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大学院の概要
摂 南 大 学 大 学 院 の 概 要 <2014年度入学者用> 法 学 研 究 科 国際言語文化研究科 経済経営学研究科 経営情報学研究科 理 工 学 研 究 科 薬 学 研 究 科 【 修 士 課 程 】 【 修 士 課 程 】 【 修 士 課 程 】 【博士後期課程】 【修士・博士前期課程、博士後期課程】 【 博 士 課 程 】 1.大学の沿革 1975(昭和50)年 摂南大学を開学、工学部を開設 1982(昭和57)年 国際言語文化学部・経営情報学部を増設 1983(昭和58)年 薬学部を増設 1988(昭和63)年 大学院薬学研究科修士課程(薬学専攻)を増設 法学部を増設 1989(平成元)年 大学院工学研究科修士課程(社会開発工学専攻、機械・システム工学専 攻)を増設 1990(平成 2)年 大学院薬学研究科博士課程(薬学専攻)を増設(修士課程を博士前期課程 に変更)大学院工学研究科修士課程(電気電子工学専攻)を増設 1993(平成 5)年 経営情報学部経営環境情報学科を増設 1995(平成 7)年 大学院経営情報学研究科修士課程(経営情報学専攻)を増設 1997(平成 9)年 大学院法学研究科修士課程(法律学専攻)を増設 1999(平成11)年 大学院国際言語文化研究科修士課程(国際言語文化専攻)を増設 2002(平成14)年 工学部土木工学科を都市環境システム工学科に、電気工学科を電気電子 工学科に、経営工学科をマネジメントシステム工学科に改称 2005(平成17)年 経営情報学研究科博士課程(経営情報学専攻)を増設(修士課程を博士前 期課程に変更) 国際言語文化学部国際言語文化学科を外国語学部外国語学科に改称 2006(平成18)年 経営情報学部に経営学科を増設 2008(平成20)年 大学院工学研究科博士課程(創生工学専攻)を増設(修士課程を博士前期 課程に変更) 2010(平成22)年 経済学部を増設 経営情報学部を経営学部に改称 工学部を理工学部に改称するとともに、生命科学科・住環境デザイン学 科・都市環境工学科を増設 2012(平成24)年 看護学部を増設 大学院薬学研究科博士課程(医療薬学専攻)を増設 2014(平成26)年 大学院経済経営学研究科修士課程(経済学専攻・経営学専攻)を増設 大学院工学研究科を理工学研究科に改称するとともに、機械・システム 工学専攻および電気電子工学専攻を生産開発工学専攻(博士前期課程) に改組、生命科学専攻(修士課程)を増設 2.趣 旨 本大学院は、学術の理論および応用を教授研究し、その深奥を究めて文化の進展に寄与 することを目的とする。 修士課程・博士前期課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研 究能力または高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を養うものとする。 博士課程・博士後期課程は、専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、 またはその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力およびその基礎 となる豊かな学識を養うものとする。 3.教育研究上の目的 1 法学研究科法律学専攻は、高度の法学知識を身につけた専門職業人として、実務と理論 に強い組織内型法律実務専門家およびパラリーガルと呼ばれる広義の独立型法律実務 専門家を養成することを目的とする。 2 国際言語文化研究科国際言語文化専攻は、国際化により世界が直面している複雑な諸問 題の解決に貢献できるよう、語学力を身につけるとともに異文化を深く理解し、高度な 専門知識を持つ人材を養成することを目的とする。 3 経済経営学研究科経済学専攻は、国際経済、地域経済、観光経済を中心とした現代経済 学の高度な理論および実証分析の方法を修得し、地域社会・国際社会に貢献できる高度 専門職業人の養成を目的とする。 4 経済経営学研究科経営学専攻は、企業経営、会計、経営情報に関する高度な専門知識と 社会の変化を的確に捉えて理解する知識を身につけ、外部環境の変化に柔軟に対応でき る高度専門職業人を養成することを目的とする。 5 経営情報学研究科経営情報学専攻は、国際化社会において不断に発展しつつある経営情 報分野の諸課題を、創造的に解決しうる専門知識と広い識見を身につけた高度専門職業 人と研究者を養成することを目的とする。 6 理工学研究科社会開発工学専攻は、建設および建築に環境保全を加えた社会開発につい て、高度な専門能力を持つ人材を養成することを目的とする。 7 理工学研究科生産開発工学専攻は、機械工学や電気電子工学を基盤として、材料・物性、 エネルギー、システム制御、情報・通信、生産・加工等の広範囲の領域について、高度 な専門能力を持つ人材を養成することを目的とする。 8 理工学研究科生命科学専攻は、分子生命科学や生態生命科学を修得し、医療、環境、食 糧等の分野において、高度な専門能力を持つ人材を養成することを目的とする。 9 理工学研究科創生工学専攻は、工業製品から都市・建築に関わる構造物までの広範囲な モノづくりにおいて、新しい価値の創生と技術革新を担い得る高度な知的専門職業人を 養成することを目的とする。 10 薬学研究科医療薬学専攻は、医療現場での臨床的課題等を対象とする研究を通して薬学 分野の高度な知識・技能・態度を修得し、高度な医療に応えることができる優れた研究 能力を有する薬学研究者および薬剤師等の育成を目的とする。 目 法 学 研 究 次 科 【修 士 課 程】・・・・・・・・・・・・・・・ P1 国際言語文化研究科 【修 士 課 程】・・・・・・・・・・・・・・・ P4 経済経営学研究科 【修 士 課 程】・・・・・・・・・・・・・・・ P8 経営情報学研究科 【博士後期課程】・・・・・・・・・・・・・・ P18 理 工 学 研 究 科 【修士・博士前期課程、博士後期課程】・・・・・ P21 薬 学 研 究 【博 士 課 程】・・・・・・・・・・・・・・・ P25 科 法学研究科 修士課程 【法律学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 各自の専攻科目とそこでの研究テーマを前提に、各自の課題を法哲学的・法社会 学的に掘り下げてもらうことをめざします。各々が取り組んでいる法領域や制度 を、より理路的な抽象的観点から、あるいはより「現場」に近い具体的観点から 見直してみることを通じて、より立体的・重層的に自分自身の問題関心を深めて いくことが、この授業のねらいです。 法哲学特論Ⅰ 未定 法哲学特論Ⅱ 日本法制史の中でも、特に近世家族法史についてその概観を行う。本科目の選択 者は、すべての者が日本法制史の十分な基礎知識をもっているわけではないの で、近世家族法史の基本的な概念について解説するとともに研究上の論点などを 理解させることを目的とする。そのため石井良助『江戸時代漫筆』、中田薫『徳 川時代の文字に見えたる私法』など、基本的文献を取り上げ、吟味・熟読・解説 することにしたい。 日本法制史特論Ⅰ 牧田 勲 教授 日本法制史特論Ⅱ 日本法制史特論演習 西洋法制史特論Ⅰ 未定 西洋法制史特論演習 公 法 系 Ⅰ・Ⅱ 憲法特論Ⅰ 浮田 徹 准教授 憲法特論Ⅱ 金谷 重樹 教授 租税法特論Ⅰ 小島 租税法特論演習Ⅰ・Ⅱ 行政法の基礎知識を用いて、基本的応用問題を解く力を身につけることを目的と します。 行政法特論Ⅰ・Ⅱの講義内容を討議によって更に緻密化、深化させ、テーマを絞 って修士論文として結実するよう指導する。 行政法特論演習Ⅰ・Ⅱ 租税法特論Ⅱ 西洋法文化の歴史的生成をたどり、日本法文化との比較をふまえて、ジェンダー 法史学の立場から西洋法文化の特徴を明らかにする。比較のための前提として、 戦後日本の家族法研究・家族史研究の基本的な文献を読む。ついで、欧米家族法 史学についての研究を概観し、さらに、日本と欧米におけるジェンダー法学の成 果を学び、法政策の動向を整理する。 人権と裁判の歴史と比較について検討する。受講生の関心に応じて特定の具体的 なトピックを選び、議論を深める。 西洋法文化の歴史的生成をたどり、日本法文化との比較をふまえて、西洋法文化 の特徴を明らかにする。とりわけ、法や権利、司法の役割に対する意識のちがい を比較し、家族・女性・セクシュアリティ・男性性などに関するジェンダー法学 の新しい成果もとりいれつつ、法規範や法文化を検討する。 憲法学のうち、憲法総論、統治機構の部分を採り上げます。憲法とは何か、基本 原理とは何か、といった憲法学の根本的な部分から、三権分立を採用する日本の 統治機構における諸原理について深く理解することを目的とします。 憲法学のうち、基本的人権の分野を採り上げます。基本的人権に関する判例を中 心に知識を再確認しつつ、基本的人権の原理についての理解を深めます。 行政法の既修者にとってはその基礎知識を再確認することを目的とし、初めて行 政法を学ぶ方にとってはその基礎知識を修得することを目的とします。 行政法特論Ⅰ 行政法特論Ⅱ 日本近世私法史、とりわけ家族法以外の法制度について概観する予定である。土 地制度史を中心に取り上げるが、それとの関わりにおいて、江戸時代の支配構造 や民事裁判などにも論及することになるだろう。関連史料の講読なども行う予定 である。 法令もしくは仲間法関係史料を読む。近世・近代の法令用語や専門用語、語法に なじみ、史料解読の力を養うとともにその史料の問題性を考えさせる。 Ⅰ・Ⅱ 西洋法制史特論Ⅱ 内 容 俊朗 教授 戦後経済が急発展をとげる中で、税が経済取引、我々の生活等広範囲にわたり重 要な意味を持つようになったが、それとともに租税法の理解、研究も重要性を増 している。租税法は他の学問分野とも関係が深いと同時に租税法の分野自身も範 囲が広いので、租税法特論Ⅰでは、租税法の総論(共通的事項)と租税実体法の 中でも特に重要な所得税法を中心に学んでいく。 租税法を履修したことがない者などに対しては、必要に応じて、学部での授業の 履修を求めることがある。 戦後経済が急発展をとげる中で、税が経済取引、我々の生活等広範囲にわたり重 要な意味を持つようになったが、それとともに租税法の理解、研究も重要性を増 している。租税法は、他の学問分野とも関係が深いと同時に租税法の分野自身も 範囲が広いので、租税法特論Ⅱでは、所得税法と並んで実務では大切な相続税法、 法人税法、消費税法の租税実体法と租税手続法、不服申立て制度等について学ん でいく。なお、時間の制約から消費税法については割愛することがある。 租税法を履修したことがない者などに対しては、必要に応じて、学部での授業の 履修を求めることがある。 租税法特論を踏まえ、判例や裁決事例の検討を行う。判例等は、争いの多い分野 から取り上げることとし、租税法に対する理解を深める。 毎回担当者が報告した後、問題点等について討議を行っていく。 1 法学研究科修士課程 【法律学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 准教授 法学研究科が目指している法律実務専門家(税理士・司法書士・裁判所職員・刑 務官及び公務員職等)の養成を念頭において、刑法実務の中核をなす刑事判例を 素材に犯罪論と実務がどのように関係しているかを分析し、それを通じて実務専 門家に必要な知識と洞察力を涵養していく。 准教授 刑事手続に関する諸問題のうち、捜査段階におけるものについて、我が国及び 外国の学説・判例(実務)の状況を踏まえながら検討する。 刑事手続に関する諸問題のうち、公判段階におけるものについて、我が国及び外 国の学説・判例(実務)の状況を踏まえながら検討する。 刑法特論Ⅰ 小野 晃正 刑法特論Ⅱ 公 法 系 刑事訴訟法特論Ⅰ 島田 良一 刑事訴訟法特論Ⅱ 法学研究科が目指している法律実務専門家の養成を念頭において、刑事法実務の 中核をなす刑事判例を素材に刑事訴訟法理論と実務がどのように関係している かを分析し、それを通して実務専門家に必要な知識と応用能力を涵養していく。 刑事訴訟法特論演習 未定 Ⅰ・Ⅱ 財産法特論Ⅰ 財産法特論Ⅱ 古川 内 容 行男 教授 金銭債権を中心に権利の実現過程について検討した上、債権回収にどのような手 段が活用されているのか、現代取引社会が常に新しい法制度を求めているのかを 理解する。 財産法特論演習Ⅰ・Ⅱ 財産法特論Ⅲ 家本 真実 准教授 財産法特論Ⅶ・Ⅷ 城内 明 准教授 家族法特論Ⅰ・Ⅱ 古川 行男 牛丸 與志夫 教授 財産法特論Ⅳ 教授 企業法特論Ⅰ 企業法特論Ⅱ 企業法特論演習Ⅰ・Ⅱ 私 法 系 有価証券法特論Ⅰ 有価証券法特論Ⅱ 木村 秀一 教授 有価証券法特論演習 財産法に関する判例研究をおこないます。日本の民法だけでなく、アメリカの契 約法(Contracts)や不動産法(Property)を取り上げ、両者を比較しながら、日本 の民法をより深く考察していただきます。 前期に引き続き、財産法に関する判例研究を行います。日本の民法だけでなく、 アメリカの契約法(Contracts)や不動産法(Property)を取り上げ、両者を比較し ながら、日本の民法をより深く考察していただきます。 不法行為法研究。不法行為法の基本テーマの一つである権利侵害論につき、学説 の現状を理解する。 主に民法・相続法分野で生じる頻度の高い紛争類型を選び、その紛争解決のため の家事調停、家事審判、人事訴訟等を学習した後、資料に基づいて具体的事例を 検討する。 会社法が2005年6月に制定された。会社法は、従来、商法に定められていた 会社に対する法的規制が大幅に変更され、かなり、難解なものになっている。授 業は、基本的な会社法の法原理をおさえた上で、さらに、深い内容について掘り 下げていきたい。 各自の設定した研究テーマについて、参考資料の収集、資料の読み方、資料のま とめ方、論文の書き方を個別に指導する。ある程度、研究がまとまった段階で報 告してもらい、その都度指導する。 手形法・小切手法の重要判例を素材として、手形法の基礎理論について深く考察 してゆく。判例は「手形小切手判例百選」等から取り上げる。 前半は、有価証券法特論Ⅰに続き、有価証券法理論について理解を深めていく。 後半においては、「電子登録債券法」の検討を行い、制度内容の理解、手形法と の相違点および理論の継受の範囲を確認したうえで、問題点の考察に進んでい く。 Ⅰ・Ⅱ 有価証券法特論Ⅰ・Ⅱでの基礎研究を踏まえて、電子債券法ヘの視野も取り入れ、 各院生の関心と摺り合わせながら、修論テーマを決め、指導する。 民事訴訟法特論Ⅰ・Ⅱ 紛争解決機能としての司法の役割について検討する。 民事訴訟法特論演習 古川 行男 教授 Ⅰ・Ⅱ 労働法特論Ⅰ 労働法特論Ⅱ 労働法特論演習Ⅰ・Ⅱ 樫原 義比古 教授 民事訴訟法(判決手続・民事執行・倒産手続)に関する個別的な課題を選定し、そ の研究に必要な論文、判例などの資料収集とその分析の方法を明らかにしなが ら、修士論文の作成を指導する。 労働契約、就業規則、非典型的労働関係、労働協約、不当労働行為などの中から テーマを選び、その具体的内容やレベルなどについては、受講生と相談のうえで 決定したい。 労働法特論Ⅰにおいて受講生の選定したテーマをさらに深く研究する。その具体 的内容やレベルなどについては、受講生と相談のうえで決定したい。 労働契約、就業規則、非典型的労働関係、労働協約、不当労働行為などの中から 選んだ研究テーマについて参考文献及び資料の収集、修士論文の作成等について 指導を行う。 2 法学研究科修士課程 【法律学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 現代国際社会で生じている具体的な問題を素材として、国際法に関する基本的な 諸問題について考える。とりわけ特論Ⅰでは、「平常な国際関係に適用される国 際法の諸規則」を主として検討する。 国際法特論Ⅰ 国際法特論Ⅱ 糟谷 英之 教授 小山 昇 教授 国際法特論演習Ⅰ・Ⅱ 国際私法特論Ⅰ 国際私法特論Ⅱ 政治学特論Ⅰ 松永 信一 准教授 政治学特論Ⅱ 行政学特論Ⅰ 中沼 丈晃 准教授 河原 匡見 教授 河原 匡見 教授 行政学特論Ⅱ 国際政治学特論Ⅰ・Ⅱ 国際政治学特論演習 Ⅰ・Ⅱ 国際関係特論Ⅰ 国際関係特論Ⅱ 国際関係特論演習Ⅰ・Ⅱ わが国際私法の構造を前提として、具体的な牴触規定について理解を深める。特 に、その連結政策の基本的な規定がある国際家族法の分野を中心に、その構造と 問題点を論究する。 ニクラス・ルーマンの初期著作『公式組織の機能とその派生的問題』を精読し、 ルーマンのシステム論の基本的枠組みを理解する。 公共政策の形成における行政の役割の実際を理解することを目的とし、注目を集 める最近の立法をめぐる状況を追う形で授業を進める。立法をめぐる状況を追う うえでは、官僚と政治家との関係に焦点を当てる。 公共政策の実施と評価における行政の役割の実際を理解することを目的とし、理 論を理解するために実例を参照するのではなく、実例を理解するために時に理論 の力を借りるスタンスをとる。 「国際政治学」という学問について、その専門的な知識や思考方法を習得するこ とを目的とする。そのためには、大学院レベルでは原書講読を避けて通ることは できない。本講では、国際政治に関する専門書籍(原書)や専門雑誌の英語論文、 あるいは英字紙の記事を読み込んでいく。 まず、その対外政策を分析対象とする国家を確定し、国際政治において分析に値 する問題をみつけださなけれぱならない。そして、それらを分析する資料操作の 方法を学びながら、その分析結果を修士論文として完成することをこの特論演習 の目的とする。 「国際関係論」という学問について、その専門的な知識や思考方法を習得するこ とを目的とする。そのためには、大学院レベルでは原書講読を避けて通ることは できない。本講では、国際関係に関する専門書籍(原書)や専門雑誌の英語論文、 あるいは英字紙の記事を読み込んでいく。 まず、その対外政策を分析対象とする国家を確定し、国際関係において分析に値 する問題をみつけださなけれぱならない。そして、それらを分析する資料操作の 方法を学びながら、その分析結果を修士論文として完成することをこの特論演習 の目的とする。 スポーツ振興政策を検討していく上で必要となる基本的な視点について考察す る。特に日本における法制の視点から検討を加える。 社会政策特論Ⅰ 石井 社会政策特論Ⅱ 現代国際社会で生じている具体的な問題を素材として、国際法に関する基本的な 諸問題について考える。とりわけ特論Ⅱでは、「国際紛争状況に適用される国際 法の諸規則」を主として検討する。 現代国際社会で生じている具体的な人権問題を素材として、国際人権法の問題に ついて考える。院生の選択したテーマをより深く掘り下げることによって修士論 文の完成を目的とする。 国際私法の構造に関する重要問題を検討する。わが国際私法の基本法である「法 の適用に関する通則法」について、外国国際私法規定との対比も含めてその構造 面から問題点を探ることで、牴触法規定のあり方を考察する。 国際私法特論Ⅰ及びⅡで検討した課題をさらに緻密に検討し、討議と検証を通じ て修士論文に至る指導を行う。 国際私法特論演習Ⅰ・Ⅱ 政 治 国 際 系 内 容 信輝 准教授 スポーツ振興政策を検討していく上で必要となる基本的な視点について考察す る。特に法制の国際比較という視点から検討を加える。 3 国際言語文化研究科 修士課程 【国際言語文化専攻】 専攻 分野 授業科目 英米言語文化特論 ⅠA・ⅠB (応用言語学・語用論) 英米言語文化特論 ⅡA・ⅡB (応用言語学) 英米言語文化特論 ⅢA・ⅢB (英語語法・辞書学) 英 米 言 語 文 化 英米言語文化特論 ⅣA・ⅣB (英語学) 英米言語文化特論 ⅤA・ⅤB (アメリカ研究) 英米言語文化特論 ⅥA・ⅥB (英語教育学) 英米言語文化特論 ⅦA・ⅦB (言語学) 英米言語文化特論 ⅧA・ⅧB (ヨーロッパ思想) 担当教員 西川 眞由美 教授 内 容 語用論に関するさまざまな理論を使用し、状況に応じたコミュニケーション(主 に言語伝達)を多様な側面から分析し研究する。ⅠAは語用論に関する主な論文 を読み進め、理論自体の理解を深める。ⅠBでは、具体的な言語使用例を使って、 なぜ話し手はその状況でその発話を使うのか?聞き手はどのようにしてその発 話を解釈するのか?さらに、その発話によって何が伝えられるのかを考察しなが ら、効果的なコミュニケーションのあり方を追究する。 Sean McGovern 教授 実践英語能力の大幅な強化をめざし、言語の意味創出に関する研究を行う。すな わち、言語がコミュニケーション媒介の様々な組み合わせによって意味をつくり だす事実に着目し、その多様性を考察する。それは言語だけに限定されず、画像 をも含め、それぞれの機能を駆使して、表現の可能性を広げていく。ⅡAではテ クストの基本構造を学び、ⅡBは意味創出の原理を学ぶ。各自の論文課題に応用 できる英語力を付けるのに絶好の機会になるだろう。 住吉 誠 准教授 現代英語の変化する姿を、実際のデータにもとづいて調査し、そのような変化が なぜ起こっているのかについて考察する。現在の英語の姿をいかに辞書の記述に 反映するかなども含めて、なにをどのようにどこまで辞書の記述として掲載する べきかなどについて、辞書学の知見を踏まえながら検討・議論する。 健二 教授 日本の英字新聞として The Japan Times を使い、社説に表れる言語表現スタイ ル・使用語彙傾向を学ぶ。そして大きな事件が起こった場合の一般報道記事と社 説にどんな文体の差があるのか、また記事内容が社会に与える影響を考察してい く。さらに日本とアメリカのジャーナリズム英語を言語表現スタイルと報道姿勢 の点から比較検討するため、The New York Times の記事も研究の対象とする。 准教授 ⅤAではアメリカ研究(American Studies)の主要な理論と実践について学ぶ。マ ルクス主義、精神分析、構造主義、ポスト構造主義など、いわゆるカルチュラル・ スタディーズにおいて主要な位置を占めてきた諸理論を学び、それらが実際の研 究にどのように生かされているのかを、実例を通じて検証する。実例は 20 世紀 のアメリカ文化史、とりわけ大衆文化(Popular Culture)を対象としたものを中 心に選ぶ。ⅤBでは特に研究の実例を中心に読むほか、実例の中で分析対象とさ れている一次資料の精読も行う。 美智子 教授 英語教育に関する諸問題を受講者が興味のある分野・テーマに絞って論文を読ん でいく。論文を読みながら、全体像の把握に努める。ディスカッションをしなが ら、問題点の解決策を講ずる。ⅣBでは、広範囲に渡るトピックに関する論文を 講読していく。英語教育全般に渡る諸問題にふれる。 一章 准教授 現代英語の語彙や統語にかかわる諸問題を、コーパス言語学の観点から検証す る。 ⅦBでは、ⅦAで学んだコーパス言語学の理論をベースに、実際に電子コーパス を用いて研究を行う。最終的に、学会発表ができるレベルを目指す。 准教授 ヨーロッパは近代化をいち早く成し遂げることで、世界史をリードする存在とな った。しかし、近代化の運動そのものは、ヨーロッパという一地域に限定される ものではなく、近代的な人間観、資本主義と産業社会の発達、科学・技術の進歩 は、やがて地球的規模に拡大し、現代においてはかつて植民地として欧米に支配 されていた地域の隆盛をみるに至っている。 本講義では近代を特徴付けている「近代性」とは何であったのかという問題提起 から始めて、「もはや近代ではない」と言われる現代のポストモダン的な動向の 本質に関する考察まで議論を展開したい。 田中 鳥居 家口 後藤 有馬 祐介 善一 4 国際言語文化研究科 修士課程 【国際言語文化専攻】 専攻 分野 授業科目 英米地域文化特論 ⅠA・ⅠB (ラテンアメリカ文化) 英米地域文化特論 ⅡA・ⅡB (比較文化) 英 米 言 語 文 化 英米地域文化特論 ⅢA・ⅢB (欧米政治思想) 英米地域文化特論 ⅣA・ⅣB (多文化社会論) 篠原 林田 太田 北條 愛人 敏子 義器 内 容 教授 多くの日本人にとってラテンアメリカは遠い存在であろうが、アメリカ合衆国に とってはきわめて近い地域であり、経済的・政治的にも大きな意味を持ってきた し、今なお、また今後も重大な役割を果たすはずである。それにもかかわらず、 言語の違いだけでなく、文化の差異も大きいため、なかなか理解しがたい存在の ようである。この授業ではヨーロッパとアメリカ合衆国・ラテンアメリカの関係 がどのように築かれ、互いをどのように理解してきたのかを考察する。 准教授 歴史学の視点から西洋世界を中心とするジェンダー問題の諸相に迫る。第一次世 界大戦期を生きた女性たちの多様な経験を追いながら、「戦う男」と「戦わない (戦えない)女」という図式ではとらえきれない戦時のジェンダー問題について 考察する。募兵活動をはじめとする戦争プロパガンダに「動員」された女性の姿 を分析することで、「犠牲者」「戦いを鼓舞する者」「平和の使者」といったさ まざまな女性像および、前線と銃後の境を越えて「戦った」女性たちに焦点をあ て、女性部隊が巻き起こした論争やスキャンダルを通して、ジェンダーとミリタ リズムの関係について考察する。 教授 英米地域文化は世界の人々をひきつけている。たとえばデモクラシーが世界中で 一様に望ましいものとして受け入れられているのは、その顕著な現われの一つと 言える。本科目では、欧米政治思想についての理解を深めることを通じて、その ような英米地域文化の特性を、内在的かつ批判的に把握することを目指す。 ゆかり 教授 民族・人種問題の複合化は不断に進行しており、それに由来する問題が世界の各 地で顕在化している。人びとの現実の生活がますます多文化併存の傾向を強めて いるのだとも言える。「多人種・多民族」「複数言語」という条件が社会と向き 合うための基本的な「文法」にならざるをえないグローバリゼーション下の状況 では、「多文化主義」は差異の権利の実現というよりは、新たな国民統合の形態 として受け入れられつつある(もちろん歴史的背景による地域差はあるが)。多文 化主義とはひとつの理念であると同時に歴史的現実であり、問題の解決ではな く、新たな問題の始まりなのである。ⅣAでは、多文化化するさまざまな社会に おいて見られる「国民国家」として知られる従来型の統合様式とは異なる新たな 動きを、「歴史・現状」「理念」「政策」「運動」の 4 つのレベルで個別・具体 的に捉え、その変容と展開の意眛と問題性を考察する。ⅣBでは多文化状況を引 き起こしてきた「人の移動」に着目し、個別の事例をジェンダーと人権の観点か ら分析する。 太田 義器 教授 篠原 愛人 教授 北條 ゆかり 教授 家口 美智子 教授 Sean McGovern 教授 西川 眞由美 教授 住吉 誠 准教授 林田 敏子 准教授 入学当初に提出する各自の研究テーマと研究計画を踏まえ、 2 年間にわたって研 究の進展を助ける。定期的に研究成果を発表させ、修士論文の完成に向けて指導 にあたる。 東アジア言語文化特論 ⅠA・ⅠB 未定 2014 年度未定 東アジア言語文化特論 ⅡA・ⅡB (日中比較文学) 瀨戸 英米言語文化研究 総合演習 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ (研究・論文指導を含む) 東 ア ジ ア 言 語 文 化 担当教員 宏 教授 中国と日本の近代文学を比較研究する。比較の対象は近現代文学の成立期、発展 期、第二次世界大戦後の前衛芸術などさまざまである。日本と中国の各時期の特 徴的な傾向を比較し、その共通点と相違点を探る。 5 国際言語文化研究科 修士課程 【国際言語文化専攻】 専攻 分野 東 ア ジ ア 言 語 文 化 授業科目 担当教員 東アジア言語文化特論 ⅢA・ⅢB (比較言語学) 山口 真佐夫 教授 東アジア言語文化特論 ⅣA・ⅣB (日本文学) 小川 豊生 教授 東アジア言語文化特論 ⅤA・ⅤB (日本語学) 橋本 正俊 准教授 内 容 東アジアの南側に位置する東南アジアの島嶼部には、オーストロネシア語族、西 部マライポリネシア語派に属する言語が分布している。ⅢAでは先ず、比較言語 学の研究方法を紹介する。そして、19 世紀のフンボルトに始まるオーストロネシ ア語族の研究史を概観し、比較言語学上どのような系統関係を持っているかを説 明する。ⅢBでは、オーストロネシア語族、西部マライポリネシア語派の言語の 実例を紹介しながら、西部マライポリネシア語派の比較言語学に研究方法を紹介 する。また、これまでに日本語との系統関係が考えられてきた、オーストロネシ ア語族、アルタイ諸語等についても考察する。 日本の言語文化をかたちづくる本質的特性を把握するうえで、文学領域に対する 理解は不可欠であるといってよい。日本における伝統的なものの形成について典 型的な文学作品の読解を通じて認識を深め、その認識を自ら論理化・言語化する 力を養成することが、この講義の目的である。日本の文学作品が中心となるが、 東アジアの作品も視野に入れつつ、比較文化史的な視点からすすめていきたい。 また、神話・物語文学・和歌文学・説話文学といった諸ジャンルを機軸に、かつ 美術・宗教・芸能をも視野に入れた領域横断的な考察をめざしつつ、日本の古代・ 中世における文化伝統の固有性への認識を深め、普遍への可能性をあわせて考究 する。 日本語をめぐる諸問題を取り上げて論じる。日本語の文字資料を取り上げて、そ の表現・文体について論じる。また、研究文献も取り上げて、日本語研究の問題 点について考察する。 第2言語としての日本語の習得研究の観点から、日本語教育に関わる種々の問題 を見ていく。具体的には、第2言語習得(SLA)の理論、外国人学習者の日本語の 習得過程、日本語の習得研究、第2言語習得研究と日本語指導等について取り上 げる。 東アジア言語文化特論 ⅥA・ⅥB (日本語教育) 門脇 東アジア地域文化特論 ⅠA・ⅠB 未定 東アジア地域文化特論 ⅡA・ⅡB (文化人類学) 上田 達 准教授 東アジア地域文化特論 ⅢA・ⅢB (美術史) 岩間 香 教授 東アジア地域文化特論 ⅣA・ⅣB 未定 2014 年度未定 原 東アジア地域の中から日本を取り上げ、日本における「古墳文化」と「古代の開 発」について検討を加える。ⅤAでは、日本全国に分布する古墳の立地形態を明 らかにし、各地域における古墳文化の成立過程、農業開発との関連性、大和政権 の影響など、古墳文化の特色を様々な観点から解明する。さらに、各分野におけ る研究の現状や問題点の整理、今後の研究課題など古墳文化の全容を究明してい く。特に、「古墳の立地」については、地形分類からどのような分析が可能か、 具体的事例を踏まえながら、立地特性を明らかにしたい。ⅤBでは日本における 古代の開発をテーマに、古代の大運河「古市大溝(大阪府羽曳野市所在)」を取 り上げる。現在も論点となっている開削年代と開削目的について詳細に検討す る。さらに、『日本書紀』に記された「感玖の大溝」との関連性についても、研 究史を踏まえながら問題点を整理し、諸説の論点を明らかにしたい。また、方法 論としての、地形分類、花粉分析、小字名の検討法、農業水利の復原法などにつ いても紹介する。 東アジア地域文化特論 ⅤA・ⅤB (日本地誌) 東アジア言語文化研究 総合演習 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ (研究・論文指導を含む) 岩間 瀨戸 山口 小川 門脇 薫 准教授 2014 年度未定 秀禎 教授 香 教授 宏 教授 真佐夫 教授 豊生 教授 薫 准教授 文化人類学における理解がどのようなものであるかを示すことを、講義の主たる 目的とする。まず、初期の文化人類学から今日にいたる学問の歴史を俯瞰しつつ、 そのなかで採用されてきた理解の枠組みを素描する。そのうえで、受講者の関心 も聞きながら具体的なトピックを選んで、その民族誌的な成果や意義を示す。 奈良時代から江戸時代にいたる日本美術を鑑賞し、文献を講読する。毎時間、代 表的な美術作品を1点取り上げ、どういう社会状況のもとに生み出されたのか、 何に用いられたのか、 主題はなにか、 技法の特徴などについて解説する。取り上 げる分野は彫刻、絵画、工芸、建築などで、歴史的背景や作者の略歴についても 紹介する。また 授業期間中に適宜、寺院、神社、美術館を実地見学し、美術作品 や作品の生まれた空間を体感する。美術を通じて、日本人の考え方や感性に対す る理解を深める。 入学当初に提出する各自の研究テーマと研究計画を踏まえ、2 年間にわたって研 究の進展を助ける。定期的に研究成果を発表させ、修士論文の完成に向けて指導 にあたる。 6 国際言語文化研究科 修士課程 【国際言語文化専攻】 専攻 分野 授業科目 上級英語Ⅰ・Ⅱ 上級中国語Ⅰ・Ⅱ 国際政治特論Ⅰ・Ⅱ 共 通 授 業 科 目 国際経済特論Ⅰ・Ⅱ 異文化理解Ⅰ・Ⅱ 担当教員 内 容 Sean McGovern 教授 会話、討論における言語能力とともに、文章作成能力の向上をはかる。授業では エッセイを読みこなす力を養う。語彙力の増進と、基本的な文章の作成とともに、 各自の関心のある課題にそって、レポートを作成し、発表を行う技術の習得に力 点をおく。 瀨戸 宏 教授 自然な中国語対話の運用力とより深い中国語理解力の向上を目指す。講義の素材 は新聞雑誌やウェブサイトなどから選び、文法、語彙、発音を詳細に吟味する。 文法に関しては基本中国語文法の枠を超え微細な意味の違いに文法がどのよう に反映しているか、また新生語、流行語の実例を考察する。 義器 教授 国際政治を理解するための枠組みとして国際政治学の諸理論を理解することを 目指す。とりわけ、post-positivism と呼ばれる最新の研究動向を紹介する。 グローバリゼーションの進展する今日、国際政治の場面に現れる問題は多様化し つつあり、旧来の理論枠組みは早晩、過去の遺物になるだろう。国際政治学は、 英米を研究の中心地としてきたのであり、その意味で国際政治の実際同様に、む しろそれ以上に国際政治学においては文化的な偏重が激しかった。 post-positivism の研究は、このような偏重のあり方を明らかにするとともに、 それに代わるより公正な国際政治の理解の仕方を模索するものと言える。したが って、このような国際政治学の新しい動向を知ることは、より公正な世界のあり 方を実現していく上でも、有益である。実践に志向した理論研究のあり方につい ても、学んで欲しい。 准教授 グローバル化の進む中、国際経済の動きを見ることなく、日本経済を語ることは 不可能である。 例えば、現在の日本の問題「不況」「貿易収支の赤字」「財政赤字」が、どのよ うな問題で、どのように海外の経済と関連しているかを考察するためには、金融、 貿易の基本的理論の理解が不可避となる。経済理論の理解とそれを通じて現実の 経済を分析することを目的とする。 太田 杉本 篠原 山口 岩間 小川 林田 篤信 愛人 教授 真佐夫 教授 香 教授 豊生 教授 敏子 准教授 人はそれぞれ固有の文化に育まれて自己形成する。そのため見知らぬ文化に接触 すると、驚愕、感嘆、憤怒、等々、さまざまな心理的反応を示すことになる。異 文化に対する理解と認識のありようを、異なる学問領域の視点に立って検討す る。 (a)「異文化接触」〔篠原 愛人〕 アステカ王国征服の過程でスペイン人修道士たちはインディオの言語を習得し、 宗教・文化を研究して土着宗教の徹底的根絶をめざした。そうした彼らが残した 作品を通して 16 世紀における他者認識や異文化理解のあり方を探求する。 (b)「言語と社会」〔山口 真佐夫〕 先ず、アジアに分布する言語の系統や文法的特徴について概観し、それらの言語 をおもに比較言語学を通して説明する。また、社会言語学、言語人類学の視点か ら言語と社会あるいは言語と文化の関係を、異文化接触を含めて考察する。 (c)「異文化受容」〔岩間 香〕 日本は古代から近世にかけて中国文化の影響を、近世初期と後期にヨーロッパ文 化の影響を受けた。しかし受容の実態は単純ではなく、日本の社会や文化に合う ものを取捨選択している。異文化の受容とは何か、美術を例に考察する。 (d)「西洋人から見た日本文化」〔小川 豊生〕 西洋の人々が日本についていかなるイメージを抱き、日本文化をどのように把え てきたか、その系譜をたどりつつ、日本あるいは日本文化を、外部の眼差しをと おした「異文化」として研究する。 (e)「植民地支配と異文化接触」 〔林田 敏子〕 イギリスを中心に植民地支配における異文化接触のあり方について考える。人種 的・宗教的・民族的「他者」との遭遇がもたらす葛藤をとおして、歴史学的視点 から異文化を理解する糸口をさぐる。 7 経済経営学研究科 修士課程 【経済学専攻】 専攻 分野 授業科目 国際経済特論 久保 廣正 教授 国際経済特論演習Ⅰ 久保 廣正 教授 国際経済特論演習Ⅱ 久保 廣正 教授 国際経済特論演習Ⅲ 国 際 経 済 担当教員 国際経済特論演習Ⅳ 国際協力特論 内 容 本講義では、まずリカードの比較生産費説からヘクシャー=オリーン=サミュエ ルソン・モデルにいたる国際貿易の基本理論を考察し、その後、現実の経済に対 するインプリケーションを論じる。また、講義の後半では、現実の貿易がいかな る原理及び手続きによって行われているのかについても考察する。講義を通じて 論じられる主たる概念・用語は、比較優位、貿易利益、交易条件、要素賦存、さ らには信用状、船積書類、為替オペレーションである。 世界経済におけるグローバル化は急速に進みつつあるが、とりわけ国際金融の分 野では、その進展は目覚ましいものがある。この結果、米国、欧州、さらにはア ジアで発生した変化が、直ちに円レートに波及し、我々の生活にも波及するとい った現象が生じている。本演習の目的は、グローバル経済の現実を国際金融とい う面に注目し、理論、制度、歴史さらには政策という多面的なアプローチで考察 することにある。とりわけ注目したい点は、マンデル・フレミング・モデル、IMF とブレトン・ウッズ体制、為替レート決定モデルなどである。 現代の世界経済では、EU(欧州連合)統合、北米自由協定、ASEAN、MERCOSUR(南 米南部共同市場)など地域経済統合が活発化しつつある。なかには EU のように、 通貨統合にまで深化した統合もある。一体、このような地域経済統合は何故に広 まっているのであろうか。また、地域経済統合は、世界の貿易体制、貿易構造に どのような影響を及ぼすのであろうか。本演習の目的は、こうした地域経済統合 の特質を比較・考察することを通じ、その背景にある要因を分析するとともに、 その影響を論じることにある。 久保 廣正 教授 国際経済のグローバル化が進展するとともに、各国間の経済的な相互依存関係が ますます強まっている。一方で、各国は各々の政策を実施しており、その結果、 各国間または地域間において相互に様々な影響を与えつつある。こうした国際経 済における様々な問題を貿易に対する政策という観点から分析することが、本演 習の目的である。具体的には、輸出促進策、輸入抑制策、投資促進策などである。 また、同時に世界貿易を規定する WTO(世界貿易機関)の役割にも触れつつ、今 後のわが国の貿易政策を展望する。 久保 廣正 教授 近年、各国間で資本取引が活発化するようになってきたが、なかでも注目される のは、企業が他国において事業を行うための直接投資である。この直接投資は、 投資を実施する企業が位置する国のみならず、投資を受け入れる国に対しても 様々な効果を与える。また、投資を行う企業にとっても、多国籍化を進めるとい う点で重要な影響が及ぶ。本演習の目的は、こうした直接投資を促す要因を分析 するとともに、その効果を論じ、かつ、企業の多国籍化についても考察すること にある。 内田 勝巳 教授 開発途上国の様々な問題の把握・政策の立案・実行・評価にかかわるマネジメン ト能力を持った実践的な開発エコノミスト(DevelopmentEconomist)の育成を目 指す。世界銀行を中心とした国際開発協力の歴史、様々な開発経済学理論、異な る開発協力主体(国際機関、先進国、NGO や社会的企業等の民間組織)による開 発協力の特徴、開発手法、地域・セクターの現状、地球環境問題、BOP 等、様々 な切り口から国際協力の実態について講義する。 国際協力特論演習Ⅰ 内田 勝巳 教授 浅野 英一 教授 国際協力特論演習Ⅱ 内田 勝巳 教授 浅野 英一 教授 国際協力特論演習Ⅲ 内田 勝巳 教授 浅野 英一 教授 開発協力の現場での研修・学習(フィールドワーク/インターンシップ)を念頭 に研究テーマを指導する。フィールドワーク/インターンシップの実施には、受 け入れ先の協力、受け入れ先ごとに異なる研修時期、研修期間の長短、公募への 申請や語学能力の証明が必要とされる場合等、様々な制約条件が存在する。これ らの制約条件を踏まえた上で、学生が実施計画書(目的、実施機関・地域、期間、 内容)を策定するための指導を行う。 実施計画書に沿って、フィールドワーク/インターンシップを実践する(あるい はフィールドワーク/インターンシップ実践のための準備を行う)。これらのフ ィールドワーク/インターンシップを通じて、開発途上国の様々な問題の把握・ 開発政策の立案・実行・評価等、開発エコノミストに必要とされる様々な実践的 マネジメント能力を実際に身につけ、同時に修士論文に結びつく研究テーマを発 見できるように、監督及び助言を行う。 実践した(あるいはこれから実践する)フィールドワーク/インターンシップに 基づいて、修士論文作成の準備に着手する。先行研究をレビューし、各自の研究 テーマについて、問題意識、仮説、検証方法等、論文の構成を明確にする。フィ ールドワーク/インターンシップによる実践研究に理論的枠組みを与えるため の、関連する分野・地域の統計資料や、先行文献・基礎文献・参考文献等につき 学生の適切な選択とレビューを指導する。 8 経済経営学研究科 修士課程 【経済学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 国際協力特論演習Ⅳ 内田 勝巳 教授 浅野 英一 教授 国際資源・環境経済特論 野口 義直 准教授 国際企業経営特論 岸田 未来 准教授 国際マクロ経済学特論 杉本 篤信 准教授 国 際 経 済 地域経済特論 地域経済特論演習Ⅰ 地 域 経 済 地域経済特論演習Ⅱ 地域経済特論演習Ⅲ 地域経済特論演習Ⅳ 後藤 後藤 後藤 後藤 後藤 和子 和子 和子 和子 和子 内 容 論文作成の一環として、ゼミで論文の進捗状況を発表し、グループ・ディスカッ ションを通じた論理的な討論の方法、及び、効果的なプレゼンテーションの方法 を習得させる。論理的な討論、効果的なプレゼンテーション、論文執筆の各能力 を高めることを念頭に指導する。各自の研究テーマを自らの視点で掘り下げ、修 士学位請求論文として完成することを目指す。院生が期間内に修士論文を提出 し、最終試験に合格できるよう指導・助言を行う。 21 世紀に入り、地球温暖化問題をはじめとする環境問題の深刻化によって化石エ ネルギーから自然エネルギーへのシフトが始まっている。このエネルギーシフト に伴い、風力発電、太陽光発電、バイオ燃料などの自然エネルギー産業の成長や、 自動車産業における電気自動車への転換、これらの基幹技術となる蓄電池産業の 成長など、技術革新に伴う産業構造の再編が開始されている。本特論では、環境 問題と資源エネルギー問題に対応する企業の技術革新と産業構造の再編につい て、国際的な動向を踏まえて講義する。 本講義は、経済のグローバル化の中でますます存在感を高めつつある多国籍企業 について、その国際経営のあり方を理解するために、基本的な知識を学習し、現 実の多国籍企業の動向を具体的に分析する能力を身につけることを課題とする。 検討対象は、多国籍に展開する日本企業のグローバル戦略と管理方法が中心とな るが、必要に応じて主要国の多国籍企業との比較を交えながら、日本の多国籍企 業の特色および直面する課題をより明確にしていく。 日本経済、政策を考察するためには、海外との様々な取引も考慮しなければなら ない。そのためには、貿易、国際金融などの仕組み、制度、またその理論を理解 することが必要となる。本特論では、特にマクロ経済学の観点から、基本的な国 際収支や外国為替の基礎的な理論と制度を講義し、国内経済、世界経済の動向を 分析できるようにする。 教授 グローバル化と情報化が進展する中で、国民国家経済の枠組みでは捉えきれな い、都市・地域レベルの経済の重要性が増している。本講義では、地域経済シス テムに関する基礎的理論を学ぶとともに、世界の様々な都市や地域の現状を踏ま え、地域経済の自立的で創造的な発展について究明していく。更に、具体的な事 例として、都市と農村(島嶼部を含む)を取り上げ、様々な地域振興の成果と地 域経済へのインパクトについて検証を試みる。 教授 修士論文の作成には、研究テーマの設定や先行研究のサーベイ、地域経済の調査 等が必要である。演習Ⅰでは、地域経済学研究の現状を概観し、各自の問題意識 を掘り下げるとともに、研究テーマの設定について考え始めるよう指導する。ま た、先行研究のサーベイとは何か、何のために、どのようにサーベイを行うのか、 地域調査や地域経済調査の方法など、修士論文作成に必要な基本的スキルとは何 かを学ぶ。ソーシャル・リサーチ・メソッド等の文献も購読する。 教授 演習Ⅱでは、演習Ⅰを踏まえ、地域経済の基本文献を購読するとともに、参考文 献の探し方や文献の読み方等を修得することを目指す。文献の内容を的確に把握 し、先行研究を批判的に読むために、文献レビューや書評を書く演習を行う。 また、各自の修士論文の(仮)テーマ設定を行い、それに必要な先行研究をリス トアップした文献リストの作成や、研究計画の作成を行う。理論と現状の両面か ら論文が書けるように、調査地等の候補についても考えさせる。 教授 演習Ⅲでは、各自の修士論文テーマに沿った文献レビューや書評を続けながら、 実際の地域調査を一緒に行うことで、調査の方法を修得する。その際、演習Ⅰで 学んだソーシャル・リサーチ・メソッドがどのように生かされるのかに留意する。 更に、各自の研究テーマに相応しい地域経済の候補地を選定し、予備調査を実施 する。調査結果を報告書等にまとめて発表を行い、調査の成果や不十分な点につ いて、各自の研究テーマに即して検討する。 教授 演習Ⅰ~Ⅳを踏まえて、修士論文の完成に向けて研究指導を行う。 研究テーマの設定と、それに関する各自の仮説は、地域経済の現状や、当該分野 の研究の現状に照らしてどのような意義があるのか再考するとともに、先行研究 のサーベイが十分に行われているか、各自の仮説と調査結果を照らし合わせ、新 しい発見や当該分野への貢献があるかどうか検証する。この過程で、何度か研究 発表を行い、議論を重ねながら、論文の完成に向けて指導する。 9 経済経営学研究科 修士課程 【経済学専攻】 専攻 分野 授業科目 中小企業論特論 中小企業論特論演習Ⅰ 中小企業論特論演習Ⅱ 地 域 経 済 中小企業論特論演習Ⅲ 担当教員 田中 幹大 准教授 中小企業論の導入的な講義を行う。第一に日本経済における中小企業の位置と役 割、国際比較した場合の日本の中小企業の特徴などを基礎的なデータを使用して 解説を行う。第二に、技術継承と後継者問題、地域経済間格差の拡大、国際化な ど、現在、中小企業が直面している課題や問題を取り上げて検討する。第三に、 中小企業研究に必須な「調査」について、製造業・工場調査の場合を中心に講義 していく。仮説・質問項目の設定、調査票・調査記録の作成、調査依頼の方法と いった基本的なことから、実際の中小企業工場調査で注意すべきことをとりあげ る。また、中小企業調査論を検討する。 田中 幹大 准教授 日本における中小企業の歴史的な展開を、中小企業論の主要論点である下請制・ サプライヤ関係論を中心に置きつつ検討していく。まずは、在来産業論、藤田敬 三=小宮山琢二論争、戦時期下請=協力工業政策の展開、高度成長期の二重構造 論、1980 年代以降の日本的生産システム論・サプライヤシステム論など、戦前 から現在までの論争史・研究史を整理・検討する。そのうえで中小企業史・下請 制史の最近の研究、特に高度成長期の自動車産業を中心とした下請制論に関する 新たな実証研究を検討し、今後必要とされる研究課題を展望する。 田中 幹大 准教授 産業集積・クラスター論について講義する。第一に、産業集積・クラスター研究 が本格化する 1980 年代後半以降から現在までの日本の産業集積に関する研究史 を、ピオリ=セーブルの「柔軟な専門化」論、ポーターのクラスター論などの基 礎的な議論、また、国の産業集積・クラスター政策の展開内容も含めて検討する。 第二に、各産業集積類型(都市型、企業城下町型、産地型、地方都市型)の近年 の研究成果内容を検討する。第三に、そのうえで、現在の縮小している産業集積 の分析する視点を、産業集積「絶対視」「相対視」論の有効性と限界性を検討す るなかで検討していく。 田中 幹大 准教授 中小企業政策について講義する。第二次大戦後から現在に至るまでの中小企業政 策の変遷をたどり、政策の時代的背景、内容を整理し、中小企業政策が中小企業 経営に対してどのようなインパクトを与えたのかを考察する。特に、旧中小企業 基本法と新基本法における中小企業観の転換とそれに基づいた施策の相違を検 討する。また、中小企業政策と関連して、近年重要性を増している地方自治体レ ベルにおける地域産業政策、中小企業振興基本条例についても、その特徴、効果 などを検討していく。 中小企業論特論演習Ⅳ 田中 幹大 准教授 地域情報システム特論 久保 貞也 准教授 地域情報システム特論 久保 貞也 准教授 演習Ⅰ 地域情報システム特論 久保 貞也 准教授 演習Ⅱ 内 容 近年のグローバル化、特に新興国市場・中国の拡大にともなう日本的生産システ ム・サプライヤシステムの海外移転、及びそれに関わる中小製造業の国際化につ いて、現地調査を踏まえつつ検討する。また、オープンイノベーションの活用が 企業の国際競争力を規定するようになる 2000 年代以降の経営環境の変化とその 中での中小企業の展望について、製品アーキテクチャー論やイノベーション論な どの検討を含めつつ、製造業を中心に行う。 本特論では、地域社会における情報活用を一つの情報システムと捉えて、その現 状の理解と進むべき姿の検討を行なう。具体的には、自治体の経営活動における 情報化と市民活動の活性化に関わる情報化についての事例紹介とそれらに関す る議論を行うとともに、情報化の発展段階と地域情報化活動の関係性について考 察しながら講義を行う。さらに、受講生が興味を持った事例について、先行研究 との比較、分析を行い、情報化レベルの測定やこれからの課題についても理解さ せる。 演習 I では、各大学院生が入学前に作成した研究計画に基づき、2年間の研究活 動を具体的に検討する。特に、各大学院生が研究課題を選択した背景について、 その解決による社会貢献の方向性や関連する研究分野の位置づけなどについて 議論する機会を多く持ち、研究の進め方についての土台を固める。また、関連す る先行研究の収集と分析を行うとともに、事例収集のためのアンケートやインタ ビュー調査、および、文献収集の実施方法について検討を行い、調査手法の決定 を目指す。 演習Ⅱは、演習Ⅰで行った先行研究の収集と分析をさらに進めることで各大学院 生の研究のフレームワークを明確にしていくことを主な目的としている。先行研 究に関して、理論的な背景、研究手法、研究対象などを軸に分類を行い、研究テ ーマの位置づけを明らかにするとともに、研究テーマに適した調査方法の候補を 複数選び出す。そして、それらの調査方法を実施するために、アンケート調査の 手法や設問項目、インタビュー調査の対象や設問項目、もしくは、資料収集の具 体的な方法を決定し、調査活動の準備を行う。 10 経済経営学研究科 修士課程 【経済学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 地域情報システム特論 久保 貞也 准教授 演習Ⅲ 地 域 経 済 地域情報システム特論 久保 貞也 准教授 演習Ⅳ 地域保健医療特論 田井 義人 准教授 観光産業特論 浅羽 良昌 教授 観光産業特論演習Ⅰ 観 光 経 済 観光産業特論演習Ⅱ 観光産業特論演習Ⅲ 観光産業特論演習Ⅳ 内 容 演習Ⅲは、研究テーマの根幹となる事例収集を中心に行う。演習Ⅱで検討した調 査方法を実施し、実際のデータからの分析結果を報告し、それに基づき議論を行 う。具体的には、調査結果と先行研究の異同を明らかにしつつ、現状の課題解決 に向けた改善提案、提言を狙う。また、演習Ⅰ、Ⅱで行った理論面での知見との 比較、検討を行い、当該研究での発見の有無を明らかにする。さらに、最終的な 研究成果としてまとめるためのフォローアップ調査を必要に応じて実施する。 演習Ⅳでは、演習 I、Ⅱ、Ⅲでの成果に基づき、事例分析と理論研究の統合を図 り、社会的に有用性が高い研究活動の完遂を目指す。特に、これまでの研究成果 を学術的にも貢献する知見としてまとめることを念頭に置き、事例の客観的な分 析と、各大学院生が創り上げた知見の理論的な価値を見出すための議論を行う。 さらに、学会発表などを通じて、論理展開の洗練化を図り、修士論文の作成に活 かす。また、論文執筆やプレゼンテーション技法について実践的な指導を行う。 本特論では、経済発展を支える社会保障について、すべての国民にサービスを提 供する保健・福祉(介護)・医療分野を取り上げ、地域経済活性化のひとつの方 法論として、これらのサービス連携の必要性を考察し、具体的な取り組みの方向 性を議論する。保健、福祉(介護)、医療に関する専門書を紹介し、専門書の精 読によって興味ある内容について、書評を提出する。書評を基に具体的な取り組 みとして、必要な制度設計はどうあるべきか等を議論し明らかにしていくことを 目的とする。 観光産業は第3次産業であるサービス業に属するが、観光産業自体は、独立した 特定の産業とはみなされていない。旅行や観光サービスを提供するさまざまな産 業から構成されている、いわば異質の産業から成り立っている産業の複合体が観 光産業といえよう。本講義は、サービス経済化の進展の経緯や背景を踏まえなが ら、観光産業を支えるのはどのような産業か、その実態や内容を明らかにしてい く。アメリカ商務省発行の Travel and Tourism Satellite Accounts を利用しな がら説明したい。 浅羽 良昌 教授 観光産業に関するデータの豊富なアメリカを対象に議論・指導したい。観光産業 のアメリカ経済にしめる位置、すなわち観光産業の経済規模は果たしてどの程度 にまで達しているのであろうか。GDP にしめる観光産業の付加価値のウエイトか ら判断したい。国内雇用者数にしめるウエイト,労働生産性、成長のスピード, さらには他の産業との付加価値や雇用者数の比較などとあわせ検討・指導するの が、本演習の目的である。アメリカ商務省発行の Survey of Current Business のデータを利用する。 浅羽 良昌 教授 観光産業の経済規模の国際比較を、アメリカを中心に主要7ヵ国について検討・ 指導するのが本演習の内容である。観光大国と呼ばれているフランス,スペイン, アメリカでは、観光産業の経済規模は全般に大きいのに対し、日本,ドイツ,韓 国,中国などでは全般に小さいことを明らかにしたい。観光産業の国際比較の可 能な資料を提示している世界観光協議会(WTTC)発行の Tourism Satellite Account Research を利用したい。 浅羽 良昌 教授 観光産業は国内観光のみならず国際観光にも支えられているのが現状である。本 演習では観光産業と国際観光の関係を、国際観光客数に焦点をあてて検討・指導 するのが目的である。国際観光客を多く迎えている国はフランス,アメリカ,ス ペインであるのに対し、多く送り出している国はドイツ,アメリカ,イギリスで ある。こうした各国のそれぞれの特徴を探りながら、それが各国の観光産業へと 及ぼしている事情や背景について明らかにしていきたい。世界観光機関(UNWTO) 発行の、Compendium of Tourism Statistics,Yearbook of Tourism Statistics を利用したい。 浅羽 良昌 教授 観光産業と国際観光とのかかわりを、観光収支(輸出・輸入・バランス)に焦点 をあてて検討・指導するのが、本演習の目的である。世界中の国際観光客から多 くの観光収入・輸出額を稼ぎだしている国がアメリカ,スペイン、フランスに対 し、国際観光で多くの観光支出・輸入額を使っているのが、ドイツ,アメリカ, イギリスである。アメリカをはじめとした国々では、この観光収入・輸出額がそ れぞれの国の観光産業の発展に貢献していることを明らかにしたい。演習Ⅲと同 じデータを利用する。 11 経済経営学研究科 修士課程 【経済学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 野村 佳子 准教授 持永 政人 教授 平均寿命の伸長と労働時間の短縮にともない、生涯生活時間における余暇時間は 30 万時間を超えるとも言われ、人生の大きな領域を占める余暇活動の在り方が近 年改めて問われている。本特論では日本人の余暇活動の特徴やその市場について 概括的に理解を深めた上で、個別レジャー関連産業の動向を取り上げ、その意義 や重要性、今後のあり方を考えていく。またレジャー関連企業の事例研究や討論 により、より具体的な検討を加えていくものとする。 八木 紀一郎 教授 経済思想は経済学・経営学の母体であると同時に、理論を政策・実践と結びつけ るリンクをなしている。それを正確に把握するためには、理論・歴史・政策の3 面にわたる視野が必要になる。この授業では、1.経済思想史の方法論、2.経 済思想の諸類型、3.経済思想の政策・実践への結びつき方、について例をあげ て解説し、経済思想史研究の手引とする。なお、参加者の関心によって、社会学・ 経営学・心理学・進化理論などとの経済思想の関連についても触れたい。 紀一郎 教授 経済・経営に対する近代的な思考が確立し、科学の体裁を整えたのは 19 世紀西 欧においてであった。まず経済学において A.スミス、D.リカードらの古典派経 済学が確立し、それと対抗するようにしてサン=シモン、コントらの組織=経営 の思想が現れている。この演習では、古典派経済学の批判と解体・継承のプロセ スに注意を払う。そのため、古典派の殿に位置する J.S.ミルの『経済学原理』、 政治経済学的な批判的継承を示す K.マルクスの『資本論』、新古典派としての 継承 A・マーシャル『経済学原理』を重視する。 紀一郎 教授 20 世紀以降の現代経済思想にはいくつかの源流があるが、ドイツ語圏に発する流 れを無視することはできない。19 世紀末から 20 世紀の初頭にかけてのドイツで の学術の発展は、日本だけでなく英米に対しても模範となり、さらにドイツ語圏 から英語圏への亡命者がその伝播に大きな役割を果たした。とくにとりあげたい のは、マックス・ウェーバーとヨーゼフ・シュンペーターであり、彼らの思想と 理論が現代の社会経済学や経営学と結びついていく過程を追求する。 特論 観 光 経 済 経済思想史特論 経済思想史特論演習Ⅰ 経済思想史特論演習Ⅱ 経 済 学 基 礎 理 論 八木 八木 経済思想史特論演習Ⅲ 八木 紀一郎 教授 経済思想史特論演習Ⅳ 八木 紀一郎 教授 社会経済学特論 社会経済学特論演習Ⅰ 容 経済全体におけるサービスの影響はますます大きくなっており、サービスについ て知識を深めることは業界を問わず有益である。本特論では、サービスの本質や 戦略、プロセスと評価等、サービスについて体系的に論じ、高品質なサービスを 提供するための仕組みを考えていく。また、サービスの概念と現場との関連を理 解させることを目的として、事例研究や討論なども行う。 サービス・マネジメント レジャー産業特論 内 日本およびアジアの近代化のなかで現れた経済思想について、古典的著作を読ん で、その意義について考える。最初に、18 世紀における世界有数の体系的思想家 であった三浦梅園において東洋独自の展開の可能性を探究する。その後、維新 期・明治期日本における福沢諭吉、田口卯吉を例にとって、日本での西洋経済思 想の受容について考察する。その際、中国で経済学に関心を寄せた学者(厳復、 梁啓超ら)との対比を試みることによって、比較思想史的な視野で東洋の近代化 の課題をとらえたい。 20 世紀の日本およびアジアにおける経済思想について、古典的著作を読んで、そ の意義について考える。とりあげたいのは、日本では大正・昭和前期にあらわれ た経済思想家で、柳田国男、河上肇、福田徳三、石橋湛山、講座派マルクス主義、 宇野弘蔵、有沢広巳、都留重人などである。その際、中国やインド他のアジア諸 国で対比可能な学者・知識人・政治家の経済思想もとりあげることによって、比 較経済思想史的な考察に進みたい。全体として、リオリエントといわれる世界史 像の転換と結びつけて21世紀の経済思想の展望を得たい。 平野 泰朗 教授 社会経済学は、経済を、社会的制度に埋め込まれたものとして捉えると同時に、 時間の中で進化してゆくものとして捉える。そうした観点を踏まえ、本講義では、 日本経済を中心に、歴史的に形成された諸制度を各位相に分け、それぞれの特性 を明らかにしながら、資本主義体制を体系的に学習する。 平野 泰朗 教授 本演習では、最終的には、各人が研究テーマを設定し、それに沿った修士論文を 完成できるための準備作業を行う。 そのため、まずは入門的学習として、日本経済の特質を国際比較の視点から学習 する。具体的には、資本主義の多様性を論じた代表的著作(山田鋭夫著『さまざ まな資本主義』)を読み、社会経済学による日本経済分析の代表的成果の実例を 学ぶ。そののちに、社会経済学的視点から現代日本経済の課題分析を行う 12 経済経営学研究科 修士課程 【経済学専攻】 専攻 分野 授業科目 社会経済学特論演習Ⅱ 社会経済学特論演習Ⅲ 平野 泰朗 教授 平野 泰朗 教授 演習ⅠⅡをもとに、各人が設定した研究テーマによる修士論文準備をする。大学 院生は、教員とともに自らの研究の遂行プランを練り、実行に努める。 これらの個別テーマに沿った学習に加え、分析の視野を広げるために、成長著 しいアジア資本主義の動向をも分析する。 平野 泰朗 教授 計量経済学特論 蛭川 雅之 教授 計量経済学特論演習Ⅱ 演習ⅠⅡⅢをもとに、各人が設定した研究テーマによる修士論文準備をする。大 学院生は、教員とともに自らの研究の遂行プランを練り、実行に努める。これら の個別テーマに沿った学習に加え、分析の視野を広げるために、成長著しいアジ ア資本主義の動向をも分析する。 計量経済学とは、実際の経済データを使用して経済モデルを推定し評価すること を研究対象とする経済学の一分野である。本講義では、計量経済学の手法を政策 上の諸問題および様々な意思決定等に応用する能力を養うことを目的とする。具 体的には、横断面データ・時系列データを用いた線形回帰モデルの推定・検定を 中心に解説するが、一部非線形モデルの解説を行う場合がある。さらに、適宜計 算機実習を実施し、標準的な統計ソフトウェアの操作にも慣れてもらう。 蛭川 雅之 教授 計量経済学を理解するには、数学・統計理論への精通が必要とされる。本演習で は、計量経済学の統計的基礎を習得することを目的とする。具体的には、回帰モ デルの推定・検定の基礎となる統計理論の習得を目標とし、個々の計量手法に関 する数学・統計学的背景に焦点を絞って講義を進める。適宜問題演習を行い、知 識の定着を図る。さらに、各自の興味に沿って研究テーマを明確化し、今後2年 間にわたる研究の指針を構築するよう適宜指導する。 蛭川 雅之 教授 本演習では、計量経済学特論および計量経済学特論演習Ⅰでの学修成果を踏ま え、計量手法および実証分析に関する論文の研究・討論を行う。具体的には、マ クロ経済学およびファイナンスの実証分析に広く利用される、時系列データを用 いた計量手法を考察の対象とする。これまでに習得した統計理論・ソフトウェア の操作等を活用し、各論文で提案されている計量分析の手法を修士論文作成に応 用する能力を向上させることを目標とする。 計量経済学特論演習Ⅲ 蛭川 雅之 教授 計量経済学特論演習Ⅳ 蛭川 雅之 教授 理論経済学特論 内 容 演習Ⅰでは、基幹産業(製造業、流通業、金融業等)を暗黙の前提にして社会経 済学的分析の学習を行ったが、本演習では、新産業、特に文化産業(コンテンツ 産業、スポーツ産業、食産業)を対象にした社会経済的分析を行う。これは、新 興国が工業発展をとげている一方で、日本を含むかつての先進工業国は新たな価 値創造を産業につなげるという課題に直面しているからである。 社会経済学特論演習Ⅳ 計量経済学特論演習Ⅰ 経 済 学 基 礎 理 論 担当教員 植杉 大 准教授 本演習では、計量経済学特論および計量経済学特論演習Ⅰ・Ⅱでの学修成果を踏 まえ、引き続き計量手法および実証分析に関する論文の研究・討論を行う。具体 的には、応用ミクロ経済学(例:労働経済学、産業組織論)の実証分析に広く利 用される、横断面データおよびパネルデータを用いた計量手法を考察の対象とす る。これまでに習得した統計理論・ソフトウェアの操作等を活用し、各論文で提 案されている計量分析の手法を修士論文作成に応用する能力を向上させること を引き続き目標とする。最終的には、論文のテーマ(研究で答えを出してみたい 疑問点)・計量手法・データ等を詳述した研究計画書を作成できるよう指導する。 本演習では、各自が設定した課題についての調査・研究を修士論文の形にまとめ、 2年間にわたる研究を総括することを目的とする。具体的には、計量経済学特論 演習Ⅲで作成した研究計画書に基づき、加筆修正を重ねたうえで、最終的に修士 論文を完成させることを目標とする。これまでの学修内容を応用して、データ収 集・経済モデルの推定・経済政策等の評価を含む一連の作業を実行するよう指導 する。さらに、適宜修士論文の中間発表を行い、そこで得られた意見を研究内容 の改善につなげる。 本特論では、比較的平易な標準的テキストである Gibbons(1992),”A Primer in Game Theory”を用いてゲーム理論の基礎理論を学習することを目的としている。 具体的には、非協力ゲームの枠組み内で、情報完備の静学ゲーム・動学ゲーム、 情報不完備の静学ゲーム・動学ゲームを順に学習していく。したがって、各ゲー ムに対応する均衡であるナッシュ均衡、サブゲーム完全均衡、ベイジアン=ナッ シュ均衡、完全ベイジアン均衡に対する理解を深めることとなる。 13 経済経営学研究科 修士課程 【経営学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 経営学特論 岩田 浩 教授 佐藤 正志 教授 経営学特論演習Ⅰ~Ⅳ 経済経営史特論 Ⅰ~Ⅳ 経営管理特論 槇谷 正人 教授 羽石 寛寿 教授 敏朗 教授 正人 教授 経営管理特論演習 Ⅰ~Ⅳ 人的資源管理特論 人的資源管理特論演習 未定 Ⅰ~Ⅳ 技術経営特論 黒澤 技術経営特論演習 未定 Ⅰ~Ⅳ 経営組織特論 情報化と国際化が著しく進展する中、企業はかつてない大競争の時代を迎えた。 さらに、地球環境問題や貧困問題の深刻化を背景に顕在化した新しい市民社会の 台頭により、それはますます厳しい社会的視線を向けられるようにもなった。こ のように、現代の企業経営は、経済的・技術的環境のみならず、社会的・政治的・ 生態的な環境変化の中に埋め込まれている。このような現実を踏まえ、この経営 学特論では、企業経営をさまざまな視角から多面的に捉えることで、学際的な特 徴を有する経営学の基本的な知識が修得できるよう講義していく。 企業経営に関わるさまざまな諸問題(CSR、環境経営、経営の国際化など)の中 から、ゼミナリアン各自が関心のある研究テーマを設定し、各自が作成した研究 計画に即して、修士論文を円滑に書き上げることができるよう指導していくこと を目標とする。 幕末・明治から現代に至る日本経済や地域産業の歴史的発展過程について講究 し、その特質を考察する。そうした経済発展のなかで、現代の日本企業の経営シ ステムがいかに形成されたか、経済の発展段階と企業経営の発展・展開がいかに 関連しているのかについて分析する。そのなかで経営者がいかなる経営理念を構 築し、それに基づきどのような経営行動を選択したのか、企業経営を牽引してき たトップ・マネジメントの理念と行動を考察する。 日本経済の発展段階と企業経営の発展や展開がいかに関連しているのか、具体的 な事例に即して研究・考察し、修士論文を円滑に書き上げることができるよう指 導していくことを目標とする。 経済経営史特論演習 企 業 経 営 内 容 槇谷 経営管理(management administration)とは「組織体の経営目的を効率的に達成 するために、組織メンバーの活動を決定し調整すること」と定義できる。組織体 の経営目的を達成する有効性(effectiveness)、目的達成の能率(efficiency)、 組織メンバーの活動の意思決定(decision making)の観点から説明する。 経営管理の理論として、古典的管理論、人間関係論、近代組織論、意思決定論の 人間観やその意義と課題を整理する。 また、経営実践のプロセスにおける組織戦略と組織デザインについて、モチベー ション、コミュニケーション、リーダーシップの理論を解説する。 経営管理論の発展を歴史的に俯瞰すると、次の四つの領域からなる。第一は、テ イラーの科学的管理法を中心とした、伝統的管理論の経済人モデルの人間観に基 づき、その意義と問題点。第二は、ホーソン実験における人間関係論の現代的意 義について、生産能率に影響を及ぼす心理的動機との関係。第三は、バーナード 組織論を現代マネジメントの観点からの理解。第四では、サイモンの意思決定論 を中心とした、制約された合理性について人間の意思決定の問題。 これら四つの領域に関する知識と分析能力を基礎とし、修士論文を完成させる。 人的資源管理特論では日本における人的資源管理の変遷と現状の問題について 概説し、さらに「仕事に対してのやる気」についてモチベーション研究を通して 学習する。授業では単なる理論レベルの議論にとどまることなく、実践的な研究 に応えられるよう、方法論の展開にもウエイトを置く。 人的資源管理特論の講義を通して、企業における人的資源管理(人事管理)の内 容が理解でき、さらに組織診断の手法が使えることを目標とする。 人的資源管理特論演習では日本における人的資源管理の変遷と現状の問題につ いて特論で理解した後、企業における人的資源管理の実態を理解するために実践 的研究を行う。さらに従業員が楽しく生きがいを持って仕事ができるための方策 について研究し、修士論文を円滑に書き上げることができるよう指導していくこ とを目標とする。 技術経営(MOT)、すなわち「技術が関わる企業経営の創造的、かつ戦略的な イノベーションのマネジメント」について、その必要性と概要を説明する。次に 各論として、(1)技術マネジメント戦略、(2)経営の意思決定、(3)技術マネジメ ントの人的・組織的要因、(4)製品/プロセス開発のマネジメント、について紹 介し、最後に応用例として、最近のいくつかの企業の事例を紹介しつつ、この分 野の可能性と課題について受講者とともに議論する。 「技術が関わる企業経営の創造的、かつ戦略的なイノベーションのマネジメン ト」について、主に技術マネジメント戦略と経営の意思決定の分野を中心に、最 新の理論と企業での事例に基づいた応用研究を行い、修士論文を円滑に書き上げ ることができるよう指導していくことを目標とする。 経営学の主要領域である経営組織について基本的な理解を深め、現実の組織問題 の本質を提示する。企業組織の基本形態を検討し、環境変化に適応する企業戦略 によって組織がどのように変容する必要があるのか説明する。 また、組織研究の方法として、組織の多様性、組織の合理性、伝統的組織論の理 論モデルについて理解を深める。さらに、飛躍的に発展してきた組織論の基礎的 な知識やロジックを学習しながら、企業が直面するイノベーションと組織変革に ついて、実践的な対処法をケーススタディで解説する。 14 経済経営学研究科 修士課程 【経営学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 経営組織特論演習 槇谷 正人 教授 Ⅰ~Ⅳ マーケティング特論 企 業 経 営 武居 奈緒子 教授 福田 市朗 教授 萩原 貞幸 兼任講師 高尾 裕二 教授 佐井 英子 教授 マーケティング特論 演習Ⅰ~Ⅳ 人間行動特論 ベンチャービジネス 特論 財務諸表特論 財務諸表特論演習 Ⅰ~Ⅳ 会 計 会計情報特論 会計情報特論演習 Ⅰ~Ⅳ 税務会計特論 紙 税務会計特論演習 未定 Ⅰ~Ⅳ 博文 教授 内 容 組織における諸問題について研究する。 第一は、組織デザインと意思決定である。制約された合理性、意思決定理論と組 織理論、目的と手段の体系、意図せざる結果、組織におけるあいまいさと決定、 組織選択のゴミ箱モデルを考察する。 第二は、組織デザインと組織能力である。組織化のロジック、オートポイエーシ ス的システム、バーナードの所論、ワイクやマーチの所論、相互行為としてのコ ミュニケーションを考察する。 これら二つの領域に関する知識と分析能力を基礎とし、修士論文を完成させる。 マーケティングは、20 世紀初頭のアメリカにおいて誕生し、1950 年代になって 日本に導入された比較的新しい学問である。しかしながら、企業行動を分析する のに不可欠なスキルとなってきている。このマーケティング特論では、マーケテ ィングについての文献を輪読する。そして、担当を決めて、毎回、マーケティン グのホットトピックについて報告するとともに、皆でディスカッションしてい く。そうすることで、マーケティングに関する分析枠組み、専門用語、基本的知 識の習得を目指す。 各自が設定したテーマについて、修士論文を完成させていく。先行研究を踏まえ て本研究の位置づけ、理論的・実証的研究、結論とインプリケーションという一 連の論文の流れに一貫性があるか確認し、修士論文の完成度を高めていく。そし て、先行研究に対する新しい知見を提示することを目指していく。 経済・経営行動をふくむ人々の様々な社会的行動を研究の対象とし、学習理論・ 動機理論・認知理論の3つの心理学的視点から総合的に論ずる。特に、駆け引き 行動や協力行動ならびに交渉や調停などの利害関係にある人々の戦略的な思考 の心理的プロセスを、ゲーム理論を参照しつつ、具体的な実験を通して検証する。 併せて、社会行動を解明するための心理学的実験法やゲーム行動の分析法につい て学習する。 起業を志すアントレプレナーシップや社会に対して何かを変えていこうとする イノベーション・マインドをはじめ、ベンチャー企業経営に必要とされるマーケ ティング、ファイナンス、ITストラテジーについても学習する。その上で、現 在 成長を遂げるベンチャー企業や日本でも増えつつあるフリーエージェン ト・スタイルで成功している方々の成功ポイントおよび今後の課題について調 査・分析を行う。 1990 代半ば以降、わが国の会計制度は大きく変化するとともに深化した。2010 年代に入り、会計基準の新設・改正は一段落したものの、国際財務報告基準(IFRS) の取り扱いがホットな話題となっている。本特論では、このような会計実務・会 計制度の大きな変化の流れを踏まえつつ、会計制度の土台であり会計の計算・開 示の基礎となる「基礎概念」を、経済学的な視点も含め、多様な角度から検討し、 「会計とは何か」を理解することにより、その本質を理解し、具体的な会計基準 がどのようなものになるにせよ、会計基準を縦横に応用できる能力の養成を目指 す。 会計学、とくに財務諸表論は、財務諸表を作成するための個々の会計基準から構 成される会計制度それ自体の理解と、会計制度が経済社会において果たす役割な いし経営者および企業を取り巻くステークホルダーの行動に与える影響の分析 の二つの領域からなる。 これらの領域に関する知識と分析能力を体得し、一般的な論文の構成・記述方法 を学び、修士論文の完成を目指す。 近年、経済活動のボーダレス化と資本市場のグローバル化の進展により、わが国 の会計情報開示制度は、短期間に多くの会計基準が改定、新設され大きく変化し ている。このような企業会計を取り巻く環境の急激な変化を踏まえ、ディスクロ ージャー制度の新しい流れを理解するために、会計ディスクロージャー制度の基 本的、体系的な知識を修得する。また、会計情報に関する意思決定の概念および プロセスを明確にし、会計情報分析の意味と定義について考察する。そして有用 な会計情報とはなにか、その質的特性について探求する。 企業会計を取り巻く環境の変化を踏まえ、わが国の会計情報開示制度や開示基準 の歴史的変遷および開示情報内容の理解を深め、これらの諸問題について考察 し、研究課題、目的を明らかにし、自ら設定した研究テーマに沿った文献・資料・ データの収集と分析を学び、修士論文の完成を目指す。 税務会計の基礎的な理論と実際を学ぶことにより税務会計の全体像を理解する ことにある。具体的には租税法律主義、確定決算主義、税務調整、益金・損金、 損金経理、個別課税所得計算とその実際、申告の実務等を講じる。 税務会計特論演習は税務会計を法的、会計的も含めた多様な視点から検討しその 本質を理解することにある。最終的にはあらゆる文献を凌駕しまた実証結果も加 えて自らの視点で修士論文を完成させる。 15 経済経営学研究科 修士課程 【経営学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 管理会計特論 朴 景淑 教授 Ⅰ~Ⅳ 原価計算特論 三木 僚祐 准教授 簿記特論 中塚 賢 兼任講師 岩坪 加紋 教授 堀井 千夏 教授 栢木 紀哉 准教授 樋口 友紀 准教授 会 企業金融特論 企業金融特論演習 Ⅰ~Ⅳ 情報デザイン特論 情報デザイン特論演習 経 営 情 報 Ⅰ~Ⅳ マネジメントサイエン ス特論 マーケティングサイエ ンス特論 管理会計における戦略的ツールの理論と実際について論じる。まず、管理ツール の理解のため管理会計論に関する文献を輪読し、テーマ別に担当者を決めてプレ ゼンしてもらい、ディスカッションを行う。さらに、各ツールが実務ではどのよ うに活用されているかを Case Study を用いて考察することで、今後の経営管理 ツールのあり方について考えさせる。 各自が選択した研究テーマについての文献サーベイ、必要なデータの収集・整理、 必要な分析技法などを習得させ、分析結果の解説および研究内容をまとめて修士 論文が完成できるよう指導する。 管理会計特論演習 計 内 容 原価計算は、その成立時から現在にいたるまで、その時々の経営管理に必要な経 済的情報を提供するため発達してきた。つまり、原価計算の利用目的は、それぞ れの時代における企業環境の変化によって、変容しているのである。近年、原価 計算の利用目的として特に注目されるようになっているのが、「経営戦略の策定 と遂行」である。本特論では、経営戦略の策定と遂行のための原価計算に焦点を あてて講義する。 簿記の理論構造的な仕組みや簿記一巡の手続きを体系的に踏まえた上で、実務上 発生する経済事象の中から、近年の国際化などによって益々複雑さを増す最近の 会計取引を具体的に多く取り上げ、理論と実践の両面から理解を深める。 本特論では、企業の金融活動について論じる。具体的には、金利や不確実性、情 報の非対称性など、金融の基本的な考え方を説明した上で、ポートフォリオ理論、 CAPM、オプションなど、資産の理想的な組み合わせや証券価格の決定について理 解させる。その上で、資本コストや投資の意思決定、資金調達行動、配当政策、 リスク・マネジメントなど、企業の金融活動について理解させる。また、これに 加えて企業の重要な資金源である金融仲介機関の理論と実際についても説明す る。 企業を経営する上で大切な資源の一つに資金がある。いかに上手く資金を調達 し、使い、どのような成果が得られうるのか、また得られたかを知ることは、企 業経営にとって非常に重要な課題である。本演習では、特に資金の「調達や運用」 に関する事象、すなわち企業の金融活動に焦点を当てる。これらの諸問題につい て考察し、研究課題、目的を明らかにし、自ら設定した研究テーマに沿った文献・ 資料・データの収集と分析を学び、修士論文の完成を目指す。 高度情報化社会では、経営、医療、教育、芸術などのあらゆる分野において、そ の目的に応じて情報をデザインし、活用することが欠かせない。本特論では、情 報を効果的・効率的にデザインするために必要となるマルチメディア技術の理論 と実際について論じる。具体的には、メディアデザインの基礎知識、画像処理や コンピュータグラフィックスを用いたメディアコンテンツの制作、実社会におけ る応用事例について解説および実習を行っていく。また、最新のマルチメディア 技術について紹介し、情報デザインの基本的な考え方に加えて、その有用性や今 後の展望、問題点などについて論じる。 近年、経営、医療、教育、芸術などのあらゆる分野で情報を効果的・効率的にデ ザインして活用する技術が求められている。特論演習 I~IV では,この情報デザ インの一手法としてマルチメディア技術を取り上げ、画像処理やコンピュータグ ラフィックス(CG)を用いて、情報技術を活用した問題分析や作業支援など我々や 社会が抱えるさまざまな課題の解決に向けて学んでいく。具体的には、関心のあ る分野を一つ取り上げ,マルチメディア技術によってその分野の未解決な問題を 解決する手法について研究し,これを修士論文としてまとめる。 マネジメントサイエンスは、経営活動において生じる様々な問題に対して合理的 な意志決定を行うために、経営上の問題をモデル化し、数学的・統計学的手法を 用いて解決に役立てる学問領域である。本特論では、マネジメントサイエンスの 代表的な手法を取り上げ、事例を用いてモデル化を進めながら問題解決を目指す ことで、マネジメントサイエンスについての本質的な理解を目指す。ビジネス分 野における身近な事例を対象として、コンピュータを利用した演習を取り入れな がら理解を深める。 マーケティング分野におけるマーケティング・リサーチ手法を概説し、その利用 方法の習得を目標とする。具体的には、データの収集方法やアンケートの設計法 にはじまり、データ収集によって得た情報をいかに分析し、戦略策定に活かして ゆくかを考える。分析にあたり必要となる統計学の基礎知識(記述統計、推定や 検定など)や、各種の分析手法(回帰分析、分散分析、数量化理論、因子分析、 コレスポンデンス分析など)の理論について学習する。 16 経済経営学研究科 修士課程 【経営学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 マーケティングサイエ 樋口 友紀 准教授 針尾 大嗣 准教授 牧野 純 教授 ンス特論演習Ⅰ~Ⅳ 経 営 情 報 メディア戦略特論 ビジネスシミュレーシ ョン特論 ビジネスシミュレーシ 未定 ョン特論演習Ⅰ~Ⅳ 内 容 本講義では、マーケティング分野におけるマーケティング・リサーチ手法を概説 し、その利用方法の習得を目標とする。データの収集方法やアンケートの設計方 法、収集したデータを分析する種々の多変量解析手法について学習する。また、 これら習得したリサーチ手法を各種分析ソフトを用いて実践することで、企業経 営上の課題を発見し、問題の解決を図る能力を養い、修士論文を完成させること を目的とする。 本特論では、マーケティング理論をふまえて、販売、PR・広告、マーケットリサ ーチ、顧客コミュニケーションにおけるメディア戦略とそこで用いられている ICT 及びその仕組みについて解説を行う。具体的には、テレビや新聞などのマス メディアとインターネットやモバイル技術などのパーソナルメディアの役割・機 能・効果の基本的な考え方を理解させたうえで、近年注目されているソーシャル メディアや位置情報システムといった先端メディア技術を取り入れた企業のマ ーケティング事例を取り上げて、それぞれのねらいと課題を考察する。さらにソ ーシャルメディアを用いた顧客の口コミ情報の収集と基本的な分析法について も解説する。 シミュレーションは、ビジネスにおける意思決定に客観的な基礎を提供するツー ルとして、重要な役割を担っている。またビジネスゲームは、ビジネスの体験的・ 実践的な教育手法として普及している。本特論では、このようなビジネスシミュ レーションとビジネスゲームについて、その原理から事例までを紹介する。また、 モンテカルロシミュレーションについては、その原理について詳細に解説し、そ のビジネスやファイナンスへの応用を紹介する。 各自の研究テーマと研究計画にもとづき、関連する文献や資料を収集し、統計分 析やアンケートなど、各自の研究テーマに応じた手法を利用して、研究結果の解 析を行い修士論文を完成させる。 17 経営情報学研究科 博士後期課程 【経営情報学専攻】 専攻 領域 授業科目 経営学特殊研究 経営管理特殊研究 人事管理特殊研究 経 営 領 域 経営倫理特殊研究 経営史特殊研究 会計学特殊研究 管理会計特殊研究 担当教員 内 容 未定 日本的経営は 21 世紀に入り根本的に変革しつつある。従来の終身雇用・年功賃 金・系列下請けの特徴は大きく変わりつつあり、企業と社会及び企業と社員の関 係は新しいものになってきている。従来の日本的経営と新しい日本的経営がどの ように異なり、どのような方向に発展しているかを明らかにする。特に、企業と 社会の関係においては、ステークホルダー・マネジメントの関係のみならず、企 業と NP0 の関係も新しくなっている。地域社会において企業の果たす役割は、行 政・NP0 とどのような関係を構築するかにかかっている。企業の経営管理システ ムの新しい構造のみならず、企業と社会の新しい構造を解明することを目指して いる。 未定 日米を中心とする世界各国の企業行動の理論的、経験的解明を試みる。この経営 行動の国際比較研究を踏まえて、単なる追随、模倣に終始するものではない日本 企業独自の戦略行動の在り方を探究する。経営学の理論的フレームワークを踏ま えた実証研究については、主として、企業財務データバンクを活用し、個々の企 業の経営行動はもちろん、パネルデータを構築することによって、因果律の推計 を前提とした方法論を基礎に経営行動を分析し、諸種の経営戦略提言を試みる。 羽石 日本の人事管理は、欧米の思想や方法を受けつつ日本独自の管理システムを作り 上げてきた。とくに、労使関係の安定が重要視され、 「従業員にとっての企業は 生活の運命共同体である」という意識が、終身雇用制を生み、さらに年功序列、 企業内労働組合を発展させたが、これらの諸制度は近年、社会の高学歴化、少子・ 高齢化社会、雇用の多様化など、我が国が直面している社会環境の中で、その変 容が急速に進みつつある。 講義の中では、新しい人事管理におけるサブシステムとしての、職務管理、能力 管理、処遇管理のあり方と構成について、さらに組織活性化のための組織診断に ついて解説する。 岩田 佐藤 紙 高尾 寛寿 教授 浩 教授 現代企業を取り巻く環境は劇的に変化し続けている。この環境変化に企業組織を うまく適合させていくことがマネジメント・プロセスの本質であることを思え ば、社会の価値観変化や期待に的確かつ迅速に応答していくこと(いわゆるCS R経営)は企業組織の存続・発展にとって何より重要であることが理解できよう。 このような認識に立って、経営の倫理や社会的責任の問題をマネジメントとの関 連でとらえ、探究していく。 正志 日本を中心に、現在の企業経営システムの形成過程を歴史的に遡り、その中で経 営者がいかなる経営理念を構築し、それによってどのような経営行動を選択した のか、企業経営を牽引してきたトップ・マネジメントの理念と行動を研究する。 その際、独自な経営を展開した地方の企業や経済組織・団体のトップ・マネジメ ントの理念と行動を、地域の産業・経済・社会などの歴史的な発展過程や政府の 政策展開との関連を踏まえながら、具体的な事例に即して研究・考察する。 教授 博文 教授 裕二 教授 会計の基礎理論について内外の主要文献をレビューする。ここで基礎理論とは、 主として会計の認識・測定にかかる領域を指すが、このうち、認識については、 "財務構成要素アプローチとリスク・経済価値アプローチ"、"収益の認識"、"新 しい資産概念(利用権)"、"資本会計(資本と利益の区分)"等に関する論文、また、 測定については、"時価(公正価値)"、あるいは"原価"をテーマとするが、1 昨年 からの世界的な金融危機に際して会計的な対応に関する論文等をとりあげる。な お、こうした基礎理論に留まらず、時間が許せぱ、個別会計(企業結合会計、減 損会計、キャッシュフロー会計、金融商品会計、退職給付会計、リース会計等) についての講義も行うこととする。論文作成の一助となるような講義としたい。 管理会計の研究領域は、近年急速に拡大し進化を遂げつつある。伝統的な管理会 計の研究分野としては、経営者・各層管理者の意思決定とコントロールに有用な 情報の研究と実践に主眼を置いてきた。新たな潮流は、コーポレートガバナンス としての株主・投資家の意向を反映して、経営者・管理者がいかなる管理会計情 報を用いて効率的にマネジメントすべきかを、理論と実証の両面から研究しよう とする。本講義では、戦略的管理会計論を主軸に企業評価、CFROI、財務分析、 ABC 会計などに関する主要文献のレビューと事例研究を進める。 18 経営情報学研究科 博士後期課程 【経営情報学専攻】 専攻 領域 経 営 領 域 授業科目 経営領域特殊研究演習 情報システム特殊研究 情報数理特殊研究 担当教員 岩田 浩 教授 佐藤 正志 教授 高尾 裕二 教授 未定 未定 未定 インターネットの進化に伴い、従来のマーケティング・プロセスも大幅に影響を 受けてきている。マーケティング・マネジメントの立場からこのような変化に対 応するため、各種マーケティング問題を取り上げる。 受講生の興味・関心に従って、入手可能な情報を用いて、マーケティングの様々 な側面に対応して開発されてきているマーケティング・モデルを適用する。各モ デルが持つ長所短所を認識した上で、より高度で汎用的な科学的意思決定のため の新たなマーケティング・モデルの開発を意識して実証的に研究をおこなう。 佐井 教授 有価証券報告書をはじめとする一般に入手可能な会計情報の有用性、ないし財務 諸表分析の意義について考察する。本講義では、会計情報自体が有する問題、す なわち経営者の会計政策や予測の誤り等に起因する会計情報自体が非常にノイ ジーでバイアスを内包しているにも関わらず、それでも会計情報に有用性は認め られるのか、また半強度の効率的市場を前提としても、会計情報が一般投資家の 意思決定に有用な情報を提供しているといえるのか、財務諸表分析はどのような 役割を果たしているのかについて考察する。 教授 人間社会を創出してきた人々の高度な知的能力の心理学的特性を、認知科学の立 場から実験的に検証し、新しい経営戦略の手法の構築を目指す。特に、多様な価 値観を有する人々が不確実な状況の中で行なっている意思決定の認知的特性及 び対立・葛藤場面における相互作用的な戦略決定の心理学的特性について、ゲー ム理論やシミュレーション技法などを活用し実証的に考究する。 特殊研究 会計情報特殊研究 認知科学特殊研究 情報領域特殊研究演習 21 世紀における日本的経営の発展方向を明らかにしながら、日本企業が 地域社会や行政とどのような関係を構築すべきかについて、理論的かつ実践的に 明らかにする。 労務、財務、会計、生産、販売システム等の面から効率的な経 営を行う経営戦略を提言すると同時に、それを可能にするシステムを設計してみ る。企業を取り巻くステークホルダーとの良好な関係を促し、企業価値を創造す るため、企業経営者や企業行動を実証的、歴史的に分析する。そのための基礎理 論や具体的な手法を身に付け、新しい社会における企業システムを提言する。< 共同担当>各教員の担当内容については、以下のとおりである。 (岩田 浩 教授) 研究テーマ:経営の倫理性と責任能力に関する理論研究 キーワード:経営倫理、 社会的責任、道徳的リーダーシップ、企業市民、環境経営、ソーシャルイノベー ション (佐藤 正志 教授) 研究テーマ:地域経済と企業経営の歴史的展開に関する研究 キーワード:地域 産業、トップ・マネジメント、経営理念、経済政策、史料調査・分析 (高尾 裕二 教授) 研究テーマ:企業の価値創造に関する理論的・実証的研究 キーワード:企業投 資行動、資本コスト、企業ガバナンス、企業価値評価、資本市場 さまざまな社会システムをコンピュータ、ネットワークなどの情報技術を駆使し て効率化するための方法論を実践的に追究する。具体的には、社会の二ーズに応 じた高品質の情報システムの構成法、すなわち要求抽出、設計・開発・評価、知 識獲得、知識集積のための分散型データベース設計などの理論的基盤とその応用 を実証的に研究する。 広く将来の経営情報システム構築に役立つシステム構築技術、システムトラブル 診断技術、将来予測など情報数理的立場からの応用技術を追究する。これらのシ ステムの最適化、安定化、デジタル制御、安定性解析、通信プロトコル解析など を基礎として、広く社会の二ーズに応えられる研究課題を選択する。 マーケティング情報 情 報 領 域 内 容 福田 未定 英子 市朗 企業、行政、NP0 などの組織間のボーダレス化の中で、組織体がステークホルダ ーとの協働によりどのような統治秩序形成機能を構成すべきかについて、理論的 かつ実践的に明らかにする。 伝統的な企業経営と地域経営をガバナンスという 視点から企業情報システムと地域経営情報システムの在り方を提言し設計して みる。経営情報システム構築に役立つシステム構築技術、システムトラブル診断 技術、将来予測など情報数理的立場からの応用技術を追究するとともに、システ ムを効率化するためのコンピュータ、ネットワークなどの利用技術をシステム設 計の立場から実践的に追究する。社会の不確定現象を扱う有力な道具であるモン テカルロ・シミュレーションの理論的な基礎について探究し、モデル化とプログ ラミングの実装法などを研究する。人間行動の根源である高度な知的能力の心理 学的特性を、認知科学の立場から実験的に検証するとともに、戦略的な利用法の 提言を目指す。 19 経営情報学研究科 博士後期課程 【経営情報学専攻】 専攻 領域 授業科目 政策科学特殊研究 地域経済特殊研究 地域金融特殊研究 担当教員 未定 政策科学は問題解決型の実証的科学であるが、近年、政治・行政のみならず企業 経営における意思決定問題と関連しながら、その重要性を一層増している。本講 義では、政策科学の基礎理論について文献を講読しつつ政策決定プロセスを考察 するとともに、特に全国(全体)と(地域)あるいは国際的地域間などの競合や共生 のメカニズムと方策を導出するため、経済予測や政策評価に不可欠な地域計量分 析手法と評価方法を習得する。具体的には、事例を基に地域計量経済モデルを構 築しシミュレーション試行によって、その予測結果を考察し評価する。 未定 地域経済研究においては、地域の空間的構造の解明が基本テーマとなり、その中 でも特に地域間の経済的諸活動の連関関係である「空間的相互作用」をいかに捉 えるかが重要となる。本講義では、経済主体の空間的配置・集積とその相互依存 関係について理論的・実証的側面からアプローチすることにより、わが国の諸地 域が抱える具体の政策課題を考察するとともに、望ましい地域経済の在り方とそ の実現に向けた経済システム形成のための政策展開について探究する。 岩坪 教授 厳しい経済情勢が続く中、日本経済の活力を生み出してゆくためには、中小企業 の活性化、地域経済の再生ということが、重要な課題のーつである。そのために は、地域の企業に円滑な資金を効率的に供給するシステムが必要不可欠である。 本講義では、現代の銀行理論・金融理論について学び、中小企業金融、地域金融 の特性について考え、リレーションシップ・バンキングをはじめとした現代の地 域金融の諸問題を地域特性と併せて考察する。 教授 現代の経済システムは複雑に入り組み構成され、さらにマネー経済の急拡大がそ れを支えている。このため、一度、システムの一部に欠陥が露呈すると、たちま ちのうちにその影響は拡散する。周知のように 2007 年の米国のサブプライム・ ローン問題は米国の住宅口ーン問題の一つに過ぎなかった。にも関わらず、世界 的景気低迷の原動力となった。 一方、厳しい経済情勢が続く中、その苦境から脱し、再起を試みる、その原動力 は個々の国々であリ、さらに言えばそれら国々の様々な地域の主体である。した がって、日本経済の活性化も地域に根付いた住民や、中小を中心とした企業群の 再起に依存している。もちろん政策的支援も忘れてはいない。 地域経済の活性化という問題に対し、なすべきことや検討すべきことは様々あろ うが、殊金融的側面からみれば、地域の企業ヘの円滑にして効率的な資金供給が 必要であり、投資促進の諸施策が挙げられる。本演習では、現代の銀行論・金融 理論について学び、中小企業金融、地域金融の特性について考え、リレーション シップ・バンキングをはじめとする現代の地域金融の諸問題を考察する。本演習 は、これらの考察を通して微力ながらも地域経済の活性化に貢献することを目的 とする。 メイン・キーワード: 地域金融、地域金融機関、地方銀行、第二地方銀行、 協同組織金融機関、中小企業、講集団、NP0 法人、 NP0 バンク等々 サブ・キーワード: 情報の非対称性、メインバンク、リレーションシップ・バンキング、 市場型間接金融、ポートフォーリオ、効率性、格付 等々 加紋 地 域 領 域 地域領域特殊研究演習 内 容 岩坪 加紋 20 理工学研究科 博士前期課程 【社会開発工学専攻】 専攻分野 計画系 環境系 構造系 研究指導担当教員名 熊谷 樹一郎 教授 本多 友常 教授 木多 彩子 教授 八木 俊策 教授 岩田 三千子 教授 森山 正和 教授 上谷 宏二 教授 頭井 洋 教授 熊野 知司 教授 柳沢 学 教授 伊藤 譲 教授 【授業科目一覧】 専攻分野等 基礎科目 計画系 環境系 構造系 専攻分野 共通科目 授業科目 必修 応用数学特論Ⅰ 応用数学特論Ⅱ 数理統計学 力学特論 量子物理学 空間情報学特論 形態幾何学特論 コミュニティデザイン特論 住環境計画特論 居住空間マネジメント特論 住環境デザイン史特論 建築計画特論 都市建築史特論 単位数 選択 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 意匠設計演習 2 水環境工学特論 環境水理学特論 都市環境計画特論 環境管理特論 温熱環境特論 視環境特論 設備設計演習 建設施工システム特論 振動学特論 構造力学特論 鉄筋コンクリート構造特論 構造工学特論 防災工学特論 ライフライン工学特論 基礎工学特論 地盤工学特論 構造設計演習 建築設計インターンシップ ゼミナール 理工学特別研究 計 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 4 4 8 12 担当者 自由 友枝 恭子 講師 島田 伸一 教授 中津 了勇 教授 寺本 惠昭 教授 東 武大 講師 熊谷 樹一郎 教授 榊 愛 講師 大谷 由紀子 准教授 本多 友常 教授 平田 陽子 教授 川上 比奈子 教授 木多 彩子 教授 加嶋 章博 准教授 川上 比奈子 教授 加嶋 章博 准教授 大谷 由紀子 准教授 八木 俊策 教授 石田 裕子 准教授 森山 正和 教授 宮本 岩田 宮本 熊野 頭井 上谷 柳沢 田中 池内 片桐 征一 教授 三千子 教授 征一 教授 知司 教授 洋 教授 宏二 教授 学 教授 賢太郎 講師 淳子 准教授 信 教授 伊藤 譲 教授 柳沢 学 教授 木多 彩子 教授 66 (注)授業科目内容については、本学ホームページ掲載のシラバスを参照ください。(シラバスはこちらから) 21 理工学研究科 博士前期課程 【生産開発工学専攻】 専攻分野 生産工学系 機械工学系 電気電子工学系 研究指導担当教員名 諏訪 晴彦 教授 森脇 俊道 教授 川野 常夫 教授 久保 司郎 教授 辻野 良二 教授 一色 美博 教授 奥野 竜平 教授 田口 俊弘 教授 山本 淳治 教授 井上 雅彦 教授 神嶋 修 教授 【授業科目一覧】 専攻分野等 基礎科目 生産工学系 機械工学系 電気電子工学系 専攻分野共通科目 授業科目 単位数 必修 選択 担当者 自由 応用数学特論Ⅰ 2 友枝 恭子 講師 応用数学特論Ⅱ 2 島田 伸一 教授 数理統計学 2 中津 了勇 教授 力学特論 2 寺本 惠昭 教授 量子物理学 2 東 武大 講師 生産システム特論 2 諏訪 晴彦 教授 生産機械特論 2 森脇 俊道 教授 人間工学特論 2 川野 常夫 教授 センサー工学特論 2 橋本 正治 教授 システム制御特論 2 山﨑 達志 准教授 ロボット工学特論 2 材料力学特論 2 久保 司郎 教授 金属物理学特論 2 辻野 良二 教授 機械力学特論 2 熱工学特論 2 一色 美博 教授 流体機械特論 2 堀江 昌朗 准教授 構造工学特論 2 岸本 直子 准教授 エネルギーシステム工学特論 2 堀内 利一 教授 医用生体工学特論 2 奥野 竜平 教授 知能ロボット特論 2 片田 喜章 准教授 プラズマ工学特論 2 田口 俊弘 教授 核エネルギー応用特論 2 山本 淳治 教授 画像情報工学特論 2 鹿間 信介 准教授 電子・イオンビーム工学特論 2 井上 雅彦 教授 光物性工学特論 2 神嶋 修 教授 電子物性工学特論 2 東谷 篤志 講師 通信工学特論 2 ゼミナール 4 理工学特別研究 8 計 12 54 (注)授業科目内容については、本学ホームページ掲載のシラバスを参照ください。(シラバスはこちらから) 22 理工学研究科 修士課程 【生命科学専攻】 専攻分野 分子生命科学系 生体生命科学系 研究指導担当教員 芳本 忠 教授 尾山 廣 教授 西矢 芳昭 教授 中嶋 義隆 教授 木村 朋紀 准教授 松川 通 教授 西村 仁 教授 村田 幸作 教授 松尾 康光 教授 川崎 勝己 教授 【授業科目一覧】 専攻分野等 授業科目 単位数 必修 選択 分子生物学 2 細胞生物学 2 酵素科学特論 2 芳本 尾山 西矢 中嶋 松川 西村 村田 川崎 芳本 タンパク質機能学特論 2 尾山 廣 教授 特殊環境微生物学特論 2 西矢 芳昭 教授 構造生命科学特論 2 中嶋 義隆 教授 環境毒性学特論 2 木村 朋紀 准教授 環境遺伝子工学特論 2 長田 武 講師 神経生物学特論 2 松川 通 教授 細胞制御学特論 2 西村 仁 教授 食品微生物学特論 2 村田 幸作 教授 生体機能利用学特論 2 松尾 康光 教授 個体ゲノム制御学特論 2 川崎 勝己 教授 環境分析学特論 2 青笹 安藤 芳本 尾山 西矢 中嶋 木村 長田 松川 西村 村田 松尾 川崎 青笹 米山 基礎科目 分子生命科学系 生体生命科学系 担当者 自由 分子生命科学トピックス 2 生体生命科学トピックス 2 ゼミナール 4 理工学特別研究 8 専攻分野共通科目 計 16 28 (注)授業科目内容については、本学ホームページ掲載のシラバスを参照ください。(シラバスはこちらから) 23 忠 教授 廣 教授 芳昭 教授 義隆 教授 通 教授 仁 教授 幸作 教授 勝己 教授 忠 教授 治 准教授 章 教授 忠 教授 廣 教授 芳昭 教授 義隆 教授 朋紀 准教授 武 講師 通 教授 仁 教授 幸作 教授 康光 教授 勝己 教授 治 准教授 雅紀 講師 理工学研究科 博士後期課程 【創生工学専攻】 専攻領域 研究指導担当教員 上谷 宏二 頭井 都市・建築創生領域 洋 教授 構造物の形と力学性能との融合のための性能操作型設計法 構造物の非線形動的解析のモデリング手法 木多 彩子 教授 都市における生活空間の構成原理に関する研究 森山 正和 教授 都市及び建築空間における熱環境計画に関する研究 熊谷 八木 岩田 人工物創生領域 教授 研究テーマ 樹一郎 教授 俊策 教授 三千子 教授 空間情報に基づいた都市環境の評価 水環境システムの分析と制御 長寿社会の福祉住環境計画 熊野 知司 教授 建設廃棄物の再利用に関する研究 佐野 潤一 教授 近代建築に関する研究 辻野 良二 教授 材料強度の解析と評価 久保 司郎 教授 逆解析を援用した構造物の健全性評価 井上 雅彦 教授 固体表面分析の高分解能化と微細化 松尾 康光 教授 固体内イオン輸送の可視化と新規電池の創生 川野 常夫 教授 生産の場における人間工学的分析と評価 森脇 俊道 教授 工作機械の複合化と知能化 諏訪 晴彦 教授 グリーン製造のための意思決定システム 【授業科目一覧】 専攻領域 都市・建築創生領域 人工物創生領域 授業科目 単位数 必修 選択 自由 担当者 人間環境デザイン学演習 2 岩田 三千子 教授 都市熱環境計画演習 2 森山 正和 教授 近代建築論演習 2 佐野 潤一 教授 都市地域計画学演習 2 木多 彩子 教授 都市空間情報学演習 2 熊谷 樹一郎 教授 環境管理学演習 2 八木 俊策 教授 建築構造学演習 2 上谷 宏二 教授 構造設計法演習 2 頭井 洋 教授 応用構造材料学演習 2 熊野 知司 教授 疲労強度学演習 2 辻野 良二 教授 計算力学演習 2 久保 司郎 教授 固体表面分析演習 2 井上 雅彦 教授 燃料電池材料学演習 2 松尾 康光 教授 応用人間工学演習 2 川野 常夫 教授 システム最適化演習 2 諏訪 晴彦 教授 2 森脇 俊道 教授 応用生産機械論演習 特別研究 12 計 12 32 (注)授業科目内容については、本学ホームページ掲載のシラバスを参照ください。(シラバスはこちらから) 24 薬学研究科 博士課程 【医療薬学専攻】 専攻 分野 授業科目 内 容 臨床分析学特論 秋澤 俊史 教授 小西 元美 准教授 本特論では、分析化学の原理を踏まえて、臨床現場で実際に使用されている分 析機器並びに診断方法の理論と実際について論じる。具体的には、CT、PE T、MRI、内視鏡など、最新画像診断機器の原理と画像解析の基本的な考え 方を理解させる。また、遺伝子診断法の原理と方法を教授したうえで、遺伝子 診断の有用性や今後の展望、さらに倫理的問題点について論じる。加えて、臨 床現場で使用されている診断機器と基礎研究との関連を理解させる。 臨床生化学特論 大塚 正人 教授 竹内 健治 講師 本特論では、生化学の原理を踏まえて、臨床における生化学・栄養学の理論と 実際について論じる。各種代謝異常等による病態を理解させ、その最新治療法 の実際について論じる。また、臨床栄養学分野の最新情報の収集と理解を通し て、効果的な薬物療法への寄与等について論じる。 臨床病態学特論 河野 武幸 教授 松浦 哲郎 准教授 尾崎 清和 講師 臨床症候学特論 小﨑 篤志 教授 臨床薬理学特論 臨 床 薬 学 担当教員 荻田 喜代一 教授 倉本 展行 准教授 疾病の病因・病態・診断を修得させることにより、総合的な観点から薬物治療 に参画する知識を身につけさせる。薬物による治療計画を立案するには、これ らの最新情報を常に収集・集積する必要がある。本特論では、膠原病・リウマ チ・アレルギー内科、呼吸器内科、胆・肝・膵を含む消化器内科、血液内科、 腎・泌尿器内科、皮膚科等で診療される疾病について、最新の基礎及び臨床情 報を論じる。 症候学とは、疾病を病因や病態がとらえるのではなく、患者の示す様々な訴え や診察所見から疾病を定義・分類して意味づけを与える方法論である。本特論 では、これらの方法論や情報等の学習を通して、症候から処方医薬品の処方提 案や OTC による治療について論じる。 本特論では、薬理学の原理を踏まえて、臨床における薬物の理論と実際につい て論じる。患者毎の最適な薬物の選択、投与方法・投与量・投与間隔など投与 計画を策定することにより最大の薬物有効性及び最小の副作用をもたらす情 報を収集して体系化・理論化する。本特論では、①ヒトを対象とした人間薬理 学、②臨床における薬物の有効性・安全性を評価する臨床薬物評価などを中心 に論じる。 本特論では、解剖学、生理学、薬理学及び薬物治療学の基礎知識をもとに、実 際に臨床現場において実施されている各種疾患に対する薬物療法とその問題 点について論じる。薬の有効性と安全性を確保しつつ、医薬品の適正使用を実 施するための知識と技能並びに緩和医療に必要な薬物療法について論じると ともに、緩和ケアに必要なコミュニケーションスキルを身につけさせる。 医薬品の正確かつ円滑な供給や医薬品の適正使用は、医療現場における薬物治 療及びリスクマネジメントの観点からきわめて重要な課題である。本特論で は、有効な薬物治療や医療過誤の回避などに必要な医薬品管理や医薬品情報管 理について実例を通して論じる。また、医療の更なる向上を目指した医薬品管 理や医薬品情報管理について考察させる。 西洋薬(新薬)での治療が困難な種々の疾患に対して、漢方薬が一定の治療効果 を示す場合があり、その有用性から現代医療の臨床現場で今なお多用されてい る。本特論では、漢方医学の基本的概念について理解を深めるとともに、現在 汎用されている漢方処方による治療の実際について学習させる。また、漢方処 方の治療メカニズムについて学習し、漢方薬を用いた新たな疾患治療の可能性 についても考察させる。 薬物療法学特論 前田 定秋 教授 吉岡 靖啓 講師 医薬品管理学特論 首藤 誠 准教授 臨床漢方医療薬学特論 矢部 武士 教授 精神医療薬学特論 荻田 喜代一 教授 倉本 展行 准教授 米山 雅紀 講師 精神科領域において求められる薬剤師の専門性とは、精神疾患、向精神薬、精 神保健福祉などに関する知識とその知識を臨床薬剤師業務に反映する技術で ある。本特論では、まず向精神薬の基本的事項を学んだのち、向精神薬等によ る適切な薬物治療を支援するための専門的な技術を論じる。さらに、新規向精 神薬についての臨床データを学習することにより最新の精神科薬物療法につ いて論じる。 臨床薬学演習 前田 秋澤 荻田 大塚 河野 小﨑 矢部 倉本 首藤 松浦 医療現場の高度な薬物療法に対応できる薬剤師あるいは高度な薬物療法を研 究・実践できる薬剤師となるために、連携医療機関・薬剤部での薬物治療カン ファレンス等による実践的な演習を実施する。また、連携医療機関での感染対 策チームや緩和医療チームでのカンファレンスでの短期演習も必要に応じて 実施する。 定秋 教授 俊史 教授 喜代一 教授 正人 教授 武幸 教授 篤志 教授 武士 教授 展行 准教授 誠 准教授 哲郎 准教授 25 薬学研究科 博士課程 【医療薬学専攻】 専攻 分野 授業科目 公衆衛生学特論 健 担当教員 上野 仁 教授 本特論では、予防医学の概念を踏まえ、薬学領域における疾病予防のための高 度な理論と実践について学習させる。第一次予防では、環境疫学を中心に疫学 方法論、実践方法、データ処理にかかる統計学及び疫学事例について論じる。 また、ストレスの生理学、脂質の過酸化反応機構、タンパク質誘導の分子機構、 転写調節因子活性変動、抗酸化酵素と抗酸化物質、並びにそれらと老化や疾病 との関わりについて論じる。 本特論では、食品衛生学及び臨床栄養学の原理を踏まえて、それらの理論と実 際について論じる。内容としては、国の食品安全委員会等で問題視されている 食品中の種々の健康有害因子に関する最新情報の収集とその理解・対策法、並 びに生活習慣病に対する栄養管理・指導法について学習させる。また、高齢化 社会を迎えて、ますます増加することが予測される服用薬物と健康食品・サプ リメントとの併用による健康影響等の理論と実際についても論じる。 本特論では、感染症学及び微生物学の原理を踏まえて公衆衛生及び臨床におけ る感染症の予防と医療の理論と実際について論じる。また、遺伝子レベル・分 子レベルからみたヒトと病原微生物の関わりについて論じる。さらに、病原体 の検出・防除や、感染症の予防・治療に用いる薬剤やワクチンの最先端につい て論じる。 本演習では、連携医療機関での感染対策チームや栄養サポートチームなどのカ ンファレンス等への参加を通して、医療現場での環境・食品衛生分野の理解を 深めさせる。また、食品衛生・環境衛生分野における薬毒物や食品の疫学調査 の実例を通して、健康薬学分野の理解を深めるとともに、同分野の研究手法を 修得させる。 本特論では、有機化学の知識をもとに、臨床で用いられている医薬品をはじめ とした多様で複雑な分子の合成及びその合成に関する反応機構などについて 論じるとともに、それら医薬品の構造解析を含む化学構造に基づいた構造活性 相関などについて論じる。 本特論では、物理化学、物理薬剤学、生物薬剤学の基礎知識をもとに、医薬品 の開発においてどのような製剤学的な取り組みが行われてきたか、過去から現 在までの移り変わりを紹介する。また、医薬品の開発に立ちはだかる最近の問 題に対して、どのような製剤学的解決策が取られようとしているのか、日欧米 製薬企業及びベンチャー企業の最新情報を交えて教授する。 本特論では、薬剤学及び薬物動態学の原理を学習するとともに、医薬品開発に おける薬物動態学の意義や利用法等について実例を通して論じる。また、個別 化医療及び薬物間相互作用等の観点から、医薬品の適正使用における薬物動態 学の意義や重要性について論じる。 食品安全学特論 太田 壮一 教授 感染予防医療薬学特論 高松 宏治 准教授 健康薬学演習 上野 仁 教授 太田 壮一 教授 医薬品化学特論 安藤 章 教授 表 雅章 准教授 製剤学特論 佐久間 信至 教授 橋本 直文 教授 薬物動態学特論 山下 伸二 教授 今井 公江 准教授 臨床統計学特論 小堀 栄子 教授 本特論では、医薬品の臨床開発に必須である臨床統計の実際を習得するため に、臨床研究の実例に基づき、臨床統計の理論と解析手法について教授する。 医薬品開発学演習 安藤 章 教授 小堀 栄子 教授 佐久間 信至 教授 橋本 直文 教授 山下 伸二 教授 本演習では、医薬品開発プロセスに関する基本的な知識を踏まえて、医薬品開 発の実際について実例に沿って演習を行う。また、連携医療機関での治験審査 委員会への参加等を介して、医療現場での治験プロセスについて演習を行う。 このような演習を通して医薬品開発プロセスの理解を深めさせる。 康 薬 学 医 薬 品 開 発 学 内 容 26 薬学研究科 博士課程 【医療薬学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 内 容 (概要) 学生自らが医療現場での臨床的課題を見出し、その課題について、研究計画の 策定、研究方法の開発、研究成果の解析とまとめ、学術論文の作成を実施する。 これにより、研究能力の全般を修得させる。 (秋澤 俊史) 臨床分析学 1.MMP を標的としたがんの転移リスク評価法の確立 2.MMP を標的とした天然物中のがんの転移予防物質の検索 3.蛇毒(ヤマカガシ)中の酵素タンパク質の機能解析 4.ガマ毒(強心性ステロイド)の単離と機能解析 5.β-アミロイドタンパク質とプリオンタンパク質を基質とする酵素タンパ ク質の検索 各 分 野 共 通 医療薬学特別研究 秋澤 俊史 教授 安藤 章 教授 上野 仁 教授 太田 壮一 教授 荻田 喜代一 教授 大塚 正人 教授 河野 武幸 教授 小﨑 篤志 教授 小堀 栄子 教授 佐久間 信至 教授 橋本 直文 教授 矢部 武士 教授 山下 伸二 教授 倉本 展行 准教授 首藤 誠 准教授 前田 定秋 教授 松浦 哲郎 准教授 (安藤 章) 医薬品化学 1.医薬化学を指向した有機フッ素化合物の新しい合成反応の開発 2.有機フッ素化合物の構造と反応性に関する研究(コンピュータ化学を含む) 3.新しい含フッ素不斉配位子の合成とその応用 4.フッ素をプローブとした生理活性物質の作用機作の研究 (上野 仁) 公衆衛生学 1.酸化的ストレスに対する疾病予防と生体防御機能解析 2.環境因子とアレルギー応答に関する研究 (太田 壮一) 食品安全学 1.生体恒常性撹乱作用物質の探索とその作用機構の解明 2.生体バリア機能破綻を指標とした環境汚染物質による免疫毒性影響の解析 3.残留性有機環境汚染物質(POPs)による食品及び人体汚染実態の究明 4.臭素系難燃剤のペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR)を介した糖・ 脂質代謝系への毒性影響 (荻田 喜代一) 臨床薬理学、精神医療薬学 1.神経細胞の死と新生に関する薬理学的研究 2.感音難聴に関する薬理学的研究 (大塚 正人) 臨床生化学 1.臨床的に重要な薬物輸送体の構造と機能に関する生化学的研究 2.薬物輸送体の蛋白質間相互作用とその複合他トランスポートソームに関す る研究 3.早期臨床検査を可能にする先端的オミクス解析技術の開発に関する研究 (河野 武幸) 臨床病態学 1.難治性アトピー性皮膚炎に対する新規治療方法の開発 2.自己免疫疾患一般に完全寛解を導入できる新規治療方法の開発 3.糖尿病患者に対する DPP-4 阻害薬の投与が腎機能に与える影響 4.非定型抗精神病薬が高齢者の肺炎発症に与える影響 (小﨑 篤志) 臨床症候学 1.S100A12 タンパク質の動脈硬化および心血管イベントへの関与に関する研 究 2.動脈硬化の新たな危険因子に関する研究 27 薬学研究科 博士課程 【医療薬学専攻】 専攻 分野 授業科目 担当教員 内 容 (小堀 栄子) 臨床統計学 1.臨床現場における統計学の基礎と応用 (佐久間 信至) 製剤学 1.分子認識能を持つ新規機能性材料並びに同材料を用いた創薬・創剤技術の 開発 2.薬物の膜透過及びその改善技術に関する研究 3.新しい薬物送達システムに関する研究 各 分 野 共 通 医療薬学特別研究 秋澤 俊史 教授 安藤 章 教授 上野 仁 教授 太田 壮一 教授 荻田 喜代一 教授 大塚 正人 教授 河野 武幸 教授 小﨑 篤志 教授 小堀 栄子 教授 佐久間 信至 教授 橋本 直文 教授 矢部 武士 教授 山下 伸二 教授 倉本 展行 准教授 首藤 誠 准教授 前田 定秋 教授 松浦 哲郎 准教授 (橋本 直文) 製剤学 1.生体高分子の医学・薬学領域ヘの応用と開発 2.難溶性化合物の新規製剤化検討 3.ナノ粒子・ナノキャリアーの製剤化検討 (矢部 武士) 臨床漢方医療薬学 1.漢方薬・和漢薬の薬理作用、作用機序、薬効成分の総合的な解析 2.天然物由来医薬品候補化合物の探索 3.神経・精神疾患に対する新規治療法の開発 (山下 伸二) 薬物動態学 1.薬物の消化管吸収機構に関する研究 2.薬物の体内動態の解析 3.医薬品の効率的な経口投与システムの開発 (倉本 展行) 臨床薬理学、精神医療薬学 1.神経伝達物質受容体のリン酸化と神経保護作用 (首藤 誠) 医薬品管理学 1.医療機関における薬物治療に関する研究 (前田 定秋) 薬物療法学 1.神経変性疾患における細胞死誘導機構とその防御に関する研究 2.炎症時における細胞障害機構とその防御に関する研究 3.新規創薬標的分子の同定とその機能解析 (松浦 哲郎) 臨床病態学 1.疾患モデル動物の病理形態学的研究 2.医薬品・化学物質に起因する異常の毒性病理学的研究 3.先天性異常の発生病理学的研究 28