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娘の依存性と母親の共依存傾向及び役割行動との関連性について
娘 の依 存性 と母親の共依存傾 向及び役 割行動 との 関連性 について 2000HP037 鎌谷 彩子 目的 本研 究 の 目的 は、母 親 に 「 頼 る」娘 と娘 に 「 頼 られ る」母親 の 関連性 を娘 の依存性 と母 親 の共 依存傾 向及 び役 割行動 の立場 か ら明 らか にす るこ とで あ る。 また 、娘 の 自律性 、統 合 され た依存性 にお ける娘 の依存性 、独 立性 の 関連 も同時 に検討す る。 方法 被験者 :女 子 大学生 131名 とその母親 131名 。 2003年 10月 中旬 か ら下旬 。 手続 き :質 問紙調査法 に よる。 調査項 目 :娘 用 …依存 一独 立 と葛藤 、自律性 尺度 36項 目、統合 され た依存性 尺度 13項 目。 母親用 … 共 依存傾 向尺度 22項 目、親役割診 断尺度 42項 目。 結果 娘 の依存 一独 立 と葛藤 、 自律性 尺度 の因子分 析 を行 い 、 「 親 へ の依存性 」 「 親 へ の反発」 「 親 か らの束縛」 「自律性 」 の 4 因 子 を抽 出 した。 親 へ の依存性 高群 は 、 自律性得点 、統 合 された 依存性得 点が共 に 高 か つた。 また 、親 へ の反発 が 高群 は、統合 され た 依存性得点 が低 かった。 次 に 、親 の共 依存傾 向尺度 につ い て 、因子分析 を行 い 、 「 表 出不能」 「 世話過剰 」 「 頼 られ 」 の … .1.… … 鴛 ‰糖戦粧雛隷rtBg骨 Figure l 娘 と母親の下位尺度の偏相関係数 3 因 子 を抽 出 した。親役割診 断尺度 につい て も、 因子 分析 を行 い 、 「 干渉 」 「 分離不安 」 「 適応援 助」 「自立促進 」 「自信欠如 」 「 受容」 の 6因 子 を抽 出 した 。 そ して 、娘 と母 親 の各 因子 の相 互 関連 を検討 す るた めに、相 関係数 と偏相 関係数 を求 め、Figure lに 示 され た結果 を得 た 。 考察 親 へ の依存性 と世話過剰 との間 に有意 な偏相 関係 数 が認 め られ た こ とは 、母親 に 「 頼 る」 「 娘 と娘 に 頼 られ る」母親 の 相 互 関係 が部分的 に示 され た こ とにな る。 しか し、 この結果 か ら娘 の依存性 と母 親 の共 依存傾 向に明確 な関連性 が認 め られ た とは言 えず 、今後 の 検討 が必 要 で あ る と思 われ る。 また 、母親 の 共依存傾 向 と役割行 動 は 、表 出不能 と自信欠如 を 媒介 と して 、相 互 に 関連 しあっていた。 次 に、娘 の規 へ の 高 い依存性 は娘 の 自律性 を高 め るために、必要な もの で あ り、ある一 定 の親 へ の依存性 を経 験 してか ら独立 ・自立がな さ れて い くことが推測 され る。 また、親 へ の反発 が高い娘 は、親 へ の反発 を通 して 自分 の独 自性 を確立 させた後、規 との相 互的で良好な関係 を築 き上 げて ぃ くのだ ろ うと思われ る。