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生き生きとした子どもたちの今を伝える - e

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生き生きとした子どもたちの今を伝える - e
「平成 25 年度 公益財団法人 e-とくしま推進財団 調査・研究事業」報告書 生き生きとした子どもたちの今を伝える ∼ICTによる特別支援学校の活動紹介∼ 平成 26 年 1 月 四国大学 目次 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1.1 背景と必要性 3 1.2 目的 4 1.3 内容 5 1.4 事業主体と事業者間の連携 5 2.事業の新規性と事業の効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 2.1 新規性・独創性 6 2.2 事業による効果 6 3.特別支援学校の動画制作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 3.1 特別支援学校の現状 8 3.2 動画のコンセプトとその内容 11 3.3 撮影 12 3.4 編集 15 3.5 動画の成果物 16 4.NFCアプリシステム開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 4.1 スマートフォン/タブレットにおけるアプリ開発の現状 17 4.2 Ruby をベースにした Rhodes の特長 17 4.3 NFC アプリを Rhodes で開発することについて 18 5.おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 1
概要 2
1.はじめに 1.1 背景と必要性 「ノーマライゼーション」が叫ばれて久しい。ノーマライゼーションとは、社会で日々
を過ごす一人の人間として、障がいのある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生
きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指すものである。現在の地域の活力であり、次
代を担う若者に目を向けると、徳島県では「とくしま特別支援トータルネットワーク事業」
として、特別支援教育支援体制の充実や地域との交流促進、地域で子どもたちを育てる仕
組みづくりなど、行政と地域住民が協働し、多岐に渡る取り組みがなされてきた。しかし、
多くの県民が、支援学校がどういった学校であり、子どもたちがどのように学習をしてい
るかを知らずにいるのが現状である。特別支援学校に対して地域が果たすべき役割として
は、誤った知識や偏見をなくし、障がいを持つ子どもを正しく理解することが挙げられる。
そして、互いに支え合う社会の形成のために、支え合う心が育まれてこそ、人が生き生き
とし、地域が元気になるであろうと考えられる。
また、近年の情報社会を取り巻く環境は急速に変化してきている。これまで、個人は情
報を受ける側であり、企業や団体などが情報を発信する側であった。しかし、現在では SNS
などの急速な普及に後押しされる形で、個人も容易に情報を発信することができるように
なった。この状況下では、流通情報量と消費情報量の格差がますます広がり、発信をした
ものの、消費されない情報が年々増加していくこととなる。さらに、多機能型の携帯電話
に加え、スマートフォンやタブレットの普及によって、わが国のモバイルインターネット
の普及率(図 1)は、90%に迫る勢いで増加し、世界の中でも先進的な地域であることが
わかる。このように、インフラ整備やツールの多様化等により、ユビキタス社会が現実の
ものになりつつある。この状況下で、如何に魅力的で説明力のある情報を手に入りやすい
形で提供するかということが、情報発信時のキーポイントとなる。ここに、動画の持つ訴
求力の強さが有効となる。動画は、静止画やテキストに比べると圧倒的に情報量が多く、
制作者の意図を的確に伝えられるため、能動的な情報受信者、受動的な情報受信者、両者
どちらにとっても、有用な手段である。
つまり、わが国における現在の社会において、ノーマライゼーション促進のために、ま
た、地域を元気にするためには、ICT の活用が非常に大きな意味を持っている。障がいを
持った子どもたちを支え合えるようなあたたかい社会をつくる足がかりとして、特別支援
学校に関する心と心が通った動画を制作し、手に入りやすい形で情報発信を行うことが求
められている。
3
※ 総 務 省 : 平 成 24 年 版 情 報 通 信 白 書 よ り 引 用 総 務 省 : 情 報 通 信 産 業 ・ サ ー ビ ス の 動 向 ・ 国 際 比 較 に 関 す る 調 査 研 究 図 1. モバイルインターネット普及率 1.2 目的 本事業では、先述の状況を鑑み、次のことを目的とする。
1. 特 別 支 援 学 校 の 日 々 の 学 習 や イ ベ ン ト な ど 、 地 域 住 民 に 支 援 学 校 を わ か り や す
く説明する動画の制作・配信
本事業では、徳島県内でも特に重度の障がいを持った子どもたちがたくさん在籍し
ている「徳島県立ひのみね支援学校」をケーススタディ地域とする。このとき、動画
に関しては制作会社などプロに委託することも考えられるが、大学生が撮影すること
で、特別支援学校の子どもたちと大学生の心と心の触れ合いや、動画制作を生業とし
ていないからこそ捉えられ感じることができるものがあると考えられる。そこで、学
校のありのままの姿を表現することを目指すため、大学生が制作することとする。ま
た、制作した動画をインターネット等を通じて配信する。
2. N F C ア プ リ の シ ス テ ム 開 発
近年はスマートフォンや携帯電話等を用いて QR コードを読み取り、様々な情報を
入手できるようになった。QR コードは数字のみならず、英語や日本語、多言語に及ぶ
情報を格納することができ、我々は、専用のアプリを起動し、撮影しさえすれば、そ
の情報を得られる。とはいえ、先述のように、読み取る際に専用アプリを起動する必
要があるとか、撮影についても焦点を合わせるのに手間取るなどの問題を抱えていて、
高齢者や障がい者にとっては使い易いとは言えない。本事業ではこれらの問題点を解
決する 1 つの手段として、NFC アプリに着目をする。スマートフォンなどの対応機種
をかざすだけで、情報を得られることより、先に指摘した現状の課題を解決できるも
のである。
4
1.3 内容 本事業の内容は図 2 の通りである。
図 2. 本事業の内容と流れ 1.4 事業主体と事業者間の連携 本事業は、「四国大学経営情報学部メディア情報学科」及び「徳島県立ひのみね支援学
校」、「特定非営利活動法人 学校ICTサポーターズ」、「特定非営利活動法人 AUX」
の 4 事業者と、特別支援教育を専門とする四国大学児童学科、前田宏治講師をアドバイザ
ーに(4 プラス 1)者体制で行うものである。この(4 プラス 1)者間は、直接会って行う
会議や撮影等の他、テレビ会議を行
うとともに、メーリングリストの作
成、SNS の活用等により、空間的に
離れている場所でも、ICT の活用を
行い、より密に連携を行っていく。
図 3. 事業者間の連携体制 5
2.事業の新規性と事業の効果 2.1 新規性・独創性 新規性や独創性は以下の点に存在する。
○ 特別支援学校の動画制作について、これまで支援学校と大学、さらにNPOが協働で
行った例は、みられない。これらの主体が連携することにより、支援学校の内部か
らみた学校や子どもたちの姿、伝えたい情報のみならず、外部からの様子や知りた
い情報を提供することが可能となる。
○ 特別支援学校の動画配信について、これまで、地域社会への理解と、ノーマライゼー
ション及びそれを越えたあたたかい社会の醸成を目指した内容の動画は例がない。
○ 大学生が主体となってNFCアプリシステムの開発を行った例は、あまりみられず、
特に徳島県で推奨されている Ruby を用いたシステム開発を行うことが特徴であり、
マルチプラットフォームに対応した汎用性のあるアプリとするため、拡がりがあり、
徳島県独自のICT活用の推進にもつながる。
○ Ruby ベースのアプリシステム開発ができる人材を育成することは、現状で、これら
のアプリ開発が徳島県外に委託発注されていることを鑑みると、県内で仕事を受け
られる機会を増大させるとともに、経済的な発展ももたらすものであると考えられ
る。
2.2 事業による効果 本事業により、以下のような効果が期待できる。
1 . 特 別 支 援 学 校 、障 が い を 持 つ 子 ど も た ち 、障 が い へ の 正 し い 理 解 の 浸 透 が 促 進 さ
れ る 。 本事業で製作・配信した動画を見ることによって、特別支援学校がどのような施設で
あり、どのような教育、サポート、サービスを行っているかが理解できる。また、障
がいを持つ子どもたちや障害そのものへの正しい理解が得られる。これは、地域住民
への理解の促進に加え、これから特別支援学校に入学しようとする子どもとその家族、
また、特別支援学校で働く先生に対してもその効果が期待できるものである。 2 . 身 近 な 端 末 を 用 い た 、 よ り 利 便 性 の 高 い 情 報 提 供 シ ス テ ム の 運 用 が で き る 。 近年の主流であるQRコードを用いた情報発信(入手)での課題点である煩雑さを解
6
消するために、NFCアプリを開発する。本アプリを用いることで、機器の操作が苦
手な人も含め、誰もが容易に情報を入手することができるシステムを運用することが
可能となる。現時点でNFC対応のスマートフォンやタブレットは限定されているが、
近い将来の「i phone」「i pad」へのNFC対応も期待される。そのためには、マル
チプラットフォームを指向する必要があり、本事業では、Ruby 開発の人材育成を行う
ことも非常に大きな意味を持つと考えられる。また、本システムは、本事業で用いた
動画への適用のみならず、幅広く適用可能なシステムとなるため、本システムの使用
により、多岐に渡る分野での展開が期待できる。 3 . 互 い に 支 え あ う 心 を 育 む こ と が で き る と と も に 、そ れ を 実 現 す る 地 域 社 会 の 醸
成 に 貢 献 す る 。 特別支援学校や障がいを持つ子どもたちへの正しい理解と地域住民が果たすべき役割
や、地域住民としてできるサポートが理解できることによって、特別支援学校に在籍
している児童生徒と地域住民が互いに支えあおうと思う心を育むことができる。そし
て、これが地域全体に広がっていくと、ノーマライゼーションを越えた、あたたかい
心を持ったあたたかい地域社会を形成することにつながる。 4 . I C T を 活 用 す る 人 材 の 育 成 が で き る 。 動画の撮影編集、配信及びアプリシステムの開発を四国大学メディア情報学科の学生
が行うことにより、それらの分野に関する教育効果が見込めるとともに、人材の育成
につながる。さらに、その成果を発表することにより、より多くの人にICTの活用
方法を提案するものである。特に、先述のように、徳島県が推奨している Ruby を活用
したシステム開発を行うことができる人材の育成は、今後の徳島県のICT分野で多
大な貢献をすると考えられる。徳島県内では、Ruby ベースのアプリシステム開発がで
きず、県外に委託、発注されているのが現状であり、徳島県内でその業務を遂行でき
るようになることは、徳島県の経済的発展、技術的発展、雇用の場の創出など、多く
の効果が期待できる。 7
3.特別支援学校の動画制作 3.1 特別支援学校の現状 3.1.1 特別支援学校と特別支援教育 文部科学省によると、特別支援学校とは、障害の程度が比較的重い子どもを対象として
専門性の高い教育を行う学校として位置づけられている。幼稚園から高等学校に相当する
年齢階層に応じた教育を、特別支援学校のそれぞれ幼稚部、小学部、中学部、高等部で行
うこととしている。視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱、身体虚弱を対象
としており、専門性を活かした特別支援教育が行われている。
現在わが国において、特別支援学校では、以下の図 5 に示すような内容で特別支援教育
が行われている。
図 5. 特別支援学校での特別支援教育の概要 ※ 文 部 科 学 省 初 等 中 等 教 育 局 特 別 支 援 教 育 課 : 特 別 支 援 教 育 , 平 成 19 年 4 月 .パ ン フ レ ッ ト よ り 抜 粋
平成 19 年 4 月に施行された改正学校教育法において、特別支援学校のみならず、幼稚園、
小学校、中学校、高等学校、中等教育学校の通常の学級に在籍する発達障害のある子ども
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を含めて、障害により、特別な支援を必要とする子どもたちが在籍するすべての学校にお
いて特別支援教育が実施されることとなった。また、同時に、これまで「盲学校」「聾学
校」「養護学校」の名称が用いられていたが、「特別支援学校」に名称変更されるととも
に、複数の障害種を対象とすることができるようになった。表 1 には、文部科学省による、
特別支援学校の在籍幼児児童生徒数を示す。
表 1. 特別支援学校の在籍幼児児童生徒数(人)‐国・公・私立計‐ 平成 24 年 5 月 1 日現在
このように、特別支援学校における教育の重要性が高まっている状況下で、徳島県内に
は、11 の特別支援学校が存在している。本事業では、広く特別支援学校のことを知っても
らうため、特別支援学校に関する動画を制作するが、このとき、比較的重度の障害を抱え
る児童生徒が在籍している「ひのみね支援学校」を対象とする。
図 6. 徳島県内の特別支援学校 ※ 徳 島 県 立 総 合 教 育 セ ン タ ー の HP よ り 引 用 ” http://www.tokushima-ec.ed.jp/special_support/school.html”
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3.1.2 ひのみね支援学校 ひのみね支援学校は、児童福祉法による県立ひのみね学園開設に伴い、昭和 34 年に北小
松島小学校、小松島中学校分教室が設置され肢体不自由教育が開始されたことによって始
まった。昭和 60 年には徳島県立ひのみね養護学校として独立し、平成 22 年の校名変更に
より、現在の徳島県立ひのみね支援学校となった。
ひのみね支援学校には、平成 25 年度現在で表 2 のように、計 57 名の児童生徒が在籍し
ており、児童生徒の特性に応じて、訪問教育を行っている。
表 2. ひのみね支援学校の在籍幼児児童生徒数(人) 平成 24 年 5 月 1 日現在
ひのみね支援学校では、普段の授業に加え、多くの行事が行われている。8 月の防災キ
ャンプ、9 月の体育祭、10 月の修学旅行、11 月の文化祭を始め、交流会やなかよし会など
が行われ、積極的に地域と関わり、地域や保護者に開かれた学校を目指している。また、
一人ひとりのキャリア発達を促す教育プログラムを実践し、感動と癒しの体験に繋がる事
業づくりを行っているところである。さらに、障がい児にとって災害時の避難などは工夫
が必要であるため、防災管理と防災教育の推進にも努めている。
地域住民においては、このような学校の現状を知らない人も多く、また、在籍している
児童生徒がどのような子どもたちの様子や障がいそのものの理解も十分とは言い難いのが
現状である。
そのため、本事業における動画の制作においては、学校の施設や普段の授業風景やイベ
ントを、これまで特別支援学校についてあまり知らない学生が撮影・編集を行うことによ
り、特別支援学校に関する知識がない人の目線に立った動画を制作することを目指してい
る。
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3.2 動画のコンセプトとその内容 3.2.1 目的意識の統一 動画の撮影及び編集を行う四国大学の学生を中心として、動画のコンセプトを決めるに
あ た り 、 資 料 、 HP の 参 照 、 前 田 講 師 の お 話 し 、 メ ー ル で の や り 取 り 等 を 通 じ て 、 ひ の み
ね支援学校について現状や様子の把握を行った。
さらに、平成 25 年 6 月 28 日、ひのみね支援学校で、学校内の施設の見学や学校の状況
について説明を受けた。このとき、動画のターゲット(対象者)や動画で伝えたいことを
具体的にディスカッションし動画の大まかなコンセプトを決定するとともに、事業者間の
連携の方法についても検討を行った。
図 7. ひのみね支援学校内の施設見学 事業者間のディスカッション、学生による動画制作のプロジェクトチームでの再検討を
経て、以下のような内容で動画の制作を行うこととした。
○ ターゲット(対象)
・地域住民
・特別支援学校への入学を検討している方々
・教職員として新たに特別支援学校に赴任する方々
○ テーマ(伝えたい内容)
・学校概要、学部概要、沿革など学校自体の紹介
・子どもたちの生き生きした表情、学校生活(日常とイベント時)
・特徴ある施設の紹介
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3.3 撮影 実際に撮影を行う前に、ロケハン(ロケーションハンティング)を行った。体育祭、文
化祭、日常の授業風景等は、教室や体育館など、すべて屋内での撮影である。ロケハンで
は、どこにカメラを据え、どのように撮影を行っていくか、照明はどのようであるか、当
日はどのようなことが予想されるか等の具体的項目について、事前に現場で確認を行い、
それに基づき、必要な機材等を準備し、対策を講じた。 3.3.1 体育祭の撮影 平成 25 年 9 月 28 日に開催された体育祭の撮影を行った。体育祭は、体育館で行われ、
カメラを上 2 台、下 2 台に割り振り、4 台それぞれにカメラマンとアシスタントを配置し
た。今回の撮影は記録映像ではない(本事業における他の撮影も同様)ため、4 台とも長
回しはせず、また、必要な画を撮るために、自由に動いて撮影を行った。
図 8. 体育祭の風景・撮影風景 ○ 撮影をしたカメラマンの声(四国大学学生)
・工夫を凝らした競技内容はどう撮れば伝わるのかなど、考えながら撮影したので、そ
の点は難しかった。
・改めて人を撮影するのが難しいと感じた。
・みんな明るい笑顔で楽しそうだった。
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3.3.2 文化祭の撮影 平成 25 年 11 月 9 日に開催された文化祭の撮影を行った。文化祭は、出し物等の発表会
が体育館で行われ、カメラを上 2 台、下 1 台に割り振り、3 台それぞれにカメラマンとア
シスタントを配置した。また、展示品やお店の出店は各教室で行われたため、1 台のカメ
ラが各教室を回った。こちらもカメラマンとアシスタントが担当した。
体育館での発表会は、カーテンを閉め外光を遮断し、体育館のフロアの照明もほぼ点灯
せず、ステージの上からの照明及び下からの照明、スタンド式のカラーホイール付きスポ
ットライトに明かりを頼り、ステージ上のスクリーンにプロジェクターで映像等を映し出
したり、ステージ上で児童・生徒が公演したりするという状況であった。そのため、明か
りには細心の注意を払いながら撮影を行った。
また、展示品等については、照明を用いて撮影を行った。こちらも直接的で鋭い光が好
ましくない場合はトレーシングペーパーで光をやわらかくする等の工夫を講じた。
図 9. 文化祭の風景・撮影風景
○ 撮影をしたカメラマンの声(四国大学学生)
・暗い中の撮影で、アイリスの調節が難しかった。特に、撮影途中でズームを行うとき
アイリスを調整し直す、ステージ上の照明が変化する度に調整し直すなど、工夫すべ
きところが多くあった。
・体育祭と文化祭では全く雰囲気が違って、驚いた。
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・児童・生徒の笑顔が撮られてよかった。
3.3.2 日常の授業の撮影 平成 25 年 12 月 13 日に、日常の授業風景の撮影を行った。各教室での授業風景、スヌー
ズレンルームや美術室などの特別教室を撮影するためのカメラ 3 台に、それぞれにカメラ
マンとアシスタントを配置した。また、このとき、オープニングやエンディングに使用す
るためのイメージ映像の素材についても撮影を行った。
図 10. 日常の授業風景・撮影風景
図 11. 外観などの撮影風景
○ 撮影をしたカメラマンの声(四国大学学生)
・カメラを意識せずに普段通りに授業を受けてもらうことや、生徒の表情をとること等
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を意識して撮影したが、非常に難しかった。
3.4 編集 動画の編集においては、編集ソフト「Edius」でノンリニア編集を行った。先述したよう
に、伝えたい内容は「学校概要、学部概要、沿革など学校自体の紹介」「子どもたちの生
き生きした表情、学校生活(日常とイベント)」「特徴ある施設の紹介」の 3 点であるの
で、これらを前提に撮影してきた素材を用いて編集を行った。
編集の際には、ターゲットに対して如何に伝えたいことを伝えるかということが重要で
あるため、ターゲットの分析を行い、ターゲットに訴えかける動画編集に努めた。また、
つなぎによる視聴者への効果についても考慮し、編集を行った。
図 12. 編集風景 図 13. 編集画面 ・素材の数が多く、選ぶのに苦労した。
・笑顔の瞬間を撮るのが難しく、その素材を探すのが大変だった。
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・楽しそうで動きのある画、きれいに整理された画を選ぶことに努力した。
3.5 動画の成果物 動画の成果物とそれぞれの内容は以下の通りである。「オープニングからエンディング
までの VTR」1 本とともに、体育祭、文化祭、それぞれの施設紹介の VTR をそれぞれ個別
に見られるように仕上げた。
表 3. 動画の内容 16
4.NFCアプリシステム開発 4.1 スマートフォン/タブレットにおけるアプリ開発の現状 PC におけるアプリケーションソフトウェアは、ブラウザ上で動作する Web アプリケー
ションへの移行が進展しているのに対し、スマートフォン/タブレットでは、逆に端末独
自で動作するアプリケーション(いわゆるアプリ)の需要が圧倒的である。その理由は、
端末のスクリーンサイズが小さいことに加え、通信環境に制約があるためで、現状はアプ
リを利用した方が適しているためである。
スマホなどのアプリ開発は、原則としてプラットフォームごとで行う必要がある。例え
ば、Android は Java であり、iOS は Objective-C であるように、ネイティブの開発言語が異
なっている。そのため、同じアプリを Android と iOS に提供するためには、プログラムコ
ードを別々に書かなければならない煩雑さがある。
Business network.jp SPECIAL の Adobe AIR 解説サイト[http://businessnetwork.jp/Portals/0/
SP/adobe1107/]によると、英国 Golden Gekko 社は、商用モバイルアプリの開発費の目安に、
シンプルなアプリであっても Android 向けが 1800∼3000 万円、iOS 向けが 1200∼2400 万
円と試算し、Android と iOS の両方に対応するには、ROI(投資収益率)が厳しくなると容
易に予測されると評している。
そこで、異なるプラットフォームであっても共通にアプリの開発/実行ができる環境が
重要となる。すなわち、クロスプラットフォームに対応できるフレームワークが求められ
ることになる。実際、1 つの共有ソースコードを書けば、あとは各プラットフォーム向け
にユーザーインターフェース(UI)などを最適化するだけでよいといったフレームワーク
は ニ ー ズ が 高 く 、 商 用 ・ OSS と も に 既 に 幾 つ か 活 用 さ れ て い る 。 例 え ば 、 ロ ー カ ル Web
アプリ開発用に PhonGap、Titanium Mobile、Rhodes、マルチプラットフォーム対応ネイテ
ィブアプリ開発用に Corona、Unity、FlashCS5、MonoTouch 等が挙げられる。
4.2 Ruby をベースにした Rhodes の特長 クロスプラットフォーム対応の Rhodes を利用すれば、Android アプリを Ruby を用いて
開発することが可能である。Rhodes とは、Ruby と HTML 及び Javascript で Android や iPhone、
Windows Mobile 向 け の ネ イ テ ィ ブ ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 開 発 を 行 う こ と が で き る フ レ ー ム
ワークである。以下に Ruby 及び Rhodes の特長を紹介する。
○ Ruby とは
Ruby は、まつもと ゆきひろ氏が開発した OSS であり、手軽なオブジェクト指向プ
ログラミングを実現するためのスクリプト言語である。テキスト処理関係の能力等に
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優れ、シンプルな文法と、例外処理やイテレータ等の機構によって、分かりやすいプ
ログラミングが出来ることを特長としている。
移植性が高く、UNIX 上だけでなく、DOS や Windows、Mac、BeOS などの上でも動
くことに加え、他の多くのプログラミング言語と同様に、幅広いサードパーティーの
ライブラリが提供されている。また、日本 Ruby の会、Rubyusergroup.org 、Ruby アソ
シエーション、Ruby ビジネス・コモンズなどのコミュニティがあり、開発者や利用者
の支援を行って、Ruby の普及に貢献している。
徳島県では Ruby を使ったシステムを推奨し、自ら OSS のメリットを活かした自治
体システムを開発・運用し、低コストで質の高い行政サービスを展開している。
○ Rhodes とは
Rhodes は次の特長を有する。
1) マ ル チ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム に 対 応 し た フ レ ー ム ワ ー ク で 、 iOS/Android/Windows
Mobile/Black Berry などのアプリケーションが、すべて一つのコードあるいは非常
に少ない修正で作成することができる。
2) ロジックを Ruby で記述でき、すべてのデータをオブジェクトとして統一的に取り
扱 う こ と が で き る 。 Ruby の ① 動 的 型 付 け が で き る 、 ② シ ン プ ル で 一 貫 性 の と れ た
記述ができる、③可読性や保守性が高い、という特長を活かし、高い保守性と生産
性を維持して継続的かつ俊敏な開発ができる。
3) Ruby スクリプトを直接実行(動的コンパイル)せず、まず Ruby スクリプトを
Ruby1.9 ベースの中間バイトコードへ変換し、そのバイトコードを OS ごとに用意
された RubyVM で実行させる形式を取っており、Apple の定める AppStore の規約
に抵触することなくネイティブアプリケーションとして登録・配布が可能となって
いる。
4) Rhodes の提供する UI は Web View を利用するため、HTML/CSS/Javascript で作成
する。これらの開発は Web アプリ開発経験者にとって参入しやすい。また、jQuery
や jQTouch、Sencha といった様々な Javascript のライブラリを使用する事ができる
ため、Web アプリ開発技術を大いに活用することができる。
5) Web アプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」の思想を継承し、MVC ア
ーキテクチャの採用等、効率の良い開発ができる。
4.3 NFC アプリを Rhodes で開発することについて NFC とは、ソニーとフィリップス(現 NXP セミコンダクターズ)が共同開発し、国際
標準規格として承認された近距離無線通信技術である。日本国内やアジアで普及している
FeliCa や、世界中に普及している MIFARE などの非接触 IC カードの上位互換性があり、
NFC の通信規格を搭載している機器同士が双方向に通信できるため、幅広い活用が見込ま
れている。
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NFC は Near Field Communication の略称で、13.56MHz の周波数を利用する通信距離 10cm
程度の近距離通信に限定され、「かざす」だけで、誰でもが簡単にデータ通信可能となっ
てなる。例えば NFC を搭載した携帯電話を、NFC に「かざす」だけで、目的の動作をさ
せることができる。ただし、その機器固有の動作をどうさせるかは、NFC に何を書き込む
かということに加え、機器がその情報を受け取ってどう動作するかをプログラムしておく
必要がある。携帯電話の代わりに NFC 搭載のスマートフォンやタブレットをかざす場合は、
対象の機器に留まらず、かざした側の情報端末上に固有の動作をさせることもできる。す
なわち、スマホに簡単に情報提供できることは、その利用範囲を無限に広げ、ICT 利活用
の価値を大きく高めることになる。
スマホやタブレット側で NFC の情報を受け取り、固有の動作をさせるためには、その内
容を記述したアプリを動作させる必要がある。そこで、そのアプリ開発を、ワンソースで
記述し、簡単な操作でマルチプラットフォームに対応できるフレームワークとして、Ruby
ベースで動作する Rhodes で開発することとした。
○ かざすと教室紹介動画が流れる NFC アプリ
ひのみね支援学校の特長ある教室の前で NFC タグにスマホやタブレットをかざすと、そ
の教室が動画で紹介されるというアプリを Rhodes で開発する。その手順は、
① 教室の特長的なところを撮影し、20 秒から 30 秒程度に編集する。
② 動画は端的に説明するナレーションと、雰囲気を高める音楽をつける。
③ 作成した動画をスマホ対応サーバに置き、その URL を NFC タグに書き込む。
④ アプリを Rhodes で作成する。
⑤ アプリを端末にインストールする。
⑥ アプリを起動すると自動的に NFC の待ち受けを開始する
⑦ 端末が NFC タグにかざされると、アプリは指定された動画がダウンロードされて
いるかをチェックする。
⑧ 動画が既にダウンロードされていれば、そのまま自動的に再生される。
⑨ 動画がダウンロードされていない場合は、ダウンロード後に自動再生される。
⑩ ダウンロードデータが大きくなり過ぎないよう、不要な動画は自動的に削除される。
⑪ 再生が終了すると自動的に再度 NFC の待ち受けを開始する。
異なる NFC タグにそれぞれ別の動画を指定することで、タグの数だけ紹介動画を自動再
生でき、複数の教室を別々に紹介することができる。また、回線負荷や初回ダウンロード
時の遅延の問題は払拭できないが、一度見た動画であれば待ち時間なく再生が可能となる
メリットは大きい。
○ NFC アプリ
 NFC とメディアプレーヤーを呼び出す準備
Rhodes では、 NFC に限らず各デバイスを使用するための準備が必要で、プロジェクト
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フォルダ直下に配置されている「build.yml」ファイルを開き以下の様に行を追加する。
■ build.yml の編集
1 #sdk: "C:¥Ruby192¥lib¥ruby¥gemes¥1.9.1¥gems¥rhodes-3.0.2"
2 Sdkversion: 4.0.0
3 name: demo
4 version: 1.0
5 vendor: rhomobile
6 build: debug
7 bbver: 4.6
8 Applog: rholog.txt
9 iphone:
10 configuration: Release
11 sdk: iphonesimulator5.1
12 provisionprofile:
13 codesignidentity:
14 entitlements:
15 BundleIdentifier: com.rhomobile.demo
16 BundleURLScheme: demo
17 wp:
18 productid: '991323a0-b78c-012f-2a4d-1040f37b2b30'
19 symbian:
20 uid: '0xe01a67ae'
21 android: # Android 用設定
22 version:4.1.1 #対象とする AndroidAPI のバージョンを設定
23 extensions:
24 - rhoconnect-client
25 - nfc # NFC 機能の読み込み
26 - mediaplayer # メディアプレーヤー機能の読み込み
27 capabilities:
28 - non_motorola_device # Motorola 社製以外のデバイスであることを定義
21-22 行 目 は 、 デ バ イ ス の 設 定 に は 直 接 関 係 が な い が 、 こ こ で
Android の バ ー ジ ョ
ンを指定しておくと、「rake run:android」を行った時に、ここの設定を読み取ってビル
ド が 行 わ れ る 。 立 ち 上 が る エ ミ ュ レ ー タ の Android の バ ー ジ ョ ン も 設 定 に あ わ せ た も
のが立ち上がるので、バージョン番号を変更するだけで簡単に別のバージョンの
Android エミュレータで動作を確認する事ができる。
23-28 行目に追加した部分が、デバイスを使用する宣言である。今回は NFC とメディ
アプレーヤーを使用するため設定に「 - nfc」と「-mediaplayer」を追加している。これ
20
で
、Rhodes から NFC デバイス等へアクセスすることが出来るようになる。
 NFC 機能を呼び出し、待機させる
特 定 の ア ク シ ョ ン が 実 行 さ れ た と き に 、 NFC を 待 ち 受 け る 状 態 に 移 行 し 、 NFC を
検知すると自動的に指定したメソッドを実行させるプログラムを作る。
■ /app/NfcMediaplayer/nfc_mediaplayer_controller.rb
1 require 'rho/rhocontroller' # Controller モジュール
2 require 'helpers/browser_helper' # View で使用するヘルパ
3 require 'nfc' # NFC 用モジュールを読み込む
4 class NfcMediaplayerController < Rho::RhoController
5 include BrowserHelper # ヘルパモジュールの include
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7 def index
8 # NFC の呼び出し及び待ち受け開始
9 Rho::NFCManager.enable
10 # NFC 検知時に呼ばれる callback メソッドを指定
11 Rho::NFCManager.set_nfc_tech_callback(url_for(action: :nfc_tech_callback))
12 render back: url_for(action: :index)
13 end
14 def nfc_tech_callback
15 # 動画ファイルをフルパスで指定し、再生させる
16 Rho::Mediaplayer.startvideo(
17 Rho::RhoApplication::get_base_app_path() + "/public/media/demo.mp4"
18 )
19 end
20 end
21 end
3 行目で NFC のモジュールを使うため require をしている。この記述により Rhodes
の持つ NFC 機能を利用する事が出来るようになる。
9 行目に書かれているコードが、NFC リーダーにカードが接触するまでポーリングを
開始する合図になっている。
この他に、NFC 機能が使えるかどうかを判定するメソッド
Rho::NFCManager.is_supported # true or false
NFC 機能が起動しているかを判断するメソッド
Rho::NFCManager.is_enabled
等があります。
10 行目で「Rho::NFCManager.set_nfc_tech_callback」メソッドを呼んでいますが、この
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メ ソ ッ ド は NFC カ ー ド が 接 触 し た と き に 、 引 数 に 指 定 し た コ ー ル バ ッ ク ア ク シ ョ ン
を実行するメソッドになる。今回の場合は、「nfc_tech_callback」アクションが実行さ
れるという動きになる。
次に、コールバックアクションとして実行される「nfc_tech_callback」を見る。 14 行
目からはじまるこのメソッドは、実に単純に出来ている。「Rho::Mediaplayer.startvide」
メソッドは引数に指定されたマルチメディアファイルを自動的に読み込み、ファイル
を再生する。[資料提供:システム工房エム]
 タブレット、スマートフォンを用いて NFC タグ情報から動画再生
図 14. タブレット 図 15. スマートフォン 使用したタブレット(図 14)とスマートフォン(図 15)、および NFC タグを示す。
NFC タグはいろいろなタイプがあるが、今回使用したのは直径 2.5cm の円形タグ(図
16)と、3.5cm
1.8cm の矩形タグ(図 17)である。
図 16. 円形 NFC タグ 図 17. 矩形 NFC タグ タブレット、スマートフォンを NFC タグにかざすと、アプリが NFC の内容を読み
込み、プレーヤーを立ち上げて再生する。その様子を示したのが図 18 である。
NFC タグはシールになっており、教室の入口に貼っておくことで簡単に準備ができ
る。また、今回は教室紹介の動画を再生するようにしたが、特別な装置や道具に貼っ
ておいて、利用者がその利用方法など知りたい時、スマホなどをかざすことで説明動
画を見ることができるなど、応用の範囲は広い。
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図 18. 動画再生しているタブレット(上)とスマートフォン(下) ○ Rhodes 講習会の実施
今回、Rhodes でアプリ開発を行うことを機に、講習会を学生向けに実施し、開発者と
なる人材を育成することを実施した。講習会は、Ruby および Ruby on Rails の知識があ
る者という条件付きで参加者を募集し、学生 5 名(2 年生 3 名、1 年生 2 名)と教員 4
名の計 9 名が参加した。講師はシステム工房エム(島根県松江市)から落合薫氏を招
き、以下の内容で 5 限から 6 限(16:20
19:30)にかけて実施した。
1) 概要説明
2) Rhodes 開発基礎
3) NFC 開発基礎
参加した学生は、受講した後、機能的で魅力的な言語だけに講習は意義深く、学ぶ価値
があったとか、分かりやすく説明されたので、自分で作る上で参考になりそうだ、などと
いった感想を述べた。また、学生 3 名は、その後の講師との交流会にも参加し、今後も引
き続きアプリ開発のアドバイスをもらえる関係構築もできたようで、学生には大変得難い
良い経験となった。
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図 19. Rhodes 講習会(真剣に学ぶ学生たち) 図 20. Rhodes 講習会の全体 24
5.おわりに 本事業は、「四国大学メディア情報学科」、「徳島県立ひのみね支援学校」、「特定非
営 利 活 動 法 人 学 校 I C T サ ポ ー タ ー ズ 」 、 「 特 定 非 営 利 活 動 法 人 A U X 」 、 「 四 国 大 学
児童学科 前田宏治講師」の事業者で協同して取り組んだ。これにより、目的としている「特
別支援学校の日々の学習やイベントなど、地域住民に支援学校をわかりやすく説明する動
画の制作・配信」及び「NFCアプリのシステム開発」についての成果のみならず、今後
の事業者間の連携についても道筋が得られた。 事業を遂行するにあたり、特に四国大学メディア情報学科の学生は、特別支援学校の現
状を理解するとともに、実際に撮影やディスカッションで、特別支援学校に在籍する児童
生徒、また教職員の方々との関わりを持つことにより、人の心を理解することの大切さ、
人を笑顔にすることの素晴らしさを学んだ。また、動画制作そのものにおいては、撮影す
る現場の状況に応じて、必要な機材や事前準備などについても学習することができた。さ
らに、視聴者に対して、伝えたいことを如何に伝えるかという課題を学生自らが体現する
ことによって、動画制作の技術を学ぶとともに、今後、社会に出たときに役に立つ問題発
見能力・課題解決能力を養うことができた。また、NFCアプリシステムの開発において
は、OSS を活かして如何にアプリ開発を行うことができるかということを学ぶことができ、
特に、徳島県で推奨されている Ruby を用いることにより、汎用性が高いプログラミングの
技術を身につけることができた。 本事業の成果をより広く知ってもらうために、今後も継続的にPRを行っていく。 「公益財団法人 e-とくしま推進財団」の「25 年度 調査・研究事業に選定され、補助
をいただいたことにより、本事業が実現しました。ここに記して、感謝の意を表し
ます。 25
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