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イノベーションの5つの基本理論
第4回 講義:キーエンス 高収益モデルの徹底したスマイルカーブビジネスと知財戦略 講義開催日 2009/10/24 講義の内容 創業者滝沢会長の率いる日本で最も経常利益率の高い(50%超)企業で、典型的なスマイルカーブビ ジネスと知財戦略を活用したファブレス企業である。下記のとおり、20 世紀後半に日本が米国から奪取 したモノづくり方法論が、中国に移管されつつある。 モノづくり産業の米国・日本・中国 産業変革は、学びから駆逐へのサイクルでは? ・1960年代 日本が米国のモノづくり技術導入 ・1970年代 日本のモノづくり企業勃興期 ・1980年代 日本のモノづくり企業躍進期 (日米貿易摩擦と米国モノづくり企業駆逐期) ・1990年代 日本のモノづくり企業停滞期 ・2000年代 外需依存グローバル企業躍進期 (中国モノづくり企業勃興期) ・2010年代 技術立国日本の方向性模索期 (中国による従来型モノづくり企業駆逐期) (日本の総合事業構想力に担い手は?) キーエンスを、21 世紀型の日本のモノづくり企業の先行事例と考える。ここでは、イノベーションを 持続するための基本的な理論の概説を、下記の通り行い、バリューチェーン理論には、スマイルカーブ +スピード+オープンの重要性を話して、グループワークに入る。 イノベーションの5つの基本理論 ピーター・ドラッ カー・ F. マイケル・ポー ター・E. 「イノベーションのジ レンマ」1997 チェスブロー・H. 「オープン・イノベー ション」 2003(大前恵一 郎訳、産能大出 版部、04年) 『イノベーションと起 業家精神』(上田淳 生訳、ダイヤモンド 社、1997) 『競争戦略論1・ 2』(竹内弘高訳、 ダイヤモンド社、 1999) 生産要素5つ の新結合 2種類のイノ ベーション 2種類のイノベー ション イノベーションの7つ の機会 産業クラスター ①新しい製品の 創造 ②新生産手法の 取り入れ ③新販売経路・ 市場 の開拓 ①持続的イノベー ション (技術の進 化・持続) ②破壊的イノベー ション(顧客に対応 した新性能評価 軸変化) ・新市場破壊型 ・ローエンド型破 壊 研究開発⇒部品製 造⇒製品製造⇒販 売・回収)を通した 付加価値創造 ①クローズドイノベー ション ②オープンイノベーショ ン (企業内部のアイ ディアと外部のアイ ディアを有機的に 結合した価値創造) ①予期できない出来 事の発生 ②現実の姿とあるべ き姿のギャップ ③ニーズの存在 ④産業構造の変化 ⑤人口構造の変化 ⑥ものの見方、感じ 方、考え方の変化 ⑦新しい知識の出現 クラスターの存 在 ⇒レベルの高 い顧客が集まる ⇒新しいアイ ディア提供 ⇒課題解決に 貢献 ヨセフ・シュン ペーター、A. クリステンセン、 C.M. 「経済発展の 理論」1912(塩 野谷他訳、岩 波文庫1977) 論 点 イ ノ ベ ー シ ョ ン 手 法 論 者 ④原材料等の供 給 源確保 ⑤新組織の形成