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平戸市津吉地区まちなか活性化基本計画

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平戸市津吉地区まちなか活性化基本計画
平戸市津吉地区まちなか活性化基本計画
○計画名称
平戸市津吉地区まちなか活性化基本計画
○策定主体
平戸市
○計画期間
平成25年4月∼平成27年3月(2年)
Ⅰ計画対象区域 対象区域の範囲
津吉町、辻町の一部、鮎川町の一部
平成25年3月22日
当初認定
約19.3ha
対象区域の面積
対象区域の設定理由 津吉町の商業施設や公共施設が集積する中心市街地地区を中心とし、
平戸市都市計画区域に含まれる範囲を対象とした。
(区域に含まれる主な集客施設・公共施設・商店街)
平戸市役所南部出張所、南部公民館、津吉中央通り商店街
Ⅱ現状及び課題 当該市町の概要
【位置・地勢】
本市は、九州の西、長崎県の北西端に位置し、平戸島、生月島、大
島、度島、高島の有人島及び九州本土北西部の沿岸部に位置する田平と
周辺の多数の島々で構成されている。
平戸島は、田平と平戸大橋により、生月島は、平戸島と生月大橋で結
ばれている。大島、度島、高島は離島であり、交通手段は船舶のみであ
る。
面積は約235.60k㎡で、人口は34,905人(平成22年国勢調査)となっ
ている。平坦地は少なく、起伏の多い地形で、海岸線は各所に岬が突出
し、断崖などの自然景観が美しく、川内峠や塩俵断崖など本市の約20%
が西海国立公園に指定されている。
また、入り組んだ海岸線を持っているため、湾が多く、日本有数の漁
港数を有している。
気候は、周囲のほとんどが海に囲まれており、対馬暖流と季節風の影
響を受け、海洋性の温暖な気候で、通年の平均気温は16℃∼17℃、年間
平均降水量は2,000mm前後である。
【沿革】
本市の歴史は古く、約9万年前の日本最古級といわれる中期旧石器類
が発見された入口遺跡や長崎県本土では数少ない大和政権とのつながり
を示す前方後円墳が2基残っているなど、古い時代から人の営みがあっ
たことがうかがえる。
また、古代から開かれた古都であり飛鳥時代、白鳳時代には遣隋使、
遣唐使の寄港地として知られ、平安時代には、空海や栄西なども立ち
寄った。大航海時代には、アジアやヨーロッパなど大陸交流の玄関口と
して栄え、16世紀には、ポルトガル船が来航し、17世紀前半には、オラ
ンダやイギリスの商館が設置されるなど、南蛮・紅毛文化やキリスト教
伝来の発祥地として繁栄を極め、開かれた国際都市「西の都」として日
本の近世、近代を切り開く礎となった。
江戸時代後期には、日本最大規模の捕鯨地として栄え、その遺跡も
残っている。
明治4年の廃藩置県後、本市の各地区は市制、町村施行等によりそれ
ぞれ変遷を重ね、平成17年10月1日に平戸市、生月町、田平町及び大島
村が合併し、新しい「平戸市」が誕生した。
対象区域の現状
対象区域は、平戸市南部に位置し、市役所出張所等の公共施設、津吉
中央通り商店街及びその他医療機関などが集積している。
かつては、平戸市南部の経済、交通の中心地として栄えたが、第一次
産業の低迷等による人口の減少、車社会化の進展による生活圏の拡大や
郊外大型店の立地等により、商店街区の来街者数・売上も減少傾向と
なっている。
計画策定に先立ち、商店主向けにアンケートを実施したところ、「5
年前と比べて来店者数は減った」と回答した方が75%であった。また、
事業後継者の有無について調査した結果、「後継者がいない」と回答し
た方が65%であった。以上の調査結果からも、当該商店街の衰退及び後
継者不足等が顕著に見られる。
1
地域住民のニーズ
平成24年の総合計画見直しにおけるアンケート調査結果によると、商
店街や商業拠点の整備並びに商工業の振興に満足していると回答した方
は49.5%となっている。また、商店街や商業拠点の整備並びに商工業の
振興における施策の必要性について、81.9%が必要と回答している。
商店街利用者向けアンケートによると、具体的な意見として、来街者
用の駐車場確保、集客イベントの実施等による賑わいの創出を求める意
見が寄せられている。
活性化に向けた課題
本市においては、まちなかのにぎわい喪失が進んだ要因として人口の
減少、少子高齢化、後継者不足、空き店舗の増加等による商店街の魅力
の低下が考えられる。まちなかの活性化は、いかに魅力ある店舗づくり
を行うか、いかにこの商店街区に人を集め、賑わいの創出・おもてなし
推進などを実施していくかが課題と言える。今後、まちなか活性化を目
指す為に、商店街・市・観光協会・商工会議所等や地域住民が連携し、
地域コミュニティの場である商店街の活性化を図って、まちづくりの推
進を行うことが必要である。
Ⅲ活性化の方針 活性化の基本方針
平戸市においては、人口減少や超高齢社会に対応し、にぎわいがあ
り、誰もが不便なく安全・安心して暮らせる持続可能なまちづくりを推
進するために、既存の都市基盤を有効活用し、公共公益施設や店舗等、
住民に必要な施設の集約を目指すとともに、点在する歴史的な史跡や街
並み景観など豊富な地域特有の資源を活かし、交流人口の拡大を図るこ
とを基本理念とする。
大規模集客施設は「長崎県大規模集客施設等立地ガイドライン」に基
づき適切な立地誘導を図る。
本市並びに津吉地区における活性化の基本方針は、下記のとおり。
①「まちなか商業の活性化」
商店街の魅力向上のため、地元消費者は勿論、高齢者等に優しいまち
づくりを一体的に実施するため、商店街にしかない個々特徴を活かしつ
つ地域に合ったまちづくりを推進するため、「組織づくり」や「人づく
り」についても支援を行い、活性化を図る。
②「まちなか居住の推進」
まちなか居住を推進するため、歩行者空間や緑地などの公共空間の整
備、高齢者居住や子育て世帯を支援する福祉サービスの充実、防犯・防
災対策など、安心して暮らせるまちづくりを進める。
③「公共施設の整備」
まちなかの公共施設の整備については、既存の施設を有効に活用する
ことを基本的な方針として掲げ、整備・改善を進めていく際には、ワー
クショップや意見交換を行い、市民のニーズを把握しながら実施するこ
とを基本とする。
④「公共交通の利便向上」
子供や高齢者など、自家用車に頼ることができない市民でも、まちな
かへ容易にアクセスできるよう周辺地区とまちなかを結ぶ公共交通機関
の確保に努める。
これら4つの基本的な方針をもとに、市民、行政、地域活性化グルー
プなど、多様な主体が相互に連携をとり、まちなかの活性化を一体的に
推進していく。
2
上位計画との関係
・平戸市総合計画
【まちづくりの基本理念】
これからのまちづくりは、本市の特長である「恵まれた自然環境」
「独自の歴史・郷土文化資源」「交流を育む地域性」といった多彩で魅
力ある地域資源を最大限に活かし、潜在的な無限の可能性を引き出すと
ともに、地域の新たな活力を生み育てることが重要となる。
そのためには、市民ひとりひとりがまちづくりの主役として輝き、心
の豊かさや暮らしやすさを実感できるよう、ともに支えあっていく協働
の精神・取り組みによって、すべての人が、夢とゆとりをもって生き生
きと暮らせる、活力とにぎわいのあるまちを目指し、海・しま・大地と
ひとが奏でる活気みなぎるまちづくりを進める。
また、21世紀は人・物・金・情報が世界中を駆け巡るグローバル化が
進展し、地域間競争の激しい時代を迎えており、本市も他地域との競争
に打ち勝っていかなければならない。
「平戸ならでは」の特色あるまちづくりを進め、世界の中で平戸にし
かないという魅力的なまちを実現するため、平戸流の戦略(協働)を掲
げ、すべての人の英知と個性を結集し、市民と行政が一体となって、大
きな変革の時と決意を新たに「やらんば!平戸」を合言葉としてまちづ
くりに挑む。
まちなかの活性化についても、総合計画の理念・方針に沿った目標の
達成を目指した施策を展開していく。
・平戸都市計画マスタープラン
【都市づくりの基本理念】
港を中心とした市街地等は、中世における海外との貿易の歴史を育
み、その文化遺産がまちのいたるところに存在している。これらは、本
市における重要な地域資源であり、今後もこれらを残しながら都市整備
を推進し、これらを活かしたまちづくりを行っていく。
また、将来の都市像として「多核回遊の都市づくり」、「快適環境の
基盤づくり」、「歴史文化のまちづくり」を目標としており、本計画に
おける方針と整合している。
Ⅳ活性化の目標
目標に掲げる事項
目標とする数値
目標値の設定根拠
対象区域内の居住人口 対象区域内の商店数
670人
59店舗
対象区域内の人口は、
平成20年の729人から
7%の減少となってお
り、平成25年には675人
となった。少子高齢化
の進行により、人口が
減少している背景はあ
るが、対象区域内の居
住人口については現状
維持を目標とする。
対象区域内における、
営業店舗数は59店舗で
あり、空き店舗数は4店
舗である。これから実
施する施策による商店
街の魅力向上を勘案
し、営業店舗数の現状
維持を目指す。
【居住人口の推移】
平成18年 765人
平成20年 729人
平成25年 675人
3
Ⅴ実施する事業
事業の名称及び区分
商店街賑わい創出事業 空き店舗等活用支援事 まちなか情報発信事業
〔商業振興費〕
業〔商業振興費〕
〔商業振興費〕
事業の実施主体
商工会議所・商店主等 商工会議所等
平成25年4月∼平成27年
3月(2ヵ年)
事業の目的及び内容 商店街を回遊させ、交
流人口の拡大を図る為
に、歴史・文化・資源
を活かした独自性のあ
るイベント開催等の推
進を行う。
事業の実施期間
事業の実施目標
平成25年4月∼平成27年
3月(2ヵ年)
商店街の空き店舗等を
チャレンジショップや
コミュニティ施設等と
して再生し、にぎわい
創出につなげる。
・商店街への来街者の ・空き店舗等の減少
増加
商工会議所等
平成25年4月∼平成27年
3月(2ヵ年)
まちなかのPRを通し、
商業者の更なる活性化
を図るために、各種広
告媒体を活用し、商店
街の広告宣伝を行う。
・来街者への情報発信
の充実
買い物弱者対策事業
商店街マネージメント
事業の名称及び区分 (商店街の利便性向上) 体制強化事業
〔商業振興費〕
〔商業振興費〕
事業の実施主体
市・商工会議所等
平成25年4月∼平成27年
3月(2ヵ年)
事業の目的及び内容 高齢者の買い物弱者が
来街しやすいよう、周
辺地区とまちなかを結
ぶ公共交通機関の確保
に努める。また、宅配
サービスなどの高齢者
向けサービスの充実を
図る。
事業の実施期間
事業の実施目標
商工会議所等
平成25年4月∼平成27年
3月(2ヵ年)
商業や商店街の活性化
等に関して専門的知識
を有する外部人材を商
店街にマネージャーと
して配置し、商店街を
一つの事業体として運
営するため、経営課題
の抽出や事業手法の検
討等を行う事業。
・安心して暮らせるま ・事業推進体制の確立
ちづくり
・高齢者向けサービス
の充実
(宅配サービスなど)
Ⅵ地域との協働 計画時に講じた措置 ・総合計画見直しにおけるアンケートの実施
・商工会議所及び商店主による会議の開催
・商店主向け及び商店街利用者向けアンケートの実施
事業の推進体制
商工会議所、商店主及び各自治会等と協議を行いながら、必要に応じ
て協議会等を設立し、ワークショップ等も開催しながらまちなか活性化
へ向けた事業の推進を行う。
また、事業実施段階においても本庁内において、横断的な調整を行う
こととしている。
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