...

特集 新春対談 人を活かし まちを育む

by user

on
Category: Documents
20

views

Report

Comments

Transcript

特集 新春対談 人を活かし まちを育む
特集 新春対談
の暮らしの充実などがそう
と 思 う ん で す。ま ち や 市 民
さんが持っている。
それ以上の力を市民のみな
です。
行政は、これらの力をど
う合わせていくかにあると
思うんです。
谷井 市民のみなさんの力を
活用するには、単に仕事を
なので、
行政にも、
この
﹁経
営﹂という考え方は、非常に
える 市 長 には、これか ら 本
担 っ て も ら う の で は な く、
大 事 な もので、三 期 目 を 迎
格的に市の経営をしていた
市長を中心に、行政がリー
ばならないと思います。
ダーシップを発揮しなけれ
だきたいと思っています。
中田 行政サービスもコスト
意識を持って行わないとだ
なので、いかにして市民の
ストがかかり、
非効率です。
谷井 市の経営は、行政だけ
で全てをするのは非常にコ
﹁ 経 営 ﹂に つ な が っ て い く
これが、行政の効率という
行 政 と 一 緒 に や っ て い く。
気なかたの﹂
にするために、
めですね。
みなさんを呼び込んでいく
行政のリーダーシップの
も と、市 民 そ れ ぞ れ が﹁ 元
業のトップとしての経験を
かが問題になります。
社︵旧松下電器産業株式会社︶
変わりを見ていただいた谷
中田 そ う で す ね。行 政 は、
市民のみなさんからいただ
い た だ い て い ま す。私 が 市
中田 今は、市民のみなさん
も本当にがんばって動いて
長になったころとは大違い
いた税金と、職員という力
を 持 っ て い ま す。で す が、
企業でも、社長が何か良
いことを言っても、実際の
井さんに、いろいろなお知
ちょっと前に、証明書をも
商品がだめだと﹁お前とこ
恵をいただけたらと思いま
ら い に 市 役 所 に 来 た と き、
の商品どやねん﹂とか言わ
特別顧問の谷井昭雄さんをお
窓口が混んでいたので、通
れ ま す よ ね。逆 に 商 品 が 良
招きし、市政運営や地域ブラ
中田 ﹁ 交 野 の 良 さ ﹂と は 何
なのかは、みなさんそう変
路の椅子に座って待ってい
かったり、
店員が親切だと、
きな違いとして、
企業は
﹁儲
け る ﹂、い わ ゆ る 利 益 を 上
げるための経営をしていま
す が、行 政 に は﹁ い く ら の
物差しがないんですよね。
儲け﹂という分かりやすい
た、4 月から新しい総合計
周 年 を 迎 え ま す。ま
画が始まるなど、交野が新
しい時代を迎えた中、大企
です。
今までの8 年間は、とに
かく財政を何とかしなけれ
ところを見つけ、それを磨
立って、交野の本当に良い
期目のこれからは、先頭に
こ と を 抑 え て き ま し た。三
史 ﹂や、少 し 抽 象 的 で す が
﹁ 自 然 ﹂で す。ほ か に は﹁ 歴
自分自身を育ててくれた
交 野 で ま ず 思 い つ く の は、
良さ﹂
を打ち出すことです。
谷井 ﹁ ブ ラ ン ド ﹂と い う の
は、やはり独自性、
﹁交野の
い て 新 し い も の を 作 る。そ
﹁ 人 情 ﹂と い っ た も の が あ
ると思います。
谷井昭雄さん
交野生まれ交野育ち。現在 82 歳
1986 年に、松下電器産業㈱(現パナソ
ニック㈱)の社長に就任し、1993 年に
相談役就任。現在は、同社の特別顧問を
務める。
ています。
ういう作業をしようと思っ
ばという思いで、やりたい
地域ブランド
でも、分かりにくいです
が、行政にも﹁儲け﹂はある
施行
中田 昨年は第二京阪道路が
開通し、今年は 月に市制
経営とリーダーシップ
きました。
中田市長と対談をしていただ
谷井 そのために、私は市長
がどんどんリーダーシップ
わらない価値観として持た
ま し た。そ う す る と、女 性
谷井 あ り が と う ご ざ い ま
す。ま ず、行 政 と 企 業 の 大
を発揮し、みなさんを呼び
職員がさっと出てきて﹁ど
私 の 体 験 談 で す が、
﹁あんたのとこの商品ええ
社 長 が 何 も 言 わ な く て も、
かけてくれたんです。
ね﹂とか﹁親切やね﹂と言わ
れます。これこそが、
﹁ブラ
ンド﹂なのです。
中田 確かに、市民のみなさ
んの行政に対する目も変
わってきましたし、職員も
んからも、そういうお言葉
ようになってきました。
市民の目線に立って考える
をいただけるようになりま
した。
谷井 私は、極めて素朴なこ
とですが、こういう心遣い
の 積 み 重 ね が﹁ ブ ラ ン ド ﹂
だと思っています。
ます。
︵次ページに続く︶
﹁ 品 質 管 理 ﹂な の だ と 思 い
をしていくことが、行政の
こういう相手の気持ちに
なって、一つひとつの対応
中田 あ り が と う ご ざ い ま
す。最 近 は、市 民 の み な さ
した。
だったので、感銘を受けま
せんが、私は初めての体験
今までもこういうサービ
スをしていたのかもしれま
んなご用事ですか﹂と声を
れていると思います。
す。
わけです。
持たれ、交野の戦後の移り
交野生まれ交野育ち。現在 63 歳
2002 年に交野市長に就任し、昨年 9 月、
3 期連続の当選を果たす。
ンド、人材育成などについて、
今年の新春対談は、交野市
在住で、パナソニック株式会
中田仁公 市長
込んでもらいたいと思って
11
23.01.01 (2)
(3)23.01.01
40
います。
谷井
た に い あ き お
活かし
育む
人を
まちを
特集 新春対談
谷井 私が若いころ、創業者
の松下幸之助氏に言われた
言葉があります。
んです。
中田 ﹁ 草 食 系 ﹂と い う 言 葉
が日常的に使われるように
競争精神は必要ですね。
こ ろ は 主 張 す る。そ こ で の
現するために、主張すると
とですが、自分の理想を実
をできるようにしました。
生がパソコンを使って授 業
レビとパソコンを設置し、先
中学校の普通教室に大型テ
思 い や る。こ れ は す ば ら し
谷井 日本人は外国の人に比
べ、優 し く 親 切 で、相 手 を
市長に、人を育てる﹁教育﹂
ま せ ん。そ の た め に も 私 は
で海外と勝負しないといけ
いるのは、府内では交野だ
れだけの教育環境を整えて
食を実施していますし、こ
す。以 前 か ら 中 学 校 ま で 給
なりまし た ね 。
に、創業者が﹁今、品質管理
い国民性だと思うのです
に力をいれるようお願いし
当時、技術者として品質
管理に力を入れていた私
で一生懸命やってくれてる
が、したたかさやたくまし
谷井 日本は資源のない国で
また、今年は同じく普通
すから、
﹁人﹂や﹁科学技術﹂
教室にエアコンを設置しま
け ど な。君、品 質 管 理 は 大
さに欠け て い ま す 。
じん
教育はすぐに成果のでるも
谷井 府の橋下知事も、教育
に は 力 を 入 れ て い ま す ね。
したので、それも考えてい
若い職員から提案がありま
を 生 か し て で き な い か と、
林業体験など、交野の環境
のではありませんが、ぜひ
ばれる環境は作りました
に、
﹁教育環境を整え、がん
私は教育委員会や先生たち
を 言 わ な い も の で し た が、
非常に良くて住みやすい。
阪道路も通って交通の便も
駅が6 つもあるし、第二京
自 然 環 境 が あ る。市 内 に は
これだけの教育環境を整
えて、なおかつこれだけの
よ ﹂と い う 形 で、期 待 を 込
めて、投げかけていこうか
と思っています。
他 に は、今、子 ど も た ち
が消防士やアナウンサー
などの職業体験ができる
谷井 市 民 の み な さ ん に は、
そういうことが一番大事な
い る そ う で す。こ れ と 同 じ
があって、すごくはやって
ドですね。
それこそ最高の地域ブラン
﹁自然環境と教育環境が
良くて、住みやすいまち﹂
。
ことです。
ようなことを、農業体験や
﹁ キ ッ ザ ニ ア ﹂と い う 施 設
す。
これを交野の特色として
売り出そうと思っていま
中田 今まで市長というのは
教育に関してはあまりもの
ます。
けなんです。
教育のまちづくり
くて、住みやすいまち﹂を、
第二京阪道路
お願いします。
たいと思います。
事やけど、その前に大事な
のは﹃人﹄質管理やで﹂と言
われました。
稼 が な い と い け ま せ ん。今
でも、
﹁豊か﹂になるため
には、仕事をしてしっかり
や っ ぱ り﹁ 人 ﹂を 大 事 に
すること、そして人を活か
の時代、国際的な競争は避
中田 教育が大事だというの
は 私 も 同 じ 思 い で す。私 も
競争に負けないよう頑張
る こ と で す。ま た、競 争 し
発信していこうと思ってい
これからは﹁教育環境が良
ながら外国との協力も大切
昨年の4月には、市立小・
ます。
なことで す 。
けられま せ ん 。
すことが大切なんです。
人を育む
谷井 最近、日本全体に元気
がなくなっているように感
じ ま す。不 景 気 で 豊 か さ が
中田 人との調和は大事なこ
大型テレビとパソコンを使った授業
(ICT 授業)
なくなってきたことも原因
でしょうが、人に意欲がな
くなってきているんです。
ここ 年、日本からアメ
リカに留学する学生が半減
を考え、断る人の方が多い
のですが、今は家庭のこと
言ってくれる人が多かった
え、率先して﹁やりたい﹂と
仕事でも、昔は海外勤務
はエリートへの近道だと考
では増えています。
していますが、中国や韓国
10
23.01.01 (4)
Fly UP