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第4章 市民・事業者との 協働の取組み
第4章 市民・事業者との 協働の取組み ■所沢市環境ネットワーク会議委員の所属団体の取組み方針 1 所沢市自治連合会 所沢市自治連合会は、行政及び関係団体との相互補完機能を果たす任意団体として、市の発展及 び地域住民の生活の向上や、コミュニティづくりに寄与し、明るく住みよいまちづくりを進めるこ とを目的として活動している。 主に、環境・地域福祉・防犯・防災・交通の各関係団体と連携した活動を実施しており、環境分 野においては、春・秋の年 2 回市内全域で実施される環境美化活動や花の会をはじめとする環境推 進事業に協力し、「環境にやさしいまち所沢」を目指している。 2 所沢市環境推進員連絡協議会 市内 11 地区において 1,121 名が、市長から委嘱を受け活動している。 「とことん減量、とことん資源化」をキャッチフレーズに、ゴミの発生・排出の抑制(リデュー ス)、再使用、再生利用・資源化(リユース、リサイクル)、いわゆる3Rの推進や廃棄物の適正処 理など環境負荷が軽減される循環型社会の形成に向け、家庭ごみの削減、分別の徹底や資源化に向 けての地域のオピニオンリーダーとしての啓発活動と地域での実践活動を行っている。 《主な事業》 ・春秋の市内全域で所沢市「環境美化の日」一斉美化活動への協力 ・地域の環境美化活動の推進(地域の集積所の環境整備や清掃活動) ・ゴミのポイ捨て、犬のフンの放置、マナーの啓発 ・歩きたばこの防止 ・不法投棄の防止 ・分別、出し方など集積所の適正管理に向けての住民への啓発や指導 ・古着古布や紙資源などの拠点回収の推進 ・これらの活動の中心としてイベントとして「もったいない市」の開催など3Rの推進啓発 ・環境に関わる取組みの調査や研究、他都市の実情の視察研修や環境講演会の開催 ・所沢航空記念公園外周道路清掃活動(市民フェスティバル会場周辺の道路の美化活動) 《今後の課題》 ・市民啓発活動のひとつとして行っている「環境講演会」の充実 ・東部、西部クリーンセンターの施設見学会 ・事業者の団体や、小・中学校の子どもたちとの協働による事業展開 107 3 おおたかの森トラスト 埼玉県西部のオオタカが生息している雑木林を守るため、 (財)埼玉県生態系保護協会所沢支部を 中心として「おおたかの森トラスト」を設立。 開発等により雑木林が滅失していることから、雑木林を残すために、炭焼き、森の手入れ、シイ タケ栽培、森のゴミ拾い、炭を使った川の浄化、 「こどもエコクラブ」等の活動を実施している。 購入した森・借りている森(トラスト地)は、それぞれボランティアにより維持管理をしている。 《今後の課題》 ①再生可能エネルギー 現在、建物の2箇所に太陽光パネルの設置している。今後は、バイオマス発電にも取り組みたい。 ②緑の保全と創出 市内雑木林の保護保全活動や、学校・公園でのビオトープ創出、水辺の保全活動を実施している。 今後は、市内の雑木林の保護とネットワークの形成、学校等の教育施設でのビオトープ創出とネ ットワークの形成に取り組みたい。そのためには、行政と市民の協働や市民への啓発が課題である。 ③ごみの削減・リサイクル フリーマーケットへの参加や、地域子ども会への廃品回収の協力を行っている。今後は、廃食用 油の回収と商品化に取り組みたい。 現在、協力いただける方が少なく、人手不足が課題であることから、ネットワークの形成を通じ て解決していきたい。 4 公益財団法人トトロのふるさと基金 狭山丘陵周辺で土地を買い取るナショナル・トラスト活動を中心に良好な自然環境や文化財を保 存活用するために設立された団体。 狭山丘陵の自然環境保全を目的に、ボランティアによる各種事業を企画・運営している。 平成 24 年 11 月に堀之内地区でトトロの森 18 号地を取得し、12 月には事務所であるクロスケ の家が、国の登録有形文化財建造物に登録された。今後も自然環境保全のためトラスト地の取得を 推進していく。取得したトトロの森を健全な自然として残していくためには里山として維持管理し ていかなければならないため、緑の確保及び緑の質を高め維持していくことが基金の使命と考えて いる。 【活動内容】 *里山管理:狭山丘陵の雑木林や湿地などを、緑豊かな里山として維持するための管理活動 *調査研究:動植物、歴史文化財、狭山丘陵の環境を把握し、管理するための調査・研究 *普及啓発:会報「トトロの森から」の発行、森の清掃活動、散策会などのイベント開催 *ナショナル・トラスト:取得した緑地を「トトロの森」と名付け、雑木林として維持管理 *保護活動:豊かな自然を守っていくため、行政への提言や開発業者への申し入れ *環境教育:狭山丘陵を活用した環境学習支援(学校の授業で使える参考書の発行や講演など) 108 5 糀谷八幡湿地保存会 糀谷八幡湿地は、所沢市の西の端、山林が続く狭山丘陵の北側に位置する。埼玉県が買収した土 地であったが、不燃の粗大ごみなどが投棄されている状態が続いていた。もともとは自然が素晴ら しい場所であったため、学識経験者、地元の代表者等で協議を重ね、昔の里山に戻し、素晴らしい 景観を残すという方針をたて活動を始めた。 当初は田んぼの環境が悪く、水が腐っていたが、水の流れを改善 することによりホタルが発生し、どじょうなどが増加した。現在は、 三ヶ島小学校に呼びかけを行い、田んぼを、子ども達が、人と生物 が環境と共に生きること、生態系を守ることを学ぶ教育の場として 提供をしている。 6 所沢市不老川流域浄化市民団体 不老川は東京都瑞穂町に端を発し、入間市・所沢市・狭山市・川越市を流れ、新河岸川に合流す る延長約 17.0km の一級河川で、昭和 50 年代後半に全国でも有数の汚れた川となった。 平成 3 年に不老川流域(入間市・狭山市・川越市・所沢市)が、水質汚濁防止法に基づく「生活 排水対策重点地域」に指定されたことに伴い、「所沢市河川浄化団体補助金交付要綱」が制定され、 当団体も補助金の交付による支援を受けている。 当団体では、河川の浄化活動のほか、周辺環境の保全活動や、ふるさとウォーク、ミヤコタナゴ 保存会との合同研修会など幅広い地域活動を実施している。 7 ファイバーリサイクルの会 当会は、衣類を焼却ごみとするのはもったいないという考えから有志が集ってできた会である。 古着、古布はリサイクルできることから、市と共催で5年間ボランティアとして回収に参加して きた。現在は、東所沢エコステーションで拠点回収された和服の整理や、年2回リサイクルふれあ い館で行う「和服のもったいない市」の企画・運営の他、和服の再利用の講習会などを主な活動と する。 今後は以下の2点を目標として活動していく。 ①「もったいない市」の認知度を上げ、多くの市民に利用してもらいたい。そのために、市民が 集まりやすい場所・回数・ボランティアスタッフなどを検討していく。 ②当会の活動拠点でもあるリサイクルふれあい館を市民に利用しやすくしたい。 展示など工夫されており、講習会用のスペースも多くあることから、交通の便の改善により、 利用者も増え、活用の幅が広がってくると考えている。現在も、市の行事にボランティアとして 参加し、市との協議を重ねながら、設立の目的である所沢のごみの減量化を推進している。 109 8 NPO木の家だいすきの会 NPO 木の家だいすきの会は、 「森に緑を、住まいに木を」を理念に、以下の3つの活動により、 森の緑の保全を進める。 (1)奥武蔵の森の木を使った家づくりの推進 西川材を始めとする奥武蔵の森の木を使い、職人の手による木と漆喰の家づくりを促進すること で、地域の森の緑の保全を図る活動が本会の第一のミッションである。 具体的には、地域材を使用した木と漆喰の家づくりに関する情報を、一般消費者に提供するとと もに、家づくりの相談にのって、家づくりを支援する活動をしている。会員には一般会員と専門会 員の方がおり、一般会員の中で「木の家」を建てたいという希望者がいた場合、 「専門会員」である 設計者や工務店が家づくりを担うこととしている。 (2)奥武蔵の森と都市住民の交流の推進 <すぎんこプロジェクト> ・所沢市内の児童クラブの子どもとその保護者を対象に、ときがわの森での保全活動とその森の木 を使った木材で、子ども達自身が自分達の生活の場である児童クラブの施設の床を張るワークショ ップを実施している。平成 24 年度現在、市内6ヶ所の児童クラブで実施した。 ・児童クラブ指導員及び埼玉大学浅田教授の参加を得て、 「学童の森・木育ネット」を立ち上げ、児 童クラブで実施可能な、「森とつながる木育プログラム」づくりを進めている。 ・子育てを目的に掲げる地域団体との協働により、森林保全活動と木育活動の支援を行っている。 平成 24 年度は北秋津小学校の北秋津ネット(子育て地域団体 17 団体のネットワーク)を支援し、 西川林業地での森林保全・木育活動と子ども達による空き教室の床張ワークショップをコーディネ ートした。 <森の保育園> レイチェルカーソンの「センス・オブ・ワンダー」の理念を基本に、森の中で子ども達の感性と 創造性を育むため、所沢市内の保育園児とその保護者を対象に、 「森の保育園」活動を実施している。 (3)公共施設の木造化・木質化の技術支援 公共施設の木造化・木質化につては、これまで事実上禁止されてきたため、それを担う建築技術 者が不足している。そうした状況は、埼玉県でも同様で、本会は、市町村等の支援要請に基づき、 公共施設の木造化・木質化に関する技術支援をしている。平成 24 年度は、全国3市町村から依頼 を受けている。 110 9 所沢商工会議所 商工会議所は、業種、業態、規模を問わず、地区内のすべての商工業者の利益を図るとともに、 社会福祉の増進に資することを目的として活動する団体である。 環境と経済は相反するものであり、開発等が行われる際には環境問題に絡んでくるため、市内で、 守っていくべき地域、商業地・工業地とする地域など、長期的なガイドプランのような指針をネッ トワーク会議等を通じて検討していけたらと考えている。 今後も、地域貢献活動及び環境に配慮した企業経営の推進を図っていく。 10 所沢市建設業産業連合会 所沢市建設業産業連合会は、所沢市の建設関係6団体で事業の運営を行っており、現在、建築、 土木、水道、電気、造園、塗装、測量設計など、約 100 社で構成されている。 【建設産業の環境自主行動計画】 環境経営の充実を図る企業経営については、経済的側面・社会的側面に加え、 『環境的側面』に対 し、企業の社会的責任が問われている。近年、建設廃棄物や石綿除去、土壌の汚染などに関する問 題が顕在化し、環境に関する法規制は年々強化されているため、地球環境や地域環境への影響を認 識しながら、環境への法的規制等順守した建造物の計画・設計・施工・改修・解体を通じ、環境負 荷の低減、環境の保全・再生創造などを実践していく。 そのために、 ・環境リスクの低減 ・環境社会貢献の促進 → 環境リスク教育の実施・情報の収集・法規制等チェックリストの作成 → 意識の向上を図り地域の緑化・美化活動への参加と協力、 ・環境ボランティア活動への促進 ・地球温暖化の対策 施工段階に於けるCO2の排出抑制、重機などの小燃費運転や省エネ機器の採用とアイドリン グストップ、事務所・作業員詰所での緑のカーテン実施、冷房の節減等の啓発活動を進める。 ・建設副産物の対策 建設工事による、木材・プラスチック・コンクリート等の再資源化の推進や、処理業界と連 携した中間処理後の再生と、最終処分状況について検証し、混合廃棄物の再分別を実施する。 ・都市部における自然環整備の促進 ・生物多様性の保全に配慮した施工段階における技術・手法の促進 ・環境保全等を考慮した技術・手法の整備と活用の促進 以上の行動計画のもとに、行政や関連業界、環境保全活動を進めている方々のご指導と情報を戴 きながら、建設産業における環境保全と環境への配慮を整備し活動していく。 111 11 リサイクル事業協同組合 市内に事業所を有する再生資源卸売業者が団結し、地域のごみの再資源化及び、不用ビンの再利 用化等、所沢市のごみ処理行政に積極的に協力し、再生資源卸売業者の経済的地位の向上、及び経 営の安定化を図ることを目的とし、所沢リサイクル事業協同組合は設立された。 環境問題が世界的な問題として提起され、ごみの減量・再資源化が、限りある資源の有効利用や 地球環境保全の観点からも重要であることから、所沢市においても、ごみの減量・再資源化を進め るために、資源ごみの選別作業を行っている。 環境基本計画には、ごみの資源化の推進が掲げられているため、資源化率、リサイクル率の向上 に寄与するため、協力したいと考えている。 12 エコ企業ネットところざわ 当会は、市内で事業を営む事業所が業種の枠を超え情報交換等を通じて、資質の向上を図り、環 境に配慮した活動を推進し、地域の環境の保全や改善の一助となることを目的として、研修会や事 業所見学会を実施している。 このような趣旨に賛同した会員事業所では、環境に配慮した事業活動に 取り組んでおり、当会では、今後、会員事業所の「エコな取組み事例」を 取りまとめ、ホームページ等を活用して積極的に情報発信し、会員内外の 事業者に展開していくことにより、地域の環境の保全や改善に役立ててい きたい。 13 西武鉄道株式会社 鉄道事業としての省エネ車両の導入や駅の緑化、里山づくりなどに取り組んでいる。 里山づくりとしては、県や市、NPO 等と協力し所沢の山口地区の菩提樹池の環境を復活させ、ホ タルやトンボ、蝶々などが生息できるよう、生物多様性を広げる事業取り組みの協定に参加し、意 見を交換しながら協働で進めている。 埼玉県が平成7年に開設した「さいたま緑の森の博物館」 (面積 85 ヘクタール)に 40 ヘクター ルを、自然学習の場として県に貸し出している。平成 24 年 8 月 27 日には、生物多様性が豊かな 狭山丘陵の自然環境を未来に引き継いでいくための協定に参加、協定に基づき設置された保全活用 協議会に参加し保全活動に取り組んでいる。なお、協定の参加は埼玉県・所沢市・入間市・公益財 団法人トトロのふるさと基金・西武鉄道の 5 者である。 112