりの距離を置いていたこともあり、どう見ても前古代的な自然や共同体との
調和感の強いアンコールとフエは、当然日本との差異はあるものの、強い歴史的プロセス
の同質性を感じるのである。私たちが,アンコール・ベトナムに抱く親和感の根拠であろ
う。
バイヨンをバックに
3
第5回やまなみ塾訪問と
アンコール遺跡見学ツアー行程記録
山崎
雄平
参加者
東京グループ:金岡隆、野村裕子、関野晉、関野二三子、岡島嗣光、岡島節子、川上啓輔、
青木克子、盛和子、朝内努、畝本紀子、堀越美智子、水津幸一、山岡直子、
黒田裕子、越智敏子、大野一枝、山崎雄平、阿原出 (19名)
富山グループ:多賀正夫、岡田洋一、岡田雅子、喜田粂吉、黒田慶子、高橋寿助、京免実、
佐脇修司、中嶋治長 (9名)
<5月27日(木)>~出発~
17:00 成田空港ロビーにて東京グループ、富山グループ全員集合。
成田発19:00~ホーチミン着23:00
(出発時悪天候のため、40分程遅れて出発となった)
24:30 ホーチミン空港に到着した後、出向かえのバスに乗り、ソフィテル・プラザ・
サイゴン・ホテルにチェックイン
<5月28日(金)>~ホーチミン観光~
9:30 ホテル出発。現地ガイドさんの案内のもとホーチミン市内を観光した。
歩行者と自転車と大量の小型バイクが入り乱れて通行するホーチミンの交通
事情に驚いた。常に渋谷のスクランブル交差点のような状態である。
10:00 統一会堂、観光。この建物は 19 世紀後半
に建造されたものであり、当時、ベトナム
の宗主国であったフランスによって着工
されたものである。20 世紀中頃からは、ベ
トナム共和国の大統領宮殿としても使用
されていた。その後ベトナム戦争終結時に
北ベトナムの侵攻を受け、南ベトナムの首
都サイゴンの陥落(1975 年)を象徴する建
4
統一会堂(旧 大統領官邸)
造物として世界中に知られるようになった。
12:00 戦争証跡博物館、観光。ベトナム戦争で実際に使
用された戦車やミサイルが展示されていた。また
捕虜となった人の蝋人形や、枯葉剤の影響を受け
て生まれた子供たちの写真も数多く展示されて
いた。ベトナム戦争の悲惨さの一部分を垣間見る
ことができたと思う。
13:00 中央郵便局、サイゴン大教会、観光。気温が40℃
近くになっていた。今まででもっとも暑かった。
ちょうど結婚式用の写真撮影をしているカップ
ルが教会の外にいた。なんともお暑いご様子であ
った。
13:45
マリア像の前で
(右後方 大教会)
サイゴン大教会
コムニューサイゴンというベトナム料理のお店で昼食。石焼ならぬ、壷焼き
ご飯のパフォーマンスが印象に残っている。ただ欲を出せば、散らかった破
片を片付けてくれれば百点であった。ベトナムのビールである333(バー
バーバー)をみんなで飲んだ。若干苦味が強い気もしたが、暑い中で飲むビ
ールは最高だった。
15:00 ベンタン市場を観光。20分くらいで一
周してバスへと引き返す。
15:30 ガイドさんの案内で TOMBO というお
土産屋に寄る。手軽な値段の小物が揃っ
ており、20分くらいショッピング。
ベンタン市場で
16:00
ガイドさんの提案によりマッサージに行くグループと喫茶店でくつろぐグル
ープに分かれる。マッサージは女性を中心に大人気であった。一時間後に再
会した時にはみなさん晴れ晴れとした表情で大満足のご様子であった。一方、
喫茶店グループは男性中心に10名ほどでカフェに入ったが、店内が混雑し
ていたため道路に面したテラスでコーヒーブレイクとなった。暑さも残る昼
下がり、しかも帰宅ラッシュのバイクが行き交う中で飲むコーヒーは格別で
あったが、やはり、早めに切り上げることになり、バスでドライブした後に
マッサージ組を迎えに行った。
5
18:00 ホーチミン空港に到着。
ホーチミン発19:35~シェムリアップ着20:35
機内にて社内旅行でカンボジアを訪れるという中国人の方に英語と片言の日
本語で話しかけられる。自分は大学生であり来年あなたの会社に雇ってほし
いと英語で伝えてみると、相手は爆笑した後快諾してくれた。これで来年の
就活も一安心である。
到着後、チアさん夫妻の出迎えを受け、ホテルへ向かう。
21:30
ソマデビ・アンコール・ホテルに到着。ホテル内のレストランで夕飯を食べ
る。一部元気な希望者は外食へ。
<5月29日(土)>~やまなみ塾訪問と遺跡見学~
8:00 朝食を済ませて、ホテルのロビーに
集合。ホテル出発、やまなみ塾へ
9:00 クラウ村に到着。この日は学校があ
る子供たちもいたので、普段の3分
の2ほどの人数ではあったが、温か
い歓迎を受ける。
9:10 交流会の開会式。多賀会長の挨拶。
クラウ村の世話役サオ・サムさん
から感謝の言葉をいただく。
村の世話役サオ・サムさんとチアさん
9:20 みんなで歌おう!関野さんがリーダーとなって、「さくらさくら」、
「かえるの
唄」
、
「アラッピア」
(カンボジアの子供たちにはお馴染みの一曲だそうである)
を歌った。事前に録音したテープを送っていた甲斐もあり、大成功だった。
最後には、子供たちが去年一緒に歌った「幸せなら手をたたこう」をサプラ
イズで披露してくれた。とても上手
で、大変かわいらしかった。今回の
歌のプログラムは大成功だったと思
う。
10:00 みんなで絵を描こう!空、野原、大
きな木、大きな湖だけが大雑把に描
かれている黒板ほどの大きさの紙に、
子供たちが自由に描いたものを貼っ
て、ひとつの大きな絵にしようとい
6
うものである。魚や鳥や花などたくさんの絵が大きな紙に収まりきらないく
らいに集まった。カンボジアの子供たちの描く絵は写実的なものが多く、特
徴をよく捉えていることに感心した。ちなみに、僕もこっそりとカッパの絵
を残してきたが、金岡さんにダメだしをされてしまった。残念。
11:20 閉会。また明日会いましょう!と言って、一旦お別れする。
12:00
鍋料理を食べる。このとき食べた鍋料理は現地の人々もよく食べるものであ
るそうだ。草のような野菜、肉団子のようなもの、最後には乾麺のようなも
のが投入された。お腹も満腹になり、味も大変おいしかった。
また、我々はここでも当然ビールを飲んだわけであるが、ついに、カンボジ
アのビールである ANKOR(アンコール)が登場した。僕はこのビールが一
番好きなのです。苦味が薄いこと、しかも喉越しが最高でつい一気に飲んで
しまいそうなほどである。日本人の特に若者に受けそうな味をしていると思
います。
13:20
本日も連日に続く炎天下で、気温も40℃近くあるので、一旦ホテルに戻り
15:00まで休憩をとる。
15:00 ホテルロビーに集合。バイヨン・イン
フォメーションセンターへ出発。
15:20 到着。このバイヨン・インフォメーシ
ョンセンターは 2009 年 6 月に完成し
たものである。その目的は、15年間
継続してきたアンコール遺跡の保
存・修復事業や研究成果を現地の人々
や観光で訪れた人々に知ってもらおう
バイヨン・インフォメーションセンター
というものです。実際に発掘されたものが展示されており、また外国の遺跡
修復チームの紹介もしています。一番すごいと思ったことは、映像を使って、
バイヨン遺跡のことや遺跡の修復のことを 20 分ほどで説明していたことです。
建物自体も凝った造りになっているように、その中身も凝ったものとなって
いました。実際に、現地の師範学校の方や小学生の子供たちも見学に来てい
るそうです。
16:30
アンコール・ワット見学。今年も中川先生のガイドという素晴らしく贅沢な
遺跡ツアーが始まった。中心軸に着目した建築的な美についてのお話や、遺
跡の修復はただ外形を元に戻せばよいというわけではなく、数百年先を見越
して行われなければならないということ、そのためには使用する材料を数年
7
がかりで作ることなどお話されていた。
18:00 一旦ホテルに戻る。
18:45 夕食に出発。
19:00 バイヨン・レストランに到着。伝統
の影絵を鑑賞しながらのディナー。
① 戦う猿の話
② 闘牛の話
③ ヒンズー教神話「ラーマーヤナ」
よりシータがさらわれる場面
クメール語が分からないために、内容がさっぱり分からないという問題はあ
ったが、始めて生で見る影絵は新鮮に感じた。趣のあるディナーとなって良
かったと思う。
21:00 ホテルの近くにある観光客向けの大型スーパーに立ち寄る。その後ホテルへ。
<5月30日(日)>~やまなみ塾訪問と遺跡見学~
8:00 朝食を済ませて、ロビーに集合。ここでコウ・ベットさんと合流。無事お土
産を渡すことができた。バイヨン遺
跡へ出発。
8:30
バイヨン遺跡に到着。バイヨンでは
ちょうどコウ・ベットさんが中心と
なって大規模な発掘調査をしている
ところで、入り口付近の新しい埋蔵
物を探しているところだった。
バイヨン寺院の特徴
① あらゆる神々の共存
バイヨン寺院は、当時のカンボジアの主な宗教であったヒンズー教、ビシュ
ヌ教、仏教の他に、土着の宗教をも取り入れたいわば宗教のるつぼともいえ
る寺院であった。
② 壁面に施された浮き彫り
バイヨンの浮き彫りは他の遺跡に見られるそれと比較して、描く内容が多様
である。つまり、神々の伝説や国の歴史の他に人々のライフスタイルをも描
いているのである。それは食生活、闘鶏など多岐にわたるものである。
③ 尊顔
デーヴァ、デヴァーダ、アシュラの三種類の尊顔がバイヨン寺院には大きな
存在感を持って、数多く存在している。この三神は宗派、地域を越えて広く
信仰されてきていた神である。
8
上記のような特徴を持つバイヨン寺院からは、建立者であるジャヤバルマン7
世が宗教を超えて国として一つに結束しようとした意思を垣間見ることができ
た。偉大なる王であった。
〔中川先生のプロジェクト〕
バイヨンの中心塔にはもともと仏教の仏像があったということが判明したため、
なんとかそれをもとの場所に戻そうとしている。バイヨン寺院の中心に仏像が
安置されていたということは非常に重要な意味を持つので大変な作業になるが
ぜひとも達成したいとのことであった。
10:00 やまなみ塾に到着。昨日よりもたくさんの子供たちが歓迎してくれた。すで
に、桃太郎の英語劇の準備をして待っていてくれていた。すぐに、私たちが
持参したアイテムや衣装を渡して劇を開始する準備を整える。
10:10 英語劇はじまりはじまり。
せりふを覚えていたことに、大変驚い
た。また、桃太郎の役を小さい子供と
大きく凛々しい青年で分担していた
ことなど自分たちで様々な工夫をし
ていた。特にサル役の子供の演技が光
っているように思えた。
大きな拍手と笑い声の中、劇は大成
功!去年英語劇を伝えたものとしては嬉しい限りであった。
劇が終わった後には、クッキーとドリンクのプレゼント、上級生に平等に配
ってもらいました。
衣類や靴などのプレゼントは、去年の反省を踏まえて、チアさんに渡してお
願いしました。
11:00
自由に参加しよう!スポーツ、音楽、日本語、工作などの分野に自由に分か
れてもらって一緒に遊んだ。
スポーツは、卓球とバトミントンとお手玉を用意した。卓球はルールを説明
するのが大変だった。バトミントンは小さい子供も相当上手でポテンシャル
の高さがうかがえた。お手玉も小さな女の子が興味深そうに挑戦していた。
音楽は、オルガンやピアニカを使って「さくらさくら」などを演奏していた。
大きい女の子たちが挑戦していた。
日本語を学ぼうのコーナーでは、習字をやっていた。大野さんや岡田さんた
ちが、子供たちの目を見てがんばって伝えていたのが印象的だった。
最後に、図工のコーナーでは今年も喜田さんが大活躍であった。バルーンア
ートと紙飛行機が小さい子供たちに大人気でした。
9
12:00 楽しい時間はあっという間に過ぎていき閉会の時間になってしまいました。
上級生の子供たちが積極的に英語で話しかけてきました。自身の将来や日本
についてなど色々話をしました。
12:20 水上小屋に移動して、懐かしいモイモイの
味に舌鼓を打ちつつ、楽しい時間はあっと
いう間に過ぎてしまう。
14:30 一旦ホテルに戻り、プノンペンに行くグル
ープは荷造りをする。
15:15 プノンペングループがシェムリアップ空港
に向かうのをお見送り。
15:30 吉川舞さんの案内のもと、オールドマーケットに向かう。
(シェムリアップ延泊グループ:山崎雄平、阿原出、金岡隆、越智敏子、大
野一枝、盛和子)
15:45
吉川舞さんが共同経営をしている雑貨のお店を紹介される。マーケットの近
くにあるお店で、きれいな店内だった。純カンボジア産であることを売りに
したお店だそうで、日本語を話せる店員さんがいつもいるので、お勧めのお
店です。その後、夕食まで自由行動となる。
(しかし、一時間ほどすると雲行きが怪しくなってきたため、トゥクトゥク
で急いでホテルに引き返す)
17:00 ホテルでしばらく休憩。
19:00 ホテルから歩いて3分くらいの距離にあるアプサラダンスのお店でディナー。
吉川さんの解説もあり、アプサラの歴史やカンボジアの人々の恋などいろい
ろ知ることができた。
21:00 ホテルに戻り、明日に備えて就寝。
<5月31日(月)>~プノンペン観光 or カンボジアの遺跡巡り~
8:30 ホテルのロビーに集合、シェムリアップ滞在グループは吉川さんの案内のもと、
プラサート・クラバン、タ・プローム、バイヨン、ニャック・ポアンの四箇所
の遺跡を巡った。(ただし、盛和子さんは
ロリュオスを巡りに単独行動となる)
9:00 プラサート・クラバン
5つの塔が横並びに並んだ遺跡であった
煉瓦造りで造られており、壁面には女神
ラクシュミやヴィシュヌ神が彫られてい
ることからヒンズー教を祀った遺跡であ
ることが分かる。
10
プラサート・クラバン
10:15 タ・プローム
入口に大きなジャヤバルマン7世の
尊顔があるように、この遺跡はジャヤ
バルマン7世によって建てられたも
のである。母への祈りを捧げた寺院で
あるといわれています。この遺跡は平
面展開型遺跡の典型ともいえる
寺院であり、当時はこの寺院の周辺に人々が生活していたのではないかと推
測されている。
また、この寺院の最大の魅力は自然と一体化した寺院であることである。巨
大な木に覆われた遺跡が数多くある。そのことから、修復作業もより繊細な
配慮を必要とするようである。
11:45 コウ・ベットさんの作業を見学しにバイヨンに立ち寄ったが、残念ながら、
急用のためにおられなかった。遺跡発掘の様子をさっとみてバイヨンを後に
する。
12:30 吉川さんもよく訪れるというお店でランチ。
カレー好きの私はクメールカレーを注文した。これがまた大変美味であった。
よく冷えたアンコールビールが素敵なグラスとともに出てきた、しかもこれ
が最後のアンコールビールと思うと、うっかり飲みすぎてしまった。
13:30 一旦ホテルに戻って休憩。
15:00 ロビーに集合。ニャック・ポアンへ。
15:30 ニャック・ポアン
この遺跡はアンコール・やまなみファンドのパンフレットの表紙を飾る、観
世音菩薩の化身である神馬ヴァラーハのある遺跡である。この遺跡の特徴と
しては「水とともに」という言葉が挙げられる。大量の水を溜めておくシス
テムがあり、今回は残念ながら水はまったくない状態であったが、水が溜ま
った状態のこの遺跡は大変壮麗のものとなると思われます。
16:30 ホテルに戻り、荷造りをする。盛さんとも合流。
17:00 空港に到着。チアさん夫妻に見送られてカンボジアにお別れをする。
シェムリアップ18:20分発~ホーチミン着19:20
(盛さんは日本に帰国)
到着後、パークロイヤル・サイゴン・ホテルまでバスで送ってもらい、プノ
ンペングループと合流。
20:15
インドシナ・レストランにてベトナム料理のディナー。プノンペンの話を聞
いたり、初めて訪れた遺跡の話をしたりしながら楽しく過ごす。
21:30 ホテルに戻る。明日の朝は早いので早めにご就寝。
11
<6月1日(火)>~フエの遺跡巡り~
3:30
ホテルロビーに集合。お弁当を渡されて空港へ向かう。
ホーチミン6:00発~フエ7:20着
8:00
現地ガイドのスンさんが出迎えてくれる。
フエの紹介を聞きながら、宿泊ホテルのインペリアル・フエに向かう。
田園風景が広がっており、ホーチミンよりは田舎町の印象を受ける。
8:30
ホテルに到着。部屋に荷物を運び、すぐに出かける準備を整える。
9:00
出発。現地ガイドの方がヴァンさんに代わる。
日本語が上手で、しかも自身の苦労話やプライベートな部分も盛り込んで話
をする方でとても親しみやすい方だった。フエでのガイドはこの後ずっとヴ
ァンさんが担当される。
9:30
フエ王宮跡に到着。
とんでもなく広大な敶地であった。また
2年に1度のフエ・フェスティバルが間
近に控えていたため、王城前の広場に、
大きな舞台が設営されていた。
やはり、ホーチミンよりも北に位置する
ためか、建物の雰囲気や街中の看板など至
る所に中国の影響が窺えた。しかし、建築
王宮 長生殿門
様式はベトナム独自のものである部分が多いそうである。
フエ王宮南門、宮殿、帝廟と周り、中川先生の研究室で研究されたアンさん
という方の研究成果について説明していただく。キンセイ殿の復元・修復に
おいて成果をあげられたそうである。発掘した柱の寸法からキンセイ殿全体
を割り出したそうである。
11:30 フエ遺跡保存センターのオフィスに到着(王宮跡の中にある)
。非常に丁重な
歓迎をしていただく。最後には、所長の Dr.フン・フーさんから記念品とし
て刺繍で作られた絵をいただく。
12:30
王宮跡を後にして、中川先生お勧めの生
春巻き屋にて昼食。
メニューが生春巻きだけという強気の商
売であるだけあって、とてもおいしかった
です。後は、ビールが冷えていれば百点で
した。
13:00 ホテルに戻って一休み。
16:00
フエ遺跡保存センター
トゥドック帝廟に到着。
12
全員が初めて訪れる遺跡であったため、中川先生のお話に一同真剣に耳を
傾けていた。規模は日本の古墳と同等以上であり、その機能はお墓として
だけではなく多岐にわたるものであった。
17:00
ホテルに戻る。
18:00
フォン川沿いの料理屋でディナー。
初めて訪れたフエの話や、昔話に花を咲かせながらおいしい生春巻きなど
フエの料理を味わう。
19:30
最終日に備えてホテルへ戻る。
<6月2日(水)>~フエの遺跡巡り~
9:00
ホテルで朝食を済ませてロビーに集合。
(チェックアウトは遺跡を巡った後にできるよ
うにしてもらう。
)
10:00 ミンマン帝廟、到着。深い緑の中を大型バスで
走ること40分あまり。落ち着いた山の雰囲気
の中にミンマン帝廟は現れた。この帝廟は中心
軸が一本通ったものであった。また最初から一
番奥の部分を見せないように工夫された構造が
あり、そこにアンコール・ワットと建築的に似
この先ずっと奥の森に
ミンマン帝の墓がある
通った部分を感じた。
11:00 次に帝廟カイ・ディンに到着。割と急な勾配であり、頂上のカイ・ディン
帝が安置されている場所に到着するころにはすっかり疲れてしまいました。
12:00 最後に、ベトナムで最古のお寺といわれているティエンムー寺に立ち寄った。
境内からフォン川を望むその景色は最高でした。
13:00 水上艇に乗ってフォン川を下って行くことに。
本日も連日に続く猛暑ではあったが、水しぶきを受けて、風を感じながら飲
むビールは最高でした。
13
14:00 最後のベトナム料理を味わって食べる。
15:00 ホテルに戻ってチェックアウト。ホテルのロビーで記念撮影をする。
17:30 フエ空港に到着。
フエ19:10発~ホーチミン20:30着
(悪天候に見舞われ、飛行機の出発が1時間30分程遅れる)
22:30 ホーチミン空港に到着。トランジットを済ませて、帰国の便を待つ。
ホーチミン00:05発~成田7:50着
<6月3日(木)>
7:50
無事日本に到着。入国手続きを済ませて、それぞれ帰宅。
インペリアルホテルの
ロビーで記念撮影
<後記>
今回のやまなみ塾訪問と遺跡ツアーは去年にも増して大成功を収めたと思います。その
要因としては、まず富山グループと東京グループが一緒に行動することができたことが挙
げられます。普段はあまり顔を合わすことが難しいだけに、お互いにたくさん交流できた
らいいのではないかと思います。次に、やまなみ塾の訪問に関する部分では、みんなで絵
を描こう!や、一緒に歌を歌おう!の取り組みが特に盛り上がっていたように思います。
私自身のことではありますが、今回簡単なクメール語をいくつか覚えていきました。うま
く通じたかはわかりませんが、子供たちと去年よりも厚く接することができたと思います。
最後に、遺跡ツアーの点では、第一線で働いておられる中川先生のガイドは最上のツアー
であることは間違いありません。それに加えて、今回は初めて訪れるフエやプノンペンに
も足をのばしました。新鮮な感動を感じることができました。そして、誰一人大きく健康
を害することなくツアーを終えられたことが何よりも一番よかったと思います。
前回のツアーより、富山県のよしみということで、富山県学生寮の学生をお誘いしてい
ただいていることに改めて感謝申し上げます。多くの学生がこのアンコールやまなみファ
ンドのツアーに関心を持っています。今後もよろしくお願いいたします。
14
日程表-1
日程
月
日
ホーチミン・プノンペン・フエ
出発地/到着地
時間
成田/ホーチミン
19:00
(VN953)
23:00
内容
成田空港発 ホーチミンへ
1
5
27
ホーチミン空港到着後専用車にてホテルへ。
SOFITEL PLAZA
午前:半日市内観光(サイゴン大教会/統一会堂/戦争証跡
ホーチミン/
2
5
28
シェムリアップ
(VN1823)
博物館/中央郵便局)
19:35
昼食はコムニュー・サイゴンにて
20:35
午後:ベンタン市場/ドンコイ通り ショッピングタイム
専用車にてホーチミン空港へ
シェムリアップ到着後、お客様手配
3
5
29
シェムリアップ
終日、お客様手配 ※(日程表2)
国内線にてプノンペンへ
4
5
30
シェムリアップ/プノンペン
17:30
専用車にてホテルへ移動
(VN1108)
18:20
夕食:SORYA レストランにて中華料理
PHNOM PENH
プノンペン市内観光:国立博物館、王宮,シルバーパゴダ、ワッ
ト・プノン
昼食:KHMER SARIN
5
5
31
プノンペン/ホーチミン
16:20
午後:トゥール・スレーン見学
(VN1816)
17:10
専用車にて空港へ移動
ホーチミンへ
ホーチミン到着後専用車にてホテルへ
夕食:インドシナレストランにてベトナム料理
PARKROYAL SAIGON
(フエのバス、食事は中川さんに依頼)
専用車にてホーチミン空港へ。
6
6
1
ホーチミン/フエ
06:00
フエ空港到着後専用車にてホテルへ。
(VN250)
07:20
観光バス、昼食:生はるまき
夕食:船上レストラン
IMPERIAL
フエ/ホーチミン
7
8
6
6
2
3
(VN255)
ホーチミン/成田
19:10
20:30
昼食:ヤムチャン
専用車にてフエ空港へ。国内線にてホーチミンへ 国際線へ
乗り継ぎ
00:05
深夜 ホーチミン発
07:50
朝 成田空港着
15
日程表-2
日程
月
※シェムリアップ
日
出発地/到着地
時間
内容
専用車にてホーチミン空港へ
ホーチミン/
3
5
28
シェムリアップ
(VN1823)
19:35
空港にて軽く夕食
20:35
シェムリアップ着、チアさん手配の車でホテルへ
SOMADEVI
午前:交流会(9:00~12:00)
5
29
昼食:小出さんに依頼
シェムリアップ
午後:遺跡見学
夕食:小出さんに依頼(影絵)
午前:交流会(9:00~12:00)
昼食:小出さんに依頼
5
30
シェムリアップ
午後:遺跡見学
一部シェムリアップ延泊、
22 名はプノンペンへ(中川さん同行)
国内線にてプノンペンへ
シェムリアップ/
プノンペン
(VN1108)
17:30
専用車にてホテルへ移動
18:20
夕食:SORYA レストランにて中華料理
PHNOM PENH
5
30
シェムリアップ
夕食:小出さんに依頼
遺跡見学:タプロムほか
マイクロバスの手配済み(小出さん)
31
シェムリアップ/
ホーチミン空港から専用車でホテルへ
ホーチミン
PARKROYAL SAIGON
(VN1816)
6
1
(プノンペンからのGと合流)
シェムリアップ/
00:05
成田(VN950)
07:50
☆盛、野村、岡田夫妻は帰国
※ 30 日夕刻、プノンペン見学組とシェムリアップ延泊組(6名)にわかれる。
※ 31 日夕刻
フエ見学をパスして帰国組(3 名)とわかれる。
16
Fly UP