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2014年度 - 日本ボランティアコーディネーター協会

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2014年度 - 日本ボランティアコーディネーター協会
特定非営利活動法人
日本ボランティアコーディネーター協会
2014年度 事 業 計 画
■「参加の力」を信じよう■
東 日本大震災から3年になろうとしている。被災地では未だ避難生活を強いられている人々が数
多くおり、とりわけ原子力災害を抱える福島県の避難指示区域等から避難する人々は先の見えない
日々に心と体のバランスを崩す人々も増えている。日本社会ではいま、長期のデフレを脱却すべく一連の
経済政策が進められている。しかし、私たちの日常生活のレベルではその効果や改善の実感に乏しいの
が実情であろう。格差の拡大とともに生み出された「貧困」や「孤立」は、いよいよ喫緊の課題として私た
ちの前に立ちはだかっている。さらに、われわれの人権にかかわる重要な法制度の変更が、民主主義を脅
かすような強引なプロセスで進んでいることも看過できない。社会を構成する「市民」としての自覚を高め
るとともに、希薄になった世代間のつながりや支え合いを取り戻すことがあらためて重要な課題となっている。
このようななか、「社会や地域のために貢献できないか」「自分にも何かできることはないか」という社会
や他者が抱える問題に共感し、自ら行動を起こそうという人々が増加しているのも確かである。被災地で
新たに設立されたNPOの増加や企業人たちの社会貢献活動への関心の高まり、地域に積極的につ
ながろうとする大学生たちの存在などにより、新たな「参加の力」が生み出されている。
J VCAは
2014 年度も、あらゆる分野や地域で市民が主体となれるように、「参加の力」を信じ、
「参加」を促し、「参加」を支援することを続けていく。
一昨年に完成した「ボランティアコーディネーション力検定」システムを精力的に展開することにより、
徐々にボランティアコーディネーションへの関心と理解は広がってきた。受験者層の世代、分野、地域など
は多岐にわたり、3 級検定の合格者は 1,850人になった。そして次なる課題は、専門職としてのボラ
ンティアコーディネーターを養成するための持続可能なしくみを開発することである。
さらに、本年度は新たな「第 3 期中期ビジョン(2014-2018)」が策定される。市民社会の創造に
向けてJVCAがどのような役割を担い、どのような取り組みを展開していくのか。中期的なビジョンと方
針をしっかりともって臨みたい。
地 域社会では数々の問題やニーズが複雑に絡み合い、その解決は一層困難を極めている。まさにマ
ルチなセクターや人々が総ぐるみで取りかからなければならない問題が山積している。異業種や多職種に
よる連携ももはや当たり前の時代に、コーディネーション機能に対する期待も高まっている。そのようななか
で、さまざまな社会問題と真摯に向き合い、その解決に市民参加の視点をもって取り組むボランティアコ
ーディネーターという人材を、いまこそもっと前に押し出していかなければ、その存在は後退してしまう。コー
ディネーター乱立時代におけるボランティアコーディネーターの役割と機能をあらためて明確に打ち出し、そ
の専門性と存在意義を社会に見える形で提示していくことが重要になっている。
-1-
これらの状況をふまえ、2014 年度の 3 つの重点とそれを支える推進体制づくりを以下のとおり進めて
いくこととする。
重点1
第 3 期中期ビジョン(2014-2018)をスタートさせる
○ここ数年の社会的な課題やトレンドを押さえ、中長期的な展望を持ちながら
新たなるビジョンにもとづいた取り組みを実行する。
○社会のなかでJVCAが果たしていく役割や立ち位置を明確にし、他団体との
コラボレーションも視野に入れた事業展開をはかる。
重点2
ボランティアコーディネーション力検定の受験者を拡大し、社会への浸透を図る
○ボランティアコーディネーション力検定の受験者を確保する。
(各回、定員数を獲得目標として設定)
○ボランティアコーディネーション力検定の効果やメリットを可視化する。
(合格者の声、団体の声、採用条件・処遇向上の影響などを把握)
○ボランティアコーディネーション力検定3級の共催団体を拡大する。
(全国の幅広い地域での検定開催の実現)
重点3
職務としてのボランティアコーディネーションの質を高めるために、実務者向けの
研修の充実を図る
○中堅ボランティアコーディネーター向けの実践型の研修を、テーマや分野をしぼっ
て企画・実施する。
(実務者のブラッシュアップ、検定受験者のフォローアップ的な場)
推進体制
組織の財政構造とガバナンスを見直し、運営体制を再編する
○各種委員会の活動を強化する。
(会員参加の促進、コミュニケーション手段の工夫)
○財源の収支バランスの改善をはかる。
-2-
■1 事業の推進
(1)全国ボランティアコーディネーター研究集会の開催
①「全国ボランティアコーディネーター研究集会2014」(栃木)の開催及び評価
白
鷗大学の協力を得て、研究集会を開催する。
栃木県をはじめ関東圏のコーディネーター等によって設置している実行委員会においてプログラム
を企画し、実施する。
テーマ:見なキャッ、聴かなキャッ、言わなキャッ!
~新たなる希望を生み出すボランティアの力(チカラ)
期 日:2014年 2月22日(土)~2月23日(日)
会 場:白鴎大学 東キャンパス
②「全国ボランティアコーディネーター研究集会2015」(開催地:大阪)の準備
③JVCC のあり方や枠組みについて抜本的に検討する。
(2)研修の開催および研修企画の支援
①ボランティアコーディネーション力2級検定直前研修の開催 2回・2ヵ所(東京・大阪)
②ボランティアコーディネーション力3級検定直前研修の開催
4回・6ヵ所(東京2回、大阪2回、福岡1回、福島1回)
③ボランティアコーディネーション力3級検定直前研修の共催 6回
(共催団体:前橋市社協、長野県社協、敬和学園大学、龍谷大学、その他)
④各種研修セミナーの開催
・実務者向け:ボランティアコーディネーター基礎研修 2回
(関東1回、関西1回)
・ボランティアコーディネーター向けファシリテーション講座 1回
(関東1回)
・課題/テーマ型ボランティアコーディネーター研修 2回
(関東 1 回、関西 1 回)
⑤研修への講師派遣と講座等の企画支援
・研修への講師派遣を希望する団体に対し、開催の目的やねらい、テーマ等を調整したうえで、
JVCAの理事・運営委員等を紹介する
・相談者(団体)のニーズに即した研修メニューやプログラムを開発し、実施する。
(3)ボランティアコーディネーション力検定の実施、認定システムの開発
①ボランティアコーディネーション力1級検定試験の実施 1回
第1回(通算2回):研修 7 月 12 日(土)・13 日(日) 横浜
-3-
試験 8 月 3 日(日) (東京)
②ボランティアコーディネーション力2級検定試験の実施 2回・2ヵ所
第1回(通算7回):大阪*9月6日(土)~7日(日)
第2回(通算8回):横浜*11月23日(日)~24日(祝)
③ボランティアコーディネーション力3級検定試験の実施 4回(主催)
特別開催(通算15回):福島
2月13日(木)
第1回(通算16回):東京&大阪
6月
第2回(通算17回):福岡
10月ごろ
第3回(通算18回):東京&大阪
12月
共催 6回 :前橋市社会福祉協議会
1月11日(土)
敬和学園大学
2月13日(木)
長野県社会福祉協議会
2月16日(土)
龍谷大学
その他
④ボランティアコーディネーション力検定試験委員会の運営
・試験委員会の開催 1回
・各級(1級・2級・3級)ごとのチームの設置とチームミーティングの開催
・試験問題の作成、試験監督、採点・評価
再掲 ⑤ボランティアコーディネーション力1級検定直前研修の開催
〃 ⑥ボランティアコーディネーション力2級検定直前研修の開催
〃 ⑦ボランティアコーディネーション力3級検定直前研修の開催
⑧『ボランティアコーディネーション力検定テキスト』の改訂・編集 ※出版社からの発行を検討
⑨『ボランティアコーディネーション力1級・2級・3級検定の講師養成
(4)情報の収集及び提供活動の推進
① メールマガジンの発行(月1回)
② JVCA としての facebook の開始
③ JVCAリーフレットの改訂
④ ホームページの充実
⑤ ボランティアコーディネーションに関する情報収集
・ボランティアコーディネーション関連の文献データベースのホームページ上での公開
⑥ 雑誌・新聞などへの寄稿 など
ボランティアコーディネーション力検定等について、各分野の業界紙、広報紙などへの記事を
執筆する。
⑦福島県生活復興ボランティアセンターWEBサイト 「はあとふる・ふくしま」への運営協力
東日本大震災直後から運営をサポートしてきた福島県災害ボランティアセンターのWEB
-4-
サイトがリニューアルされ、新たに福島県生活復興ボランティアセンター 「はあとふる・ふくしま」
となった。JVCAではこの運営に協力し、福島県内のボランティア活動や生活支援相談員の
活動等、復興に向けての動きを幅広く発信する。
(5)広報紙および出版物の発行
①ニュースレター『Co★Co★Net』の発行
年3回(発行月:4月、8月、12月)
②ボランティアコーディネーション力1級検定テキスト(加除式)の発行
③ボランティアコーディネーション力2級検定テキスト(加除式)の発行
再掲④『ボランティアコーディネーション力級検定テキスト』の改訂・編集
(6)調査・研究活動の推進
①JVCA認定ボランティアコーディネーターシステムの開発
「認定ボランティアコーディネーターシステム研究会」の継続
認定システムについては 2014 年度前半に実施する予定で検討を進めていたが、専門職養
成のしくみとしては「検定」「認定」だけでなく、実務者が経験やニーズに応じて計画的に学ぶことが
できる「実務研修」の機会が必要ということになった。この 3 本柱をバランスよく構築するために「認
定」の開始を延期し(システム開発には引き続き取り組む)、実務者研修の体系化のための検
討と試行を行うこととする。
②「検定・認定システム化検討委員会」の継続
③「検定・認定プロモーション委員会」の継続
④東日本大震災におけるボランティアコーディネーションについての検証
東日本大震災支援に関わるボランティアコーディネーションの実態を調査し、その経過と課題を
検証する。
⑤『ボランティアコーディネーター白書 2014 年版(2011-2013)』の編集
⑥実務者向けボランティアコーディネーター研修体系の検討と試行
研修開発委員会を中心にボランティアコーディネーションの実務者向けの研修体系を検討し、
取り組めるものから試行する。
(7)相談への対応
①会員メーリングリストによる会員相互の相談助言活動を促進する。
悩み相談、意見発信、問題提起、情報交換など、会員メーリングリストに寄せられる相談を通し
て会員同士のコミュニケーションを促進する。
(8)ネットワーク推進事業
①CoCoサロンの開催・運営支援
会員サービスの一環として、会員相互の交流を深める場(機会)として、会員が自主的に開催
-5-
するCoCoサロンの新規立ち上げおよび運営を支援する。なお、2013年に実施した「会
員アンケート調査」にて、CoCoサロン新規開催の希望が多かった地域や世話人になることが
可能な人材がいる地域に対しては積極的に支援し、会員交流の機会を増やす。
②国内外の関係団体との連携
国内外の関係団体とボランティアコーディネーションの普及促進に関連する事業に後援ならびに
協力し、連携を深める。
(9)アドボカシー活動の展開
①日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)の認知向上
日本ボランティアコーディネーター協会の存在と市民社会を創造するためには「ボランティアコーディ
ネーターの専門的な役割を確立する」ことが重要であるという当団体のミッションを広くアピールする。
WEBサイトによる広報も充実させる。
②ボランティアコーディネーションについての普及啓発
・「ボランティアコーディネーター基本指針」ブックレットの販売促進及び主催研修や講師派遣先で
の普及啓発を行う。
・『ご存知ですか?ボランティアコーディネーター』ポスターの配布
ボラ
ンティアコーディネーターの社会的な認知を高めるためのポスターを入会時に会員に配布し、活用
を呼びかける。引き続きホームページにも掲載し、ダウンロードできるようにする。
③その他、社会情勢に応じたアドボカシー活動の展開
新たな制度改正の動きをつかみ、現場へ影響についての情報や課題を分析する。
(10)東日本大震災・被災地の復興に向けた生活支援コーディネーターの養成と強化
再掲①福島県生活復興ボランティアセンターWEBサイト 「はあとふる・ふくしま」への運営協力
福島県内のボランティアや生活支援相談員の活動等、復興に向けての動きを幅広く発信する。
②生活支援相談員等に対する研修企画・実施への協力
生活支援相談員等への研修にあたっては、企画および講師派遣に協力する。
③福島の復興に向けた生活支援コーディネーターの強化と普遍化事業②
『現地団体とタイアップしての“アウトリーチ型研修”の実施』
―災害ボランティア活動支援プロジェクト会議(支援P)協力団体応援資金事業
福島県内の生活支援相談員等の生活支援コーディネーターの役割を果たすことが期待される
人たちへの研修ニーズを把握し、ニーズのある組織やエリアに出向いて研修等を実施する。
④福島県社協および県内の諸団体と連協しながら進めてき支援活動を振り返るとともに、福島の現
状と今後の課題を検討するためのセミナーを開催する。
・FUKUSHIMA×JVCA 分かち合いセミナー
「ふくしまの今を知りこれからを考える」 2月11日(火・祝) 飯田橋レインボービル
⑤上記③終了後も引き続き支援先を絞り込んで研修機会の提供やスーパービジョンを行う。
-6-
■2 組織運営と財政強化
(1)通常総会
(2)理事会
2014年2月23日 栃木県小山市にて開催する。
4回開催( 2月、4月、7月、12月の予定 )
(3)委員会
①運営委員会 月1回、12回開催する。
開催予定地:東京・大阪など
合宿1回(関西)
②各種委員会の運営
各種事業の進行管理を徹底し、事業推進と組織運営への会員参加を進めるため、理事、運
営委員、一般会員の参加で以下の委員会を推進する。
ⅰ)広報普及委員会
…会員新規拡大、ホームページ充実、ボランティアコーディネーター
基本指針の普及、JVCAリーフレットのリニューアルなど、J
VCAのPR活動全般
ⅱ)会員サービス委員会 …CoCoサロン立ち上げ・開催支援や、Co☆Co☆Net
の編集、会員メーリングリストの活性化など、会員継続支援や
会員を対象とした情報提供
ⅲ)研修開発委員会
…実務者向け基礎研修やファシリテーション講座等の調整、準備、
実施、中級者向け研修(テーマ・分野)の企画、実施
ⅳ)JVCC企画委員会…全国ボランティアコーディネーター研究集会2015の開催地
調整、企画協力
ⅴ)財政委員会
…財政シミュレーションと具体的な財源強化対策、事業計画に
もとづく予算作成
③専門委員会の設置、運営
ⅰ)検定・認定システム化検討委員会(継続)
ⅱ)検定試験委員会(継続)
ⅲ)検定・認定プロモーション委員会(継続)
ⅳ)認定ボランティアコーディネーターシステム研究会(継続)
④プロジェクトチームの運営
各種委員会の他に、必要に応じて各種チームを構成し、事業の進行を図る。
ⅰ)東日本大震災災害支援チーム ※支援P助成
ⅱ)第3期中期ビジョン策定チーム(継続)
(4)会員拡大および会員サービスの充実
①会員データベースと他の事業参加者のデータを統合し、JVCA 顧客データベースを構築する。
②会員拡大に関する取り組み
・多様な分野においてボランティアコーディネーターの社会的認知を広げ、JVCAの事業や運
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営への参加を拡大し、会員組織としての組織構成を強化する。
・ボランティアコーディネーション力検定合格者に対し、JVCC2014開催と入会の案内を
行う。
・会員入会のインセンティブになる割引等をPRし、JVCCや検定、研修などの申込の際に
簡易な手続きで入会できるようなWEB上の申込システムを構築する。
・顧客データベースの管理システムを構築し、個々のニーズに適した情報提供やコミュニケーション
を行い、新たな会員を獲得する。
②会員サービスの見直しとサービスの拡充
2013年に実施した「会員アンケート調査」結果をふまえ、会員がJVCAにコミットする機
会拡大とJVCAをより身近な存在として感じられるサービスとして、CoCoサロンを主軸とし
た地域や分野における会員相互の意見・情報交換とボランティアコーディネーションの普及・啓発
の場づくりを拡充する。また、「会員アンケート調査」結果から把握した会員メーリングリストの活
性化の促進や新たな会員相互の情報・意見交換ツールの開発などの検討を行う。
③会員継続への働きかけの強化
準会員から正会員への移行を促すような「会員継続」の働きかけを行い、会員の定着を図る。
会費未納者を減らすため、会費納入の際には一言メッセージを添えるなどのさまざまな工夫を行
なう。会費納入方法については他の参加費とともに、クレジット決済等の導入をめざす。
(5)事務局運営の充実
①事務局担当理事の設置
事務局担当理事によるスーパービジョンを定期的に行う。
②ボランティアコーディネーションに関わる拠点機能の強化
事務所のミーティングスペースの活用、ボランティアコーディネーション関連の書籍・文献の整理・公
開、ボランティアコーディネーションに関わる相談機能を強化する。
(6)財源の確保と財政運営
①会費収入の拡大
会員特典(JVCC・研修・セミナー参加費割引等)を積極的に周知し会員の勧誘を図る。
②事業収益の拡大
検
定受験者を安定的に確保する。
講師派遣先を開拓する。
③寄付者の拡大
認定 NPO 法人認証の結果をふまえつつ、U-30 応援プログラムなど募金のテーマや使途を定
め、さらなる寄付者拡大のためのキャンペーンを展開する。
④助成金、委託事業などの活用
JVCAの事業目的に合った助成金や委託事業などに積極的に応募する。
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