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Title 韓国における民主政治の実態( Abstract_要旨 ) Author(s) 閔, 寛植

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Title 韓国における民主政治の実態( Abstract_要旨 ) Author(s) 閔, 寛植
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韓国における民主政治の実態( Abstract_要旨 )
閔, 寛植
Kyoto University (京都大学)
1963-03-23
http://hdl.handle.net/2433/211014
Right
Type
Textversion
Thesis or Dissertation
none
Kyoto University
【 14
「
氏
寛
かん
関
ぴん
1
植
しょく
士
学 位 の 種 類
法
学 位 記 番 号
論
学位授与の 日付
昭 和 38 年
学位授与 の要件
学 位 規 則 第 5 条 第 2 項 該 当
学 位 論 文 題目
韓 国 にお け る民主 政治 の実態
学
法
博
博
第
4
号
3 月 23 日
(主 査)
論 文 調 査 委員
し ー
教 授 .長 演 政 毒
論
文
内
教 授 猪 木 正 道
容
の
要
教 授 福 島徳毒 郎
旨
この論文は, 8 ・ 15解放か ら1960 年 の 4 月革命 にいた る韓国政 治の, 特 に, 李承 晩の 13年間にわた る独
裁 の政 治過程 の研究であ って, 新興国家 におけるデモ クラシーの問題 につ いてのケース ・ スタデ ィ的 な意
味 を ももつ ものである。 B 5 版 , 240 ペー ジの論文で, 本論 5 章 と付録 とか らな っているO
著者 は, まず, 第 1 茸 「序論」 において, 本論文執筆 の動機 と, その構成 の大要 を述べたあ と, 第 2 章
「韓国政 治における権力 の諸様相」 において, 権力者層 の行動様式 を中心 と した, 韓国政 治の諸特徴 を究
明 している。 ここでは, は じめに, 韓国政 治においては, 歴史的 に内的要 因よ りも外的要 因の占める比重
が大 きいことを明 らか に したのち, 李承晩政権がその権力を永続 化す るために行 な った, 不法な憲法改正
の企て, 選挙不正, 言論 の弾圧, 集会 の 自由侵害 の数 々を, 豊富 な資料 を駆使 してあ とづ けなが ら, 李承
晩政権 の独裁的側面 を明 らか に している。 さ らに, 李承 晩失脚後, 国民の圧倒的多数 の支持を うけて権力
を掌握 した民主党政権 によ って制定 された 「反民主行為者公民権制限法」 を分析 し, 韓国政治にみ られ る
特徴 の一つは, 政府権力の政 治的非寛容 の悪循環 にあると述べている。
第 3 茸 「韓国政 治における政党」 においては, 8 ・ 15解放後, 政 治的空 自状態 のもとで乱立 した雑多の
群小政党 が 自由党 と民主党の二大政党制 に陶汰整理 されてい く過程 と, 代表的 な革新勢力 として重要 な役
割 を演 じた進歩党 の没落過程 を跡づ けなが ら, 韓国政党制の性格 とその特殊性 を究明 しているO そ して,
李承 晩の独 裁的性格 と, 伝統的に派閥抗争 を好んだ国民性 は, 反共 を国是 とす ることと相 まって, 韓国政
党 の近代化を阻害 し, 特 に, 社会主義政党 の組織運動をほ とん ど不可能 に した, と結論す る。 さ らに, 韓
国 においては, 外的要 因に変化のないか ぎ り, 将来 において も, 保守革新 の対立 とい った二大政党制 の実
現 は望みがた く, 政党間における対立 は, 理 念の対立 とい うよ りは, む しろ, 派閥抗争 の形態 を とる可能
性 が濃厚であろう, とい う展望をお こな って いる。
つ ぎに第 4 章 においては, 第 2 章 における考察 を うけて, 李承 晩の独裁を可能 な らしめた諸要 因を究明
す るために,
「韓国国民 の政 治的行動様式」 が, 選挙統計 と実態調査 の資料 を利用 しなが ら, 同時 に, 韓
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国の歴史的伝統, 国際政 治の影響 にまで掘 り下げて分析 されている。
最後に, 第 5 章 「結論」 において, 4 ・ 19革命は, 一応 は民主主義の勝利 を意味 して はいるが, 韓 国民
主主義 に とって最大 のマイナス資産は, 独立後 13年 間 に未 だか って, 政権 の平和的交替 を経験 した ことが
ない点 にある, と結 んでいる。
なお, 付録には, 国連韓 国臨時委員会設 置に関す る決議, 憲法改正 日誌, 主要政党綱領, 進歩党事件最
終審判決文 など26 の貴重な資料 が収録 されている。
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
李承 晩政権 の下 における独裁政 治の実態 を もっとも信薦すべ き原史料 にもとづ き, 実証的に叙述 した点
において, また この独裁の政 治過程 を政 治学的に解 明 した点 において, 本論文 は, 大 きな学問的価値 を持
っている。 特 に民主政 治を擬装 した李政権が不正選挙, 言論 および集会 の 自由の圧迫等種 々の方法を用い
て, 世界 の政 治史上 にも類例を見 ない暴政 を行 な った事実 を解 明 している部分 と, 韓 国におけ る政党 の特
殊性 な らびに韓 国国民の政 治行動様式 の特徴 を綿密 に考察 している部分 とは, 単 に韓 国現代政 治史 の学問
的研究 に先鞭をつけたばか りでな く, 独裁政 治一般 の政 治学的研究 にも絶大 な寄与 をな した もの と認め ら
れ るO よ って本論文 は法学博士 の学位論文 と して価値 あるもの と認め るO
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