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医学部 - 岡山大学

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医学部 - 岡山大学
岡山大学医学部
6.医学部
Ⅰ
医学部の研究目的と特徴・・・・・・・・6-2
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
Ⅲ
・・・・・・6-3
分析項目Ⅰ
研究活動の状況
・・・・・6-3
分析項目Ⅱ
研究成果の状況
・ ・ ・ ・ ・ 6 - 13
質の向上度の判断
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 - 16
-6-1-
岡山大学医学部
Ⅰ
本学部の研究目的と特徴
本 学 部 の研 究 目 的
医 学 部 規 程 第 2 条( 本 学 部 の 目 的 )で は ,前 半 の 教 育 目 標 に 続 き ,
「人類の健康と福祉
に貢献することを使命とする」ことを掲げている。
具体的な研究目的として,医学,保健学分野で,社会的ニーズを把握し,国際社会に
おいて高く評価される先端的・独創的研究を推進し,地域から国際社会まで広く活用
される研究成果を創出する。また,臨床に直結する統合的・先進的な研究を推進し,
新たな治療法の開発や産業化を行い,これを通じて人類社会に貢献する。
以 て ,本 学 中 期 目 標 の「 国 際 水 準 の 研 究 成 果 を 生 み 出 す こ と ,わ が 国 有 数 の 学 術 拠 点 ・
国際的にも評価される研究機関となること」の実現に寄与する。
研 究 グループ(研 究 科 の専 攻 )毎 の研 究 目 的
生体制御科学専攻:生命現象を包括的に捉え,生体の制御機構を明らかにし,疾患の
成立機序の解明と治療に結びつける研究を推進・展開する。
病態制御科学専攻:基礎医学と臨床医学の有機的な連携により,病態を科学的に解明
し,その分析結果から病態を制御する方法を効率的に創造する。
機 能 再 生 ・再 建 科 学 専 攻:組 織 の 形 成 機 構 な ら び に 機 能 制 御 の 本 質 を 臓 器・組 織 か ら 分
子レベルまで解析し,硬組織及び軟組織の機能回復に結びつける研究を推進・展開す
る。
社会環境生命科学専攻:人権擁護・生命倫理の観点から医学・医療を捉え,環境・感
染症など地球規模の課題への解決策を探求し,長寿社会における社会・疾病構造の変
化に対応した医学・医療を探索する。
保健学専攻:生命の尊厳を重視しつつ,保健・医療・福祉を統合した総合的保健・医
療を実現するため,実証に基づいた看護学・保健学の学問・研究基盤を確立し,イン
タープロフェッショナルワークを基盤としたヘルスプロモーションの実現をめざす。
本 学 部 の特 徴
本学部の研究組織のうち,医学科の教育にあたる医学系教員は,医歯薬学総合研究科
か医学部・歯学部附属病院に所属し,研究活動は医歯薬学総合研究科の専攻を基盤と
している。
科学技術振興調整費イノベーション創出拠点の形成に採択された「ナノバイオ標的医
療の融合的創出拠点の形成」を推進している。また,文部科学省がんプロフェッショ
ナ ル 養 成 プ ラ ン に 採 択 さ れ ,中 国 四 国 の 大 学 等 の コ ン ソ ー シ ア ム を 構 築 し ,
「がんプロ
フェッショナルコース」を展開するなど人材育成にも力を注いでいる。
本学部の研究組織のうち,保健学科の教育にあたる保健学系教員は,大学院保健学研
究科保健学専攻に所属し,看護学,放射線技術科学,検査技術科学の3分野で研究活
動を展開している。
想 定 する関 係 者 とその期 待
本 学 部 で は ,関 係 者 の 期 待 を ,医 学・保 健 学 の 進 歩 と 医 療 全 般 の 向 上 を 望 む 社 会 の 期
待と捉えている。
-6-2-
岡山大学医学部
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
分析項目Ⅰ 研究活動の状況
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 研究活動の実施状況
(観 点 に 係 る 状 況 )
1-1 研 究 基 盤 と研 究 体 制 :
研 究 の人 的 基 盤 :
医学系教員は,医歯薬学総合研究科か医学部・歯学部附属病院に所属し,助教以上の教
員 は 291 名 で あ る (資 料 1-1-1)。 研 究 科 に 所 属 す る 教 員 に は 任 期 制 が 導 入 さ れ て い る 。 全
国 公 募 に よ り 教 授 を 選 考 し て お り , 他 大 学 出 身 の 教 授 の 割 合 は 40%で あ る 。 保 健 学 系 の 助
教 以 上 の 教 員 は 61 名 で あ る (資 料 1-1-1)。 看 護 学 分 野 27 名 , 放 射 線 技 術 科 学 分 野 16 名 ,
検 査 技 術 学 分 野 18 名 が 配 置 さ れ て い る 。
研究体制:
研 究 科 と 病 院 の 基 本 組 織 に 加 え て ,遺 伝 子・細 胞 治 療 セ ン タ ー (資 料 1-1-2),ナ ノ バ イ
オ 標 的 医 療 イ ノ ベ ー シ ョ ン セ ン タ ー (資 料 1-1-3)を 整 備 し た 。ま た 医 歯 工 学 先 端 技 術 開 発
セ ン タ ー を 設 立 し て ,医 歯 学 と 工 学 の 融 合 研 究 を 活 性 化 し て き た (資 料 1-1-4)。寄 付 講 座 は ,
平 成 16 年 は そ の 前 年 度 に 設 置 し た 1 講 座 の み で あ っ た が , そ の 後 4 講 座 を 追 加 設 置 し た
(資 料 1-1-5)。
研 究 支 援 組 織 ( 資 料 1-1-6) と し て は , 共 同 実 験 室 を 設 け て 共 同 利 用 機 器 の 提 供 と 技 術
支援サービスに加え大型研究機器を学外にも開放して地域貢献,産学協同の推進に努めて
いる。また,旧アイソトープ総合センター,動物実験施設を改組・統合して自然生命科学
研究支援センターとし,より強力な支援体制を敷いた。オープンラボラトリーは総合教育
研究棟の完成により大幅に拡充され共同研究の推進に役立っている。
図 書 館 機 能 の 充 実 に つ と め , 平 成 17 年 に 学 術 雑 誌 の 電 子 購 読 化 を 行 っ て 医 学 部 で ア ク
セ ス 可 能 な タ イ ト ル 数 は 約 10 倍 の 5,500 程 度 と な っ た 。ま た 本 学 部 は 学 術 雑 誌 Acta Medica
Okayama を 1928 年 か ら 発 行 し て き た 。 国 際 的 な 評 価 を 受 け る 学 術 雑 誌 ( IF 0.71) を 独 自
に発行している例は稀で,情報発信で大きな意義がある。
研 究 を促 進 する取 組 :
社会の理解を得ながら研究を進めるため倫理審査委員会等を設けている。また岡山医学
会賞を設け若手の研究振興を図り,岡山医学振興財団を設立し県内の大学の医学研究の助
成 等 に 取 り 組 ん で い る( 資 料 1-1-7)。産 学 官 連 携 の 組 織「 メ デ ィ カ ル テ ク ノ 岡 山 」の 中 心
的 な 役 割 を 果 た し て い る ( 資 料 1-1-8) ほ か , 県 が 推 進 す る 岡 山 TLO 等 に も 積 極 的 に 参 画
し , 本 学 部 を 基 盤 と し て ベ ン チ ャ ー 企 業 が 設 立 さ れ 順 調 に 発 展 し て い る ( 資 料 1-1-9)。
医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 の 発 足 を 機 に ,研 究 開 発 委 員 会 を 設 置 し た( 資 料 1-1-10)。ま た 国 際
外 部 評 価 を 実 施 し ,そ の 結 果 を ウ ェ ブ に て 公 表 し て い る 。
資 料 1-1-1: 研 究 組 織 の 概 要
医学部の教員
平 成 19 年 5 月 1 日 現 在
教授
准教授
講師
助教
専任教員計
助手
医歯薬学総合研究科
77
64
16
119
276
3
うち医学系教員
44
30
12
55
141
0
2
14
58
116
190
0
医学部・歯学部附属病院
うち医学系教員
保 健 学 研 究 科( 保 健 学 系 教 員 )
1
12
42
95
150
0
29
12
0
20
61
1?
( 出 典 : 概 要 2007 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 等 )
-6-3-
岡山大学医学部
その他の研究者
年度
受託研
(平成) 究員
共同研
究員
博 士 研 究 員( ポ ス ド ク ) 博 士 課 程 研 究 員
研修
その
JSPS(学 振 )
員等
他
その他
JSPS(学 振 )
その他
計
18 年
0
0
7
8
2
3
0
2
22
19 年
0
0
7
22
2
3
0
9
44
5 月1日現在(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
医学系教員のうち女性と任期を付されている教員の割合
研究科籍
附属病院籍
合計
女 性 教 員( % )
32 名 (23%)
10 名 (7%)
42 名 (14%)
任 期 教 員 (% )
65 名 (46%)
0 名 (0%)
65 名 (22%)
人 事 名 簿 19 年 7 月 1 日 : 分 母 は 5 月 1 日 ( 出 典 : 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 等 事 務 部 資 料 )
医 学 系 教 授 の う ち 他 大 学 出 身 者 の 割 合 の 推 移 (平 成 3 年 か ら 19 年 )
50%
40%
30%
20%
10%
0%
H3
H9
H13
H19
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
資 料 1-1-2: 遺 伝 子 ・ 細 胞 治 療 セ ン タ ー の 概 要
設立:先端医療の臨床実践(トランスレーショナル
リ サ ー チ ) に 特 化 し た 機 能 単 位 と し て , 平 成 15 年
4 月に医学部・歯学部附属病院に設立。
組 織 と 施 設 : セ ン タ ー 長 ( 兼 任 ), 専 任 准 教 授 1 名 , 専 任 助 教 2 名 。 中 央 診 療 棟 5 階 に , ク リ ー ン ル ー
ム (2 室 )と P2 ル ー ム (2 室 ), 品 質 管 理 室 を 備 え , 治 療 用 製 剤 や 細 胞 の 保 管 設 備 も 完 備 。
現 在 進 行 中 あ る い は 計 画 中 の 先 端 医 療 : 肺 癌 に 対 す る p53 遺 伝 子 を 用 い た 遺 伝 子 治 療 , 前 立 腺 癌 に 対
す る 自 殺 遺 伝 子 を 用 い た 遺 伝 子 治 療 , 前 立 腺 癌 に 対 す る IL-12 遺 伝 子 を 用 い た 免 疫 遺 伝 子 治 療 (計 画
中 ), 胃 癌 に 対 す る 樹 状 細 胞 を 用 い た 免 疫 治 療 (計 画 中 )
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
資 料 1-1-3: ナ ノ バ イ オ 標 的 医 療 イ ノ ベ ー シ ョ ン セ ン タ ー の 概 要
文 部 科 学 省 ・ 平 成 18 年 度 科 学 技 術 振 興 調 整 費 「 先 端 融 合 領 域 イ ノ ベ ー シ ョ ン 創 出 拠 点 の 形 成 」 事 業 に
お い て ,「 ナ ノ バ イ オ 標 的 医 療 の 融 合 的 創 出 拠 点 の 形 成 」 が 採 択 。
岡 山 大 学 産 学 連 携 学 内 特 区 と し て「 ナ ノ バ イ オ 標 的 医 療 イ ノ ベ ー シ ョ ン セ ン タ ー:ICONT( Innovation
Center Okayama for Nanobio Targeted Therapy)」 を 設 置 し , 岡 山 大 学 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 と 自 然 科
学 研 究 科 の 先 端 的 研 究 を 戦 略 的 に 融 合 し ,協 働 企 業 7 社 と と も に 次 世 代 の バ イ オ・医 療 の 研 究・開 発 に
おける拠点を岡山に形成することを目的とした事業。
平 成 18 年 設 置 : ア ニ マ ル 画 像 セ ン タ ー , 細 胞 ・ 分 子 画 像 セ ン タ ー を 含 む 。
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
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岡山大学医学部
資 料 1-1-4: 医 歯 工 学 先 端 技 術 研 究 開 発 セ ン タ ー ( 医 歯 工 連 携 ネ ッ ト ワ ー ク )
設 置:医 学 ,歯 学 ,工 学 の 基 盤 技 術 を 効 率 的 に 融 合 し ,新 し い 発 想 の 展 開 に よ っ て ,医 療 と 福 祉 の 充 実
に 貢 献 す る こ と を 目 ざ し , 平 成 16 年 4 月 に 設 立 。
組 織 と 施 設:セ ン タ ー 長 工 学 部 尾 坂 教 授( 兼 任 ),兼 任 教 員 13 名 ,
「 バ イ オ エ ン ジ ニ ア リ ン グ 部 門 」,
「先
端医用材料学部門」
「 先 端 医 療 シ ス テ ム 部 門 」の 3 部 門 を 置 く 。津 島 : 総 合 研 究 棟 6 階 オ ー プ ン ラ ボ
ラトリーC第3区画,鹿田総合教育研究棟1階
オープンラボラトリーD第5・6区画。
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
資 料 1-1-5: 寄 付 講 座 受 け 入 れ 状 況
講座名
寄附者(金額)
㈱エイオーエ
食品健康科学講座
イ・ジャパン
( 110,000 千 円 )
設 置 期 間 (平 成 )
15 年 4 月 1 日 ~
18 年 3 月 31 日
設 置 目 的 (協 力 講 座 )
食品の体内代謝ならびに健康に及ぼす影
響を系統的に研究するため(病態探究医
学)
アンチエイジング
池田糖化工業㈱
18 年 4 月 1 日 ~
食による生理機能調節作用に関するエビ
食品科学講座
(80,000 千 円 )
20 年 3 月 31 日
デンスを追求するため(免疫学)
イーピーエス㈱
新 医 療 創 造 MOT 講
(40,000 千 円 )
座
バイオ・創薬・医療イノベーションの創
19 年 1 月 16 日 ~
出を可能にする研究者,医療技術者の育
21 年 5 月 31 日
成プログラムを開発するため(科学技術
振興調整費関連)
運動器医療材料開
発講座
日本メディカル
マテリアル㈱
(66,000 千 円 )
19 年 4 月 1 日 ~
22 年 3 月 31 日
バクスター株式
運動器医療材料の開発や研究を行い,運
動 器 医 療 の 発 展 に 貢 献 す る た め (整 形 外
科学)
腎臓病の成因解明と腎不全に対する治療
慢性腎臓病対策腎
会社
20 年 1 月 1 日 ~
法開発
特 に 腹 膜 透 析 ( CAPD ) に 関 す る
不全治療学講座
(63,000 千 円 )
22 年 12 月 31 日
研 究 な ら び に 教 育 の 推 進 (腎 ・ 免 疫 ・ 内 分
泌代謝内科学)
(出 典:大 学 概 要 2007 他 )
資 料 1-1-6: 24 時 間 利 用 可 能 な 研 究 施 設
附属図書館鹿田分館
自然生命科学研究支援センター
動物資源部門
自然生命科学研究支援センター
光・放射線情報解析部門
自然生命科学研究支援センター
ゲノム・プロテオーム解析部門
医学部共同実験室
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
資 料 1-1-7: 岡 山 医 学 振 興 会 の 概 要
設 立 :2001 年 7 月 , 本 学 部 創 立 130 周 年 と 大 学 院 部 局 化 と を 慶 賀 す る 事 業 と し て
事 業:医 学 に 関 す る 教 育 及 び 研 究 活 動 に 対 す る 助 成 , 医 学 に 関 す る 教 育 研 究 者 の 養 成 援 助 , 医 学 に 関
する教育研究機関及び地域社会との連携・交流事業(岡山医療フォーラムの開催), 医学発展に対
する国際交流の助成
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
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岡山大学医学部
資 料 1-1-8: メ デ ィ カ ル テ ク ノ 岡 山 の 概 要
設 立:本 学 や 川 崎 医 科 大 学 の 医 療 シ ー ズ・ニ ー ズ と ,県 内 の 理 工 系 大 学 の 技 術 シ ー ズ や 県 内 も の づ く り
企 業 の 技 術 を 連 携・融 合 す る こ と に よ り ,新 た な 医 療 産 業 及 び 医 療 系 ベ ン チ ャ ー 企 業 の 創 出 を 目 指
し , 岡 山 県 な ら で は の 医 療 産 業 ク ラ ス タ ー の 形 成 を 図 る こ と を 目 的 に ,県 が 平 成 17 年 4 月 に 設 立 。
組 織 ,事 務 局 ,事 業 : 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 公 文 教 授 を 会 長 と し ,鹿 田 総 合 教 育 研 究 棟 1 階 オ ー プ ン ラ ボ
ラ ト リ ー D に 事 務 局 。研 究 交 流 会( 特 許 法 第 30 条 の 学 術 団 体 に 指 定 ),17 年 度 5 回 ,18 年 度 6 回 ,
開 催 19 年 度 2 回 , 研 究 委 託 事 業 を 実 施 。
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
資 料 1-1-9: 本 学 部 発 の 起 業 : ベ ン チ ャ ー の 例 示
オ ン コ リ ス バ イ オ フ ァ ー マ 株 式 会 社 : 腫 瘍 殺 傷 ウ イ ル ス テ ロ メ ラ イ シ ン の 創 薬( 遺 伝 子 ・ 細 胞 治 療 セ ン
ター)
桃太郎源株式会社:新規がん抑制遺伝子を用いる遺伝子治療(ナノバイオ標的医療イノベーションセン
ター)
ジャパンマゴットカンパニー:医療用無菌マゴットの製造・販売(心臓血管外科学)
有 限 会 社 プ ロ テ オ セ ラ ピ ー:蛋 白 質 セ ラ ピ ー 法 を 応 用 し た 医 薬 品・化 粧 品 な ど の 開 発・製 造 お よ 販 売( 細
胞生理学)
ストレックス株式会社:培養細胞伸展システム
生殖補助医療用システム(システム循環生理学)
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
資 料 1-1-10: 研 究 開 発 委 員 会 の 概 要
清 水 委 員 長 の も と ,教 員 と 事 務 職 員 が 連 携 し て ,研 究 デ ー タ ベ ー ス を 構 築 し ,医 ・ 歯 ・ 薬 の 共 同 研 究 を
構築し,研究戦略を検討する。保健学研究科からも参画している。
1 ) デ ー タ ベ ー ス 構 築 /利 用 WG: 太 田 教 授 以 下 教 員 6 名 と 事 務 職 員 2 名
学 内 限 定 の HP を 作 成
2 ) 共 同 研 究 構 築 /支 援 WG: 二 宮 教 授 以 下 10 名 と 事 務 職 員 2 名
3 ) 研 究 戦 略 検 討 WG:
成松教授以下教員6名と事務職員2名
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
1-2 研 究 活 動 状 況 と成 果
学 術 論 文 ・著 書 等 :
医 学 系 の 研 究 グ ル ー プ の 主 な 研 究 テ ー マ と 当 該 期 間 の 代 表 的 業 績 の 一 覧 (別 添 資 料 1 :
医 学 系 の 研 究 活 動 一 覧 ,P1)を 示 す 。各 専 攻 の 目 標 に 沿 っ て 活 発 に 研 究 活 動 が 実 施 さ れ 研 究
成 果 が 生 み だ さ れ て い る( 資 料 1-2-1)。こ れ ら の 状 況 は ,本 研 究 科 研 究 開 発 委 員 会 が ウ ェ
ブ サ イ ト に 公 開 し て い る 研 究 業 績 集 で ,よ り 詳 細 に 読 み 取 る こ と が で き る 。 平 成 16 年 以 後
の 平 均 で ,学 術 論 文 数 は 1,615 編 /年 ,原 著 論 文 数 は 848 編 /年 ,欧 文 原 著 論 文 数 は 602 編 /
年 に の ぼ る ( 資 料 1-2-2)。 こ れ は , 助 教 以 上 の 専 任 教 員 1 人 あ た り 学 術 論 文 数 は 5.5 件 /
年 , 欧 文 原 著 論 文 数 は 2.1 編 /年 の 論 文 発 表 に 相 当 す る 。 主 な 受 賞 ( 資 料 1-2-3) を 示 す 。
研究領域は広範でバランスのとれたものになっており(前出:別添資料1:医学系の研
究 活 動 一 覧 , P1, 資 料 1-2-1), こ れ は 時 代 の 趨 勢 に 翻 弄 さ れ る の で は な く , 新 し い 研 究 領
域を創出するための豊かな土壌を提供するという意味で意義がある。同時に,先端的なテ
ーマにも積極的に取り組んで,国際的に評価される多くの成果を挙げている。基礎系分野
にあっても,臨床系分野と密接に協力しながら,応用に直結する研究を展開していること
が特徴である。
分 析 項 目 Ⅱ の 記 載 に あ た り 今 回 実 施 し た 調 査 に よ る と ,イ ン パ ク ト フ ァ ク タ ー (IF) 5.0
以 上 の 学 術 誌 に 掲 載 さ れ た も の は 250 編 を 超 え る 。さ ら に IF が 10.0 を 超 え る 高 水 準 の 業
績 が 約 80 編 を 占 め た 。
保 健 学 系 の 教 員 の 論 文 数 は( 資 料 1-2-2)、助 教 以 上 の 専 任 教 員 1 人 あ た り 学 術 論 文 数 は
1.7 件 /年 , 欧 文 原 著 論 文 数 は 0.6 編 /年 に 相 当 す る 。
新 技 術 の 創 出 ,診 断・治 療 法 の 改 善 な ど 社 会 ,経 済 ,文 化 へ の 貢 献 (別 添 資 料 2:医 学 系 の
-6-6-
岡山大学医学部
社 会 , 経 済 , 文 化 へ の 貢 献 の 事 例 , P4) :
基礎系分野も含めて新技術の創出等の実績を挙げ,多くの臨床研究が展開され病因の解
析,診断治療法の確立と評価が実施されている。また社会環境生命科学専攻では,医療福
祉に関する政策提言がなされている。
特 許 等 の知 的 財 産 の取 得 状 況 ( 資 料 1-2-4,-5) :
平 成 16 年 以 降 の , 大 学 に 帰 属 す る 特 許 出 願 が 55 件 , ま た 大 学 に 帰 属 す る 特 許 取 得 は 5
件となっている。
研 究 資 金 の獲 得 状 況 ( 資 料 1-2-6) :
平 成 16 年 度 か ら 平 成 18 年 度 に か け て 競 争 的 資 金 の 合 計 は 41%の 増 加 を 示 し , は じ め て
10 億 円 を 超 え た 。寄 付 金 に つ い て は 約 10 億 円 と 高 い 水 準 で 推 移 し て い る 。平 成 19 年 度 に
は 外 部 資 金 の 総 額 は 23 億 を 超 え た 。 そ の 内 訳 を 1-2-7~ 9 に 示 す 。
人 材 育 成 のための競 争 的 資 金 の実 績 ( 資 料 1-2-10) :
医 療 人 キ ャ リ ア の 一 環 と し て , 研 究 を 通 し た 人 材 育 成 を 進 め て い て , 平 成 19 年 度 は 7
件が採択された。特に文部科学省がんプロフェッショナル養成プランに採択され,中国四
国の大学等のコンソーシアムを構築していることが特筆される。
資 料 1-2-1:本 学 部 の 研 究 活 動 ( 基 盤 と な る 研 究 科 の 専 攻 大 講 座 別 ) の 概 要
専攻の研究活動
大講座毎に研究活動が特に活発である分野
生体制御科学専攻
機能制御学講座
生 体 を ,遺 伝 子 レ ベ ル か ら 分 子 ,細 胞 , 細 胞 外 マ ト リ ッ ク ス と 細 胞 相 互 作 用 に 関 す る 研 究 , 細 胞 の 機
臓器,系,個体への階層的・有機的に
械的刺激受容・応答機構の解析とその応用,組織再生と細胞
関連する複雑系と捉え,高次機能シス
死の機構解析,脈管系の構造解析と不整脈の発生・治療に関
テムとしての脳神経系を含めて統合的
する研究,炎症誘起物質の同定とその制御による創薬と治療
にその制御原理を解析して,制御学的
法の開発,アレルギー疾患の分子機構の解明,ショックの臓
医療体系の確立を目指して,活発に研
器保護に関する研究等が挙げられる。救急システムの科学的
究活動を展開し,数多くの新しい技術
検証等の臨床的研究も活発に行われ,先天性心疾患の新しい
開発をもたらした。中でも,抗体医薬
術式の開発とその実践は他の追随を許さないレベルにある。
の一つである脳梗塞・脳血管攣縮抑制
剤の開発,ストレッチ刺激負荷3次元
脳神経制御学講座
培養システム,脳の選択的冷却装置に
タンパク質の細胞内導入機構を基盤としたタンパク質セラピ
よる脳機能保護法,タンパク質セラピ
ー法の高機能化と治療への応用,エンドサイトーシスの分子
ーによる細胞死抑制物質の開発等は特
筆に値する。これらの成果を基盤にし
て多数の知的財産権が確保され,本専
機 構 , ニ ュ ー ロ ン の 遺 伝 子 発 現 と DNA 高 次 構 造 の 関 連 , パ ー
キンソン病,脳虚血性疾患の病態解明と細胞移植・再生療法
の開発,神経変性疾患,小児てんかん,精神疾患の発症機構
と治療法の開発,中枢神経作用薬の研究が挙げられる。
攻によるベンチャー企業の設立は評価
対象期間内だけで3件にのぼる。
病態制御学専攻
病態機構学講座
胎児から超高齢者にわたる多様な疾患
炎症の分子基盤の解明,消化器・肝臓疾患の発症機構と治療
を,がんを重点的対象としつつ,分子
法開発,糖尿病血管合併症に関する研究,小児の重症ウイル
から個体までの先端的解析技術を駆使
ス感染症の病態,治療,予防法の確立,皮膚リンパ腫の発症
して病態生理を解明し,その成果を遺
と治療,肺移植に関する研究,泌尿器科領域におけるトラン
伝子・細胞制御を通じて治療に応用す
スレーショナル・リサーチとしての遺伝子治療と再生医療等
ることを目指して活発に研究を展開し
が挙げられる。
ている。選択的腫瘍破壊ウイルス開発
と臨床試験,がんワクチンの開発と臨
床試験,がんの発症危険率を予測する
方法の開発と臨床試験,新規がん抑制
腫瘍制御学講座
遺 伝 子 REIC/Dkk-3 を 用 い た が ん 治 療
-6-7-
岡山大学医学部
薬 の 開 発 , HCV ス ク リ ー ニ ン グ 法 お よ
ヒト悪性腫瘍の遺伝子異常の総合的検索,C 型肝炎ウイルス
び C 型肝炎治療用組成物の開発,検便
の病態生理,正常およびがん細胞の増殖・分化制御機構の解
遺伝子診断法等の開発が進展した。
明,悪性リンパ腫の病因論的研究,婦人科腫瘍の分子生物学
肺移植の臨床研究に基づく診療活動
的研究,がん抗原の同定と宿主免疫応答の解析,がんの高感
は,世界をリードする生存率を誇る。
度遺伝子診断法の開発,悪性腫瘍に対する免疫療法,遺伝子
また,ウイルス製剤を含むがんの遺伝
治療,腫瘍特異的ウイルス療法,骨髄移植療法の開発とトラ
子治療は国内で最も系統的な取り組み
ンスレーショナル・リサーチ,悪性腫瘍の可視化とラジオ波
が進められており,新たな開発・導入
治 療 の 開 発 , ヒ ト ES 細 胞 研 究 を 含 む 細 胞 移 植 ・ 再 生 療 法 の
も積極的に行われている。
開発等が特筆に値する
機能再生・再建科学専攻
生体機能再生・再建学講座
主に歯学系の研究分野から成るが,医
動脈硬化性疾患の発症機序に関する研究,悪性骨・軟部腫瘍
学系4分野があり,細胞工学及び外科
の病態解析と外科的切除後の機能再建手術の研究
的切除後の機能再建について活発に研
究を進めている。
社会環境生命科学専攻
法医生命倫理学講座
社会構造や環境の変化に伴う医学・医
法医学鑑定技術の開発
療の問題を, 国内外の社会集団を対象
国際環境科学講座
として,疾病予防,地域医療,国際保
ボツリヌス菌に関する研究,細菌の病原性因子の遺伝子転移
健,生命倫理の観点からとらえ,方法
機構,酸化・窒素ストレス制御による疾病予防と健康増進に
論の構築と解決の方策を活発に研究し
関する研究
ている。
長寿社会医学講座
産業・環境・地域の疫学的研究,医療情報ネットワークシス
テム
保健学専攻
インタープロフェショナルワークとヘ
ルスプロモーションを標語とし,健康
管理,疾病予防と早期発見,疾病を持
つ人々の支援及び基盤となる技術・機
器の開発とその基礎的研究を展開して
看護学分野
痛みのメカニズムとケアに関する研究,病気をもつ子供とそ
の家族のケアに関する研究,地域保健行政と保健師活動に関
する研究
放射線技術科学分野
歯 科 用 小 型 MRI の 開 発 , 低 線 量 放 射 線 の 医 療 へ の 応 用
検査技術科学
低侵襲動脈硬化評価機器の開発,リポ蛋白の分析方法と肥
満・動脈硬化危険因子の発見に関する研究
いる。
(出典:研究開発委員会資料)
資 料 1-2-2: 論 文 の 生 産 数
医学系の論文の生産数
発表年
研究業績の総
原著論文数
欧文原著論文
数
16
(2004)
1,706
909
636
17
(2005)
1,633
845
619
18
(2006)
1,657
913
604
19
(2007)*
1,466
723
549
1,615
848
602
5.5
2.9
2.1
年平均
年 平 均 /人 #
註)専攻分野単位の集計のため,専攻分野間の共同研究は重複して算定されている。ちなみに,平成
18 年 の 欧 文 原 著 論 文 に つ き , 重 複 を 除 い た 欧 文 原 著 論 文 数 は 509 件 と な る 。 研 究 業 績 に は , 原 著 論 文
の ほ か , 著 書 , 総 説 , 症 例 報 告 , 研 究 報 告 書 ,そ の 他 が 含 ま れ る 。
* 平 成 19 年 分 は 速 報 値 の た め , 専 攻 分 野 に よ っ て は 未 把 握 分 あ り 。
# 助 教 以 上 の 教 員 数 (291 人 ) で 除 し た 値 。
-6-8-
岡山大学医学部
保 健 学 系 の 論 文 生 産 数 ( 2004~ 2007 年 の 合 計 )
分
野
原著論文
英文
著
邦文
書
英文
邦文
その他(総説等)
研究業績
英文
の総数
邦文
看護学
35
97
0
70
4
42
248
放射線技術科学
34
9
2
25
2
16
88
検査技術科学
76
16
9
40
4
15
160
145
122
11
135
10
73
496
36.3
30.5
2.8
33.8
2.5
18.0
124
総計
年平均
(出典:研究開発委員会資料)
資 料 1-2-3: 主 な 受 賞
政府表彰,学会(最高)賞と国際的な受賞
年度
賞の名称
研究者:受賞対象となった研究
平 成 17 年
日本細菌学会
平 成 17 年
国際小児神経学会
浅川賞
小熊恵二教授:ボツリヌス毒素の構造と機能の解析
フラ
大田原俊輔名誉教授:年齢依存性てんかん脳症の概念確立
志賀
公文裕巳教授:尿路バイオフィルム感染症に関する研究
ンク・フォード賞
平 成 19 年
日本化学療法学会
潔・秦佐八郎記念賞
(出典:医歯薬学総合研究科等事務部資料)
資 料 1-2-4: 特 許 等 知 財 形 成 の 取 り 組 み 平 成 16 年 度 以 降
区分
件数
本学に帰属する発明届
84 主 項 目 の み
国内特許出願
55
内
公 開 /国 際 公 開 ま で
12
内
国際特許出願まで
15
内
国内特許取得まで
5
(発明委員会資料他)
資 料 1-2-5: 主 な 特 許 取 得 の 実 績
名称
特許番号と特許の活用状況
発明者
脳の冷却装置及びこれに用いる流体注
特 許 第 3702295 号 , 国 際 出 願 ( WO
武田吉正,森田潔
入装置
2005/097016) 指 定 国 移 行 10 カ 国
企業と実施許諾契約
脳の虚血監視モニタ
特 許 第 3721408 号
武田吉正,森田潔
OY-TES-1
米国特許取得
小野俊朗,中山睿一
Cdk5 特 異 的 阻 害 剤
米国特許取得
冨澤一仁
レポーター遺 伝 子 産 物 を 発 現 す る HCV 全 長
登 録 2007/8/7
加 藤 宣 之 ,池 田 正 徳
ゲ ノム 複 製 細 胞 並 び に 当 該 細 胞 を 用 い た
特 許 第 4009732 号
スクリーニング方 法 及 び スクリーニングキット
脳梗塞抑制剤
特 許 第 3876325 号 ,岡 山 TLO を 介 し
西堀正洋他5名
て企業と共同研究が開始。
脳血管攣縮抑制剤
特 許 第 3882090 号 ,JST の 支 援 に て
西 堀 正 洋 ,伊 達 勲 他 4 名
海 外 出 願 中 ( PCT/JP2007/60231)。
造血器腫瘍の検査方法及びキット
登 録 2008/3/7
岡
特 許 第 4088694 号
内田守、吉野
剛 史 、佐 藤 妃 映 、大
脈波計測装置:脈波から主幹動脈のア
米 国 特 許 取 得 (7232413, 7229414,
北脇知己
テローム硬化を推測する装置
7144373)
正
(発明委員会資料他)
-6-9-
岡山大学医学部
資 料 1-2-6: 競 争 的 外 部 資 金 の 獲 得 状 況 ( 概 要 ) の 年 次 推 移
16 年 度
件数
17 年 度
金額
件数
18 年 度
金額
件数
19 年 度
金額
件数
科 研 費 補 助 金( 文 部 )
181
411,910
182
496,080
193
526,060
科 研 費 補 助 金( 厚 生 )
37
196,259
56
177,908
50
共同研究
15
21,930
26
116,760
34
受託研究*
49
223,063
49
153,418
282
853,162
313
競争的資金計
金額
177
459,600
248,712
55
301,121
89,117
50
123,265
53
345,400
49
471,654
876,575
330
1,209,259
331
1,355,640
寄附金
1,715
1,140,947
1,651
1,045,637
1,728
1,071,156
1,609
1,016,347
外部資金計
1,997
1,973,139
1,964
1,989,803
2,058
2,280,445
1,940
2,371,987
(出典:研究協力係資料)
資 料 1-2-7: 科 学 研 究 費 補 助 金 採 択 状 況
文部科学省
平 成 16 年 度
配分額
平 成 17 年 度
件数
平成18 年度
配分額
件数
平成19 年度
研究種目
件数
特定領域
8
59,700
8
81,300
8
148,200
7
73,200
基 盤 ( S)
1
10,790
1
26,000
0
0
0
0
基 盤 ( A)
6
49,850
3
34,440
2
20,930
2
28,860
基 盤 ( B)
26
101,600
28
140,200
30
121,400
21
126,710
基 盤 ( C)
77
105,700
74
97,300
71
103,700
73
128,050
萌芽
20
22,300
26
38,600
24
28,100
16
22,900
若 手 ( A)
2
7,670
1
21,840
2
18,330
3
14,170
若 手 (B)
40
53,100
38
53,400
44
65,800
41
49,100
8
10,000
11
13,810
若手研究*
特別研究員
#
合計
配分額
件数
配分額
1
1,200
3
3,000
4
9,600
3
2,800
181
411,910
182
496,080
193
526,060
177
459,600
(出典:研究協力係資料)
*ス タ ー ト ア ッ プ , # 奨 励 金 ( 単 位 : 千 円 )
厚生労働省
平 成 16 年 度
区分
件数
配分額
平 成 17 年 度
件数
配分額
平成18 年度
件数
配分額
平成19 年度
件数
配分額
主任研究者分
8
142,959
7
101,064
6
162,412
8
204,115
分担研究者分
28
53,300
49
76,850
44
86,300
47
97,006
合計
36
196,259
56
177,914
50
248,712
55
301,121
(出典:研究協力係資料)
( 単 位 : 千 円 :)
資 料 1-2-8: 主 な 科 学 研 究 費 補 助 金 タ イ ト ル
文部科学省
区分
採 択
研究グループ
研究題目
システム循環生理
SPring-8 大 型 放 射 光 に よ る 冠 微 小 循 環 と 心 筋 ク ロ ス ブ リ ッ ジ
学分野
機能の解析
放射線技術科学分
歯 科 用 小 型 MRI の 開 発
年度
基 盤 (S)
16
基 盤 (A)
16
基 盤 (A)
16
野
看護学分野
スリランカにおける生活習慣病の自己コントロールの支援環
境の確立に向けて
-6-10-
岡山大学医学部
基 盤 (A)
16
泌尿器病態学分野
抗腫瘍免疫能の賦活化を企画したテーラーメード型前立腺癌
基 盤 (A)
17
小児科学分野
小児における急性脳炎・脳症の病態・診断・治療に関する研究
基 盤 (A)
19
システム循環生理
心不全発症における機械負荷様式の多様性
学分野
応答機構と新規治療開発
15*
生化学分野
エンドサイトーシスの分子機構:分子構造から細胞機能まで
17
分子遺伝学分野
がん発症前高リスクに関わるがん体質遺伝素因の実体解明と
遺伝子治療の開発基盤研究
特定領域
機械受容体分子
計画
試行的コホート解析
18
免疫学分野
腫瘍抗原の同定と宿主免疫応答
システム循環生理
ソフトリソグラフィーを駆使したメカノバイオロジーの研究
学分野
(出典:研究協力係資料)
*H16 に 継 続 で 実 績 の あ る も の を 記 載
厚生労働省:主任研究者分
年度
研究グループ
研究題目
H16*
分子生物学分野
肝炎等克服緊急対策研究事業: 肝炎ウイルスによる宿主細胞のがん化メ
カニズムの解明に関する研究
衛生予防医学分野
労 働 安 全 衛 生 総 合 研 究 事 業:労 働 者 の 自 殺 リ ス ク 評 価 と 対 応 に 関 す る 研 究
病原細菌学分野
食 品 の 安 全 性 高 度 化 推 進 研 究:容 器 包 装 詰 低 酸 性 食 品 の ボ ツ リ ヌ ス 食 中 毒
に対するリスク評価
小児科学分野
新 興 ・再 興 感 染 症 研 究 事 業 : インフルエンザ脳 症 の 発 症 因 子 の 解 明 と 治 療 及 び 予
防方法の確立に関する研究
H16
H 17
腎・免 疫・内 分 泌 代
循 環 器 疾 患 等 生 活 習 慣 病 対 策 総 合 研 究 事 業:糖 尿 病 性 腎 症 の 寛 解 を 目 指 し
謝内科学分野
たチーム医療による集約的治療
公衆衛生学分野
厚生労働科学特別研究:室内空気質の健康影響に係る医学的知見の整理
システム循環生理
医 薬 品 医 療 機 器 等 レ ギュラ トリーサイ エンス:医 療 機 器 の性 能 基 準 設 定 に関 する
学分野
研究
衛 生・予 防 医 学 分 野
労 働 安 全 衛 生 総 合 研 究 事 業:過 重 労 働 等 に よ る 労 働 者 の ストレス負 荷 の 評 価 に
関する研究
細 胞・遺 伝 子 治 療 セ
萌 芽 的 先 端 医 療 技 術 推 進 事 業:が ん 特 異 的 増 殖 機 能 を 有 す る ウ イ ル ス 製 剤
ンター
と高感度GFP蛍光検出装置を用いた体外超早期がん診断および体内微
小リンパ節転移診断システムに関する研究
H 18
形成再建外科分野
が ん 研 究 助 成 金 :が ん 外 科 治 療 に お け る 形 成 再 建 手 技 の 確 立 に 関 す る 研 究
小児科学分野
新 興 ・再 興 感 染 症 研 究 事 業 :イ ン フ ル エ ン ザ 脳 症 の 発 症 因 子 の 解 明 と そ れ
に基づく発症前診断法の確立に関する研究
腎・免 疫・内 分 泌 代
循 環 器 疾 患 等 生 活 習 慣 病 対 策 総 合 研 究 事 業 :糖 尿 病 性 腎 症 の 寛 解 を 目 指 し
謝内科学分野
た チーム医 療 に よ る 集 約 的 治 療
細胞生理学分野
萌 芽 的 先 端 医 療 技 術 推 進 研 究 事 業:蛋 白 質 セラピー法 と バイオナノカプセルに よ る 持
続性脳腫瘍治療薬の開発
H19
遺 伝 子・細 胞 治 療 セ
医 療 機 器 開 発 推 進:が ん 特 異 的 増 殖 機 能 を 有 す る ウ イ ル ス 製 剤 と 高 感 度 G
ンター
FP蛍光検出装置を用いた体外超早期がん診断および体内微小リンパ節
転移診断システムに関する研究
遺 伝 子・細 胞 治 療 セ
第 3 次 対 が ん 総 合 戦 略 研 究:放 射 線 感 受 性 ナ ノ バ イ オ・ウ イ ル ス 製 剤 の 開
ンター
発と難治性固形癌に対する臨床応用の検討
麻酔・蘇生学分野
医 療 技 術 実 用 化 総 合 研 究:咽 頭 冷 却 に よ る 選 択 的 脳 冷 却 法 の 臨 床 応 用 を 目
的とした研究
(出典:研究協力係資料)
*H16 に は H14, H15 か ら の 継 続 を 含 む 。
-6-11-
岡山大学医学部
資 料 1-2-9: 共 同 研 究 ・ 受 託 研 究 ( 政 府 機 関 ) の 受 け 入 れ 状 況
主なもの
省庁等
制度名
研究課題
期間
研究グループ
文部科学省
タ ン パ ク 3000
病原菌タンパク質の機能構造解析
H16~ H18
病原細菌学分野
文部科学省
タ ン パ ク 3000
神経細胞特異的タンパクの機能構
H16~ H18
生化学分野
H16~ H18
脳神経病態外科学
造解析
文部科学省
主要5分野
神経疾患に対する神経幹細胞を用
いた細胞治療法を臨床の場へ
文部科学省
主要5分野
文部科学省
主要5分野
CHP- 抗 原 蛋 白 質 複 合 体 癌 ワ ク チ ン
分野
H18
免疫学分野
H16-H17
消化器・腫瘍外科
の開発
インスリン分泌ヒト細胞株による
移植医療の研究
文部科学省
主要5分野
In vitro 細 胞 内 導 入 法 (11R 法 )の 高
学分野
H16-H17
細胞生理学分野
H18
医歯薬学総合研究
機能化と疾病制御への応用に関す
る研究
文部科学省
主要5分野
ナノバイオ標的医療の融合的創出
経済産業省
戦略的技術開
ヒ ト 癌 に 関 す る 機 能 性 RNA の 同 定
発委託費
とその機能解析
(独 )新 エ ネ
大学発事業創
ストレッチ刺激負荷3次元培養シ
ルギー産業
出実用化研究
ステムの開発
技術開発機
開発費助成金
拠点の形成
科
H17-
分子遺伝学分野
H17-
システム循環生理
学分野
構
(出典:研究協力係資料)
資 料 1-2-10 人 材 育 成 の た め の 教 育 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト の 採 択 状 況
事業名
課題:取組
実施主体:主な対象
平 成 16 年 度 現 代 的 教 育 ニ ー ズ 取 組 支 援 プ
「バイオ人材教育による地域活
研究科:修士課程学生,
ログラム テーマ:地域活性化への貢献
性化方策」
学部学生
平 成 19 年 度 「 が ん プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル 養
中国四国広域がんプロ養成プロ
研 究 科 ,附 属 病 院:博 士
成プラン」
グラム-チーム医療を担うがん
課 程 学 生 ,医 師 ,学 部 学
専門医療人の育成-
生
平 成 19 年 度 「 地 域 医 療 等 社 会 的 ニ ー ズ に
女 性 医 師・看 護 師 の 臨 床 現 場 定 着
医 学 部 ,研 究 科 ,附 属 病
対応した質の高い医療人養成推進プログ
及び復帰支援
院:医 師 ,博 士 課 程 学 生 ,
ラム」
学部学生
平 成 19 年 度 「 特 色 あ る 大 学 教 育 支 援 プ ロ
医学における知の創生現場実体
医 学 部 ,研 究 科:学 部 学
グ ラ ム 」学 士 課 程:教 育 方 法 の 工 夫 改 善 を
験プログラ-指導的医療人育成
生
主とする取組
のための医学研究インターンシ
ップ-
平 成 19 年 度 「 大 学 院 教 育 改 革 支 援 プ ロ グ
ユニット教育による国際保健実
研 究 科 ,附 属 病 院:博 士
ラム」
践の人材育成
課程学生,医師
平 成 19 年 度 「 大 学 院 教 育 改 革 支 援 プ ロ グ
医療系大学院高度臨床専門医養
研究科:博士課程学生,
ラム」
成コース
医師
平 成 19 年 度 科 学 技 術 振 興 調 整 費 ( 科 学 技
若手医師の臨床研究者としての
研 究 科 ,附 属 病 院:博 士
術 連 携 施 策 群 の 効 果 的・効 率 的 な 推 進 プ ロ
育 成 プ ロ グ ラ ム 開 発 遺 伝 子・細 胞
課程学生,医師
グラム)臨床研究・臨床への橋渡し研究
治療に携わる臨床研究者育成
平 成 19 年 度 治 験 拠 点 病 院 活 性 化 事 業 ( 厚
附 属 病 ,院 研 究 科:医 師 ,
生労働省)
博士課程学生
(出典:研究協力係資料)
-6-12-
岡山大学医学部
観点
大 学 共 同 利 用 機 関 ,大 学 の 全 国 共 同 利 用 機 能 を 有 す る 附 置 研 究 所 及 び 研 究
施設においては,共同利用・共同研究の実施状況
(観 点 に 係 る 状 況 )
該当なし
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 大 き く 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
研究の基礎的体制は,大学院医歯薬学総合研究科・保健学研究科への改組など継続的に
改革,効率化がなされている。各センターの設置は,中期計画の目標に沿って行われ,遺
伝子・細胞治療センター,ナノバイオ標的医療イノベーションセンターなど,獲得した外
部資金を基に大きく進展した。また研究支援組織の充実の取組と大きな発展が見られる。
メディカルテクノ岡山の活動など,研究成果の社会への還元,産業化への取り組みは活発
で あ る 。研 究 活 動 及 び 成 果 の 発 表 は ,平 成 16 年 以 降 の 平 均 で ,学 術 論 文 数 は 1781 編 /年 ,
原 著 論 文 数 は 969 編 /年 , 欧 文 原 著 論 文 数 は 662 編 /年 に の ぼ る 。 そ の う ち イ ン パ ク ト フ ァ
ク タ ー (IF) 5 以 上 の 学 術 誌 に 掲 載 さ れ た も の は 250 編 を 超 え る , さ ら に IF が 10 を 超 え
る 高 水 準 の 業 績 が 約 80 編 を 占 め る な ど , 極 め て 高 い 水 準 に あ る 。 知 的 財 産 の 取 得 件 数 ,
産業化も大きく進展し,オンコリスバイオファーマ株式会社などベンチャービジネスの設
置等への取り組みも活発である。外部資金の獲得は高水準にある。
分析項目Ⅱ
研究成果の状況
(1 )観 点 ご と の 分 析
観 点 研 究 成 果 の 状 況 (大 学 共 同 利 用 機 関 , 大 学 の 全 国 共 同 利 用 機 能 を 有 す る 附
置 研 究 所 及 び 研 究 施 設 に お い て は ,共 同 利 用・共 同 研 究 の 成 果 の 状 況 を 含
めること。)
(観 点 に 係 る 状 況 )
本学部では,広く医療全般を包括する社会のニーズを反映させて,基礎研究と臨床研究
との総合的な融合プロジェクト研究を推進し,学内及び海外を含めた学外の優れた研究グ
ループとの共同研究を進め,現在更に飛躍的な発展を図っている。
2-1 優 れたプロジェクト研 究 の成 果
遺伝子治療
我 が 国 で 最 初 の「 肺 癌 患 者 に 対 す る p53 遺 伝 子 導 入 に よ る ア ポ ト −シ ス 誘 導 療 法( 第 一 相
試 験 )」が 認 可 さ れ ,平 成 11 年 か ら 実 施 さ れ た 。他 施 設 も 含 め た 計 15 名 の 被 験 者 に 対 す る
第一相試験の結果は,実施に関わる重大な副反応が見られず,所期の目的を達成した。こ
れ ら の 研 究 成 果 は 同 18 年 正 式 に 報 告 さ れ た( No 68-6-1025)。次 い で ,
「前立腺癌患者に対
す る HSV-TK/ガ ン シ ク ロ ビ ル 細 胞 自 殺 療 法 」が 認 可 さ れ ,同 13 年 か ら 実 施 さ れ た 。計 9 名
の 被 験 者 に 対 す る 治 療 の 妥 当 性 検 証 は 所 期 の 成 果 を 挙 げ ,同 19 年 ,国 際 的 に 報 告 さ れ た( No
68-6-1150)。
同一の機関で同時に二つの遺伝子治療プロトコールを実施したのは本学部が最初であ
り ,そ れ を 達 成 す る た め の 研 究 戦 略 や 人 的 資 源 が 周 到 に 準 備 さ れ て い た こ と を 示 し て い る 。
さ ら に , 同 20 年 2 月 に は 新 し い 遺 伝 子 治 療 プ ロ ト コ ー ル ( イ ン タ ー ロ イ キ ン 12 遺 伝 子 に
よ る 前 立 腺 癌 の 免 疫 賦 活 療 法 ) が 認 可 さ れ た 。 こ の 他 , REIC( No 68-6-1147,-1149) な ど
有 力 な 遺 伝 子 治 療 標 的 遺 伝 子 が 複 数 見 い だ さ れ ,悪 性 腫 瘍 等 へ の 応 用 が 検 討 さ れ つ つ あ る 。
本学で独自に開発した生物製剤「テロメライシン」は,テロメラーゼ特異的腫瘍融解ア
-6-13-
岡山大学医学部
デ ノ ウ イ ル ス で , ベ ン チ ャ ー 企 業 を 設 立 し , 海 外 で 臨 床 試 験 を 実 施 中 で あ る (前 出 : 資 料
1-1-9)。
ナノ医 療 の基 盤 整 備
テロメライシンを用いて腫瘍の存在部位をミクロで可視化することにも成功し,微小な
リ ン パ 節 転 移 腫 瘍 を 発 見 す る た め に 有 効 で あ る と 期 待 さ れ て い る (No 68-6-1022)。さ ら に
ナ ノ 医 療 に 関 す る 多 く の 関 連 課 題 ( No 68-6-1011,-1014,-1148) を 集 積 し た 「 ナ ノ バ イ オ
標 的 医 療 の 融 合 的 創 出 拠 点 の 形 成 」が ,平 成 18 年 に 科 学 技 術 振 興 調 整 費 の 課 題 と し て 採 択
さ れ , わ が 国 だ け で な く 広 域 ア ジ ア を 含 め た 産 学 官 連 携 が 確 立 し た ( 前 出 資 料 1-1-3, No
68-6-1149)。
細 胞 治 療 のための革 新 的 研 究
本学部では本格的な細胞治療の確立を目指した先駆的な研究が多数行われ,国際的に高
い 評 価 を 受 け て い る 。 1 型 糖 尿 病 治 療 を 可 能 と す る 膵 臓 ベ ー タ 細 胞 株 の 樹 立 (No 68-61005), ES 細 胞 由 来 肝 細 胞 に よ る 補 助 人 工 肝 臓 の 開 発 (No 68-6-1004)な ど は そ れ ら の 研 究
成果の代表的なものである。
分子標的治療
最先端の分子標的治療を目指した研究も活発に行われ,患者の遺伝子異常に基づいた肺
癌 の 最 適 化 学 療 法 (No 68-6-1081,-1125,-1126),胆 管 細 胞 癌 に 特 化 し た 標 的 遺 伝 子 の 発 見
( No 68-6-1037), 糖 尿 病 に 関 す る イ ン ス リ ン 信 号 系 の 新 た な 発 見 (No 68-6-1016), リ ウ
マ チ や 軟 部 腫 瘍 の 劇 的 な 分 子 標 的 薬 剤 の 発 見 (No 68-6-1136)が 報 告 さ れ た 。更 に タ ン パ ク
質 セ ラ ピ ー 法( No 68-6-1015),新 規 抗 体 を 用 い た 脳 梗 塞 治 療 剤・血 管 攣 縮 抑 制 剤 (No 68-6
-1019,-1120,-1021)や 癌 ワ ク チ ン を 用 い た 癌 の 分 子 標 的 治 療 ( No 68-6-1058,-1130) も 極
め て 有 望 で ,こ れ ら は 特 許 出 願 や 登 録 を 終 え ,臨 床 応 用 が 予 定 ,ま た は 一 部 実 施 さ れ て い る 。
遺 伝 子 診 療 の新 展 開
様 々 な 疾 患 と 遺 伝 子 の 異 常 や 遺 伝 子 多 型( SNP)の 関 係 を 追 求 す る 研 究 が 活 発 化 し て い る 。
神 経 シ ナ プ ス 形 成 遺 伝 子 の 同 定( No 68-6-1001),脊 髄 小 脳 失 調 症 の 原 因 遺 伝 子 の 同 定( No
68-6-1087), 統 合 失 調 症 の 原 因 遺 伝 子 探 索 の 網 羅 的 SNP 合 同 研 究 (No 68-6-1107), 糞 便 中
の メ チ ル 化 遺 伝 子 検 出 に よ る 大 腸 癌 の 早 期 診 断( No 68-6-1119,-1124),自 己 免 疫 疾 患 の 発
症 に 関 わ る 遺 伝 子 多 型 (No 68-6-1030), 癌 の 発 症 危 険 度 体 質 遺 伝 を 診 断 す る 多 く の SNP の
発 見 (No 68-6-1033)な ど が 挙 げ ら れ る 。こ れ ら の 多 く は 特 許 出 願 や 登 録 ,或 は 技 術 移 転 を
終え,実用化に迫る段階であるため,今後の社会的貢献が大きく期待される。
感 染 症 病 態 解 明 とその制 御
感染制御に向けて,感染症に関する総合的な解析が行なわれ,病態解明が進められてい
る 。 イ ン フ ル エ ン ザ 脳 症 ( No 68-6-1102), 尿 路 バ イ オ フ ィ ル ム 感 染 症 ( No 68-6-1151),
ボ ツ リ ヌ ス 毒 素 (No 68-6-1050), 敗 血 症 (No 68-6-1045), C 型 肝 炎 (No 68-6-1052,-1053)
に関する成果である。これらの成果は,インフルエンザ脳症の治療ガイドラインの発表,
日本化学療法学会志賀・秦記念賞受賞,スタチンとインターフェロンによる C 型肝炎の治
療 方 法 の 特 許 取 得 に つ な が る な ど 社 会 的 イ ン パ ク ト が 強 い 。ま た ,こ れ ら を 通 し て ,
「慢性
感 染 症 制 御 に よ る 包 括 的 動 脈 硬 化 克 服 戦 略 」 ,「 ミ ャ ン マ ー を 起 点 と す る ア ジ ア 医 療 拠 点 」
などの学内プロジェクトが進展した。
2-2: 優 れた臨 床 研 究 の成 果
先 進 的 外 科 治 療 と臨 床 研 究 :
生 体 肺 移 植 は 世 界 最 高 水 準 の 実 績 で あ る ( No 68-6-1127)。 ま た , 生 体 肝 移 植 は 170例 を
越え,関連する臨床研究が活発に行なわれている。小児心臓疾患の外科手術において世界
最 高 水 準 の 治 療 成 績 を 収 め( No 68-6-1133),高 く 評 価 さ れ て い る 。ま た 心 臓 疾 患 の 細 胞 治
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岡山大学医学部
療 に 関 し て も 優 れ た 基 礎 的 共 同 研 究 を 遂 行 し つ つ あ る( No 68-6-1129)。い ず れ も 社 会 的 な
インパクトの高い業績である。
内 科 領 域 等 での臨 床 研 究 :
内科学の領域では糖尿病,神経疾患,消化器疾患,肺ガンなどの薬物治療・化学療法改
善の臨床研究が活発に行われ,全国的な標準プロトコール等に採用されている。いくつか
例示すると,2型糖尿病患者の腎症発症抑制療法を多施設共同研究の代表として発表した
( No 68-6-1086)。さ ら に ,高 齢 者 難 治 性 C 型 慢 性 肝 炎 の 治 療 方 法 の 問 題 点 と 解 決 法 を 提 起
し た ( No68-6-1073) ほ か , 進 行 非 小 細 胞 肺 癌 に つ い て 臨 床 研 究 を 展 開 し て い る ( No
68-6-1079,-1080)。 病 理 学 の 領 域 で は , 欧 米 と 本 邦 の リ ン パ 腫 研 究 グ ル ー プ 間 の コ ン セ ン
サ ス を は か り , 新 た な 提 案 を 行 っ た (No 68-6-1038) 。
2-3 社 会 医 学 としてインパクトの強 い研 究 成 果
公 衆 衛 生・予 防 医 学 の 領 域 で は ,メ ン タ ル ヘ ル ス に 関 す る WHO の 世 界 規 模 の 疫 学 調 査 に ,
わ が 国 を 代 表 し て 参 画 し た ( No 68-6-1066) ほ か , 本 学 で 発 見 さ れ た 高 原 氏 病 の 研 究 か ら
続 く ア カ ラ セ ミ ア マ ウ ス を 用 い た 酸 化 ス ト レ ス 研 究 で 高 い 評 価 を 得 て い る( No 68-6-1064)。
法 医 学 の 領 域 で は , 本 学 で 新 規 確 立 し た ABO 式 血 液 型 検 査 法 を 警 視 庁 が 採 用 し , 全 国 で 鑑
定 に 用 い ら れ て い る (No 68-6-1069)。
2-4 保 健 科 学 としてインパクトの強 い研 究 成 果
検査技術科学の領域では,動脈硬化の低侵襲評価方法と肥満リスク因子の発見について,
脈 波 を 指 標 と し た 主 幹 動 脈 の ア テ ロ ー ム 硬 化 評 価 機 器 を 開 発 し , 特 許 を 取 得 し た ( No
68-6-1008)。 ま た , 高 速 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 及 び に よ る 血 中 脂 質 ( リ ポ 蛋 白 ) の 分 析
か ら , 肥 満 と 関 係 す る リ ポ 蛋 白 サ ブ ク ラ ス を 見 出 し た ( No 68-6-1061)。
放射線技術科学の領域では,磁界生成器及びこの磁界生成器を備えた核磁気共鳴装置の
開発歯科等で使用可能な小型核磁気共鳴装置の開発に関する研究を行い、特許を出願した
( No 68-6-1116,-1117)。ま た ,低 線 量 放 射 線 の 疾 病 予 防 へ の 応 用 に 関 し て ,低 線 量 放 射 線
が酸化ストレスを軽減し,動脈硬化やがんを予防する働きがあることを見出し、それをも
と に ラ ド ン 発 生 装 置 を 開 発 し て 、 特 許 申 請 を 行 っ た ( No 68-6-1009)。
看護学の領域では,少子化,性同一性障害,超高齢化,在宅医療への比重移行等,現代
の 社 会 文 化 に 関 連 し た 問 題 や わ が 国 特 有 の 医 療 問 題 を 扱 っ た も の が 多 く ( No 68-6-1168,
No.68-6-1171),ま た 培 養 細 胞 を 使 っ た 研 究 や 人 体 を 対 象 と し た 生 理 学 的 研 究 も 精 力 的 に 行
わ れ て お り , 優 れ た 成 果 を あ げ て い る ( No 68-6-1163, No 68-6-1160)。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 大 き く 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
関 係 者 の 期 待 に 応 え る 優 れ た 業 績 171 件 を 提 示 し て い る 。 中 で も , 医 療 を 享 受 す る 社 会
の ニ ー ズ を 反 映 さ せ ,基 礎 医 学 と 臨 床 医 学 を 融 合・包 括 す る プ ロ ジ ェ ク ト 研 究 が 展 開 さ れ ,
その成果である論文や特許の質は極めて高い水準にある。同時に二つの遺伝子治療プロト
コールを実施した実績は国際的にも最高の水準にあり,生体肺移植や小児心臓疾患手術な
どの卓越した医療を背景とした臨床研究の水準も高い。
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岡山大学医学部
Ⅲ
質の向上度の判断
① 事 例 1 「論 文 発 表 数 」(分 析 項 目 Ⅰ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 ) 法 人 化 し た 平 成 16 年 以 後 の 平 均 で , 学 術 論 文 数 は
1,739 編 /年 ,原 著 論 文 数 は 915 編 /年 ,欧 文 原 著 論 文 数 は 638 編 /年 に の ぼ る 。特 に 医 学 系
で は , 助 教 以 上 の 専 任 教 員 1 人 あ た り 学 術 論 文 数 は 5.5 件 /年 , 欧 文 原 著 論 文 数 は 2.1 編 /
年の論文発表に相当し,高い論文発表の水準を維持している。
② 事 例 2 「外 部 研 究 費 獲 得 額 」(分 析 項 目 Ⅰ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 ) 中 期 目 標 期 間 中 の 研 究 費 を 経 年 比 較 す る と , 科 学
研 究 費 補 助 金( 文 科 省 と 厚 労 省 ),共 同 研 究 費 ,受 託 研 究 費( 治 験 関 係 は 除 く )を 合 計 し た
競 争 的 資 金 に つ い て 3 年 間 に ,41% の 増 加 を 示 し て ,平 成 18 年 度 は 12 億 円 を 超 え て い る 。
寄 付 金 を 合 計 し た 外 部 資 金 の 総 額 は 平 成 19 年 度 23 億 円 を 超 え た 。ま た 平 成 16 年 度 に は 1
件 で あ っ た 寄 付 講 座 の 受 け 入 れ が , 平 成 19 年 度 に は 4 件 に 増 加 し た 。
③ 事 例 3 「特 許 出 願 数 の向 上 」(分 析 項 目 Ⅰ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 ) 法 人 化 に 際 し て , 発 明 は 原 則 と し て 大 学 に 帰 属 す
る な ど 体 制 を 強 化 し , 中 期 目 標 設 定 後 の 大 学 に 帰 属 す る 発 明 件 数 ( 中 心 課 題 の み ) は 87
件 , 特 許 出 願 数 55 件 の う ち ,国 際 出 願 15 件 , 登 録 済 み 5 件 と 大 幅 に 増 加 し ,株 式 会 社「 オ
ンコリスバイオファーマ」や「ストレックス」などの起業につながっている。
④ 事 例 4 「ナノバイオ標 的 医 療 の融 合 的 創 出 拠 点 の形 成 の取 組 」(分 析 項 目 Ⅰ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 ) 法 人 化 時 点 で は , 国 の 戦 略 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト 拠 点
への採択はなかったが,本学部を中心とする医歯薬学総合研究科と自然科学研究科が共同
提 案 し た「 ナ ノ バ イ オ 標 的 医 療 の 融 合 的 創 出 拠 点 の 形 成 」が ,平 成 18 年 科 学 技 術 振 興 調 整
費の課題として採択され,産学連携学内特区として「ナノバイオ標的医療イノベーション
センター」を設置し,日本だけでなく,広域アジアを含めた産学官連携が確立した。
⑤ 事 例 5 「研 究 を通 した医 療 人 材 育 成 の取 組 」(分 析 項 目 Ⅰ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 ) 本 学 部 で は , 法 人 化 前 後 か ら , 医 療 人 キ ャ リ ア の
一 環 と し て , 研 究 を 通 し た 人 材 育 成 を 図 る 取 組 を 進 め て , 平 成 16 年 に は 現 代 GP1 件 で あ
っ た と こ ろ が ,平 成 19 年 度 に は 7 件 が 採 択 さ れ た 。特 に 文 部 科 学 省 が ん プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ
ル 養 成 プ ラ ン に 採 択 さ れ ,中 国 四 国 の 大 学 等 の コ ン ソ ー シ ア ム を 構 築 し ,
「がんプロフェッ
ショナルコース」を展開している。
⑥ 事 例 6 「プロジェクト研 究 の進 展 と成 果 」(分 析 項 目 Ⅱ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 ) 本 学 部 を 基 盤 と す る 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 の 発 足 ( 法
人 化 前 後 の 平 成 13 年 , さ ら に 同 17 年 に 改 組 ) に 際 し て , 専 攻 の 構 成 を 基 礎 と 臨 床 を 融 合
した組織としたことの大きな成果として,本学部では,広く医療全般を包括する社会のニ
ーズを反映させた総合的なプロジェクト研究が進展している。それらの研究の最大の特徴
は,最終的な臨床面での貢献を展望しつつ,基礎研究と臨床研究との総合的な融合を実現
していることである。その成果である論文や特許の質は極めて高い水準にあり,同一の機
関で同時に二つの遺伝子治療プロトコールが実施された実績など,本邦初あるいは,国際
的にも最高の水準にあるもので,社会的インパクトも大きい。
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