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第202号 - 聖心女子大学

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第202号 - 聖心女子大学
2015(平成27)年 5 月26日
第202号
第202号の主な記事
・‘SHRET’ によるジュネーブ・スタディツアー報告
・新任教員紹介
・平成27年度入学式式辞(学長)/祝辞(来賓)
・東日本大震災復興祈念ミサ
・平成26年度卒業式祝辞(来賓)/謝辞(学生)
・平成26年度卒業生進路状況等
平成 27 年度 入 学 式 式辞
”無関心のグローバル化”の克服を!
聖心女子大学長
岡崎 淑子
新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。皆さんは、
さらにもう一つ、皆さんに是非呼びかけたいのは “無関心
うに見えます。しかし、一人ひとりのバックグラウンドや今
のグローバル化” とは聞きなれないかもしれませんが、これ
望でとても明るい気持ちに満ちている方もあれば、心配ごと
ック教会の指導者として2013年から就任しておられ、特に
ら両方がミックスしているでしょう。また心境も変化してい
の犠牲者等、苦悩する人間に注目されては、こうした問題を
できるだけ大事にして、私達大学の教職員は、指導、支援を
社会における経済のグローバル化のひずみ等から人々が利己
全員が制服姿で入学式に臨んでいらっしゃるので、皆同じよ
のグローバル化” をくい止めよう、ということです。“無関心
の心境は、それぞれ、かなり違っているでしょう。期待や希
は教皇フランシスコの言葉です。現教皇は、全世界のカトリ
や不安で一杯という方もあるでしょう。多くの方たちはこれ
現代世界の様々な社会問題、貧困問題、不平等、戦争や災害
くことと思います。そのような皆さん、一人ひとりのことを
ただ傍観していてはならないと呼びかけておられます。現代
していきたいと考えています。一人ひとりの学生が自分の個
的、内向きな傾向に陥り、他人を省みない無関心が蔓延する
成できるようにと願っています。
己主義を克服するようにと訴えられておられるのです。
今日、スタートを共にする 1 年次生の仲間だけでなく、授業
教育理念とまさに一致するものです。聖心の教育の源泉は、
らの留学生、そして大学の教職員等で構成される、コミュニ
レナ・ソフィア・バラという修道女の教育理念にあります。
ニティーのメンバーと一緒に、いろいろなプログラムや活動
であって、一人ひとりの人間を大切にし、社会との関わりを
り、お互いを認め、尊重しあって関わっていこうという心構
れる人間を育成する、という教育理念です。無関心がはびこ
と積極的に関わっていくことで、自分の視野を広げられるで
り添う社会へ、という教皇の呼びかけと共通なのです。
現代のグローバル化時代、日本社会の中だけでなく、世界
の復旧・復興は、皆さんが大学を卒業して社会に出られてか
という抱負を持っている方は少なくないでしょう。そこで重
はなく、皆さんがこの大学で学生生活を送られる間に、授業
ように受け止め、異質なものとどう付き合っていけるかです。
の問題について学び、深く考えることや、実際にボランティ
方ができる可能性が高いといえます。まずは日常出会う身近
い。“無関心のグローバル化” を少しでもくい止めるには、
互いに尊重し合ってやっていく努力を続けていきましょう。
いこと、そして勇気をもって一歩を踏み出すことです。大学
それを率直に認めていることが基本になると思います。
遠慮することなく 1 年次センターやマグダレナ・ソフィアセ
ことでしょう。本学の特色あるリベラル・アーツのカリキュ
皆さんの校章に刻まれ、校歌でも歌われる “Ubi Caritas,
時間割を作る時、“広い視野を持つこと” につながる科目の選
そこに神がおられる」という意味で、初代学長マザーブリッ
あることは、グローバル化時代、ますます多様化する社会で
側に神様がいつもついていてくださり、健康、安全で、楽し
非努力していただきたいことです。
祈りいたします。もう一度、ご入学おめでとうござます。
性や能力をできるだけ発揮して成長し、大学生活の目標を達
ことに警告を発し、“無関心のグローバル化” をくい止め、利
皆さんは今日から聖心のコミュニティーの一員となります。
“無関心を克服しよう” という呼びかけは、聖心女子大学の
やいろいろな活動でいっしょになる先輩の学生、世界各国か
200余年前にフランスで教育修道会聖心会を創立したマグダ
ティーの一員になるのです。この式が終わると、早速コミュ
すべての人間は神様のもとで一人ひとりかけがいのない存在
が始まりますが、そこで出会う人、一人ひとりの “違い” を知
深め、一人ひとりが大切にされる社会の建設へと働きかけら
えを持つことはとても大切です。そのようにして違う人たち
る社会、人を無視するような社会から、人に関わり、人に寄
しょう。
最後に具体的な例を一つあげましょう。東日本大震災から
の人々と関わってグローバルな活動ができるようになりたい、
らもまだ何十年も続くでしょう。どうかこのことに無関心で
要なカギとなるのは、語学ももちろんですが、“違い” をどの
を通して、災害について、また災害によって顕在化した社会
聖心女子大学は少人数制の大学で、互いの顔が見える関わり
ア活動に参加すること等に関心を向けるよう努力してくださ
なコミュニティーのメンバーの一人ひとりの違いを知り、お
まずは学内でも得られる関連情報に関心を向け、素通りしな
その時、先ず自分自身の可能性や限界、長所や短所を知り、
内ではそういう一歩を踏み出すための支援をしていますので、
自分の視野を広げたい、という望みも多くの方が持ってる
ンター、その他のオフィスを訪ねてください。
ラムもそのために大いに役立ちますから、基礎課程の自分の
Ibi Deus” というラテン語は、
「愛と慈しみのあるところ、
び方を工夫してみましょう。広い視野を持つことに積極的で
トが本学のモットーに定められました。皆さん一人ひとりの
異質な要素を持つ人々と共に生きていくために、皆さんに是
くやりがいのある学生生活を送ることができるよう心からお
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
( 1 )
第202号
聖心キャンパス
平成 27 年度 入学 式 祝 辞
皆さんご入学、誠におめでとうございます。本日この歴史と伝
統ある聖心女子大学の門をくぐり、入学の日をお迎えになられま
したことを心からお祝い申し上げます。またご臨席のご両親様、
ご家族の皆様には心からお慶び申し上げます。
さて、今日からいよいよ始まる大学生活に皆さんは期待ととも
に、不安と緊張を感じられていると思います。聖心女子大学につ
いて、また皆様の歩まれるこれからの 4 年間について、人生の先
輩として、また大学外部の一キリスト教徒として、皆様に参考と
していただきたく、 4 点ばかりのことをお話したいと思います。
1 つは聖心女子大学について、 2 番目に現代社会の状況につい
て、 3 番目に多様性・ダイバーシティの考え方について、そして
最後に一般教養・リベラルアーツの大切さについて日頃考えてい
ることをお話しいたします。
まず聖心女子大学についてですが、私は上智大学の出身であり
ますが、同じカトリック校として、その大学運営の根底にキリス
ト教の人間観があります。私立大学の特徴は、その創立者の信念・
哲学がバックボーンとしてあり、時代とともにカリキュラムは変
わっていきますが、大学そのものの根底に、強固な揺らぐことの
ない精神的支柱があります。それは聖心女子大学の場合は、200
年前に聖心会を創立された聖マグダレナ・ソフィア・バラの教育
の理念であり、その根底には、キリスト教のヒューマニズム・人
間観があります。
「私はたったひとりの子供のためにもこの学校
を建てたでしょう」というソフィア・バラの言葉にすべてが含ま
れています。岡崎学長様はその理想を「女性が学問を深く学び、
広い視野、自立心、判断力、実践力を身に付けて、より良い社会
の再生に貢献できるように」という言葉で表現されておりますが、
この聖心スピリットをこの 4 年間で学んでいっていただきたいと
思います。
聖心スピリットはこの大学でしか学べない教育であり、 4 年後
の卒業時に必ずや皆様の誇りと自信になると確信しております。
なぜなら、それこそが、今の社会が、また時代が必要としている
価値そのものだからであります。
次に今皆さんが住んでおられる、あるいはこれから経験される
であろう現代社会について、考えてみたいと思います。
私が学生の頃、今から50年ほど前ですが、世界のどの地域にも、
ほとんど安全に旅行することができました。今は皆様ご存知のよ
うな状況になっております。
グローバリゼーション、多極化、G ゼロの世界、野蛮な社会
への回帰、文明の退化、等々様々な表現を使って、現代社会の解
釈、説明が行われております。19世紀そして20世紀に人類があれ
ほど自信をもって語った、自由と民主主義、そして平等という西
洋の価値観はどこにいってしまったのでしょうか。なぜ今世紀は、
17世紀の哲学者トマス・ホッブスが述べた「人間の自然状態は闘
争状態にある」という「万人の万人に対する闘争」の時代に逆戻
りしてしまったのでしょうか。
経済ですら、市場の本質は生存競争であると確信している人も
おります。ですからトーマス・ピケティは「21世紀の資本論」で
格差の拡大に警鐘をならしたのでしょう。
21世紀私どもは、
「ホッブス的自然状態」からどうやって人間
らしい世界を取り戻す哲学を展開していくことができるのか、
歴史は常に繰り返すのかもしれませんが、これから皆さんの学ば
れていく 4 年間、聖心女子大学は、人間の歴史と文明について、
またこれから、人類が歩むべき道について、皆さんに示唆に富ん
だ学問を教えてくださると思います。
それでは 3 番目のテーマである多様性・ダイバーシティについ
てお話ししたいと思います。今日のグローバル化した社会におい
て一番大切な概念はこの多様性・ダイバーシティであります。
今私どもがダイバーシティとして主に議論していることは、女
性の問題、障がい者の問題、そして外国人の問題であります。こ
2015(平成27)年 5 月26日
聖心女子大学協力会会長
濱口 敏行
れらのことは、社会で既にかなり叫ばれている課題であり、政治
的にも法制度を含めて、今後数年間の間にさらに具体化されてい
くと思います。特に女性の活躍のテーマは、既に皆さんよくご存
じであり、今後日本の社会もかなり違った状態となり、女性の活
躍はますます進化していくと思います。しかしそれはあくまで、
制度や仕組みの進化のことであり、本当に大切なことは、能力、
経験、人格であり、ジェンダーそのものではないと思います。
私が今日多様性・ダイバーシティのテーマとして強調したいの
は、もう少し広い概念としてのダイバーシティであります。グロ
ーバリゼーションの世界の中での市場、価値観、文化、制度・法
制等の均一化に対する一つのアンチテーゼとしてのダイバーシテ
ィであり、これらの諸問題についてはこれから多くの議論と対話
が求められる未解決なテーマであります。
19世紀と20世紀に人類がとなえた自由と民主主義、平等の諸概
念をさらに高めるための深い哲学的な問いであり、あくまで諸価
値観のバランスに帰着されるのだと思いますが、今後の人類の文
明の深化のために多様性・ダイバーシティの概念は非常に大切な
ものだと思います。
そして今までお話ししてきた事柄を、これから皆さんが学ばれ
ていく基盤として、一番大切なことが、いわゆる一般教養・リベ
ラルアーツの教育であります。
岡崎学長様が言っておられますように、聖心女子大学は創立以
来変わることなくリベラルアーツ教育を堅持している大学です。
そして一般社会でもようやくそのことが認識され始めてきており
ます。
大学というところはもちろん知識を教えるわけでありますが、
それはあくまで、特殊な知識とかテクニック、ハウツーではなく、
その根底にリベラルアーツ、つまり人類の歴史、先人が積み上げ
てきた哲学、思想、倫理等を含めた人として身に付けておくべき
深い教養を学ぶところでなければなりません。この 4 年間皆さん
はできるだけ、高校の受験生活では得られなかった勉学、つまり
古典にふれて、文明の歴史や哲学を学んでいただきたいと思いま
す。
お亡くなりになりましたが、哲学美学比較研究国際センター所
長をなされていた今道友信先生の言っておられた、哲学というも
のは、
「ひとりの人間としての魂の世話を忘れないことだ」とい
う言葉を胸に刻んでください。
皆さんは高校時代には一つの正解のある問題を解くことを求め
られてきました。しかしこれから皆さんの学ばれることには一つ
の正解はありません。複数の最適解はあるかもしれませんが、こ
のような正解のないテーマに取り組むためには、今道先生のおっ
しゃる全体構造をつかめる人間にならなければなりません。19世
紀の詩人ゲーテは総合の人でした。これからの 4 年間「ゲーテ的
総合」を求めて、いろいろな学問を学び、考え、先生、友人と対
話して、ご自分を磨いてください。
皆さんの歩まれていくこれからの時代は、決して平穏無事な時
代ではないかもしれません。私どもも 4 年前にあの東日本大震災
を経験しました。自然災害、社会の変動等、予測されない危機、
リスクがいつどこで起こるかわからない、マグダレナ・ソフィア・
バラの歩まれたあのフランス革命とその後の混乱期と同じような
時代であるかもしれません。
このような厳しい時代にこそ、この聖心女子大学の教える、ソ
フィア・バラやフィリピーン・デュシェン、そしてその他大勢の
シスター達の実践された崇高な精神と愛をもって、皆さんが神様
から与えられたそれぞれの能力を最大限日本のため、世界のため
に活用されるべく、
この 4 年間を有意義に過されることを切望し、
私からのお祝いの言葉とさせていただきます。
本日は、ご入学、誠におめでとうございます。
( 2 )
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
聖心女子大学は私の中で特別な存在でした。驚
くほどの確率で、尊敬する先輩、カッコいい友人
達の母校だったからです。軽々と国境をまたいで
どうしたらこのような人たちが生まれるのだろうと不思議に思っ
活躍し、例外なく凛とした空気を漂わせています。
ていましたが、まさか自分がその大学の一員になるとは。人生、
何が起こるかわかりません。
私自身は中学から博士課程まで、巨大W大学系列にイヤになる
ほど長い期間、所属していました。だからこそ、対極にあるような、
小さいけれどもオンリーワンの、聖心女子大学の良さを強く感じ
ているのかもしれません。そのような聖心ファンとしては、他大
学と偏差値争いをするような存在にはなってほしくありません。
素晴らしい伝統をさらに、さらに発展させて、一人ひとりが輝く
大学になるように、微力ながら、いえ全力で頑張っていきます。
言い忘れましたが、国際政治や外交・安全保障を専門としてい
ます。ボストン、北京、パリに住んでいました。どのようなこと
でも、お役に立つことがあればなんなりと。
先日、卒業生である長年の友人から、「聖心ファミリーへよう
こそ。後輩たちをよろしく。」と言われました。身の引き締まる
思いです。
聖心女子大学同窓会
「宮代会」だより
ー ム カ ミ ン グ デ ー・ 宮 代 祭 を 開 催 し ま す。 聖 心
【宮代祭】毎年9月にキャンパスをお借りしてホ
祭 実 行 委 員 の 方 々 に も 御 協 力 い た だ き、 同 窓 生
やその家族が久しぶりに集う楽しいイベントで
す。 恒 例 の ラ ッ フ ル、 ビ ン ゴ、 ワ ン テ ー ブ ル シ
ョ ッ プ、 ミ ニ バ ザ ー、 キ ッ ズ コ ー ナ ー、 福 祉 体
分~
時
日㈯
分)です。皆様、
月
験コーナー、コンサート、お稽古発表会、カフェ、
時
食 堂 等 盛 り だ く さ ん で す。 今 年 は、
※雨天決行(
12
四時に閉会した。
近況が報告された後、質疑応答があり、午後
学務担当副学長及び西村事務局長から大学の
として北村評価・大学院担当副学長、佐々木
することが承認された。引き続き、報告事項
と諸戸精孝氏を監事候補者として総会に推薦
監事候補者について」は、現任の宇野節生氏
ることが承認され、議題四「平成二十七年度
は、名誉会長である岡崎学長に人選を一任す
議題三「平成二十七年度役員候補者について」
説明があ り、それぞれの議案が 承認された。
いて」、配付資料をもとに年真経理部長から
二「平成二十七年度事業計画及び予算案につ
度事業報告及び決算見込について」及び議題
会長の進行のもとに、議題一「平成二十六年
心女子大学協力会役員会が開催された。濱口
平成二十七年三月二十六日午後三時から本
学ブルーパーラーで平成二十六年度第二回聖
役員会開催
聖心女子大学協力会
平成二十六年度 第二回
を給付支援しております。
た 卒 業 生 に も「 さ く ら 奨 学 金( 公 募 予 定 2 名 )
」
に「 エ リ ザ ベ ス・ ブ リ ッ ト 基 金 奨 学 金 」 を、 ま
経済的支援を必要とする優秀な学部生定員2名
員3名と大学院生2名に「宮代会特別奨学金」を、
【奨学金給付】宮代会では、学業優秀な学部生定
お待ちしております。
9
桜 の 花 が 満 開 の 中、 月 2 日 に 入 学 式 を 迎 え
ら れ た 皆 様 に 心 か ら お 祝 い 申 し 上 げ ま す。 同 窓
時
20
15
会 宮 代 会 は、 卒 業 生 の ホ ー ム カ ミ ン グ の 場 で あ
始 め、 フ ラ ワ ー ア レ ン ジ メ ン ト、 カ ル ト ナ ー ジ
ュ 等、 在 校 生 も 参 加 で き る お 稽 古 事 を 行 っ て い
時~ 時)
ま す。 興 味 を 持 た れ ま し た ら、 宮 代 会 館 事 務 室
までお問い合わせください。
電話03‒3407‒1971(
留学生とサポートしている学生を宮代会館に御
分に行う予定です。
12
30
る と 同 時 に、 在 校 生 と も 様 々 な 活 動 を 通 し て 交
分)
20
16
【留学生昼食会】大学内で学んでいるたくさんの
10
30
流 し て お り ま す。 こ の 紙 面 を お 借 り し て、 そ の
活動を紹介いたします。
【宮代ショップ】大学管理棟一階にあり、文房具、
履 歴 書、 校 名 入 り グ ッ ズ、 日 用 品 等 を 販 売 し て
時~ 時
分~ 時 分)
16
い ま す。 市 販 よ り お 安 い 物 も あ り ま す の で、 是
時
非お立ち寄りください。
(㈪~㈮
昼休憩あり(
10
30
10
4
14
【お稽古】宮代会館では、華道、茶道、書道等を
30
招 待 し て 同 窓 生 の 手 料 理 で お も て な し、 国 際 交
時
20
( 3 )
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
13
流 を 深 め て お り ま す。 今 年 は6 月 5 日 ㈮
分~
13
国際交流学科
国際交流学科
9 年間の国連機関勤務(於パリ)、 4 年間の他
大学での教育活動(於つくば)を経て、桜満開の
この春の日、本学に着任いたしました。
国連教育科学文化機関(UNESCO)で文化間
対話と世界遺産保護に携わることは、学生時代か
らの夢でした。実際に国際公務員として仕事に邁
進した日々は、理想と現実の狭間にありながらも、かけがえのな
い学びに満ちたものでした。子どもの頃に戦闘地域を生き抜いた
レバノン、ボスニアからの同僚とも強い友情で結ばれました。パ
リに暮らしつつも、ネパール、アフガニスタン、マリなど、自分
が密接に関わっていた南アジアやアフリカのことばかりを考える
日々もありました。アジアやアフリカでの文化遺産保護の仕事を
通して、キリスト教のみならず仏教、ヒンズー教、イスラーム、
あらゆる宗教の指導者たちと交流する機会をいただき、人が精神
的にどう生きるべきか、それでは自分はどうなのか、と自己を顧
みるための示唆を得ることもしばしばありました。
私は、文化遺産の価値を見出し、保護し、今日の社会において
活かしていくためにはいかに、という実践的アプローチをつねに
探っています。そこには、文化の多様性を尊重しつつ、より多く
の人と共有するための普遍的価値を見つけるという、両面的な視
点が大切です。できるだけ地域にこだわらずに事例研究を蓄積し
て、文化の多様性と普遍性について皆さんと共に考えたいと思い
ます。
4 月に 2 歳になったばかりの幼い娘を育てながらの教育研究活
動です。チャレンジも大きいことですが、そのときどきにできる
ことにしなやかに取り組んでいきたいと思います。母校でもある
この聖心女子大学で、多くの皆さんと出会い関わっていくことを
楽しみにしております。
「文化の多様性と普遍性を考える」
「聖心ファン宣言」
岡橋 純子 准教授
新 任 教 員 紹 介
坪内 淳 教授
第202号
聖心キャンパス
2015(平成27)年 5 月26日
聖心キャンパス
第202号
2015(平成27)年 5 月26日
難民支援学生団体 ‘SHRET’ による
ジュネーブ・スタディツアー報告 永田
教育学科教授
読者の皆さんは SHRET(シュレット)をご存知でしょうか。聖心女子大学の第 1 期生であ
る緒方貞子氏が UNHCR(国連高等難民弁務官)であった2000年、難民の教育支援を行うため
に RET(Refugee Education Trust)という民間組織(財団)が設立されました。難民にと
って教育こそが重要な支援であるという緒方氏の志を支え、世界の難民支援の一助となるため
に聖心女子大学の学生有志によって設立されたのが SHRET(Sacred Heart - RET)という学
生の課外活動団体です。
SHRET は10年以上にわたり、街頭募金等を通して海外の難民を支援したり、難民の方々と
の料理教室などを開催して日本で暮らす難民と交流したり、姉妹校及び都内の高校における出
前授業によって難民問題への関心を高めたり、様々な活動を続けてきました。
冒頭に触れたとおり、UNHCR は RET を生み出した「母」にあたり、RET なくしては誕生
しなかった SHRET にとって RET は「母」、UNHCR は「祖母」にあたると言えましょう。昨
夏、RET 代表の G.ゼイネップ氏が聖心女子大学を訪問したのを契機に、10年以上の間、メー
ルでのやり取りや送金を通してのみつながってきた産みの親に SHRET の学生達が初めて会い
にいくスタディツアーを開催する運びとなりました。UNHCR は RET と同様にスイスのジュ
ネーブに本部がありますので、SHRET にとっては創設以来ずっと〈雲の上の存在〉であった
憧れの「祖母」にも会える旅となりました。以下に、旅の概要をお伝えします。
佳之
RET 本部にて
憧れの UNHCR 本部にて
果敢に挑んだジュネーブでの研修
楽しみな学生たちの将来
やや急な呼びかけと
なりましたが、スタデ
ィツアーに参加したの
は、SHRET の 1 年 生
5 人と 2 年生 3 人、そ
して姉妹校(札幌聖心
女子学院及び不二聖心
女子学院)を卒業した
RET 本部で研修を受ける学生達
ばかりの2人、さらに
引率教員として国際交流学科の仲居宏二先生と教育学科の筆者
でした。
ジュネーブでの活動は 2 つに大別されます。まず、RET に
よる研修を受けること、次に在ジュネーブのもろもろの国際機
関を訪問し、最前線で働く難民問題の専門家からレクチャーを
受けたり、インタビューをしたりすることです。
研修は RET 本部に缶詰。RET の歴史や活動、難民と教育、
災害と難民、人道支援と開発援助などについて参加型と講義型
の研修を 2 日間集中で受けました。事前学習会を重ねてきた学
生達は英語での講義にも何とかついていき、質問もおじけずに
していた姿が印象的でした。
学生達の中にはメディアで映される難民キャンプの光景をみ
て「かわいそうな難民の人々」という想いをもって SHRET に
参加したメンバーもいます。しかし、彼女たちが RET の研修
で出会った職員は皆、鍛えられた知性と冷静な判断力を持ち合
わせたエキスパートでした。このことから大学時代にすべきこ
とを明確に認識した学生も少なくなかったようです。
旅の後半は、国際機関日本政府代表部を皮切りに、UNHCR
本部などで、海外の政府系組織や国際機関で働く日本人職員や
インターンの方々から講義を受けました。専門性の高い講義に
限界を痛感してしまう場面もありましたが、最前線で活躍して
いる国連職員も難民キャンプでの失敗談などを交えてお話くだ
さったので、勇気づけられた学生は多かったようです。
ちなみに、学習以外では、ジュネーブという全ての物価が高
い街では、ケバブ屋でお肉をテイクアウトし、スーパーでお野
菜を買って、格安ホステルで夕食を「自炊」するという女子大
生のたくましいサバイバル生活でもありました。
今回のスタディツアーは、 1 週間という短い滞在でしたが、
国際赤十字博物館、RET 本部、国際機関日本政府代表部、
UNHCR 本部、ジュネーブ大学院大学(Geneva Graduate
Institute)
、国連欧州本部など、 7 つの国際機関等の16人の専
門家の方々と直接ふれ合い、刺激を受け続けた旅でした。
ジュネーブの日本政府代表部や国際機関、特に UNHCR で
は聖心女子大学は「Ogata’s alma mater
(緒方貞子氏の母校)
」
として知られており、学生達は「オガタのタマゴ」として見ら
れていました。このことはある程度、出発前から予想していた
ことですが、それに耐えられるかどうか、正直、引率者として
一抹の不安がありました。ところが、学生達の学ぶ意欲と入念
姉妹校からの参加:国連欧州本部にて
国連欧州本部近くのガンジー像と共に
な準備とチャレンジ精神によって、こうした不安が現地で一気
に払拭されたことを、お伝えします。
さらに、ジュネーブでの学びを活かす形で学生の一部は 3 月
に仙台で開催された「国連防災世界会議」にも参加し、RET
が共催するユース・フォーラムの一翼を担ったり、UNHCR
のブースを担当したりしました。幸い、同フォーラムでは潘基
文国連事務総長に握手を求められるなど、サプライズの体験も
した国連会議でした。これらの体験を胸に学生達がどのような
活動をさらに展開していくのか、今後の、特に卒業後の学生達
に期待をしたいと思います。
最後になりますが、このスタディツアー実現にご理解・ご協
力を賜りました参加学生の保護者の方々、姉妹校の校長先生を
はじめとした先生方、
現地の国際機関等で働く職員の皆々様に、
この場を借りて心より謝意をお伝えいたします。
( 4 )
お知らせ: 6 月 5 日㈮午後 6 時30分〜 8 時、聖心女子大学ブル
ーパーラーにてこのスタディツアーの報告会が開催されます。
ふるってご参加ください。
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
聖心キャンパス
2015(平成27)年 5 月26日
第202号
M.S.S.S. & 聖心 Radio Station
大鮪まつり お手伝い
5月17日㈰、広尾商店街
大鮪まつり、お手伝い。
先輩の手本です。
一人、頑張って「広尾」
を背負います。
風船作り、お手物です。
聖心 Radio Stationです。
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
最初に、事務所にごあいさつ。
M.S.S.S.です。毎年、
はっぴをお貸りします。
先輩、教えてください
(1年次生)。
人気の鮪丼、たくさん
作りました。
二人、協力して「広尾」
を背負います。
三人、分担して「広尾」
を背負います。
ポップコーン、いかがですか。
アナウンス、練習中。
鮪丼、いかがですか。
「自転車にお乗りの方は・・・、」
会場アナウンス中。
( 5 )
いざ、お手伝いへ。
鮪丼、完成。
全員、そろって「広尾」
を背負います。
わたがし、いかがですか。
聖心 Radio Station先輩です
(卒業生)。
第202号
聖心キャンパス
平成 26 年度卒 業 式 祝 辞
2015(平成27)年 5 月26日
東京女子大学前学長
眞田 雅子
皆様、ご卒業おめでとうございます。この良き日、社会に
神父様は、旧制高校時代から、
『正法眼蔵』に親しみ、中
巣立ちゆく皆様方に、一言餞の言葉を送らせていただこうと
川宋淵老師に師事をされ、東大法学部で聖書と出会い、
「こ
存じます。
のでたらめを論破しなければ」と、わざわざ文学部に入り直
私は、家が近かったので、カトリックの幼稚園に一年通い
して、漸く論文が出来上がったと思われた時、ご自分の過ち
ました。大昔の話です。毎週土曜日になると、立派なお御堂
に気付き、中川老師のお勧めで、受洗、フランスのカルメル
に連れていかれ、主の祈りとマリア様の祈りを唱えました。
会に入会されたのでした。
その後小学校から高校までは、公立の学校に通いましたので、
皆様は、新約聖書に出てくるたとえ話のうち、お好きなも
まるで宗教色のない環境で過ごしました。大学に入り、キリ
のがありますか?多くの人々に好まれている譬えに「放蕩息
スト教学というものが三年間必修であったため、私の中に、
子」の話があると思います。自分の人生を振り返ると、お若
キリストとは一体何者かという大きな疑問が生まれました。
い皆さんでも、「もう父から子と呼ばれる資格はない」と考
そして、友人や、様々な神父様方からお話を伺う機会を得、
えるような経験をお持ちの方もおありと思います。四年前の
大学院生の時に受洗の恵みをいただきました。私の家は曹洞
大災害を思い出すとき、その辛い思いを深くされる方もある
宗で、家の宗教という以上の仏教に対する熱心な活動はあり
でしょう。
ませんでしたが、なぜか父はキリスト教を尊敬しており、私
70年前の東京大空襲について考える機会も今週は与えら
の洗礼式にも出席してくれました。
れましたが、歴史的事実ときっちり向かい合うことは、どん
皆さんお一人お一人が、神様からこの世に呼び出された時
なときにも重要なことと考えられます。
が、どのような社会環境であったかは、大切なことであると
さらに、宗教の名の下に行われる蛮行のかずかずについて
思います。今日の良き日にもう一度確認されることをお勧め
報道されるのを見るとき、ただ相手を責めれば済むという話
します。私ごとばかりお話しして恐縮ですが、私は、1943
ではないことが実感されるでしょう。
年1月の生まれですから、父は、果たしてこの子が大人にな
前置きが、大変長くなりました。本日、この美しいキャン
る可能性はどのくらいあるものかと、せっかく授かった命の
パスでの深い学びを終えて旅立たれる皆様に、生涯を守り、
将来を危ぶんでいたようです。私が大学生であった時代は、
苦境に立たれた時にも道を示す言葉として、奥村一郎師の次
カトリックというとお嫁の貰い手がなくなるから、洗礼は受
の言葉をお送りします。
けるものではないというような考えがかなり一般的でした。
神様は、愛することしかおできにならない不器用な方です。
それにもかかわらず父が私の洗礼式に出席してくれた背景に
私は、これは不思議な言葉であるとともに、優しく真理を
は、まったく将来の見えない時代に生まれた娘が、成人し、
表す言葉であると考えます。通常、神様は、何でもおできに
自分で生きる道を見つけて来るまでになったという感謝の思
なる方と考えられています。それが、
「愛することしかおで
いがあったからだと思われます。
きにならない」と言われ、更に「不器用な方」とまでいわれ
私のキリスト探究は、先ほど申し上げましたように、様々
ている。
な友人、神父様方を通し現在も進行中ではありますが、一人
「愛」という言葉は、巷にあふれ、私たちはそれを理解し
の神父様との出会いを通して与えられた一言が、現代社会の
ているような気になっています。しかし、イエス様は、最後
ある意味で非常に混乱した諸宗教の存在の中に、一服の清涼
の晩餐で、
「新しい掟」を弟子たちに与えられました。「私が
剤のような響きと共に、非常に深い真理を表していると思わ
あなたたちを愛したように、あなたたちも互いに愛し合いな
れますので、この言葉を皆様への餞にしたいと考えておりま
さい。
」奥村師は、キリスト教は隣人愛ではなく、相互愛の
す。
宗教であるといわれました。
ここで、この言葉を授けてくださった方について、言葉そ
神様は、愛することしかおできにならない不器用な方です。
のものを申し上げる前に、簡単にご紹介させていただきたい
この言葉の意味するところを生涯をかけて深め、友と共に
と存じます。皆様の中にもこの神父様をよくご存知の方がお
実行し、前進してゆかれる時、必ずや皆様は、未来を作り出
いでかと思いますが、観想修道会カルメル会士の奥村一郎神
すリーダーとなるに違いありません。
父様です。昨年の六月に九十一歳で帰天されましたが、生涯
本日は、誠におめでとうございました。皆様のご活躍を心
をこれほどまでに深く聖書と向き合われた方は少なかったの
から祈り、私の祝辞とさせていただきます。
ではないかと思います。
( 6 )
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聖心キャンパス
2015(平成27)年 5 月26日
第202号
平 成 26 年 度 卒業式謝辞
聖心女子大学 第65回卒業生代表 宮代
くるみ
寒さも次第に和らぎ、春の訪れが感じられるようになりま
ことの難しさや悔しさも味わいましたが、自分にはない視点
卒業の時を迎えられましたことを、卒業生一同、心より感謝
人との関わりの中で実感いたしました。今の私達があるのは
した。本日、学長先生を始め、多くの皆様方にご臨席を賜り、
申し上げます。
四年前にこの学び舎での第一歩を踏み出したマリアンホー
ルで、皆様方の祝福を受けながら今日この日を迎えることが
できました。それぞれが充実した学生生活を送り、かけがえ
のない経験から多くのことを学んで、新たな道へ踏み出す準
備をしてまいりました。その締め括りである卒業論文の執筆
では、問題意識を持って自ら考え研究し、さらに自分の言葉
として表現することの難しさを痛感いたしました。それと同
時に、疑問に対して深く考え、自分自身の力で答えに辿り着
くことの大切さを学びました。研究に行き詰まった時、先生
方は常に親身になって私達の意見や想いを聞いてくださり、
学びを後押ししてくださいました。卒業生全員が、それぞれ
の研究、ひいては四年間の学業の成果を卒業論文という形に
することができましたのも、ひとえに熱心にご指導ください
ました先生方のおかげです。改めて深く御礼申し上げます。
四年前の四月、東日本大震災の直後に私達は聖心で学び始
めました。国際社会における日本の在り方や、私達を取り巻
く環境は目まぐるしく変化し続けています。これからは今ま
で以上に社会へ目を向け、自分の意見を発していくことが必
要とされるでしょう。多くの情報が錯綜する今日において、
を他者から学び、それをまた引き継いでいくことの重要さを、
多くの人と有意義に関わった結果であり、また「一人一人の
人間をかけがえのない存在として愛する」という精神のもと、
学生としてあるべき姿に導いてくださったシスター方、先生
方、職員の方々のおかげにほかなりません。
この春からは、自ら考え、発し、歩んでいかなければなり
ません。重要な関心事に自ら関わることのできる広い視野や
感受性、柔軟性、そして実践的な行動力を持つ人間の育成を
教育目標の一つとする本学での学びを、活かしていきたいと
思います。伝統ある聖心女子大学で学んだことに誇りを持ち、
本学で培った精神や学問の成果をもって社会との関わりを深
め、社会に貢献していく所存です。
最後になりましたが、常に温かく見守ってくださった学長
先生、聖心生として持つべき心を教えてくださったシスター
方、学問の面白さと厳しさを教えてくださった先生方、学生
生活を支えてくださった職員の皆様、そして、いつも私達の
背中を押して応援してくれた家族に、心より御礼申し上げま
す。聖心女子大学の益々のご発展と、大学に携わる全ての方々
のご健勝を心よりお祈り申し上げ、感謝の言葉とさせていた
だきます。
それは容易なことではありません。私自身、多様な考えや知
識に触れて多角的な視点を持てるようになりたいと、常々考
えておりました。入学後は人間関係専攻に進み、様々なこと
に疑問を持ち、職業や家族、ジェンダーの分野を通して社会
を学び、客観的、かつ分析的に物事を捉える力が養われたと
思っております。
また、本学では勉学だけでなく、課外活動からも多くのこ
とを学びました。私は、聖心祭実行委員として活動してまい
りました。あることを成し遂げる大変さを痛感し、皆で創る
第
第
回博士学位記授与式
65 62 10
回修士学位記授与式
日㈯午前
14
回学士学位記授与式(卒業式)
月
分 か ら、 第
3
第
時
30
回修
61
回博士学位記授
士学位記授与式が
与式及び第
1
宮代ホールで行わ
回学
65
れ、 続 い て 午 後
時から、第
士学位記授与式
(卒業式)がマリ
年度
アンホールで行わ
れた。平成
( 7 )
学位記授与者の状
1 1
名
名
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
7 4 2 3 2 1
名
名
名
名
名
名
53 98
名
名
名
名
名
名
名
名
名
47 75 70 48
況は次のとおり。
大学院博士後期
人文学専攻………………………………
人間科学専攻……………………………
大学院修士及び博士前期
英語英文学専攻…………………………
日本語日本文学専攻……………………
史学専攻…………………………………
社会文化学専攻…………………………
哲学専攻…………………………………
人間科学専攻……………………………
学部
英語英文学科……………………………
日本語日本文学科………………………
歴史社会学科
〈史学専攻〉………………………………
〈人間関係専攻〉
…………………………
〈国際交流専攻〉
…………………………
哲学科……………………………………
教育学科
〈教育学専攻〉……………………………
〈初等教育学専攻〉………………………
〈心理学専攻〉……………………………
71 25 39
26
10 10
第202号
聖心キャンパス(上に掲げて、ご覧ください。)
2015(平成27)年 5 月26日
『邦彦王行實』
(昭和十四年八月)記載の六十面の天井画及び『花影 聖心女子大学パレス天井画』(平成十年十月)掲載の六十点(寸
法小)の天井画は、作者名及び作品名がほとんど一致する。また、久邇宮御常御殿階下の王御寝所及び次の間には各三十面、計六十面の
天井画をはめ込むことが可能な格天井がある。これらのことから、六十面の天井画は、王御寝所及び次の間にあったと考えられる。各天
井画の位置等は未確認のため、『邦彦王行實』記載の順に次ページ左端の上から下に向かう形で並べてみた。
横山大観作御襖絵「竹」
(
関連記事)
p.
16
( 8 )
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
2015(平成27)年 5 月26日
聖心キャンパス(上に掲げて、ご覧ください。)
第202号
横山大観作御襖絵「松」
(p.16関連記事)
横山大観作御襖絵「梅」
(p.16関連記事)
関連記事)
横山大観作御襖絵「梅」
(p.16関連記事)
格天井数が…
何度数えてみても、王御寝所及び次の間とも天井画数をはめ込むことが可能な格天井数が「三十一」になる。
天井画がなかった格天井はどこであったか思案した結果、天井中央に電灯があったのではという考えに至る。
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
( 9 )
旧 久 邇 宮 御 常 御 殿 天 井 画
横山大観作御襖絵「梅」
(
p.
16
聖心キャンパス
第202号
2015(平成27)年 5 月26日
カトリックルームにおける
東日本大震災復興祈念ミサ
マグダレナ・ソフィアセンター
東日本大震災から 4 年目の 2015 年 3 月 11 日㈬、カ
トリックルームでは、フィルマンシャー神父様司式によ
る東日本大震災復興祈念ミサが行われました。カトリッ
クルーム内の小さなお祈りの部屋で行われた神父様を囲
んでの御ミサは、神様の食卓を囲むという御ミサの原点
を思わせる、遡源的な密度の濃いものでした。その御ミ
サを通して参加者たちは、今も辛く苦しい日々を送る被
災者の方々や、復興の進む陰で取り残されたような思い
を抱く方々の心の涙に思いを至らせ、被災された方々の
ために、私たちがそれぞれの力を尽くすことができるよ
うにと、心を一つにしてお祈りを奉げました。これから
もこのような機会を持てることを心より願っております。
ワリバシ大作戦が
始まりました!
M.S.S.S. 部長 3 年次 青木
始業
ミサ
まり花
4 月13日㈪から、
「ワ
リバシ大作戦」が始ま
りました。毎年行われ
ている「ワリバシ大作
戦」ですが、本年度か
ら は M.S.S.S. が 担 当
します。ワリバシ大作
戦の日は、食堂で国産
の間伐材で作ったワリバシを配布しています。日本で使用さ
れているワリバシのほとんどが輸入品ですが、国産のワリバ
シを使用することは、日本の森林の間伐を促進し、森林を整
備することにつながります。また、使用済みワリバシは回収
され、送り先の東京ボード工業によって、床材や家具のもと
となる E・V・A ボードにリサイクルされます。国産のワリ
バシは漂白剤や防腐剤を使用していないため体にも優しく、
杉の香りが食事の美味しさを際立たせるという利点がありま
す。
「環境を破壊する」という悪いイメージのあるワリバシ
ですが、国産のワリバ
シは環境にも私たちの
体にも優しいものなの
です。月曜日に食堂を
利用した際には、食事
と一緒にワリバシの優
しい色や香りも楽しん
でみてください。
マグダレナ・ソフィアセンター長 上石
学
4 月 7 日㈫、聖堂
にて、アルン・プラ
カシュ・デソーザ神
父様の司式により、
始業ミサが行われま
した。イエス・キリ
ストの復活をお祝い
する時期とも重なり、
黄色い花々が美しく
飾られた祭壇を前に、
学長、副学長、事務
局長、教職員の方々が列席する中、新
入生が一堂に会し、新たに始まる学生
生活への祝福とお恵みを神様にお祈り
いたしました。神父様からは、ミサが
初めての学生への丁寧なご説明ととも
に、イエスの復活によって、神様が私
たちと共にいる気持ち、安心感、慰め
が与えられている、というお話をいた
だきました。また、復活したイエスと
共に、私たち一人ひとりがイエスの足
跡を追うよう日々招かれている、とい
う神父様のお言葉に、今後の学生生活における指針を与えら
れた思いがいたしました。
第 6 回 祈りのコンサート
聖歌隊 部長 3 年次 小澤
優子
4 月26日㈰、本学聖堂にて聖歌隊、Filles du Sacré Coeur 主催により『第 6 回祈りのコンサート~東
日本大震災・津波遺児支援あしなが育英会のために~』を開催いたしました。
本コンサートは 2 年に 1 度開かれるチャリティーコンサートで、学生たちが主体となり、支援先を決め
ています。そしてコンサートは毎回「平和の祈り」
、
「ちいさなひとびとの」という曲から始まり、第 6 回
目となる今回は、歌い継ぎたい曲、新たに挑戦する曲がとりまぜられ、それぞれの祈りの込められた、と
ても温かいコンサートとなりました。
( 10 )
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2015(平成27)年 5 月26日
聖心キャンパス
平成 年度卒業生の進路状況及び
平成 年春卒業(修了)予定学生の
就職活動について
28 26
27
3
3
20
2
1
年次の
月
3
日に広報活動開始で、 年次の
1
4
月
8
日が
1
28
年春卒業(修了)者からスケジュールが更に後ろ倒しとな
3
成
り、
選考活動開始日である。本当なら今頃はまだ選考が開始されて
いないはずであるが、このスケジュールを遵守する企業ばかり
ではなく、実質はかなりの企業が既に選考を開始しているのが
現状である。今回の見直しの意図は「学生が本分である学業に
専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動の早期開始
を自粛する」ことであったに
3
文部科学省及び厚生労働省の共同調査( 月 日発表 月
日現在)によると平成 年 月卒業の大学(学部)の就職内定
もかかわらず、残念ながらそ
8
ポイント上昇で、私立大学女子
進 学 先
New York Film Academy、Royal Holloway, University
of London、
University of Reading、
お茶の水女子大学大学院、
御茶の水美術専門学校、慶應義塾大学大学院、国際医療福祉
大学大学院、駒沢女子大学大学院、上智大学大学院、聖心女
子専門学校、聖心女子大学大学院、東京女子医科大学看護専
門学校、東京成徳大学大学院、東京大学大学院、東京デザイ
ンプレックス研究所、東宝ミュージカルアカデミー、東洋英
和女学院大学大学院、名古屋大学大学院、ニチイ学館(渋谷校)
、
パリ・カトリック学院、法政大学大学院、北海道大学大学院
明治大学大学院、ヤマザキ動物専門学校、立教大学大学院、
早稲田大学大学院
・
11名
%と、前年比
公務(他に分類されるものを除く)
・
17名
率は
サービス業(他に分類されないもの)
の意図に反して、インターン
2名
3
月卒
9名
複合サービス事業
20
年
医療、福祉
5
ポイントの上昇だった。平成
48名
4
・
教育、学習支援業
長期化しているのが早くも明
15名
楽しく就職活動を続けてほし
9名
生活関連サービス業、娯楽業
(キャリアセンター)
宿泊業、飲食サービス業
94
年ぶりの水準である。そのような中で本学の就職
27名
86
87 7
%で
学術研究、専門・技術サービス業
業者以来、
10名
7
に絞れば
不動産業、物品賃貸業
シップから始まり、早期化、
132名
7
ポイントの上
金融・保険業
1
・
52名
31
日現在)と、前年比
卸売業・小売業
3
月
35名
98
%(
43名
運輸業、郵便業
決定率は
情報通信業
4
らかである。現在選考中の企
4名
昇で、高い数値を示した。また、決定した進路への満足度も
電気・ガス・熱供給・水道業
業の内々定が出揃ろい、落ち
21名
%と、
例年どおりの高さを維持した。
「しなやかさ」「実行力」「粘
8名
製造業
着いた頃に倫理憲章のスケジ
建設業
り強さ」
「礼儀正しさ」という聖心生の評価を発揮し、皆努力
0名
し続けた結果である。しかし、就職状況が良ければ良いで、も
鉱業、採石業、砂利採取業
ュールを遵守する企業の選考
0名
が始まる。長期戦になるので、
漁業
っと自分に向いている企業があるのではないかと、なかなか就
0名
適度に息抜きの時間を設け、
産業別就職状況
農業、林業
職活動を終えられず、内定を持ちながら活動を続ける学生が多
443名
く見られたのがこの年度の特徴だった。
98.0%
就職決定者数
い。
就職決定率
一方、来年の春卒業(修了)予定の 年次生や大学院学生に
ついては、現在就職活動の真っ最中である。日本経済団体連合
就 職
会の「採用選考に関する企業の倫理憲章」がまた見直され、平
平成26年度卒業生の進路状況(平成27年 5 月 1 日現在)
第202号
入社直前セミナー
学生が卒業後、社会人としてスムーズなスタートを切れるよう、本年度初めての試みとして「入社直前セミナー」を実施し
た。キャリアセンターには進路に関する様々な相談が寄せられるが、近年は、卒業前に内定先に迷いが出てきたり、入社後(卒
業後)に、働き続けられるか不安に感じて相談に来る件数が年々増えてきている。そこで、働く心構えや想定される入社前後
のギャップについて話し、最初のつまずきを防ぐことを目的として実施した。
『 7 つの習慣(R)
』の講師をお招きし、座学だ
けではなくワークを取り入れたセミナーを卒業週間( 4 年次生対象: 3 月11日㈬)に行った。本学は決定進路先の満足度の高
さを誇っているが、今後は就職先での定着率を高めることに留意していきたい。
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( 11 )
第202号
聖心キャンパス
2015(平成27)年 5 月26日
聖心のコミュニティーへようこそ(第69期生)
恩師との一枚(第65回 卒業生)
( 12 )
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聖心キャンパス
2015(平成27)年 5 月26日
グリー
クラブ
定期演奏会
ヒストリー
(パンフレット等)
第54回
第1回
(2015/5/24)
第5回
第202号
第6回
第2回
第3回
第4回
(1962/10/13) (1963/6/26) (1964/6/17) (1965/6/30)
第7回
第8回
(1966/6/29) (1967/6/17) (1968/6/15) (1969/6/14)
第21回
第22回
第23回
(1982/6/5)
(1983/7/2)
(1984/6/9)
第29回
第30回
第31回
第24回
第9回
第14回
第17回
(1970/7/3)
第19回
(1975/6/11)
(1978/7/4)
(1980/6/13)
第25回
(1985/6/22) (1986/6/14)
第26回
第27回
第28回
(1987/6/6)
(1988/5/28)
(1989/6/3)
第32回
第33回
第34回
第35回
第36回
第40回
第41回
第42回
第43回
第44回
第52回
第53回
(1990/5/26) (1991/5/25) (1992/5/30) (1993/5/29) (1994/5/28) (1995/5/27) (1996/5/27) (1997/5/23)
第37回
第38回
第39回
(1998/5/23) (1999/5/27) (2000/5/26) (2001/5/25) (2002/5/24) (2003/5/23) (2004/5/22) (2005/5/28)
第45回
第47回
第48回
(2006/5/19) (2008/5/23) (2009/5/30)
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
第49回
第50回
第51回
(2010/6/5)
(2011/6/4)
(2012/6/3)
( 13 )
(2013/5/25) (2014/5/31)
聖心キャンパス
第202号
2015(平成27)年 5 月26日
聖心女子大学等
100
1916
2016
1948
この年は種々の事情から開校を見合わせた。
翌年の大正五年四月、開校となった。
昭和二十三年四月十九日 第六三七六號
聖心女子大学設置認可
官報(国立国会図書館蔵)に見る
昭和十九年三月九日 第五一四四號
聖心女子學院高等専門學校改称
昭和七年三月十七日 第一五六二號
聖心女子學院高等専門學校生徒募集
昭和六年二月九日 第一二三二號
聖心女子學院高等専門學校生徒募集
大正四年三月十一日 第七八〇號
聖心女子學院高等専門學校開校認可
下村観山作御襖絵『玉取獅子』
謁見所
大食堂
『邦彦王行實』に、
下村観山が表御殿(久邇宮御殿:大正八年竣工)の謁見所及び大食堂(現
在の宮代ホール附近)とを隔つる大襖四面に執筆し、昭和三年六月に完成納入したことが
記載されている。当該御襖絵と考えられる作品が『芸術資料 . 第三期 第九册 金井紫雲 編
(芸艸堂:1941)
』
(国立国会図書館蔵)に掲載されている。掲載されている御襖絵は、三
面しかないが、実際は、左端にもう一面あった。そこには、特に獅子等の絵が画かれてい
なかったため、同書にはこの三面のみが掲載されたものと考えられる。
御車寄
( 14 )
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2015(平成27)年 5 月26日
聖心キャンパス
学校法人聖心女子学院
生涯学習センター
文学講座
前 期 講 座
第202号
開講予定の講座は、次のとおりです。
詳しくは学校法人本部のホームペー
ジでご確認ください。途中参加も可
能です!
皆様の積極的なご活用をお待ちして
おります!!
「伊勢物語を読む」……………………………………………………………………………… 山口佳紀(聖心女子大学名誉教授)
「万葉の歌と人~天平に咲いたヒメユリ、坂上郎女~」
………… 石田千尋(山梨英和大学教授・聖心女子大学非常勤講師)
「『おくのほそ道』ー歌枕と伝説を求めて②ー」
… ………………………………………………… 深沢了子(聖心女子大学教授)
「目で見て楽しむ『源氏物語』~「桐壺」巻を読む~」
…………… 大津直子(國學院大學助教・聖心女子大学非常勤講師)
「“もう一度聴きたいあの名講義シリーズ 第 1 弾” 山本滉先生が語る「和泉式部」に、あの頃がよみがえる」
…………………………………………………………………………………………………… 山本滉(不二聖心女子学院元校長)
教養講座
「“世界を知るシリーズ 第 7 弾” 超大国アメリカの神話と現実―オバマのアメリカ・オバマ後のアメリカ」
…………………………………………………………………………………………………… 関場誓子(聖心女子大学名誉教授)
「ワークショップ 算数で頭の体操―算数と楽しく付き合えるお母さんの算数教室」
… 塚田亮(渋谷区立臨川小学校元校長)
文化講座
「国宝・鳥獣戯画と明恵上人ゆかりの美術」
…………………………………… 土屋貴裕(東京国立博物館学芸研究部研究員)
「食生活・不安を感じるその前に見直したい―何をどれだけ、どう食べたらいいの?」
…………… 笠井奈津子(管理栄養士)
宗教講座
「キリスト教への招き」………………………………………………………………………… 宮越俊光(カトリック中央協議会)
国文科開設が昭和五年四月一日、国文科に中等教員無試験検定資格が認められたのが昭和八年六月二十二日。この規則
には、英文科に係る中等教員無試験検定資格(大正十四年一月七日認)の記載しかないことから、昭和五年から昭和八年
頃のものと考えられる。
第一章 總則/第二章 學科及學科課程/第三章 學年、學期、休業日/第四章 入學、退學、休學、懲戒/第五章 進級、卒業/第六章 學費/第七章 研究科/第八章 寄宿を柱に、全三十の條文で構成されている。
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( 15 )
聖心キャンパス
第202号
発行
聖心女子大学
〒
│
2015(平成27)年 5 月26日
89年後のささやかな里帰り
旧久邇宮御常御殿横山大観作御襖絵
1
5
0
8
9
3
8
東京都渋谷区広尾
梅
│
4
│
3
梅
梅
梅
松
これに対し、殿下(邦彦王)は「それは此の上ない結構
なことである」とお聽しになり、大観が御居間三室に松竹
梅を作し、大正十五年三月十日に完成納入したことが記載
されている。御居間三室は、王御座所、王御寝所及び次の
間である。
①
松
松 松
『邦彦王行實』に、大正十四年五月七日、新御殿(久邇
宮御常御殿)拜観中御居間の御襖が悉く白紙であるのを拜
見した大観は「若し此の白襖に私共をして畵かせ下さらば
光榮に存じます」とお願い申し上げた旨記載がある。大観
が見た襖は、正にこのような「白」の状態であった。
TEL
1
②
│
0
3
│
3
4
0
7
③
梅 梅
梅
③
梅
梅
御常御殿御襖絵
梅
(代表) 編集 聖心女子大学 企画部 発行 年
5
8
1
1
回( ・ ・ ・ 月)
5
7
11
①「松」御襖絵
②「梅」御襖絵
竹
④
竹
竹
竹
④「竹」御襖絵
次の間
4
3
王御座所
大観作の御襖絵は、どのようなものであったか。調べて
みると、
『續大觀作品集』(大塚巧藝社、昭和三年十一月廿
五日)にたどり着く。御襖絵があったと考えられる襖の前
に、当該作品集にある「松」、
「梅」及び「竹」を置いてみた。
完成納入から89年後のささやかな里帰りである。
御襖絵「松」は王御座所、
「梅」は王御寝所、
「竹」は次
の間にあった(
『邦彦王行實』
)
。王御寝所にある柱を挟んで
画かれた六面の「梅」
(③)は、とても見応えのあるもので
ある。王御寝所及び次の間は、周りを見れば大観の御襖絵、
見上げれば各三十面の天井画、という光景が目に浮かぶ。
( 16 )
王御寝所
③「梅」御襖絵
http://www.u-sacred-heart.ac.jp
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