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基準認証研究開発事業 光触媒試験方法の標準化

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基準認証研究開発事業 光触媒試験方法の標準化
平成16年度経済産業省委託事業成果
基準認証研究開発事業
光触媒試験方法の標準化
平成17年3月
社団法人日本ファインセラミックス協会
光触媒試験方法の標準化
目
次
1
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
はしがき.........................................................
序章.............................................................
調査研究の目的...................................................
委員会の構成.....................................................
調査研究の内容...................................................
委員会の開催状況.................................................
報告書要旨.......................................................
2
2.1
2.2
2.3
2.4
2.5
2.6
セルフクリーニング性能評価.......................................
標準化の方法.....................................................
試験方法.........................................................
試験結果.........................................................
試験結果の評価...................................................
JIS 原案および ISO 原案 ...........................................
まとめ...........................................................
3
3.1
3.2
3.3
3.4
3.5
空気浄化性能評価.................................................
標準化の方法.....................................................
アセトアルデヒドについての評価試験 .............................
トルエンについての評価試験 .....................................
JIS 原案および ISO 原案 .........................................
まとめ .........................................................
4
4.1
4.2
4.3
4.4
4.5
4.6
水質浄化性能評価.................................................
標準化の方法.....................................................
試験方法.........................................................
試験結果.........................................................
試験結果の評価...................................................
JIS 素案 .......................................................
まとめ...........................................................
5
5.1
5.2
5.3
5.4
5.5
5.6
5.7
抗菌・防かび性能評価.............................................
抗菌性能標準化の方法............................................
抗菌性能試験方法
............................................
抗菌性能試験結果
............................................
抗菌性能試験結果の評価 ........................................
抗かび性能標準化の方法 ........................................
抗かび性能試験方法
........................................
抗かび性能試験結果
........................................
5.8
5.9
5.10
抗かび性能試験結果の評価........................................
JIS原案およびISO原
........................................
まとめ
........................................ ..........
6
6.1
6.2
6.3
6.4
6.5
6.6
標準光源の検討...................................................
標準化の方法.....................................................
候補光源の各分科会での検討結果...................................
紫外照度計の検討 ...............................................
規格案について .................................................
JIS 原案および ISO 原案
.......................................
まとめ ................................................ .........
あとがき.........................................................
はしがき
日本発の技術である光触媒を国際的に展開し、日本の産業競争力強化に役立てるために
は、標準化が不可欠である。このような観点から光触媒試験方法の標準化が開始され、2
年余りが経過した。この間、関係各位の努力により、NOx 浄化については、2004 年 1 月に
JIS R1701-1
「ファインセラミックス−光触媒材料の空気浄化性能試験方法−第1部:窒
素酸化物の除去性能」を制定することができた。また、国際標準としては ISO/TC206 に
新業務項目「Test method for air purification performance of photocatalytic materials : Part 1
removal of nitric oxide」の提案を行い、日本、韓国、中国、インドネシア、マレーシア、ド
イツ、米国の賛成を得て、WG33 が設立され、現在委員会原案作成に向けて鋭意努力が続
けられているところである。
現在、光触媒産業の国内市場規模は、昨年度より約 20%増えて 500 億円程度に達してい
ると推定されており、光触媒をセールスポイントとする商品の数も非常に多くなってきて
いるのが実状である。こうした中、上記 JIS 制定以降、試験機関に関する問い合わせや製
品規格についての要望も増えているとのことである。
一方、海外においても、中国、韓国、ドイツなどでここ 1∼2 年の間に標準化委員会が
設立され、光触媒標準化の重要性が認識されつつあるが、日本から輸出販売される商品の
質が当該国に対し誤解を与える懸念も出てきており、標準化の重要性・緊急性はますます
大きくなっている。
こうした状況の下、平成 16 年度は「セルフクリーニング」「空気浄化」「水質浄化」「抗
菌・防かび」の各分科会および「標準光源」WGにおいて、性能評価のための試験方法の
開発および関係者との調整に鋭意取り組んだ結果、技術的問題点の解決をはかり、性能評
価方法の具体的策定を進めることができた。平成 17 年度は試験方法標準化の最終年度にな
るが、JIS 化、ISO 化を実現し、国際的競争力強化に資することができるよう、今後とも関
係各位に本事業についてのご理解とご支援をお願いする次第である。
あとがき
光触媒標準化委員会では、セルフクリーニング、空気浄化、水浄化および抗菌・防かび
の各分野及び全分野について共通する標準光源について分科会を設置し、光触媒材料の性
能評価試
験手法の標準化に向けた調査研究を実施し、各分科会で次のような成果が得られている。
1. セルフクリーニング性能分科会
新たな条件での屋外暴露試験により光触媒試験片間で有意な差のある汚れが発生した。
暴露試験結果を室内試験方法で得られた指標と比較・解析し、「オレイン酸法」の 48 時間
後接触角と限界接触角、「親水性能試験法」の限界接触角、および「湿式分解性能試験方
法(メチレンブルー)」の分解活性示数のそれぞれと、相関があることを明らかにした。
「オレイン酸法」と「親水性法」を統合して、JIS 原案および ISO 原案を作成し、TC206
に提案した。また、「メチレンブルー法」の JIS 原案を作成し、JIS 原案を反映したものを
ドイツが ISO 提案することになった。
2.
空気浄化性能分科会
ISO 規格の原案の検討が ISO/TC206 の新 WG で開始された。揮発性有機化合物(VOC)の
試験評価方法の策定に必要な調査を、アセトアルデヒドとトルエンを用いて行なった。試
験ガスの濃度・流量、紫外線照度、温度や湿度などの試験条件を変えて検討し、反応中間
生成物の発生についても確認を行った。吸着性の高い材料、フィルター形状の光触媒試料
の取扱いなどに未確定の部分もあるが、「光触媒材料の VOC 浄化性能試験方法について」
の JIS 原案、ISO 原案を作成できた。
3.
水浄化性能分科会
平行流型試験容器における流体と光触媒試料との接触効率を上げる検討を行い、乱流を
起こす構造を取り入れたガラス蓋なし試験容器を試作した。この新試験容器では反応効率
が高く、効率的な試験が可能であることが確認され、ジメチルスルホキシド(DMSO)を
試薬に用いる性能評価法を JIS 素案としてまとめた。
4.
抗菌・防かび性能分科会
菌液吸収法とフィルム密着法を組み合わせた「ガラス密着法」により、繊維の光触媒
抗菌性評価が可能なことがわかり、光触媒抗菌標準サンプルを用いたラウンドロビンテス
トを実施した。JIS 原案および ISO 原案を平成 17 年度に作成する予定である。
抗カビ性試験については、生残するかびの数を定量的に評価できる試験法の設計が必要
であり、試験フロー案を作成し、「試験に用いるかび菌種の選定」、「かびの前培養」、
定量試験法で重要となる「胞子懸濁液の調製方法」について検討した。
5.
標準光源分科会
標準光源候補ランプの評価を行い、351nm 品の BL、BLB 紫外線蛍光ランプを推奨する
ことにした。キセノンアークランプは試料温度を上昇させる恐れがあるので継続評価する。
感度の波長依存性の無いUVメーターを新規に開発依頼し,第三者機関の検定と代表的室
内の近紫外光の強度分布を測定した。
以上、いずれの分科会でも性能評価方法における課題を明確にし、JIS 規格の作成、ISO
規格提案作業が着実に進んでおり、また、ISO 規格の策定に向けて、委員会関係者が連携・
協力し、欧米、アジア諸国への働きかけを強化している。
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