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アハバ-ル・カシオン

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アハバ-ル・カシオン
JICA シリア事務所
2008 年 1 月 1 日
第 189 号
アハバ-ル・カシオン
● 活動報告
「幼児教育日本研修」を終えて・・・
山崎
正美
(幼児教育
ハマ婦人連盟
18 年度 2 次隊)
●日本へ…!?
シリア人に行く前にはっきりどう
中の2週間は、
「今頃どうしている
2007 年 11 月 24 日∼12 月 8 日の約
いうところを学びたいか意識でき
かな?」と気になったり、日本か
2 週間、シリア人 6 名が日本研修へ
るよう、また受け入れ側の日本の
ら送って頂いた、彼女たちのその
行きました。今回で 3 回目になる
幼稚園にも事前にシリアの様子を
時その時の情報メールや写真を見
研修です。研修の内容は、主に日
理解してもらえるよう、努めまし
ては「彼女たちも頑張っているの
本の園の視察と大学で幼児教育に
た。
だ!!」と励まされたり、私たち
ついての講義などです。隊員側の
●出発前…
隊員が彼女たちを思うように、彼
研修前の準備として、
「見てきてほ
さて…行くと決まってからが大変
女たちもまた、日本で隊員の名前
しいポイント」や、
「シリアと日本
です!何せ初めてシリアを出ると
を出しては口にしていた、という
の保育の実情と比較」が書かれて
いう人がほとんどなのです。まず
ことを後から聞き、いつの間にか、
いるブリーフィング資料を、日本
は…親戚中に連絡。そして荷作り
私たちの中でも、彼女たちの中で
語とアラビア語で事前に用意し、
を手伝いに行くと、何でも、かば
も、お互いの存在が大きくなって
んに詰め込んで…その中には、ホ
いるのだと、改めて感じることの
ブズ・オリーブ・チーズ・レモン
できた機会でもありました。
★★
1 月・2 月の予定
★★
【行事予定】
12 月 28 日-1月 3 日 事務所年末年始休暇
1 月 9 日 イスラム暦元旦(予定)
1 月 17 日 ボランティア報告会
2 月上中旬 安全対策協議会
2 月 21 日 ボランティア総会、
ボランティア報告会(予定)
といったものまで。
「日本は高いで
しょ!」と、さすがシリア人です。
出発のために空港へ見送りに行く
と、シリア人の荷物は運ぶのが本
当に大変なほど多く…驚き!!で
【専門家・ボランティアの動き】
した。日本にこの状態で無事に着
<離任>お疲れ様でした。
1 月 9 日 CBR 短期専門家 青木憲代
1 月 30 日 節水灌漑農業普及計画プロジェ
クトの皆さま
<着任>
1 月 8 日 19−3 次隊(1 名)
桑野香奈(音楽)
くのかな?と不安になったほどで
<健康診断一時帰国>
12 月 22 日-1 月 23 日 森野謙 SV
1 月 19 日-2 月 21 日 中沢弘次 SV
【事務所の動き】
<健康管理休暇>
1 月 9 日-2 月 6 日 山口りか VC
<一時帰国休暇>
1 月中旬-村上所員(予定)
す。空港では、ジャンジャン鳴り
出発前のひととき
止まぬ携帯に、家族や親戚がお別
●帰国後…
れに来ていて…「戦」にでも行く
帰ってきてからもそれは大変で…
かのように号泣している人もいま
空港では、まるでスターが帰って
した。その姿をみて、本当にシリ
きたかのように「キャーキャー!」
ア人にとって、他国へ行くという
とお帰りの言葉に、抱擁に、号泣
ことは大きなことなのだ…という
…。しかし、
「戦」ならぬ日本研修
ことを身にしみて感じつつ、いろ
がこうして無事に終わり、保育、
いろな思いで見送りました。シリ
またそれ以外の日本のことなど、
ア人が日本研修へ行っている間、
実り多きものとして彼女たちの中
現場に残った私たち。やはり研修
でしっかりと次のステップへ、そ
-1-
して大きな自信へと繋がっている
していきたいと思います。日本は
人として育てられていました。親
ことは確かで、彼女たちの帰国後
とても美しく、清潔で発展した国
愛なる JICA の皆さん、そして通訳
の言動から多く見受けられます。
でした。日本人は完璧な人々だと
の山田さん、有難うございました。
また、各都市同士の横の繋がりも
思います。素晴らしい計画を完璧
< Ms.Awatef Raed
更に強くなりました。これを少し
な方法で実行していました。また
ウラス幼稚園園長>
でも多くのシリアの先生に、将来
子どもへの保育計画が現在の日本
○日本人は文明的で、時間を守り、
を担う子どもたちのために…これ
の発展につながっていると思いま
正直な人々でした。子どもへの保
から少しずつ現場に還元していっ
し た 。 <Ms.Amira
育を大切にした結果が今日の日本
てもらうことを願うばかりです。
ダマスカス支部幼児教育部長>
の発展であると気づきました。研
その過程の中で、彼女たちがして
○研修には多くの内容が含まれ、
修で出会った人々は家族のように
いくことに隊員が傍でサポートし
素晴らしい日本滞在となりました。
接していただきました。なぜなら
ていきたいと思います。
また日本で出会った多くの日本人、
子どもから大人まで日本人はとて
●研修員の感想
幼稚園、保育園の子ども達、それ
も親切な人々だからです。全ての
から保育者の皆さんから素晴らし
人々に感謝いたします。
紹介します。
い利益を得ることができました。
< Ms.Maha Kanjayoub ホムスアル
○素晴らしい日本滞在となりまし
JICA の皆さん、有難うございまし
ラスタン幼稚園園長>
た。今日の日本人の人間形成は、
た。< Ms.Zalfah Kallas ハマ支部
乳幼児期の保育から繋がっている
幼児教育スーパーバイザー>
と理解しました。子どもの気持ち
○日本人は独創的で親切、愛らし
を保育者が友達や家族へ伝えると
く友好的、そして正直で秩序があ
いう日本の幼児教育方法はとても
り、非常に熱心に仕事をする人々、
好ましい方法だと思いました。
という感想を持ちました。国際的
JICA の皆さん有難うございました。
な社会関係を持ち、日本人は他国
さらなる協力を続けていきたいと
のアイデアを受け入れる人々でし
思います。<Ms.Omayma Salman タ
た。このように感じることが出来
ルトゥース支部幼児教育部長>
たのは、全ての人々が家族のよう
最後に、研修員 6 名の感想をご
Mashnouk
ホムスアルナ
日本の幼稚園にて
に私達を受け入れてくださったか
らです。全ての方々に感謝いたし
ます。
< Ms.Halah Assad ラタキアスーパ
ーバイザー兼保育者>
○日本人は文明的で、秩序あるこ
幼児教育研修の様子
とを好み、清潔で、仕事に対して
草花を使って、情操教育を学ぶ
正直な人々でありました。多くの
たくさんの方々のご協力により、
○素晴らしい研修でした。短い期
人々が読書と文化活動を好んでい
こうしてこの日本研修を終える事
間でしたが、とても効果的な研修
るように見えました。幼稚園と保
ができました。この場をお借りし
で、多くの情報を得ることができ
育園はまるで家庭のようでした。
て御礼申し上げます。
ました。このような経験をさせて
愛、思いやり、教育、そしてしつ
いただき光栄に思っています。ま
けのある場所で、子どもの時から
たこれらをシリアの子ども達に返
-2-
● 近況報告
日本研修現地レポート∼小さな軌跡が繋がりをつくる∼
三谷
直美
(幼児教育帰国隊員
17-1)
帰国して 2 週間あまりの私は、
になる幼児教育の活動が、繋がり
でしょう。大きな身体は帰国隊員
後半の 4 日間の研修と休日 2 日を
をもっていることを感じられ、研
の腕に包まれて皆とてもかわいら
シリア人 6 名と共に過ごさせても
修に同行させていただけて本当に
しく見えました。「絆」ってこう
らった。私にとっても 3 回目と
よかった。彼女たちの言葉の中に、
いうところにあるのだと感じます。
なるこの研修。1 回目、2 回目は隊
「ネットワークを組んで協力して
私自身隊員時代は、CP とのコミュ
員としてシリアから参加者を送り
取り組んでいく」ということが挙
ニケーションに苦労し、腹立つこ
出し、帰国してからシリアで活か
がっていたが、日本での数日間、6
とも多く、時に投げやりになるこ
してほしいという願いが強すぎて、
名がお互いを思い合い、過ごして
とたびたび、もう二度とシリアと
シリア人を信じきれず、しんどく
いる姿は、そのままシリアでのネ
関係することはない!と帰国した
なってしまうこともあった。しか
ットワークに繋がっていくと期待
ものでしたが、少し期間をおきじ
し、昨年までの参加者はそれぞれ
している。すぐには変わらない、
っくり振り返るうち、シリアにい
の目標をクリアすべく、もちろん
しかし確実に変わってきている。
たときとは違う感情が沸くのです。
彼女たちのペースではあるが、取
参加者 6 名は大きな意欲を胸に帰
それを「絆」と呼べるとすれば、
り組む姿を、シリアで活動してい
国した。これから、シリアの幼児
今やシリアの幼児教育には帰国隊
る間に見ることができ、今回の研
教育の現場で、子どもたちのため、
員たち一人一人がつなぐ絆が太く
修も、それぞれが活かしていくの
保育者のために、シリア人、隊員
確かなものになっていると思わず
だろうなと信じる思いで研修に同
が協力して活動が展開されること
にはいられません。きっと、6 名も
行した。研修の中での感動。それ
を願っている。
シリアに帰ったら、現隊員への感
は、シリアの幼児教育と題し、そ
●シリア人との感動の再会
情が変化しているかもしれません
ね。
<小山祥子 8-1
れぞれの地区での活動を、教育部
12 月 2 日に、10 名の隊員OGが
長、園長、保育者がそれぞれの立
東は茨城から、西は福岡からシリ
初代幼稚園教諭ダマスカス>
場で発表した中で、今までの隊員、
ア人と、シリアで活動した隊員と
○活動先の園長が横浜に来ている
今活動している隊員の言葉が、そ
の懐かしい時間を過ごすために集
とのメールを見た時には信じられ
れぞれの活動や取り組みたいこと
まった。その時の思いをコメント
ませんでした。ホムスから出る事
として伝えられていたこと。また、
していただいた。
だってほとんどない方だったので
園の見学風景で、今までの研修で
○再会のとき帰国隊員が、それぞ
…逢う前はシリアにいた時にでさ
は教室の壁面や机といったハード
れの CP と抱き合っているのを見て、
え下手だったアラビア語が不安で
面にまず目がいっていた保育者が、
かつて自分の CP が日本に来たとき
したが、逢うと出てくるのは涙ば
「子どもとのかかわり」というソ
のことを思い出しました。今回の 6
かり。涙の意味は複雑で自分でも
フト面に注目していたことであっ
名もシリアでは立場も上の方、そ
よくわかりませんが、人との繋が
た。少しずつではあるが、進歩を
れなのに日本で見せる姿は気取り
りはあったかい。感謝でいっぱい
遂げていると実感できる瞬間であ
も威厳もなく素の姿。初めての国
になったのを覚えています。涙の
った。慣れない環境の下、参加者
外で慣れない生活、慣れない食事、
後はお互いの事などホムシーらし
が真剣に取り組む姿を身近で感じ
きっと隊員の顔をみて緊張の糸が
く笑いたっぷりで本当に楽しいひ
られ、初代隊員から始まった 11 年
ぷつりと切れ、心から安堵したの
と時を過ごしました。今回の事、
-3-
本当にいろんな方に感謝していま
い存在になってしまう。そんな中、
たちがやってきて、実際に日本を
す。ありがとうございました!
私がシリアにいた頃色々とよくし
歩き、日本文化に触れ、体験し、
<白川裕子 14-1 保育士ホムス>
てもらったように、私も彼らに最
そしてもちろん幼児教育について
○私は涙の再会はなかったけど、
高の思い出を作ってあげたい!と
も同じように直に学んでいるのだ
やはり一番の喜びは、後任者に逢
意気込んでいた。しかし、私たち
なぁ、と実感しました。そして、
えた事。そして、時間は経過した
の善意に対し彼らははっきり「ラ
改めて感じたことは、私のシリア
けど、確実に私が活動していたと
ー」と断り、露骨に疲れ切った顔
での生活はシリアの人達にたくさ
いう事実が後任によって確認でき
をし、挙句に自分達の意見は貫き
ん助けられていたのだということ
た事。これこそ、涙を流したほど
通そうとする。私もシリアにいた
です。困ったことはないかと気に
の喜びです。これだけはどうして
頃、いやな時は強気で断ればよか
かけてくれ、時間を割いて力にな
も伝えて欲しい…。一人一人の活
った…と少々の後悔。日本で出会
ってくれるなど、振り返ると感謝
動は、ほんの些細な小さい足跡に
うシリア人は、シリアで接してい
すべきことが多々あります。今後
しかならないかもしれないけど確
るシリア人よりも図々しく見え、
もこの日本研修や日本との関わり
実につながっていくものなのだっ
正直アラビア語も忘れていたしか
を通して、シリアの子ども達、保
て。後任を通して私自身感じさせ
なり疲れたような。でも、やっぱ
育者達が共に楽しく笑顔いっぱい
てもらったよ。どうも有難う
り、シリアが、あんなシリア人が
の園生活につながることを祈って
う!!!
大好きだな、と再認識した瞬間で
います。
<飯島雅代 14-1 保育士ラタキア>
もあった。シリアの乳幼児教育の
< 中 嶋 僚 子 16-3
○「アーーーーーーーーーーイ!」
未来が明るいものとなりますよう
ダマスカス>
成田空港で再会したシリア人の一
に!!!
人は私に向かってこう叫んだ。2 年
<吉田愛
8 ヶ月のシリア滞在中、たった 2 日
士ダマスカス>
間しか顔を合わせたことがないの
○今回研修に来ていたシリアの皆
に!日本の社会に復帰してしまう
さんとの再会は、都合上短い時間
と、シリアは近いようでかなり遠
でしたが、この遠い日本まで彼女
幼稚園教諭
15-2&17 年度短期保育
幼児教育隊員 OG との再会
● 帰国ボランティア挨拶
ご活動お疲れ様でした。
17-2 菊池 広祐
コンピューター技術
大好きだったハンマーム、オールドダマスカスの町並み、シリアの人々と
別れるのがつらいです。
いろいろお世話になり、ありがとうございました。
WEBwww.jica.g
o.jp/syria/index.
html
E-MAIL=sr_oso_
[email protected]
お知らせ
本ニュースレター配信ご希望の方は当事務所まで氏名、メールアドレス、JICA との関係(所属)を連絡願います。
編集後記
2008 年 明けましておめでとうございます。「笑う角には福来る」です。今年も笑顔多き一年となりますように。 (J.H)
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