...

業務政策 - World Bank

by user

on
Category: Documents
17

views

Report

Comments

Transcript

業務政策 - World Bank
世界銀行業務マニュアル(仮訳)
OP 4.04
2001 年 6 月
業務政策
注:OP および BP 4.04 により、1995 年 9 月付の旧版を置き換えます。ご質問は、環境局局
長にお問い合わせください。
自然生息地
1.
自然生息地1の保全は、環境の保護および向上のための他の方策と同様に、長期的に
持続可能な開発のために欠くことのできないものです。そのため世銀2は、経済・セク
ター調査、プロジェクト融資、政策対話において自然生息地およびその機能の保護、維
持、回復を支援します。世銀は、環境的に持続可能な開発の機会を確保するために天
然資源管理に対する予防的アプローチを支援すると共に、借入人が同様のアプロー
チを適用することを期待しています。
経済・セクター調査
2.
世銀の経済・セクター調査では、(a)自然生息地の問題、ならびに特定された自然
生息地(特に、重要な生息地)への影響の程度も含む、自然生息地を保全する特別な必
要性、(b)借入国の開発戦略との関係においてそうした区域を保護する方策が特定さ
れます。必要に応じて、そうした経済・セクター調査の結果が国別援助戦略やプロジェ
クトに反映されます。
1
2
定義は付属文書 A を参照。
「世銀」とは、IBRD および IDA を含む。
「融資」とは、IDA 融資および IDA 贈与を含
む。
「借入人」とは、保証プロジェクトについては別の金融機関から世銀保証の融資を
受けている民間もしくは公共のプロジェクトスポンサーを含む。
「プロジェクト」とは、
開発政策借款(これについての環境規定は OP/BP 8.60「開発政策借款」に定められて
いる)および債務・債務返済プロジェクトを除いた世銀の融資(融通の利くアダプタブ
ル・プログラム融資[APL]および学習・イノベーション融資[LIL]に基づくプロジ
ェクトを含む)もしくは保証による資金提供を受けたすべてのプロジェクトを含む。世
銀融資プロジェクトは、当該プロジェクトの融資/開発融資合意書の別表 2 に記述され
る。プロジェクトという語は、資金調達源にかかわらずプロジェクトのすべてのコンポ
ーネントを含む。プロジェクトという語は、地球環境ファシリティ(GEF)による融資
を受けているプロジェクトおよびその構成要素も含むが、プロジェクトの準備および実
施のための拡大機会を通じて GEF と協力する資格を有するものとして GEF 評議会が
特定した組織(そうした組織は、特に地域開発銀行、FAO や UNIDO など国連機関を
含む)により実行される GEF プロジェクトは含まない。
プロジェクトの設計と実施
3.
世銀は、自然生息地の保全や生態系機能の維持を国家や地域の開発に組み込むこと
を目的としたプロジェクトへの融資を行うことにより、自然生息地の保全と土地利用の
改善を推進し、支援しています。さらに、世銀は悪化した自然生息地の回復も推進して
います。
4.
世銀は、重要な自然生息地の著しい転換や劣化3を伴うプロジェクの支援は行いませ
ん。
5.
可能な限り、世銀融資プロジェクトはすでに転換されている土地(プロジェクトを
見越して転換されたと世銀が考える土地は除く)で行うようにします。世銀は、当該プ
ロジェクトおよびその立地について実行可能な代替案がなく、なおかつ当該プロジェク
トの全体的な便益が潜在的な環境コストを上回っていることが包括的な分析によって
実証されない限り、自然生息地の著しい転換を伴うプロジェクトは支援しません。自然
生息地の著しい転換または劣化をもたらすことが環境アセスメント4により示された場
合は、世銀にとって容認できる緩和策をプロジェクトに含めることとします。そうした
緩和策には、生息地損失の最小化(戦略的な生息地保全、開発後の回復など)、生態学
的に類似した保護区域の構築と維持などが必要に応じて含められます。世銀がそれ以外
の形の緩和策を受け入れるのは、そうした緩和策の技術的妥当性が認められる場合に限
られます。
6.
自然生息地への潜在的な負の影響を伴うプロジェクトを支援するかどうかを判断す
る際、世銀は、借入人が適切な保全策や緩和策を実施できるかどうかを考慮します。制
度面の能力に関する潜在的な問題がある場合、当該プロジェクトには効果的な環境計
画・管理を行うために国家および地方の制度面の能力を開発するコンポーネントが含め
られます。当該プロジェクトで指定されている緩和策は、国や地方での実践能力強化に
役立つものと思われます。
7.
自然生息地に関するコンポーネントを含むプロジェクトは、案件形成、審査、案件
監理において、緩和策の十分な設計と実施を確保するための適切な専門的知見を用いる
事とします。
3
定義は付属文書 A を参照。
4
OP/BP 4.01「環境アセスメント」を参照。
8.
この政策は、セクターローンもしくは金融仲介者への融資を通じたサブプロジェク
トにも適用します5。地域環境セクターユニットがこの要件の遵守状況を監視します。
政策対話
9.
世銀は、借入人に対し、重要な自然生息地の特定、そうした自然生息地が果たす生
態系機能、そうした自然生息地に対する影響の度合い、保全のための優先課題、それら
に伴う継続的資金やキャパシティビルディングなど、自然生息地に関する重要な問題の
分析結果を開発・環境戦略に組み入れることを奨励しています。
10.
世銀は、自然生息地が関係する世銀融資プロジェクトの影響を受ける地元 NGO や地
域コミュニティ6などのグループの見解、役割、権利を借入人が考慮し、そうした人々
が当該プロジェクトの計画、設計、実施、モニタリング、評価に関与することを期待し
ています。そうした関与としては、適切な保全策の特定、保護区域やその他の自然生息
地の管理、特定プロジェクトのモニタリングと評価などが挙げられます。世銀は、政府
に対し、そうした人々に自然生息地保護のための適切な情報やインセンティブを提供す
るよう奨励しています。
5
サブプロジェクトの環境アセスメントについては、OP/BP 4.01「環境アセスメント」を
参照。
6
地域コミュニティに先住民族が含まれている場合は、OP/BP 4.10「先住民族」を参照。
本政策は世銀スタッフの使用に供するために作成されたものであり、必ずしも、対象事項への対応全てを
記載するものではありません。世銀スタッフは組織情報サービスセンター(IISC)、一般の方は情報センタ
ー(PIC)において追加コピーを入手することが可能です。
Fly UP