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1 - ファイザー株式会社
ボリコナゾール ブイフェンド®錠 50mg ブイフェンド®錠 200mg ブイフェンド®200mg 静注用 CTD 第 2 部 資料概要 2.2 緒言 ファイザー株式会社 ボリコナゾール 2.2 2.2 緒言 Page3 緒言 深在性真菌症は生命に影響する重篤な疾患である。侵襲性の高い医療手段及び救命救急医療の 発達により重症又は難治性の深在性真菌症リスクのある患者は増加している。一方,深在性真菌 症治療薬の数は限られている。深在性真菌症治療薬のうちアムホテリシン B は極めて毒性が強い ため治療の継続がしばしば困難であるものの,広い抗真菌スペクトルと高い有効性から 40 年以 上にわたり使用されてきている。また,フルコナゾールは安全性が高く,長年の臨床経験から高 頻度に使用されている抗真菌剤のひとつである。近年,フルコナゾールでは治療困難な重症又は 難治性の深在性真菌症に対してアムホテリシン B を上回る有効性を有し,かつアムホテリシン B のような強い毒性がなく臨床の場で十分に使える薬剤の必要性は高まっている。 ボリコナゾールはフルコナゾールの有する多くの優れた特徴を保ちながら,フルコナゾールが 低感受性あるいは非感受性とされる C. glabrata, C. krusei を含むカンジダ属及びクリプトコック ス属に対する抗真菌活性を高め,また,アスペルギルス属,フサリウム属,スケドスポリウム属 などの今日問題となっている糸状菌にまで抗真菌スペクトルを広げることを目指して研究が進め られ,英国ファイザー社サンドイッチ研究所で創薬された。フルコナゾールと同様に経口剤と注 射剤の両剤型があり,経口剤のバイオアベイラビリティは安定して高い。また,蛋白結合率は他 の抗真菌剤に比べ低く,髄液や脳を含めた全身の組織移行性に優れる。 ボリコナゾールは,フルコナゾールと類似の構造を持つ新規のトリアゾール系抗真菌薬である。 ボリコナゾールはフルコナゾール同様,真菌のエルゴステロール生合成の必須酵素であるチト クロム P450 依存 14α-脱メチル化酵素を阻害することによりエルゴステロールの生合成を阻害す るが,フルコナゾールと比較して阻害活性が高い。また,in vitro でアスペルギルス属に対して殺 真菌的な抗真菌活性を有する。 1981 年から英国,フランス及び米国ファイザー社中央研究所並びにファイザー製薬株式会社 中央研究所においてボリコナゾールを用いた非臨床試験が実施された。これらの非臨床試験から, ボリコナゾールの薬理,薬物動態及び毒性プロファイルが明らかにされ,アスペルギルス症をは じめとする重篤な深在性真菌症の治療におけるボリコナゾールの有用性が期待された。ボリコナ ゾール製剤としては,経口用の錠剤(50 mg 錠及び 200 mg 錠)及び新規添加物であるスルホブ チルエーテル β-シクロデキストリンナトリウム(SBECD)を含有する注射剤(1 バイアル中ボ リコナゾール 200 mg 及び SBECD 3200 mg を含有)が開発された。 本薬の開発は,まず欧州で実施された。外国においては 1991 年から第 1 相試験が開始され, 1993 年から欧州において口腔咽頭カンジダ症(用量設定試験),慢性真菌感染症やアスペルギル ス症を対象として第 2 相試験が開始された。1995 年より各種真菌症(食道カンジダ症,侵襲性 アスペルギルス症等)を対象とした第 3 相試験が欧州,米国を中心に開始された。 本邦においては 1996 年 9 月から第 1 相試験として,単回経口・静脈内投与,反復経口・静脈 内投与,市販剤型を用いた経口試験及び遺伝子多型を検討した試験計 7 試験を,2000 年 3 月か ら第 3 相試験を実施した。 また,これらの他に本剤の医療上の緊急的必要性から特別な配慮による救済的治療試験プログ ラム(Compassionate Use Program, Emergency Use 等)も外国で実施された。 臨床試験成績からボリコナゾールはアスペルギルス症の治療においてアムホテリシン B を上回 ボリコナゾール 2.2 緒言 Page4 る有効性を有することが確認された。また,C. glabrata, C. krusei を含むカンジダ属によるカンジ ダ症,クリプトコックス症,フサリウム症,スケドスポリウム症に対する有効性も確認された。 一方,安全性はアムホテリシン B に比較して臨床上十分な忍容性が確認された。 本邦臨床試験及び外国臨床試験成績から,ボリコナゾールはカンジダ属,アスペルギルス属, クリプトコックス属,フサリウム属,スケドスポリウム属による重症又は難治性の真菌感染症 (真菌血症,呼吸器真菌症,消化管真菌症,真菌性腹膜炎,真菌性副鼻腔炎,真菌性眼内炎,真 菌性髄膜炎,脳真菌症,皮下真菌感染症)に対し,十分な効能・効果を有すると期待され,ボリ コナゾール錠剤・注射剤(ブイフェンド錠 50 mg,200 mg,ブイフェンド 200 mg 静注用)の輸 入・製造承認申請に至った。