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女性の再就職支援子育てお母さん再チャレンジ支援事業
女性の 再就職 支援 “子育てお母さん再チャレンジ支援事業” 『企業体験会』 〜再就職を目指す女性を応援します〜 千葉県では出産や子育てで退職し、再び仕事をしたいと意欲を持って、 就職を希望する子育て中のお母さんを応援しております。 この『企業体験会』は女性が活躍する職場の見学や、子育て中の女性ス タッフとの懇談などを通して、働く女性のありのままの姿に触れ、知って いただくための体験講座です。 再び働き始めたいが「仕事」 「会社」の感覚を呼び覚ますため、企業や 職場の様子を知っておきたい方、仕事と家庭の両立に不安を抱いている方、 など、再就職を希望している県内の女性を対象に実施されました。 この体験会を通して、参加されたお母さん達の不安を少しでも解消し再 就職に向けた一歩を踏み出していただければと考えております。 楽しい働き方 暮らし方を進める情報誌 3 ● 13 女性の 『 企 業 体 験 会 』 〜再就職を目指す女性を応援します〜 “子育てお母さん再チャレンジ支援事業” 再就職 支援 株式会社 パソナ 19年11月28日実施 パソナグループ 概要 『社会の問題を解決する』という理念の下 「人を活かす」ことを原点とし、 常に高い志と使命感を持って新たな雇用インフラを構築、 更なる雇用創造に挑戦し続ける企業。 株式会社パソナ東京本社に伺いました。 本社所在地 東京都千代田区丸の内1‐5‐1 新丸の内ビルディング 創 業 1976年2月16日 資 本 金 50億円 グループ会社 連結子会社43社 従業員数連結 3,126人 の違いはありません。性差や働き方に左右されずに個 女性を支援する「派遣」という働き方 人の能力を評価できる仕組みがあれば、女性も当然 のように活躍できます。 」 まず、会社の成り立ちや企業理念などを人事部の 執行役員有村さんから伺いました。 「当時学習塾を経営していた社長は、子ども達の母 いきいきと楽しく生きるために 親から「再就職したいが正社員では働けない、短時間 〜子育てをしながら働く女性に〜 で働きたい」といった悩みを聞く一方、 企業からは「正 14 ● 社員ではなく、繁忙期など必要な時だけ来てくれる人 千葉支店長の番場さんには派遣の働き方、メリット がほしい」という声も聞いていました。それらを結び などを説明していただきました。 つけて生み出したのが「派遣」という働き方です。フ 「人材派遣で働くメリットとしては、 ルタイムは無理だが、経験を活かした仕事をしたいと ◦ライフスタイルに合わせて仕事ができる 考える女性の支援をしたいという理念が当社の業務 ◦キャリアアップを考えて職種などを選べる の基です。そのため、社内では性差などによる働き方 があげられます。 楽しい働き方 暮らし方を進める情報誌 3 また、社員への道が開ける紹介予定派遣という制度 パソナに勤務されている、仕事 と家庭を両立している先輩ママ との懇談会が開かれました。 もあります。これは正社員雇用を前提に、最初の一定 期間を「派遣」の雇用形態とし、本人と企業双方の希望 が一致すれば正社員に切り替わるというシステムで、 ◦業務やスキルがあうかどうか十分判断することが れ、 反映さ 評価が る す 対 に 仕事に 前向き 育ても 子 や 家事 パソナ・千葉 寺内さん できる ◦人間関係や職場の雰囲気を十分理解することが できる というメリットがあります。 」 「結婚・出産後、子育てと仕事を両立したいけれど、 正社員などのフルタイムはハードルが高く、パートで は物足りない ― そんなお母さん達にもきっと合う仕 事が見つかる。 」と番場さん。 私たちは新しいチャレンジに向かう 皆様を応援します 安心して仕事に復帰できるサポート体制 社内見学では、まずPASONA O2(パソナオー ツー:農業に係わる情報発信基地)へ。 「農業を身近に感じ、新しい産業として生まれ変わ ろうとしている農業を知ってもらい、都会の農業情報 の発信基地として活用してもらいたい」と本社ビルの 地階に開設されています。新しい農業のあり方に興味 をもたれた参加者も多かったようです。 次に、実際にスタッフの皆さんが働いているオフィ スへと移動。 「主な業務は、コーディネーターや新規開拓事業、 相談業務、契約書業務などがあり男女比は半々くらい。 女性も若い方からベテランまで、幅広い層が活躍して います。 」 ◦勤務形態:平日9:00〜17:30 ◦家族の状況: 娘4歳。夫は朝早く夜遅いため、平日は母子生活。◦前 職:パソナ ■再就職の決断 求人情報を得てすぐに決断して良かった。自分にできること を割り切ることで再就職に踏み出せました。 子どもや家事などの様々な不安は、メールなどで友達から情 報収集して解消しました。 仕事で意識しているポイントは時間管理。優先順位を考えて 行動しメリハリをつけ、意識を切り替えました。 ■メッセージ 自分一人で頑張らずに。助けてくれる人は必ずいます。一緒 に頑張りましょう。 える 境を変 生活環 持って 勇気を パソナグループ広報室 佐多さん ◦勤務形態 復帰当初:2年間週3日残業なし 去年 から:フルタイマー ◦家族の状況:息子小5、 娘小2。 夫、自営業。◦前職:パソナ ■再就職の決断 子育てのために退職しましたが夫が自営業となったため、自 分もパソナに復帰。5年の間の就労環境の変化や長男の留守番 が心配でした。実際仕事を始めると、子どもは慣れて一人で留 守番もできるように。その後仕事がフルタイムになり責任ある 仕事も任されるようになって、徐々に自信を取り戻しました。 ■メッセージ 再チャレンジに必要なことは、家族の協力と託児施設の確保。 生活環境を変える勇気を持って、一歩前に出てみると何でもう まく回って行くものだと思います。一歩踏み出してみて! 広報室の森川さんにご案内いただき、実際に女性ス タッフが働いている姿を見学することができました。 を 再就 職 状況で 万全な 千代田スタッフィングチーム 佐藤さん ◦現在の業務:登録時の面談、案内等 ◦家族の状況: 娘24歳。 パソナO2での説明 ■再就職の決断 子供が大きくなるにつれて時間に余裕ができたので家族に相 談。すぐに賛成してくれました。 現在登録業務を担当していますが、子育てが一段落したので 仕事をしたいという方には、家族の了承(特にご主人の)を得 ること、緊急時の対応などを検討し、万全な状況で仕事に取り 組むことが大切だと伝えています。 ■メッセージ 仕事を始めれば、子どもの有無や既婚・未婚は関係ありませ ん。しっかりした環境で仕事をしてほしいと思います。 楽しい働き方 暮らし方を進める情報誌 3 ● 15 女性の 『 企 業 体 験 会 』 〜再就職を目指す女性を応援します〜 “子育てお母さん再チャレンジ支援事業” 再就職 支援 株式会社 千葉興業銀行 19年11月16日 20年 1 月 9 日実施 概 要 『地域とともに』 『お客さまのために』 『 「親切」の心で』の 理念に基づいて、子育て中の女性を応援している 株式会社千葉興業銀行本店に伺いました。 本店所在地 千葉市美浜区幸町2‐1‐2 設立年月日 昭和27年1月18日 資 本 金 579億4,189万円 店 舗 数 72店舗 行 員 数 1,272名 このように、出産・育児を理由に離職した女性の再 ワーク・ライフ・バランスを取り入れ、 女性が働きやすい職場環境を 就職への取組みを応援しています。 人口減少のなか、男性中心の会社から女性の力を どう活用していくかが課題で、ワーク・ライフ・バラ ンスを取り入れいかに女性が働きやすい職場環境を まず、どのような支援体制なのか安田人事総務部 つくるかを目指しています。 長からお話を伺いました。 そのためには男性の意識が変わらなければならず、 「女性が能力を発揮できるように、仕事も家庭も大 意識改革が重要な要素となります。 」 事にできる環境づくりにお役立ていただければと思 い、企業体験会を開催させていただいております。 当行では3つの視点で本体験会に取り組んでおりま す。 1つめは、CSRの実践 みん なが仕事と家庭を両立 当日の休みもカバーし調整 2つめは、CSR活動としての「次世代育成支援」 16 ● 3つめは、次世代育成支援としての「女性の再就 まず、本店営業部を見学させていただいた後、 多 職支援」 くの女性がパートタイマーとして働くコールセンター 楽しい働き方 暮らし方を進める情報誌 3 へ移動しコールセンター長の高森さんからお話を伺い 子育てをしながらフルタイ ムのスタッフとして働く先輩マ マに、実際に再就職するまでの道 のりなどを交えてお話を伺いました。 ました。 「こちらではテレフォンバンキング担当、 『年金無料 相談会』集客コール担当、消費者ローン担当、に分か れています。電話を通して様々なご案内、問合せに対 応している部署で午前9時から午後9時までの勤務で 4交代制。行員3名とパートタイマー約70名で構成 され9割以上が女性の職場です。 みなさん、仕事と家庭を両立されていて、小さいお 子さんがいる方も多いですが、急な休暇もグループ内 で調整しているので安心して休暇を取っていただいて います。 ほとんどの方が銀行経験のない方ですが、2ヶ月の 研修を経て、実際に電話応対ができるようになります ので、安心して就業していただけます。 」 務部 の 総合事 ん 小林さ ■Profile ◦現在フルタイムのスタッフとして本店総合事務部勤務 営業店事務の効率化策、新規業務開始に伴う事務取扱いの 企画などを担当 ◦前職:銀行員。学校卒業後4年半、融資事務、外訪、預金 窓口などを担当。 ◦退職理由:当時勤めていた銀行は結婚イコール退職と言う 風潮だったこと、仕事も忙しく、家庭との両立が難しいと 思い退職。 ◦現在、高校1年生と中学1年生の男の子のお母さん ■復帰した理由 9年間専業主婦、子育ても2人目になると時間に余裕も出て きたが生活は子ども中心。自分が社会に取り残されているよう に感じ、次男が幼稚園に入園後再就職。 ■様々な不安 行員の方や他のスタッフと上手くやっていけるのだろうか、 現在のシステムについていけるのだろうかと心配していたが、 みなさんが温かく親切に指導してくれ、不安はすぐに解消され ました。 コールセンター こうした企業訪問の機会を得ることで、 「先 輩ママが生き生きしていた。 」 「なにか始めてみ たい。 」 「前向きに頑張ろう。 」と再就職に向け て意欲がわいたのではないでしょうか。 同時に、 「女性にとって思いやりのある働き やすい企業だと思った。 」 「このような企業が増 えることを望む。 」など、仕事と家庭の両立を 目指している方を応援している企業が、県内に も多数あることなど理解を深めていただくこと ができました。 ■子どもの対応と勤務形態 幼稚園のお迎えや長期の休みはどうしようか悩みました。当 時は月12日間で9時から16時までの勤務体制。 小学2年生の長男は鍵っ子になりましたが心配はありません でした。長男は鍵を持って歩くことをすごく喜んでいたようで す。幼稚園は延長保育を利用。予想より利用者が多く次男もお 友達と楽しく過ごしていたようでした。 春・冬休みは、それ以外の日に勤務を集中し、長期の夏休み は有給休暇の利用や出勤日の調整、実家や近所のお友達に預け るなど助けてもらいました。出勤日の調整については、支店の 方にも事情を理解していただいて快く了承してもらいました。 ■メリハリのある生活 再就職後3年目に短時間のパートタイマーからフルタイムの スタッフに変更。仕事の幅が増えた分責任も多くなったがやり がいを感じながら仕事をしています。 毎日勤務することで子ども達との時間が減りましたが、メリハ リをつけ、家事は手抜きでも子どもとの時間を大切にしました。 子ども達には寂しい思いをさせましたが、不満を言われたこ とはありません。私が仕事をすることを理解し、納得している 子ども達には、本当に感謝しています。 再就職について不安に思うこともあると思いますが、まず やってみる、チャレンジすることが大切です。 皆さんのチャレンジを応援してくれる人はたくさんいると思 います。 楽しい働き方 暮らし方を進める情報誌 3 ● 17