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﹁化学機械﹂﹁タンク﹂﹁優秀環境装置②﹂

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﹁化学機械﹂﹁タンク﹂﹁優秀環境装置②﹂
平成28年11月21日発行(毎月1回20日発行第794号)ISSN0558−4809
一般社団法人 日本産業機械工業会
Nov 2016
794
平成 年 月 日発行︵毎月1回 日発行第 号︶
11
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794
﹁化学機械﹂﹁タンク﹂﹁優秀環境装置②﹂
特集﹁化学機械﹂﹁タンク﹂﹁優秀環境装置②﹂
特集﹁化学機械﹂﹁タンク﹂﹁優秀環境装置②﹂
28
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700
頒価
201611号-H1-4.indd すべてのページ
2016 Nov
円︵消費税別 円︶
56
No.
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INDUSTRIAL MACHINERY
産 業 機 械
人と暮らしを支える産業機械
No.794 Nov
Contents
特集:
「化学機械」
巻頭座談会
「化学機械業界の更なる発展のために
取り組むべき課題について考える」・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 04
化学機械部会 部会長 槙島 亀久夫
化学機械部会 業務委員長 志方 守
化学機械部会 技術委員長 重 洋一
化学プラント機器の要求品質への対応技術(木村化工機株式会社)・ ・・・・・・・・・・・ 08
ササクラ・ヒートポンプを使った省エネ蒸発濃縮装置
(株式会社 ササクラ)・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
吊下型遠心分離機の特徴と糖類以外への適用(月島機械株式会社)・ ・・・・・・・・・・・ 18
IT分野、エネルギー分野で用いられる当社の粉砕技術
(ホソカワミクロン株式会社)・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
特集:
「タンク」
巻頭インタビュー
「今までと同じことではなく新たな提案を考え
・ ・・・・・・・・・・・ 26
実行に移していくことが、タンク業界の未来のためには必要」
タンク部会 部会長 倉田 一郎
日射解析による原油タンク屋根蒸散対策の評価
(JXエンジニアリング株式会社)・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
28
特集:
「優秀環境装置②」
汚水沈砂池向けノズル式集砂装置(エジェクタ式集砂装置)
(アクアインテック株式会社)・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
再生プラスチック原料中のゴム系異物選別装置(協和工業株式会社)・ ・・・・・・・・・ 35
乾式反応集じん装置(プレコートバグフィルタ)
(株式会社 プランテック)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
高負荷生物脱窒素装置(前澤化成工業株式会社)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
オイルミスト捕集用電気集塵装置(アマノ株式会社)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44
浮上型チェーンフライト式汚泥かき寄せ機(月島機械株式会社)・・・・・・・・・・・・・・ 47
海外レポート一現地から旬の話題をお伝えする 一
連載コラム1・ ・・・・・・・・ 51
産業・機械遺産を巡る旅
「池貝工場製第1号旋盤」
(東京都)
米国経済の見通しについて・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
駐在員便り・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55
イベント情報・・・・・・・・・ 71
今月の新技術
行事報告&予定・・・・・・・ 72
高効率熱媒ボイラ(三浦工業株式会社)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59
木質ペレットのハンドリングについて(宇部興産機械株式会社)・ ・・・・・・・・・・・・・・・ 62
二次電池正極材用オールセラミックス微粉砕機の紹介
(ホソカワミクロン株式会社)
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 66
当社が独自に設計・開発したワイヤロープホイスト新製品の紹介
(株式会社 キトー)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68
書籍・報告書情報・ ・・・・ 79
統計資料
産業機械受注状況・ ・・・・・・・・ 81
産業機械輸出契約状況・・・・・・ 84
環境装置受注状況・ ・・・・・・・・ 86
化学機械・冷凍機械・タンク
需要部門別受注状況・ ・・・・・・ 88
産業機械機種別生産実績・・・・・・ 89
産業機械 2016.11
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企業の枠を超えて部会を代表する3人が語る
化学機械業界の更なる発展のために
取り組むべき課題について考える
2015年度の化学機械業界は増収増益という結果になっ
算については、概ね増収増益となりました。そうなると
たが、この状況をこれからも維持するために取り組むべ
設備投資に対する意欲が伸びて然るべきだと思うのです
き課題について、槙島亀久夫部会長(月島機械株式会社)
、
志方守業務委員長(株式会社 ササクラ)
、重洋一技術委
員長(木村化工機株式会社)の3人に語ってもらった。
が、実はそれほどでもありません。依然として一部を除
いて景気動向の様子を見るという動きが近年の特徴であ
ると言っていいでしょう。この部分を業種別に見ると、
鉄鋼関連の動きが依然として鈍いのに対して食品関連が
順調な伸びを見せています。石油化学関連については昨
04
それでは最初に、槙島部会長から昨年度からの化学機
年までは一律に順調というべき動きだったのに対して、
械業界の動きについて概況解説をお願いします。
本年度はやや濃淡が出ていることは否めません。一方、
槙島 「まずはエネルギー関連からお話させていただき
国内市場における受注分野の内容については、老朽化施
ます。これについては、原発が停止していることで燃料
設の更新を中心に各種メンテナンスや省エネ対策といっ
の輸入が大幅に増加したため、貿易赤字も増加傾向にあ
た分野が大半であり、新規工場の建設といった大型案件
ります。それに伴い機械関連の貿易収支についてもこれ
は望めない状況です。必然的に海外市場の重要度が増し
までの黒字幅が縮小しつつあるというのが基本的な流れ
ていますが、そこで近年ネックになっているのが新興国
です。それらを踏まえての化学関連企業の2015年度の決
の経済減速と資源価格にあることは間違いありません。
」
INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
P004-007_化学機械座談会.indd 4
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志方業務委員長はどのようにお考えでしょうか?
けですが、それもありませんでした。実際、こうしたこ
志方 「基本的な傾向としては槙島部会長がお話された
とをきっかけに企業の設備投資に関する方向性が動くこ
通りだと思います。当社の状況に限ってお話させていた
とも少なくないわけで、結局何もなかったことで為替に
だきますと、ゴミ焼却場向けの熱交換器関連とLNG基
関連しては憶測だけが先走りし、先行き不透明の中で案
地関連低温バルブについては大きな伸びこそ見られない
件は先送りされるという悪循環になっています。今年の
ものの、動きそのものは堅調に推移しています。国内に
上半期はこのような流れに終始した印象があります。一
おける環境対策関連設備投資については、目立った伸び
方、エネルギー関連についてはより一層の省エネ化の推
は見られないというのが現状だと思います。結果的に海
進、言い換えればエネルギーを使わない機器の供給が求
外市場に目を向けざるを得なくなり、そのための営業強
められていくのは間違いありません。化学プラント関連
化が一層重要になっていることは間違いありません。当
で言いますと、蒸留や蒸発のエネルギー消費は膨大なも
社では、中東のサウジアラビアやバーレーンにおける海
のがあります。使ったエネルギーの多くを大気に放出拡
水淡水化装置を長年手がけてきましたが、原油価格の低
散していると言っても過言ではありません。今後、我々
迷の結果、両国共に国家予算を見直すレベルにまでなっ
に要求されるのは、そうしたエネルギーを現在以上のレ
ています。当然大型プロジェクトは先行き不透明であり
ベルで回収し再利用することであり、それが今後の重要
予断を許さない状況となっています。これに関連して、
な案件になっていくことは間違いありません。ならば何
過去に納めた機器のメンテナンス需要もあり、こちらは
が引き金になるかといえば、国家的な見地に立った補助
こちらで円高の影響を受けて採算が悪化している状況で
金政策の一層の拡充が挙げられます。ここを手当てすれ
す。」
ば、業界内の空気も一新され新たな投資意欲が高まるの
重技術委員長はどういった印象をお持ちでしょうか?
ではないかと確信しています。」
重 「基本的にはお二方がお話くださった通りかと思い
設備投資意欲の停滞について、槙島部会長はどのよう
ます。付け加えるとすれば、私としては為替の影響がや
な改善策があるとお考えでしょうか?
はり予断を許さない状況の背景にあると認識していま
槙島 「計画自体はどのお客様もしっかり構築している
す。ここ数年の流れを見ても円高から円安、そしてまた
円高へと大きく変化したことで、主要な取引先である日
系企業が国内を拡充するのか?はたまた海外へと大きく
シフトするのか?といった重要案件についてなかなか判
断がつかず、結果的に様子見という選択を取らざるを得
ないというのが現状だと思います。端的な例としては先
般の伊勢志摩サミットにおいて、為替について何らかの
合意がなされ発表されることを個人的に期待していたわ
槙島 亀久夫 Kikuo Makishima
月島機械株式会社
産業事業本部長
代表取締役専務執行役員
お客様の対応は自社だけではなく
関連会社と協力していくことが大事になる
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志方 守 Mamoru Shikata
株式会社 ササクラ
東京支社長
お客様との雑談の中からでも
新たなビジネスチャンスは生まれてくる
思います。何しろイランについては1980年代に入ってか
らはほぼ根絶状態で状況がまったくわからないのが現状
です。現時点で我が社の場合ですと主要なお客様である
サウジアラビアとの政治的配慮が必要だということ。そ
もそも中東を担当するマンパワーには限界があるという
ことで、サウジアラビアの景気が回復してくるようなこ
とになれば、恐らくイランにまで手を広げる余裕は生ま
れないのではないかと考えています。とにかく中東関連
06
のですが、やはり近年の景気変動が大き過ぎるというこ
については日本としては原発が止まっている状況の中で
とで、プロジェクト自体をトータルで考える時間軸がど
安いエネルギー源を使うことができている一方で、中東
んどん長くなってしまっていることが問題だとは認識し
向けのプラントや機械輸出に大きな障害が出ているとい
ています。こればかりは先方の判断次第ということで
うのは一刻も早く改善しなければならないと考えていま
我々としてはどうしようもありません。そこに加えて、
す。要するに原油価格が上昇すればいいのですが、そう
我々の業界は基本的に受注を受けてからプラントの設計
なると為替にも大きな動きが出るということで、営業す
に入るという受注産業であることから、どうしても業績
る立場としては非常に難しい判断を強いられることには
に波が生じてしまうのは必然であり、そこをどのように
なるのですが、それは仕方がないこととして努力するし
して平準化するかは永遠の課題です。受注した仕事をこ
かありません。」
なしている間に引き続き新たな受注がちょうど良いタイ
為替に関連して、日本の輸出企業はかつての超円高時
ミングで入ってくればいいのですがそう上手くはいか
代を乗り切っての現在があるわけですが、そうした過去
ず、結果負荷変動に対応せざるを得ないのが現状です。
の経験をもってしても現在の円高は厳しいということな
お客様の景気動向に合わせていくことは宿命的なところ
のでしょうか?
があります。こうした流れに対応するためには自社設備
重 「為替関連で重要なことは円高のレベルではなく、
だけではとても無理なので、下請も含めた関連会社の皆
どちらに振れるかということだと思います。想定される
様と協力した上で、何とか乗り切る方策をしっかり構築
方向性は色々考えられる一方、現在の100円から105円と
していくことが今後は一層重要になってくるものと考え
いうレベルは、ある意味どっちに転んでもおかしくない
ています。
」
わけです。企業としては無理にでも想定幅を考え、それ
中東関連の今後の流れについて、加えて昨今イランの
を前提とした戦略を構築しなければならないものの、そ
経済制裁が一部解除されたことについてはどのようなお
この見極めがなかなかつかない。最終的にはもう少し様
考えをお持ちでしょうか?
子を見ようということで現在の停滞状況があります。こ
志方 「イランについては現時点においては様子見だと
こがはっきりするだけで状況はかなり変わってくると思
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重 洋一 Youichi Shige
木村化工機株式会社
エンジニアリング事業部
東京営業部 部長
より良い提案をし続けるという
地道な対応が一番大切になる
います。もうひとつ、どのようなビジネスでも設備投資
に踏み切る上ではスピード感が極めて重要です。世界の
趨勢を見極めた上で何をどこで作るかということです。
最近あった実例としては、太陽電池用ポリシリコンやバ
ッテリーの材料等がそれに相当します。将来的にもこう
したスピード感を持って対応しなければならない事業に
ついて、我が国の企業が積極的な設備投資と攻めの戦略
を躊躇している間に海外のライバル企業にシェアを奪わ
れるようなことは絶対に避けなければいけません。ここ
るわけにもいかない。そうなると、後はお客様ととこと
で悪循環に陥ることを断ち切るためにも決定的な判断材
ん付き合った上で、仮に雑談の中からでも新たなビジネ
料が欲しいところではあります。
」
スチャンスとなるヒントを得るといったことが今後一層
そうした状況の中で、お客様に設備投資を決心してい
重要になってくるのでないかと思います。今この瞬間、
ただくにはどのような方向性が考えられるのでしょう
お客様が困っていること、それを我々が持っているノウ
か?
ハウと技術で何とか改善することはできないか?地道で
槙島 「そこを突き詰めますと、我々プラント機器製造
はありますが、こうした時代だからこそそうしたきめ細
業としてできることは残念ながら多くはありません。ま
かな対応が活きてくる場面もあるのではないかと私は考
ったくもって基本中の基本と言うべきことではあります
えています。」
が、商品の品質性能、価格、そして納期を守るという3
重 「私も画期的な対策というものはないと思います。
点を高いレベルで磨き上げ維持していくということに尽
お二人のお話に付け加えさせていただければ、我々プラ
きるかもしれません。その上で、躊躇しているお客様の
ント製造側の一層のコストダウンも重要になると思いま
背中を押す意味で、多彩な商品ラインアップを揃えると
す。基本的にお客様にしっかりと収益を上げていただか
いうことも大切です。即ち、あらゆる課題に応えること
なければ我々のところにまでその恩恵は回ってこないわ
ができる機器の性能及び営業体制を整えるということで
けです。そこをしっかりと考えつつ、より良い提案をす
す。ここでは従来からの設備との違いを現在以上に明確
るという地道な対応こそが近道であると考えています。
」
かつ端的に説明できるようにするということも重要だと
最後に槙島部会長から会員各社に向けてのメッセージ
思います。
」
をお願いします。
志方 「やはり鍵となる技術は省エネだと思います。も
槙島 「我々化学機械業界は、恐らく今後は厳しい状況
ちろん一般に推測できる省エネ対策は出尽くした感もあ
が続くと思われます。そうした現状に元気を失うことな
りますのでそこが難しいところです。多彩多機能な商品
く、部会各社皆様が知恵を出し合い、協力できるところ
ラインアップはもちろん重要ですが、そんなに数を揃え
は協力しつつ前進していきたいと思います。
」
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07
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特集
化学機械
化学プラント機器の
要求品質への対応技術
木村化工機株式会社
開発部 材料技術チーム
佐野 耕介
1.はじめに
化学プラント機器の使用環境は、
腐食の厳しい環境や、
溶接材料が連続供給される、アークの安定性に優れる、
スラグの剥離作業が容易である等、能率にとって有利な
熱応力や振動等の繰り返し応力が発生する環境、高温環
点が多い。GTAWのように溶着速度が低く、溶接材料
境等多種多様である。当社をはじめ化学プラント機器メ
の供給を手動で行うものや、SMAWのように棒継ぎが
ーカはこれらの使用環境に耐えうるものを製作する必要
必要なものと比較すると、FCAWの能率は特に優れて
があるが、同時にオーバースペックで高コストとならな
いる。そのため、やや厚板(板厚10mm程度)の機器の
いような配慮も必要となる。
製作には、重宝される溶接法である。
機器の製作工程の中で、
「溶接」は品質やコストを左右
しかし、FCAWの溶接金属の性能に着目すると、強
する極めて重要な工程であり、
「溶接技術」は化学プラン
度は十分有しているものの、じん性や延性、高温強度、
ト業界にとって必要不可欠な技術である。そこで本稿で
疲労強度、耐食性においては、他の溶接法と比較してや
は、当社の溶接技術への取り組みの例を挙げながら、溶
や劣ることが知られている。SMAWやFCAW等のフラ
接における当社の考え方について述べたい。
ックスを用いた溶接法では、溶接金属中に球状の金属酸
2.化学プラント機器の要求品質に応じた
溶接法の選定
化物(スラグ)が残留する。スラグは溶接金属の性能低
下をもたらすが、特にFCAWでは、残留するスラグが
粗大であり、その数も多くなりやすい。写真1のように
機器の製作において、当社が汎用的に用いる溶接法と
清浄度の高いGTAWの溶接金属と比較するとその差は
して、GTAW(ティグ溶接)
、SMAW(被覆アーク溶接)、
明らかである。単に強度のみが要求される機器に対して、
FCAW(フラックス入りワイヤによる半自動溶接)があ
FCAWを適用することに全く問題はないが、使用条件
る。表1に示すように、これら3つの溶接法は、シール
の特に厳しい機器に対しては、FCAWの性質を考慮し
ド方法や溶接操作が異なっており、溶接コストや溶接金
た方がよいケースがある。しかし、厚板の機器製作に対
属の性能に違いがある。
して、能率が劣るGTAWやSMAWを適用するのは、コ
溶接コストは、溶接の能率に大きく影響され、高能率
であるほど経済的メリットは大きくなる。前述の3つの
08
溶接法のうち、FCAWには、溶着速度が高い、自動で
ストや工期の点からあまり現実的ではない。
そこで当社では、厚板の機器で、かつ使用環境が苛酷
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特集:化学機械
である場合は、SAW(サブマージアーク溶接)やGMAW
給されるため能率が良い上、溶接金属中のスラグが非常
(ソリッドワイヤによる半自動溶接)の採用を視野に入
に少なく、機械的特性にも優れている。また、GMAW
れている。これら2つの溶接法は、従来からその原理は
はSAWでは難しいノズル部の施工も可能であるため、
よく知られているが、化学プラント機器(特にステンレ
その適用範囲は広い。しかし、従来からアークが安定し
ス鋼製)への適用実績は多くないのが現状である。
にくく、溶接ビードの外観不良やブローホール等の溶接
SAWは、太径のソリッドワイヤを用いた大電流・大
欠陥が発生しやすいという課題があった。当社では、溶
入熱の自動溶接法である。極めて能率に優れており厚板
接条件の見直しにより、写真3の施工例のように、外観
の機器における周・長手の溶接に適している。また、フ
に優れ、ほとんど欠陥のない溶接ビードを形成させるこ
ラックスを用いた溶接法ではあるものの、溶接金属中の
とが可能となっている。
スラグは比較的少なく、じん性や延性に優れている。た
SAW及びGMAWの溶接金属の延性について、他の溶
だし、SAWは自動溶接であるため、溶接電流・電圧・
接法と比較するために、通常の曲げ試験よりも著しい変
開先形状・溶接速度等の条件設定が難しく、良好なビー
形を与える「密着曲げ試験」を当社にて実施した。その
ドを得るまでにはかなりの試行錯誤を要する。当社での
結果の一例を写真4に示した。本例では、FCAW及び
施工例を写真2に示す。
ビード形状や入熱量の観点から、
SMAWには割れが発生し、SAW及びGMAWには割れは
板厚25mmでは、片側2層(両側4層)以上での施工が
発生しなかった。この結果から、SAW及びGMAWによ
適している。
る溶接金属は、他の2つの溶接法と比べて優れた延性を
GMAWは、FCAWと同様の設備構成であるが、溶接
もつことが示唆される。
材料をソリッドワイヤ、シールドガスをほぼ不活性ガス
化学プラント機器の製作に適用する溶接法は、各溶接
とした溶接法である。従って、溶接材料が自動で連続供
法の特性を十分に把握した上で選定することが重要であ
表1 当社における汎用的な溶接法の比較
溶接法
溶接材料
シールドガス
溶接材料
送給方法
溶接トーチ
操作方法
GTAW
(ディグ溶接)
ソリッドワイヤ
不活性ガス
手動
手動
SMAW
(被覆アーク溶接)
フラックス被覆
活性ガス
手動
手動
FCAW
フラックス入りワイヤ
活性ガス
自動
手動
スラグ
10μm
10μm
写真1 GTAWとFCAWの溶接金属断面SEM像
(左:GTAW、右:FCAW)
表2 SAWとGMAWの比較
溶接法
溶接材料
シールド
溶接材料
送給方法
溶接トーチ
操作方法
SAW
(サブマージアーク溶接)
ソリッドワイヤ
固体シールド
(フラックス)
自動
自動
GMAW
ソリッドワイヤ
不活性ガス*
自動
手動
*O₂やCO₂を数%添加する場合が多い
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(a)
溶接ビード外観
(b)
溶接継手断面
写真2 SAW溶接継手
(SUS304、板厚25mm)
(a)
溶接ビード外観
(b)
溶接継手断面
写真3 GMAW継手
(SUS304、板厚12mm)
SMAW
FCAW
GMAW
SAW
写真4 密着曲げ試験
る。当社は、機器の使用環境に応じて溶接法を使い分け
恐れがある。当社では、炭素鋼やSUS304等の汎用材
ており、特に厳しい使用環境の機器に対しては、高能率
料からニッケル基合金やチタン等の特殊材料を取り扱っ
で、かつ溶接金属の性能にも優れる溶接法の採用によっ
ており、各々の材料に適した溶接施工管理を行っている。
て、要求仕様(=品質)を満たすだけでなく、経済性に
本項では、特殊材料の溶接の注意点の一例として、二相
も配慮した施工技術を確立している。
ステンレス鋼の溶接について述べる。
3.
二相ステンレス鋼の溶接
10
二相ステンレス鋼はフェライト相(α相)とオーステ
ナイト相(γ相)の2つの相がほぼ等量で含まれた材料
化学プラント機器に使用される材料は多種多様であ
である。耐食性に優れており、SUS304等の汎用γ系
り、使用環境に応じて選定される。しかし、本来優れた
ステンレス鋼で問題となる応力腐食割れへの耐性が非常
性質を持つ材料であっても、その溶接における特性を理
に高い。また、強度が高く薄肉化が可能であること、省
解せずに施工すると、材料の性質を著しく損ねてしまう
Niで価格安定性に優れていることから、コストパフォ
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特集:化学機械
因として、鋼中に含まれる窒素の挙動がある。窒素は二
ーマンスの良い材料である。
二相ステンレス鋼は優れた材料であるが、その溶接
相ステンレス鋼のγ相の形成や耐食性にかかわる重要な
に つ い て は 注 意 を 要 す る。 写 真 5 に SUS329J4L の
元素であるが、材料中に含まれる窒素は溶接中に散逸し
GTAW溶接継手の断面組織を示す(写真5(b)参照)。溶
てしまうことが知られている。この傾向は特にGTAW
接金属の最終層は、写真5(d)のようにγ相の生成が少
で顕著である。
なく、α相が極めて多い組織となっている。α相過多に
溶接金属の相比を維持し、かつ耐食性を維持するには、
なると、耐食性や衝撃値が低下するため、顧客からの要
溶接金属からの窒素の散逸を抑えることが必要である。
求仕様として、相比の保証を求められるケースがある。
当社では、その方法としてGTAWにおいて、シールド
なお、溶接金属の中間層で相比が回復しているのは、後
ガス中に窒素を数%添加している。シールドガスを100
続の溶接により再熱を受けるためである(写真5(c)参
%アルゴンガスとしたものと、アルゴンガスに窒素ガス
照)。
を混合したものの金属組織を比較すると(写真6参照)、
二相ステンレス鋼の溶接金属の相比の崩れの大きな要
前者では相比が崩れ、α相が多くなっているのに対して、
20μm
(b)
母材
(d)
(c)
(b)
20μm
(c)
溶接金属
(中間層)
20μm
(a)
断面マクロ像
(d)
溶接金属
(最終層)
写真5 SUS329J4LのGTAW溶接継手の金属組織
溶接金属
溶接金属
母材
母材
0.5mm
20μm
(a)
シールドガス:アルゴンのみ
0.5mm
20μm
(b)
シールドガス:窒素混合ガス
写真6 肉盛溶接部断面
(GTAW)
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溶接金属
(消失)
溶接金属
母材
母材
1mm
(a)
シールドガス:アルゴンのみ
1mm
(b)
シールドガス:窒素混合ガス
写真7 浸漬試験後の溶接試験片
(ASTM G48 A法、GTAW、溶加材なし)
後者では適正な相比となっている。耐食性については、
けている。特に厳しい使用環境の機器では、SAW
浸漬試験にて比較している(写真7参照)。前者では腐
やGMAW等の高品質・高能率溶接法を用いること
食によって溶接金属がほとんど消失しているのに対し
で、溶接金属の性能を確保し、かつ経済性にも配慮
て、後者では腐食はほぼ見られない。このように、シー
可能な溶接施工方法を確立している。
ルドガスに窒素ガスを添加することで、溶接金属の適正
な相比と耐食性を確保することが可能となる。
② 本来優れた材料であっても、溶接施工を誤ると材
料の性能を損なってしまう。そのため、材料の溶接
二相ステンレス鋼は、SUS304等の汎用γ系ステン
における特性を理解した上で、溶接施工管理を行う
レス鋼とほぼ同様の感覚で溶接できるため、その管理に
必 要 が あ る。 二 相 ス テ ン レ ス 鋼 SUS329J4L の
ついても同等に扱いがちである。二相ステンレス鋼の溶
GTAWにおいては溶接金属の相比の崩れや耐食性
接金属の特性を理解せずに施工してしまうと、納入後、
低下が問題となるが、シールドガスを窒素混合ガス
溶接金属だけが腐食する等のトラブルが発生することは
とし、溶接金属からの窒素の散逸を防ぐことで相比
十分に考えられる。そのようなトラブルを未然に防ぐた
と耐食性の維持が可能となる。
めには、材料の特性に合わせた溶接施工管理を行うこと
が重要である。
4.おわりに
これらのテーマを通して、化学プラント機器製作にお
ける当社の溶接に対する考え方を述べた。溶接技術は化
学プラントを支える、なくてはならない技術である。溶
接に携わる技術者が年々減少しつつある中で、このよう
今回紹介した2つのテーマを以下にまとめる。
な取り組みを継続することが、本業界の維持・発展にと
① 溶接法ごとに能率や溶接金属の性能は異なるた
って重要である。
め、当社は機器の使用環境に応じて溶接法を使い分
12
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特集
化学機械
ササクラ・ヒートポンプを使った
省エネ蒸発濃縮装置
株式会社 ササクラ
水処理事業部
水処理技術室長 石田 和彦
1.はじめに
ら培ってきた技術であり、水平管式蒸発器とヒートポ
ンプを組み合わせた装置が、VVCC型濃縮装置である。
VVCC型濃縮装置の概略フローを図1に示す。
当社は、海水淡水化装置の専門メーカとして創業以来
たゆまぬ研究開発と技術の蓄積を重ね、現在では業界屈
① 蒸発器内は、真空ポンプで常に真空が維持されて
指の技術と実績を有するリーディングメーカの地位を確
おり、原液は循環ポンプにより蒸発器上部から伝熱
立している。中東諸国をはじめ世界の多くの国々に当社
管群に均一に散布され、管外を薄膜状に流下する。
の製品が納入され、
「海水淡水化のササクラ」として絶大
② 伝熱管表面にて蒸発した蒸気はヒ-トポンプに取
り込まれ圧縮・昇温された後、加熱源として伝熱管
な信頼をいただいている。
内部に送り込まれる。
当社のMVRの取り組みは、1983(昭和58)年にVVC
型海水淡水化装置の初号機を納入し、海水淡水化装置で
③ 伝熱管内では高流速で蒸気が流れるため、凝縮液
積み重ねた技術を応用して1987(昭和62)年に濃縮用
膜が薄く、非凝縮ガスや凝縮液膜による伝熱抵抗が
途にVVCC型濃縮装置として販売を開始した。高い伝熱
ヒートポンプ
性能を持つ蒸発器と自社設計・製作のターボ式ヒートポ
真空ポンプ
ンプ(当社では蒸気圧縮機をヒートポンプと称する)や
ルーツ式ヒートポンプを用い、各種プロセス溶液や排水
からの水回収・有価物回収・溶液の減容化等、目的に合
わせて最適なシステムを提案し、幅広い業界にご使用さ
凝縮水
ポンプ
れ、ご評価をいただいている。
2.VVCC型濃縮装置について
⑴ 当社のVVCC型濃縮装置概要と作動原理
凝縮水
VVCC蒸発器
原液
原液
予熱器
当社の省エネルギーの特長としては、
「水平管式蒸
発器」と「ヒートポンプ」の組み合わせが挙げられる。
水平管式蒸発器は、上述の海水淡水化技術で古くか
濃縮液
循環ポンプ
図1 VVCC型濃縮装置概略フロー
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小さくなる。管外も薄膜蒸発であることから、液深
音壁なしで、装置機側1mで85dB程度。
による非平衡温度差もほとんどなく、高い伝熱性能
・ヒートポンプに付帯する補機、センサー類の点数が
を有することになる。このため、わずかな温度差で
少なく、制御、構造ともにシンプルで操作、メンテ
蒸発と凝縮を繰り返すことができる。伝熱管内で凝
ナンスが容易。
縮した蒸気は、凝縮水となって系外へ排出される。
当社の自社製作によるヒートポンプは、蒸発能力と
④ 原液の濃縮が進み、所定の濃度まで濃縮された液
して1t/日~数百t/日の濃縮装置へ適用できるように
(濃縮液)は、循環ポンプにて循環ラインから分岐
され系外に排出される。
取り揃えている。
当社のターボ式ヒートポンプは1台当たりの圧縮温
起動時には熱源としての蒸気を使用するが、順調
度差が4~9℃であるが、高沸点上昇の液等、高い圧
に蒸発運転が進めばヒートポンプ動力と、バックア
縮温度が必要な場合は、ヒートポンプを直列に複数台
ップ用の若干量の蒸気のみで濃縮運転が可能であ
配置して多段圧縮することで温度差を稼ぐことも可能
る。
である。ただ、イニシャルコスト、機器点数、保守の
⑵ 当社で用いられるヒートポンプ
面で、できるだけ1台での高圧縮が望まれるため、蒸
当社のVVCC開発以前からMVR濃縮装置の実用例
発量が1~60t/日規模のものについては、近年、ル
は数多くあったが、なかなか実用機として広がらなか
ーツ式ヒートポンプを採用し、1台で圧縮温度差が
った。主な理由は、従来の蒸気圧縮機が高速タービン
20℃まで可能となった。
としてのシステムであり、複雑でスペシャリストによ
るメンテナンスが必要であったためである。
当社のターボ式ヒートポンプは送風機用のブロワを
真空蒸気圧縮用に開発を重ねたものであり、以下の特
徴を持っている。
蒸発量60~100t/日規模については、新型ターボ
式ヒートポンプを開発して9℃まで圧縮が可能になっ
た。写真1に9℃圧縮のヒートポンプを搭載した蒸発
量91t/日のVVCC型濃縮装置の外観を示す。
現在、200t/日規模の8℃圧縮ヒートポンプを開発
・回転数が低い(3,000〜4,500rpm)。
中であり、2016年度中に完成予定である。2018年
・大風量・高圧縮ヒートポンプのインペラー形状は3
度を目標に30~60t/日用の8℃圧縮ターボ式ヒート
次元羽根を採用し高効率(効率=約65~75%)。
ポンプを開発予定である。将来、海水淡水化装置や大
・真空下での運転に加えて、動力、回転数が低いため、
型濃縮装置の用途を想定して1,000t/日規模のものま
ベアリング、シール部分が高寿命。
・騒音値が比較的低い。大風量の大型濃縮装置でも防
で開発する予定をしている。
※上記圧縮温度は運転条件により変動する。
⑶ ランニングコストメリット
当社ヒートポンプ式のVVCC濃縮装置と、従来型の
蒸気利用型装置での定常状態でのランニングコストを
比較したものを、図2に示す。
【計算条件】
お茶(1~2%)を10倍濃縮するケースで試算
蒸発量:25t/日、50t/日、100t/日の3ケース
稼働率:24hr/日、350日/年
【ユーティリティ単価】
電気単価:13円/kWh
蒸気単価:5.5円/kg
※冷却水
(循環使用)
・上水は計算から割愛。
写真1 高圧縮ヒートポンプ搭載濃縮装置 外観
14
ご覧いただいた通り、VVCC型濃縮装置の採用によ
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特集:化学機械
¥250,000,000
年間コスト
¥200,000,000
約1/15
に低減
¥150,000,000
¥100,000,000
約1/12
に低減
約1/10
に低減
¥50,000,000
¥0
25t/日
蒸気式
25t/日
VVCC
50t/日
蒸気式
50t/日
VVCC
100t/日
蒸気式
100t/日
VVCC
図2 当社VVCCタイプと蒸気式のランニング比較
り、最大1/15と、大幅なランニングコストの削減がで
きる計算になる。処理量(蒸発量)が大きければ大きい
ほど、コストの削減に貢献することが可能となる。
3.高沸点有機溶剤排水の導入事例
フローを示す。
伝熱管表面で蒸発した蒸気は蒸留塔を通り、有機溶
剤をほとんど含まない蒸気となってからヒ-トポンプ
に取り込まれ圧縮・昇温される。発生した蒸気はヒー
トポンプで圧縮・再利用されるため、VVCC型濃縮装
置同様、立上げ時には熱源としての蒸気を使用するが、
⑴ 概要
近年、高沸点の有機溶剤(NMP、DMSO、MEA、
DMAc)等を対象とした蒸留装置を某蒸留塔メーカと
共同開発し、提案を行っている。従来、蒸留等の分離
定常時になるとヒートポンプ動力と、バックアップ用
の若干量の蒸気のみで濃縮運転が可能である。
⑶ ランニングコスト試算
は多量にエネルギーを消費するプロセスであったが、
表1に各種方式のランニングコスト試算結果を示す。
当社の高い伝熱性能を有する蒸発器とヒートポンプ技
蒸留塔とヒートポンプ式濃縮装置を組み合わせるこ
術により大幅な省エネルギーが達成できた。
とで、凝縮水のNMP濃度を下げることができ、後処
理への負荷低減が可能である。凝縮水はリサイクル、
⑵ 概略フロー
図3に高沸点有機溶剤含有排水対応ヒートポンプ式
蒸発濃縮装置(SOLSTEP-HP/RVCC+Sol.)の概略
濃縮液は有価物として回収することも可能となる。
4.ヒートポンプ増設改造事例
⑴ 概要
既設の濃縮装置には未だに大量の蒸気を消費してい
るものが数多くある。当社では新規濃縮装置の販売だ
蒸留塔
真空ポンプ
ルーツ式
ヒートポンプ
けでなく、既設の蒸気加熱式濃縮装置へヒートポンプ
を増設することで省エネルギー性の優れた装置へと改
造する提案も行っている。
畜産エキス抽出プラントにて既設蒸発濃縮装置を改
原液
予熱器a
造し、蒸気圧縮用ヒートポンプを組み合わせることで
凝縮水
ポンプ
蒸気消費量を削減した事例を紹介する。
凝縮水
VVCC蒸発器
原液
⑵ 概略改造フロー
図4に改造前とヒートポンプ追加改造後の概略フロ
ーを示す。
濃縮液
原液
予熱器b
循環ポンプ
図3 蒸留塔付き濃縮装置概略フロー
改造前は熱源として蒸気を加熱器へ導入し、原液を
加熱し、蒸発缶で蒸発濃縮させていた。蒸発缶で蒸発
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表1 ランニングコスト試算
蒸発濃縮装置※1
(ヒートポンプなし)
処理装置
蒸発濃縮装置
(ヒートポンプ式)
原排水量
初期条件
蒸留塔付きヒートポンプ式
蒸発濃縮装置
1,000kg/h
NMP濃度
5wt%
処理水量
877kg/h
879kg/h
923kg/h
処理水NMP濃度
1.5wt%
1.6wt%
0.4wt%※4
濃縮液量
123kg/h
121kg/h
77kg/h
濃縮液NMP濃度
30wt%
30wt%
60wt%
濃縮液処理費
5円/kg
5円/kg
※2
−20円/kg
(有価償却)
ヒートポンプ動力
ー
44kW
62kW
処理後
全熱量
580kW
44kW
62kW
(12円/kWとして)
用役費用※3
6,966円/kg
522円/kg
743円/kg
用役費用
(回収NMP1kg当たり)
188.78円/kg
14.4円/kg
16.1円/kg
ランニングコスト
(濃縮液処理費用加算)
7,581円/h
1,127円/h
−797円/h
ランニングコスト
(濃縮液1kg当たり)
61.6円
9.3円/kg
−10.4円/kg
※1 単蒸発器で試算
※2 濃縮液の条件により変動あり
※3 定常状態でのエネルギー試算
(ポンプ、制御盤含まず)
※4 オプションにてNMP濃度を更に下げることも可能
冷却水供給
冷却水戻り
コンデンサ
ルーツ式
ヒートポンプ
(増設)
真空ポンプ
蒸発缶
蒸発缶
加熱器
真空ポンプ排気
改造
加熱器
(改造)
蒸気
補助蒸気
凝縮水
凝縮水ポンプ
真空ポンプ排気
蒸気ドレン
真空ポンプ
濃縮液
濃縮液
原液
原液
改造前
ヒートポンプ増設後
凝縮水
凝縮水ポンプ
(増設)
図4 ヒートポンプ追加改造事例
した蒸気はコンデンサへ導かれ冷却水で凝縮させ、系
外へ排出していた。
ヒートポンプ追加改造後は、蒸発缶で蒸発した蒸気
なれば、ヒートポンプの動力と僅かな外部からの熱源
で濃縮ができるため、省エネルギーで運転することが
をルーツ式ヒートポンプへ導き、圧縮、昇温して加熱
できるようになった。
用の蒸気として加熱器へ導入するようにした。ヒート
⑶ ランニングコスト比較
ポンプの圧縮温度差は最大20℃であったため、加熱
16
起動時は蒸気を供給する必要があるが、定常状態に
① 比較条件
器の伝熱面積を約40%増加させることで蒸発量を確
蒸発能力:2,500kg/h
保した。
用役単価:電気13円/kWh、蒸気5.5円/kg
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特集:化学機械
② 改造前
電気消費量を31.2kWhとして、
5.おわりに
31.2kWh×13円/kWh=406円/h
高い伝熱性能を持った蒸発器を用いることで、ヒート
蒸気消費量を2,700kg/hrとして、
ポンプの動力を小さくすることが可能となり、そこに効
2,700kg/h×5.5円/kg=14,850円/h
率の高いヒートポンプを組み合わせることで、更にエネ
合計:15,256円/h
ルギー使用量を低く抑えることが可能である。濃縮装置
③ ヒートポンプ増設後
用に開発されたシンプルなヒートポンプの採用によりメ
電気消費量を249.7kWhとして
ンテナンス間隔を長くすることができ、メンテナンスコ
249.7kWh×13円/kWh=3,246円/h
ストも削減できる。既存の蒸気式や圧縮比の高い蒸気圧
蒸気消費量を10kg/hrとして
縮機をご利用のお客様にとって、当社のヒートポンプを
10kg/h×5.5円/kg=55円/h
採用いただくことでユーティリティ費やメンテナンス費
合計:3,301円/h
全てを含んだライフサイクルコストを大幅に低減するこ
以上により、ランニングコストを約78%減少させ
ることができた。
とができる。
今後もあらゆる分野の「蒸発操作」を省エネルギー化
すること、及びマテリアルリサイクルや環境負荷低減す
ることで、人と暮らしを支えていきたいと考えている。
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特集
化学機械
吊下型遠心分離機の特徴と
糖類以外への適用
月島機械株式会社
エンジニアリング本部 機器設計部
分離グループ
渡会 知則
1.はじめに
吊下型遠心分離機は、1907(明治40)年に納入を開
しては主に砂糖・異性化糖であるが、カルシウム塩への
適用事例もある。納入先は国内、タイ、インドネシア等
の東南アジア諸国を主市場とし、東アジア、西アジア、
始してから国内外に1,500台を超える納入実績がある
アフリカ、中米にまでわたり、砂糖・異性化糖の安全で
が、その中でも自立型全自動吊下型遠心分離機は1982
安定的な生産に長い間寄与している。本稿では、吊下型
(昭和57)年の1号機納入から数々の改良・改善を重ね、
遠心分離機の特徴、構造の説明に加え、糖類以外の処理
2016(平成28)年8月現在で900基以上の納入実績を
有する当社の主力機器のひとつである。適用処理物例と
物質への適用例について述べる。
2.吊下型遠心分離機の特徴
吊下型遠心分離機は、回分式遠心ろ過竪型底排型の遠
心分離機として分類される。
遠心ろ過竪型分離機は、竪型の有孔バスケット内にろ
布や金網等のろ材を装着して固液分離を行うものであ
る。回分式分離機は、スラリー供給・振り切り・結晶掻
取時のバスケット回転数を任意に設定することができる
ことから結晶非破壊性が高く、高度の脱水及び洗浄効果
を得ることができるバッチ処理型の分離機である。
このうち吊下型遠心分離機は、一般的な回分式遠心ろ
過竪型底排型分離機と比較し、以下の特徴がある。
⑴ 1バッチ当たりの大処理が可能
バスケットを支持する軸受ユニットがバスケット上
方にあり、回転体全体が揺動できる構造のため、軸受
に加わる負荷・振動荷重を低減できる。
図1 吊下型遠心分離機 外観
18
このため、実液運転中のアンバランスに対する耐揺
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特集:化学機械
動性、耐振動性が高くなり大容量のバスケットが搭載
ため、低速での給液も可能であることから、スラリー
できる。
性状に応じて給液回転数を設定できる。
⑵ 1バッチ当たりの処理時間短縮が可能
⑶ 駆動ユニット
モータや回転体をマウントするケーシングの剛性を
駆動用モータを回転体上方に配し、カップリングを
高くすることができ、大容量のモータを搭載できる。
介してシャフトに電動機回転を伝える構造となってい
このため、加減速時間を短くすることで1サイクル
時間が短縮でき、単位時間当たり処理量が大型化でき
る。
⑶ 低含液率結晶を得ることが可能
吊下型遠心分離機特有の構造により、高いバスケッ
ト回転数での安全・安定運転ができる。
このため、高い遠心効果(G)が得られ、結晶含液
率を低減させることができる。
3.吊下型遠心分離機の構造
吊下型遠心分離機は、バスケット回転軸上方に配した
る。
回転体と同軸上にあり、回転の伝達は独自のカップ
リングにより行うので、駆動用モータと回転体を支持
するケーシングの剛性を高めるだけで、軸受ユニット
を大型化せずともモータを大型化することも可能であ
る。
⑷ 排出ユニット
脱水後の結晶は掻取工程に到達後、掻取装置にて全
自動でバスケットより排出される。バスケット回転体
に付属したバスケットバルブが排出時に回転軸に沿っ
て上昇し、バスケット底部の結晶出口が開口する。
電動機の回転をカップリングを介してシャフトに伝達
掻取動作速度を可変させることができるため、結晶
し、シャフト下端で連結されているバスケットを回転さ
破砕を避けることができる上、排出コンベア能力に合
せることで、バスケット内に供給したスラリーを遠心分
わせた結晶排出を行うことが可能である。
離する。
各構成ユニットは以下の特徴を持つ。
⑴ 軸受ユニット
結晶掻き取り用スクレーパとスクリーンのクリアラ
ンスを任意に設定可能で、スクリーン上の残結晶厚み
を調整することができる。
回転体支持部である軸受ユニットは、回転体を支持
するベアリングユニットが球面軸受と緩衝部品を有
し、回転軸下端で連結されたバスケットが揺動しなが
ら回転できる構造となっている。
ユニット部品となっており、バスケット回転体との
駆動ユニット
組み合わせ自由度が高く、耐揺動性・耐振動性の向上
を目的として大型化することが容易である。
⑵ バスケットユニット
軸受ユニット
竪型の有孔バスケットにろ布や金属等のろ材を装着
する構造となっている。
1,000kg/ バ ッ チ 以 下 の 分 離 機 で は 遠 心 効 果
ケーシング
排出ユニット
1,000G以上での高G運転も可能で、分離性が悪いス
ラリーにも対応できる。また、振切時間を短縮するこ
とが可能である。
結晶排出口にはバスケットバルブという排出蓋を設
スクレーパ
けており、ケーキ排出時のみバスケットバルブが回転
バスケットユニット
軸に沿って上昇し排出口が開くため、供給時の結晶排
バスケットバルブ
出側へのスラリー漏れを防ぐことが可能である。この
図2 吊下型遠心分離機 構造図
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結晶洗浄は加速中(第2加速、第3加速)の任意の
4.糖類以外への適用
回転数において設定可能で、脱液後の残水分及び、洗
浄を高度に制御することが可能である。
工業的に生産される多種多様な物質の分離工程で竪型
底排型分離機は広く適用されてきたが、下部駆動型の底
スクリーン洗浄は掻き取り後のろ材上の残結晶を少
排型分離機では回転体下方に軸受ユニットと駆動ユニッ
なくできることとバスケットバルブが付属し、結晶排
トが配されるため、処理量増大に伴い駆動用モータを大
出時以外は結晶排出側への洗浄水落下がないことから
型化する際には回転軸同軸上に配することが困難となり
洗浄が効率的に行えるため、短時間での洗浄が可能で
V ベ ル ト 駆 動 と す る、 等 の 機 械 構 造 上 の 制 約 か ら、
ある。
⑵ 分離性テスト結果
1,000G付近での振切運転は一般的にされていない。
これまで一般的な竪型底排型分離機を適用していた物
チューブテスト機及び、吊下型遠心分離機パイロッ
質に吊下型遠心分離機を適用し、高い遠心効果(G)に
トテスト機を用いて表1に記載の物質について分離性
おける振り切り運転の効果について、分離テストを実施
テストを行い、チャージ状態と1サイクル通しての運
した。
転状態観察、遠心効果の相違による水分値比較を行っ
⑴ 吊下分離機運転サイクル
た。
図4、図5に脱液時間とケーキ水分値の関係を示す。
吊下型遠心分離機のサイクルチャートを図3に示
チューブテストにて行った一般的な竪型底排型分離
す。
機での分離工程における遠心効果(560G)と吊下型
供給・加速・振切・減速・掻取を1サイクルとし、
供給速、振切速はスラリーの状態に併せて任意の回転
遠心分離機での遠心効果(1,397G及び、1,300G)の
数に設定可能である。
比較では、高Gの方が水分値が低減し、また、同一の
第2加速
中間速
給液
排出
第3加速
第1加速
S1
S2
S3
No2.結晶洗浄
(S4)
(S5)
S6
振切り
W2
S7
S8
減速
No1.結晶洗浄
回転数
W1
スクリーン
洗浄
W3
分離工程
0
時間
図3 吊下型遠心分離機運転サイクルチャート
20
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特集:化学機械
表1 テスト物質物性一覧
分類
平均粒径
(μm)
見掛け比重
TPA
有機化合物
150∼200
1.0
ニ水石膏
無機化合物
80
1.0
7.0
チューブテスト560G
6.5
チューブテスト1,397G
6.0
吊下型遠心分離機
パイロットテスト1,397G
含液率
(wt%WB)
5.5
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
0
50
100
150
脱液時間
(sec)
200
250
図4 TPA脱液時間とケーキ含液率の関係
20.00
チューブテスト560G
18.00
チューブテスト1,300G
16.00
吊下型遠心分離機
パイロットテスト560G
吊下型遠心分離機
パイロットテスト1,397G
含液率
(wt%WB)
14.00
12.00
10.00
8.00
6.00
4.00
2.00
0.00
0
50
100
150
200
250
300
脱液時間
(sec)
350
400
450
500
図5 ニ水石膏 脱液時間とケーキ含液率の関係
水分値でみると脱液時間が短縮する結果が得られた。
ージ方法にて供給し、バスケット内のチャージ状態を
吊下型遠心分離機パイロットテスト機によるテスト
観察したが、スラリー厚みが厚くてもスラリーをバス
でも上記の結果は得られたが、処理物質によってはチ
ケット内に均一厚さでチャージできており、吊下型遠
ューブテストの結果と含液率に差が生じる場合もあ
心分離機の揺動しながら分離する機械的特徴を活か
る。実機に近いパイロットテスト機によるテストは、
し、高い遠心効果(回転数)の下で安定的に分離操作
性能を把握し、サイジングする上で有効である。
を行えることが確認された。
一方、
パイロットテスト機でのテスト運転において、
いずれの物質でも底排型分離機で適用されているチャ
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5.おわりに
回分式遠心ろ過竪型底排型分離機は、スラリー供給・
リー性状が不安定な物質でも揺動しながら分離運転を行
うことができる特徴を活かしてきた。
振り切り・結晶掻取時のバスケット回転数を任意に設定
今回、主に糖類の分離という特定プロセスに適用され
することができることから結晶非破壊性が高く、高度の
てきた吊下型遠心分離機の異なるプロセスへの適用事例
脱水及び洗浄効果を得ることができるため様々な分野の
について述べてきたが、普遍のニーズである処理能力改
分離工程に適用されてきた。一方で、一般的な底排型分
善、製品品質の高付加価値化、省エネといったキーワー
離機は大容量のバスケットを高い遠心効果で運転するこ
ドに応えた提案ができるよう、今後も継続して既存機器
とができず、処理量増大のためには複数台配する必要が
の技術的ブレークスルーを目指す所存である。
ある。
〈参考文献〉
これに対し、吊下型遠心分離機は機械構造上の特徴か
1 一瀬栄二・奥田三千男「吊下分離機」、
『月島機械100年の技術』
、
ら大容量のバスケットを高い遠心効果で運転することが
2 「改訂増補 遠心分離 工場操作シリーズ」No.12、㈱化学工業社、
でき、処理量増大、結晶水分の低減を達成することがで
22
きる。これまでは糖類の分離工程で広く適用され、スラ
pp.108-115、2005年
1974年
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特集
化学機械
IT分野、エネルギー分野で用いられる
当社の粉砕技術
ホソカワミクロン株式会社
粉体システム事業本部
営業統括部 大阪営業部 営業2課
課長 佐々木 義高
1.はじめに
誘電体は酸化チタンや炭酸バリウム等粉体原料を混
合し、高温下で反応させて合成する。この反応には異
本年創業100周年を迎えた当社では、多くの産業分
種原料が互いに接触している必要がある。原料サイズ
野に粉体技術を通じて多くの装置を納入してきた。国境
が大きいと内部が反応しにくい。また誘電体層は薄い
を越えて機器販売網を世界に広げてきた「国際化」と、
ほど静電容量を高くすることができ、誘電体材料の微
産業分野の垣根を越えて粉体技術で行き来する「業際化」
粉化が求められる。ここで採用されるのが当社微粉砕
の歴史と言える。
機シリーズである。
納入実績は化成品、食品、建材、医薬品、車、エネル
ギー、IT等と多岐の分野にわたる。当社の機器は中間工
⑵ 機器の特長
チタン酸バリウム系の材料は摩耗性が高く、粉砕機
程で多く用いられ最終製品であることは少ないが、製品
用途の性能に寄与している。当社の装置が用いられた商
品が、世界中の人々の暮らしのどこかで貢献できている
のではないかと考える。
ここでは現代社会基盤を支えるIT分野、エネルギー分
野で用いられる粉砕のアプリケーションを紹介する。
2.積層セラミックコンデンサ向け粉砕装置
⑴ 装置の概要
積層セラミックコンデンサは電子回路の重要なデバ
イスのひとつであり、粉体を原料として製造される。
スマートフォン1台当たりに約400個程度が実装さ
れ、高性能化を支えている。小さなデバイスサイズで
大きな静電容量を実現するため、厚さ1μm程度の誘
電体を層状に多数重ねた構造となっている。
写真1 イノマイザINM-30
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23
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写真2 ACMパルベライザACM-15HC
写真3 ACM-HC構造
摩耗対策が必要となる。当社のイノマイザでは超硬製
アプリケーションである。その用途はEV、HV自動車
ハンマ、WC溶射等を施し製品への金属コンタミ量低
用、PCハードディスク用VCMを中心にエアコン、掃
減を実現している。
除機等の省エネモータに広がっている。今後は作業ロ
また当社ACMパルベライザでは粉接部オールセラ
ボットの普及に伴い、更なる用途拡大が期待される。
ミック仕様を実現している。品種変えの際の分解、清
原料は大気下では発火の性質があり、水分や少量の
掃性を高めた設計であり、割れやすいデリケートなセ
酸素が存在すると酸化・劣化する。磁石の性能を上げ
ラミック部品の取り扱いにも考慮している。
るには不活性ガス雰囲気での操作が求められる。当社
では不活性ガスコンプレッサを組み合わせた独自の循
3.希土類磁性材料向け粉砕装置
環回路システムを提供する。
⑵ 装置の特長
⑴ 装置の概要
現在磁石材料の主流となっているネオジム−鉄−ボ
ロン合金は、当社が1980年代より販売を続けてきた
コンプレッサ
熱交換器
ファイントロン FT-N
ミクロンジェットT MJT
① オンライン粒度分布測定
粉砕製品がどのような粒度分布であるかをリアル
オプティサイザXO
サイクロン
パルスジェットコレクタ
ダブルダンパ
原料
製品
微粉
図1 循環回路システムフロー
24
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特集:化学機械
サンプリングノズル
サンプルエア
入口弁
粉体空気輸送ライン
(粉体の流れ)
出口弁
シースエア
パージエア
パージエア
(粉体の流れ)
図2 Optisizer
タイムにモニタリングすることで品質管理、工程管
り製品粒度分布を任意に変化させることができる。
理に用いられる。
磁石の品質目標に応じて粒子径をコントロールした
② MJT(ミクロンジェットT型)
当社従来機である流動層式カウンタージェットミ
ル(AFG)は機内に意図的に滞留させる構造であり、
原料中に割れやすい成分がある場合は初期的に製品
いニーズに応えている。
4.おわりに
粉砕機は当社創業時からの取り組みであり、100年
の組成配分が変わることが懸念される。
の時間を経て引き継がれてきた技術である。しかし、時
ターゲット式ジェットミルミクロンジェットT型
代の要請に応えて機器本体、装置全体にも工夫を加えて
(MJT)は機内滞留量が少なく、運転初期、定常時、
産業の発展に寄与してきた。これからも新たな要求に応
終了時にわたり組成配分の均一化に寄与している。
えられるよう努力していかねばならない。
また、当社開発の高性能気流分級機が内蔵されてお
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25
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Interview with
Ichiro Kurata
部会長がタンク業界の現状について語る
今までと同じことではなく
新たな提案を考え実行に移していくことが、
タンク業界の未来のためには必要
国内外ともにマーケットが縮小傾向にあるタンク業界の現状。その状況を打破するた
めにすべき課題や今後の展望等について、新しく就任された倉田一郎部会長(JXエン
ジニアリング株式会社 代表取締役社長)に語ってもらった。
26
それではまず最初に、2015年度から本年度前半にお
体をボトムアップするような動きは見当たりません。現
けるタンク業界の概況についての説明をお願いします。
在は設備をいかに効率良く運用するかということが観点
「国内におけるタンク業界の状況は、基本的には比較
になっています。大きなフローの中で貯蔵するというこ
的堅調なのではないかと思います。特需といってしまう
とは、タンクはなにかしらのバッファでしかなく、設備
と語弊がありますが、2003年に起きた十勝沖地震より派
投資の増加や発想の転換がない限り絶対数が増えていく
生した法改正対応となる浮屋根タンクの耐震補強工事
ということは考えにくい状況です。こうした状況の中で
を、
2017年3月末までに終わらせなければならないため、
次の課題としては、新設工事や大規模修繕だけにとらわ
業界全体としては追い風となっております。当社もここ
れず、周辺設備や付帯工事、運用やメンテナンスにも目
数年、タンクメンテナンスの売上の中で、当該工事はか
を向ける等視点を変える必要に迫られているのだと思い
なりの部分を占めておりました。しかし、耐震補強工事
ます。」
が終了してしまった後、これに代わるものがあるのかと
そうした厳しい状況の中で、どのような方向性を持っ
言われると、見当たらないのが現状です。また、原油や
て事業に向き合うことが重要だとお考えでしょうか?
石油製品タンクに代わる新たなマーケットとして期待さ
「会員各社の共通課題と認識しておりますが、①技術
れていたLNG貯蔵設備ですが、国内1次基地建設は既
伝承、②人材確保という大きな課題を抱えております。
に飽和状態まで達しており、2次基地建設へ波及が進む
技術伝承というのは、基準や標準というものを整備・活
ことを期待しています。また海外では新興国地域での輸
用し、トライ&エラーを重ねて定着していくものです。
入基地計画が活発であり、単独でのチャレンジよりも日
そのためにも、学ぶ場、つまりは作業現場というものが
本企業のチームでチャンスを模索するような動きが出て
必要になってきます。しかし、現在はメンテナンスが中
くるのではないかと考えています。最後にエネルギーの
心であり補修改造が主になっているのが現状で、それだ
安定供給・確保のためにも、原油・LPGと続いた国家備
けではメーカーとしての技術伝承はつながりにくく、タ
蓄政策の次なるステージへと、働きかけなければならな
ンク新規建設、あるいは大型改造等に携われるチャンス
いと認識しております。
」
を作らないと、きちんとした中で技術伝承や人材育成が
来年度以降の見通しについても、お聞かせいただけま
できにくくなっているのが実情かと思います。また知識
すでしょうか?
を持った年代とこれらを継承する世代との間にもかなり
「先ほどお話しした耐震補強工事案件が2017年3月末
ギャップが生じており、その部分をどのように埋めて、
で終了することになると、これに続くタンク設置基準の
次世代へしっかりと移行させていくことが喫緊の課題と
見直しや、消防法改正等の主だった動きはなく、業界全
認識しております。②人材確保についても、設計部門も
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当然ながら現場に携わる者の確保も課題です。①②とも
海外からの人材導入について議論にも上りますが、言葉
の問題等解決しなければならないことが大きいと感じま
す。国内ルールへの理解・技術の習熟、安全性の確保等
言葉の問題以上にクリアしなくてはならないことも多
く、
早計に取り組める域までは達していないと考えます。
他方、ブレークスルーのポイントになるのではないかと
考えているのが、作業の自動化、無人化にいかにシフト
できるか、省力化をいかに図れるのか我々に与えられた
解決せねばならない課題であり、チャンスではないかと
考えています。基本的には課題ばかりが多いのですが、
マーケットが縮小していることを、逆に捉えしっかりと
した技術基盤をつくっていくチャンスなのではないかと
考えています。
」
人材の確保という意味ではグローバルな担い手がいれ
ばいいのかもしれませんが、日本人の若手技術者がレベ
ルアップする機会というのは、つくっていきたいとお考
えですか?
ていくことで、新たな展開が生まれてくるのではないか
「個人的には日本人でなくてもかまわないと思います。
と期待をしております。」
日本人の場合、豊かになってこの仕事に魅力を感じてく
水素社会の形成という観点から、水素ステーションと
れる人が少なくなっていると感じており、日本の若者ガ
か2020年東京オリンピック、パラリンピックに向け
ンバレという気持ちはありますが、それは単なる郷愁と
て、部会としての展望等はありますか?
いうか、そういうことをやってくれる人がでたら非常に
「タンクに関しては、残念ながらまったくないと言っ
うれしいというレベルです。現在の日本の2次産業が置
ていいでしょう。東京オリンピック・パラリンピックが
かれた環境の中で、どの程度の人がこのような気持ちを
開催される中で、水素社会の一翼になれるよう取り組ん
共有し、モチベーションを持ってくれるかというのは、
でまいりたいと思っていますが、それが業界にとって大
別の問題だと思います。会員各社が自社技術の向上と知
きな起爆剤となるというよりは、社会環境が変化する過
見を高め、切磋琢磨することにより業界全体のレベルア
程で業界としてどのような形で携わっていけるのかまた
ップが図られることを期待しております。」
貢献できるのかを、注視してまいりたいと思います。
」
設備意欲が国内外問わず下がっている中で、国内での
それでは最後に、会員各社に向けてメッセージをお願
災害への対応にはどのようなものがありますか?
いします。
「国土強靭化対策として、タンク元弁の自動化、消火
「当部会は様々なアイデアを持ち寄って提案し、一民
ポンプの高所への移設等一時的な案件はありますが、直
間会社ではできないところに特化していきたいと考えて
接的にタンク本体に波及するものはありません。災害対
います。業界としてタンク設置基準をより安全に、より
策の一案として、災害が発生した後等は水不足が深刻な
効率的にするため、エンドユーザの視点や意図を汲み取
状況に陥ることが多いことから、沿岸部の高台に水タン
った建設的な提案等、関係各機関に働きかけ実現してい
クを設置し、緊急時にはその水を利用、避難場所等にも
くということが、当部会の社会的使命であると認識して
活用できるような提案を行うことは、業界としてのステ
おります。マーケットがシュリンクしていく厳しい中、
ータスを上げることになるのではないかと考えます。ま
それを乗り越え、新たな着想を持って活動していくこと
た災害に備えたセーフティーネットについても、ソフト
が、当業界の社会的ニーズと存在感を高めるものではな
の提供を含めた提案や関わりを業界としてアプローチし
いかと考えています。」
産業機械 2016.11
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特集
タンク
日射解析による
原油タンク屋根蒸散対策の評価
JXエンジニアリング株式会社
技術本部 エンジニアリングⅡ部
副部長
1.はじめに
金田 亙
技術士
(機械部門)
2.蒸散対策
石油類の貯蔵に用いられる浮屋根式タンクは、屋根を
蒸散の要因は日射による浮き屋根直下の原油温度の上
貯蔵油に浮かせ液面と共に上下させることで、油面と屋
昇である。対策は原油温度の上昇を抑制するのに有効と
根の間の空間をなくし、油蒸気の発生を抑え、油蒸気の
考えられる次の5種類とした。
大気への拡散や蒸発損失を軽減できるため、原油、ガソ
⑴ 屋根への遮熱塗装
リン等の揮発性石油類の貯蔵に多く用いられる。
屋根に高反射率塗料を塗布する。高反射率塗料は、
シングルデッキ型浮屋根式タンクでは、夏場の日射に
弾性アクリルエマルジョンに超微細な中空セラミック
よりデッキ部が高温になると油蒸気の発生が著しくな
スが配合され、日射反射率が0.85以上と高い。熱伝
り、屋根から大気への蒸散が懸念される。以下に、日射
導率は0.25 W/m・K程度である。塗膜が薄いので保
解析により軽質原油(コンデンセート原油)タンクの蒸
温効果はない。
散対策について評価した事例を紹介する。
⑵ 屋根への保温材敷設
屋根にタンク用断熱材を敷設する。タンク用断熱材
は難燃性の発泡ポリエチレンを主原料とし、独立気泡
ポンツーン
シール機構
デッキ
側板
タンクミキサ
図1 シングルデッキ型浮屋根式原油タンクの構造
28
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特集:タンク
のため吸水性がない。表層を不燃性のシリコン樹脂を
含浸させたガラスクロスで保護し、雨水が屋根板と断
3.解析モデル
熱材の接着面に侵入しないように側面をシーリング材
解析モデルを図2に示す。タンクは内径81.48m、容
で 被 覆 す る。 標 準 厚 さ は 15mm で、 熱 伝 導 率 は
量100,000kLとし、液面高さはほぼ満液の19mとした。
0.045W/m・K(50℃)である。溶接部の段差を避け
コンデンセート原油の熱物性値は蒸留性状から推算し
て敷設するため、溶接線周辺100mmが非保温となる。
た。8月の暑熱日の平均的な気温、風速を境界条件とし、
⑶ タンクミキサによる原油撹拌
8月中旬の快晴日の日射条件を与えた。気温は6時に
タンクミキサは原油の性状均一化やスラッジ沈降防
27℃、14時に最高35℃である。11:40に太陽高度は
止のために用いられる。高温になり密度が小さくなっ
最大66度、大気外全天日射量は最大1.2kW/m²である。
た原油が上部に滞留すると蒸散が促進されるので、撹
タンク表面の輻射率を0.7とし、遮熱塗装の場合の輻射
拌による対流でタンク内の温度を均一にする。
率 を 0.1 と し た。 撹 拌 は プ ロ ペ ラ 径 800mm、 出 力
⑷ 浮き屋根のダブルデッキ化
45kWのタンクミキサ3台を想定した。原油の初期温度
ダブルデッキはシングルデッキに比べ屋根の沈没が
少なく、断熱性に優れている。蒸散対策としては高コ
ストであるが、比較のため評価した。
⑸ 浮き屋根のダブルデッキ化及び屋根への遮熱塗装
を27℃とし、2日分の非定常解析を行い、2日目の温
度で各ケースの評価を行った。
4.解析結果
ダブルデッキに遮熱塗装を施す。ダブルデッキに対
現状(シングルデッキ)の解析結果を図3に示す。タ
しても遮熱塗装の効果があるかどうかを確認するため
ンクの左手前が西、右手前が南で、7時から18時まで
評価した。
のタンク表面温度が左列、原油温度が右列である。図中
の数値は各時刻における温度の最大値である。タンク表
90
800
60
400
30
解析メッシュ
6
9
大気
気温
(℃)
φ81.48m
ポンツーン
タンク
19m
20
1
10
0.5
現状(シングルデッキ)
検討B
シングルデッキ、遮熱塗装
検討C
シングルデッキ、保温材敷設
検討D
シングルデッキ、撹拌
検討E
ダブルデッキ
検討F
ダブルデッキ、遮熱塗装
744kg/m³
比熱
2.14E+03 J/kg・K
体膨張係数 3.36E-04 1/K
6
12
時刻
(h)
18
粘性係数と熱伝導率
0.001
粘性係数
(Pa・s)
現状A
コンデンセート原油の熱物質値
密度
0
24
0.12
0.09
0.0004
0.06
0.0002
0.03
40
60
80
温度
(℃)
風速
0.15
0.0006
20
気温
0
0.0008
0
高度
2
1.5
0
条件
18
30
タンクミキサ
(×3)
ケース
15
外気温と風速
40
輻射率 0.7
(鉄)
0.1
(遮熱塗装)
12
時刻
(h)
日射量
0
風速
(m/s)
0
熱伝導率
(w/m・K)
日射量
(w/m²)
1,200
高度
(度)
大気外全天日射量と太陽高度
粘性係数
熱伝導率
0
100
図2 日射解析モデル
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29
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温度
(℃)
タンク表面温度
温度
(℃)
原油温度
図3 解析結果 現状
(シングルデッキ)
面温度は側面に比べ天井が高く、原油に接していないポ
た。ダブルデッキに遮熱塗装(検討F)を施すと、原油最
ンツーン部が13時に最高60.4℃となった。原油温度は
高温度はダブルデッキの時より更に1℃低くなった。
上ほど高く、中央が高くなり、14時に最高32.3℃とな
った。
原油を撹拌した場合(検討D)、原油温度は天井外周部
が現状より低くなったが、中央部分にホットスポットが
各ケースの比較を図4に示す。タンク表面最高温度は
でき、現状より1.5℃高くなった。撹拌による対流で高
どのケースもあまり変わらないが、原油最高温度はダブ
温になったデッキとの熱伝達が促進されたことと、高温
ルデッキ(検討E)にすると29.4℃で、現状のシングル
の油が淀み部分に滞留したため、原油温度低減としては
デッキより約3℃低くなった。遮熱塗装(検討B)や保温
逆効果になったと考えられる。
材敷設(検討C)でも原油最高温度は現状より約3℃低く
なり、ダブルデッキと同等の温度上昇抑制効果が見られ
30
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特集:タンク
タンク表面最高温度
32
現状A
温度
(℃)
温度
(℃)
60
検討B
40
検討C
検討E
8
10
12
14
16
18
現状A
検討B
30
検討C
28
検討D
20
原油最高温度
34
26
検討F
検討D
検討E
8
10
時刻
(h)
現状A:現状
(シングルデッキ)
14:00
12
14
16
18
検討F
時刻
(h)
検討B:シングルデッキ、遮熱塗装
14:00
検討C:シングルデッキ、保温材敷設
15:00
温度
(℃)
33
32
31
検討D:シングルデッキ、撹拌
15:00
検討E:ダブルデッキ、
16:00
検討F:ダブルデッキ、遮熱塗装
16:00
30
29
28
27
26
最高温度となる時刻における原油温度分布
図4 各ケースの比較
5.まとめ
6.おわりに
ダブルデッキはシングルデッキに比べ断熱性に優れて
本評価結果を基に遮熱塗装が採用された。もともと蒸
いると言われているが、今回の解析結果でもそれが示さ
散対策として遮熱塗装、保温材敷設、原油撹拌の3つの
れた。原油温度上昇抑制としては、シングルデッキへの
案があり、その評価のためにお客様が熱流体解析(日射
遮熱塗装や保温材敷設でもダブルデッキと同等の効果が
解析)に注目した。コンピュータとソフトウェアの進歩
得られ、原油撹拌は逆効果となった。
により熱流体解析の適用分野は広がっているが、解析者
蒸散対策として、冬場の保温が必要な場合は、省エネ
の観点から、保温材敷設が有効で、保温が不要な場合は、
だけでは現場の要望が分からない。今回、このような解
析の機会を与えてくれたお客様に感謝する。
施工費を考慮して、遮熱塗装が有効と考えられる。
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特集
優秀環境装置②
汚水沈砂池向けノズル式集砂装置
(エジェクタ式集砂装置)
アクアインテック株式会社
生産技術本部 水処理プラント部
技術開発グループ
大原 利隆
ルを設置し、その噴射水の力で沈砂を集める装置である。
1.はじめに
ノズル式集砂装置は、機械的な稼働部がなく、メンテナ
下水処理場または汚水ポンプ場内には、汚水に混入し
ンス性の向上と摩耗による定期的な消耗部品が必要ない
た砂や比較的大きな夾雑物を取り除くための沈砂池が設
等、従来の機械式の欠点を解決したが、新たに沈砂の撒
けられている。沈砂池で沈降させた物(以下、沈砂)を
き上がりによる集砂不良や、集砂水を作るポンプ設備等
除去するための機械として、チェーン駆動式の掻揚機や
の電力コスト増加の問題が発生した。それらの課題を解
スクリューコンベヤ式の掻寄機が主流であった。しかし、
決した新しいノズル式集砂装置の開発が求められた。
水中部にある駆動部のメンテナンスの難しさや、沈砂に
よる機械摺動面の摩耗が激しいことから、近年ノズル式
集砂装置の導入が増えている。
2.装置説明
⑴ 構造・原理
ノズル式集砂装置とは、池底に集砂水を噴射するノズ
図1に示すように沈砂池底部にハンチを設け、ハン
集砂ノズル
揚砂ポンプ
揚砂ポンプピット
アウタートラフ
集砂
方向
インナートラフ
集砂
方向
図1 集砂装置概略構成例
32
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特集:優秀環境装置②
インナートラフ φ150mm
沈砂
集砂ノズル
インナートラフ
アウタートラフ φ300mm
集砂ノズル
アウタートラフ
図2 トラフ構造図
チ中央にインナートラフ(約φ150mm)とアウタート
沈砂に向かって噴射していたため、どうしても沈砂の
ラフ(約φ300mm)からなる二重構造トラフ(図2参
撒き上がりが発生した。しかし、本装置は、インナー
照)を設置する。トラフ端のインナートラフ内に集砂
トラフを設置することにより、沈砂が堆積しない空間
ノズルを設置し、このノズルより集砂水を噴射するこ
を確保し、その堆積がない空間に向かって集砂水を噴
とにより、インナートラフ内に流速を発生させる。イ
射するため、沈砂の撒き上がりが発生しない。従来が
ンナートラフ内に流速が発生することにより、エジェ
強い水流の力で押し流すシステムに対して、本装置は
クタ効果が生まれアウタートラフ内に堆積した沈砂は
吸い込みながら送る全く新しい原理を採用し、沈砂の
インナートラフ内へと吸い上げられ、インナートラフ
撒き上がりによる集砂不良をなくした。図3に関東の
内を圧送される。集砂された沈砂は、揚砂設備(揚砂
某公共下水ポンプ場にて2013(平成25)年10月21
ポンプ等)により汚水と共に池外に揚砂され分離回収
日~2014(平成26)年3月6日まで本装置と従来の
される。
ノズル式集砂装置を通常運用状態で運転を行い、除砂
量を比較した結果を示す。従来設備に対して期間中の
⑵ 性能①(撒き上がりの抑制)
従来のノズル式集砂装置は、集砂水を直接堆積した
総除砂量は約6.4倍となった。比較実験の後半(2月
総除砂量
(t)
10
本集砂装置
(エジェクタ式)
9
従来のノズル式集砂装置
8
7
6
5
4
3
2
1
0
1
1
5
8
8
.2
.9 .16 .23 .30 .1.6 .13 .20 .27 .2.3 .10 .17 .24 .3.3 .10
.4
2
0.2 0.2 .11 11.1 1.1 1.2 .12 .12
2
2
.1
6
.1
.2
.3
.1
.2 6.2 26
6
5.1 5.1 H25 25. 25.1 25.1 H25 H25 25.1 25.1 25.1 H2 H26 H26 H26 H2 H26 H26
H H26
H2
H
H
H
H
H2 H2
H
H
図3 運転比較
(総除砂量)
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14日)に大雪が降り、流入沈砂量が異常に増える事態
定外の雨が降ることも珍しくなく、この砂没に強い構
となった。本装置はその異常な負荷変動にも除砂量を
造は非常に有効である。
追従させたが、従来設備は対応しきれずあまり除砂量
⑸ 維持管理性
は増えない結果となった。
元々維持管理性の向上を目的として導入が進められ
⑶ 性能②(集砂効率の改善)
てきたノズル式集砂装置であるが、本装置は上記の
堆積した沈砂を噴射水で集砂するには、かなりの水
(4)項で述べた通り、運転頻度を少なくできる。これ
圧で集砂水を噴射しなれば水中で沈砂を移送すること
に伴い、関連設備の運転頻度も同様に少なくなり、設
はできない。また、水中で噴射した集砂水は、すぐに
備全体の長寿命化に貢献する。
拡散し、周囲の水の抵抗により勢いが弱まり集砂距離
⑹ 建設費
を伸ばすことは難しい。そのため、従来のノズル式集
従来のノズル式集砂装置は、高圧の集砂水を噴射す
砂装置は、高圧水を必要とし、ノズル間隔も約2.5m
るため、集砂ノズルのノズル口径がφ10mm程度と
と狭く集砂効率が悪い。結果、高圧水を作り出す、ポ
小さい。このため、集砂水に使用する水もノズル口径
ンプ設備の出力(動力)が大きなものとなる。
に合わせて、夾雑物を除去する必要がある。通常、流
しかし、本装置は、インナートラフ内へ集砂水を噴
入汚水をスクリーンに通して集砂水に使用するため、
射するため、集砂水の勢いが持続し、最大で1つのノ
集砂水を作り出すスクリーン設備が必要であった。
ズルで集砂距離10mを移送することが可能である。
本装置は、高圧水を必要としないため、ノズル口径
また、従来機に比べ集砂水圧力も1/3~1/4程度と低
が80mm相当と大きく、そのまま汚水を集砂水に利
く抑えられる。このことにより、集砂水を作り出すポ
用することもできる。スクリーン設備が不要となり、
ンプ設備の出力も小さくなり集砂効率に優れる。搬送
システム構成がシンプルとなり建設費も安価となる。
能力は、従来機に比べ4~7倍となった。
⑷ 経済性
3.おわりに
上記の⑶項で述べた通り、本装置は集砂水を作り出
当該技術は、集砂性能・経済性・維持管理性・建設費
すポンプ設備の出力が小さいことと、集砂効率に優れ
全てにおいてまんべんなく要求水準を満たすことができ
るため、1回当たりの運転時間は短くなる。これによ
た。システム構成がシンプルであるため、海外導入も容
り運転1回当たりの電力量を低く抑えることができ
易と考える。
る。
都市下水という様々な物が混入し、負荷変動も大きく、
従来の集砂装置は、砂没に弱く、沈砂流入量の変動
想定が難しい搬送物に対して対応可能であったことは、
に対して、常に流入沈砂量<集砂量となるように機器
今後、別の用途の移送システムとしても応用が期待され
の運転時間及び運転頻度を多めに設定しなければなら
る。
ない。一度機器が砂没してしまうと完全に集砂機能を
失ってしまうので、運転頻度の設定には常に余裕を持
たせる必要があった。
一方、本装置は、インナートラフが砂没しない空間
を確保するため、ノズル本体及び沈砂搬送経路が砂没
することがなく、従来機が運転できないような状態で
も運転が可能である。沈砂を溜めてから運転すること
が可能であるので、従来機より格段に運転頻度を少な
くすることができ、大幅な電力量削減を可能とする。
削減率は機場により異なるが、70~90%程度削減が
可能と考える。また、近年はゲリラ豪雨と呼ばれる想
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特集
優秀環境装置②
再生プラスチック原料中の
ゴム系異物選別装置
協和工業株式会社
代表取締役 中村 輝幸
1.はじめに
3.特徴
廃家電、廃自動車等の部品からなる再生プラスチック
従来の選別手法(風力・振動・磁力・静電気・液中比重・
原料の素材は、様々な材種(プラスチック・金属・ゴム・
色彩・赤外線等を利用するもの)では機能しないプラス
布・電気コード・木材・ガラス・接着剤等)を破断片に
チックとゴムの選別を、両者の物性の摩擦係数の著しい
した混合物(シュレッダーダスト)である。
差を利用することで選別する。
再生原料化するに当たり混合物のプラスチック以外は
異物であり、様々な方法で選別除去される。
原料投入タンク
当社では摩擦作用を利用した異物選別技術(特許取得)
があり、それを応用したフリクションセパレーター廃プ
ラ用機種は混合物からプラスチックを残してゴム系の異
原料送り出しコンベア
物を選別除去する装置である。
2.装置説明
回転する一対のローラ上に断片状の材料を置くと、摩
選別処理ローラユニット
モータ
擦係数の大きい材料(ゴム等)はローラの回転方向に移
動し、摩擦係数の小さい材料(プラスチック)はローラ
の長手方向に移動する挙動を示す。
この動作を利用して、ローラ回転方向側面と長手方向
端面の2ヶ所で個別に材料を回収すれば選別が果たせ
る。
図1に本装置の基本構成を、図2に実用機体の一例を
示す。
異物排出シュート
プラスチック排出シュート
図1 基本構成
産業機械 2016.11
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35
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図2 実用機体一例
ないため、装置周辺は汚れず騒音もなく、選別のため
4.性能
の検知センサもいらないので調整等の必要もない。
⑷ 耐久性
⑴ 選別精度
構造が簡単で強い力を必要とする部分がないので軽
表1に本装置での選別結果の一例を示す。
負荷で長寿命である。
⑵ 操作性
⑸ 省エネ性
運転は原料供給のモータと選別ローラ回転のモータ
大きな動力が必要な送風機やポンプを使わず、強磁
をスイッチで起動するのみの操作で簡単である。
力や高電圧も必要とせず、消費エネルギーは非常に少
⑶ 維持管理性
ない。
従来装置で必要な選別を媒介する風力や液体を用い
表1 選別結果
『一段がけ』
プラスチック
(樹脂)
収率
(B/A)
:91.6%
◆投入混合物
混合物
樹脂
ハーネス・塩ビ
ゴム
金属
(裸銅線・アルミ)
計量異物
(紙・スポンジ)
合計
◆選別物
(プラスチック側)
重量(g)
4,796.92
(A)
7.73
構成比
(wt%)
97.50%
混合物
樹脂
0.16%
ハーネス・塩ビ
113.05
2.30%
0.48
0.01%
1.83
0.04%
4,920.00
100.00%
ゴム
金属
(裸銅線・アルミ)
計量異物
(紙・スポンジ)
合計
◆異物側
重量
(g)
4,395.60
(B)
1.32
構成比
(wt%)
混合物
樹脂
99.90%
0.03%
ハーネス・塩ビ
3.08
0.07%
0.00
0.00%
0.00
0.00%
4,400.00
100.00%
ゴム
金属
(裸銅線・アルミ)
計量異物
(紙・スポンジ)
合計
重量
(g)
401.31
構成比
(wt%)
77.18%
6.40
1.23%
109.98
21.15%
0.48
0.09%
1.83
0.35%
520.00
100.00%
※注1:単位未満四捨五入のため合計値は内訳と一致しない場合がある。
『二段がけ』
プラスチック
(樹脂)
収率
(D/C)
:93.5%
◆投入混合物
混合物
樹脂
ハーネス・塩ビ
ゴム
金属
(裸銅線・アルミ)
計量異物
(紙・スポンジ)
合計
◆選別物
(プラスチック側)
重量(g)
401.31
(C)
6.40
構成比
(wt%)
77.18%
1.23%
109.98
21.15%
0.48
0.09%
1.83
0.35%
520.00
100.00%
混合物
樹脂
ハーネス・塩ビ
ゴム
金属
(裸銅線・アルミ)
計量異物
(紙・スポンジ)
合計
◆異物側
重量
(g)
375.40
(D)
3.38
構成比
(wt%)
98.79%
混合物
樹脂
0.89%
ハーネス・塩ビ
1.03
0.27%
0.00
0.00%
0.19
0.05%
380.00
100.00%
ゴム
金属
(裸銅線・アルミ)
計量異物
(紙・スポンジ)
合計
重量
(g)
25.91
構成比
(wt%)
18.51%
3.02
2.16%
108.95
77.82%
0.48
0.34%
1.64
1.17%
140.00
100.00%
※注1:単位未満四捨五入のため合計値は内訳と一致しない場合がある。
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特集:優秀環境装置②
5.経済性
⑴ 従来装置と本装置の稼働に際しての経済性の比較
① 選別運転に必要な動力が小さいので消費電力が小
さく、電源仕様の検討は電源プラグ差込口を準備す
る程度で済む。
② 従来装置においては必要である風力や液体の付属
設備がいらずそのコストが省ける。
⑵ 本装置にて異物選別除去を施行した材料で再生原料
が製造される場合
6.おわりに
地球環境保全のために物資のリサイクルの必要性が叫
ばれ、今後は更にその傾向が高まる。
プラスチック製品の生産や消費は非常に多く、使用後
に野外に放置されたものがマイクロプラスチックと呼ば
れる断片に形を変えて深刻な海洋汚染問題を引き起こし
つつあり、廃棄製品を減少する確実なリサイクルの要求
が差し迫った重要課題になると思われる。
現在は、再生プラスチック原料の純度がヴァージン原
① 選別後の材料を原料化するペレット製造設備のフ
料より劣るために低級製品の原料として利用されている
ィルタの負担が減り、設備の休止頻度が少なくなり
が、精製レベルが向上して原料の品質が高まれば高級製
運転効率が改善される。
品の原料にもなり得て再利用が更に促進する。
② プラスチック製品製造工程で原料中の異物が原因
で起きる不良率の低下が図られる。
③ 製品製造に使われるヴァージン原料に混用される
再生原料の使用量が増やせ、再生原料混用量が増せ
選別が困難だったプラスチックとゴムの関わりにおい
て、異物選別除去の新たなる手法の本装置の使用により
選別が可能になり、リサイクルシステムに大いに貢献す
ることができる。
ばヴァージン原料の使用量を減らすことができ、原
料コスト低下が図られる。
産業機械 2016.11
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37
2016/11/14 15:21
特集
優秀環境装置②
乾式反応集じん装置
(プレコートバグフィルタ)
株式会社 プランテック
エンジニアリング本部 設計部(計画設計)
部長 山田 裕史
れた。
1.はじめに
また、大都市を中心に有害ガスの排出規制値が厳しく
1983(昭和58)年秋にごみ焼却施設の集じん灰から
なり、活性炭吸着塔あるいは触媒反応塔等の大掛かりな
ダイオキシン類が検出されたのを契機に、1990(平成
装置を必要とするケースでは、初期コストや維持費の増
2)年12月に「ダイオキシン類発生防止等ガイドライン」
大という課題が生じることとなった。この状況の中、当
(通称「旧ガイドライン」
)
、1997(平成9)年1月に「新
社はバグフィルタ(乾式処理)による除じん、酸性ガス
ガイドライン」が厚生省(現・厚生労働省)から通達され、
処理とダイオキシン類を高効率に除去できる乾式反応集
段階的にダイオキシン類排出濃度の規制強化が進められ
じん装置(以下、本装置)を開発した。
た。その結果、燃焼技術による発生抑制と共に、排ガス
乾式反応集じん装置は、消石灰及び/または活性炭を
処理設備における対策として、集じん装置の低温化、活
バグフィルタろ布表面にプレコートして反応・吸着層を
性炭吹き込みによる吸着除去法及び分解除去等が提案さ
形成し、ばいじん・酸性ガス・ダイオキシン類・水銀を
薬品
(プレコート層形成時のみ)
排ガス
クリーンガス
図1 乾式反応集じん装置の基本構造
38
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2016/11/14 15:25
特集:優秀環境装置②
過することから排ガスと消石灰・活性炭の接触効率が
同時に高効率で除去するものである。
高く、HCl、SOxは高効率で反応除去され、ダイオキ
2.装置説明
シン類、水銀は吸着除去される。
図2に本装置の概念図を示す。
⑴ 概要
一般にバグフィルタのプレコートとは使用前にろ布
⑵ 技術の特長
本装置の特長を以下に示す。
の保護や1次集じん層を形成することを意味している
が、本装置では、ろ布表面に継続して消石灰の反応層
① 払い落とし直後も4時間程度分の消石灰を10分
を形成することにより、酸性ガス(HCl、SOx)を高
程度で噴霧するため、煙道中でも高い当量比で排ガ
効率で除去するものである。
スと接触し、噴霧した消石灰は直ちにろ布表面に付
着して厚い反応層を形成するため、薬剤噴霧中も高
本装置は、ダスト除去、酸性ガス処理とダイオキシ
い除去率を維持する。
ン類、水銀除去を同時に行うことができる。あらかじ
め、ろ布表面に消石灰の反応層を形成し、消石灰が破
② 払い落とし直後にろ布に剥離性の良い消石灰の層
過するかバグフィルタの差圧が上昇すると、飛灰を払
が形成されるため、ダストによるろ布の目詰まりが
い落とし短時間でろ布表面に消石灰及び/または活性
ない。
③ ダストの剥離性向上と酸性ガスとの反応効率向上
炭層を繰り返し形成する。汎用の連続吹込式バグフィ
を目的とした助剤が不要である。
ルタは、
煙道とバグフィルタろ布上での反応によるが、
④ 消石灰の層が形成されるためフッ化素水素等によ
本装置はろ布上での反応が支配的である。ろ布表面に
は均一な厚さの消石灰層が形成され、ばいじんは消石
るろ布の腐食がない。
灰層の表面で分離除去される。全ろ布の付着層厚は常
HCl、SOx除去は、ろ布表面に形成された消石灰層
にほぼ均一であり、排ガスはろ布全体をほぼ均一に通
との反応が支配的でガスと消石灰の接触効率が高く、
連続吹込方式バグフィルタ
プレコートバグフィルタ
内 面
ろ布
払い落とし直後
払い落とし直後
︵プレコート︶
表 面
表 面
内 面
ろ布
プレコート層
1時間後
1時間後
ろ布
ろ布
プレコート層
堆積層
プレコート層
(6時間の払い落としサイクルの場合)
払い落とし直前
︵2時間後︶
払い落とし直前
︵6時間後︶
ろ布
ろ布
堆積層
2時間ごとの払い落としサイクルの場合
図2 乾式反応集じん装置
(プレコートバグフィルタ)
と連続吹込式バグフィルタの概念
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39
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×2炉)は、連続炉でガス冷却は水噴霧である。性能
連続吹込式と比較して高い除去率が得られる。
試験時のバグフィルタ出口HCl、SOx濃度を表1に示
⑶ 経済性
すが、いずれも2ppm以下の低いレベルである。
① イニシャルコスト
⑵ 高濃度HCl発生施設における事例
本装置は乾式処理であり、連続吹込乾式処理と同
様に排水処理等の付帯設備が不要である。また、除
本装置は高濃度のHClを発生する医療廃棄物焼却施
去率98%未満の場合(バグフィルタ入口濃度が低
設にも採用しており、良好な結果が得られている。表
い・公害防止基準値が厳しくない場合)には、単段
2にバグフィルタ出入口のHCl濃度分析結果を示す。
処理が可能であるためイニシャルコスト・設置スぺ
入口で2,000ppmを超えるHCl濃度に対して14ppm
ースとも連続吹込乾式ガス処理と同等である。
まで除去できており、99.4%の高い除去効率が示さ
一方、除去率98%以上を求められる場合(バグフ
れた。
ィルタ入口濃度が高い・公害防止基準値が厳しい場
4.今後の展望
合)には、連続吹込式では単段処理で対応できず、
2段バグフィルタが必要となるのに対し、本装置は
「乾式反応集じん装置(プレコートバグフィルタ)
」は
単段処理が可能であるため、イニシャルコスト・設
酸性ガスに対し、湿式並みの高い除去率が得られるため、
置スペースとも1/2となる。
今後ますます厳しくなる排ガス規制に対応できる装置と
② ランニングコスト
して更なる普及が見込まれる。従来は、当社が受注した
薬剤と有害ガスとの高い接触・反応効率により、
焼却プラントにのみ適用していたが、今後、他社プラン
汎用のJIS特号消石灰で高性能が保たれ、未反応薬
トにも適用を検討したいと考えている。また、規制が予
剤は連続吹込式に比べ少ない。また、薬剤使用量の
定されている水銀に対して効果を確認しており、
除じん、
低減により、特別管理廃棄物である飛灰量が低減さ
酸性ガス処理、ダイオキシン類除去に水銀除去が加わる
れ、最終処分費も軽減される。更に、反応・吸着層
ことで大幅な需要増を期待している。
により常にろ布表面が保護されているため、ろ布の
「乾式反応集じん装置(プレコートバグフィルタ)
」は、
長寿命化が図れ、維持管理費が軽減できる。
開発当初から基本思想の変更はないものの、継続的な技
術開発・改良を通じて、品質の向上を図り、将来も変わ
3.事例紹介
らぬ需要を維持できるものと考える。当社は今後もたゆ
まぬ技術開発により、顧客の期待と信頼に応えていきた
⑴ 一般廃棄物処理施設における事例
いと考えている。
昨年4月に竣工したクリーンパーク長与(27t/24h
表1 「クリーンパーク長与」
性能試験時のHCl、SOx濃度
項目
単位
大気汚染防止値
自主規制値
HCl
ppm
430
(700mg/m³N)
SOx
ppm
11,282
(K値17.5)
1号炉
2号炉
1日目
2日目
1日目
2日目
200
<1
2
2
2
100
<1
<1
<1
<2
表2 高濃度HClが発生する医療廃棄物処理施設におけるバグフィルタ入口、出口HCl濃度
40
項目
測定値
(12%O₂換算)
入口HCl濃度
2,250ppm
出口HCl濃度
14ppm
除去率
99.4%
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特集
優秀環境装置②
高負荷生物脱窒素装置
前澤化成工業株式会社
水環境部
部長 田中 理
1.はじめに
水源地域や閉鎖性水域では、窒素及びリンによる富栄
養化が深刻となり、水環境の保全対策が喫緊の課題とな
って久しい。しかし、既存の排水処理施設(浄化槽含む)
したい。
2.装置説明
⑴ 特徴
バイオドリスターは、親水性や微生物との親和性を
には脱窒素・脱リン等の水処理技術を付帯していない設
追求した特殊プラスチック連続発泡担体を脱窒素リア
備が多く存在し、
高度処理を備えた設備に更新するには、
クタに充填し、脱窒素細菌を高密度に生息させた担体
建設費、占有面積及び工期等の課題が生じる。そこで、
を流動撹拌することで窒素除去効率が高められること
既存設備に付帯するだけの、コンパクトかつ設備ランニ
を第一の特徴としている。
ングコストの負担を軽減した高度処理設備の開発が切望
されている。
担体内に窒素ガスが存在して脱気不良になると、担
体が浮上して流動障害が起こり、処理性能は著しく低
排水は産業系と生活系とに別れ、閉鎖性水域では窒素
下する。そこで、担体浮上を防止し、理想的な担体の
及びリン等の総量規制が両者とも定められている。例え
流動性を追求したリアクタ構造が第二の特徴となって
ば、金属加工工場では、重金属類除去を主目的とした物
いる。
理化学的処理設備が導入されているが、
製造工程に硝酸・
対象排水中の全窒素濃度によって、担体の充填率や
亜硝酸系薬剤を使用するため、窒素除去が十分でない場
全窒素許容負荷の設定を変えることで、
性能と同時に、
合がある。また、2016(平成28)年7月1日より、電
経済性の追求も行っている。本装置は、新規設備、既
気めっき業は水質汚濁防止法におけるアンモニア、アン
存の付加設備として活用でき、原水中の残存窒素形態
モニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物に係る暫
によっては脱窒素処理前後の硝化や再ばっ気を行うこ
定排水基準(300mg/L)を一般排水基準(100mg/L)に
とで、様々な排水種に対応できる。
移行する等、排出水を更に良質なものに改善することが
求められている。
バイオドリスターは、硝化槽、脱窒素リアクタ及び
再ばっ気槽とも生物膜法のひとつである担体流動法を
本稿では、前述の対策技術となる流動担体を用いた高
用いた処理フロー(図1参照)を標準とする。各槽に
負荷生物脱窒素装置「バイオドリスター」について紹介
使用される担体は異なるが、どれも担体内に自然発生
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硝化槽
脱窒素リアクタ
再ばっ気槽
凝集沈殿槽
消毒放流槽
図1 バイオドリスター処理フロー
する微生物群で処理を行う結合固定化法を選択してい
また、金属加工工場の亜硝酸・硝酸含有排水の窒素
る。地域によっては水温制御を行う必要があるが、微
処理というニーズに対し、排水と担体との接触効率を
生物を高濃度に保持でき、除去対象物質の負荷に応じ
高めたリアクタ内に特殊PU担体(5mm立方体)を充
て担体充填率を決定して処理を行う。
填することで、高い窒素負荷(1-3kg/m³・日)条件下
でも処理性能を満たしている。
⑵ 使用担体
開発段階から現在までの脱窒素リアクタに使用した
特殊PU担体は、薬品耐性を重要視し、リアクタ内
担体比較を表1に示す。初期段階は、脱窒素細菌を安
部の凹凸との流動摩擦に耐えられる物理的強度を確保
定的に保持できるよう、担体表面をプラス電荷にした
している。馴養・立ち上げは、特殊菌を担体に含ませ
セルロース担体(5mm立方体)を用いて、浄化槽処理
るのではなく、既設汚泥、類似した種汚泥や専用の微
水を高度処理して全窒素を20mg/L以下にすることを
生物製剤を利用し、現場に応じた生態系を早期に作り
目的に開発を進めた。しかし、処理性能は得られても
出して処理水質を満足させる。
セルロース担体の強度が弱く、消耗が激しいために定
⑶ 単位装置
期補充が必要な状況となり、担体の強度向上(耐磨耗
① 硝化槽
排水中のアンモニア性窒素がある場合に付帯さ
性、耐薬品特性)が早急な課題となった。
そこで、特殊プラスチック連続発泡担体に、親水性
れ、好気条件でアンモニア性窒素を硝酸性窒素や亜
や微生物に対する親和性を持たせ、担体サイズを変え
硝酸性窒素に酸化する反応槽である。特殊PU担体
て試験を繰り返した結果、強度の高い特殊PE担体
(10mm立方体)を使用し、従来の活性汚泥法を用
(10mm立方体)を脱窒素リアクタに充填した、簡易
いた硝化槽の1/2~1/3の容量で硝化を促進させ
撹拌方式の装置を製品化した。本法は、霞ヶ浦水域の
る。
学校を中心とした浄化槽処理水の高度処理設備として
稼働している。
表1 脱窒素リアクタの担体
(当社比較例)
(PU:ポリウレタン、PE:
ポリエチレン)
42
項 目
特殊PU担体
特殊PE担体
セルロース担体
形 状
5mm立方体
10mm立方体
5mm立方体
耐久性
○
○
△
耐薬品性
○
○
△
早期流動性
○
△
○
投入コスト
○
○
△
微生物付着性
○
△〜○
○
写真1 特殊PU担体
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2016/11/14 15:25
特集:優秀環境装置②
② 脱窒素リアクタ
ができるため、設備が活性汚泥法(従来法)の1/3~1/5
脱窒素細菌は有機物分解を主とする従属栄養細菌
程度と省スペースになる。更に、各槽のコンパクト化を
よりも増殖速度が遅く、滞留時間を確保しなければ
図り、撹拌動力を最低限にしている。従来法(活性汚泥)
ならないため、従来法を用いた場合は脱窒槽が大き
と本方式とを設備全体及びランニングコスト等で総合的
くなる傾向にある。
に比較した結果、3割程度のコスト縮減が可能と考える。
当社は、特殊PE発泡体(10mm立方体)あるいは
特殊PU担体(5mm立方体)を充填させた脱窒素リ
アクタを実用化している。担体内に窒素ガスが存在
して脱気不良になると、担体が浮上して流動障害が
起こり処理機能は著しく低下する。そのため、担体
4.応用分野
⑴ 茨城県小中学校 生活系排水処理施設(高度処理新設)
(14-28 m³/日処理 既存長時間ばっ気設備の後段
設置)
内部に脱窒素細菌を保持し、担体が浮上しないよう
硝酸及び亜硝酸性窒素40mg/L前後の浄化槽処理水
強制的に槽の下部へ流動させるリアクタ構造にする
を対象に高度処理(写真2参照)を行い、処理水設計
ことが重要である
(関連特許取得済)
。また、脱窒素
値(15mg/L以下)を満足した。また、メタノールや
リアクタ内部構造に独自性があるため高速処理を可
PAC等の処理用薬剤の使用量をメンテナンスサポー
能とし、NO₃-N容積負荷1-3kg/m³・日の高負荷条
トにより低減し、高度処理に伴う発生汚泥量を抑制し
件で窒素除去率80%以上を達成することができる。
ている。
③ 再ばっ気槽
排水負荷変動の影響で脱窒素後に消費されなかっ
たメタノール(BOD源)を処理対象にした再ばっ気
⑵ 金属部品製造排水処理施設(高度処理新設)
(60m³/日処理,BOD30mg/L、T-N(硝酸及び亜
硝酸性窒素)100mg/L、T-P2mg/L)
槽 を 脱 窒 素 リ ア ク タ の 後 に 設 置 す る。 本 槽 に は
本施設では、霞ヶ浦水質保全条例の施行に伴い、従
BOD処理に適した特殊PU担体(10mm立方体)等を
来の重金属類の処理だけでなく、窒素、リンの処理も
投入し、
設置スペースのコンパクト化を図っている。
必要となった。既存の凝集沈殿処理施設の後段にバイ
3.経済性評価
オドリスター(写真3参照)を増設することで、排水
中の硝酸性及び亜硝酸性窒素を処理し、処理水設計値
バイオドリスターは、既存排水設備を高度処理型に変
(T-N20mg/L以下)を満足した。また、10℃程度の
更させることが可能で、排水量、窒素濃度、設置場所等
低水温条件であっても窒素除去率80%以上を達成す
の課題に対応できる。また、全窒素負荷を高くすること
ることができた。
写真2 茨城県T中学校
(地下式、簡易撹拌方式)
写真3 金属加工工場
(地上式、撹拌循環方式)
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特集
優秀環境装置②
オイルミスト捕集用電気集塵装置
アマノ株式会社
環境系開発部
主査 木佐貫 善行
1.はじめに
生産工場での切削研磨工程等で発生するオイルミスト
① ステンレス製ワイヤーデミスタ
ステンレス製ワイヤーデミスタは、プレフィルタ
として、パンチ孔形状の整流板がついた金属枠にス
及び切削微粉塵は、大気汚染や作業環境悪化の要因にな
テンレス製のワイヤーデミスタで構築されている。
る。特にオイルミストは粒径が1μm以下と細かいため、
ワイヤーデミスタはしぶき状のオイルや切削加工時
フィルター式の集塵装置では、フィルタの目を細かくす
る必要があり、目詰まりによる風量低下が懸念される。
本装置は、電気式集塵装置で、静電気の力でオイルミ
ストを捕集するため、風量低下なくオイルミスト捕集が
可能であり、工場環境改善に有効な装置である。
2013(平成25)年3月に電気集塵装置の火災リスク
低減を目的として、安全性向上をコンセプトにした新商
品として開発をスタートし、同年10月末に1号機を出
荷、現在順調に生産している。
(a)
装置外観
2.装置説明
排気口
⑴ 全体構成
機器構成を図1に示す。主に、オイルミストを含ん
だ空気は、ステンレス製ワイヤーデミスタの粗取りと
集塵極
吸込口
荷電極による荷電を経て集塵極によりオイルミストが
荷電極
捕集される。
この空気は清浄空気となってファンを通り、排気口
より排気される。
モータはIE3規格のものを搭載している。
44
排油口
ステンレス製ワイヤーデミスタ
(b)
機器構成
図1 外観及び機器構成
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特集:優秀環境装置②
に発生する金属くずのような比較的大きな粒子を粗
取りする目的で設置している。粒子径5μm以上の
粒子はステンレスワイヤーデミスタで捕集される。
⑵ 独創性
① 新構造荷電極
従来機の荷電極の構造は、アース板が平行平板で
あって捕集面積も大きいため、長期間運用すると荷
② 荷電極(新構造荷電極)
荷電極は、チタン合金製の放電針とアルミ製のア
電部に汚れが堆積しやすい欠点があった。新構造荷
ー ス 板 で 構 築 さ れ、 放 電 針 側 に 高 電 圧 の 直 流 −
電極はアース板を丸孔にして、面積を減らし、ミス
10kVの電圧を印加すると、放電針と丸孔を設けた
トを含む気流を丸孔に通過させることでオイルミス
アース板間でコロナ放電が発生する。この放電領域
トを効率的に帯電でき、放電ポイントも大幅に低減
は、マイナスイオンが発生している領域で、オイル
したために、アース板への汚れの堆積が従来機比
ミストを含む気流が丸孔を通過する際に中性(電気
1/3に低減できた。これにより火災の原因である、
を帯びてない状態)のオイルミストはマイナスの電
荷電極のアース板汚れ堆積を低減したことで安全性
荷を帯びた荷電粒子となる。
を向上させることができた。
② マイナス荷電方式への変更
③ 集塵極
集塵極は電荷を帯びた荷電粒子を捕集する装置
主に、屋内で使用する小型の電気集塵装置はプラ
で、捕集するアース板と高電圧板の平行平板によっ
ス荷電が一般的で、従来機もプラス荷電を採用して
て積層した多セルの構造を持ち、アルミニウムで構
いた。プラス荷電はオゾン発生量が抑えられる反面、
築される。ここに−6kVの電圧を印加して電界を
放電部の汚れや大気環境の影響で、ストリーマ放電
作用させ、通過した、荷電粒子をアース板で捕集す
や火花放電が発生しやすく、不安定な放電になるの
る。
が欠点である。マイナス荷電は、これらの不安定な
挙動になる欠点がない安定した放電方式であり、マ
アース板
イナス荷電にすることで、異常放電が低減され、安
全性が向上する。
一般的に、必要な荷電量を確保するためには、マ
イナス荷電はプラス放電と比較して、オゾン発生量
が増加する。新構造荷電極は、ミストを含む気流を
丸孔に通過させることで効率的に帯電する高効率荷
電により放電ポイント数を大幅に削減して全体の印
加電力を従来機比30%削減したことで、マイナス
荷電方式においても、オゾン濃度が作業環境濃度値
放電針
図2 荷電極構造
(新構造荷電極)
(特願2015-77720)
(0.1ppm以下)以下に抑えることが可能となった。
新型機
図3 集塵極
従来機
図4 荷電極アース板汚れ堆積比較
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45
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⑷ 性能
③ 新制御方式
① 捕集性能
従来機は、荷電極に高電圧の印加電力を一定供給
する定電力制御であったため、荷電極のアース板に
表1に、従来機との捕集性能比較結果を示す。ま
汚れが堆積して正常な放電が阻害される状態におい
た、図6にろ紙重量法システム図の装置での測定値
ては、
過電圧による異常放電で火災リスクが高まり、
を示す。従来機同等の高い性能を有している。
② 耐久性(荷電極の汚れ具合)
遮断停止する頻度が高くなる傾向があった。新制御
方式では、マイナス荷電方式による定電圧制御にし
フィールド評価にて従来機と新型機をそれぞれ
たこと、高電圧基板の高速応答回路と協調した遮断
1,500時間運用した結果、荷電極の汚れ付着具合に
制御により、不用意な遮断停止の低減と火災リスク
明確な差が確認できた。新型機は新構造荷電極の効
低減を両立した安全かつ安定した運転が可能となっ
果で、従来機より、荷電極のアース板への汚れ堆積
た。
が少なく、火災リスクが低減でき安全性が向上した
結果になった(図4参照)。
⑶ 特許の有無
① 発明の名称:電気集塵機
3.おわりに
出願日:2012(平成24)年10月30日
出願番号:特願2012-238539 本装置は、安全性向上を重視する設計に基づき、新構
特許出願公開番号:特開2014-87732
② 発明の名称:荷電装置及び電気集塵装置
かつ耐久性に優れた電気集塵装置となった。本装置の技
出願日:2015(平成27)年4月6日
術は、オイルミスト用電気集塵向けに開発された技術で
出願番号:特願2015-77720 あるが、一般用の油煙除去にも適応可能な技術と考えら
特許出願公開番号:申請中
れる。
3
表1 捕集性能比較結果
採点方法
4 はじめから着火
3 遮断後着火
2 着火するがすぐ消火
1 こげる
0 変化なし
従来機
4
燃えやすさの指標
造荷電極、マイナス荷電及び新制御方式を採用し、安全
火災リスク大
捕集効率
(%)
2
30クラス
従来機
99.0
99.0
EM-eⅡ
99.0
99.0
EM-eⅡ
1
0
15クラス
0
20
40
60
80
100
凝似汚れ堆積量/抵抗値
(kΩ)
120
OUTLET
図5 凝似汚れ検体による火災リスク比較結果
7.面積式流量計
8.吸引ポンプ
6.ガスメータ
5.ろ紙ホルダ
10.電子天秤
8.吸引ポンプ
7.面積式流量計
9.バーティクルカウンタ
4.吸引ノズル
6.ガスメータ
3.デジタルマノメータ
1.ミスト発生器
INLET
5.ろ紙ホルダ
2.チャンバーボックス
4.吸引ノズル
11.インバータ
図6 ろ紙重量法システム図
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特集
優秀環境装置②
浮上型チェーンフライト式
汚泥かき寄せ機
月島機械株式会社
水環境事業本部 ソリューション技術部
水機械技術チーム
リーダー 野瀬 一弘
1.はじめに
2.装置説明
本装置は、水処理設備の最初・最終沈殿池で使用する
⑴ 全体構造と原理
メンテナンス性や耐震性を向上させたチェーンフライト
本装置は、チェーンに取り付けられたフロート付き
式汚泥かき寄せ機である。フライトにつけたフロートの
のフライトにより、池底にたまった汚泥を連続的にピ
浮力でチェーンの緊張を行うユニークな構造を特長とし
ット方向にかき寄せている。かき寄せ側のフライトは、
たかき寄せ機である。
先の東日本大震災や熊本地震では、
池底付近に設置された下部レール下面に接しながら池
多くのチェーンフライト式汚泥かき寄せ機が、地震の影
底からわずかに浮上して走行している。
リターン側は、
響でチェーンやフライトの脱落が発生し運転不能となっ
上部レールのある区間とない区間があり、レールのな
た。このため、今後は耐震性の高い本装置の採用が増え
い区間でフライトが浮力により浮上することでチェー
ることが期待される。
ンを緊張させる構造になっている。
⑵ 部品類
本装置に使用しているフロートは、塩化ビニール樹
①
⑤
④
⑦
浮力
汚泥ピット
②
⑥
③
①駆動装置 ②駆動軸 ③従動軸 ④チェーン ⑤上部レール ⑥下部レール ⑦フライト
図1 浮上型チェーンフライト式汚泥かき寄せ機構造図
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フロート
取付ボルト
フライト
写真1 フロート
脂製の発泡体であるため、体積に影響を与えない程度
面の揺れ)によりフライトの脱落やチェーンの脱輪が
の傷であれば浮力低下は発生しない部品となってい
発生しやすい構造となっている。本装置では、水面付
る。
近にフライト及びチェーンがないためスロッシングの
なお、フロート以外のフライト、チェーン、スプロ
影響を受けにくく、耐震性が高い構造となっている。
ケット等のその他部品は、従来機と同じ部品を使用し
また、本装置は、従来機と比較して、チェーンとス
ているため、従来機と同等の部品性能(耐摩耗性、強
プロケットの巻き付け角が大きくなっている。このた
度等)を有している。
め、チェーンがスプロケットから外れづらい構造とな
っている。
3.特長
なお、従来機の耐震性を向上させるためには、耐震
用の部品を別途取り付ける必要がある。本装置に関し
⑴ 耐震性
従来の4軸の汚泥かき寄せ機では、水面付近をフラ
イトが走行するため、大地震時にはスロッシング(水
浮上型
確保している。
軸・レールが池底付近にある
軸
巻き角が大きい
従来型
ては、特別な部品を取り付けることなく高い耐震性を
軸・レールが水面付近にある
巻き角が小さい
軸
レール
図2 耐震性の比較
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特集:優秀環境装置②
⑶ 施工性
⑵ メンテナンス性
従来機では、チェーンが伸びるとチェーン緊張部長
従来機では、フライトが池底上を走行するため、池
(カテナリー長)が短くなるため、下向きの自重が小
底にフライト走行用のレールが必要である。
このため、
さくなり、チェーン初期長力が著しく低下する。これ
池底レール埋設のため、池底仕上げ用コンクリート工
に対し、本装置では、チェーンが伸びてもチェーンが
事が必要となる。
上側に膨らむだけで、
チェーン緊張部長は変わらない。
これに対し本装置では、フロートの浮力により浮上
このため、チェーンに発生している上向きの力が変わ
しているフライトが、下部レール下面に接しながら池
らないため、チェーン初期長力の低下が発生しない構
底よりわずかに浮上して走行しているため、池底レー
造となっている。
ルを必要としない。従って、従来機で必要であった池
チェーンが伸びても、チェーン初期長力が維持でき
底レールの仕上げ用コンクリート工事が不要である。
るため、チェーンの調整頻度が少なく、結果として沈
なお、池底レールのある従来機からの更新時も、既
殿池の水抜き点検頻度を低減することが可能である。
設池底レールと本装置のフライトが干渉しないため、
浮上型
従来型
浮力
レール
自重
伸び時
チェーン緊張部長
チェーン緊張部長
カテナリー長
伸びた状態
初期状態
伸びた状態
初期状態
図3 メンテナンス性の比較
浮上型
従来型
池底レールの設置
図4 施工性の比較
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既設池底レールを撤去することなく本装置を設置する
ことが可能である。
5.おわりに
チェーンフライト式汚泥かき寄せ機は、多くの実績を
4.施工例
もつかき寄せ機である、しかし、東日本大震災や熊本地
写真2に、I浄化センターへ導入した実機の水入れ前
の状況を示す。池寸法は、初沈:水路幅4,500mm×長
震で多数のチェーン脱輪が確認されてから、耐震性の改
善が求められている。
さ21,200mm×水深3,500mm 2水路1駆動、終沈:
改善策のひとつとして、浮力を利用した浮上型チェー
水 路 幅 4,500mm×長さ54,000mm× 水 深 4,200mm
ンフライト式汚泥かき寄せ機を提案する。本装置は、水
2水路1駆動となる。1年以上の連続運転を行っている
面の揺れの影響を受けないため耐震性が高く、更にチェ
が問題が発生することなく順調に稼働中である。
ーン張力の調整が不要でメンテナンス性に優れた装置で
ある。
写真2 実機
50
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産業・
機械遺産
を巡る旅
vol.35
池貝工場製第1号旋盤
(東京都)
機械編
金属等の材料を加工して部品を作り出す工作機械は
「マザーマシン
(母な
る機械)
」
と呼ばれ、ものづくりに欠かせない存在である。明治時代、工
業製品の純国産化を目指した日本にとって、工作機械の国産化は重要課
題となっていた。その課題に挑んだのが日本最初の工作機械メーカーの
一つ、池貝工場(現・㈱池貝)であった。同工場が製造した旋盤は国内工
業の近代化の礎となった。
池貝工場製第1号旋盤
日
本で最初に使用された工作機械は、
た。そこで庄太郎は旋盤の自作に挑戦す
前であり、職人の技術の差によって製造
1857(安政4)年に長崎製鉄所で
る。当時の機械製作では、図面を使わず
される部品の品質にばらつきがあった。
蒸気機関を製造するために輸入された18
に現物を見ながら型を取って部品を作る
そのため完成品の仕上げに多くの調整作
台のオランダ製工作機械とされる。1865
ことが多く、庄太郎も手持ちのイギリス
業を必要とした。しかし規格通りの部品
(慶応元)年に開設した横須賀製鉄所では、
製旋盤を手本として部品を手づくりした
が製造できれば、仕上げ工程での調整は
フランスから輸入した工作機械が使用さ
といわれている。また庄太郎は独自の改
不要となり、一定品質での大量生産が可
れた。明治時代になると、政府によって
良も加えた。当時の旋盤は6フィートの
能となる。池貝工場ではアメリカ人技師
工作機械の国産化が進められた。1871
(明
床長が多かったが、機械の能力と利用範
W.C.A.フランシスの技術指導を仰ぎ、
治4)年、機械専門の官営工場として工部
囲を最大限確保するため9フィートにし
試行錯誤の末に、この新たな生産方式の
省赤羽工作分局が設置され、工作機械の
た他、鋳鉄製の軸受に主軸を直接回転さ
導入に成功。1905(明治38)年に池貝式
製造が開始された。しかし財政上の理由
せるようにした。
そして1889
(明治22)
年、
標準旋盤の量産、販売を開始した。この
から、わずか12年後の1883(明治16)年
ついに2台の国産旋盤が完成した。
旋盤は国内に広く普及し、日本の製造業
に赤羽工作分局は廃止、官主導による国
更に池貝工場では工作機械を大量生産
が近代化するきっかけとなった。
産化は頓挫してしまった。
するため、近代的な「互換性生産方式」
池貝兄弟が製造した第1号旋盤は、池
明治中期になると、民間から工作機械
に国内でいち早く取り組んだ。
「互換性生
貝工場から他の工場へと引き継がれ、昭
製造に取り組む企業が現れた。その一つ
産方式」とは、19世紀初頭にアメリカで
和初期まで現役として稼働を続けた。工
が池貝庄太郎・喜四郎の兄弟が創業した
確立した手法で、計測器や補助具を使っ
作機械の国産化の道を開き、日本の機械
池貝工場であった。池貝工場には2台の
て図面との誤差を修正しながら規格通り
工業発展の礎となった貴重な旋盤は今、
イギリス製旋盤があったが、高価な輸入
の部品を製造する方式である。当時の日
現存する最古の動力旋盤として国立科学
機械をそれ以上購入することは難しかっ
本では職人の技術に頼った生産が当たり
博物館に収蔵されている。
周辺一押し情報
国立科学博物館
↑日暮里
452
機械遺産は一般社団法人 日本機械学会が認定したものです。
国立科学博物館
上野恩賜公園
京成本線
京成上野駅
首都高速1号線
▶所在地:〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
▶電話:03-5777-8600
▶交通機関:JR上野駅公園口より徒歩約5分
▶開館時間:通常9:00∼17:00(入館は16:30まで)、
金・土曜日のみ9:00∼20:00
(入館は19:30まで)
※特別展
「世界遺産ラスコー展」
は土曜日17:
00まで
(入館は16:30)
まで
▶休館日:月曜日
(月曜日が祝日の場合は火曜日)
、年末年始
(12月28日∼1月1日)
▶入場料:大人620円、高校生以下 無料
東北・上越・北陸新幹線 東京 ↓
↑大宮
JR上野駅
↑池袋・大宮 山手線・京浜東北線 東京 ↓
Information
2016年12月17日
(土)
∼19日
(月)
・浅草寺 羽子板市
2017年2月3日
(金)
・五條天神社 うけらの神事
2017年2月12日
(日)
・王子稲荷神社 凧市
毎年約30万人が訪れる年末の風
物詩、浅草寺の
「羽子板市」
写真提供:国立科学博物館、
(公財)
東京観光財団
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Part
米国経済の見通しについて
1
〜海外情報 平成28年10月号より抜粋〜
(ジェトロ・シカゴ事務所 産業機械部 高橋 貴洋)
本年8月、米国イリノイ州ウィーリング市において、
興国の経済発展が注目されるが、未だに世界のGDPの
米国の経済動向及び機械産業の今後の見通し等の国際経
1/4は米国が占めており、米国国内の経済規模は非常に
済 ア ウ ト ル ッ ク 会 議(The Industry and Economic
大きい。
Outlook Conference)が開催された。本会議では、米
⑵ 鉱工業生産の見通し
国経済の動向や世界市場の動き、各機械産業分野等の動
鉱工業生産については、2016年は104.5(対前年比
向について講演が行われた他、複数の講演者を交えたパ
1.1%減)で推移しているが、2016年の年間成長率の見
ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン が 行 わ れ た。 本 稿 で は、ITR
通しとしては1.0%減、2017年は2.7%増と予想してい
Economics 社長 Alan Beaulieu氏が講演した、米国
る。一方、GDPは2016年は16.5兆ドル(1.7%増)で
経済の見通しについて紹介する。
推移しており、2016年は1.9%増、2017年は3.5%増
と予想している。
⑴ 世界のGDPに占める割合
鉱工業生産に大きな影響を与えているのはエネルギー
2015年の世界のGDPは73.2兆ドルであるが、その
投資である。石油及び天然ガスの生産指数はここ10年
うち、米国が占める割合は24.5%であり、次いで中国
で一番最低となっている。原油価格は2016年第1四半
15%、日本5.6%、ドイツ4.6%、英国3.9%、フラン
期で前年同月比50.5%減、原油価格と比例する形で原
ス3.3%、インド2.9%、イタリア2.5%、ブラジル2.4%、
油採掘のリグ数も低下しており、エネルギー投資は減少
カナダ1.9%と続く。中国やブラジル、インドなどの新
していることが分かる。また、エネルギーの消費につい
ても減少傾向である。原油価格が低迷する一方で、米国
では再生可能エネルギーの導入が進んでいる。再生可能
エネルギーが消費電力に占める割合は10%となってお
り、2002年から倍増している。製造業の観点から言え
ば、その分、エネルギーコストが上乗せされるため、注
意が必要である。
⑶ 個人消費等の動向
ポジティブな点を挙げると、米国の個人消費は順調で
あることや、政府公定歩合は低い金利で維持されている
点などが挙げられる。更に、雇用環境は非常に良い状況
世界のGDP合計
(2015年)
:73.171兆ドル
出典:ITR Economics資料
(出所:国際通貨基金)
図1 世界のGDPに占める各国比率
(2015年)
52
が続いており、雇用数は伸び、失業率はほぼ完全雇用に
近い水準まで下がっている。賃金も伸び悩みが指摘され
るが上昇傾向であり、個人消費の継続につながっている。
INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
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米GDP成長率
(右軸)
米鉱工業生産指数
(左軸)
出典:ITR Economics資料
(出所:米商務省経済分析局、国際通貨基金)
図2 米国の鉱工業生産指数の推移
(年平均ベース)
米国の鉱工業生産指数
米国の鉱工業生産指数成長率
出典:ITR Economics資料
(出所:米連邦準備銀行
(FRB)
)
米国のGDP
米国のGDP成長率
出典:ITR Economics資料
(出所:米経済分析局
(BEA)
)
図3 米国の鉱工業生産指数とGDPの推移
(予測含む)
実際、米国の小売売上は過去最高水準で推移しており、
米国の製造業は競争力が高く、今後もそれを維持・拡大
米国市場での個人消費の強さが表れている。また、非居
していく取り組みが必要である。
住者向けの住宅建設も上向きで推移している。景気の良
米大手会計事務所のDeloitteの調査によると、2016
さを示す指標のひとつである物価上昇への圧力も高いと
年の世界製造業競争力指数(10(低い)~100(高い)
)は、
される。
1位が中国(指数100)
、2位が米国(99.5)、3位がド
⑷ 今後の見通し
イツ(93.9)、4位が日本(80.4)、5位が韓国(76.7)
今後の米国での製造業のキーワードとしては、消費地
とされている。競争力指数のもっとも重要なファクター
の近傍での生産と効率的な部品調達、
新たな技術の導入、
は人材の能力としており、2番目はコスト競争力である。
資本と労働、エネルギー供給、消費者目線を挙げたい。
中国の世界一の人口による優位性は高く、優秀な人材の
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WTI原油先物価格
(右軸)
原油リグ数
(左軸)
出典:ITR Economics資料
(出所:米連邦準備銀行
(FRB)
)
図4 原油価格の推移と原油採掘用リグ数の推移
(週間ベース)
輩出と安価な労働力によるコスト競争力が評価された形
ている。米国における製造業の従事者は1,130万人で4
だ。一方、2020年の見通しでは、1位が米国(100)、
番目に大きな労働分野であり、米国からの輸出の6割は
2位が中国(93.5)
、3位がドイツ(90.8)、4位が日本
製造業が占める。
(78.0)
、5位がインド(77.5)とされており、米国と中
これらを踏まえ、今後に向けては、価格低下に敏感な
国とが逆転している。中国は人件費の向上や若い世代の
消費市場の調査や、新たな技術による効率向上、営業及
人口減などが影響しており、相対的に米国は強みである
びリーダーとなる人材の雇用、マーケットシェア拡大の
技術や人材、人口増などが踏まえられている。これは、
ための資金提供、賃金やエネルギーコストの上昇への対
米国内での産業が競争力を失わずに成長することを示し
応計画などを検討いただくことを提案したい。
出典:ITR Economics資料
(出所:Deloitte)
図5 世界製造業競争力指数
(2016年)
54
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Part
2
駐在員便り in ウィーン
〜海外情報 平成28年10月号より抜粋〜
(ジェトロ・ウィーン事務所 産業機械部 藤田 侑士)
皆さんこんにちは。
スーパーでよく見られるのは、一定数以上の商品を購入
こちらウィーンは、つい2ヶ月前までは緑一面だった
すると割引になるといったものや、スーパーの会員カー
街路樹の葉も大分落ちてしまい、10月だというのに秋
ドを提示することで商品が値引きされるといったもので
を通り越してもう冬が到来したのではと思うほど寒くな
す。こちらのスーパーでは日本のようにお惣菜などはほ
っています。10月に入ってからは最低気温が5℃位で、
とんど販売されていないので、その日の閉店前に商品の
最高気温も10℃を少し超える程度と本当に寒い日が続
割引が行われることはありません。こちらに立ち寄った
き、街中を歩く人もダウンやマフラー、手袋をしている
際には、クーポン券を利用するとお得に買い物ができる
人も多く見られるようになりました。
寒くなってくると、
と思います。
朝の通勤時には近くのカフェで購入したコーヒーを片手
新聞での記事に関連し、日本では2011年に既にアナ
に歩く人が多く、暖かい飲み物が恋しくなる季節となり
ログ放送から地上デジタル放送に移行していますが、オ
ました。日照時間も短くなり、18時半頃になると外は
ーストリアでは10月27日を以って完全に地上デジタル
すっかり暗くなっています。10月30日日曜日には今年
放送に移行することになります。これに際し、家電量販
の夏時間が終了し、日本との時差が8時間となる冬時間
店のMedia Marktでは地上デジタル放送の受信機器の
が始まります。
無料配布を行い、100人を超える人が市内の各店舗に
現地の情報を入手しようと、駅や路上のスタンドに設
訪れたことが紙面を賑わせました。
置されてある無料新聞を読む機会が多いのですが、新聞
9月22日~10月9日にかけ、Prater地区(1区)に
にマクドナルドやカフェ、家具店などで利用できるクー
あるプラーター遊園地前の公園で、今年で6回目となる
ポン券が含まれているのをよく目にします。日本でも、
ウィーン・ヴィーゼン祭り(Wiener Wiesn-Fest)が開
売上を上げるために様々な販促キャンペーンが行われて
催されました。このイベントでは、ウィーンのシンボル
いると思いますが、これはオーストリアでも同じです。
であるプラーター遊園地の大観覧車を背景に、オースト
国会議事堂に掲げられたピンクリボンのオブジェです。
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リア産ビールや地元の名物料理が提供され、オーストリ
最後に、ウィーンの国会議事堂に10月1日のピンク
ア各州の独自の慣習、音楽が紹介されました。この時期
リボンデーに合わせ、大きなピンクリボンが掲げられま
に開催される似たイベントとしてドイツ、ミュンヘンの
した。ピンクリボンとは、乳がんの正しい知識を広め、
オクトーバーフェスト(Oktoberfest)が有名ですが、
乳がん検診の早期受診などを目的に行われる世界規模の
ウィーン・ヴィーゼン祭りも期間中ビールを片手に多く
啓発キャンペーンです。ピンクリボンの由来は、1980
の人で賑わっており、さしずめウィーン版のオクトーバ
年にアメリカで乳がんで死亡した女性の母親が、死亡し
ーフェストという印象を受けました。また、普段はあま
た女性の娘である実孫に同じ悲しみを繰り返さないとい
り聴く機会のないチロリアン音楽なども堪能でき、現地
う願いを込め手渡したのがピンクリボンであったことが
の文化に触れる良い機会となりました。
きっかけと言われています。
check
Point in
現地に本社がある有名企業は?
オーストリアに本社がある有名企業として、次の3社を紹介したい
とおもいます。
①ベーゼンドルファー(Bösendorfer)
(写真1参照)
ベーゼンドルファー社は、1828年に設立されたピアノ製造企業
で、ハプスブルク家が欧州の大部分を統治して い た 時 代、Ignaz
Bösendorfer氏により創業されました。高品質のピアノを製造して
おり、オーストリア帝国で名声が高まったことにより、帝室初の御用
達として認定されました。同社は長い歴史を持っているものの、現在
までに約50,000台のピアノしか製造しておらず、現在の年間製造
数は約250台です。また、1台のピアノ製造にかけられる期間は約
62週間で、調律・整音などの調整に要する期間は約8週間です。大
量生産ではなくピアノ一つひとつに十分な時間をかけ製造されている
ことが、ベーゼンドルファーが大きな支持を得ることにつながってい
ます。
【左上】
写真1 ベーゼンドルファー社のピアノ。
【右上】
写真2 ロコ社の鉄道模型。
ロコ社は、1960年にオーストリアのBergheim(ザルツブルク州)【下】写真3 磁器工房アウガルテンの磁器。
②ロコ(Roco)
(写真2参照)
で創業された鉄道模型メーカです。当初は子供向けの玩具を製造していましたが、後に軍用車両の自動車模型の製造も行い、1967年から鉄道
模型の製造を開始しました。現在、本社は車両模型、線路模型、HOゲージなどの製品を提供しており、欧州3ヶ国に関係会社を有しています。
③ 磁器工房アウガルテン(Porzellanmanufaktur Augarten)
(写真3参照)
磁器工房アウガルテンは、1923年オーストリアの首都ウィーンで設立された磁器工房です。本社の名前は、アウガルテンという公園に由来
しています。ドイツのマイセン磁器工房に継ぐ欧州2番目の磁器工房であり、創業された時代には、アール・デコの装飾が人気を博していまし
た。同社の製品にはオーストリアの様々な芸術家によるデザインが施されており、
製品は全て職人の手作り及び手書きにより製造されています。
現在ではオーストリア国内に3つの工房が存在し、ウィーンにある工房では見学を行うことも可能です。
Part
3
駐在員便り in シカゴ
10月に入りシカゴは完全な秋模様です。この時期は、
56
〜海外情報 平成28年10月号より抜粋〜
(ジェトロ・シカゴ事務所 産業機械部 高橋 貴洋)
かと思いきや、10月上・中旬にはいったん寒さが和らぎ、
秋から冬に向けて季節が移り変わる段階に入るため、日
夏のような暖かさを感じる日が数日ほど続くことがあり
ごとに気温が少しずつ下がり肌寒さが増していきます。
ます。いわゆる小春日和です。この小春日和を当地では
ところが、冬の寒さに向けて短い秋を一気に走り抜ける
インディアン・サマーと呼んでおり、温暖な気候を利用
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して、秋のレジャーを楽しんでいます。インディアン・
した。結果は今年もケニア勢が活躍。男子は1位~5位
サマーの語源は定かではないのですが、ネイティブ・ア
までをケニア勢が占め、女子も1位はケニア選手となり
メリカンが狩りをするのにちょうど良いシーズンだった
ました。日本人では男子の深津選手(旭化成)の7位が
ところから名付けられたとの説があるそうです。もっと
最高となりました。
も、小春日和はあくまで小春日和に過ぎないため、イン
また、シカゴマラソンは都市型のマラソンであるため、
ディアン・サマーが終わると、今度は本当の冬に向けて
都市部39の道路が朝7時から閉鎖されます。その後、
一直線に走り出します。早速、今朝は一桁台の気温とな
ランナーが通りすぎた道路から順に、午後4時半にかけ
ったため、ダウンジャケットを取り出すことになりまし
て段階的に閉鎖解除となるのですが、いくつかの道路は
た。どうやら、冬は近いようです。
解除が遅れるトラブルが発生し、ニュースとなりました。
さて、秋はスポーツの秋ということで、この時期、野
球やアメリカンフットボールなどのプロリーグは最終戦
その道を通るドライバーにはご愁傷様としか言えませ
ん。
を迎え、盛り上がっています。また、様々なスポーツイ
道路のトラブルと言えば、米国ナンバー1の渋滞を誇
ベントもこの時期に開催されます。シカゴでは毎年恒例
る、シカゴ中心部を横断する我らが高速道路90号線(通
の都市型マラソンであるシカゴマラソンが10月9日に
称I90)を忘れてはいけません。私の通勤ルートでもあ
開催されました。平坦なシカゴの地で開催されるマラソ
るため毎朝利用しているI90ですが、相変わらずの渋滞
ン大会であるため、スピードレースとなることが多く、
ぶりを見せています。もっとも、この渋滞を解消するた
ここ最近はスピードレースに強いケニアの選手が優勝し
め、2013年から25億ドルの予算をかけて約99kmにも
ています。ちなみに、地形が平坦なのはシカゴだけでな
及ぶ区間の車線拡張工事が行われており、I90利用者と
くイリノイ州全体がそうで、イリノイ州の一番高い所は
しては大変期待をしています。工事は今年で4年目とな
標高376メートルとシカゴで一番高いビルであるウィ
り、とうとう最終年を迎えているのですが、まだまだ工
リス・タワーの屋上までの高さ(442メートル)よりも
事は続行中です。というより、終わる気配がまったくあ
低い状況です。
りません。冬場は極寒となるシカゴのこと、当然ながら
今年は、10℃前後と例年に比べ肌寒い1日となりま
真冬に道路工事が行えるはずもなく、冬の直前の現在が
したが、ランナーにとっては走りやすい気温だったよう
最終工程となるはずなのですが、
「はず」は「はず」に過ぎ
です。約4万人のランナーがシカゴ都市部を走り抜けま
ず、まだまだ工事継続中です。ここまで来ると、工事が
シカゴ郊外 秋の朝の風景
(色付く落葉樹と初霜の様子)
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着実に進んでいるのか、着実に遅れているのか判断が付
来につながる工事。現在不便というだけで可能性をつぶ
かなくなってきます。そのあたり、まさにアメリカらし
してはいけません。シカゴ赴任後、いつになったら渋滞
いと言えばそうなのですが…。渋滞解消のための道路工
が解消されるのかと言い続けて、早1年4ヶ月。まだま
事、4年間も車線が塞がり、新たな渋滞が発生している
だ先は長そうです。
かと思うと、新たな矛盾を感じてきます。とは言え、未
check
Point in
現地に本社がある有名企業は?
世界最大のファーストフードチェーンとして知ら
れる米マクドナルドは、シカゴ郊外のオークブルッ
クに本社があります。現在では、世界119ヶ国、
約3万6千店舗を展開し、1日に約6,800万食を
販売、年間254億ドルの売上を誇る巨大外食企業
です。本社があるオークブルックには、マクドナル
ド従業員向けの研修施設である「ハンバーガー大学」
が設置されており、年間7,500人以上の従業員が
店舗経営などについての研修を受けています。
元々、フランチャイズビジネスを開始した1955
年当初はシカゴに本社がありましたが、1971年に
現在のオークブルックに移転しました。2016年6
月、マクドナルドは2018年の春までに本社をシカ
ゴに移転すると発表しました。約半世紀ぶりにシカ
ゴに本社が戻ってきます。新しい本社ビルは2.5億
ドルで建設されるとのことです。
【上】
オークブルックにあるマクドナルド本社
(出典:米マクドナルド)
。
【下】
新しいマクドナルド本社の完成予想図
(出典:Sterling Bay)
。
海外情報−産業機械業界をとりまく動向−目次
平成28年11月号
調査報告
(ウィーン) Offshore Battery Days 2016
(その2)
(シカゴ) 国 際 製 造 技 術 展(IMTS2016、International Manufacturing
Technology Show)
について
情報報告
(ウィーン) EBA Conference 2016
(その1)
(ウィーン) EUのEVインフラの現状
(ウィーン) 欧州環境情報
(シカゴ) 米国環境産業動向
(シカゴ) 最近の米国経済について
(シカゴ) 化学プラント情報
(シカゴ) 米国産業機械の輸出入統計
(2016年7月)
(シカゴ) 米国プラスチック機械の輸出入統計
(2016年7月)
(シカゴ) 米国の鉄鋼生産と設備稼働率
(2016年7月)
※海外情報は当工業会ホームページでもご覧になれます。
(http://www.jsim.or.jp/)
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今月の新技術①
高効率熱媒ボイラ
A New technology of this month
三浦工業株式会社
特機技術統括部 熱媒ボイラ設計課
課長 大久保 恭輔
1.はじめに
部にバーナを設置しコイルの内側を燃焼室としている。
缶体は機種・容量によって異なるが、2重巻きもしくは
主に産業用の200℃を超える高温熱源として使用さ
3重巻き構造となっている。バーナの燃焼により発生し
れる熱媒ボイラは、熱媒油と呼ばれる油を加熱媒体とし
た高温の燃焼ガスは、燃焼室下部より強制対流伝熱部へ
て熱輸送に使用するボイラで、
①低圧でも高温(0.3MPa
と流入し、コイルの間を下から上方向に抜けながら加熱
で280℃)が得られる、②配管腐食の心配がない、③水
管を通じて内部の熱媒油と熱交換し、煙道より排出され
管理が不要などの特長を有し、敷設配管のランニングコ
る。
ストが抑えられることから、蒸留塔や熱処理装置、乾燥
装置などに広く利用されている。
燃焼ガスから熱媒油への熱伝達は、燃焼室における火
炎からの輻射伝熱と高温排ガスの流動による対流伝熱で
一方、産業用機器の省エネルギー化や高効率化への要
行われ、熱媒油戻り温度250℃に対して出油温度280
求が高まりを見せる中で、水を加熱媒体とし、エコノマ
℃(ΔT=30℃)となるように伝熱面積と燃焼量、熱媒
イザによる低温給水熱回収が可能な蒸気ボイラは熱効率
油循環流量が決定されており、缶体煙道からは380℃
(ボイラ効率)98%以上を達成しているのに対し、熱媒
レキュペレータ
ボイラは熱媒油の戻り温度が200℃以上と高く、熱媒
バーナ
体でそれ以上熱回収することができないため、排ガス温
度は380℃程度となり、ボイラ効率は80%前後と低い
缶体
ものであった。
当社ではレキュペレータと呼ばれる空気予熱器を熱媒
ボイラに搭載し、高温排ガスと燃焼用空気の熱交換を行
うことで熱回収し、ボイラ効率92%を達成したパッケ
ージ型高効率熱媒ボイラKXI-VN型を市場投入してい
る。以下にその構造と特長を述べる。
2.構造
図1に高効率熱媒ボイラの概念図を示す。
ボイラ缶体は加熱管をコイル状に巻いた構造をしてお
り、加熱管内部に熱媒油が循環している。また、缶体上
送風機
図1 高効率熱媒ボイラの概念図
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ボイラ出口の熱媒油温度の変動を抑制しながら、低負
程度の排ガスが排出される。
この排ガスをボイラ後方に搭載したレキュペレータを
荷でも消えずに燃焼させることができるため、発停に
用いて燃焼用空気(フレッシュエア)と熱交換し、火炎
よるパージロスが低減され、更なる運転効率の向上が
温度を上昇させることで輻射伝熱を促進させボイラ効率
期待できる。
を向上している。この熱交換によってレキュペレータ出
⑵ 給気温度に応じた最適空気比制御
口の排ガス温度は170℃以下へと低下し、燃焼用空気
排ガスからの熱回収による給気温度の上昇に伴っ
温度は200~300℃に加熱され、この分だけ火炎温度
て、バーナやダクトの流動圧力損失が上昇するため、
が上昇することになる。
送風機を一定回転で運転すると空気比が低下すること
レキュペレータはプレート式のものを採用し、コンパ
になる。
このため、レキュペレータ出口の給気温度をモニタ
クトかつ低圧損で比較的高い熱交換量が得られている。
しながら、インバータで送風機回転数を制御すること
3.特長
で空気比を一定にする最適空気比制御を行っている。
⑶ 大気汚染防止法をクリア
⑴ 比例燃焼バーナとPIDによる目標温度制御
火炎温度の上昇に伴いサーマルNOxの排出量が増
熱媒ボイラの容量選定は設備の最大負荷を想定して
行われるため、当社オンラインを利用した稼働率調査
加するが、13Aを燃料とする高効率熱媒ボイラでは、
では平均負荷率が30~40%であることが分かった。
給気温度がおよそ300℃までの範囲であれば大気汚
また、一般的な運転パターンは、朝一など冷態起動時
染防止法であるNOx:150ppm以下(O₂=5%換算)
に100%負荷で燃焼し、熱媒油温度が安定してから
を満足する。
は30~40%負荷で燃焼することが多いため、従来の
⑷ 台数制御装置との組み合わせも可能
50%負荷を低燃焼とする三位置制御バーナでは停止
これら比例燃焼制御とPID制御、台数制御装置とを
↔低燃焼を繰り返しているケースの多いことが分かっ
組み合わせた多缶設置熱媒システムでは、全体負荷に
た。ボイラの起動と停止時には、安全上の観点から燃
対するターンダウン比(最低出力と最大出力の比)を
焼室内の未燃ガスを排出するためパージが行われる
拡大することができるため、多様な負荷バランスに対
が、このとき缶体やレキュペレータに蓄積された熱が
応でき、更なる省エネルギー化が期待できる。
パージロスとして排出されることになる。
このため高効率熱媒ボイラは33~100%の負荷領
域で比例燃焼できるバーナを標準搭載し、PID制御で
4.主な仕様
高 効 率 熱 媒 ボ イ ラ の 仕 様 を 表 1 に 示 す。 熱 出 力
表1 高効率熱媒ボイラの基本仕様
バーナ
接続口径
種類
熱出力
効率
最高使用圧力
最高使用温度
電源
燃料消費量
ガス供給圧
制御方式
ターンダウン
熱媒入口
熱媒出口
充填排出口
排気筒接続口
単位
kW
%
MPa
℃
―
Nm³/h
kPa
―
―
mm
法規
取扱資格
60
KXI-40VN
465
KXI-50VN
581
33.6
44.8
56.0
50
50
A
適用規格
法定伝熱面積
KXI-30VN
349
m²
65
65
15
φ330
φ290
小型貫流
ボイラ
特別教育
受講者以上
9.92
KXI-60VN
698
KXI-75VN
KXI-100VN
KXI-125VN
872
1,163
1,453
92
0.3
300
AC200V 50/60Hz
67.2
84.0
112.1
140.1
9.8~19.6
比例制御
1:3
80
100
80
100
KXI-150VN
1,744
KXI-200VN
2,326
168.1
224.1
125
125
20
φ360
φ400
φ475
φ510
φ590
貫流ボイラ
ボイラ取扱技能講習修了者以上
15.44
21.22
26.66
29.90
2級ボイラ技士以上
36.16
47.99
56.27
72.90
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349kWの小型貫流ボイラから872kWの小規模ボイラ、
更には2,326kWの大容量ボイラまで合計9機種を品揃
えしており、幅広いお客様に高効率熱媒ボイラを提供す
ることが可能となっている。
5.導入効果
⑴ CO₂削減効果
CO₂排出係数2.23kg-CO₂/m³Nとして計算したCO₂
KXI-30VNの外観を写真1に示す。ボイラ後方にレ
削減量を表2に示す。各容量とも当社標準熱媒ボイラに
キュペレータを設置し、排ガスはレキュペレータ内を上
比べ高効率熱媒ボイラは13%の燃費及びCO₂削減率と
から下に流れるようになっている。レキュペレータの排
なる。
ガス入口には内部検査孔を設け、点検検査を行うと共に
⑵ コストメリット
伝熱面の汚れを洗浄できるようになっている。
年間稼働時間4,000時間の工場に対し、熱媒ボイラの
稼働率35%とし、燃料代を1m³N当たり90円として計
算した年間の燃費削減金額を表3に示す。100万kcal/h
クラスで年間200万円ほどの削減となる。
6.おわりに
高効率熱媒ボイラKXI-VN型は、環境省が「L2-Tech・
JAPANイニシアティブ」として推進する、エネルギー
起源二酸化炭素の排出削減に国内最大の効果をもたらす
先 導 的(Leading) な 低 炭 素 技 術(Low-carbon
Technology)=L2-Tech(エルツーテック)製品に、
熱媒ボイラとして唯一認証されている(2015年度冬版
L2-Tech認証製品)。
当社では、今後も地球温暖化や大気汚染など様々な問
題の解決に向けて、更なる高効率商品の開発を行いなが
ら工場全体でエネルギーを有効利用できる技術を組み合
わせた工場トータルソリューションを推進する所存であ
る。
写真1 高効率熱媒ボイラKXI-30VN外観
表2 燃費及びCO₂削減率
ボイラ型式
KXI-30
燃料消費量
(m³N/h)
CO₂排出量
(kg-CO₂/h)
表3 燃費削減金額
燃費及び
CO₂削減率
ボイラ型式
年間の燃費削減金額
75.0
KXI-30VN
¥611,000
標準型
高効率型
標準型
高効率型
38.7
33.6
86.2
KXI-40
51.6
44.8
115.0
100.0
KXI-40VN
¥824,000
KXI-50
64.4
56.0
143.7
125.0
KXI-50VN
¥1,009,000
KXI-60VN
¥1,271,000
KXI-75VN
¥1,527,000
KXI-60
77.3
67.2
172.4
149.9
KXI-75
96.7
84.1
215.6
187.4
KXI-100
128.9
112.1
287.4
249.9
KXI-100VN
¥2,057,000
KXI-125
161.1
140.1
359.3
312.4
KXI-125VN
¥2,580,000
13.0%
KXI-150
193.3
168.1
431.1
374.9
KXI-150VN
¥2,992,000
KXI-200
257.8
224.1
574.8
499.8
KXI-200VN
¥3,985,000
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木質ペレットの
ハンドリングについて
今月の新技術②
A New technology of this month
宇部興産機械株式会社
運搬・除塵技術部 運搬機設計グループ
川崎 友裕
系の燃料を燃焼させエネルギー利用するという
1.はじめに
「Carbon Neutral」という観点で世界的に着目されてい
2011(平成23)年8月、
「電気事業者による再生可能
エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が成立し、
る。
本稿では、既設の石炭火力発電所の石炭搬送設備に附
これに基づき、翌年7月、FIT(固定価格買取制度=
加し、木質系バイオマスの一種である木質ペレットを用
Feed in Tariffs)がスタートした。FITとは、太陽光、
いて、混焼方式発電を行うための貯蔵運搬設備について、
風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギ
設計上考慮した事項を含め紹介する。
ー源を変換して得られた電気を、電気事業者が一定期間
買い取ることを義務付けた制度のことである。
再生可能エネルギー原料として大半を占めるのは木質
系バイオマスであり、二酸化炭素を長期間吸収した植物
2.設備概要
本設備の外観を写真1に、機器系統図を図1に示す。
図1に示す通り、アンローダで船から荷揚げした木質ペ
受入コンベア
サイロ
写真1 設備外観
62
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石炭コンベヤ
アンローダ
石炭貯蔵倉庫
受入コ
ンベヤ
木質ペレット
サイロ
計量器
石炭コ
ンベヤ
輸送船
払出コ
ンベヤ
サークルフィーダ
計量器
図1 機器系統図
レットを受入コンベヤで搬送した後、
サイロで貯蔵する。
貯蔵した木質ペレットは、サークルフィーダで切り出し
た後、
払出コンベヤで既設の石炭コンベヤまで搬送する。
そして既設石炭コンベヤ上で石炭と木質ペレットを混合
した後、発電設備側へ搬送する。上記設備のうち、当社
は木質ペレットの貯蔵運搬設備(受入・払出コンベヤ・サ
イロ)の設計から製作・据付・試運転までを行った。
3.木質ペレットの特長
⑴ 木質ペレットとは
木質ペレットとは、乾燥した木材を細かく粉砕し、
写真2 木質ペレット
圧縮成型した木質系バイオマスの一種である。その大
きさは直径6∼10mm程度、長さ10∼25mm程度で
発熱し、搬送物の粉塵に着火して、火災が発生するこ
円筒形の形状をしている。写真2に木質ペレットを示
とがあるため、十分な火災防止対策が必要となる。
す。
⑵ 粉塵の飛散
木質ペレットは、運搬中の衝撃などにより、崩れて
粉末状になることがある。粉末状となった木質ペレッ
4.木質ペレット貯蔵運搬設備における
設計上の対策
⑴ 粉塵の飛散防止対策
トは、乾燥しており、粒子が細かいため、飛散しやす
木質ペレットの粉塵の飛散防止対策として、コンベ
い。そのため、コンベヤ外部への粉塵の飛散防止対策
ヤ中間部においてプレートガーダフレームを採用し
が求められる。
た。プレートガーダフレームは、鋼板をコの字型に折
⑶ 火災防止対策
り曲げてフレームを形成し、フレーム上面をFRP製
木質ペレットを長期間大量に貯蔵した場合、湿った
のコンベヤカバーで覆った構造となっている。従来の
空気の流入や結露による局所的な水分の集中によっ
トラスガーダでは、強度部材であるトラスガーダフレ
て、微生物による発酵熱が生じる。それらが蓄熱され
ームに落鉱防止板やサイドカバーで仕舞いをしていた
ると更に自然酸化により発熱し、火災に至ることがあ
が、仕舞いの部分から粉塵が飛散しやすい。一方、プ
る。
レートガーダは、フレーム全体を一体成型し、開閉式
また、コンベヤローラの回転不良により、軸受部が
のワンタッチ点検口を設けているため、従来のトラス
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FRP製コンベヤカバー
FRP製コンベヤカバー
ベルト
ベルト
清掃配管
ワンタッチ式点検
ノズル用カプラ
落鉱防止板
サイドカバー
プレートガーダフレーム
トラスガーダフレーム
図2 プレートガーダフレームとトラスガーダフレームの構造比較
ガーダに比べて、隙間が少なくなっており、粉塵が飛
異常発熱や可燃化ガスが発生する可能性があるた
散しづらい構造となっている。図2に従来のトラスガ
め、木質ペレットの保管状態を監視する必要がある。
ーダとプレートガーダの比較を示す。
そこで、サイロには温度計を設置し、サイロ内の温
⑵ 火災防止対策
① コンベヤの火災防止対策
イロ内の一酸化炭素や酸素、メタンガスなどの測定
コンベヤ内部に堆積した木質ペレットによる火災
を行っている。そして、万が一サイロ内部で異常発
を防ぐためには、定期的な清掃が重要である。そこ
熱が生じた場合のために、散水設備や窒素ガス封入
で、コンベヤ内部の清掃を簡単に行えるようにする
設備も設置している。
ため、コンベヤ全長にわたって清掃配管を設置し、
30mおきにノズルを接続するためのカプラを設け
5.木質ペレットの混焼率制御と定量供給
た。清掃を行う際には、清掃配管末端部にバキュー
混焼方式発電において、目標とする発電量を安定的に
ム車を接続し、コンベヤ内部に堆積した木質ペレッ
確保するためには、石炭と木質ペレットの混焼率を維持
トの粉塵を吸引清掃することができる。
することが重要な要素であり、精度の高い燃料供給が求
また、火災防止対策として、コンベヤフレーム内
められる。
の清掃スペースの見直しも行った。一般的に平コン
今回の搬送設備における制御は、次の流れで行った。
ベヤは、コンベヤの搬送面とリターンローラが接触
まず、設定された混焼率(カロリー比)に対して石炭及
することにより、粉塵がコンベヤフレーム底部に落
び木質ペレットの単位熱量を考慮し混合率(質量比)及
下する。落下した粉塵がローラと接触するまで堆積
び必要となる搬送量を算出する。
すると、ローラの回転不良や発熱を引き起こし、堆
しかしながら、実際のコンベヤには、搬送量の増減の
積した粉塵から発火して火災に至る。そのため、仮
脈動が少なからずある。そこで石炭コンベヤ上に流れて
に清掃が不十分であっても、火災につながりにくく
いる実搬送量を計量器で測定し、その値を基にして、目
するため、コンベヤフレーム底面とリターンローラ
標とする混合率から必要となる木質ペレット搬送量を算
のクリアランスを従来よりも大きくした。
出する。そしてサークルフィーダや払出コンベヤの回転
そして、コンベヤローラに対しては、軸受部のシ
速度を調整することで、算出した搬送量となるように制
ールを従来の樹脂製から鋼製へと変更することで、
御を行っている。また、払出コンベヤにも計量器を設置
発火源であるローラ自身の不燃性も高めた。
しており、目標とする搬送量となっているか監視すると
② サイロの火災防止対策
木質ペレットは、長期間サイロ内で貯蔵すると、
64
度監視を行っている。また、ガス検知器によってサ
共に、払出コンベヤの実搬送量のずれを更にサークルフ
ィーダや払出コンベヤにフィードバックしている。 こ
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れらの制御サイクルを一定時間ごとに更新することで高
においては、木質ペレットの粉塵飛散防止対策や火災防
精度な混焼率制御を実現した。
止対策に、より有効なエア浮上コンベヤの導入を進めて
いる。エア浮上コンベヤとは、ベルトを空気で浮かせ搬
6.おわりに
送させるローラレスのコンベヤであり、その構造を図3
近年、地球温暖化や環境問題などにより、二酸化炭素
の排出量を抑制することが求められ、バイオマス燃料混
に示す。
今後、本稿で紹介した設備で得た技術や経験を今後の
貯蔵運搬設備の事業展開に生かすことで二酸化炭素の抑
焼方式発電は、有効な手段のひとつである。
現在、当社では本稿で紹介した貯蔵運搬設備の他に3
制の一端を担えればと考える。
件のバイオマス貯蔵運搬設備が進行中である。上記設備
ベルト
リターン側
給気ダクト
キャリヤ側
給気ダクト
図3 エア浮上コンベヤの構造
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今月の新技術③
二次電池正極材用
オールセラミックス
微粉砕機の紹介
A New technology of this month
ホソカワミクロン株式会社
企画管理本部 経営企画部
部長 東 充延
1.はじめに
昨今のEV(電気自動車)やHV(ハイフリッド車)
、
な分野で、世界的に幅広く導入されている汎用性の高い
装置であり、日本国内でも2,500台を超える納入実績を
有する微粉砕機ACMパルベライザの特徴・能力を継承
PHV(プラグインハイブリッド車)などのエコカーへの
しつつ、二次電池正極材の加工に特化して開発した(図
需要増及び今後の市場拡大予想の高まりから、二次電池
1参照)。
材料事業への新規参入や既存設備の増強投資が増える傾
従来装置は、気流式分級機を内蔵し、高い粉砕性能と
向にある。また、欧州自動車メーカーによるディーゼル
共に製品粒子径制御の容易さを特徴とする。更に豊富な
排出ガス不正問題がこの傾向に拍車をかけ、ディーゼル
オプションパーツによる対応材料の広さもあり、様々な
車の人気が高く、充実したラインアップを持つ欧州自動
用途で導入されてきた。当装置では従来装置の粉接部全
車メーカーにおいても、エコカーへのシフト傾向が高ま
てにセラミックス部品を用いることで、部品の摩耗によ
りつつある。
る金属コンタミネーションが許されない用途に特化し
このような状況下、中国や韓国での車載用二次電池材
た。これにより、特に二次電池材料のように金属コンタ
料加工設備への投資意欲は、日本国内を凌ぐ勢いで高ま
ミネーションが安全性に直結するため、非常にシビアな
っている。
数年前にも二次電池材料加工設備への投資が盛んに行
われた時期があったが、その時は負極材料加工設備が主
であった。これに対し、今回は電池材料の研究開発が急
ピッチで進む中で、設備需要はもっぱら正極材加工用途
に移る傾向にある。
本稿では、需要が急速に高まる二次電池正極材の加工
を目的に開発し、2016(平成28)年12月から販売開
始を発表した衝撃型分級機内蔵微粉砕機ACMパルベラ
イザBC型について紹介する。
2.衝撃型分級機内蔵微粉砕機
ACMパルベライザBC型
当装置は、医薬や食品、化学、樹脂、鉱物などの様々
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図1 ACM-10BC外観、CGによるイメージ
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品質が求められる用途にも対応できる装置となった。
また、日本国内のみならず、二次電池材料加工関連設
備の需要が高まる中国、韓国などの海外市場での拡販を
ファイントロンFT-N
ACMパルペライザ
パルスジェットコレクタ
ブロワ
製品タンク
目的に、主要部品の構造を見直し、可能な限りシンプル
な設計とすることで、装置のイニシャルコスト低減を図
った。
装 置 名 に つ け た「BC」は、 用 途(Battery)と 仕 様
(Ceramics)を表している。
なお、当装置は、2016(平成28)年11月30日(水)
図2 ACM-BC システム・フロー(モデル)
∼12月2日(金)に東京ビッグサイトで開催される国際
・分級機回転数及び風量の制御により、容易に粉砕粒
粉体工業展東京2016での展示を予定する。
子径の調整ができる。
・分級機を内蔵するため、過粉砕することなく効率的
〈製品の概要〉
な粉砕処理ができる。
⑴ 製品名称
ホソカワ/ミクロン ACMパルベライザ BC型(衝
⑹ 代表的な用途
二次電池正極材(三元系、リン酸鉄)
、太陽電池材料、
撃型分級機内蔵微粉砕機)
セラミックコンデンサ材料、シリカ、黒鉛など
⑵ 型式
型式:ACM-BC(ACM-15BC、ACM-30BC)
⑶ 発売日
2016(平成28)年12月5日(月)
3.おわりに
中国市場の成長性の鈍化が報告されるが、車載用二次
⑷ 原理・構造
電池材料の加工設備への投資意欲は非常に旺盛な状態が
気流式分級機を装置中央に内蔵した微粉砕機ACM
続いており、少なくとも粉体技術関連市場においては、
と基本構造は同じだが、原料と接する部品を全てセラ
間違いなく活況市場と言える。当社では、市場に適した
ミックス製にした。また、主要部品の構造を見直し、
装置を需要が旺盛なタイミングで効果的に展開していき
可能な限りシンプルな設計とした。
たいと考える。当装置をひとつの突破口とし、貴重な活
⑸ 特長
況市場に向けた高性能装置の投入を加速することで事業
・粉接部は、オールセラミックス仕様で、金属コンタ
拡大を図っていく方針である。
ミネーションを防止できる。
ミルカバー
粉砕品
ガイドリング
ライナ
ミルカバー
分級ロータ
ガイドリング
原料
原料
粉砕ロータ
分級ロータ
粉砕品
ライナ
粉砕ロータ
図3 従来装置(左:ACM)と新型装置(右:ACM-BC)の構造比較
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今月の新技術④
当社が独自に設計・開発した
ワイヤロープホイスト新製品
の紹介
A New technology of this month
株式会社 キトー
プロダクト・プランニング部
賈 楠
1.はじめに
手動式チェーンブロック及び電気チェーンブロックの
2.RYホイストの特長
⑴ 独自のインバータ制御
製造販売において80年にわたって実績を重ねてきた当
2速インバータ形を標準仕様とした電気チェーンブ
社は、2016(平成28)年4月に、独自に設計・開発し
ロック「キトーエクセルシリーズER2形」のコア技術
た新製品「キトーロープホイストRY形」を発売し、
「ロー
を更に進化させ、独自のインバータ制御で荷の揺れを
プホイスト」市場に本格参入した。主流である2.8tロ
最小限に抑える。
ーヘッド形を日本市場へ先行販売し、順次ラインアップ
インバータ特有の停止時の荷の流れを抑え、静かで
を拡充させ世界市場へと展開する。私たちキトーのもの
滑らかな動きにより荷の振動を抑えながら、最小の距
づくりは、お客様の「安全」を考えることから始まる。
離で荷を停止させることができる。
もちろん、キトーロープホイストRY形にも、安全に対
する当社のスタンダードを継承した。
⑵ 安全性の高いプルロータ式モータブレーキ
プルロータ式モータの採用により、構造をシンプル
にし、かつ制御機器を簡素化することで、故障率が極
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めて低く、生産性向上に不可欠な安定操業を提供でき
荷重率などを本体に記録できる。スマートフォンの使
る。
用によりワイヤレスでのデータ取得が可能となり、使
高い制動力で荷物を確実に保持でき、インバータに
用状況の確認に高所作業が不要となる。運転状況を適
よる緩停止制御を組み合わせることでブレーキの長寿
宜把握できることで、計画的なメンテナンスが実現で
命化を実現した。
きる。
また、冷却用ファンを搭載することで高頻度運転
⑺ メンテナンス性の向上
制御機器の簡素化によりメンテナンス性を向上し
(60%ED)にも対応している。
⑶ 軽量化を実現するアルミケーシング
た。
電気チェーンブロックでの実績を基に、アルミ材と
全周タイプのロープガイドの採用により、乱巻とロ
低圧鋳造法の採用によって本体重量の軽量化と部品構
ープのたるみを防止できる。ロープガイドは分離構造
成の最適化を実現した。
となっているため、脱着及びロープ交換が容易で作業
メンテナンス性にも優れている。
⑷ 手元操作部の低電圧化
操作電圧にDC24Vを採用することで安全性を向上
し、感電事故のリスクを軽減した。
⑸ ローヘッド形標準化
時間を短縮できる。
3.ワイヤロープホイスト/電気チェーン
ブロックそれぞれの得意分野
モノを持ち上げ、運び、固定する作業に不可欠なマテ
建屋高さ方向のデッドスペースを最小化できるロー
リアルハンドリング(マテハン)機器には様々な形態が
ヘッド形を標準採用し、スペースの有効活用を実現し
あり、当社では巻き上げ装置としてワイヤロープホイス
た。
トと電気チェーンブロックの両方をラインアップしてい
⑹ 稼働モニタ搭載
る。
電気チェーンブロックに搭載している当社独自の装
ワイヤロープホイストは大容量で高速の巻き上げを要
置であるCH(Counter Hour)メータを更に進化さ
求される時に多く採用されるが、モータ容量は大きく大
せた機能として、ホイストの稼働状況、総運転時間、
容量の電源設備が必要である。またドラム径(D)
、ワイ
ヤー径(d)の比率D/dが規格で決められていることから、
ドラム径は一定以上の大きさとなり、長揚程の場合は巻
き取り用ドラムが長くなり本体もかなり大きくなる。
よって大容量を必要とし、かつ使用頻度の高い荷役作
業、倉庫における荷物の搬出入作業・港湾における荷物
の積み下ろし作業などに多く採用されている。
一方、電気チェーンブロックはロードシーブ(スプロ
ケット)でロードチェーンを巻き取るが、ロードチェー
ンが収まるポケットの数は5つ程度であることから、ロ
ードシーブのピッチサークル径はワイヤロープホイスト
のドラム径と比較すると小さい。またロードシーブで巻
き取られたロードチェーンはチェーンバケットに収納さ
れ、本体を小型軽量化できることから、電気チェーンブ
ロックは1t以下の500kg、250kg、125kgといった
小容量タイプが充実している。当社の電気チェーンブロ
ックは小容量60kgからのラインアップを揃えている
が、特に3t未満の荷物や仮設現場、狭い場所では軽量
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でコンパクトな電気チェーンブロックが選ばれることが
も、ワイヤロープメーカーとの共同開発によって、当社
多いようである。
が納得のいく強靭なワイヤロープに仕上げた。また、無
「キトーロープホイストRY形」の発売により、大容量
負荷時のフックブロックの揺れに対し、設計的な重心位
の荷物を高速で巻き上げる用途にも最適な製品を提供で
置の工夫によって揺れの軽減を図ると共に、斬新な逆三
きることで、様々なマテハン作業において安全かつ効率
角形デザインのフックカバーを採用した。
的な作業の実現に貢献する。
4.
“ALL KITO”の逸品
キトーロープホイストRY形は、チェーンブロックで
高い評価を得たモータ、インバータ、減速機などのキト
ーの技術を詰め込んだ製品である。ワイヤロープホイス
トの最重要部品のひとつであるワイヤロープについて
インバータを標準搭載することにより、様々な向け先
の電圧仕様に適合できる基本本体の実現が可能となり、
グローバル市場への展開を容易としている。
このような設計のこだわりがRY形の随所に盛り込ま
れている。
5.おわりに
「RY」の「R」はRope hoist、
「Y」はYearn-切望する
-を意味する。チェーンブロックで国内のトップシェア
を誇る「KITO」において、初の自社設計によるロープホ
イスト製品との思いで「RY形」と命名した。
キトーロープホイストRY形は、これまでの当社の経
験やユーザーからのフィードバックを基に、80年にわ
たりチェーンブロックで培ってきた当社独自の設計思想
や、電気チェーンブロックで培ったインバータ制御技術
やプルロータ式モータブレーキ、アルミケーシングをワ
イヤロープホイストに採用することで、シンプルな構造
でメンテナンスしやすく、高い安全性と耐久性、長寿命
を実現すると共に機能の充実を図っている。
当社は、
「新たな挑戦が新たな価値を」というスピリッ
トの下に、世界中のお客様へ満足と感動をお届けしてい
くため、今後ラインアップの充実と共に“ALL KITO”
の逸品であるRY形をグローバル市場へ展開し、ホイス
ト市場ではなくてはならない存在にしていく。
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イベント情報
●クリーンライフビジョン21 2016東京国際クリーニング総合展示会
会 期:12月2日(金)∼12月4日(日)
開 催 概 要:
「今日のクリーニングにできること。明日のクリーニングとできること。」をテーマに、
クリーニングに関する全ての製品・技術・サービス・ノウハウを集結した専門展示会。
会 場:東京ビッグサイト
連 絡 先:㈱ジェイシーレゾナンス内 クリーンライフビジョン21事務局
TEL:03-5565-4285
URL:http://www.clv21.com/
●エコプロ2016∼環境とエネルギーの未来展
会 期:12月8日(木)∼12月10日(土)
開 催 概 要:
「地球温暖化対策と環境配慮」
「クリーンエネルギーとスマート社会」を2大テーマに
掲げ、消費財や産業資材、エネルギー、金融、各種サービスまで、あらゆる分野の環
境・エネルギー関連技術、環境への取り組み等を一堂に会した環境・エネルギー総合
展示会。
会 場:東京ビッグサイト
連 絡 先:日本経済新聞社 文化事業局イベント事業部「エコプロ2016担当」局
TEL:0120-261-122(フリーダイヤル)
URL:http://eco-pro.com/2016/
●テクニカルショウヨコハマ2017(第38回工業技術見本市)
会 期:2月1日(水)∼3日(金)
開 催 概 要:
「未来をひらく新技術」をテーマに、
「ビジネスソリューション」、
「生産(加工技術、機器、
装置、製品)
」
、
「環境・エネルギー/健康、医療、福祉」
、
「産学公・企業間ネットワー
ク連携」の5つの出展分野を設け、独創性、先進性に富んだ最新の技術・製品や研究
成果を発信する総合見本市。
会 場:パシフィコ横浜
連 絡 先:公益財団法人 神奈川産業振興センター 取引振興課 テクニカルショウヨコハマ事
務局
TEL:045-633-5170
URL:http://www.tech-yokohama.jp/tech2017/
●ENEX2017 第41回地球環境とエネルギーの調和展/Smart
Energy Japan 2017
会 期:2月15日(水)∼2月17日(金)
開 催 概 要:省エネ・低炭素社会を実現するために必要な、エネルギー効率向上を促進する省エネ
機器・設備、ソリューションに関する専門展示会。
会 場:東京ビッグサイト
連 絡 先:㈱JTBコミュニケーションデザイン ENEX/SEJ/電力・ガス新ビジネスEXPO
展示会事務局
TEL:03-5657-0762
URL:http://www.low-cf.jp/
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工業会情報
行事報告
行事予定
本 部
第40回運営幹事会(9月21日)
佃会長の挨拶の後、経済産業省 製造産業局 産業機械
書籍・報告書情報
統計資料
9月20日 技術委員会
次の事項について報告及び審議を行った。
⑴ 施設見学会
⑵ ボイラビジョンの作成
鉱山機械部会
課長 片岡隆一 殿より「平成29年度経済産業政策の重
9月1~3日 部会 海外動向調査
点」の講演があった。
大韓民国 慶尚南道より紹介を受けた、HYUNDAI
次いで、議長から議事録署名人が選定され、次の事項
WIA CORP、Volvo Group Korea co., Ltd.を訪問し、
について審議を行った。
大韓民国企業の事情について情報収集を行った。
⑴ 統計関係報告(平成28年7月分)
9月28日 骨材機械委員会
① 産業機械の受注状況
次の事項について審議及び検討を行った。
② 産業機械の輸出契約状況
⑴ リスクアセスメント
③ 環境装置の受注状況
⑵ 骨材機械に関する情報交換
⑵ 工業会の活動状況(平成28年8月分)
⑶ 海外情報(平成28年9月号)
⑷ 平成29年度税制改正要望(案)
第573回理事会(書面)
(9月30日)
平成29年度税制改正要望について承認した。
第57回産業機械テニス大会(9月3日)
化学機械部会
9月8日 施設調査及び技術委員会
⑴ 施設調査
新和工業㈱(愛媛県松山市)を訪問し、材料加工
機械の視察を行った。
⑵ 委員会
次の事項について報告及び審議を行った。
三菱重工業㈱ 桜ヶ丘コート(東京都大田区)において
① 活動状況
開催した。
② 平成28年度下期事業計画
優 勝:三菱重工業㈱
準優勝:水ing㈱
第3位:オルガノ㈱
風力発電関連機器産業に関する調査研究委員会
(9月8日)
平成28年度の活動内容について検討を行った。
環境装置部会
9月7日 部会幹事会
今後の活動内容について検討を行った。
9月9日 環境ビジネス委員会 施設調査
⑴ Volter Japan㈱ 本社(秋田県北秋田市)を訪問
し、木質チップガス化発電設備Volter40について
調査を行った。
部 会
ボイラ・原動機部会
9月14日 幹事会
次の事項について報告及び審議を行った。
⑵ 北秋容器㈱ 木質チップ工場(秋田県大館市)を訪
問し、木質チップの製造工場について調査を行った。
9月13日 環境ビジネス委員会 バイオマス発電推進
分科会及び講演会
⑴ 分科会
⑴ ボイラ受注統計
活動状況を報告し、今後の活動内容について検討
⑵ ボイラ技術委員会施設見学会
を行った。
⑶ 東西合同会議
⑷ ボイラビジョンの作成
⑵ 講演会
次の講演会を行った。
テーマ:
「官民連携による地域エネルギー事業に
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行事報告
行事予定
ついて」
講 師:㈱ 日本総合研究所 リサーチ・コンサル
ティング部門 マネジャー 松井英章 殿
書籍・報告書情報
⑶ 講演会
次の講演会を行った。
テーマ:
「PV設備等のガラス高度再資源化システ
9月14日 環境ビジネス委員会 先端技術調査分科会
及び講演会
統計資料
ムに関する研究と展望」
講 師:ガラス再資源化協議会 代表幹事 加藤聡 殿
9月28日 環境ビジネス委員会 水分科会及び講演会
⑴ 分科会
活動状況を報告し、今後の活動内容について検討
を行った。
⑴ 分科会
活動状況を報告し、今後の活動内容について検討
を行った。
⑵ 講演会
次の講演会を行った。
「スチームスターをはじめとした低温排
テーマ:
熱・未利用熱利用技術の動向と展望」
⑵ 講演会
次の講演会を行った。
「大雨災害における国・自治体の取組と
テーマ:
技術的課題」
講 師:神鋼リサーチ㈱ 理事 産業戦略情報本部
調査三部 部長 上原一浩 殿
講 師:内閣府 政策統括官(防災担当)付 参事官(調
査・企画担当)付 参事官補佐 多田直人 殿
9月15日 環境ビジネス委員会 有望ビジネス分科会
及び講演会
⑴ 分科会
プラスチック機械部会
活動状況を報告し、今後の活動内容について検討
9月2日 特許委員会
を行った。
次の事項について報告及び検討を行った。
⑵ 講演会
⑴ 射出成形機に係る米国の特許
次の講演会を行った。
⑵ 射出成形機に係る中国の特許及び実用新案
テーマ:
「メタン発酵技術の現状と課題、動向」
⑶ 射出成形機に係る欧州の特許
講 師:東北大学大学院 工学研究科 教授 李玉友 殿
⑷ 国内特許法改正等の動き
9月20日~21日 環境ビジネス委員会 施設調査
⑴ 釜石・大槌地区汚泥再生処理センター(岩手県釜
9月7日 技術委員会
次の事項について報告及び検討を行った。
石市)を訪問し、ASB(土壌微生物活性化)システ
⑴ 射出成形機のIoT推進事業
ムを適用した汚泥処理施設について調査を行った。
⑵ 射出成形機周辺機器の安全対策
⑵ 新日鐵住金㈱ 釜石製鐵所(岩手県釜石市)を訪問
⑶ 射出成形機のエネルギー消費量測定基準
し、バイオマス混焼石炭火力発電所について調査を
9月8日 ISO/TC270国内審議委員会 射出成形機分科会
行った。
ISO規格案について検討を行った。
⑶ 岩手中部クリーンセンター(岩手県北上市)を訪
問し、ストーカ炉+セメント資源化方式による焼却
施設について調査を行った。
9月27日 環境ビジネス委員会 3Rリサイクル研究会
及びWG並びに講演会
⑴ 研究会
活動状況を報告し、今後の活動内容について検討
を行った。
⑵ WG
活動状況を報告し、今後の活動内容について検討
を行った。
風水力機械部会
9月1日 汎用圧縮機委員会 技術分科会
次の事項について確認、報告及び審議を行った。
⑴ 「メンテナンスのすすめ」の見直し
⑵ JIS B 8341(容積形圧縮機-試験及び検査方法)
の見直し
⑶ 平成28年度秋季総会の開催内容
9月5日 ロータリ・ブロワ委員会
次の事項について報告及び審議を行った。
⑴ 施設見学会の開催内容
⑵ 平成28年度秋季研修会の開催内容
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行事報告
行事予定
⑶ 「ロータリ・ブロワ(ルーツ式)運転管理について」
の見直し
書籍・報告書情報
統計資料
⑵ 一般財団法人 ベターリビング「公共住宅建設工事
共通仕様書」の改定案
9月6日 プロセス用圧縮機委員会
次の事項について報告及び審議を行った。
⑴ 平成28年度秋季総会の開催内容
⑶ 平成28年度秋季総会の開催内容
9月21日 排水用水中ポンプシステム委員会
次の事項について報告及び審議を行った。
⑵ 平成28年度下期事業計画
⑴ 国土交通省「建築設備設計基準/計画基準」の改定案
⑶ 講演会の内容
⑵ 一般財団法人 ベターリビング「公共住宅建設工事
⑷ ISO/TC118(圧縮機)の審議状況
共通仕様書」の改定案
9月9日 ポンプ技術者連盟 若手幹事会
⑶ 平成28年度秋季総会の開催内容
次の事項について報告及び審議を行った。
⑷ 外部委員会等への対応
⑴ 第19回技術セミナーの総括
⑵ 冬季施設見学会の開催内容
⑸ JIS B 8325(設備排水用水中モータポンプ)の内容
9月29日 JIS B 8301改定準備委員会
9月14日 汎用送風機委員会
JIS B 8301(遠心ポンプ、斜流ポンプ及び軸流ポン
次の事項について報告及び審議を行った。
プ-試験方法)の改正内容について審議を行った。
⑴ 国土交通省「建築設備設計基準/計画基準」の改
9月30日 ポンプ国際規格審議会
次の事項について報告及び審議を行った。
定案
⑵ 一般財団法人 ベターリビング「公共住宅建設工事
共通仕様書」の改定案
⑶ JIS B 8331(多翼送風機)の内容
⑷ 平成28年度秋季総会の開催内容
9月15日 送風機技術者連盟 拡大常任幹事会
次の事項について報告及び審議を行った。
⑴ 平成28年度秋季総会の開催内容
⑵ 平成28年度連盟優秀製品表彰の審査
⑶ 第14回技術講習会の内容
9月15日 送風機技術者連盟 第14回技術講習会
次の講習会を開催した。
「騒音エンジニアリング入門」
⑴ テーマ:
講 師:㈱ 日立テクノロジーアンドサービス 代
表取締役社長 高津恭 殿
「「風水力機械産業の現状と将来展望」の
⑵ テーマ:
解説」
講 師:㈱電業社機械製作所 生産本部 気体機械
設計部長 野村育生 殿
⑴ JIS B 8327(模型によるポンプ性能試験方法)
、
JIS B 8312(歯車ポンプ及びねじポンプの試験方
法)解説の訂正内容
⑵ TC115/SC2/WG4(ポンプ試験方法)関連の活
動状況
⑶ TC113/SC2/WG11(開水路における流量測量)
の活動状況
⑷ JIS B 8301(遠心ポンプ、斜流ポンプ及び軸流
ポンプ-試験方法)原案作成委員会の活動状況
運搬機械部会
9月5日 JIS Z 0110、JIS Z 0620合同改正原案
作成委員会
JIS Z 0110(産業用ラック用語)、JIS Z 0620(産業
用ラック)改正原案作成について審議及び検討を行った。
9月5日 流 通 設 備 委 員 会 JIS Z 0620、JIS Z
0110改正WG
JIS Z 0620(産業用ラック)、JIS Z 0110(産業用
9月16日 メカニカルシール委員会 技術分科会
ラック用語)改正について検討を行った。
次の事項について報告及び審議を行った。
9月12日 昇降機委員会
⑴ メカニカルシール講習会の総括
ISO 25745-1(昇降機のエネルギー性能の測定法と
⑵ 「30年の歩み」の原稿
区分)のJIMS化に向けた内容の検討を行った。
9月16日 汎用ポンプ委員会
9月13日~16日 国際物流総合展2016の開催
次の事項について報告及び審議を行った。
主催団体の一員として、東京ビッグサイト(東京国際
⑴ 国土交通省「建築設備設計基準/計画基準」の改
展示場)において開催した。
定案
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行事報告
行事予定
9月20日 コンベヤ技術委員会
次の事項について検討を行った。
⑴ リスクアセスメント
⑵ コンベヤ関係JIS規格改正
⑶ ベルトコンベヤ設備保守・点検業務に関するガイ
ドラインの見直しと作成
9月21日 コ ン ベ ヤ 技 術 委 員 会 JIS B 8825 改 正
WG
書籍・報告書情報
統計資料
た。また、会誌「産業機械」の表紙改訂、内容リニュー
アル等について意見交換を行った。
貿易委員会
9月6日 委員会及び講演会
⑴ 委員会
平成29年度実施予定の貿易会議に関し、開催予
定国(メキシコ、キューバ)
、スケジュール等につ
JIS B 8825(仕分コンベヤ)改正について検討を行
いて審議を行い、承認した。
った。
また、役員改選期に伴い、役員を再任した。
9月23日 流通設備委員会 クレーン分科会 特別アセスメントについて検討を行った。
動力伝導装置部会
⑵ 講演会
次の講演会を行った。
テーマ:
「キューバ経済の動向とビジネス機会」
講 師:独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェト
9月14日 減速機委員会
ロ)海外調査部 米州課 課長代理(中南
次の事項について報告及び検討を行った。
米)西澤裕介 殿
⑴ 今後の業界動向
⑵ 研修会の実施
エンジニアリング部会
9月29日 企画委員会
次の事項について検討及び審議を行った。
⑴ 役員選任
⑵ 平成28年度部会活動内容及びスケジュール
環境委員会
9月28日 環境活動報告書作成WG
2016年度報告書の構成を検討し、取材事業所及び省
エネ機械の選定等を行った。
エコスラグ利用普及委員会
9月12日 利用普及委員会
リサイクルポート推進協議会主催の循環資源技術説明
委員会
政策委員会
9月15日 委員会
次の事項について報告及び審議を行った。
⑴ 統計関係報告(平成28年7月分)
① 産業機械の受注状況
② 産業機械の輸出契約状況
③ 環境装置の受注状況
⑵ 工業会の活動状況(平成28年8月分)
会において「溶融スラグ再資源化の現状について」の発
表を行った。
9月14日 利用普及分科会
次の事項について報告及び検討を行った。
⑴ 自治体連絡会の企画
⑵ 施設調査の企画
⑶ 「2016年度版エコスラグ有効利用の現状とデー
タ集」の編集企画
⑷ リサイクルポート推進協議会の循環資源技術説明会
⑸ 今後のスケジュール
⑶ 平成29年度税制改正要望(案)
編集広報委員会
9月28日 委員会
会誌「産業機械」2016年7月号~12月号の会員トピ
ックスアンケート集計結果、2016年12月号その他特
集、2017年の編集方針について報告及び審議、決定し
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行事報告
行事予定
関西支部
委員会
書籍・報告書情報
統計資料
① 役員改選
② 本部部会の活動状況
⑵ 講演会
次の講演会を行った。
① テーマ:
「平成29年度経済産業政策の重点と概
政策委員会
算要求のポイント」
9月27日 委員会及び講演会
講 師:経済産業省 近畿経済産業局 製造産業
⑴ 委員会
課長 坂本和英 殿
次の事項について報告及び審議を行った。
「製造現場におけるロボット導入と人
② テーマ:
① 統計関係報告(平成28年7月分)
ⅰ) 産業機械の受注状況
ⅱ)
産業機械の輸出契約状況
ⅲ)
環境装置の受注状況
材育成について」
講 師:髙丸工業㈱ 代表取締役 髙丸正氏 殿
⑶ 見学研修会
髙丸工業㈱ 西宮工場(兵庫県西宮市)を訪問し、
② 工業会の活動状況(平成28年8月分)
ロボットの製造ラインとロボットシステムの説明を
③ 海外情報
受けた後、㈱ロボットテクニカルセンター(兵庫県
④ 平成29年度税制改正要望(案)
尼崎市)において産業用ロボット教育講習の説明を
⑵ 講演会
受け、人材育成について意見交換を行った。
次の講演会を行った。
テーマ:
「スマートエネルギー推進に向けた近畿
経済産業局の取組み」
講 師:経済産業省 近畿経済産業局 資源エネル
ギー環境部長 永山純弘 殿
風水力機械部会
9月7日 部会総会及び講演会
⑴ 部会総会
次の事項について報告及び審議を行った。
① 本部部会平成27年度事業報告及び平成28年度
部 会
事業計画
ボイラ・原動機部会
9月9日 定例部会及び講演会
② 役員改選
次の通り選任した。
・副部会長:荏 原ハマダ送風機㈱ 代表取締役社
⑴ 定例部会
次の事項について報告及び審議を行った。
長 井上貴雄 殿(新任)
⑵ 講演会
① 東西合同会議
次の講演会を行った。
② 7月見学研修会収支報告(案)
「製造業のサービス化動向とサービス産
テーマ:
③ OBM会
⑵ 講演会
業現場改善の試み」
講 師:神 戸大学大学院 システム情報学研究科
次の講演会を行った。
システム科学専攻 准教授 藤井信忠 殿
テーマ:
「最近の近畿経済の動向について」
講 師:経済産業省 近畿経済産業局 総務企画部
調査課長 奥田泰光 殿
化学機械部会
9月15日 部会総会及び講演会、見学研修会
⑴ 部会総会
次の事項について報告及び審議を行った。
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行事報告
行事予定
12月16日 政策委員会
書籍・報告書情報
統計資料
12月10日 ポンプ技術者連盟 若手幹事会
21日 運営幹事会
13日送風機技術者連盟 拡大常任幹事会
中旬風力発電関連機器産業に関する調査研究
14日排水用水中ポンプシステム委員会
委員会 第2回委員会
11月16日 汎用圧縮機委員会 技術分科会
11月22日 汎用ポンプ委員会
部 会
1月中旬
排水用水中ポンプシステム委員会
1月18日
汎用ポンプ委員会
1月20日
メカニカルシール委員会技術分科会
12月14日 ボイラ幹事会
1月27日
汎用圧縮機委員会
1月中旬
1月下旬
汎用圧縮機技術分科会
ボイラ・原動機部会
ボイラ技術委員会
鉱山機械部会
1月中旬
骨材機械委員会
化学機械部会
12月22日 技術委員会
環境装置部会
12月上旬環境ビジネス委員会 第6回水分科会
〃環境ビジネス委員会 第5回バイオマス
発電推進分科会
〃環境ビジネス委員会 第5回先端技術調
査分科会
中旬環境ビジネス委員会 第4回3Rリサイ
クル研究会
1月上旬環境ビジネス委員会 第5回有望ビジネ
ス分科会
〃調査委員会 第4回委員会
30日
クリーンルーム委員会
プラスチック機械部会
12月上旬ISO押出成形機分科会
運搬機械部会
12月上旬流通設備委員会
〃産業用ラックJIS改正原案作成委員会
11月中旬昇降機委員会
〃コンベヤ技術委員会
〃流通設備委員会 クレーン分科会
〃流通設備委員会
1月上旬産業用ラック用語JIS改正原案作成委員会
〃物流システム機器企画委員会
1月中旬
昇降機委員会
〃コンベヤ技術委員会
〃流通設備委員会 クレーン分科会
〃流通設備委員会
1月下旬
部会幹事会
動力伝導装置部会
12月下旬
減速機委員会
1月下旬減速機委員会
業務用洗濯機部会
12月8日定例部会
〃ISO射出成形機分科会
〃ブロー成形機委員会
風水力機械部会
12月1日
委員会
エコスラグ利用普及委員会
ポンプ技術者連盟 拡大常任幹事会
12月上旬
2日
真空式下水道システム委員会
〃エコスラグ幹事会
2日
ポンプ国際規格審議会
11月中旬道路用溶融スラグ設計施工マニュアル改
7日
ロータリ・ブロワ委員会
8日
汎用送風機委員会
11月下旬
9日
ポンプ技術者連盟 冬季施設見学会
1月下旬利用普及分科会編集WG
エコスラグ利用普及分科会 施設調査
訂WG
エコスラグ利用普及分科会
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行事報告
関西支部
書籍・報告書情報
統計資料
委員会
政策委員会
部 会
ボイラ・原動機部会
12月19日 定例部会
1月下旬
行事予定
定例部会
12月27日 委員会
労務委員会
12月2日
委員会
環境装置部会
12月13日正副部会長会議
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行事報告
行事予定
会員名簿2016
頒 価:1,080円(税込)
連絡先:総務部(TEL:03-3434-6821)
工業会会員の本社と支社所在地、取扱機種の一覧等をま
とめたもの。
風力発電関連機器産業に関する調査研究報告書
頒 価:5,000円(税込)
連絡先:環境装置部(TEL:03-3434-7579)
風力発電機の本体から部品などまで含めた風力発電関連
機器産業に関する生産実態等の調査を実施し、各分野に
書籍・報告書情報
統計資料
(2006年10月発行)。
メカニカル・シールハンドブック
初・中級編(改訂第3版)
頒 価:2,000円(税込)
連絡先:産業機械第1部(TEL:03-3434-3730)
メカニカルシールに関する用語、分類、基本特性、寸法、
材料選定等についてまとめたもの(2010年10月発行)
。
風水力機械産業の現状と将来展望
— 2016年〜2020年 —
おける産業規模や市場予測、現状での課題等を分析し、
頒 価:会員/1,500円(税込)
会員外/2,000円(税込)
連絡先:産業機械第1部(TEL:03-3434-3730)
本報告書にまとめた。
1980年より約5年に1度、風水力機械部会より発行し
平成27年度 環境装置の生産実績
ている報告書の最新版。本報告書は、風水力機械産業の
代表的な機種であるポンプ、送風機、汎用圧縮機、プロ
頒 価:実費頒布
連絡先:環境装置部(TEL:03-3434-6820)
セス用圧縮機、メカニカルシールのそれぞれの機種毎に
日本の環境装置の生産額を装置別、需要部門別(輸出含
需要動向と予測、技術動向、国際化を含めた今後の課題
む)
、
企業規模別、
研究開発費等で集計し図表化。その他、
と対応についてまとめている。風水力機械メーカはもと
前年度との比較や過去28年間における生産実績の推移
より官公庁、エンジニアリング会社、ユーザ会社等の方々
を掲載。
にも有益な内容である。
2015年度版 エコスラグ有効利用の現状と
データ集
頒 価:5,000円(税込)
連絡先:エコスラグ利用普及委員会(TEL:03-3434-7579)
化学機械製作の共通課題に関する調査研究報
告書(第8版 平成20年度版)
〜化学機械分野における輸出管理手続き〜
全国におけるエコスラグの生産状況、利用状況、分析デ
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第1部(TEL:03-3434-3730)
ータ等をアンケート調査からまとめた。また、委員会の
化学機械製作に関する共通の課題・問題点を抽出し、取
活動についても報告している(2016年5月発行)。
りまとめたもの。
道路用溶融スラグ品質管理及び
設計施工マニュアル
頒 価:3,000円(税込)
連絡先:エコスラグ利用普及委員会(TEL:03-3434-7579)
2006年7月20日に制定されたJIS A 5032「一般廃棄
物、下水汚泥又はそれらの焼却灰を溶融個化した道路用
溶融スラグ」について、溶融スラグの製造者及び道路の
設計施工者向けに関連したデータを加えて解説した
(2007年9月発行)
。
港湾工事用エコスラグ利用手引書
今回は強化されつつある輸出管理について、化学機械分
野に限定して申請手続きの流れや実際の手続きの例を示
した。実際に手続きに携わる者への参考書となる一冊。
JIMS H 3002業務用洗濯機械の性能に係る
試験方法(平成20年8月制定)
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第1部(TEL:03-3434-3730)
ユニット式ラック構造設計基準
(JIMS J-1001:2012)解説書
頒 価:800円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
頒 価:実費頒布
連絡先:エコスラグ利用普及委員会(TEL:03-3434-7579)
ユニット式ラックの構造設計を行う場合の地震動に対す
エコスラグを港湾工事用材料として有効利用するため
る考え方をより理解してもらうための解説書として、
に、設計・施工に必要なエコスラグの物理的・化学的特
JIMS J-1001:2012と併せた活用を前提として発行
性をまとめた。工法としては、サンドコンパクションパ
した。JIMS J-1001:2012を解説・補足する位置付け。
イル工法とバーチカルドレーン工法を対象としている
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行事報告
行事予定
物流システム機器ハンドブック
頒 価:3,990円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
書籍・報告書情報
統計資料
ラック式倉庫のスプリンクラー設備の解説書
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
(1)各システム機器の分類、用語の統一
平成10年7月の消防法令の改正に伴い、
「ラック式倉庫」
(2)能力表示方法の統一、標準化
の技術基準、ガイドラインについて、わかりやすく解説
(3)各機器の安全基準と関連法規・規格
したもの。
(4)取扱説明書、安全マニュアル
(5)物流施設の計画における寸法算出基準
コンベヤ機器保守・点検業務に関する
ガイドライン
ゴムベルトコンベヤの計算式
(JIS B 8805-1992)計算マニュアル
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
現行JIS(JIS B 8805-1992)の内容は、ISO5048に
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
準拠して改正されたが、旧JIS(JIS B 8805-1976)
コンベヤ機器の使用における事業者の最小限の保守・点検
と計算手順が異なるため、これをマニュアル化したもの。
レベルを確保するためガイドラインとしてまとめたもの。
チェーン・ローラ・ベルトコンベヤ、
仕分コンベヤ、
垂直コンベヤ、
及びパレタイザ検査要領書
ユニバーサルデザインを活かしたエレベータ
のガイドライン
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
ユニバーサルデザインの理念に基づいた具体的な方法を
ばら物コンベヤを除くコンベヤ機器については、検査要
ガイドラインとして提案したもの。
領の客観的な指針がないため、設備納入メーカや購入者
のガイドラインとして作成したもの。
バルク運搬用 ベルトコンベヤ設備保守・点検
業務に関するガイドライン
東京直下地震のエレベーター被害予測に
関する研究
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
東京湾北部を震源としたマグニチュード7程度の地震が
頒 価:500円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
予測されていることから、所有者、利用者にエレベータ
コンベヤ機器を利用目的に応じて、安全にかつ支障なく
ーの被害状況を提示し、対策の一助になることを目的と
稼動させるには日常の保守点検は事業者にとって必須条
して、エレベーターの閉じ込め被害状況の推定を行った
件であり、義務であるが、事業者や事業内容によって保
もの。
守・点検の実施レベルに大きな差が在るのが実情である。
本ガイドラインは、この様な情況からコンベヤ機器の使
用における事業者の最小限度の保守・点検レベルを確保
するためのガイドラインとしてまとめたものである。
バルク運搬用 ベルトコンベヤ検査基準
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
バルク運搬用ベルトコンベヤの製作、設置に関する部品
プラスチック機械産業の市場動向調査報告書
(平成28年2月発行版)
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
射出成形機、押出成形機、ブロー成形機に関する平成
27〜29年の市場動向を取りまとめたもの。
2015年度 環境活動報告書
ならびに設備の機能を満足するための検査項目、検査個
頒 価:無償頒布
連絡先:企画調査部(TEL:03-3434-6823)
所および検査要領とその判定基準について規定したも
環境委員会が会員企業を対象に実施する各種環境関連調
の。
査の結果報告の他、会員企業の環境保全への取り組み等
を紹介している。
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
産業機械受注状況(平成28年8月)
企画調査部
1.概 要
8 月 の 受 注 高 は 3,107 億 1,100 万 円、 前 年 同 月 比
68.5%となった。
内需は、2,122億5,000万円、前年同月比86.1%と
なった。
内需のうち、製造業向けは前年同月比98.9%、非製
2.機種別の動向
①ボイラ・原動機
電力、外需の減少により前年同月比57.5%となった。
②鉱山機械
窯業土石、建設の減少により同93.7%となった。
③化学機械(冷凍機械を含む)
造業向けは同60.6%、官公需向けは同101.6%、代理
外需の減少により同42.7%となった。
店向けは同106.4%であった。
④タンク
増加した機種は、化学機械(109.5%)
、タンク(177.4
石油・石炭、非鉄金属の増加により同108.1%となっ
%)
、プラスチック加工機械(124.4%)、ポンプ(129.5
た。
%)
、送風機(101.5%)
、運搬機械(100.1%)、金属加
⑤プラスチック加工機械
工機械(138.7%)の7機種であり、減少した機種は、
電 気 機 械、 自 動 車、 そ の 他 製 造 業 の増 加 に よ り 同
ボイラ・原動機(54.7%)
、鉱山機械(82.3%)、圧縮機
105.0%となった。
(99.0%)
、変速機(97.3%)
、その他機械(69.4%)の
5機種であった(括弧の数字は前年同月比)。
外需は、984億6,100万円、前年同月比47.5%とな
った。
⑥ポンプ
官公需、外需の増加により同133.9%となった。
⑦圧縮機
外需の減少により同69.8%となった。
8月、プラント案件はなかった。
⑧送風機
増加した機種は、鉱山機械(189.2%)
、ポンプ(149.0
外需の減少により同50.3%となった。
%)
、運搬機械(199.4%)
、その他機械(277.7%)の4
⑨運搬機械
機種であり、減少した機種は、ボイラ・原動機(67.2%)、
外需の増加により同126.9%となった。
化学機械(10.0%)
、タンク(22.6%)
、プラスチック加
⑩変速機
工機械(92.7%)
、圧縮機(49.2%)
、送風機(8.1%)、
建設、運輸・郵便、外需の減少により同95.5%とな
変速機(86.6%)
、金属加工機械(37.2%)の8機種であ
った。
った(括弧の数字は前年同月比)
。
⑪金属加工機械
外需の減少により同68.8%となった。
産業機械 2016.11
P081-088_統計資料1-受注状況.indd 81
81
2016/11/14 15:27
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
(表1)
産業機械 需要部門別受注状況
①製造業
②非製造業
③民需計
④官公需
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円 比率:%)
⑤代理店
⑥内需計
⑦外 需
(金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比)
平成25年度
⑧総 額
(金額) (前年比) (金額) (前年比)
957,925
104.6 1,101,713
116.3 2,059,638
110.5 625,079
107.8 293,640
88.9 2,978,357
107.4
1,796,987
98.8 4,775,344
104.0
26年度 1,061,676
110.8 1,436,606
130.4 2,498,282
121.3 699,550
111.9 296,944
101.1 3,494,776
117.3
2,580,415
143.6 6,075,191
127.2
27年度 1,251,327
117.9 1,437,386
100.1 2,688,713
107.6 641,159
91.7 296,220
99.8 3,626,092
103.8
1,831,576
71.0 5,457,668
89.8
平成25年
943,541
97.0 1,000,730
106.3 1,944,271
101.6 606,571
106.9 301,841
92.1 2,852,683
101.5
1,921,557
79.1 4,774,240
91.1
26年
959,391
101.7 1,227,523
122.7 2,186,914
112.5 690,679
113.9 294,419
97.5 3,172,012
111.2
2,525,574
131.4 5,697,586
119.3
27年 1,183,993
123.4 1,412,643
115.1 2,596,636
100.1 3,501,770
118.7 610,531
88.4 294,603
110.4
1,917,203
75.9 5,418,973
95.1
平成27年4~6月
320,935
145.9
206,595
96.3
527,530
121.4 120,783
62.8
62,920
91.4
711,233
102.2
405,928
73.0 1,117,161
89.3
7~9月
263,406
102.3
257,988
77.9
521,394
88.6 168,044
98.9
79,546
105.9
768,984
92.3
461,147
48.8 1,230,131
69.1
10~12月
257,027
106.4
293,128
124.1
550,155
115.2 115,217
88.1
76,932
98.9
742,304
108.2
369,783
92.8 1,112,087
102.5
平成28年1~3月
409,959
119.7
679,675
103.8 1,089,634
109.2 237,115
114.8
76,822
102.2 1,403,571
4~6月
248,857
77.5
209,823
101.6
458,680
86.9 158,532
131.3
69,925
111.1
H28.4~8累計
419,987
85.8
311,068
85.4
731,055
85.6 252,505
H28.1~8累計
829,946
99.7
990,743
97.2 1,820,689
98.3 489,620
平成28年6月
102,002
102.4
84,846
7月
95,346
103.5
46,228
69.1
141,574
89.0
38,749
113.7
27,268
103.0
207,591
94.5
77,813
59.3
285,404
81.3
8月
75,784
98.9
55,017
60.6
130,801
78.1
55,224
101.6
26,225
106.4
212,250
86.1
98,461
47.5
310,711
68.5
98.8
186,848
100.8
89,751
109.7
594,718
87.4 1,998,289
102.0
687,137
96.6
374,993
92.4 1,062,130
95.1
120.7 123,418
108.2 1,106,978
94.0
551,267
74.0 1,658,245
86.3
117.8 200,240
105.8 2,510,549
102.2
1,145,985
80.4 3,656,534
170.8
115.5
116.2
239,026
26,565
303,164
(表2)
産業機械 機種別受注状況
①ボイラ・原動機
金額
前年比
③化学機械
(冷凍機械を含む)
②鉱山機械
金額
前年比
金額
前年比
③-1 内 化学機械
金額
前年比
114.5
94.2
542,190
115.4
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円 比率:%)
④タンク
金額
⑤プラスチック加工機械
前年比
金額
前年比
⑥ポンプ
金額
前年比
平成25年度
1,490,041
112.4
20,999
90.6
1,271,667
93.1
888,732
88.8
99,283
358.1
181,716
109.2
335,427
100.6
26年度
1,808,803
121.4
22,597
107.6
2,097,399
164.9
1,737,117
195.5
29,958
30.2
193,808
106.7
336,423
100.3
27年度
1,822,454
100.8
25,120
111.2
1,515,795
72.3
1,119,266
64.4
37,166
124.1
201,024
103.7
362,610
107.8
平成25年
1,428,416
107.6
19,076
81.7
1,409,687
71.9
1,030,503
64.8
41,305
153.2
177,243
101.7
337,085
103.6
26年
1,562,247
109.4
21,787
114.2
2,043,526
145.0
1,691,306
164.1
79,973
193.6
187,182
105.6
331,029
98.2
27年
1,776,585
113.7
27,218
124.9
1,403,741
68.7
1,007,848
59.6
46,658
58.3
206,336
110.2
368,714
111.4
平成27年4~6月
329,598
119.3
10,807
192.3
251,868
55.5
160,094
43.8
26,211
435.8
50,375
114.3
76,519
111.3
7~9月
280,793
65.8
5,450
112.0
399,831
45.7
286,200
36.3
2,991
57.1
49,206
105.0
101,442
120.5
10~12月
391,015
118.2
3,990
77.6
247,985
93.9
155,073
87.8
2,713
68.4
50,753
108.3
97,040
108.0
平成28年1~3月
821,048
105.9
4,873
69.9
616,111
122.2
517,899
127.4
5,251
35.6
50,690
90.5
87,609
93.5
4~6月
348,528
105.7
5,726
53.0
235,261
93.4
143,140
89.4
1,853
7.1
50,100
99.5
71,681
93.7
H28.4~8累計
457,853
91.7
8,789
60.3
413,084
75.9
241,447
64.5
3,752
13.4
83,056
102.3
129,783
95.0
H28.1~8累計
1,278,901
100.3
13,662
63.4
1,029,195
98.2
759,346
97.3
9,003
21.0
133,746
97.5
217,392
94.4
平成28年6月
211,544
167.6
2,056
81.7
128,363
108.5
87,741
115.0
267
1.4
22,272
111.8
30,475
93.9
7月
53,568
73.5
1,522
72.0
96,326
95.0
53,095
92.5
801
91.9
16,668
108.7
25,560
71.5
8月
55,757
57.5
1,541
93.7
81,497
42.7
45,212
28.8
1,098
108.1
16,288
105.0
32,542
133.9
会社数
17社
9社
⑦圧縮機
金額
40社
⑧送風機
前年比
金額
38社
⑨運搬機械
前年比
金額
5社
⑩変速機
前年比
金額
11社
⑪金属加工機械
前年比
金額
前年比
17社
⑫その他機械
金額
⑬合計
前年比
金額
前年比
平成25年度
283,510
117.0
24,028
92.3
289,804
85.3
46,035
105.1
141,883
85.7
590,951
110.5
4,775,344
104.0
26年度
266,975
94.2
27,945
116.3
354,728
122.4
49,745
108.1
162,018
114.2
724,792
122.6
6,075,191
127.2
27年度
243,741
91.3
30,328
108.5
349,953
98.7
50,095
100.7
138,069
85.2
681,313
94.0
5,457,668
89.8
平成25年
270,381
105.7
26,110
110.8
308,640
88.4
45,154
99.5
142,674
80.9
568,569
103.3
4,774,240
91.1
26年
274,389
101.5
27,822
106.6
315,481
102.2
48,161
106.7
131,378
92.1
674,611
118.7
5,697,586
119.3
27年
261,971
95.5
29,420
105.7
377,051
119.5
51,974
107.9
177,457
135.1
691,848
102.6
5,418,973
95.1
平成27年4~6月
60,506
95.8
5,747
103.7
85,979
109.1
13,127
111.7
44,037
188.0
162,387
75.9
1,117,161
89.3
7~9月
67,964
106.9
7,961
132.9
90,763
126.2
12,846
112.2
38,535
132.2
172,349
111.6
1,230,131
69.1
10~12月
57,181
89.5
8,635
92.5
85,214
95.9
12,714
95.9
31,495
68.4
123,352
100.7
1,112,087
102.5
平成28年1~3月
58,090
76.1
7,985
112.8
87,997
76.5
11,408
85.9
24,002
37.9
223,225
95.5
1,998,289
102.0
4~6月
51,795
85.6
5,166
89.9
72,059
83.8
12,278
93.5
21,945
49.8
185,738
114.4
1,062,130
95.1
H28.4~8累計
82,718
77.6
8,626
77.6
122,977
86.6
21,031
97.8
39,174
53.1
287,402
109.3
1,658,245
86.3
H28.1~8累計
140,808
77.0
16,611
91.3
210,974
82.0
32,439
93.2
63,176
46.1
510,627
102.8
3,656,534
94.2
平成28年6月
18,406
81.3
1,937
81.4
22,506
65.4
4,234
96.7
9,217
36.4
90,913
147.0
542,190
115.4
7月
14,534
64.3
1,703
90.8
25,231
70.4
5,095
111.9
8,155
49.5
36,241
87.8
285,404
81.3
8月
16,389
69.8
1,757
50.3
25,687
126.9
3,658
95.5
9,074
68.8
65,423
110.4
310,711
68.5
会社数
16社
8社
24社
5社
13社
36社
201社
【注】⑫その他機械には、業務用洗濯機、メカニカルシール、ごみ処理装置等が含まれているが、そのうち業務用洗濯機とメカニカルシールの受注金額は次の通りである。
業務用洗濯機:2,256百万円 メカニカルシール:2,241百万円
82
INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
P081-088_統計資料1-受注状況.indd 82
2016/11/14 15:27
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
(表3)
平成28年8月 需要部門別機種別受注額
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(単位 : 100万円)
※平成23年4月より需要者分類を改訂しました。
機種別
需要者別
化学機械
冷凍機械
プラスチック
加工機械
タンク
ポンプ
圧縮機
送風機
運搬機械
金属加工
機 械
変速機
その他
合
計
製
品
工
業
821
0
1,893
355
0
0
56
77
16
769
87
0
576
繊
維
工
業
68
0
51
140
0
158
11
32
5
45
18
0
96
624
紙・ パ ル プ 工 業
552
0
431
135
0
14
53
36
11
81
38
0
26
1,377
業
1,181
76
3,128
773
62
811
278
899
24
512
139
446
398
8,727
石油・石炭製品工業
321
0
4,974
548
663
3
114
121
13
41
39
0
92
6,929
石
64
361
261
140
0
1
20
25
5
16
153
21
18
1,085
業
654
62
343
273
0
2
337
140
143
114
232
3,235
228
5,763
2,716
学
民
窯
工
業
鉄
土
鋼
4,650
造
非
鉄
金
属
1,445
0
397
279
213
1
17
11
10
132
23
53
135
金
属
製
品
84
0
114
146
0
0
0
43
2
94
103
362
40
988
はん用・生産用機械
233
37
153
3,200
0
66
83
2,779
27
1,101
157
164
665
8,665
械
0
2
47
2,898
0
57
22
7
0
35
35
0
200
3,303
械
1,912
0
761
2,727
0
482
13
45
5
143
28
169
24
6,309
情 報 通 信 機 械
45
0
38
238
0
104
323
5
0
284
179
2
553
1,771
業
務
間
電
用
気
自
動
機
機
車
業
業
210
0
64
945
0
1,639
18
55
148
1,565
265
689
802
6,400
業
655
0
391
239
0
0
182
209
0
599
37
26
180
2,518
その他輸送機械工業
70
0
2
0
0
9
9
0
0
11
30
0
484
615
そ の 他 製 造 業
822
105
1,846
0
0
3,825
413
130
21
256
695
141
5,090
13,344
造
工
船
需
非
製
造
業
計
9,137
643
14,894
13,036
938
7,172
1,949
4,614
430
5,798
2,258
5,308
9,607
75,784
農
林
漁
業
16
0
8
152
0
0
1
10
2
23
6
1
33
252
鉱業・採石業・砂利採取業
0
351
20
0
0
0
0
38
0
10
9
9
2
439
497
0
0
35
306
6
66
28
0
▲ 86
1,304
製
建
設
業
166
140
146
電
力
業
24,764
24
2,217
0
50
0
820
269
165
62
129
0
158
28,658
運 輸 業・ 郵 便 業
77
0
22
558
0
0
13
15
5
1,728
130
0
100
2,648
業
937
0
15
100
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1,052
卸 売 業・小 売 業
159
0
68
910
0
0
1,658
185
25
1,085
0
197
1,777
6,064
金 融 業・保 険 業
0
0
0
136
0
0
7
2
7
1
0
0
0
153
不
業
3
0
7
1
0
0
1
14
1
8
14
0
0
49
情 報 サ - ビ ス 業
101
0
33
135
0
0
0
2
3
0
0
0
0
274
業
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
0
0
2
そ の 他 非 製 造 業
3,127
0
1,960
977
7
16
2,481
341
121
2,605
11
41
2,435
14,122
通
信
造
要
動
業
リ
間
産
ー
非
製
需
ス
造
要
業
合
官
計
29,350
515
4,496
3,466
57
16
5,016
1,183
336
5,588
327
248
4,419
55,017
計
38,487
1,158
19,390
16,502
995
7,188
6,965
5,797
766
11,386
2,585
5,556
14,026
130,801
100
公
運
輸
業
0
0
0
0
0
0
24
0
67
0
9
0
0
防
衛
省
818
0
0
36
0
0
0
9
0
0
0
0
47
910
0
33
1
0
0
860
1
28
75
1
8
136
1,234
48,157
需
国
家
公
務
91
地
方
公
務
1,173
0
18,387
270
0
2
8,210
208
267
1,687
1
7
17,945
そ の 他 官 公 需
577
0
894
278
0
0
2,228
12
37
232
376
10
179
4,823
計
2,659
0
19,314
585
0
2
11,322
230
399
1,994
387
25
18,307
55,224
要
14,283
333
5,422
7,342
103
8,798
8,081
6,756
155
10,911
535
3,377
32,365
98,461
店
328
50
1,086
11,856
0
300
6,174
3,606
437
1,396
151
116
725
26,225
計
55,757
1,541
45,212
36,285
1,098
16,288
32,542
16,389
1,757
25,687
3,658
9,074
65,423
310,711
官
海
公
外
代
受
鉱山機械
食
化
民
ボイラ・
原動機
需
需
理
注
額
合
産業機械 2016.11
P081-088_統計資料1-受注状況.indd 83
83
2016/11/14 15:27
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
産業機械輸出契約状況(平成28年8月)
企画調査部
1.概 要
③化学機械
8月の主要約70社の輸出契約高は、913億4,600万
中東、南アメリカの減少により、前年同月比3.9%
円、前年同月比46.4%となった。
となった。
8月、プラント案件はなかった。
④プラスチック加工機械
単体は913億4,600万円、前年同月比52.3%となっ
アジアが増加したものの、ヨーロッパ、北アメリカ
た。
の減少により、前年同月比98.9%となった。
地域別構成比は、アジア72.3%、北アメリカ10.7%、
⑤風水力機械
中東7.1%、ヨーロッパ5.6%、南アメリカ2.3%となっ
ア ジ ア、 北 ア メ リ カ の 減 少 に よ り、 前 年 同 月 比
ている。
84.7%となった。
⑥運搬機械
2.機種別の動向
アジアの増加により、前年同月比219.7%となった。
⑴ 単体機械
⑦変速機
①ボイラ・原動機
アジアの減少により、前年同月比86.7%となった。
ア ジ ア、 北 ア メ リ カ の 増 加 に よ り、 前 年 同 月 比
⑧金属加工機械
261.9%となった。
アジアが減少したものの北アメリカの増加により、
②鉱山機械
前年同月比101.6%となった。
オセアニアの増加により、前年同月比219.4%とな
⑨冷凍機械
った。
全ての地域が増加し、前年同月比181.0%となった。
⑵ プラント
8月、プラント案件はなかった。
(表1)
平成28年8月 産業機械輸出契約状況 機種別受注状況
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円)
単 体 機 械
①ボイラ・原動機
金額
84
前年比
②鉱山機械
金額
③化学機械
前年比
金額
④プラスチック加工機械
前年比
金額
前年比
⑤風水力機械
金額
前年比
⑥運搬機械
金額
前年比
⑦変速機
金額
前年比
⑧金属加工機械
金額
前年比
平成25年度
405,562
98.7
4,128
45.0
293,374
118.1
99,978
118.1
211,792
120.8
70,937
63.4
6,851
95.4
64,205
120.1
26年度
419,940
103.5
3,906
94.6
197,635
67.4
99,236
99.3
177,879
84.0
88,201
124.3
7,432
108.5
52,759
82.2
27年度
339,756
80.9
1,486
38.0
353,700
179.0
95,602
96.3
168,730
94.9
75,878
86.0
7,780
104.7
34,933
66.2
平成25年
461,854
104.8
2,907
30.2
273,868
173.0
95,021
101.5
209,943
119.0
88,211
81.0
6,798
81.9
57,345
82.0
26年
352,600
76.3
4,052
139.4
203,384
74.3
97,092
102.2
180,831
86.1
70,934
80.4
6,819
100.3
47,998
83.7
27年
391,069
110.9
2,725
67.3
333,267
163.9
102,797
105.9
193,184
106.8
93,335
131.6
8,148
119.5
45,790
95.4
平成27年4~6月
76,335
78.1
553
45.6
29,003
83.2
25,640
118.3
42,820
109.3
17,568
99.6
2,090
120.3
8,585
132.1
7~9月
51,321
98.2
278
37.7
142,224
ー
21,281
89.3
54,334
142.2
19,578
116.6
2,087
120.2
12,037
119.1
10~12月
123,333
95.0
298
83.0
30,865
97.6
25,981
108.9
36,546
89.1
20,650
113.2
1,699
100.7
7,232
39.7
平成28年1~3月
88,767
63.4
357
22.4
151,608
115.6
22,700
75.9
35,030
58.9
18,082
50.9
1,904
83.8
7,079
39.5
4~6月
166,813
218.5
411
74.3
32,739
112.9
23,569
91.9
27,532
64.3
15,832
90.1
2,679
128.2
5,291
61.6
H28.4~8累計
186,392
181.1
785
103.3
46,358
28.8
37,933
94.0
49,764
62.8
33,464
110.0
3,737
107.8
9,657
59.7
H28.1~8累計
275,159
113.2
1,142
48.5
197,966
67.7
60,633
86.3
84,794
61.1
51,546
78.1
5,641
98.3
16,736
49.0
平成28年3月
69,635
92.3
202
19.7
128,005 1,066.4
4,326
65.3
15,283
51.9
6,168
30.8
660
69.3
3,003
54.8
4月
11,953
113.8
30
19.6
3,577
58.9
5,539
78.4
10,036
115.0
8,219
177.5
670
99.7
470
20.9
5月
18,482
121.0
80
67.8
3,765
38.2
6,197
74.4
8,195
52.7
5,599
100.8
1,127
179.2
1,626
56.7
6月
136,378
269.8
301
106.7
25,397
194.3
11,833
115.5
9,301
50.2
2,014
27.3
882
111.8
3,195
92.0
7月
6,000
28.0
80
109.6
8,844
96.0
7,005
96.1
8,832
42.8
7,662
92.1
523
68.9
1,699
34.2
8月
13,579
261.9
294
219.4
4,775
3.9
7,359
98.9
13,400
84.7
9,970
219.7
535
86.7
2,667
101.6
INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
P081-088_統計資料1-受注状況.indd 84
2016/11/14 15:27
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
単 体 機 械
⑨冷凍機械
金額
⑩その他
前年比
金額
⑫プラント
⑪単体合計
前年比
金額
前年比
平成25年度
56,655
86.5 122,435
127.8
1,335,917
26年度
56,264
99.3 133,693
109.2
1,236,945
金額
105.8
統計資料
⑬総 計
前年比
金額
前年比
333,494
73.7
1,669,411
97.4
92.6 1,210,208
362.9
2,447,153
146.6
69.9
27年度
69,744
124.0 166,384
124.5
1,313,993
106.2
395,946
32.7
1,709,939
平成25年
56,529
84.9 111,593
117.5
1,364,069
111.2
436,343
39.9
1,800,412
77.6
26年
58,193
102.9 137,163
122.9
1,159,066
85.0 1,231,059
282.1
2,390,125
132.8
116.1 173,773
27年
67,582
126.7
1,411,670
121.8
376,640
30.6
1,788,310
74.8
平成27年4~6月
12,494
79.6
52,089
176.7
267,177
100.6
103,045
39.7
370,222
70.5
7~9月
21,805
169.1
35,794
112.6
360,739
191.5
67,387
9.3
428,126
46.8
10~12月
17,635
146.6
48,190
138.8
312,429
100.3
32,330
64.0
344,759
95.2
平成28年1~3月
17,810
113.8
30,311
80.4
373,648
79.3
193,184
111.1
566,832
87.9
4~6月
15,821
126.6
40,620
78.0
331,307
124.0
20,898
20.3
352,205
95.1
H28.4~8累計
27,249
97.0
78,167
102.0
473,506
87.8
40,787
27.4
514,293
74.7
H28.1~8累計
45,059
103.0 108,478
94.9
847,154
83.8
233,971
72.5
1,081,125
81.1
平成28年3月
6,225
119.4
11,214
67.1
244,721
141.5
178,165
480.6
422,886
201.4
4月
5,974
125.2
16,697
204.9
63,165
119.2
0
ー
63,165
105.1
5月
4,955
131.9
8,626
65.9
58,652
78.2
0
ー
58,652
50.0
6月
4,892
123.3
15,297
49.6
209,490
150.5
20,898
39.0
230,388
119.5
7月
4,086
35.4
6,122
46.9
50,853
52.3
19,889
83.5
70,742
58.4
8月
7,342
181.0
31,425
272.7
91,346
52.3
0
ー
91,346
46.4
(表2)
平成28年8月 産業機械輸出契約状況 機種別・世界州別受注状況
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円)
( 単 体 機 械)
ア
ジ
①ボイラ・原動機
件数
金額
②鉱 山 機 械
前年同月比
件数
金額
③化 学 機 械
前年同月比
件数
金額
④プラスチック加工機械
前年同月比
件数
金額
⑤風 水 力 機 械
前年同月比
件数
金額
前年同月比
ア
25
8,088
304.1%
19
24
27.9%
108
2,584
85.2%
64
4,915
120.6%
1,450
6,803
66.9%
東
2
599
182.1%
0
0
ー
7
1,021
2.9%
3
144
182.3%
180
4,303
158.7%
ヨーロッパ
2
248
ー
8
46
ー
5
125
104.2%
13
408
61.5%
115
232
282.9%
北アメリカ
6
3,818
279.7%
0
0
ー
12
1,017
200.6%
59
1,722
72.6%
300
439
17.9%
南アメリカ
1
713
103.8%
0
0
ー
2
11
0.01%
2
121
127.4%
27
1,024
556.5%
ア フ リ カ
4
5
11.4%
2
13
1,300.0%
2
6
200.0%
2
7
35.0%
23
127
77.9%
オセアニア
9
33
173.7%
4
211
448.9%
0
0
ー
1
2
1.8%
16
392
664.4%
中
ロシア・東欧
合
計
( 単 体 機 械)
ア
ジ
1
75
71.4%
0
0
ー
5
11
550.0%
7
40
166.7%
12
80
ー
50
13,579
261.9%
33
294
219.4%
141
4,775
3.9%
151
7,359
98.9%
2,123
13,400
84.7%
⑥運 搬 機 械
件数
金額
⑦変速機
前年同月比
件数
金額
⑧金属加工機械
前年同月比
件数
金額
⑨冷 凍 機 械
前年同月比
件数
金額
⑩そ の 他
前年同月比
件数
金額
前年同月比
ア
52
9,272
374.5%
19
289
73.5%
54
1,704
67.8%
5
2,637
183.8%
246
29,690
294.7%
東
0
0
ー
0
0
ー
2
42
600.0%
1
391
187.1%
3
29
414.3%
ヨーロッパ
10
320
1,142.9%
5
68
178.9%
5
6
85.7%
5
2,932
177.4%
93
740
93.1%
北アメリカ
2
369
54.8%
9
141
89.2%
46
831
1,298.4%
2
451
168.9%
139
958
156.8%
南アメリカ
0
0
ー
2
23
100.0%
3
84
262.5%
1
102
188.9%
2
5
33.3%
ア フ リ カ
0
0
ー
0
0
ー
0
0
ー
1
162
188.4%
0
0
ー
オセアニア
3
9
300.0%
1
14
280.0%
0
0
ー
1
667
189.0%
2
3
27.3%
中
ロシア・東欧
合
計
0
0
ー
0
0
ー
0
0
ー
0
0
ー
0
0
ー
67
9,970
219.7%
36
535
86.7%
110
2,667
101.6%
16
7,342
181.0%
485
31,425
272.7%
⑪単 体 合 計
件数
ア
中
ジ
ア 2,042
金額
⑫プ ラ ン ト
前年同月比
件数
金額
⑬総 計
前年同月比
件数
金額
前年同月比
構成比
66,006
178.8%
0
0
ー
2,042
66,006
125.1%
72.3%
7.1%
東
198
6,529
16.2%
0
0
ー
198
6,529
16.2%
ヨーロッパ
261
5,125
152.5%
0
0
ー
261
5,125
91.3%
5.6%
北アメリカ
575
9,746
115.1%
0
0
ー
575
9,746
78.7%
10.7%
南アメリカ
40
2,083
2.5%
0
0
ー
40
2,083
2.5%
2.3%
ア フ リ カ
34
320
100.9%
0
0
ー
34
320
100.9%
0.4%
オセアニア
37
1,331
218.9%
0
0
ー
37
1,331
218.9%
1.5%
ロシア・東欧
25
206
140.1%
0
0
ー
25
206
140.1%
0.2%
計 3,212
91,346
52.3%
0
0
ー
3,212
91,346
46.4%
100.0%
合
産業機械 2016.11
P081-088_統計資料1-受注状況.indd 85
85
2016/11/14 15:27
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
環境装置受注状況(平成28年8月)
企画調査部
8月の受注高は、648億9,200万円で、前年同月比
2.装置別の動向(前年同月との比較)
129.3%となった。
①大気汚染防止装置
1.需要部門別の動向(前年同月との比較)
電力向け排煙脱硫装置の減少により、62.1%とな
①製造業
った。
食品、石油化学、その他向け産業廃水処理装置の減
②水質汚濁防止装置
少により、66.3%となった。
電力向け産業廃水処理装置、官公需向け下水汚水処
②非製造業
理装置、し尿処理装置、汚泥処理装置の増加により、
電力向け排煙脱硫装置の減少により、83.9%とな
189.4%となった。
った。
③ごみ処理装置
③官公需
海外向け都市ごみ処理装置の増加により、115.1%
都市ごみ処理装置の減少により、89.9%となった。
となった。
④外需
④騒音振動防止装置
都市ごみ処理装置の増加により、3,491.9%【約35
そ の 他 製 造 業 向 け 騒 音 防 止 装 置 の 減 少 に よ り、
倍】となった。
97.2%となった。
(表1)
環境装置の需要部門別受注状況
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円 比率:%)
①製造業
②非製造業
③民需計
④官公需
⑤内需計
⑥外需
⑦合計
(金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比)
86
平成25年度
46,231
86.7
40,943
146.0
87,174
107.1
412,955
110.9
500,129
110.3
15,475
43.1
515,604
105.3
26年度
55,062
119.1
48,826
119.3
103,888
119.2
506,221
122.6
610,109
122.0
39,189
253.2
649,298
125.9
27年度
75,571
137.2
66,023
135.2
141,594
136.3
435,429
86.0
577,023
94.6
35,088
89.5
612,111
94.3
平成25年
48,924
91.3
32,559
91.9
81,483
91.6
412,746
112.5
494,229
108.4
29,583
63.8
523,812
104.3
26年
49,881
102.0
33,080
101.6
82,961
101.8
474,586
115.0
557,547
112.8
26,579
89.8
584,126
111.5
27年
61,197
122.7
61,329
185.4
122,526
147.7
404,751
85.3
527,277
94.6
44,428
167.2
571,705
97.9
平成27年4~6月
13,530
122.0
10,862
183.9
24,392
143.5
85,767
55.7
110,159
64.4
13,082
101.5
123,241
67.0
7~9月
13,675
87.3
7,856
154.6
21,531
103.8
117,007
98.4
138,538
99.2
7,534
240.5
146,072
102.3
10~12月
16,585
152.2
10,832
178.7
27,417
161.7
56,910
64.5
84,327
80.2
8,889
107.9
93,216
82.2
平成28年1~3月
31,781
182.6
36,473
114.8
68,254
138.8
175,745
121.1
243,999
125.6
5,583
37.4
249,582
119.3
4~6月
13,453
99.4
15,004
138.1
28,457
116.7
116,515
135.9
144,972
131.6
2,788
21.3
147,760
119.9
H28.4~8累計
32,972
152.3
20,616
125.8
53,588
140.9
180,212
123.5
233,800
127.1
31,314
171.2
265,114
131.1
H28.1~8累計
64,753
165.8
57,089
118.5
121,842
139.7
355,957
122.3
477,799
126.3
36,897
111.1
514,696
125.1
平成28年6月
5,919
79.4
4,989
100.2
10,908
87.7
72,339
190.7
83,247
165.3
1,290
50.1
84,537
159.7
7月
16,392
480.8
2,444
139.7
18,836
365.1
26,750
140.6
45,586
188.4
6,876
149.7
52,462
182.3
8月
3,127
66.3
3,168
83.9
6,295
74.2
36,947
89.9
43,242
87.2
21,650
3,491.9
64,892
129.3
INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
P081-088_統計資料1-受注状況.indd 86
2016/11/14 15:27
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
(表2)
環境装置の装置別受注状況
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円 比率:%)
①大気汚染防止装置
(金額)
②水質汚濁防止装置
(前年比)
(金額)
③ごみ処理装置
(前年比)
(金額)
④騒音振動防止装置
(前年比)
(金額)
⑤合計
(前年比)
(金額)
(前年比)
平成25年度
42,575
81.5
178,749
99.0
291,890
114.6
2,390
127.1
515,604
105.3
26年度
57,424
134.9
197,413
110.4
392,728
134.5
1,733
72.5
649,298
125.9
27年度
85,874
149.5
181,930
92.2
342,866
87.3
1,441
83.2
612,111
94.3
平成25年
47,281
93.6
196,223
102.3
278,261
107.9
2,047
104.1
523,812
104.3
26年
41,737
88.3
191,533
97.6
348,723
125.3
2,133
104.2
584,126
111.5
27年
61,487
147.3
162,207
84.7
346,506
99.4
1,505
70.6
571,705
97.9
平成27年4~6月
13,142
77.5
28,135
80.1
81,789
62.2
175
42.7
123,241
67.0
7~9月
11,039
192.9
44,309
75.6
90,346
116.0
378
77.9
146,072
102.3
10~12月
8,062
146.5
46,162
76.9
38,456
81.1
536
127.0
93,216
82.2
平成28年1~3月
53,631
183.4
63,324
145.2
132,275
97.3
352
84.6
249,582
119.3
4~6月
11,545
87.8
31,288
111.2
104,681
128.0
246
140.6
147,760
119.9
H28.4~8累計
32,038
149.0
69,777
131.9
162,590
127.6
709
176.8
265,114
131.1
H28.1~8累計
85,669
168.8
133,101
137.9
294,865
112.0
1,061
129.9
514,696
125.1
平成28年6月
5,965
91.3
15,646
99.4
62,804
205.1
122
305.0
84,537
159.7
7月
18,260
383.5
15,401
122.4
18,441
162.9
360
300.0
52,462
182.3
8月
2,233
62.1
23,088
189.4
39,468
115.1
103
97.2
64,892
129.3
(表3) 平成28年8月 環境装置需要部門別受注額
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(単位:100万円)
需要部門
民
間
造
業
製
機種
集
食品
じ
官 公 需
非 製 造 業
石油
化学
化学
窯業
鉄鋼
非鉄
金属
機械
その他
小計
電力
鉱業 その他
小計
地方
その他
自治体
計
要
外需
小計
合計
大気汚染防止装置
置
14
12
38
2
4
39
116
74
64
84
90
537
0
1
175
176
713
5
2
7
5
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
排 煙 脱 硫 装 置
0
0
0
0
0
5
0
0
0
0
119
124
206
0
16
222
346
0
0
0
0
346
排 煙 脱 硝 装 置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
0
0
1
2
0
2
10
13
排ガス処理装置
0
0
0
0
0
8
0
87
0
0
28
123
0
0
0
0
123
14
0
14
860
997
関
0
0
0
0
0
0
0
0
0
101
36
137
10
0
2
12
149
3
0
3
0
152
14
12
38
2
4
52
116
161
64
186
273
922
216
1
193
410
1,332
24
2
26
875
2,233
産業廃水処理装置
287
0
164
37
105
63
5
86
5
781
338 1,871 1,810
0
8 1,818
3,689
146
6
152
21
3,862
下水汚水処理装置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
3
3
8,086
232
8,318
▲4
8,317
し 尿 処 理 装 置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5,136
0
5,136
0
5,136
汚 泥 処 理 装 置
3
0
0
0
0
1
0
0
0
0
39
43
0
0
5
5
48
4,155
351
4,506
95
4,649
海洋汚染防止装置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
23
0
0
0
0
0
0
0
0
26
27
76
0
0
52
52
128
643
263
906
90
1,124
404 1,990 1,810
小
水質汚濁防止装置
関
装
パルプ 石油
・紙 石炭
要
重・ 軽 油 脱 硫 装 置
連
ん
繊維
需
機
器
計
連
小
機
器
計
ごみ処理装置
313
0
164
37
105
64
5
86
5
807
0
68 1,878
都市ごみ処理装置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
95
95
事業系廃棄物処理装置
37
0
13
0
0
0
0
8
0
0
54
112
0
0
784
784
896
9
71
80
0
976
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1,665
0
1,665
247
1,913
関
連
小
機
器
計
3,868 18,166
95 16,131
202 23,088
27 16,158 20,326 36,579
騒音振動防止装置
37
0
13
0
0
0
0
8
0
0
54
112
0
0
880
880
騒 音 防 止 装 置
0
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0
0
0
0
0
0
0
103
103
0
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0
0
103
0
0
0
0
103
振 動 防 止 装 置
0
0
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
関
連
機
器
992 17,805
852 19,018
725
98 17,903 20,573 39,468
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
計
0
0
0
0
0
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0
0
0
0
103
103
0
0
0
0
103
0
0
0
0
103
合 計
364
12
215
39
109
116
121
255
69
993
小
834 3,127 2,026
1 1,141 3,168
6,295 35,995
952 36,947 21,650 64,892
産業機械 2016.11
P081-088_統計資料1-受注状況.indd 87
87
2016/11/14 15:27
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
化学機械 需要部門別受注状況
(平成18~27年度)
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
上段:金額(百万円) 下段:前年度比(%)
H18年度
製
造
業
非 製 造 業
民 間 需 要
合 計
官
公
需
代
理
店
内 需 合 計
海 外 需 要
受 注
合 額
計
H19年度
H20年度
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
H26年度
H27年度
377,416
372,156
221,898
189,978
185,150
230,171
169,789
162,519
215,996
113.4
98.6
59.6
85.6
97.5
124.3
73.8
95.7
132.9
223,405
103.4
98,077
85,207
112,612
53,481
89,959
122,932
68,422
66,223
94,922
102,664
246.9
86.9
132.2
47.5
168.2
136.7
55.7
96.8
143.3
108.2
475,493
457,363
334,510
243,459
275,109
353,103
238,211
228,742
310,918
326,069
127.6
96.2
73.1
72.8
113.0
128.4
67.5
96.0
135.9
104.9
237,078
218,671
164,007
159,557
168,389
176,190
129,713
139,890
137,558
140,019
92.3
92.2
75.0
97.3
105.5
104.6
73.6
107.8
98.3
101.8
2,351
1,502
1,018
195
2,529
1,852
9,274
11,549
17,219
13,475
23.2
63.9
67.8
19.2
1296.9
73.2
500.8
124.5
149.1
78.3
714,922
677,536
499,535
403,211
446,027
531,145
377,198
380,181
465,695
479,563
111.8
94.8
73.7
80.7
110.6
119.1
71.0
100.8
122.5
103.0
913,689
755,190
592,129
685,269
450,619
1,181,677
624,098
508,551
1,271,422
639,703
69.2
82.7
78.4
115.7
65.8
262.2
52.8
81.5
250.0
50.3
1,628,611
1,432,726
1,091,664
1,088,480
896,646
1,712,822
1,001,296
888,732
1,737,117
1,119,266
83.1
88.0
76.2
99.7
82.4
191.0
58.5
88.8
195.5
64.4
冷凍機械 需要部門別受注状況
(平成18~27年度)
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
上段:金額(百万円) 下段:前年度比(%)
H18年度
製
造
業
非 製 造 業
民 間 需 要
合 計
官
代
公
理
需
店
内 需 合 計
海 外 需 要
受 注
合 額
計
H19年度
H20年度
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
H26年度
H27年度
142,506
147,017
138,543
121,539
133,654
118,466
106,835
147,992
127,486
106.7
103.2
94.2
87.7
110.0
88.6
90.2
138.5
86.1
147,794
115.9
45,866
45,584
39,867
38,259
39,836
36,156
32,557
41,304
40,145
44,650
112.6
99.4
87.5
96.0
104.1
90.8
90.0
126.9
97.2
111.2
188,372
192,601
178,410
159,798
173,490
154,622
139,392
189,296
167,631
192,444
108.1
102.2
92.6
89.6
108.6
89.1
90.2
135.8
88.6
114.8
7,209
7,661
8,144
7,730
8,655
7,000
6,134
7,345
6,506
7,644
98.8
106.3
106.3
94.9
112.0
80.9
87.6
119.7
88.6
117.5
135,121
138,351
132,187
112,346
119,820
130,538
153,074
128,361
129,285
126,407
92.8
102.4
95.5
85.0
106.7
108.9
117.3
83.9
100.7
97.8
330,702
338,613
318,741
279,874
301,965
292,160
298,600
325,002
303,422
326,495
101.0
102.4
94.1
87.8
107.9
96.8
102.2
108.8
93.4
107.6
89,645
120,723
90,355
59,501
72,315
71,542
65,540
51,933
56,860
70,034
109.4
134.7
74.8
65.9
121.5
98.9
91.6
88.4
98.1
123.2
420,347
459,336
409,096
339,375
374,280
363,702
364,140
382,935
360,282
396,529
102.7
109.3
89.1
83.0
110.3
97.2
100.1
105.2
94.1
110.1
タンク 需要部門別受注状況
(平成18~27年度)
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
上段:金額(百万円) 下段:前年度比(%)
H18年度
製
造
業
非 製 造 業
民 間 需 要
合 計
官
公
需
代
理
店
内 需 合 計
海 外 需 要
受 注
合 88
額
計
H19年度
H20年度
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
H26年度
H27年度
17,179
16,714
21,490
14,473
11,887
14,733
13,835
13,302
12,544
160.7
97.3
128.6
67.3
82.1
123.9
93.9
96.1
94.3
11,930
95.1
3,356
26,623
17,407
14,622
3,801
39,512
3,030
8,859
13,673
2,474
100.2
793.3
65.4
84.0
26.0
1039.5
7.7
292.4
154.3
18.1
20,535
43,337
38,897
29,095
15,688
54,245
16,865
22,161
26,217
14,404
146.3
211.0
89.8
74.8
53.9
345.8
31.1
131.4
118.3
54.9
396
175
255
100
123
730
421
173
139
199
280.9
44.2
145.7
39.2
123.0
593.5
57.7
41.1
80.3
143.2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
20,931
43,512
39,152
29,195
15,811
54,975
17,286
22,334
26,356
14,604
147.6
207.9
90.0
74.6
54.2
347.7
31.4
129.2
118.0
55.4
22,147
49,489
10,505
9,075
17,677
21,100
10,437
76,949
3,602
22,562
38.2
223.5
21.2
86.4
194.8
119.4
49.5
737.3
4.7
626.4
43,078
93,001
49,657
38,270
33,488
76,075
27,723
99,283
29,958
37,166
59.8
215.9
53.4
77.1
87.5
227.2
36.4
358.1
30.2
124.1
INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
P081-088_統計資料1-受注状況.indd 88
2016/11/14 15:27
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
産業機械機種別生産実績(平成28年8月)
(指定統計第11号)
付月間出荷在庫高(経済産業省 大臣官房調査統計グループ 鉱工業動態統計室調)
生産
製品名
数量
(台)
容量
金額(百万円)
ボイラ及び原動機(自動車用、二輪自動車用、鉄道車両用及び航空機用のものを除く)
96,360
ボイラ
11,762
一般用ボイラ
682
676t/h
1,375
水管ボイラ
632
643t/h
1,275
2t/h未満
474
226t/h
412
2t/h以上35t/h未満
158
417t/h
863
ー
ー
ー
35t/h以上490t/h未満
490t/h以上
ー
ー
ー
その他の一般用ボイラ(煙管ボイラ、鋳鉄製ボイラ、丸ボイラ等)
50
33t/h
100
舶用ボイラ
22
80t/h
243
ボイラの部品・付属品(自己消費を除く)
…
…
10,144
タービン
26,486
蒸気タービン
25,997
一般用蒸気タービン
18
1,750千kW
舶用蒸気タービン
51
77千kW
527
蒸気タービンの部品・付属品(自己消費を除く)
…
…
9,911
ガスタービン
内燃機関
15,559
8
9
489
246,584
6,916千PS
58,112
生産
製品名
数量
(台)
重量
(t)
金額(百万円)
土木建設機械、鉱山機械及び破砕機
×
鉱山機械(せん孔機、さく岩機)
935
1,022
30
697
破砕機
製品名
生産
数量(台)
化学機械及び貯蔵槽
化学機械
重量(t)
7,297
金額
(百万円)
製品名
生産
数量
(台)
重量
(t)
金額(百万円)
12,594
11,229 混合機、かくはん機及び粉砕機
4,119
5,659
ろ過機器
78
362
分離機器
591
484
1,120 塔槽機器
2,067
636
2,365 乾燥機器
303
307
703
514
1,323
61
1,638
1,365
とう(套)管式熱交換器
125
346
36
408
501
その他の熱交換器
389
977
25
1,230
864
集じん機器
熱交換器
700 反応用機器
2,137 貯蔵槽
499 固定式
1,638 その他の貯蔵槽
393
652
1,641
60
1,502
2,022
113
394
541
産業機械 2016.11
P089-093_統計資料2-生産実績.indd 89
89
2016/11/14 15:27
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
生産
製品名
数量
(台)
重量
(t)
製紙機械・プラスチック加工機械
×
製紙機械
×
×
×
×
1,084
10,325
16,371
射出成形機(手動式を除く)
894
8,750
10,776
型締力100t未満
285
1,018
2,146
プラスチック加工機械
〃 100t以上200t未満
345
1,957
3,191
〃 200t以上500t未満
212
3,178
2,926
52
2,597
2,513
42
636
2,906
105
510
1,272
43
429
1,417
〃 500t以上
押出成形機(本体)
押出成形付属装置
ブロウ成形機(中空成形機)
製品名
生産
数量(台)
販売
重量
(t)
ポンプ、圧縮機及び送風機
ポンプ
(手動式及び消防ポンプを除く)
金額
(百万円)
数量
(台)
月末在庫
重量
(t)
42,669
金額
(百万円)
数量(台)
重量(t)
43,424
195,736
7,634
18,948
220,933
8,184
19,344
259,964
6,157
うず巻ポンプ(タービン形を含む)
38,162
5,145
9,796
36,245
5,073
9,478
51,456
2,537
単段式
28,508
2,645
4,752
26,123
2,542
4,654
46,268
1,804
多段式
9,654
2,499
5,044
10,122
2,530
4,824
5,188
732
軸・斜流ポンプ
20
280
737
20
280
740
4
9
回転ポンプ
29,874
317
717
29,984
326
761
10,650
240
耐しょく性ポンプ
70,658
398
3,191
67,815
393
3,123
45,539
165
水中ポンプ
33,304
984
1,771
60,871
1,583
2,496
115,483
2,840
汚水・土木用
30,651
868
1,401
58,680
1,472
2,105
111,098
2,602
2,653
117
370
2,191
111
391
4,385
238
23,718
510
2,735
25,998
529
2,745
36,832
367
5,139
…
3,544
4,897
…
3,807
1,885
…
圧縮機
17,888
4,065
16,552
19,452
3,846
16,489
11,970
3,184
往復圧縮機
15,142
839
1,292
16,892
862
1,366
9,190
746
可搬形
14,222
395
586
15,974
433
666
9,015
325
その他の水中ポンプ(清水用を含む)
その他のポンプ
真空ポンプ
定置形
920
444
706
918
430
700
175
420
回転圧縮機
2,692
2,078
4,751
2,506
1,836
4,614
2,780
2,439
可搬形
1,213
1,086
1,250
933
777
962
1,744
1,613
定置形
1,479
992
3,501
1,573
1,060
3,652
1,036
826
54
1,148
10,509
54
1,148
10,509
ー
ー
21,148
2,079
3,625
21,151
2,031
3,785
14,876
1,025
遠心・軸流圧縮機
送風機
(排風機を含み、電気ブロワを除く)
90
金額(百万円)
回転送風機
8,095
571
1,261
8,022
570
1,258
1,396
325
遠心送風機
11,205
1,129
1,784
10,859
1,073
1,897
12,047
503
軸流送風機
1,848
379
580
2,270
388
629
1,433
197
INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
P089-093_統計資料2-生産実績.indd 90
2016/11/14 15:27
行事報告
製品名
行事予定
書籍・報告書情報
生産
数量(台)
重量
(t)
運搬機械及び産業用ロボット
統計資料
生産
製品名
金額
(百万円)
数量
(台)
43,258
クレーン
天井走行クレーン
1,227
チェーンコンベヤ
2,142
1,423
2,270
ローラーコンベヤ
19,074
3,008
2,471
その他のコンベヤ
406
3,795
2,514
2,658
21,712
17,269
397
1,385
1,306
橋形クレーン
34
1,849
908
車両搭載形クレーン
1,544
1,753
1,409
ローダ・アンローダ
3
257
362
94
1,107
45,811
チェーンブロック
8,482
447
ベルトコンベヤ
2,336
舶用ウインチ
8,673
6,192
7,626
2,328
巻上機
27,814
8,679
16
その他のクレーン
コンベヤ
2,088
ジブクレーン
(水平引込、塔型を含み、脚部の橋
形を除く)
エレベータ
(自動車用エレベータを除く)
エスカレータ
148
…
1,910
機械式駐車装置
227
…
1,495
1,305
自動立体倉庫装置
101
…
2,532
産業用ロボット
52
…
673
45,759
…
1,859
シーケンスロボット
353
…
1,317
プレイバックロボット
8,920
…
20,160
数値制御ロボット
2,536
…
14,237
110
…
380
…
…
3,825
部品・付帯装置
生産
数量(台)
動力伝導装置
(自己消費を除く)
重量
(t)
32,223
固定比減速機
426,071
11,504
17,644
モータ付のもの
202,213
5,905
5,814
モータなしのもの
223,858
5,599
11,830
製品名
重量
(t)
液圧プレス(リベッティングマシンを含み
プラスチック加工用のものを除く)
9,498
3,945千m
4,848
5,081
数量
(台)
月末在庫
重量
(t)
金額
(百万円)
数量
(台)
重量(t)
113
19
108
72
…
…
…
…
…
…
…
41
…
…
…
…
…
2,887本
6,551
3,595
2,796本
6,306
3,430
608本
…
第二次金属加工機械
ベンディングマシン(矯正機を含む)
5,935
3,708
圧延機械
鉄鋼用ロール
金額
(百万円)
金額(百万円)
15,818
金属一次製品製造機械
圧延機械の部品(ロールを除く)
スチールチェーン
重量
(t)
11,946
販売
金属加工機械及び鋳造装置
圧延機械(本体又は一式のもの)及び
同付属装置(シャーはせん断機に含む)
数量
(千個)
歯車
(粉末や金製品を除く)
(自己消費を除く)
生産
数量(台)
生産
製品名
金額
(百万円)
22,287
3,944
39,919
知能ロボット
数値制御式(液圧プレス内数)
金額(百万円)
83,177
運搬機械
製品名
重量(t)
8,420
8,533
66
589
586
65
564
539
1
0
113
1,646
1,626
90
1,616
1,549
406
4,159
81
904
816
63
802
703
335
3,624
機械プレス
169
5,170
5,181
156
5,160
5,272
167
3,785
100t未満
130
1,319
2,115
122
1,254
2,054
144
2,163
32
1,254
1,104
26
1,090
1,013
20
436
7
2,597
1,962
8
2,816
2,205
3
1,186
100t以上500t未満
500t以上
産業機械 2016.11
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91
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行事報告
製品名
行事予定
書籍・報告書情報
生産
数量(台)
統計資料
販売
重量
(t)
金額
(百万円)
数量
(台)
月末在庫
重量
(t)
金額
(百万円)
数量(台)
重量(t)
金属加工機械及び鋳造装置つづき
数値制御式(機械プレス内数)
41
2,021
1,393
39
1,968
1,344
132
2,125
せん断機
10
182
162
10
…
174
1
…
鍛造機械
13
330
572
21
…
706
5
…
14
…
293
ー
…
ワイヤーフォーミングマシン
14
83
293
147
2,854
3,690
ダイカストマシン
57
1,574
1,638
…
…
…
…
…
鋳型機械
13
367
1,054
…
…
…
…
…
砂処理・製品処理機械及び装置
77
913
548
…
…
…
…
…
鋳造装置
製品名
生産
数量
(台)
冷凍機及び冷凍機応用製品
金額
(百万円)
数量
(台)
147,739
重量
(t)
月末在庫
金額
(百万円)
数量(台)
179,552
冷凍機
1,547,013
26,799
1,522,945
29,047
959,207
圧縮機(電動機付を含む)
1,540,945
22,421
1,516,296
25,164
949,846
243,174
5,739
169,317
3,461
526,632
1,297,771
16,682
1,346,979
21,703
423,214
遠心式冷凍機
10
203
10
203
16
吸収式冷凍機(冷温水機を含む)
98
752
90
631
31
5,960
3,423
6,549
3,049
9,314
冷凍機応用製品
1,357,876
117,915
1,862,997
147,100
1,636,006
エアコンディショナ
1,301,586
101,715
1,801,995
130,496
1,485,933
電気により圧縮機を駆動するもの
693,007
71,904
1,181,091
96,717
1,415,073
セパレート形
691,159
69,748
1,179,152
94,431
1,410,848
シングルパッケージ形(リモートコンデンサ形を含む)
1,848
2,156
1,939
2,286
4,225
エンジンにより圧縮機を駆動するもの
9,141
5,123
15,110
7,829
26,930
599,438
24,688
605,794
25,950
43,930
17,765
5,626
17,690
5,938
36,408
6,995
1,704
17,515
2,047
14,318
除湿機
19,337
855
10,865
579
85,510
製氷機
6,209
1,247
7,051
1,383
6,437
チリングユニット(ヒートポンプ式を含む)
1,058
2,897
784
2,775
1,417
冷凍・冷蔵ユニット
4,926
3,871
7,097
3,882
5,983
補器
8,613
2,419
9,201
2,735
7,789
497
606
518
670
664
一般冷凍空調用
乗用車エアコン用(トラック用を含む)
コンデンシングユニット
輸送機械用
冷凍・冷蔵ショーケース
フリーザ
(業務用冷凍庫を含む)
冷凍・空調用冷却塔
92
重量
(t)
販売
INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
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行事報告
行事予定
製品名
書籍・報告書情報
統計資料
生産
数量
(台)
重量
(t)
自動販売機、自動改札機・自動入場機
及び業務用洗濯機
販売
金額
(百万円)
数量
(台)
6,249
重量
(t)
月末在庫
金額
(百万円)
数量(台)
6,882
自動販売機
17,236
5,053
17,930
5,790
39,334
飲料用自動販売機
16,124
4,280
16,905
4,988
37,500
たばこ自動販売機
81
26
56
17
458
切符自動販売機
281
298
281
298
5
その他の自動販売機
750
449
688
487
1,371
自動改札機・自動入場機
298
452
319
480
22
業務用洗濯機
567
744
556
612
590
製品名
生産
数量
(t)
金額
(百万円)
鉄構物及び架線金物
鉄構物
124,439
35,235
鉄骨
88,669
18,024
軽量鉄骨
13,546
3,398
橋りょう
(陸橋・水路橋・海洋橋等)
14,677
10,381
鉄塔
(送配電用・通信用・照明用・広告用等)
4,426
1,559
水門
(水門巻上機を含む)
1,230
1,349
鋼管(ベンディングロールで成型したものに限る)
1,891
524
架線金物
10,500
(千個)
3,544
この統計にある記号は、下記の区分によります。
—印:実績のないもの …印:不詳
末尾を四捨五入している為、積上げと合計が合わない場合があります。
産業機械 2016.11
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部課名・お役職
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INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
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賛助会員制度のご案内
一般社団法人 日本産業機械工業会は、ボイラ・原動機、鉱山機械、化学機械、環境装置、タンク、プラ
スチック機械、風水力機械、運搬機械、動力伝動装置、製鉄機械、業務用洗濯機等の生産体制の整備及び生
産の合理化に関する施策の立案並びに推進等を行うことにより、産業機械産業と関連産業の健全な発展を図
ることを目的として事業活動を実施しております。
当工業会では常時新入会員の募集を行っておりますが、正会員(産業機械製造業者)の他に、関連する法
人及び個人並びに団体各位に対して事業活動の成果を提供する賛助会員制度も設置しております。
本制度は当工業会の調査研究事業等の成果を優先利用する便宜が得られるなど、下表のような特典があり
ます。広く関係各位のご入会をお待ちしております。
賛助会員の特典
出版物、行事等
備 考
1
機関誌
「産業機械」
年12回
2
会員名簿
和文:年1回
英文:隔年1回
3
工業会事業報告書・計画書
年1回
4
工業会決算書・予算書
年1回
5
自主統計資料
(1)
産業機械受注
(2)
産業機械輸出契約
(3)
環境装置受注
月次:年12回
年度上半期累計、暦年累計、年度累計:年間各1回
6
(会議・講演)
総会資料
年1回
7
運営幹事会資料
(会議・講演)
年9回
8
機種別部会の調査研究報告書
(自主事業等)
発刊のご案内:随時(送料等を実費ご負担いただきます)
9
各種講演会のご案内
随時(講演会によっては実費ご負担いただきます)
10
新年賀詞交歓会
東京・大阪で年1回開催
11
工業会総会懇親パーティ
年1回
12
関西大会懇親パーティ
年1回(関西大会:11月の運営幹事会を大阪で開催)
13
関係省庁、関連団体からの各種資料
随時
14
その他
工業会ホームページ内の会員専用ページへの認証
(上記各資料の電子データをご利用いただけます)
≪お問い合わせ先≫
一般社団法人 日本産業機械工業会 総務部
TEL:03-3434-6821 FAX:03-3434-4767
E-mail:[email protected]
産業機械 2016.11
P095_賛助会員制度.indd 95
95
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記事募集のご案内
当誌では、会員企業の相互の理解をより深め、会員各社のご活躍の様子を広く読者に紹介するという趣旨の下、各種
トピックスを設けており、会員の皆様からのご寄稿を募集しております(掲載料無料)
。ぜひ貴社のPRの場としていただ
けると幸いに存じます。ご寄稿に関するお問い合わせにつきましては下記までご連絡ください。
(お問い合わせ先)
一般社団法人 日本産業機械工業会 編集広報部
TEL:03-3434-6823 FAX:03-3434-4767
E-mail:[email protected]
編集後記
■11月号は、
「化学機械」
「タンク」
「優秀環境装置②」の
(特徴)
3つの特集を組ませていただきました。
「化学機械」
「タ
伊万里・有田
ンク」では座談会、インタビューをはじめ、多くの技術・
焼は白く美しい
事例について紹介させていただきました。座談会ご出席
磁肌や華やかな
者、ご執筆者、関係各位には多大なご協力を賜り、誠に
絵付け、使いや
ありがとうございました。また、
「優秀環境装置②」では、
すさや丈夫さを
去る6月20日に開催しました第42回優秀環境装置表彰
考慮した食器な
式において日本産業機械工業会会長賞を受賞された6件
どが特徴です。
の装置を紹介させていただきました。受賞会社の皆様に
(作り方)
心よりご祝福申し上げると共に、特集号へのご寄稿等多
陶石を砕いて
大な協力を賜りましたことを深く御礼申し上げます。
粉状にし、水を
加えて粘土にします。ろくろや型を使って形を作り、低
◎今月号の伝統工芸品は「伊万里・有田焼」
(いまり・あ
い温度で素焼きをします。絵具で下絵付を施し、釉薬を
りたやき)です。
表面にかけ、ガス窯で約1,300℃の温度で焼き上げます。
(歴史)
色絵をつけるときは、焼きあがったものに更に絵を描き、
16世紀後半、朝鮮から連れ帰った陶工の李参平によ
って、有田泉山で磁器の原料が発見されたのが始まりと
赤絵窯で焼きます。
(作り手から一言)
言われています。当時は、伊万里港を積み出し港とした
江戸時代、有田焼は伊万里港が積み出し港であったこ
ため、伊万里焼とも呼ばれていました。その後、酒井田
とから伊万里焼と呼ばれていました。現在は、有田でつ
柿右衛門により上絵付の技法が始まり、柿右衛門様式、
くられたものを有田焼、伊万里でつくられたものを伊万
古伊万里様式、鍋島様式の3様式があります。とりわけ
里焼と呼んでいますが、原料、成形、絵付の技法等が同
柿右衛門様式、古伊万里様式はその豪華さがヨーロッパ
じため、名称を伊万里・有田焼に統一しています。
の人々を魅了し、オランダ連合東インド会社(VOC)を
(主要製造地域)
佐賀県/伊万里市、武雄市
通じて大量に輸出されました。
(指定年月日)
昭和52年10月21日
産業機械
No.794 Nov
平成28年11月14日印刷
平成28年11月21日発行
2016年11月号
発行人/一般社団法人
日本産業機械工業会 田中 信介
ホームページアドレス http://www.jsim.or.jp
発行所・販売所/本部
(機械振興会館4階)
〒105-0011 東京都港区芝公園3丁目5番8号
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INDUSTRIAL MACHINERY 2016.11
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平成28年11月21日発行(毎月1回20日発行第794号)ISSN0558−4809
一般社団法人 日本産業機械工業会
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﹁化学機械﹂﹁タンク﹂﹁優秀環境装置②﹂
特集﹁化学機械﹂﹁タンク﹂﹁優秀環境装置②﹂
特集﹁化学機械﹂﹁タンク﹂﹁優秀環境装置②﹂
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