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薬局等に勤務する登録販売者に対する研修について
日薬業発第127号 平成24年7月26日 都 道 府 県 薬 剤 師 会 会 長 殿 日本薬剤師会 会 長 児 玉 孝 薬局等に勤務する登録販売者に対する研修について 平素より、本会会務に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、「登録販売者の資質の向上のための外部研修に関するガイドライン」につ きましては、平成 24 年 4 月 2 日日薬業発第 2 号にてお知らせし、研修の実施につ いてお願いしたところです。 このほど、下記のとおり、研修実施機関としての届出に関する解説をガイドライ ンに基づきとりまとめましたので、貴会における検討に際しご参考下さいますよう お願いいたします。 医薬品販売制度が国民に正しく理解され、定着するには、薬剤師のみならず、医 薬品の販売に携わる全ての者が必要な知識と倫理観を持つことが重要であり、その ために薬剤師(会)として、登録販売者の資質向上に協力・支援していくことが重 要です。登録販売者の資質向上と、薬局開設者が行う登録販売者に対する研修を支 援する観点から、各都道府県薬剤師会が外部研修の実施機関として、薬局等に勤務 する登録販売者を対象とした研修会を開催することが望ましいと考えております。 各都道府県薬剤師会におかれましては、都道府県の実情に応じて、積極的にご対 応下さるよう、重ねてお願い申し上げます。 なお、実施に関する具体的な事項については、都道府県薬務主管課と十分にご相 談いただきますようお願い申し上げます。 記 薬局等に勤務する登録販売者に対する研修について(解説) 資料1:実施要領例 資料2:修了証例 資料3:薬局開設者向け説明・案内文書の例 資料4:研修会内容の例 ※資料1~4はあくまで参考としての例示です。都道府県の実情に応じて作成して下さい。 以 上 薬局等に勤務する登録販売者に対する研修について 平成24年7月 日本薬剤師会 1.登録販売者の資質の向上のための外部研修に関するガイドラインについて 登録販売者に対する研修の実施は、薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行 う体制を定める省令において薬局開設者等に義務付けられています。また、研修の専門 性、客観性、公正性等の確保の観点から、平成 24 年 3 月 26 日付け薬食総発 0326 号第 2 号厚生労働省医薬食品局総務課長通知にて、開設者自らが行う研修に加えて外部研修を 受講させることとされ、外部研修に関するガイドラインが定められました。 ガイドラインは平成 24 年 4 月 1 日より適用されています。 【登録販売者の外部研修について、薬局開設者等に求められる事項】 ・対象者:薬局開設者、店舗販売業者、配置販売業者(以下「薬局等」)の下 で一般用医薬品の販売に従事する全ての登録販売者(「4」参照) ・12 時間以上の外部研修を、定期的かつ継続的に受講させること。 ・研修は、講義(集合研修)を基本とし、通信講座等を併用する場合には、 集合研修の時間を超えないこと。 (例)集合研修 12 時間 可 集合研修 6 時間、通信講座 6 時間 可 集合研修 5 時間、通信講座 7 時間 不可 ・研修実施機関として自治体に登録されている機関の開催する研修会である こと ・修了証により登録販売者の受講を確認し、その旨を記録・保管すること(少 なくとも次回更新時まで) 2.研修実施機関としての届け出 研修実施機関となるには、自治体への届け出が必要です。 研修実施機関には、登録販売者の質の向上のための研修の専門性・客観性・公正性 を確保することができ、かつ、登録販売者の職能に応じた相当の研修実績(薬剤師に 対する研修実績も可)を有することが求められています。 なお、研修実施機関には、ガイドラインで定められている年間 12 時間分の研修プロ グラムを提供できることが求められます。 - 1 - 他団体と共同での研修の実施も可能です。その場合は、例えば、都道府県薬剤師会 が○時間、その他の団体等が○時間の研修を行うとしてプログラムを構成し連名で自 治体への届け出を行う、あるいは協議会等の共同体を設置して届け出を行うなどの方 法が考えられます。詳しくは都道府県薬務主管課にご確認下さい。また、業務の一部 を外部委託すること等も可能です。 3.外部研修の頻度・形式 ガイドラインにより、以下の事項を求められていますので、研修の企画にあたって ご留意下さい。 ・ 研修は、毎年、定期的かつ継続的に行うこと。 ・ 研修は、講義(集合研修)を基本とすること。 ・ 遠隔講座・通信講座等による研修を行う場合は、講義(集合研修)と組み合わせ て行うこと。また、遠隔講座・通信講座等による研修を行う場合は、その時間数 が集合研修の時間数を超えないこと。 (例)集合研修 12 時間 可 集合研修 6 時間、通信講座 6 時間 可 集合研修 5 時間、通信講座 7 時間 不可 4.受講対象者 ガイドラインの対象となる受講対象者は、薬局開設者、店舗販売業者、配置販売業 者(以下「薬局等」 )の下で一般用医薬品の販売に従事する全ての登録販売者です。 ・ 従事届をしている登録販売者が対象です。例えば、登録販売者試験に受かってい ても、一般用医薬品の販売に従事しないため従事届をしていない者はガイドライ ンの対象に含まれません。 ・ 登録販売者試験の受験希望者の研修ではないことにご留意下さい。 ・ 他県からの受講も差し支えありません。 5.研修内容 ガイドラインにより、研修内容は次の①~⑦を含むこととされています。 ① 医薬品に共通する特性と基本的な知識 ② 人体の働きと医薬品 ③ 主な一般用医薬品とその作用 ④ 薬事に関する法規と制度 ⑤ 一般用医薬品の適正使用と安全対策 - 2 - ⑥ リスク区分等の変更があった医薬品 ⑦ その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等 6.教材、研修プログラムについて (1)教材 ガイドラインにより、研修のために必要な教材を用意することとされています。 日本薬剤師会は本年度、都道府県薬剤師会・支部薬剤師会における研修を支援する ため、前記「5」の①~⑦の内容を含んだ約 3 時間分の教材(DVD 及びテキスト)を提 供いたします。なお、平成 23 年度にも 3 時間分の教材を提供していますので併せてご 活用下さい(23 年度教材には④⑥⑦が含まれていませんのでご留意下さい)。 教材として DVD を活用される場合は、教材の内容を踏まえたディスカッションやロ ールプレイを行ったり、受講者からの質問に対応できるようにするなど、受講者との 双方向性を担保して下さい。単に映像教材を流すのみでは、遠隔講座扱いになると考 えられます。 なお、平成 25 年度以降は日本薬剤師会から毎年6時間分の DVD 教材及びテキストを 提供する予定です。 また、日本薬剤師会監修「登録販売者研修テキスト」 (薬事日報社)の活用もご検討 下さい。 (2)プログラム 各研修実施機関におかれては、各都道府県の実情に応じた研修内容を検討いただき、 合計 12 時間分の研修プログラムを策定いただきますようお願いいたします。なお、上 記 DVD の活用や、他機関との合同(前記「2」参照)なども含めて、都道府県の実情 にあわせて実施方法をご検討下さい。 (例)製品(群)に着目した一般用医薬品の研修 受講者による症例検討、ロールプレイ 等 また、ガイドラインでは、研修参加者の研修の修了に当たり、試験その他の方法に より、研修参加者の研修内容の習得を確認することを求めています。研修の最後に確 認試験やレポート提出などの方策をご検討下さい。 なお、通信講座・遠隔講座については、インターネット回線を用いた e ラーニング (遠隔講座)のほか、郵送による通信講座なども考えられます。 7.実施体制 ガイドラインにより、研修実施機関には、研修の実施体制の客観性・公平性を十分 に確保するために、研修プログラム策定等への教育、学術等関係者、消費者等の参画 - 3 - が求められています。 8.実施要領 ガイドラインにより、研修実施機関は、研修等の企画・運営、実施形式、内容、時 間数、修了証交付等に関する実施要領を定めることとされています。 (資料1「実施要領例」参照) 9.講師 ガイドラインにより、講師は実施する研修内容に関する専門的な技術・知識を有す るものであることとされています。研修実施機関にて研修の内容を考慮し適任者を選 定して下さい。 10.研修情報の公表 ガイドラインにより、研修実施機関は、研修の実施方法、実績等の情報を公表する こと等により、研修の透明性を十分に確保することが求められています。 11.修了証の交付 ガイドラインにより、研修実施機関は、試験その他の方法により研修参加者の研修 内容の習得を確認し、研修参加者に対して修了証等を交付することで、修了認定を適 切に行うことが求められています。 修了証には、実施機関名、実施日、研修名称、研修の形式(集合・通信の別)、研修 の時間数、修了認定の証、修了者の氏名が最低限必要であるとの考え方が示されてい ます。修了証例(資料2)を参考に、各実施機関の長の名前で発行してください。 なお、修了証例は、薬局開設者等が登録販売者の受講状況を把握しやすいよう、研 修会(講座)ごとに発行することを想定したものとなっています。 12.研修記録の保存 ガイドラインにより、研修実施機関は、研修参加者の氏名、研修内容等を適切に記録・ 保存することが求められています。研修記録の保存は、少なくとも6年間は必要との見 解が示されています。 修了証の発行とあわせて、受講者番号等により管理するなど、管理の行いやすい方法 をご検討下さい。 - 4 - 13.都道府県薬務主管課との連携について 研修実施機関としての届け出先は、集合研修を行う場所の自治体に対して行うことと されています。具体的な研修の実施体制等については都道府県薬務主管課と十分にご相 談下さい。 14.その他運営に関する事項 (1)受講案内 受講者の募集に当たっては、「登録販売者の資質の向上に関する外部研修ガイドラ インに準拠した、自治体登録機関による研修会であること」を明示するようにご配慮 下さい。 (2)受講料 受講料の額は会員施設、会員外施設で差をつけて設定することは差し支えありませ んが、その差が過大にならないようにご配慮下さい。 (3)日本薬剤師会への連絡 研修会の実施が決まり次第、日時・場所を日本薬剤師会へ情報提供下さるようお願 いいたします。 (4)他都道府県薬剤師会、他団体との連携について 集合研修は他県からの受講も可能であり、また、各研修実施機関は受講対象者を限 定しておりません。登録販売者が必要な時間数の研修が受講できるよう、他都道府県 薬剤師会や他団体と研修会情報を共有するなどの方策もご検討下さい。 以 上 - 5 - [資料1]実施要領例 薬局等に勤務する登録販売者の資質向上のための研修会 平 成 実施要領(例) 年 ●●●●法人 月 日 ●●薬剤師会 1.目的 本研修は、「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省 令」が薬局開設者、店舗販売業者、配置販売業者(以下「薬局開設者等」)に求める 従事者に対する研修のうち、平成 24 年 3 月 26 日付薬食総発 0326 号第 2 号厚生労働 省医薬食品局総務課長通知による、登録販売者に対する外部研修として実施する。 2.研修の概要 (1)受講対象者 薬局開設者、店舗販売業者、配置販売業者(以下「薬局等」)の下で一般用医薬品の 販売に従事する全ての登録販売者 (2)研修の時間数 毎年度 12 時間以上の研修を行う。 (3)実施方法 講義(集合研修)形式と遠隔講座を組み合わせて実施する。また、遠隔講座の時間数 が講義(集合研修)の時間数を超えないこととする。 (4)研修の内容 ① 医薬品に共通する特性と基本的な知識 ② 人体の働きと医薬品 ③ 主な一般用医薬品とその作用 ④ 薬事に関する法規と制度 ⑤ 一般用医薬品の適正使用と安全対策 ⑥ リスク区分等の変更があった医薬品 ⑦ その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等 (5)教材 日本薬剤師会監修「登録販売者研修テキスト」に準拠し、研修の実施に関する検討会 において、講師と協議の上準備する。 3.研修の専門性・客観性・公平性の確保 研修の客観性を確保するため、研修の実施に関する検討会を設置し、研修の運営、形 - 1 - 式、内容等について検討する。検討に際しては教育、学術等関係者、消費者等の参画を 求め、研修内容に相応する専門的な知識、経験等を有する者に講師を依頼する。 また、公平性を確保するため、ホームページ等を通じて研修会日時・内容等の実施計 画及び実績の情報を公表する。 4.修了認定・修了証 受講者の受講状況を確認した上で、受講修了証を発行する。研修受講者の氏名及び研 修内容を記録、6年間保存する。 5.研修の届出等 研修実施機関として、●●県●●課へ届け出る。 6.その他 本実施要領は必要に応じて改訂する。 以 上 - 2 - [資料2]修了証例 第 000000 号 修 了 研 修 太 郎 証 殿 あなたは当会が「薬局並びに店舗販売業及び 配置販売業の業務を行う体制を定める省令」 に基づき登録販売者の外部研修実施機関とし て実施した以下の研修を修了したことを証し ます 研 修 名 ●●●●●●●●●● 受 講 日 平成●年●月●日 研修形式※1 時 間 数 ●時間 使用教材※2 平成●●年●●月●●日 ●●●県薬剤師会 会 長 ● ● ● ● ※1 集合・通信(遠隔)の別 ※2 教材として DVD を用いた場合は教材名を記入 (例)日薬・研修センター共催研修会(23 年度)の場合 日本薬剤師会・日本薬剤師研修センター共同制作教材「平成 23 年 度登録販売者のための一般用医薬品基礎知識研修会~薬局店頭で適 切な情報を提供するために~」 [資料3]薬局開設者向け説明・案内文書の例 薬局開設者のみなさまへ ~薬局等に勤務する登録販売者に対する研修について~ 平成 24 年●月 ●●薬剤師会 薬局開設者、店舗販売業者、配置販売業者には、 「薬局並びに店舗販売業及び配置販 売業の業務を行う体制を定める省令」において、従事者に対する研修を実施すること が求められています。 平成 24 年 4 月から、研修の専門性、客観性、公正性等の確保の観点から、開設者自 らが行う研修に加えて外部研修を受講させることとされ、外部研修に関するガイドラ インが定められました。 <登録販売者研修について、薬局開設者等に求められる事項> 「登録販売者の資質の向上のための外部研修に関するガイドライン」より ①対象者 ・ 薬局開設者、店舗販売業者、配置販売業者の下で一般用医薬品の販売に従 事する全ての登録販売者(従事届をしている登録販売者) ②時間数 ・ 12 時間以上の外部研修を、定期的かつ継続的に受講させること。 ③研修の形式 ・ 研修は、講義(集合研修)を基本とし、通信講座等を併用する場合には、 集合研修の時間を超えないこと。 (例)集合研修 12 時間 可 集合研修 6 時間、通信講座 6 時間 可 集合研修 5 時間、通信講座 7 時間 不可 ・ 研修実施機関として自治体に登録されている機関の開催する研修会であ ること ④受講の確認等 ・ 修了証により登録販売者の受講を確認し、その旨を記録・保管すること(少 なくとも次回更新時まで) ●●薬剤師会は、●●県に届け出た研修実施機関です。 (研修会の予定、概要・プログラムなどを記載) [資料4] 研修会内容の例 1.ガイドラインにより求められている研修会の内容 ① 医薬品に共通する特性と基本的な知識 ② 人体の働きと医薬品 ③ 主な一般用医薬品とその作用 ④ 薬事に関する法規と制度 ⑤ 一般用医薬品の適正使用と安全対策 ⑥ リスク区分等の変更があった医薬品 ⑦ その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等 2.プログラム(演題)の例 上記研修項目ごとにプログラムを組み立てるほか、いくつかの項目をまとめて演題 を構成するなども考えられます。受講者の理解しやすさや講師の専門性などとあわせ てご検討下さい。 (演題・講師の例及び対応すると考えられる研修項目の例) ○ 登録販売者に求められる資質・倫理 講師の例:薬剤師等 ⑦ その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等 ○ 最近の薬事行政 講師の例:薬剤師、自治体職員等 ④ 薬事に関する法規と制度 ⑤ 一般用医薬品の適正使用と安全対策 ⑥ リスク区分等の変更があった医薬品 ⑦ その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等 ○ 一般用医薬品販売に必要な知識~総論 講師の例:薬剤師、教育・学術関係者等 ① 医薬品に共通する特性と基本的な知識 ② 人体の働きと医薬品 ③ 主な一般用医薬品とその作用 ⑤ 一般用医薬品の適正使用と安全対策 ○ 一般用医薬品販売に必要な知識~各論(具体的な成分・製品をとりあげるなど) 講師の例:薬剤師、教育・学術関係者等 ③ 主な一般用医薬品とその作用 ⑤ 一般用医薬品の適正使用と安全対策 ⑥ リスク区分等の変更があった医薬品 ○ 医薬品販売における登録販売者の役割 講師の例:消費者団体、薬害被害者団体、市民団体、多職種等 ⑤ 一般用医薬品の適正使用と安全対策 ⑦ その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等