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POS/キオスクアプリケーション対応 200 /秒高速ラインサーマル
新 製 品 POS/キオスク アプリケーション対応 200㎜/秒 高速ラインサーマルプリンタメカ FTP-609シリーズ POS市場/キオスク市場用途向けに,バッテリ駆動FTP-608シリーズ の特長を継承するダイキャストフレームを採用した,200㎜/秒の高速 ラインサーマルプリンタFTP-609シリーズを開発しました。 概 要 近年,POSやマルチメディア・キオスク(MMK)をはじめとする 発券市場用途では,感熱用紙の保存特性の改善に伴い,高 速・低騒音印字が特長のラインサーマルプリンタが注目されていま す。そのほかにも市場に出ているプリンタはありますが,インパクト プリンタは複写を主目的とする用途に特化しています。また,近年 目覚しい成長を示すインクジェットプリンタは,速乾性を必要とする こと,インクなどのランニングコストが大きいこと,メンテナンスが難し いことから広く普及するには至っていません。例えば領収書用途で は,速乾性でない場合はポケットに領収書をしまった時に衣服を汚 写真1 外観 し,賠償問題になることがあるため採用が困難です。そこで現在 は,メンテナンスが容易で高速印字に対応できるラインサーマルプリ ンタが有力視されています。ただし今後,カラーへの要求が強ま ると,インクジェット方式も有力候補になると予測されます。 市場動向と要求 POS市場における顧客の最大の要求は,高速印字ができること と用紙セットが簡単にできることです。これは,現場作業者にアル バイトなど未習熟者が多いことが理由です。そこで現在のPOS市 場は,従来の自動給紙方式に対して落とし込み方式が主力になっ ています。 しかし近年,落とし込み方式が普及するにつれ別の障害が顕在 化してきました。そのひとつは,用紙手切りの場合,手切り方向に よっては用紙カット時にプラテンを固定したロール紙カバーが開いて 用紙が引き出されてしまったり,ロール紙ジャムが発生した場合に用 紙カバーが開いてしまうことです。これを防ぐため,カバー側または プリンタメカ側でプラテンをロックする方式が注目されています。また さらに,用紙セット自由度が上がり過ぎたことから,用紙をロール紙 カバーで挟み込むなど,作業者によるケアレスミスも増えています。 POS市場のプリンタは発券を目的とするので,カッターは必須の 40 FIND Vol.19 No.5 2001 FTP-609シリーズ アイテムです。キッチンプリンタや複数枚チケットを連続発券する用 ・電気的アース路として放電ピーク電圧を吸収し,静電気耐力に 途では,一部を残すパーシャルカットが必須です。逆にMMK市場 優れる。(表2) では,フルカット後にチケットを搬送して排出するプレゼンタ方式が ・熱伝達路としてモータ連続駆動時の放熱フィン機能とともに,冷 主力となっています。これは,用紙を受け取るのが最終ユーザで 却設計も容易。(図5) あり,機器の知識がないために印字中やカット中に用紙を引き出そ ・熱伝達特性を利用し,モータ発熱を利用した極低温下でのヒー うとして,カッターやそのほかのメカ機構に重大な影響を及ぼすの タ機能。 を防ぐためです。プレゼンタ方式では,印字∼カット終了まで機器 ・剛体ベースメントとしての特長 内部に用紙を保持し,カットが終了した段階で排出動作を行うため a)ダイキャスト天面へのカッターのパイル実装(メカ実装状態で 機器への影響がなくなります。 のカッター装脱着可能) 。(図6) またPOS市場では,機器の小型化・省スペースも重要な設計課 b)剛体特性を利用した高ヘッド圧力対応によるラベルほか, 題の1つです。印字速度,カッターおよび全体サイズでトレードオフ 密着性を要する用紙に対応。 が発生し,顧客目的に応じた最適設計がメーカ課題となります。 c)屋外等高温環境下における品質維持。 MMK市場では大径ロール紙(10インチ)を必要とする機会が増 その他の特長 えたため,高トルクの搬送機構が必要となります。また,プレゼンタ ・業界最小型メカによる200㎜/秒の高速印字を実現 あるいは排出搬送路は必須のオプションとなります。 ・高さ20.5㎜の低背メカ ・当社独自の用紙イージーローディング機構により用紙の装着が 主な仕様 容易に ・プラテンロック機構採用による,用紙の引抜き時・ジャム発生時 当社では,多様化する顧客ニーズに対応するため,小型・高 の浮上り防止 速のFTP-609シリーズを開発しました。 ・シリコンプラテンによる広温度対応,クリーニングが容易 表1に主な特長を,図1・図2・図3・図4に外形寸法を示 ・ヘッドクリーニングが容易 します。 まとめ 特 長 当社はFTP-609シリーズを上位機種としてPOS市場,キオスク, FTP-609シリーズは,バッテリ駆動FTP-608シリーズの特長を継 ATMをはじめとしたチケッティング市場,環境特性を必要とする屋 承したダイキャストフレームを採用し,機能アップを図っています。 外用途(パーキング,トールゲートほか)への拡販を行います。また 主な特長を次に示します。 プレゼンタ実装のユニット商品を,FTP-609シリーズをコアメカとして ダイキャスト (マルチファンクション・フレーム機能)による拡張性 展開します。 ■ 表1 主な特長 型 格 FTP-629MCL103 FTP-639MCL103 ラインサーマル方式 印字方式 432ドット/ライン ドット数 576ドット/ライン 54㎜ 有効印字幅 72㎜ 駆動電圧 24V 印字速度 200㎜/秒 8本/㎜ 解像度 φ58∼60㎜×最大径10インチ ロール紙 イージーローディング方式 用紙セット 標準搭載 ロック機能 形状(W×D×H) 重量 109.1×40.5×20.5(mm) 110g(カッター非実装) 125g(カッター非実装) 100km,1億パルス 寿命 Vol.19 No.5 82.2×40.5×20.5(mm) 0℃∼50℃ (−25℃∼70℃の対応可) 動作温度 FIND φ80∼82.5㎜×最大径10インチ 最大150μm 用紙厚 2001 41 FTP-609シリーズ 20.5 5.00 18゜ 15.5 31 30 43.0 40 74.7 82.3±1 27.5 1 (58) 58 24 (用紙センサ) 6.9 23.0 15.3 3.2 40.6 プラテンセンタ 用紙センタ プラテンオープンレバー 図1 外形寸法図(FTP-629MCL103) 7.0 40.5 注) 1.寸法はノミナル値とし、記入のない寸法公差は±0.5とする。 2. は取付け基準を示す。 単位:mm 20.5 101±1 1 40 31 30 96.7 27.5 23.0 15.3 7 40.5 3.2 6.9 45 プラテンセンタ 51.6 (58) 15.5 80 35 (用紙センサ) 49.5 51.3 用紙センタ プラテンオープンレバー 5 18゜ 図2 外形寸法図(FTP-639MCL103) 注) 1.寸法はノミナル値とし、記入のない寸法公差は±0.5とする。 2. は取付け基準を示す。 単位:mm 42 FIND Vol.19 No.5 2001 FTP-609シリーズ 図3 外形寸法図(FTP-629MCL103+FTP-629CT001*) *:カッター 15.0 46.7 1 1.3 45.3 40 31 30 41.8 プラテンセンタ 用紙センタ 40.0 7.5 (73) 図4 外形寸法図(FTP-639MCL103+FTP-639CT001*) *:カッター 15.0 46.7 56.3 40 31 30 52.8 1 プラテンセンタ 用紙センタ 1.3 40.0 7.5 (73) FIND Vol.19 No.5 2001 43 FTP-609シリーズ モールドフレーム ダイキャスト フレーム + 図5 モータ放熱効果 8kv 10kv 12kv 14kv ⃝ × × × − ⃝ × × × + ⃝ ⃝ ⃝ × − ⃝ ⃝ ⃝ × 温度上昇カーブ 70 上昇温度(℃) 表2 ESD耐圧比較(当社比) ダイキャストフレーム モータ単品 0 0 5 10 15 時間(分) 図6 カッター実装タイプ(FTP-629MCL) 技術に関するお問い合わせ先:富士通高見澤コンポーネント株式会社 販売推進部 TEL(03)5449-7013 44 FAX(03)5449-2628 営業に関するお問い合わせ先:最寄りの営業部門(裏表紙をご参照ください) FIND Vol.19 No.5 2001