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2年1組 石渡恵 建築設計Ⅱ 第2課題

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2年1組 石渡恵 建築設計Ⅱ 第2課題
石渡 ―― 私は、紙に触れるということをテーマに考えて、谷内つねおとい
あればものを置いたりとか、そこだけ残念。
う人を選びました。この人は紙を素材にして作品をつくっていて、素材も
ただ、だんだん上げていくというのは1つのアイディアだけどね。
普通の紙を使ったり、作品も人の顔とかユーモアのあるものをつくってい
佐藤 ―― 作品は床に置くんですか? そうやって見るものなの?
て、親しみやすい感じでした。そこで、つくるギャラリーとして、ただ眺
石渡 ―― この人の作品は全部床に置いて。
めるだけの空間ではなく、同じような作品をつくってみたり、触れて楽し
佐藤 ―― 作品がよくわからないからなんとも言えないけれど。まあ、すご
める空間を考えました。3つに分けて、手前の下の空間は大人の落ち着い
くうまくまとめてますよね。色が違うのは実際に色が違う壁なの?
た空間で、入るとギャラリーとショップ、作業場があり、一番上に階段で
石渡 ―― わかりやすくするために。
上がっていくと子どものための空間があり、そこは子どもが元気に走って
佐藤 ―― ふーん。
上ってその場所に行けるようなところです。事務所があり、そこを抜けて
小川 ―― 事務室なんかは、連続して展示室に行けたりするの? そこで止
子どものワークショップをつくり、子どもが飽きたら、そのまま階段を上
まるの? その裏側は何ですか? 壁の裏側。
って屋上で遊べるような空間をつくりました。この真ん中の空間というの
石渡 ―― そこは、壁が途中までで下がって。
は、作業とかしないでただ見学したい人が通り抜けられる道で、ここの階
嶋田 ―― 通路ですね。
段を利用したギャラリーもつくりました。表面的な形は、紙とかそういう
佐藤 ―― そこはワークショップだから、何か一体になって事務所があると
ものを表さないようにしています。入ると進むのが通りの方向で、その窓
いう感じなんでしょうね。
の先には紙みたいな柔らかい円をつくり、どの部屋からも見えるようにし
横山 ―― ちょっと補足して。1つは折り紙ということで、光と影の美しさ、
て、人はここで止まるのではなく、そのまま奥に進むようにして、奥に谷
コントラストみたいな、そういう要素を入れた方がいいのかなということ
内つねおの作品のギャラリーをつくりました。
は感じたんですけれども。それから、ワークショップをつくっているんで
佐藤 ―― 構造は何ですか?
すけれど、展示と分けないで渾然一体となり、展示兼ワークショップみた
川口 ―― 鉄筋コンクリートですよね。
いな、あまり部屋というような形で分けない、そういうダイナミックさが
佐藤 ―― RC?
もう少し出るとよいかなと。ただ非常に、すっきりと外連味がなく、敷地
嶋田 ―― 鉄骨?
の高低差なんかも利用して、好感が持てる作品という感じです。
石渡 ―― はい。
小川 ―― 外部の作品は、どのくらいの大きさのものなんですか?
横山 ―― 何でやろうとしたかは言わなくちゃ。
石渡 ―― 47cm。
若色 ―― でも、すごく上手だよね。プランニングとか、そういうのは。
小川 ―― 実際、それは紙でできてる?
石渡 ―― 全部ガラスなので通る人からも見えるし、ここの通り道で作業し
横山 ―― 図面とかプランとかはきれいだけれど、もう少し模型をうまくつ
ている人も作品みたいに見える。
くると印象もよいかもしれない。
けれん
指導:若色峰郎 野村歡
川口 ―― こういうところがやっぱり無理が。
横山 ―― つまり、ガラスとの境が少し。例えば1mくらい開くとか、幅が
小川守之 川口とし子 佐藤光彦 嶋田幸男 横山聡
A-A' section
south elevation
plan
28
建築設計Ⅱ 第2課題
2年1組 石渡恵
高橋 ――
私が初めて村上龍の作品を読んだとき、自分の心の中にぽっかり開いてい
る穴を感じた。モノや情報にあふれた日本では、人々は欲しがらない、空
虚な生活に流されていて、村上龍は作品の中でそんな日本を警告している
ように感じた。だから、情報や刺激、流行が集まる渋谷、騒がしい渋谷の
中でも住宅地であるひっそりとしたこの敷地に、満たされた生活につかり
きった人々に潜む空洞を創った。ひっそりと静かなこの敷地のように、心
の空洞も静かに知らぬ間に人々を支配していく。
内部は空洞部分に、入り組んで複雑なステージが侵入している。空洞に入
って空虚を感じ、空洞を眺めて空虚を目で感じる。受動的空間と能動的空
間を作り、人々に刺激を与える。この建物は人々が空虚な自分に気付かせ
るものである。気付くか気付かないかは、自分次第。共感するしないは、
人それぞれ。
指導:本杉省三 宇杉和夫
奥田孝次 河辺哲雄 中村弘道 野沢正光 前田光一
section
south elevation
2F plan
1F plan
建築設計Ⅱ 第2課題
2年2組 高橋令奈
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ほとんど明かりがなくて、月明かりがくるような、そんな景色をちょっと
思い出しました。
嶋田 ―― 模型ですと、たまたまこういう素材なんだよね。天井がぐにゃぐ
にゃしていておもしろいのですが、多分断面方向も平面だけではなくてね、
これと同じようにできていた方が空間的におもしろそう。体内的な空間で
あるからね、天井があまり真っ直ぐじゃないほうがおもしろい。
佐藤 ―― そのグリーンの天井は、どちらかというとブースの中のような気
がするんだけれど、そうすると普段は大ホールとかその周りのところとか
は何やってるの?
滝沢 ―― 大ホールは普段使われないように考えたんですけれど、この普通
のスペースに制作風景を展示するモニターを設けました。
1F plan
嶋田 ―― 何かもったいない使い方するね。モニターばっかりじゃない、全
部。じっと時間をかけて溶けてゆく、そのものに触れたいよね。
滝沢 ―― 私は、この芸術の住まいを考えるときに、アーティストでも作品
小川 ―― 大ホールはそういう可能性を示しています。
でもなくて、初めに美術館の形態について考えました。普段開いている美
佐藤 ―― でも、極端に言うと、このブースだけでよいかなっていうことに
術館は、4時や5時に閉館してしまって、学校帰りの人や、会社帰りの人
なっちゃうじゃない?
たちがなかなか見ることができません。その分、土曜日や日曜日の美術館
若色 ―― 実際に作るとなるとね、座標置いて、寸法を出してやるんですけ
は混んで、なかなか作品に触れられないのだと思い、反対に5時から開く
れど。これはあなたは何か描いてるの? それとも、非常に微妙な、あるわ
美術館にしてしまったらおもしろいと思い、夜の美術館を考えました。私
けですか?
は、夜に闇と静寂と孤独というイメージを持ったので、それに当てはまる
滝沢 ―― いや、ないです。
ようなアーティストを選ぼうと思い、若智大暉という人を選びました。こ
小川 ―― ないです(笑)
。最初、なんか円筒形、シリンダーがポンポンポン
の人は少し変わったことをやっているんですが、何でもない白い男の人の
と置いてあったんですが、つまらないので。
像なんですけれど、これがどんどん溶けていくと中にいろいろなものが入
若色 ―― そういう幾何図形ならわかるんですけれど。自由曲線でしょう。
っていて、それが流れ落ちていくという。水を凍らせて氷の像をつくり、
だから、断面図はそうでもないのだけれど、平面図がそういう座標の中に
それが溶けていく様子の全てが芸術だと言っている人なんですよ。実際こ
ないから、どうやるのかなって。
の美術館では、この像を常設として見せることはできないので、実際に溶
横山 ―― でも、君はそういうセンス感じるよ。そういう自由曲線がうまい
けていく様子を撮影して、それを見せる空間をつくりました。今までの美
よ。こういうのがね。感覚的にやってるのだと思うけどさ、こういう全体
術館は大勢で見ることが多くて、人のペースに合わせて嫌な思いをするこ
の敷地の形とかに比べて、ちゃんと効いてるよね。中はどうあれね。
とが多かったので、孤独な空間で1人で美術を鑑賞することを考えました。
滝沢 ―― はい(笑)
。
見える部分は半透明のガラスでつくり、あとは全部地中に埋めました。私
横山 ―― すごく、そういう意味ではセンスあるよね。いい曲線出して
が一番この美術館でテーマとしているところなんですが、半径2 m の半透
るよ。
明のブースを用意して、その中に足元へ梯子で降りるところがあり、そこ
を降りると真っ暗闇となります。この中で、映像を自分の好きな速度で、
指導:若色峰郎 野村歡
小川守之 川口とし子 佐藤光彦 嶋田幸男 横山聡
大体1つ溶けるのに10 時間かかってしまうので、ゆっくり見たい人は減速
してゆっくり見ればいいし、早く見たい人は高速で変化を楽しんでもらい
たいと思いました。氷の像ができたときには何点か用意して、大ホールの
部分で人を呼んで見せるというふうになっています。
小川 ―― 夜開いている美術館だというのがおもしろく、選んだ作家が氷が
どんどん溶けている時間的経過を見せるというのもおもしろい。実際にこ
こでの時間は、結構長い時間だと思うんですけれど、地面にしゃがんでじ
っと見ているというイメージがおもしろい。多分、僕なら明け方までずー
っと座ってるんだろうなって。今までのものと全然違い、設定が非常にお
もしろいという感じがしました。それと、これは多分、昼間だと野外のカ
フェテラスだけれども、星が見える暗いカフェテラスだと思うんですよね。
B1F plan
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建築設計Ⅱ 第2課題
2年1組 滝沢礼恵
south elevation, section
遠藤 ――
手塚治虫は最後まで生と死をテーマに作品を書き続けた。生きることのす
ばらしさ、むなしさ。死への恐怖、憧れ。さまざまな視点から生と死を見
つめ、私たちに生命の尊さを教えてくれた。
そんな彼の生涯を振り返る場所がほしかった。
光の存在する開放的な空間。対照的な光の届かない空間。これらの空間を
結ぶ一本の通路、ここを通り、光と闇のつながりを感じてほしかった。生
と死も同じで、両者は常に隣り合わせなのだと思った。
生きることが光なのか闇なのか、僕にはまだわからなかった
指導:本杉省三 宇杉和夫
奥田孝次 河辺哲雄 中村弘道 野沢正光 前田光一
site plan
1F plan
south elevation
X-X' section
Y-Y' section
建築設計Ⅱ 第2課題
2年2組 遠藤悠介
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