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個人通報制度における仮保全措置: 自由権規約委員会の

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個人通報制度における仮保全措置: 自由権規約委員会の
Kobe University Repository : Kernel
Title
個人通報制度における仮保全措置 : 自由権規約委員会の
実行をめぐって(Interim Measures in the Individual
Communication-Focusing on the Practices of the
Human Rights Committee)
Author(s)
坂元, 茂樹
Citation
神戸法學雜誌 / Kobe law journal,53(4):1-42
Issue date
2004-03
Resource Type
Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
Resource Version
publisher
DOI
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81004966
Create Date: 2017-03-30
個人週報制度}お吋る仮保盆符置
ニO O四年コ一月
樹
榊伊法学崎直 第五三曜第四号
││自由権規約委員会の実行をめぐって│!
茂
個人通報制度における仮保全措置
はじめに
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しかし、自由権規約委員会は、第一選択議定書に基づ︿個人通報制度の中で、これまで相当数の仮保全措置の遇
択議定書には同様の規定はみられない。
お、地域的な人権条約としては、米州人権条約が同種の規定を置いている)。実際、国際人権規約自由権規約の還
言明)または仮措置あるいは仮保全措置音吉田司自程調刷)について条約のレベルで規定しf長初の条約である(一な
条)と規定している。本綾定書は、いわゆる普遍的な入植軍約の選択践定脅し Cしては、留宰指置
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基づき裁量権を行使する場合、これは通報の受理可能性又は本案についての決定を予断するものではない﹂(第五
国がとるように求める要請を、同国の緊急の考慮を促すために送付することができる。 2 委員会がこの条の1に
対して、主張きれた違置の被害者について生じうる回復不能な重喜避けるために必要となる聖量置を当誌面約
定措置の規定を置き、﹁1 委員会は、通報の受理の後本業の決定に歪るまでのいずれの時点でも、関係締約固に
一九九九年一 O月穴日に採択され、一一 0 0 0年一一一月二一一日に発効した、女子差別撤廃長約の選択議定書は、官
坂
2
5
3巻 4号
10
知を締約薗に行っている。その多くは、公正な裁判を受けられぬままに死刑を宣告され、死刑待ちの状態にある通
報者からの個人通報の事例仁閲還している。こうした仮保全指置通知の板拠条文となっているのは、議定書本体で
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問手続規則は、﹁委員会は関係締約固に対して通
はなく手続規別である。すなわち、問委員会は、その手続規則第八六条に基づいて、通報者の死刑の執行停止を
内容とする仮保全措置を締約固に通知する寒行を量ねている
報に関する最終的意見を送付する前に、権利が侵害されたと主事する者に対する回復不能な損害を回避するため仁
仮保全措置が望ましいかど弓かについての事員会の意見を当該固に通知することができる。この場合委員会は、
関係締約固に対して、仮保全措置に関する委員会の意見の表明は通報の本案に関する決定を意味するものでないこ
日貼
とを通知する﹂と規定している。この﹁意見を通知する﹂という規定掘りからも、仮保全措置の非拘束性が肴て取
れる。この点については‘これまで輸省の聞でも見解の相違はなかったと恩われる。
の適用基準を阿われた際委員会は、﹁規則第八六条の意味における犠牲者に対する﹃困量不能な損室己を構成す
報者の圏外追放が争われたスチユワ1ト対カナダ事件(通報官サ538/1993) において、﹁回復不能な損害﹂
の回避﹂とされている。それ故、規約に基づいて保復されるべき権詞の急造した侵害に
損害
官
さらきれる他の事例、たとえば通報者の国外追放や引渡しの事例の場合にも仮保全措置の通知がなされている。通
ところで、自由権規約委員会がかかる仮保全措置を締約固に通知する際の要件は、通報者に対する﹁回復ア-能な
法 学 緯
左いわざるをえない。たとえば、通報者によりイタリアへの追紋停止を求める仮保全指置が要請されたカネパ対一方
執行停止の場合主比較すると、追放停止を求める仮保全措置の要簡は﹁回復不能な損害﹂の露定の敷居がやや高い
であると信ずる場合には、第人六条に基づく要請をしないことを決定しうる﹂と回答している。もっとも、死刑の
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L いう意味での結果の不可逆性である。委員会が、所与の事件で、賠償が適当な救活
通報者の権罰を確保できない と
るものが何であるかは、一般的には決定されえない。本質的基準は、後区本業で規約の逸庄が朝協定された場合に
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個人通報制度における仮保全措置
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ナダ事件{通報番号558/1993) において、同蚕貝会は﹁仮に委員会が通報者の主張を認め、追放が規約
違直ったと毘定した場合締約図カナダは通報者の再入国を認める義務を負うことになろう。したがって、現下の状
況でいか仁ぞれが通報者にとって不愉快なものであろうと、追放という結果は、通報者にとって﹃固量不能な損害﹄
ゐ伊
を生ぜしめるこしとはない﹂と述べてお町死刑囚の引渡し請求の場合はともかく単なる国外追放が﹁困複不能な
積書しと認定される可能性、すなわち権利の非回復性が認定される町能性はかな旬低いしと思われる。もちろん、他
の条文、たとえば公正な裁判を受ける権利に関する第一圃粂の違宣を伴今場合は別である。
いずれにしろ、こうした仮保全措置通知の趣旨は、通報審査中の事態の進展によって、通報の主題をなす当事者
の権利が侵害されるのを防止し、それによって本業の侵終的意見たる﹁見解言語をとが実効性をもちうるように
硲保する制度であると事えることができ加。その意味で‘先の委貝会規則は、一定の要件(すなわち、回復不能な
損害の有無)の枠内で、仮保全措置を締約固に遁知する委員会の裁量権を承認したものと捉えることができか。杉
組町
原高嶺教授の指摘によれば、モワした﹁訴訟主砲の権利を保全する制度は、多かれ少なかれ、すべての数判手続に
内在する基本的制度である﹂とされる。したがって準司法機関たる周委員会が、こうした制度を採用したとして
も不思議ではない。
しかし、個人通報劇度における仮保全措置は、その遵守を確保するために特有な困難を抱えている。なぜなら
個人通報制度では本業に関する委員会の見解でさえ一、法的拘束力といっ面だけからみるし ζ、形式的には勧告の効力
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しかもたないからである。仮保全措置の実効性を法的拘束力に結びつける考え方がとりづらい函がある。実際には、
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委員会じよる仮保全指置の要請の大半は遵守されているが、伎に締約固による不遜守という事態が生じた場合か
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1cJK略称)は、最近のラグラン事件で、自園民の死刑執符停止の仮保全措置を求めたドイツの要請を認容し
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死刑紙行停止の仮保全措置を命ずるとともに、本業でその法的拘束力を承認することで同措置の遵守を確保すると
いう方法を採用した。また、ラグラン事件判決以降、欧州人権裁判所も、これまでの判例を変更し、仮保全措置の
法的拘束力を認める判決を下している。本械の目的はこうした状況下にあって、仮保全措置の遵守を確保するた
めに委員会が展開している法論理とはいかなるものであるかを検討することである。そこで、まず、 ICJおよび
欧州人権量判所といった他の国際紛争処理機凋における仮保全措置の拘束力をめぐる最近の動きを検討してみよ
務の違置後に行われた閣内裁判で死刑を宜告された自国民の死刑執行の停止を求める仮保全措置の要請が本圃から
では、米国仁よる領事関係に闘するウィーン条高(以下、領事閣係条約と略称)第一二大条一項 (
b) の領事通報義
仮健全措置の拘束力をめぐる従来の論争に終止符を打?︼とになっ却。そこで、こうした判断に室ったICJの判
が、二OO一年六月一一七
333 事 件 の 主 判 事 、 同 措 置 の 法 的 霊 力 を 承 認 し か 。 そ の 塁 本 判 官
た。こうした事態を受けて、 ICJ
は、これまで仮保全措置の法的拘束力について明確な態度を一不してこなかった
かかわらず、死刑執行停止の権限をもっ米国の当該州知事が同命令K応じず、死刑を執行するという事態が発生し
ラン事件およぴアヴエナ等メキシコ園量刑)。しかし、先の二つの事件において仮保全措置専があったにも
姐司官
周知のように、 ICJ
は、国際司法裁判所規程第四一条所定の仮保全措置の実行を重ねている。とりわけ最近
国際司議議判所l
-ラ一グラン事件(ドイツ対米国)(ニO O一年六月二七日)
量 総
法 学 容
なされ、 ICJf﹂れを認容する事例が相次いでいる(ウィーン領事関訴条約︹いわゆるプリアド)事併、ラグ
他の国際紛争処理機関における仮保全措置の実行
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日巻 4号
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個人通報剛度における仮保全堵置
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決を概慢してみよう。まずは、当毒事件め事実関係を振り返ってみよう。
ドイy園容を有するウォルタ1 ラグラン と
L カールラグ一一フンの兄弟は、
一九八二年一月、アリゾナ州で銀行の
支庖長を殺害し、他の従業員に重傷を負わせた持抱器強盗の容疑で州当局に逮捕された。兄弟は、領事関係条約第
壬ハ粂一項(
b)所定の領事通報の権利を知らされることなく起訴され同州ピマ郡の議判所で死刑を宮吾された。
兄弟は別の情報濃から領事通報格の存在を知旬、-九九二年一一一月、在ロスアシゼルスドイツ総領事館の職員の
(Ea宣E83E)
訪問を得た。兄弟は、ドイy領事の援助を得てアリゾナ州地区の連邦地裁に人身保護令状
の積求を提起した。この手続において、兄弟は、米国が領事関係条婦に途亘して領事通報を怠ったと主張した。し
SEE-EEE 規則によって退けられ宇一九
かし、この主張は、米国の国内司法上の規則たる手続的僻怠(司
九人年一月、米圏第九巡回控訴裁判所も、この判決を支持した。同年-一月連邦最高裁は兄弟による再審理の請
求を退けた。これを受けて、同年一二月、アリゾナ州最高裁はカールの処刑日を一九九九年-一月二四回、ゥォル
ターの処刑日を周年三月三日と決定した。かかる事態をエ受けて、ドイツはさまざまな外交努力を開始した。しかし、
カールは予定通のに処刑された。そこで、ドイアは、同年=一月二日、聖路の孟大伎と緊急性を根拠仁、米国に対し
ウォルターの死刑執行の停止を求める仮保全措置の要請を伴う請求訴状を・ ICJに提出した。
ICJ
は、﹁(三米国は本字続における最終判決が下されるまで、ウオルタ1 ラグランの刑
これを受けで、
の執行停止を確保すぺく、とりうるあらゆる措置をとらなければならない。 (b) 米国政府は、この命令をアリゾ
ナ州知事に伝えなければならない﹂との仮保全措置を命じた。同命令が発出された当日(一九九九年三月三日ハー
グ時間午後七時一五分、アリゾナ州午前一一持一五分)ドイyは、米国速邦政府およぴアリゾナ州知事を相手取
ICJの恨保全措置の遵守を求めたが、米国の訟務長官は、 ICJの仮保全措置には
り米関連邦最高裁に提訴し、
絵画拘束力がなく法嗣救済の対象になりえないと証言した。米国連邦最高裁は、ドイアの請求の遅延や米国圏内
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5
3
巻 4号
誌
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法における管絡権上の障害を理由としてこのドイツの申立を退けた。同日、ゥォルターは処刑された。
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ICJ
は、規程の趣旨およぴ目的の考察へと進んだ。すなわち﹁規程の趣旨および目的はそこ
に定められている機能、とりわけ規程第五九条に従う拘束力ある決定によって固際紛争の司法的解決を行うという
および目的に反すい肝﹂と暫示したのである。このようにICJは、拘束力の根拠として、かかる措債の不遜守は裁
づけられることになる。第四一粂に基づく一仮保全措置は拘束的ではないかもしれないとの主張は、当時畝垂文の絶昏
所の最終判決によって決定される当事者の権利を保全し、またそうした権利の侵害を回避するための緊急性に基礎
並芯にその文脈で読む貧困一条の文言から、仮保全措置を指手する機能は、事情仁よって必要と罷めるとき、裁判
利が保全されないために、裁望所がその機能の行使を妨げられることを防ぐこし乙である。規程の趣旨および巨的、
基本的な機能を裁判訴が果たせるようにすることである。第四-条︹の目的︺は裁判訴における紛争当事者の権
述べか。そニで、
消されない意昧の相違があることが明らかしとなった場合には、条釣の趣旨及び目的﹂を考慮しなければならないと
文﹂であることから複数の言語により確定された条約の解釈規則を定めた条約法条約第三三条四項を適用し﹁解
ないので拘束力がない左の主張に対しては、国違憲章第一一一条により、﹁笑文と仏文の違いはあっても等しく正
さらに﹁とられるべき
国による、同条では英文の﹁望不(
E図書 E露呈﹂が用いられ、﹁命じる(主賓とが用いられていないこと
Z高官 S Z E安当)﹂が使用きれ、﹁とらなければならない(ヨ量子笹色こが使用されてい
較 す る と 仏 文 のJE吾R
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E青島8zは拘束力については価値中立的な言素であると認定した。さら仁米
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s丹色白雪居眠)﹂という文言が義務的性格を有しているのと比
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ドイツはICJにおける訴訟を継続しその後の本案で勝訴判決を勝ち取った@その判決において、
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程第四-条で周いられている﹁とられるべき
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判訴の権能存偵の妨げになるとの論理を採用した。その結果これまで学者の聞で議論のあった第四一条で用いら
れている文言の解釈に関する論争についても、終止符が打たれることになった。
岡判決後、欧州人権裁判所も、従来の判例を覆し、仮保全指置の法的拘束カを承認する判決を下した。次に、そ
の判決を検討してみよう。
ZB盟主
政州人権裁判所l ママクロフおよびア7ド ラ ス ロ ヴ ィ ッ チ 対 ト ル コ 事 件 宏 呂 町 草 壁
ニ00=一年二月六日)
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定されていた(代表的な判例としては、ゼ1リング事件がある)。また、その要請は締約国によりほぼ完全に遵守
鎗
の危険が存在する第士一固に引渡Lまたは追放するといった、いわば条約の崎域外適用の効果を伴う事例にもっぱら限
上らなかった。実隠のところ仮保盆措置の必要性は拷問の禁止を規定する条約第三条に途置する取扱いの実際
L が多い@ 一九八九年まで、問面"において、仮保全措置の拘束力の問題はあまり議論に
ぴ第三条に言及するこ と
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た危険が存在する場合に、第三九条に基づいて仮保全措置が要輔されている。かかる要請は一般に条約鎗一一条およ
よれば、申立人の生命または拷問著しくは非人道的あるいは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰に対する差し迫っ
欧州人権委固貝会の手続規則第三六条にも、委員会が仮保全措置を要請しろることが規定されてい加。過去の実存に
と略称)は、自由権規約委員舎と阿様に、その手続規則(第一二九条)仁おいてその権限を承認している。なお、
欧州人権条約(以下、条約と略称)には仮保会措置に関する明示の規定はな︿、欧州人権裁判所(以下、問。
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問題が生じたのは、
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個人通報制度における仮健全措置
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締約国が個人の申立権の効果的な行使を妨げてはならないことを規定する条約第一二四粂の違匡に相当するどの決定
を行った。しかし、関口Emは、向委員会の決定を覆し、個人の申立権を妨害しない義務は、仮保全措置の義務的
効呆の法的基礎を提供しえないと判示しか。その判決仁よれば﹁まず規則第三六条が手続規則の地位をもつに
すぎないことに留意しなければなら一ない。仮保全措置に関する条約の規定が存在しないので、規制第三六条仁基づ
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同旦﹂および本事件での哲示の表現に反映
いて与えられた指子は、締約固に対して拘束的な義務を生じきせるとは考えられえない。このことは第三大条自体
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(﹃仮健全待置を掲示することができる百弓 Z
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n書超々ヨE ヨ
されている﹂というのである。そして、﹁規則第三六条の指=不を遵守する実行を、これらの指示が拘束的な義務を
生じさせるという信念に基づかせることはできない。それはむしろ、指示が合理的かつ実際的である場合に、委員
会に信義賊実仁協力するという問題であい山﹂と言い切ったのであ担。しかし、ラグラン事件判決の}年半後、ニ O
O三年二月六目のママクロフ事件判決において、同記 MNは、これまでの判例を覆し、仮保全措置の法的拘束力を
本事件の申立入はウズベキスタンの野党の党員で、ウズペキスタンでの爆弾テロなどの容疑で国際逮捕状が発
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給され、トルコに入国しようとしたところトルコ当局によって逮捕されたウズ パキスタン国民である。トルコの
R 亘書はこ
淘に仮保全措置の申請を行った。
遺置したと主麗した。さらに、問nEmの仮保全錯置命令に従わなかったことにより、﹁締約国は、この ︹個人の申
で、空立人を拷聞の危険があ句公正な裁判が否定されている岡固に引去漉すことによってトルコは条約第三条に
きれ、ウズペキスタンに引き渡されるという事態が発生した。弁護人は円陣"での訴訟を継続し、その申立の中
の申盛闘を翠容しトルコに引渡しの停止を命じた。ところがその九日後、トルコの裁判前で申立人の主張が却下
ではなく政治犯罪で起訴されたと主張した。その問、申立人は奥
ν=
裁判所での犯罪人引渡しに関する係争手続中に、申立人は、みずからはウズペキスタンの反体献派であり刑事犯罪
認める判決を下した。当議事件の概要低、次のとおりである。
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個人通報削度における仮保全措置
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{C) が規定ずる﹃当事国の聞の関係において適用される国際法の
立の︺権利の効果的な行使を決して妨げないことを約束する﹂という条約第一二回条に違直したとの主嘉吉行った。
Emは、﹁条約は条約法条約第一三条三一項
同
︽
関連規則﹂に照らして解釈されなければならずみずからがその一部を形成する国際法の他の原則とできるだけ一
致して解釈しなければならな阿﹂左述べて、﹁他の人権条約機関やICJにおいて仮保全措置に対して異なる規則
e
が適用されていること仁留量する﹂とした上で、﹁最近の判決や命令において.習際裁判所が、かかる措置の遵守
は本案におけるみずからの判決の実効性を確保するために必要であると指摘していることに注目す担﹂のである
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こうしf雇近の室行の検討を芋えるものとして﹁条約は生きている文書
冒宮司自乙であり、現在の状況
に事りして解釈されなければならないという一原則は、判例よ確固として根づいてい担﹂との論理が用いられる。そ
して、哩示にICJのラグラン事件に言及し、 ICT会仮保全措置の拘束カを承認した一節を引用するのであ担。
さらに、第一一様定書の改正以来、個人の申立権は締約園の宣言に依存するものではなくなりますますその重
要性を増したことが指摘されヤそして、﹁重一面粂から第一に申立人は個人の申立権を効果的に行使する権限
があること、省関士に、第三条の違反を主語する申立人は、予定されている引渡しまたは追紋が第当局飛の途亘を伴う
かどうかの問題の実効的な審理を受ける資格がある﹂とした上で.﹁裁判所規則第一二九条に基づいて、 REmが与
えた指示は、裁判所に、申立の実効的な審理を遂行することを許し、条約によって与えられた保護を確保すること
を許すものであ制﹂と述ぺたロそして、最終的を結論として﹁途置を主聾する犠牲者に生ずる回復不能な損害を
mE量一が曹不する仮保全措置についてもそ
仏
回避するために、仮保全措置を命じられた締約国は、それらの措置を遵守しなければならず(吉宮
-g目立句豆号費語
222てまた最終判決の権威と実効性を損なうような作為または不作為を差し控えなければならない﹂と型不
したのである。
治︿して、ラグラン事件判決のあたかも﹁違鎖反取﹂のごと︿
の法酌拘束力が承認されたのである。そこにはラグラン事件判決に通底する論理、すなわち、﹁仮保全措置の遵守
m特有の論理、
は本案におけるみずからの判決の実効性を確保するために必重である﹂。という論寝一とともに、円同z
すなわち、仮保全措置の法的拘束力を条約第三四条に基づく個人の申立構の確保に基礎づけようとする論理が看て
置から=三四件の個人通報を受理している。そのうち、非許容しとされた事例は三宣O件にのぼり、陶工且の撤回あ
委員会は、新規遍線抱当の特別報告者を通じて、通報者がみずカらの事件の十分な審牽喜保証する方法で、自己
わけ公正な裁判を受ける権利の申立と絡んだ事件に関して規約造匠の認定を行なってきた。
刑の問題を惨う一 O O件を超える通報を受理し検討した。その大多畿の事件で本案についての決定を採択し、とり
会埋もあ旬、ほほ一定している。委員会はとりわけ、これまで死
し残りの一二分の一で個人通報事例を処理する e
傾向がみられるが、決定の事寒薮そのものは委貝一会の態力の限界(会期の三分の二を国家報告書の国別審査に費や
-
るいは審議中止となった事例が-七一件あるロすでに﹁見解﹂が出きれた事例は四四=件あり、そのうち三四二件
“
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-二年一一月)までに、設定書の締約国敬一 O四カ冨中七五カ国の締約
てきている。委興会は、第七九会期(
自由権規約委員会(以下、委員会と略称)は一九七七年の第二会期以来、個人通報に関する実績を若実に重ね
E認定が行われた。残りの二五一件陪審議継続中の事例である。過圭一五年を例にとれば、通報事案の噌加の
で違
自由権規約委員会における仮保全措置の実有
であるから、おのずから異なる論理構成が必要になる。次に、自由権規約委員会の実行を検討してみよう。
下す権能をもっているのに対して自治権規約委員会は、その結論たる﹁見解﹂でさえ法的拘束力を有しないわけ
ような法論理を周いているのであろうか。これまでの国際紛挙処理機闘がいずれも裁判所として拘束力ある判決を
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o それでは、同じく人権条約の車種闘である自由権規約委員会は、仮保全措置を撃させるために、どの
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法 学 雑 館
回嘗 4号
神 戸
信人通報制度における仮探全措置
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の主張を立註したな吾量亘書﹀すべての死荊事例で、締約固にその申立が委員会により審議されている閥、遇
級者の死刑を執行しないよう求める仮保金措置の通知を行っている。実際、 ICJでの仮保全措置の場合とは異な
り、個人通報制度にあたっては、締約固による委員会の事項管轄や時間誉織に関する留保の制約がない限り、笹量
権の有無の問題は生じないので争もっとしたら受浬可能性のみということになる。逆にいえば、通報の受翠可能性
の董伐世が高い事件については、委員会が仮保全措置の通知を職権に基づき行っていることになる。後述寸るアンユ
-
ピi対トリニダlトトパゴ事件(通報番目守温室温とでも、受理可能性に対する締約国の見解を手続規則第九
一条一項に基づいて求めるとともに、委員会が申立につき判断を下すまで、死刑の執行を延期するよう要請した。
当然の ζとながら、仮保全措置は決して仮判決ではないので、﹁仮保全措置に関する委員会の意見の表明は通報の
霊祭に関する決定を意味するものでないことを通知する﹂という文言が付記される。
なお、規約の個人通報事例では前述したよう仁本案じ閲する委員会の見解でさえ法的拘東力という商だけか
らみると、形式的には勧告の効力しかもたないので、 Icーのように、仮保全措置の遵守を促すために、同措置の
法的拘束力を認めるじという決定が困維な倒歯がある。他方で、精約菌は自由権規約の締約固になることで、この規
を約束している以上勧告の効カしかないといウ二与をもって委員会による仮保全措置の要蘭をまったく
約において認められた権利の侵害があった場合には﹁効果的な救済措置を受けることを健保すること﹂(一一条三一項
(a))
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もちろん、
無視することもまた闘艇であろう。まして、値人通報における委員会の見解のフォローアップの寒行が一九九O年
代カら始まっているこ左を考慮すれば、なおさらそうした形式訪理だけでは逃れられない部分がある
本家の見解についてすら勧告の性格しかもたないことを理由に、救済を拒否する図(た。とえば、オーストリア)の
泰生を考えれば、形式的にはなお可能であるかもしれない。しかし、仮保全措置の対象事柔がもっぱら死刑の執符
停止というものであるしとすれば‘当該措置の要請が無視されいったん死刑が執行きれる事態に歪るしと、当該個人
ロ
回巻 4号
法 ~ 雑 ~
神 戸
ICJの場合、あくまで国家
の権利の救請の遭は閉ざされてしまうので、本案審理の意味は犬絡に減じられてしまう。この点は、先のラグラン
事件で同様の立場に立たされたICJと同じ問題に直商寸るこ と
L になる(もっとも、
間紛争としてフォ lミユレl卜されているので、本案審理の意味が減じられることはないとの論理構築は可能では
あるコしかも、こうしア品車事例の多くが公正な裁判を保障した規約第一四条に違匡する裁判の結果、死刑の宣
告を受けた場合であることを考えれば、仮保全指置の木選守は深刻な人権侵害を惹起する。換言すれば-一重の人
権侵害が符われているともいえる。
そこで、委員会の仮保全措置の要簡に締約国が応じ一なかった鳩合に、委員会としてどのよろな対応が可能かとい
う点が問題 と
L なる。言い換えれば、死刑の執行停止や延期を要脅する仮保全措置の遵守を繍約園に求めるため仁、
どのよう一な法論理が現行の制度の中で構築可能かという問題である。以下、この点に着目しながら、委員会のこの
周題への対応を検討してみよう。
最初に取り上げるアンユピ l事件は、この観点からきわめて興味深い事例である。本事件は、死嗣図に対する死
刑の執符語新を求める仮保全措置の通知が締約国によって無視された初めての事例である。委買会は、規則第八六
D
そこで委員会は一九九四年七月一一六日に開催された公開での二二五二会合でこの問題
条に基づく特別報告者の要請に従わなかった理闘を註明するようトリエダ1ド ト パ プ に 求 め た が 問 固 か ら は 何
の政明も得られ 低
A かった
を協賎した。同会合の議長は、安藤仁介委員であったが、安藤議畏の説明によれば﹁本事件をめ︿る特異令状況
のゆえに委員会は公開とすることを決定したとされる﹂。まずは、どのような事件であったかを振り返ってみたい。
アγュ ビ 対 ト リ ヱ ダ ド ・ ト パ ゴ 事 件 ( 通 報 番 号 包 宝E S
通報者は、ポートオプスペインの刑務所で死刑の執行待ちの状態にあるトリエダI V トパゴ市民のグレ
個人週線制度における仮保全措置
ン ア ン ユ ピ1{gg旬、,昏S
)氏である。通報は}九九四竿七月六日に提出きれたが、その入日後の同月一回目
アンユピl氏は国家刑務所で処刑された。弁護人は、同氏は規約第六条、第七条第一 O条、第一四条一項、同条
三項 (b)二 五 、 (d) と (
g
) 及ぴ同条五項の被害暑であると主張し担。
アシユピ氏は一九人人年大月一七日に逮捕され、翌年七月二 O目、殺人罪により死刑を宣告された。一九九
四年一月一一 O日 に ト リ ニ ダiドトパゴの控訴審は、彼の控訴を棄却した。英国の枢密院司法署員会は、その後
アシユピI氏が提出した、上訴特別許可の申簡を阿年七月六日に棄却した。その結果、選択議定書が通報基一理の要
件とする利用可能な園内的救済はすべて尽どされたことにな加。
アシユピ氏による聖立を委員会の事務局が受理したのが、阿月七日であった。岡月二百、新規陶工立担当の特
別組報告者は、トリニダ1ドトパゴ政府に対し、委員会の手続規副第八六条および規則第九一条に基づく決定を送
付した。そのなかで、特別報告者は、委員会が申立について判断を下すまで刑の執行を延期L 申立の受理可能
性の問題について、情報と所見を提供するよう求めた。この要請は、同目、ジュネーブ時間午後四時O五分(現地
時間午前 }O時O五分)にジュネーブの周政府常駐代表部に手渡された。阿政府代表部によれば、問自の午後四時
三O分から四五分の閣仁(現地時間午前一 O随
時
三 O分から圃宜分の聞に)、要請は政府にファックスで送存された。
二二日の夜から一四日にかけて、 アンユピ1氏に対する刑の執行を延期させるためにトリニグドトパゴの控茸
裁判所およぴ英国の枢密院司法委員会では様々な努力が行なわれたロ 一四日ロシドン時間午前一 一時三 O分(現地
時間午前六時﹂一一O分)、枢密除司法審員会が執行延期命令を出した時、アシユピl氏に対する刑がすでに執行され
た事実が明らかになった。当時 Y控訴裁判所は開廷中で、延期命令の問題についての審理を行なっていたとされ担。
こうした事態を受けて、同月二六日、委員会は公開での決定を採択した。その中で委員会は、規則第八六条に基
づく委員会の要筒をトリニダドトパゴ当局が無視したことに対し遺憾の意を表明した。さらに、議定書に基
"
期を棄却し板審院が保全命令を認めたのは英国時間の向月一四日午前一 一時四五分(現地臨時間午前六時四五分)、
阿国政府は、﹁委員会に、申立の検討を行う権限があるのふ刀疑問に早ーなぜなら、当該申立が提出きれた時点で、
こうした釈明の後‘トリニダ lトトパゴ政府は一転して、委員会の決定に対して次のように反論した。まず、
うことはできないだけでなく要摘に従うよう締約国政府に強制することもできないという見解である﹂ と
L の立場
識していなかったという事実は別にして、おが園政府は、規則第八六条によれば委貝会がそのよう一な要請を行な
に基づく義務の履行を怠ったという認定に異議を唱えた。﹁関連する機関が特別報管者から要請があったことを認
L ともに、後述寸る公開の決定で明らかにされた、阿国政府が規約及ぴ還択議定書
され白えないはずだ﹂と主張する と
アンユピ氏は園内的救済を尽古していなかったからである。ゆえに、規則第九 O条に基づいて、当該申立は受理
戸
掴
つまり阿氏が処刑された豆分後であった﹂と説明した。
ぜl氏は、同月一園田午前六時四 O分(現地時間) に処刑されたという。同国政府は、﹁控訴裁判所が刑の執行延
月一人目のことで、これは‘同民の刑が執符された四日依慌たったというのである。なお、阿国政府によれば、アシユ
則場人六条に基づく特別報告者の要請し乙笑仁、アシユピ1氏に関して提出された申立書の全文を受け取ったのは同
れf時有で規則第人穴条に基づき特別報告者が行なった要請の存在を知らなかった﹂と釈明した。外務省が規
なお、仮保全措置を遵守しなかったこ左に対して、トりエダドトパゴ政府は、﹁アンユピ氏に刑が執行き
5 れたと主張しか。
が侵害
きないか、弁鍍人は死刑の執特により規約第一四条一項(公正な裁判を受ける権利)および同条五項(上訴の纏利)
定は翌目トリニグ!ドトパゴ政府に送付されが。紙幅の関係で申立の個々の内容について詳述することはで
刑執行をめぐる経緯と同じような状況が二度と起こらないように、同国政府に強く求めた。委員会のこの公開の決
づいて、引き続きアンユピ l事件を検討することを決定した。またあらゆる手立てを尽︿して、アンユピ l氏の死
"
5
3
巻 4号
司
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個人通報朝間吏における仮撮金措置
の
れに対して委員会は
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、(d)(g) 項及ぴ岡五項の問題に関する限
(b)(C)
アンユピ l氏の控訴判決が著
最後に、本橋の主題である仮保全措置の不遵守(アンユピ 1氏の処刑)について、﹁委員会は、規約で保障され
事実を考慮すれば信義誠実の原則に違直するとL 規約第六条一項及ぴ二項の違反を認定した。
密院に刑の執符を延期するためのすべての手立てが尽︿されないうちはアンユピl氏に刑を執行しないと伝えた
との弁護人の主張に対しては、委員会は締約国が規約上の義務を怠ったと認定した。しとりわけ、法務長官代理が枢
ぴ豆項の要件と両立しないと判断しみJZそして、同国政府がアシユピi氏に刑を執行したのは生命権の侵害である
正当化する十分な理由とはならないとした。委貝会は、四年半に及ぶ裁判手続の遅延は規約第一四条三項︹ C) 及
しく遅れた点については、締約固による人買が不十分であったとか行政事務が滞っていたとの鋭明は手続の幸弘を
紙帽の関係もあり、本案の審査の内容について詳述する余裕はないが、委員会は
り通報は受理可能であるこしとを決定するとした。
掴
は 規 約 第 六 条 第 七 条 、 第 一 O条一項、第一四条三項
生命を奪われたとの請求に関して最初に利用可能な菌内的救済を尽くす必要はないと考える。したがって、委貝会
週報を考祭することは排除されていないし、弁護人が委買会にこの請求を提出する以前にアンユピl氏が懇意的に
たとされる。事件の状況に鑑み、委員会は、選択議定書第五条二項 (
b) により、第宍条に基づくアシユピ1氏の
の救済を完了させることを許し、委員会にアシュピ1氏の通説の受理可旋性の問題を決定させることを意図してい
ピ!氏に対する﹁回復不能な領書﹂を防ぐためであったと反論した。この要請は、アンユピ!氏に係争中の司法上
ア
高
;
の目的を消滅させあるいは委員会による見解の歩明を無意味なものとする効果を有する行為をとるのであれば
た権利の違匡があった治どうかは別にして‘締約国が、規約違反の通報の検討を妨げ若しくは委員会による検討
"
選択議定番に基づく義務の重大な違反を犯すことになるというみずからの判例を想起する。本件における締約国の
行為は、規約および還択議定書の締約国に求められている信義眠実という最も重要な要素を行使しな治ったという
点で衝撃的であると断じたロそL て、委員会は、アンユピ 1氏に関する通報について、みずからが過報の検討を終
え見解を表明する以前に同民が処刑されたことは、選択議定書に基づ︿義務に途宣したと認定するとした。とり
わけ、規則第八六条に基づいて刑の執桁を差し控えるよう締約百に要請した後に、締約国が処刑主強行したことは
許しがたいとした。特仁、向玉の対象者に対して刑を執行するというような、回復不健在措置を行ない、委員会の
(C) およぴ五項の違
手続規則を無視することは、選択餓定奮を通じての規約上の権利の保護を損なうことであ hp
﹂と激しく非難した。
そして、最終的に、委員会は、提出された事実から、規約第六条一項、二項と第-四条一二項
反を認定ずるとともに、規約第二条三項に基づきアンユピ1氏には、何よりも生命の保持を始めとして効果的な
救済を受ける権利があったとし、遺族仁対して十分な補償が支払われなければならないと認定し刷。
上記のように、本個人通報事例で、トリニダドトパゴは委員会による死刑囚の通報者に対する死刑執行の
延期を求める仮保盆措置の要請を無視し、一九九四年七月一四日に死刑執行を強存した目前述したように、委員会
は第三大会期の一九八九年七月二六日に採択されれ主ず続規則第八六条に基づき、回復不能な損害を回避するため
に仮保全措置を遜知できるとなっている。本事件は、死刑囚に対するそうした仮保全措置が締約園によって遵守さ
れなかった最初の事例である。そこで委員会は、かかる事態の再発防止は至上命題であるし ζして、次のような強い
委員会の手続規則第八大条に従った委員会による仮保全措置の要請に節約国の当局が従わなかったこと仁
慣りを表明し(一部省略)
1
文言を周いた公開の決定を行った。すなわち、
「
路
幻巻 4号
E
審
神 戸 法 学 雑
個人通事管制度におげる仮係会措置
締約園は選択議定書を批准することにより、その手続の下で委員会主協力することを約束したことを想
"
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のである。
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このように、委員会は、
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トパゴの阿仁は、見解や仮
報が受理可能であるかどうかを決芦子るのは委員会であって、締約固ではない。委買会は締約固に通報の委員会
置に従わず、園内の高等裁判所の執行の一時停止命令に従、つという態度をとった。これに対して、委員会は、﹁通
た が ト リ ニ ダlドトパゴは、仮保全措置の段階でみずからが通報は不受理 Lζ考えるが故に、委員会の仮保全措
阿国に関する限旬、根本的な問題は解決されていない。たとえばプロッタ事件では、最終的に通報は不受震となっ
置に従?といヲのではなく国内裁副所である控訴裁判析の処刑停止命令に従うという立場を採用したのであり
後の事併で、死刑囚の処刑の中止という結呆はもたらきれたもののトリニダ1ド ト パ ゴ は 、 委 貝 会 の 仮 保 全 措
ト
3T羽毛呂志)、並びに蚕貝会に係属する類似の性質の他の事件で規則第八六条を遵守するよう要求﹂した
いよう確保することを強主要求し、とりわけゲレロおよびウォレン対トリニダlド ト バ ゴ 事 件 ( 通 報 番 号
締約国が、みずから利用できるすぺての手段によって、アシユピ 1氏をめぐる事態と類似の事挙が生じな
3 4 ( 省略)
起し、そして締約国が遭択麟定書およぴ規約の双方の義務に従わなかったことを強調した。
2
5
か
し
審査に十分一隆力するよう要骨﹂した経緯がある。その意味で、委員会とトリエダ1ド
"
間
"
'
巻 4号
誌
保全措置の実施をめぐって依然として意見の対立があるわけで、議定書脱退以前に違買認定されたその後の事例も
含めて、その実施状況を見守る必要があるといえ加。なお委員会による仮保全措置の通知が無視された事例は、
O)
マノサラジ、タンバおよびンセイほか対シエラレオ1ネ ( 通 観 蕃 号 自 宝E
これにとどまらない。ンエラレオi ネからの最初の個人通報事例でも同様の事態が生じた。
︹
Z)
通報者らはすべてンエラレォーオ一共和国の軍隠または以前軍隊の構成員であった者である。通報者らは反逆揮
L され、一九九八年一 O月一一一目、死刑を
と暴動の鎖雇の失敗のかどで趨辞きれフリータウンの軍事法廷で有罪 と
宣告きれた。同軍事立廷には、上訴の権利は存在しなかった。河月一=一日と一四日新規通報担当の特別報告者は、
白
規則第八六条に基づいて、通報が委員会によって審理されるまで、すべての通報者の処刑を延期するようンエラ
レォlネ政府に要鯖した。しかし、一人名の通報者のうち-一一名が‘同月一九日、処刑きれてしまった@
創世
同年二月四目、委員会は手続規則第人大条の要簡を尊重し会かったこの問題を検討した。委員会は締約園f委
弁護人は、軍事法廷は有罪判決に対し上訴権を鹿めていないので、締約国は規約第一四条五着に湯豆したとの主
員会の要簡を遵守しなかったことを遺憾に思い、選択議定書に基づく当量通報の検討を継続することを決定した。
張を行った。一方、締約国は、委員会の度重なる招請にもかかわらずこの通報に関する情報を何ら提供しなかっ
通報著にその見解を送付することを許し可能にするため隙実仁委員会に協力するとの約束である(第五条一項およ
および第一条)。園家による議定書の加入に合意されているのは、かかる通報を検討し、また検討の後、締約国と
のいずれかの途置の犠牲者であると主張寸る個人からの通報を受理し検討する委貝会の権限を承認している(前文
かかる事惑を踏まえて、委員会は還択酸定書に加入することによって、規約の締約園は規約に定められた権制
75
•
戸
法 学 雑
神
個人通報.度における仮保全措置
ぴ四項)。繍約国が委匡貝会が通報を検討L審理すること、そして見解を表明することを妨げる行動をとるのは、
これらの義務じと両立しないと認定した。
そして、通報者を処刑したことについて先のアシ三ピ1事件と岡様の表現で、すなわち、﹁通報において規約
で保障された権柑の違反があったどうかは別じして、縦約国が、委員会による規約違反の通報の検討を妨げ、若し
くは委員会による検討の目的を消滅させ、あるいは委員会による見解の表明を無意味なものとする効果を有する行
動をとるのであれば、選択議定書に基づく義務の重大な選置を犯すことになる。本通報に関しては、通報者は規約
第-四条五項に基づく権利を否定されたと弁護人は主張する。通報の受領後委員会が通報の検討を繁一え見解を表
明する以前に、犠牲者と主張する次の者らを処刑することによって、締約国は還択議定書に基づく義務に違亘した。
L ンエラレォーネを非難した。ァシユピ l事件!と異なる点は、雇約第一一一九条に基づき採択さ
と
とりわけ、委員会が規則第八六条に基づいて刑の執行を差し控えるょっ締約固に要閉した後に、処刑を強存したこ
F しがた同﹂
とは
れf手続規則第八六条に従う仮保全措置は、選択鎮定舎の下での委員会の役割にとって不可欠なものである﹂こと
を強調した点、きらに仮保全措置が、﹁とりわけ、犠牲者であると主張する者を処刑したり固から追抜したりする
不可逆的な措置によって﹂という表現で、死刑の場合のみならず圏外追放の場合も当てはまるこしとを確認している
点である。そして、結誌として、﹁手続規則を無視することは、選択議定書を通じての規約上の権剰の保護を損な
うことであ恒﹂との判断を示し、議定舎の違反にとどまらて仮保全措置の不遵守が規約上の権利の保穫を損なう
ことを強調したのである。
なお、本案については、委員会は死刑を伴、つ事例で上訴権を認めないのは規約第一周粂豆項に違買し、その結
権利を含むすぺての公正な裁判の保障が遵守されたときのみ、規約第六条二項に基づき死刑を科しうるとしている
果として処刑を行ったことで生命権を保護する第六条に逸置したと認定した。委員会のこれまでの判例が、上野併の
"
m
関 巻 4号
ことは明らかであるというの守ある。委員会は委員会が遁報の検討を終了する以前に通報者のうち二一名を処刑
することによって、締約国は選択犠定書に基づ︿義務の重大な違反を行ったとの結論を繰り返し静。
前途のアン三ぜ事件と同様、ンエラレォ!ネが規則第八六条に基づく死刑執行の延期を求める仮保全措置の
要請を無視したことに対して、委員会は第六四会期に開催された会合で、次のような決定を符なうたロ
﹁委員会は
委員会の手続規則第八六条に従って、委員会が行なった仮保全措置の要請に、 γエ ラ レ オ オ 一 政 府 が 従
2 選択議定書を批准しfd時点で、シエラレオキ政府は、手続に従って委員会に協力しなければなちない
3 4 (省略)
ンヱラレオ}不政府に対し
リピンの事例がそれである。
こ号した委員会の強い態度仁もかかわらず、その後も、他の締約固による仮保全措置の不遵守の例が続いた。フイ
置の不遵守の問題に対して決して等問視しないという委員会の強い決意が看て取れる内容になっている。しかし、
との決定を採択した。先のトリニダ1ド ト パ ゴ の 場AV
とほぼ同様の文曹と法詣理が用いられており、仮保全措
﹂
5
6 7 (省略1
く要請する。とりわけ委員会は、手続規則傭人六条を選守するよう求める(一部省略コ
できろる限りの手段を尺ミして、今回のような事態の再発を防くよう、強
ことを想起し、阿国政府が、選択設定書および人権規約に基づくみずからの義務を怠った事実を指摘する。
のであったと考える (一都省略)。
るようになってから委員会に提出された最初の事例であることから阿国政府の姿勢が全くもって遺憾なも
わなかったことに憤りを感じると阿時に、今回の事例が、選択餓定書がシエラレオ1ネ政府に効力を有す
1
能
主
目
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法
神
個人通報制度における仮保全措置
ピャンデイオン、 モラロスおよびバラシ対フィリピ μ事件(温報番号gmS由ω
)
円
Z ったが、同日却下された。そして、その午後、通
の通知を受け取った。弁護人は、最高裁に差止を求める請騒を行
止を内容とする仮保全措置を通知した。ところが、周年七月七回、委員会は八日に死刑の執行令状が発給されると
五目、執行の三ヶ月並矧を認めた。同年六月一一一一一目、そこで、委員会は、手続規則第八六条に基づき死刑の執行停
一九九七年二月一一三日最高裁は上告を車棄却した。処刑日は一九九九年四月六Bとされた。大統領府は周年四月
一九九四年一 一月七日‘通報者らはカルカ1 ン市の地方裁判所で強量殺人の罪で有罪とされ、死刑を宣告されたロ
れるべきではないと主張した。
E
た点は問題があると主聾した。最後に弁護人は死刑は積韮に選直しており、極惑非這な犯罪を除いては、適用さ
通読者らに似ていないことから、彼らの証育は信頼できないとした。また裁判官が三人のアリバイを翠めなかっ
裏づけがないとの理由から、それらを無視した。弁護人は、目撃者は被害者の親友で、彼らが証言する犯人像が、
ラロス氏およびパラン (﹀回国︼一書)氏は宣誓を行ったうえで託膏したにもかかわらず、裁判官はそれぞれの証言に
た。しかし、普察は園撃者に対して、両氏を犯人として証吾するよう命じた a裁判では、ピヤンデイオン氏、モ
強要されたものの、容疑を否認した。且撃者仁よる商遍しを行なったが、彼らを犯人だとする証言は得られなかっ
対する共犯容疑であった。この事件では、乗客であった警察宮が殺害された。警察で両氏は下腹部を殴られ自白金
された。逮捕理由は、阿月二一日にカル1カン
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Z
) 氏は一九九周年二月一一七日に逮捕
弁護人によれば、ピヤンデイオン吉岡V
E
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。 氏とそラロス c
(
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LRE) 市で発生した、ジープニ 1の乗客に対する強盗事件に
通報者はフィリピン国民で、フィリピンによる規約第大条、七条および一四条の定置の被害暑である色主張する。
3
フィリピン政府は委員会の作業を妨害する意図はなかったとする-炉、大統領に恩赦申簡を行いこの申請が拒否
報者らの死刑が執行された。委員会は、フィリピン政府に説明を求めか。
"
された後に委員会仁通報するのは適当ではないとの議論を展開したが、当然のことながら委員会の受け入れるとこ
ろではなかった。そして、先の二つの不通守の事例と同様に、フィリピンの符為は鎮定奮の重大な進置争構成する
ニとまた、議定書を通じての規約上の権利の保鏡を損なうことを指摘し、これを非維したのであ制。
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ところが、仮保全措置の不遇守の事例はこれにとどまらず、オーストリアの個人通報事例でも発生した。なお時
系列的には、その問仁ンェドコ対ベヲルl ン事件(通報番号窓会S3) というべラル1シに閣する個人通報事例
がある。本事件は、通報提出回(一九九九年一月一一日)の時点では、死刑囚として納抑留されていたが、同年一 O
月二八日委員会が手紗煩則第八六条に基づいて死刑の執行停止の仮保全措置を通知した時点では、すでに死刑が
執行されていた事マ件である(なお、処刑日はペラル1シが周年七月一六日と説明し、通報者である死刑囚の母親は
七月二四日と主張し、食い違っているコ厳密には、締約国が仮保全措置の通知を無視した事例とはいえないので、
紙幅の閣係もあわ省略する。そこで、次に、委員会による手続規制第八六条に基づく仮保全措置の遭知に真正面
ヴアイス対オーストリア事件(通報轟号4
8安田昌附)
から提般した、ヴアイス事件を検討してみよう。
4
。
(EdMZB
通報者はウィ l シで逮捕された。これを受けて、同年一一一月一人目、米国は犯罪人引渡条約に基づき引渡を議求し
qEEa互により笠吾を棄却し、これ仁より米国での手続が確定した。米国は国際逮捕状を発給し、
骨量缶詰ロ
トルの罰金を言い渡した。通報者は控訴したが、第二巡回控訴裁剰所は米国法上の選亡者権利喪失翠鎗
一月一目、金罪状につき有罪の評決合受け、二 O O O年二月一人目、地区議判訴は八四五年の禁鋪 と
L 二四人 O O
万
判断で刑事訴追を受けていたが、一九九九年 -O月二九日、陪室署員の評銭開始直前に裁判所より逃亡した。同年一
米国とイスラエルのニ重国籍者である通報者は詐欺恐喝、マ一一方l ロングリングなどの罪状でフロリダ地亘象
(
2
田巻 4号
言
志
法 学 雑
声
神
個人通報倒産における仮保封拘置
n
他 方 二 0 0一年八月-三目、通報者は欧州人権裁判前に条約第三条、六条、第七議定書第二条遺雇などを理由
に提訴した。翠月一一日、ウィーン寓等地抜競判断は上訴の保障のない引渡し決定は第七議定書第二条違買とし
て不引事しを決定したロこれに対して検察官が上告した(なお、オーストリア法では検察官のみが上舎の権利を認
められている)。ところが二 O O二年四月九日、周国の最高設は、高等地域裁判所の決定を無効とし、破棄差戻
した。間最高設によれば、高裁は上訴の権利に基づいて審査する権限はなく、引渡語に定める不引渡事虫(公主な
設判と残虐非人道的取扱いまたは刑罰に察当するかどうかの審査)のみを審査できるとした a これを受けて、
oa、法務大臣は引渡Lを
ウィ1シ高等地域裁判訴は、一転して引渡しが相当と決定した。これを受けて、岡月一
決定し品目。
ところが二一 0 0一一年五月一 O日欧州人権裁判訴は、申立人の引渡し停止の仮保全猪慣を指草した。また、憲
法裁判所も、同月一七日、引渡し執行停止命令が発出したが二三日に周期限が終了した。通弱者は、周目、欧州
掴
人権裁判訴仁仮保全措置の要請を行ったが、却下された。翌目、通報者は欧州人権教判訴ド申立徹回の意思を通告
し、今度は委員会五通報した。これを手仔て、集員会は手続規則第八六条に従って通報者の引渡しを行わないよう
に仮保全鎗置をオーストリアに要請した。しかし、何年大月大目、オーストリアの裁判訴は通報者の米国当局への
駅渡しを命じ、阿人の身柄はウィーンの米軍当局に引き渡され米国へ移送されたロなお、本事例で、通報者は、
p
e
- のけノフィア電気会社事件の判決、すなわち、﹁囲
アシユピI事件での象員会の決定を引用するとともに、
際裁判への参加は、締約固に与えられる判決の執行を害するような行為を差し控える義務また一般的に・鉛争
を悪化させた旬拡大させるような措置をとらない義務を含意している﹂との判例を引用しまた、ラグラシ事件を
爾
引用しながら、﹁仮保全措置は拘束力がある﹂との主葺を待った。そして、過去の委員会の判例、たとえばスチユ
関 巻 4号
約也園内の引糧法も人権による拒否事幽を定めており人権規約の強行的義務は対世的であって引渡条約に優先す
と主張した。これに対L、 通 報 者 は 前 述 しf古布ンデイオン事件での委員会の見解を引用するとともに、引穣条
しは効果的救清の機会を奪うこと仁一なるとして、これを非難した。
規約の違反を決定する委員会の権原の承認に幽来すると主張した。そして前述した各事件を引用しながら、引渡
不可逆的な措置によって、手続規則を無視することは、選択議定書を通じての規約上の権利の保護を損なうことで
下での委員会の役割にとって才可欠なものである。犠牲者であると主張する者を処刑したり固から追放するという
た。そして、従前の事件でも繰句返された﹁規約第ム二九条に基づき採択された手炉規則第八六条は、選択議定書の
基づいてまず締約園の意見を求めたのであるから、締約国は意見を述ぺることができたはずだということを強闘し
委員会は回復不能な損害が生じうるとの臨機に基づき直叢仮保全措置を求めたというよ句むしろ規則第九一条に
前に締約国が通報きを引き渡した・﹄とで、締約国は選択穣定書に基づく義務に選直したと箆定した。特に本件では、
これに対して、委員会は、規約上の権利に回復不能な領奮が生じるという通報者の主張に委員会が見解を述ぺる
婚
隼
るとの主張を行った。そして、締約園が仮保全措置仁従う義務は、規約第一一条一二項及ぴ選択磁定書の加入によって、
れ自体拘束力を有していない可阿規則に基づく要請は、喚米関の犯罪人引渡条約の義務に優先するものではな川﹂
~
仮保盆措置に圏内的効力を与えるように憲法の修正を縛約園に義務づけていない。規則第八六条は、﹃国際法上そ
命令や独立しF面的裁判所の我判権を無効にできないとして、その聖水に従うことを拒吉した。さらに、同規則は
これに対して‘同閏は、二 O O二年一。月一五日付けの文書で、﹁委員会の手続規則第八六条は、圏内裁判所の
本事件で、委員会は、ォストリアに対して、仮僚会措置に従わなかった説明を求めた。
γ11r対カナダ事件を引用し、みずからの引渡しは面復不能な危害をもたらすと主張した。
•
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法
戸
神
個人通報制度における仮保全措置
~
あれ﹂との判断を示したロ
しかし、残念なことに仮保全措置の通知を無梶する事例は後を絶たず、二 O O三年七月、委員会が審議中の個人
E225EF--凶告書︺の大名の通報者を、ウズベキスタンが委員会の死刑の執行停
通報事例(通報番号︼
止の仮保全措置の要鰐を無視して処刑する事態が発生している(なお、杢事件については未だその内容は公表され
肩
ていない)。委員会およぴラムテャラン宙宮書官自)国連高等弁務官代理は、これまでの事例と同様に、﹁磁定
書の孟犬な違買﹂であると非聾する配者声明を行った。このよう一な度重なる仮保全措置の不遜守の事例を前に、委
員会は新たな対応を迫られているといえる。
おわりに
力の問題は常に論理必然的に結びつ︿岡砲ではない。両者を分けて考えることも可能である。そこで、仮保全措
本案に対寸る﹁見楊﹂が法的拘束力をもたないという問題と、本案の審理を確保するための仮係金措置の法的拘束
ない。これは、本案に対する﹁見解﹂それ自体に法的拘京力がないという制約から来ていると思われる。しかし、
約餐員会では ICJや関門呈"のように、仮保全措置それ自体の法的拘束力の明示の承認までには踏み込んでい
理であり、 I C Jのラグラン事件や円Emのママクロフ事件の盈理と重なるしところがある。ところが、自薗権規
能の行使が妨同りられることになる。委員会が仮保全措置の遵守を求めるにあたって採用しているのは、こうした論
置ほ、それが遵守されなければ、本業そのものの審理の意義を奪ってしまうこと仁なる。悔恨書すれば、委員会の権
の法面翠を採用することで、これを券経している。たしかに通報者の権利を保全する目的で要請される仮保全措
選択議定書に対する締約国の義務違置を構成するだけではな︿、自由権規約に基づく義務それ自体にも違反すると
以上のように、自由権規約委員会は、個人通報制度仁おける仮保全措置に対する締約固の不遜守という行為を、
4
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置を遵守させるために、一つには、実効性原則や信義誠実の原則といっ一般国防法上の原則に依拠して遵守を求め
る選択肢、あるいは議定書や規約の義務違反を構成するという形で遵守を迫る選択肢がありうる。委員会は、一
般国際法上の原則よりもさらに強固な基盤、すなわち、選択践定書ヤ規約といった条約上の義務違置を鱗成すると
いう論理で仮保全措置の遵守を促す遣を採用した。こうして、自白権規約委員会が、不遵守の実特に対して折に触
れ示してきた﹁同信空は、仮保全措置を遵守させるための法的論理操作と捉えることができる。そこで用いられて
いるのは、委員会への誠実な協力義務である。たしかに、ヴアイス事件では規約第二条三一項に違置するとの主張は
D
あったもの帥、そうした条文を特定する形で委員会が義務違反を酋じているわけではないことに注目する必要がお
Eを忽定する mU
出E
mkも奏なっている
る@その点で、条約第=一四条の違
量福を定めるのは越権行為ではないかとの議諭の余地もないわけではない。しかし、委員会のこうした裁量植を認
が委員会に手続規則を定めることを容認しているとしてもそもそも手続規則申に仮健全措置に関する委員会の裁
いという歯理も成り立つからであha さらに委員会に対してもっと厳しい見方をとれば、たしかに規約第一二九条
ある意味で、委員会の論理は、仮保全措置の本一旨とも、あるいは個人通報制度の本旨ともいうべきものにその遵
法 学 雑 億
思われる。
女子差別微廃条約の選択議定書が条約レベルで仮保全措置を要請する権限を明記したことは賢明な選択であったと
規約または議定書の趣旨および目的に反し無効であると宣言する可能性が高い。こうした混乱を避ける上からも、
留保を行ったとしても、委員会は、みずからの一般的意見二四(回)に従い、委員会の権能を奪うものだとして‘
めたくない固がそれを吾定する留保を行ったとしても、すなわち、仮に委員会の使保全措置には従わない!という
しとしない e意地悪︿いえば、委員会に協力する義務があるという﹁見解﹂それ自体、法的には勧告の効力しかな
守を迫る論理を見いだしている。しかし、委員会の倫理構成がはたしてどれほど強聞なものになっているか疑問な
戸
回巻 4号
神
個人遜報制度}おける仮保全措置
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L もあれ、個人通報制度の結論たる﹁見解﹂ぞれ自体に法的拘束力が認められていないという状況の中で、
乙
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ーや円Emとは異なる手訟で、委員会が仮保全持慣を進出マさせる論理の構築に腐 h
していることはたしかである。
他方、締約園の視点で考えれば、委貝会による見解のフォローアップの実行ともあいまって、締約国が、見解や仮
保金措置は勧舎の効力しかもたないという形式論理のみで、その不遵守を正当化することもむずかしい状況が生じ
ているのほたしかである。とくに、事柄が個人の生命権に関わる事例が多︿健わない催場合に除、厳しい非難が不
遇守固に向けられていることは前述したとおりである。ただヴアイス事件で提起されたように、仮保全措置それ
自体の法的拘束力が明確にきれないままに、繍約園に通知されても、その措置の圏内実施はきわめて困援な課題を
背負うことになると恩われる。なぜなら、仮保全指置の綬拠条文たる委員会の手続規則第八六条は園内裁判所に直
接的な法効果をもたないとの立論が可襲んからである。規約や稜定書の締約固として、かかる措置の不遵守は条約
Eを構成すると立論されても、そこまで狙って圏内的効力を引き出すのは、いかにもリモートな印象を与
義務の違
えるからである。締約園に死刑の執行停止、追放および引渡しの停止を求める仮保金措置が通知された場AR 圏内
rわれる。囲内法上は、園内裁判訴ですでに
法上どういう根拠で手続の停止を決定一寸るかという問題が残るようにp
死刑の宣告、追放および引渡しは相当であるという判決が確定きれているわけで(そこでは、一般に楕級な事案審
理をもとに判決が下されているとの推定が働く)、ぞれとの調整をどう管ワかという問砲である。換言すれば、み
ずからが当事闘である規約の準司法機胸たる委員会が書面審理だけで行った仮保全措置の指示を囲内司法土ど主受
ε
け止めるかという問題である。この問題は、名宛函が園内の司法制艇の整った園であればあるほど、困難な課題
なるであろう。もっとも、こうした仮保全猪置肱規約第一四条が定める公正な裁判を受ける権利を担保できないよ
LIe-でほ米
うな国を対象とするので、司法先進国の場合には通常起こ旬得ないとの反論も予想される。しか
国の司法制度すらチャレンジされているのであ旬、必ずしも杷憂ではないように恩われる。そこには、圏内法体系
における国際法の受容といろ大きな課題が含まれている。将来、日本が選択議定書を批准した場合に、その対応に
通知に見いだせるのである。もちろん、里立人や通報者の立場から見れば、個人が本来事長ずべき権利(たとえば、
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ことに主阪があるともいえる。
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について付言しておきたい。
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連聞の問題である。
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防くという積極的な側面があることがわかる。さらなる人権条約の進反を生じきせないといろ考慮が、その習不や
は引渡しの事例の場合には他の締約固または第三国に条約または規約の違夜行為を智わせないよう仁それを来然仁
ではない。そうするしと、こうした人権条約の実施機関による指 ホ
2 および通知は、死刑の場合には締約菌、追放また
全指置の指示や通知は、それが行われる段階で、名宛固によって条約第三条や規約第七条の違置が生じているわけ
ε
Iにとどまらない者慮である。人権条約の実施機関による仮係金措置を考えてみれば、 mnEZmや委員会による仮保
は異な旬、人権条約特有の性絡が看て取れるように恩われる。単に本家の決定の実効性を確保するということ
U あるいは通知には、 I C
ることである。しかし、よく考えてみれば、人権条約の実施機関による仮保全措置の掲示
保全指置は遵守されなければならないという鎗理が ECJや
R 呈男、さらには委員会でも-様γ雇用されてい
他方でどの紛争処理機関にも共通してみられる特徴がある。すなわち、本案判決の実効性を確保するために仮
苦慮しそうな問題の一つである。
•
"巻 4号
神 芦 法 学 雑 誌
個人週報制度における仮傑全措置
w
条約第六議定書) の成立と米固など死刑存恒国との対立という採刻な季雄高現象がみられることである。実標 I C
Jのラグラシ事件は、これまでの事件とは異なる線梱をみせていた。なぜなら、通常の事件とは異な旬、訴えられ
た米国は、みずからの領事関係条約の違匡を当初から毘めていたからである。﹁途直した、否違反していない﹂と
いう通常の事件にみられる訴詮形態はとられな治ったのであるロ外相解上は‘国家間紛争にヲォ lミ斗レ l卜された
領事関係条約の問題、すなわち阿条約の規定を米国に遵守させるという領事関係条約の案萌性を確保する豚訟の形
態をとったが、訴訟の莫の目的は死刑廃止固(パラグγィ、ドイツおよびメキシコーが死刑存置国(米国ーに死
刑の執行停止を求める仮保全措置要請主計うことに主眼があったようにみえることである。すなわち、付随手続と
される仮保童相置自体が﹁独立手続仰﹂しているという現象、それ自身が自己目的化しているという現象がみられ
るのである。そこには、規約第二選択議定書や条約第六機定警の影響、さらには委員会の﹁判例﹂じみられる生命
の権利を保障した第六条主公亙な裁判を受ける箱利を保障しf章一四条を関連させる人権アプロチが色歳︿反喚
されていたロラグラン事件におけるドイツの主張には、この論理を基礎として接葺菌の領事通報義務を公正な裁判
L いう論理操作が看て取れる a換言すれば、個人の領事通報を受ける権剰を、公正な裁判を
の一要繁に組み入れる と
受ける権利の内在的要素として組み入れようとする動きである。しかし、こうした﹁人権アプローチ﹂は、自由権
規約委員会で積み重ねられてきた第一四条の各条項仁対する﹁判例宣言号EE8)﹂の解釈論とはややカけ睡眠れた
織歯になっているように思える。その意味で、 I C Jと人権条約の実施機関の二つのフォーラムの相主連関という
点では、やや厳しい表現であるが、﹁つまみ食い﹂的と非雛守きる要素が残るように恩われる巴
次に、国際紛争処理機関の多元化という現象について付言しておきたい。これまでこうした多元化により、各
国際紛争処理機関で同一の国際法規則︹慣習法や条約)が異なって解釈されるととで、﹁国際法め断片化(向島ヨ8
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sssaz言語誕 -昌
O 也︼一民主﹂をもたらすと危模されてきた。しかL、本械で取り上げた仮保全措置の問題を例に
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巻 4号
とれば対象となっている条約は異な句その意味で同一の園際法規則を解釈しているのではないが、条約法条約
め解釈のご般規則たる第三ヤ粂三項 (C) の﹁当事函の聞の閑屈において適用される国際法の関連規則﹂を媒介墳
左して、同一の制度仁対する他の国際紛争処理機関における発展を考慮して、みずからの条約制度に取り入れると
いう姿勢が見られる。それにより、当初、危燥された国際法の断片化の闘題は生じていない。この点は、前述した
円Emのママクロフ事件判決に顕著である。それを可能にしているのは、円Emの判決に見られるように﹁みず
からがその一部を形成する国際法﹂とい、つ認訟であろ1
う 個々の紛争処理機関がみずからの判決や見解が国際法の
一慨を形成しているとの認鈍を共有すること仁よって、いたずらド独自の判決を形成することが防がれている。そ
れはまた、みずからの判例法の枠内に!とどまることなく、参昭の条件が整 う
τ 限りにおいて、他の紛挙処理機関の判
例を参照する嘉勢へと連なってい制。もっとも、こうした姿勢俗本摘で取旬上げた仮健全措置とい、っ、およそす
も排除きれていない。しかL、今や慣習法すなわち一般国際法の性質をもっとされる条約法条約の解釈規則(そ
管線維の調整の問題をクリアして別の酉際鉛争処理機関に提起されるとき、異なる結誼が下される可能性は必ずし
たしかに、個々の条約に基づいて設置される国際紛争処理機関はその適閣法規を異にしており、同一の対象が
べての裁判手続に内在する制度の問題であったから可能であったかもしれない。その意味で、こうした参照条件の
法 学 雑
る(委員会の場合には独自の困難を抱えてお句、事は単純ではない)方向に収徹するといっ調和的な事例ばかりで
理機関の多元化が傭々の紛挙処理俊関に及ぼす影響の問題は、本稿で取り上げたような僚保全措置の拘束力を認め
は
、 ICJと人権条約の笑楠韓関というユ一つの異なるフォラム聞の相互連関がみられる。もちろん、国際紛争処
他のブオラムの国際法の発展を粂約解釈の際に考慮事項に含ませることが可能な体制が構築されている。こごで
の中には、﹁当事国の閣の閣係において適用される国際法の関連規則﹂も含まれる)という実定法ょの基備を得て、
確保が容易な倒を、どれほど一般化できるかという問題 M残る。
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自由権規約における手線規則制定の複製条文は規約第三九条二項であ旬、そこには﹁役貝会は、手続規則を定める﹂
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仮保全措置の最初の例は、。
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許している。詳しくは、日 Z E
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智人に対サる回復不能な損害を避けるために、予防的信置S
EEs-旦 gg量邑を関係締約聞に要符するごとを
受けて、米州人権裁創刊所規則第二五条が詳細な手続を規一定している。なお、米州人権委員会の手続規則第二五粂は
ある包帯合には、教判所は審理中の事項に闘して適当とみなす仮保全指置否採用する﹂と規定している。この規定を
米州人檎主的指六三条二項は、﹁極端に重犬かつ緊急であって個人に対する回復不能な調書を遊けるために必要で
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個人通報制度における仮保全措置
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巻 4号
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茂樹緬﹃人権法と人道法の新世紀﹄一六九}七宝頁(東信堂、 =
oo 一年)参照。
については拙稿﹁﹃自国﹄に戻る権利下白歯権規約第一一一条四項の解釈をめぐって
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松井芳郎坂元
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て、遵守Lなかった締約国を厳しく非難している B後述する、自白梅規約委員会の槍理構成と軌を一にする内容となっ
は、委員会の手続の最長的な結果を依効にするような回復不能な損害から当該個人手生するために不可欠である﹂とし
委員会に協力するこし乙を約束している。合理的と者えられる場合に委員会によって要請された仮保全措置に従‘うこと
条約を枇継し、第二一一条仁基づく委預金の権限を自発的に承寵する ζとによって、手続の実施にあたって信義援実に
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する権限を官守している。問委員会においても、二つの事例SEEMgz"Z雪弱
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ga 吋 河 ω4 り富島(運Sヨこで仮保全措置を遵守しない実行が生じているが、その際、議員会は、﹁締約園は‘
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個人通報制度における仮保全措置
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もっとも、こうした仮保全指置を要請する緯隈は、議量権 と
L はいえ﹁怠意的な権限﹂ではない。それはあ︿まで例
官邸同
置に従う義務を有するもの止する﹂と規定し、国際後判における仮保全鎗竃命令に拘束力を付与する立場を採用して
際司法家判所文は仲銭畿判所は、とられるべき暫定措置をできるかぎ旬短期間に指示する。紛争当事国はこの仮措
致を見な治った問題が既成存為文は既成仁近い行為から生ずるものであるときは、規種第四一条に従って処理する園
いない@もっとも、同条一項 MU
、﹁紛争が仲裁又は司法手続の対象となったすべての場合に、特に当事国の意見の-
当事園への暫定措置の勧告を規定しており、留定措置の実効性会諮的拘議カ 緒びつける考え方は必ずしもとられて
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閏際紛争平和的処理に関する一般歳定書士丸一一八年署名ぺ 一九四九年改孟)第三三条二項は、調停委員会による
米法静典﹄(東京大学出版会、-九九一年)四六二買。
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) とは佐橋を異にする e園中英夫編集代表﹃英
意図して下される差止命令たる本象的差止命令(
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定の作おを命じる裁判所の命令である。本案についての完全な事実審理に基づき、それによって訴訟の最終的解決を
理に基づく判決が幽されるまでの閥、調伊状を保全するために、被告に対し一定の行おをなすニとを鎌じ、あるいは-
たとえば、類似の制度として英米法の智定的差止命令(言互
EzqERE) がある。本命令は訴阪の本案審
1
権規的援員会の場合にも、岡織の考え方が採扇できるであろ、
されていな︿とも、裁判所は必要に応じてこれを指来しうるとみるべきであろう﹂とされる。準司法機関たる自由
杉原﹃前掲禽﹄詮(叩)二六九頁。杉原教授によれば﹁仲裁裁判の場合その設立文書にとくにその権限が明示
EZFF4m車副司gzazE包E
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号室会担除揺さ町民民除主君{
外的なものであり、抑制的かつ慎重に用いられるべき権限でおる a 門 戸g
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ラグヲン事件の仮保全措置については、拙稿﹁判例研究国際司法被判所 ラグラン事件]仮保全措置の申苅﹂
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二ハ頁以下移照。
一七頁接関問。本業判決については、山形英郎﹁ラグラ
﹃閏際人権﹂第-一一一号(二OO一一年)
﹁国際法採交線甚第一o
-巻一号(二OO一一年)
Z 長国)本案判E
シ事件下イツ対アメリ
規程修回一条一項は﹁穀判所は事情によって必要と認めるときは、各当事者のそれぞれの権利を保全するため
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常設国際司法裁判訴(以下、
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ωどなお現在ぺ米国で死刑待ちの状授にあるメキシコ閏民は五一名い
冨 戸 署F
損害﹂が生じうる換・目すれば繁忽性の要件全満たしていると判断して仮保全綾置手習不している。 E言語昔E
は、死刑の執行を数台丹後ま aFd
数週間後に控マえた三人のメキシコ閏尽に対Lて、﹁回復不能な
本事件で ICJ
訴依打切命令)。 Q1EQ矛喜一ヨ落選也事営情ほ伊
アイが訴えを取り下げ被告もこれに同意したため、本業まで行かずに裁判ほ終結した
保金槍置を全員一致で命じた。しかし。ヴアンニア州知事はこの命令也君無慢し、死刑を執行した。その後、パラグ
の裁判所で死刑判決を受けたパラグアイ闘民に闘する事例である。本事件で ICJU、死刑の執行停止を求める仮
b) に規曾芋る領事通報を受けることな︿、その後の米国ヴァl シ一一ア州
本事件は、領事関係条約第三六条-項 (
して﹂﹁外務省調査月報﹄ (NB-2。-M)四三l九一頁 M事
V 考になる。
語、第七八巻六号土九七九年)三人l五六頁参照
由国際司法裁判所の最近の仮
、
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保全措置の分析としては酒井啓宣﹁国際司法訟判所における仮保全指置の目的の展開l最近の判例の検討を中4と
H杉原高嶺﹁圃際訟判所仁おける仮保全錯置の先例﹂﹁国際法外交雑箆﹄第六七巻六号士一九六九年三月)九七
onEFR 212
pe--z略蒜)以来の司法的解決仁よる仮保全備置の実行の分析としては、小困滋
七人粂でその具体的手続を定めている
にとられるべき暫定措置を指宗する楢院を有する﹂と規定し、裁判所の付随手続として、裁判所規則第七三条から第
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なお国儀海洋法銭判所は、回連海洋法条約第二九 O条六項で‘﹁紛争当事聞は、この条の無定に基づいて定めら
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れた貰定締置仁速や治に従う一 Lと規定し仮保全措置の法的拘束力を条文上担保している。
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P亘書官匂淫)週一一TZ 目本では、かつては皆川教授に代表される香定鋭が有力であったが、最近では杉
関戸。
法的拘束力をめぐる論争については、 Qω 畠n
言︼一塁皇室
F 名 品 一 己 傍gg 宅 Mm?N
吉国﹀
EEzg皇事伽SZ苦 言-a
星﹄ γar 言質忌謡kraggbanS氏守、
S aaoご辰吉 Y重 量 河 聖 堂 崎 明 日 宮 室
。崎 E64
身 563思
s量
原教授や山形教綬などの肯定説が有力である。皆川洗﹃国康訴訟序説﹄(鹿島研究所出履会昭和三人年}
7v 一一八八l二九一買および山形美郎﹁園際司法裁判所における仮保全錯置の法的効
-五買、杉原﹁前掲奮﹂注 A
カ﹂﹁法の科学﹂第一一一一一号(一九九五年) 一
八
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一l 一九一貫奮闘。
手鋭的輝彦規則とは連邦裁判所が関与する院に州殻判所が有罪判決の有劾性に関わる争点を撤去っ機会を確保さ
ある。
一五買参棟。
されることは避けられないであろう・なぜなら、かかる命令は紛尋当事聞の行動を法的に制約することになるからで
このように、 ICーか仮保全措置の法的拘束力を認めたことで今後は仮保全措置命令発出の要件がさらに厳格化
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包ロEEFEET315︼詳しくは山形﹁前掲酋文﹂注(お
以
下。
外郎的要素を立証できなかったと判示し同規則によ句兄婚の主吸を退けた。醇し︿は﹁拙諸﹂注︹叩)一O三賀
められる。米国連邦地畿は、ラグラン兄弟は領事への通報の欠如とVう問題を以前に提起することを幼げる客観的な
せようとする鍵測である B凋規則により、被告人は、連邦裁判所で救済を得る前に州裁判婦に購求していることを求
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規則第三九条に蓮づく仮保全鎗置の拘束力仁関するみずからの見解を害することなく、本事件の特別な事情に鑑み
実際、本判決の一ヶ月後(二 O O三年三月一一一日)に下されたオカラン対トルコ事件(念忠︼事)で、円量一"は、
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された特例報告暑は、関係締約固また怯通報者に対して、通報の受理可能性の問題に関する追加の・置による情報若
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年仁は二七人件を数える事態に至っている。
四一件五一件という数字を推移している。その結果審議中の案件は一一 000年の段階では一八二件で一あったもの
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委員会は、議定書湧五条一環の﹁審益する
事面会植の聾障の意義丁﹂﹃法学新報﹄第一 O九 巻 孟 六 号 三O O三一年)一一一一七頁。
さほど隔たりはないと恩われる。北村泰三﹁国際人権法と領事関係条約の交錯について外国人被拘禁者仁対する領
る﹂と肝価される。﹁仮保全指置の拘束力﹂ではなく、﹁仮僚会措置決定の拘束力﹂とされている点で、筆者の静価と
北村教援は、自由権規約委貝会による箇力義務の指摘をもって、﹁周委員会の仮保全措置決定の拘束力を導いてい
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およぴ米国(七-入)で一あるとされる。
によると、二 O O二年において判明している世界の死刑執行数の八一%が中園士 O六O人 て イ ラ ン 士
米国では、五 O州のうち三八州で法定伺として死刑が極められている。アムネスティインターナシ胃ナルの調査
カ閏、死刑が執行きれておらす事実よの死刑廃止固は二一カ園、そして死刑存置回以目本を含め人一ニカ圃で一ある。
あらゆる犯罪に対して死刑を廃止している圏は現在七六カ園、戦時犯罪についてのみ死刑を存置している固が一亙
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点から﹂﹃世界人権問題研究センター研究紀要﹄第七号(二 O O二年)人六 1 人入頁参照。
ロ1アップ情報の提供を求めている。詳しくは、拙稿﹁トリニグ1ドトパゴの個人通報事例フォローアップの観
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材としてi﹂﹃関西大学法学前通﹄第五三巻二号(こ0 0三年) 二三一七三一頁がある。
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現在、この問題は圃霊園際法委貝会の場で取り上げられている092員 え 宮 古 宮 星E-E当Eg
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保全措置要詞の本賞金的確に表現しているように思われる。
i閏際裁判所の仮保全措置(嘗事情置)の実詩による検証
1﹂の報告で用いられた表現であるが、最近のICJの仮
この表現は、奥脇直也教授が東京大挙闘際法研究会(二 O O五年固月一 一目開催)の﹁圃際政治過程の様化現象?
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神 戸 法 学 雑 鉱 " 巻 4号
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