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標準液を用いた硫化水素ガスの分析

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標準液を用いた硫化水素ガスの分析
標準液を用いた硫化水素ガスの分析
平成24
平成24年度標準ガスクラブ
24年度標準ガスクラブ
2013.02.08
(TKP東京ビジネスセンター)
TKP東京ビジネスセンター)
(独)産業技術総合研究所
計測標準研究部門
計量標準システム科
有機標準基盤研究室
北牧 祐子
(株
株)エア・リキード・ラボラトリーズ
エア・リキード・ラボラトリーズ
園部 淳
本日の内容
硫化水素ガスの安定性モニタリング
標準液を使用するメリット/デメリット
2
ガス成分の分析
サンプルガス中の成分を標準液を使用して定量するには・・・
測定法
成分
ガス成分を吸収液に通す
フッ素化合物
IC (F-)
塩素
IC (Cl-)
吸収液
(液)
ガス成分そのもの
サンプルガス
(ガス)
ガス)
塩化水素
IC ((Cl
Cl-)
窒素酸化物
IC (NO3-)
アンモニア
IC (NH4+)
臭素
IC (BrO3-)
硫黄酸化物
IC (SO42-)
全硫黄
IC (SO42-)
紫外蛍光法 (SO2)
硫化水素
IC (SO42-)
紫外蛍光法 (SO2)
ホルムアルデヒド
IC (ギ酸
(ギ酸)
ギ酸) 、HPLC (DNPH)
サンプルガス
標準液
(液)
標準液
(液)
DME中の
DME中のS
中のS
安定性
モニタリング
6
3
硫化水素ガス
硫化水素ガスの安定性モニタリング
H2S in N2
1.00 ± 5%
ppm
5.05 ± 2%
ppm
10.1 ± 2%
ppm
(株
株)エア・リキード・
エア・リキード・スペシャルティ・ガス
エア・リキード・スペシャルティ・ガス さま
ご提供
1年程度の安定性評価
測定・評価方法は問わない
(安定性評価であれば、絶対値である必要はない)
安定性評価であれば、絶対値である必要はない)
4
硫化水素ガス
測定方法および装置
試料導入部 (GI(GI-100)
燃焼炉へ
検量線用標準液
10 µL
紫外蛍光法(UVFL)
紫外蛍光法(UVFL)
ランプの熱で
気化される
10 mL
サンプルループ
(PEEK製
(PEEK製)
ガスサンプラー
紫外蛍光検出器
Ar
(80 mL/min)
燃焼炉
ドラフトへ
燃焼炉へ
サンプルガス
三菱化学アナリテック(株
三菱化学アナリテック 株)
MFC
測定部 (TS(TS-100V)
SO2 + hυ1 → SO2*
SO2* → SO2 + hυ2
燃焼炉
S-compounds → SO2
紫外蛍光
検出器
2
5
硫化水素ガス
測定条件
パラメータ
設定
装
微量硫黄分析装置:TS
微量硫黄分析装置:TSTS-100V
100V(三菱化学アナリテック)
三菱化学アナリテック)
ガスサンプラー:GI
ガスサンプラー:GIGI-100(
100(三菱化学アナリテック)
三菱化学アナリテック)
置
測定感度
High
試料注入量
標準液:10
標準液:10 µL (ガスタイトシリンジ)
ガスタイトシリンジ)
H2Sガス:
ガス:10 mL (サンプルループ)
サンプルループ)
サンプルガス流量
H2Sガス:約 20 mL/min (MFC)
キャリアガス
Ar;
Ar; 270 mL/min, O2; 400 mL/min,
AUX Ar;
Ar; 150 mL/min, AUX O2; 150 mL/min
燃焼炉
試料導入部(
試料導入部(800 ℃)、反応部(
反応部(1000 ℃)
検出器
紫外蛍光検出器
6
硫化水素ガス
標準液調製スキーム
原料(
原料(チオフェン)
チオフェン)純度および硫黄分決定法
標準液は、
チオフェンとトルエン(
チオフェンとトルエン(∞pureグレード
pureグレード)
グレード)を
用いて質量比混合法にて調製
1段希釈目
約10000 mg/kg
(as S)
GCGC-MS, FID, FPD
KF
純度(mol/mol)
純度(mol/mol)
各不純物濃度
不純物の平均分子量
2段希釈目
約100 mg/kg
(as S)
差数法
不純物分析
凝固点降下法
(一次標準測定法)
純度(kg/kg)
純度(kg/kg)
1-(定量された全不純物)
定量された全不純物)
純度(kg/kg)
純度(kg/kg)
純度・硫黄含有不純物・原子量・分子量
硫黄分(kg/kg)
硫黄分(kg/kg)
3段希釈目
約0.5 ~ 20 mg/kg
(as S)
0 mg/kg
0.5 mg/kg
2 mg/kg
10 mg/kg
20 mg/kg
4
校正用標準(
校正用標準(校正点は5点)
校正点は5点)
7
硫化水素ガス
硫化水素濃度の算出
1.5E+07
1) 標準液中の硫黄の絶対量
S std . = Cstd . × Vstd . × d
標準液中の硫黄量
ng
Cstd.
標準液中の硫黄濃度
mg/kg
Vstd.
標準液の導入量
µL
(10 µL)
d
標準液の密度
(Toluene)
g/mL
(0.867 g/mL)
サンプルガス
5.05 ppm
1.0E+07
Peak Area
Sstd.
サンプルガス
10.1 ppm
サンプルガス
1.00 ppm
5.0E+06
y = 69,776.299 x + 19,818.266
R² = 1.000
0.0E+00
0
50
100
150
200
S. / ng
2) サンプルガス中の硫化水素濃度
CH 2S
34
22.4 × ( S × )
32
=
273
V×
×M
273 + t
CH2S
S
H2S濃度
濃度
検量線から得られたサンプルガス
中の硫黄量
mg/kg
ng
V
サンプルガス導入量
mL (10 mL)
t
サンプルガス温度(≈Room Temp.)
℃
M
サンプルガス1 molの質量
g/mol (28 g/mol)
8
硫化水素ガス
硫化水素安定性モニタリングの結果
5.05 ppm H2S
1.00 ppm H2S
10.1 ppm H2S
6.86
13.82
1.03
H2S conc. mg/kg
H2S conc. mg/kg
H2S conc. mg/kg
1.09
6.46
13.22
12.62
6.06
0.97
12.02
Ave. 1.01 mg/kg
Ave. 6.29 mg/kg
Ave. 12.9 mg/kg
5.66
0.91
0
50
100
150
11.42
0
200
50
100
150
200
0
day
day
50
100
150
200
day
(エラーバーは5回測定の標準偏差)
安定性モニタリングの分散分析表 (10.1 ppm)
自由度
平方和
平均平方
F値
F0(0.05; 1,6)
回帰
1
3.27x10-3
3.27x10-3
0.06
5.987
残差
6
3.18x10-1
5.30x10-2
合計
7
3.21x10-1
有意水準5
有意水準5 %で回帰分析による傾きは有意でなかった。
%で回帰分析による傾きは有意でなかった。
F < F0
有意な経時変化は見られない
9
硫化水素ガス
標準液注入法の違いによる影響
標準液は、
自動で滴下
燃焼炉に直接注入
液体用インジェクター
(ASC(ASC-150L)
ガスサンプラー
(GI(GI-100)
液体サンプラーを使用
したほうが、シグナル
が10%程度大きい
10%程度大きい
5.E+06
ASC-150L
y = 68584.855 x - 24151.037
R2 = 0.999
Peak Area
4.E+06
3.E+06
GI-100
y = 59141.558 x - 80700.694
R2 = 0.997
2.E+06
1.E+06
0.E+00
0
10
20
30
40
S Conc. / ng
50
60
70
80
標準液は、
手動で一気に注入
燃焼炉へ
ガスサンプラーからの標準液導入では、
正しくキャリブレーションできていない
ランプの熱で
気化
10
硫化水素ガス
絶対値を精確に得られなかった理由
ガスサンプルのサンプルループへの導入時
1
の圧力制御がされていなかった
サンプルガス導入までの配管が長い
ガスサンプラーからの標準液導入では、正
しくキャリブレーションできていない
11
本日の内容
硫化水素ガスをモニタリングする
標準液を使用するメリット/デメリット
12
標準液を使用する
標準液を使用するデメリット
正しい値を出すのは非常に困難
標準ガスでキャリブレーションすることに比べると、
標準液でキャリブレーションするには、条件設定が困難
サンプルガス
(ガス)
ガス)
利用範囲が大きく制限される
モニタリングなど絶対値を要しない目的に限られる
対象成分ガスの種類や混合成分ガス種によって制限される
標準液
(液)
など・・・
13
標準液を使用する
標準液を使用するメリット
ミニナートバルブ付
アルミシールバイアル
省スペースで調製できる
短時間で調製できる
(あるいは、既存の標準液をそのまま利用できる)
あるいは、既存の標準液をそのまま利用できる)
3
低コスト
(調製器具・試薬など)
調製器具・試薬など)
除電装置
短いスパンでのモニタリングが可能
電子天秤
天秤の校正は、メーカーに依頼
(1~2年に1
(1~2年に1回程度)
5
14
ご清聴
ありがとうございました
15
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