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15 JPN Tools for Workplace.book - Scientology Volunteer Ministers

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15 JPN Tools for Workplace.book - Scientology Volunteer Ministers
サイエントロジー
この世界をより良いものにする
L. ロン ハバードによって創設、開発されたサイエントロジーは応用宗教哲学であり、それ
は、誰もが精神的存在としての真実と簡潔さを取り戻すことのできる、正確な道筋を示して
います。
サイエントロジーは、存在に関する源および根本にある原理を定義している特定の公理と、
自然科学における広範な観察から成り立っています。それは文字通り人生のすべてに適用で
きる哲学的な研究の集成です。
この広範にわたる知識の集成は、この主題のふたつの適用へとつながっています。1 番目
は、多くの偉大な哲学の教えが追求していた、人の精神としての意識を向上させ、自由を達
成する技術です。2 番目は、人が自分の人生を向上させるために使うことのできる、非常に多
くの基本原理です。実際、この 2 番目の適用においてサイエントロジーが提供しているもの
は、私たちの存在に関するすべての側面をより良いものとする実用的な手段 ― 新しい生き方
をつくり出す方法です。そしてここから、あなたがこれから読もうとしている主題が生まれ
ました。
これは L. ロン ハバードの著作からまとめられており、ここに示されているデータは、『サ
イエントロジー・ハンドブック』に紹介されている道具、手段のひとつにすぎません。包括
的な手引書であるこのハンドブックには、サイエントロジーの適用法が数多く含まれており、
人生における他の多くの領域に向上をもたらすためにそれらを使うことができます。
この冊子には、内容を紹介する短い文章、演習、成功した適用例が編集者によって付け加
えられています。
あなたの理解を高めるためのコースの数々、またあなたの知識を広げるためのさらなる教
材はサイエントロジー教会、およびミッションでご利用になれます。教会とミッションは、
www.scientology.org でご覧になれます。
サイエントロジーでは、人間と人生に関する多くの新しい現象が説明されているので、こ
の冊子を読む中で見慣れない言葉に出合うかもしれません。それはこの冊子の中で初めて出
てきた時に説明されていますが、この冊子の終わりにある用語解説にも掲載されています。
サイエントロジーは、使うためのものです。これは、実用的な哲学であり、人が実際に行う
ものです。これらのデータを使って、あなたはさまざまな状態を変えることができます。
何百万という人たちが、自分の周りの世界で目にしている状態に対して何かをしたいと考
え、この知識を適用してきました。その人たちは、人生の状況を向上させることができるの
を知っています。そして、その人たちは、サイエントロジーには効果があるのを知っています。
この冊子で読んだものを使い、自分自身そして他の人たちの手助けをしてください。そ
うすれば、あなたもそのことを知るようになるでしょう。
国際サイエントロジー教会
生産性の急激な落ち込み、大量の解雇、経営陣と労働者との険悪な関係、
役員の無能力と不正な商取引きなどはすべて、職場を絶えず悩ませます。
働くという行為が、何百万もの人々のストレスや不安の源となっていると
いうのは、大して不思議なことではありません。
仕事の能率および生産性を上げる方法、職場での動揺および混乱を処理
する方法、そして疲労を乗り越える方法などは、すべて、労働者と経営者
の両方に関わる事柄です。それらを解決すれば、より大きな安全だけでな
く、より大きな満足感ももたらされることでしょう。
この小冊子には、職場で適用するために L. ロン ハバードが開発した、広
範な原則およびテクニックのいくつかが含まれています。仕事とは、やり
がいと充足感を得られるものであるばかりでなく、私たちの人生の大部分
を占める重要な活動としてそうあるべきものなのです。この知識の活用は、
あなたがそれをまさに実現する手助けとなるでしょう。■
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職場での混乱を
解決する
人は仕事の世界でうまくやっていくことに何らかの混乱
がある、と信じ込まされてしまうかもしれません。そこにあ
る混乱は、その人がガイドと地図を備えていないことにあり
ます。
人生の調子を狂わせ、安定を徐々に揺るがすかもしれない
多くの要因を見てみると、「混乱」という気持ちには根拠が
十分あるように思えます。そして本当に、あらゆる困難は根
本的には混乱であると言うことができます。十分な脅威、十分な未知が与えられる
と、人は隠れるように、目をつぶってそれを通り抜けようとします。その人は混乱
に打ち負かされているのです。
十分な量の未解決の問題が集まると、巨大な混乱になります。仕事においてしば
しば矛盾する命令が与えられ、それが度を超えると、労働者は混乱状態に陥りま
す。現代的な工場はあまりにもずさんに管理されているため、その工場自体が答え
のない巨大な混乱のように見えてしまうこともあります。
混乱の中で通常人が求める答えは、運です。自分の周りの影響力があまりにも大
きく見えたとしても、人は常に「運を頼みとする」ことができます。運とは「個人
によって導かれていない事の成り行き」という意味です。車のハンドルから手を離
し、運を頼りに車が道の上を走り続けることを望んだら、期待を裏切られることに
なるでしょう。それは人生においても同じです。物事を運に任せると、うまく行く
可能性は低くなります。借金取りを無視し、その問題をすべて解決しようと競馬に
すべてを賭けて歯をくいしばっている友人を見たことがあるでしょう。何年もの
間、そのようにして自分の生活に対処している人々を知っているでしょう。実際、
イギリスの作家、チャールズ・ディケンズによって見事に描かれた登場人物は、
もっぱら「何かが起こるまで待つ」という哲学を持っていました。しかし運は、私
たちがそれを有力な要素であると認めたとしても、混乱した数々の要因による激し
い流れの真っ只中にいる時にだけ必要となるものです。切り抜けるために運がなく
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てはならないというのであれば、その人はもはや車のハンドルから手を離している
ということです。またそれは、その人が混乱を扱っているということでもあります。
そうなると、混乱とは正確に言って何なのか、どうしたらそれを解決できるのか
を理解することが賢明だと言えるでしょう。
混乱と基となるデータ
混乱は 「即座に解決策が得 ら れそ う にない要因ま たは状況の集ま り 」 と 定義で き
ます。 よ り 広義には、 「 こ の宇宙におけ る 混乱は、 ラ ン ダ ム な動 き であ る 」 と 言 う
こ と がで き ます。
交通の激 し い中に立っ た ら 、 き っ と 周囲を ビ ュ ン ビ ュ ン行 き 交 う さ ま ざ ま な動 き
に混乱を覚え る で し ょ う 。 木の葉や紙切れの飛び交 う 激 し い嵐の中に立っ た ら 、 あ
なたは き っ と 混乱 し て し ま う で し ょ う 。
混乱を本当に理解す る こ と はで き る ので し ょ う か ? 「混乱の構造」 と いっ た も の
はあ る ので し ょ う か ? え え、 あ り ます。
仮に電話交換手を し てい る と し て、 10 本の電話が一度にかか っ て き た ら 、 あ なた
は混乱を覚え る か も し れません。 こ の状況に対す る 答えが何かあ る で し ょ う か ? 仮
に現場監督を し てい る と し て、緊急事態 3件 と 事故 1件を同時に抱え た ら 、あ なたは
混乱を覚え る か も し れません。 けれど も 、 こ れに対す る 答えはあ る ので し ょ う か ?
混乱は、 すべての粒子が動いてい る と こ ろ では、 も っ ぱ ら 混乱なのです。 混乱
は、 明確に定義 さ れてい る 要因、 あ る いは理解 さ れてい る 要因がない と こ ろ では
も っぱ ら 混乱です。
混乱は愚か さ の基本的な原因です。 愚かな人に と っ ては、 ご く 単純な物事以外は
すべて混乱 し てい る のです。 し たが っ て、 混乱の構造を知れば、 その人が どれだけ
聡明であ る かに関係な く 、 よ り 聡明にな る で し ょ う 。
あ ま り 聡明ではない大望を抱 く 若者に、何かを教え な く てはな ら なか っ た と し た
ら 、 あ なたははっ き り と こ れを理解す る で し ょ う 。 それが ど う な っ ていて、 ど う す
る のか を説明 し よ う と 試みます。 その説明を何度 も 何度 も 何度 も 繰 り 返 し ます。 そ
の後本人に任せてお く と す ぐ に、 彼はそれ を完全にだめに し て し ま い ま す。 彼は
「理解 し ていなか っ た」 のです。 彼は 「それを把握 し ていなか っ た」 のです。 彼の
誤解に対す る あ なたの理解を 「彼は混乱 し ていた」 と 、 と て も 適切な言葉で簡潔に
言 う こ と がで き ます。
教育が失敗す る 場合、 その 99 パーセ ン ト は生徒の混乱が原因です。
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仕事の領域に限 ら ず、 人生その も のにおいて も 同様です。 失敗が起 こ り そ う な場
合には、 それは何 ら かの形で混乱か ら 生 じ てい る のです。 機械を学ぶために も 、 人
生を生 き る ために も 、 人は混乱に立ち向か う か、 混乱を分析す る かの ど ち ら かがで
き な く てはな り ません。
サ イ エ ン ト ロ ジーには混乱に関す る あ る 原理 (理論) があ り ます。 それは 「基 と
な る デー タ の理論」 と 呼ばれます。
大量の書類が部屋中に舞っ てい る の を見た ら 、 あ ら ゆ る も のが動いてい る 中で、
1 枚の紙を一番重要な紙 と し て取 り 上げ る ま では、 それ ら の書類は混乱 し てい る よ
う に見え る で し ょ う 。 言い換え る と 、 混乱 し た動 き は、 ひ と つの も のを動 き のない
も の と 考え る こ と に よ っ て理解で き る よ う にな り ます。
交通の流れの中では、 1 台の車を、 他の車 と の関係において動 き のない も の と 考
え、 他の車を その車 と 関連 さ せて見 る ま では、 すべてが混乱で し ょ う 。
一度に 10 本の電話を受け た電話交換手の混乱は、 正 し いか間違っ てい る かに関
係な く 、 1本の回線を最初にかか っ て き た電話であ る と 交換手が見なす こ と に よ っ
て解決 さ れます。 「一度にかか っ て き た 10 本の電話」 は、 電話交換手が答え る べ き
1 本の電話を選び出 し た瞬間、 以前ほ ど の混乱ではな く な り ます。 緊急事態 3 件 と
事故 1 件に出 く わ し た現場監督は、 再び秩序を も た ら すサ イ ク ルを始め る ために、
注意を置 く べ き 最初の対象を選ぶだけでいいのです。
さ ま ざ ま な粒子が混乱 し てい る 中か ら ひ と つのデー タ 、 ひ と つの要因、 特定の も
のひ と つ を選び出す ま で、 その混乱は続 き ま す。 選び出 し て使 っ たひ と つの も の
は、 残 り の も のに対す る 「基 と な る デー タ 」 にな り ます。
ど の よ う な知識の総体 も 、 よ り 詳細かつ正確には、 「ひ と つのデー タ 」 か ら 組み
立て ら れてい ます。 こ れが、 その 「基 と な る デー タ 」 です。 それを否定す る と 、 そ
の知識の総体全体が粉々にな り ます。基 と な る デー タ は必ず し も 正 し い も のであ る
必要は あ り ま せん。 それは単に、 物事が混乱状態に な ら ない よ う にす る も ので あ
り 、 他の も のに秩序を も た ら す基盤 と な る も のです。
さ て、 大望を抱 く 若者に機械の操作を教え る 際に、 その若者があ なたの指示を把
握 し 損ね る のであれば、 それは彼に基 と な る デー タ がないか ら です。 最初にひ と つ
の事実を十分納得 さ せな く てはいけ ません。 それを把握す る こ と に よ っ て、 彼は他
の事実を把握す る こ と がで き る で し ょ う 。 し たが っ て、 ど の よ う な混乱 し た状況に
おいて も 、 ひ と つの事実ま たはひ と つの事柄を完全に理解す る ま では、 人は愚かで
あ る か、 混乱 し てい る こ と にな る のです。
5
混乱は、すべての
粒子に動きのある
時に存在します。
ひとつのものが取り出され、それが残りのものに対する
基となるデータとなれば、混乱は減少します。
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混乱は、 それが どれほ ど大 き く 、 克服す る のが大変そ う に思え て も 、 複数のデー
か け ら
タ や要因、 粒子か ら 構成 さ れてい ます。 それ ら はひ と つひ と つの欠片 です。 そのひ
と つを捕 ら え る か、 その位置を し っ か り と 突 き 止め る か し ます。 それか ら 、 他の も
のがそれ と 関連 し て ど の よ う に機能 し てい る のか を理解すれば、 混乱は落ち着 き 、
さ ら に自分が捕 ら え た も の と 他の物事を関連 さ せれば、混乱の全体を制す る こ と に
な り ます。
若者に機械の操作を教え る 際、 デー タ を大量に与え てか ら 、 彼の間違いを指摘す
る よ う な こ と を し てはいけ ません。 彼に と っ てそれは混乱です。 彼は愚かな反応を
起 こ す こ と にな り ます。 彼の混乱の入 り 口 と な る ポ イ ン ト 、 ひ と つのデー タ を見付
けな さ い。 彼に 「 こ れは機械です」 と 言いな さ い。 本当には確信のない、 つま り 本
当には秩序 と い う も の を持た ない人に向け て指示が投げ掛け ら れていた のか も し
れ ません。 「 こ れは機械です」 と 言い ます。 それか ら 彼にそれについて確信を持た
せな さ い。 それを感 じ さ せ、 あれ こ れ と い じ ら せ、 押 し た り さ せな さ い。 「 こ れは
機械です」 と 彼に言いな さ い。 こ れに ど れだけ時間がかか る かに驚 く こ と で し ょ
う 。 し か し 、 彼がそれに どれだけ確信を持つかに も 驚 く こ と で し ょ う 。 その機械を
操作す る ために学ばな く てはいけないすべての中か ら 、 まずひ と つのデー タ を知 ら
な く てはいけ ません。彼が最初に ど のデー タ を十分に知 る かは重要で さ え あ り ませ
ん。 それ以上に重要なのは、 単純で基本的なデー タ を教え る 方がいい と い う こ と で
す。 あ なたはそれが何をす る も のなのか を彼に示す こ と がで き ます。 その最終生産
物を説明す る こ と がで き ます。なぜ彼が こ の機械の操作に選ばれたのか を教え る こ
と がで き ます。 し か し 、 彼にひ と つの基本的なデー タ を明確に理解 さ せな く てはい
け ません。 そ う し ない と 彼は混乱に陥っ て し ま い ます。
混乱は 「不確実性」 です。 混乱は 「愚か さ 」 です。 混乱は 「不安定」 です。 不確
実性、 愚か さ 、 不安定について考え る 時、 混乱の こ と を考え て く だ さ い。 そ う すれ
ばそれを完全に理解で き ます。
それでは、 「確実性」 と は何で し ょ う ? 混乱がない こ と です。 では、 「知性」 と は
何で し ょ う ? 混乱を処理す る 能力です。 では、 「安定」 と は何で し ょ う ? それは混
乱を通 り 抜け る 能力、 ま たは混乱を迂回す る 能力、 ま たは混乱に秩序を も た ら す能
力です。確実性、知性、安定 と は、混乱がない こ と 、ま たは混乱を処理す る 能力です。
運は混乱 と ど の よ う に関わっ てい る ので し ょ う ? 運 と は、 何か コ ン ト ロ ール さ れ
ていない偶然が自分を乗 り 越え さ せて く れ る と い う 希望です。 運に頼 る こ と は、 コ
ン ト ロ ールの放棄です。 それは無気力です。
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コントロールと混乱
「良いコントロール」と「悪いコントロール」というものがあります。両者の違いは、
「確実性」と「不確実性」です。良いコントロールは、確実、明快で、予測できます。悪
いコントロールは、不確実で、変わりやすく、予測できません。人は良いコントロール
に対しては確信を持ちますが、悪いコントロールに対しては決して確信を持ちません。
今日は有効でも翌日は有効でない規則をつくる職長、ジョージには従わせるが、ジェー
ムズにはそうさせない職長は、悪いコントロールを行使しています。その職長の後には、
不確実と不安定がやって来ます。彼の個人的な特質がどうであるかは関係ありません。
あまりにも多くの不確かで愚かなコントロールがあり得るため、コントロールはすべ
て悪いと信じ始める人もいます。しかしそれは真実から遥かにかけ離れたものです。混
乱の中に少しでも秩序をもたらすのであれば、コントロールが必要です。何をするにし
ても、少なくともある程度は、物事や自分の身体、自分の数々の考えをコントロールで
きなくてはいけません。
」と呼ぶことがで
混乱は 「コントロールされていないランダムネス(randomness)
きます。そのランダムネスに対していくらかのコントロールを行使できる人だけが、
混乱に対処することができます。コントロールを行使できない人は、実際混乱を引き
起こします。
すると、良いコントロールと悪いコントロールの違いが一層明らかになってきます。
良いコントロールと悪いコントロールの違いは度合いです。徹底した、明確なコント
ロールは、他の人に予測できるものです。したがって、それは良いコントロールです。
明確ではない、ぞんざいなコントロールは、予測できません。したがって、それは悪い
コントロールです。意図もコントロールに関係します。コントロールは、建設的な目的
にも、破壊的な目的にも用いることができます。しかし、破壊的な目的が意図された時
には、悪いコントロールが用いられるということがわかるでしょう。
したがって、この「混乱」という主題全体にはとても多くのことが存在しています。
扱う対象として混乱自体がここで使われるというのは、かなり奇妙に感じられるかもし
れません。しかし、それが人生において邪悪と見なされるすべてのものにある一番の共
通項であることに気付くでしょう。そして混乱を支配できれば、その人は建設的な活動
へと注意を向けられるようになります。混乱に混乱させられている限り、その人が考え
られるのは破壊的な物事だけです。その人が一番したいと思っているのは、その混乱を
破壊することなのです。
ですから、初めに混乱を破壊する方法を学びましょう。これはかなり単純なものであ
ることがわかっています。すべての粒子が動いているように見えたら、ひとつを停止さ
せ、他がそれと関連してどのように動いているのかを見ると、そこにある混乱が以前よ
り小さくなっていることに気付くでしょう。ひとつを「基となるデータ」として採用す
ることによって、他のものに整理がつきます。そのようにして、緊急事態も、機械も、
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仕事も、人生自体も見ることができ、理解することができます。そして人は自由になれ
るのです。
これがどのように働くのかを少し見てみましょう。仕事を獲得し、維持し、向上させ
ることに影響を与えるかもしれない数々の事柄があります。多くの人がしばしばやるよ
うに、
「自分は仕事を獲得し、維持できる」という唯一のデータを採用することによっ
て、この問題全体に対処することができます。これを唯一の信念としてしっかりつかむ
ことにより、人生における混乱と不安定はそれまでよりも影響力を弱め、混乱も小さく
なります。
しかし、こうなったらどうでしょう。ある人は若い時、その問題をさらに調べること
なく、歯をくいしばって、目を固くつむり、こう決めたとします。
「何がやって来よう
と、自分は仕事を獲得し、維持できる。だから、これ以上生活費については心配しな
い。
」まぁ、これに問題はありませんでした。
後になって、予告もなく解雇されてしまいます。10 週間失業します。するとその人
は、新しい仕事を実際に得たとしても、以前ほど安定しておらず、以前ほど自信があり
ません。そして、何らかの事故が起こり、再び失業したとします。もう一度失業するこ
とによって、もう一度、さらに自信を失い、さらに不安定になります。なぜでしょう ?
この基となるデータの理論を反対側から見てみましょう。つまり、混乱は基となる
データによって効力を失い、基となるデータが揺さぶられると、再び混乱が生じるとい
うことがわかります。
混乱を停止したものとして想定してみましょう。依然として散乱してはいますが、停
止しています。何がそれを停止させたのでしょう。基となるデータの採用です。ある人
は家でお姑さんからひどい嫌がらせに合っているとします。ある日、口論の後、怒った
足取りで外に出て、思わず独り言を言います。
「姑はみんな邪悪だ。」それはひとつの決
断でした。それは、正しいか間違っているかに関係なく、混乱において採用された基と
なるデータでした。たちまち気分が良くなります。今やその問題を扱うことができ、そ
れとともに生きていくことができます。その人は「姑はみんな邪悪だ」と知っているの
です。それは真実ではありませんが、基となるデータでした。そしてある日、その人が
困っている時、お姑さんがやって来て、誠実に、家賃だけでなく、他の借金までも払っ
てくれました。その人はたちまち大きな混乱を覚えます。この親切な行為は、混乱をも
たらすものであるはずがありませんでした。結局のところ、お姑さんは問題を解決して
くれたのではないでしょうか ? それならなぜ、その人はうろたえるのでしょうか ? 基と
なるデータが揺さぶられたからです。過去の問題による混乱全体が再度活発になったの
は、基となるデータが偽りであると証明されたためです。
誰かを混乱させるには、その人の基となるデータを突き止め、それを否定するだけで
いいのです。その人の持つ混乱すべてを再度活発にさせるには、批判するか証明するか
して、いくつかの基となるデータを揺さぶるだけでいいのです。
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基となるデータは真実であるとは限りません。それらは単に採用されたものです。採
用されると、人は他のデータをそれと関連させて見ます。いかなる基となるデータであ
れ、採用することによって、注意を向けられた混乱はその力をなくす傾向にあります。
しかし、その基となるデータが揺さぶられたり、否定されたり、その誤りを立証される
と、その人は再度その混乱を覚えます。もちろん、新しい基となるデータを採用するか、
以前の基となるデータを元の位置に戻すだけでいいのです。でも、それをスムーズに達
成するためにはサイエントロジーを知らなくてはならないでしょう。
ある人は、最善を尽くしている英雄的な政治家のおかげで、国の経済に不安を感じて
いないとします。その政治家は、国の経済に関して混乱しているすべての人にとっての
基となるデータなのです。そのために、その人は「心配していない」というわけです。
しかしある日、情勢や政治的な敵が、ひとつのデータとしてのその政治家を揺さぶりま
●
●
す。彼らは、その政治家が本当に不誠実であることを証明します。するとその人は国の
経済についてまた心配するようになります。もしかしたら、ある人は演説者の感じがと
ても良かったから、何かの考え方を採用したのかもしれません。それから、誰かがその
演説者は実は泥棒以下であることを慎重に証明します。安らぎを必要としていたため
に、その人はその考え方を採用しました。ですから、その演説者を否定することで、そ
の人がもともと直面していた混乱がたちまちよみがえるのです。
いいでしょう。若い頃、私たちは日常世界の混乱を見て、
「自分は仕事を獲得し、保
持することができる」ときっぱりと主張して、その混乱を抑えました。それは基となる
データでした。仕事を実際に獲得しました。しかし解雇されました。そこで、日常世界
はとても混乱したものになりました。
「自分は仕事を獲得し、保持することができる」と
いうひとつの基となるデータだけしか持たないと、間違いなく、その人は仕事生活にお
いて、混乱した時期を過ごすことになります。それより遥かに優れた基となるデータは、
「自分は人生と仕事を理解している。だから、自分は仕事を獲得し、維持し、向上させ
ることができる」というものでしょう。
混乱は、人の仕事における生活の一部として、避けることのできないものである必要
もなければ、繰り返し起こる必要もないものです。
「基となるデータの理論」を取り入
れることで、徐々に、どういった状況にも秩序と理解をもたらすことができるようにな
ります。
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リーチして
ウィズドローする
混乱について、また秩序をもたらすための良いコントロールの必要性について理
解しているのであれば、ひどいコントロールで混乱を生み出す労働者や役員を容易
に見て取ることができるでしょう。物事をさらにうまくコントロールすることがで
きるように、人にその物事に親しませ、コミュニケーションを取らせるのに、非常
に簡単ながら極めて強力な方法があります。これは、「リーチしてウィズドローす
る」と呼ばれているものです。
慣れ親しんでもいないものに対して、十分にそれをコントロールしたり、理解し
たり、熟練した扱いをすることなど、誰に対しても期待することはないでしょう。
慣れ親しむためのポイントは、コミュニケーションです。
誰かが、あるものとコミュニケートしていないということは、その人がそれから
引き下がったままで、少しでもそれに届こうとしたり、接触しようとしたりしてい
ないということです。
ある物にリーチして(届いて)ウィズドローする(引き下がる)ことができな
かったら、人は、そのものに対して受け身の立場にいることになります。
何かにリーチしたり、ウィズドローできる人は、そのものとコミュニケートして
いると言えます。
何かとコミュニケートするには、それに対して起因の立場にいなくてはなりま
せん。
「リーチする」とは触れることであり、しっかりと捕まえることです。その定義
は、
「達すること」
、「届くこと」あるいは「到着すること」です。
「ウィズドローする」とは、後戻りすることであり、離すことです。
「リーチしてウィズドローする」の手順は、人が物体、人々、空間、境界、状況に
対してコミュニケーションを取るようにし、より起因の立場に立たせるものです。
物質宇宙において、物体、形態、空間、境界とのコミュニケーションを確立する
最善の方法とは、実際にそれらに触れることです。
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「リーチしてウィズドローする」は、仕事の環境、特にその人の使う道具や物と
うまくコミュニケートできるようにするための、価値ある手段なのです。
パイロットは、自分の飛行機にあるすべての物体や空間、飛行機の格納庫、陸地
に対して「リーチしてウィズドローする」ことになるでしょう。秘書は、自分のタ
イプライターや椅子、壁、空間、机などに対して「リーチしてウィズドローする」
ことになるでしょう。
自分の商売道具に対して楽な状態でいられることは、生産物を生み出すにあたっ
て非常に重要なステップです。この行動によって、驚くほど生産量を伸ばすことが
できます。
例えば、この手順で訓練を受けた航空医官は、自分の飛行隊に「リーチしてウィ
ズドローする」を行わせました。その結果、丸一年間、この飛行隊は無事故を続
け、ちょっとした接触事故さえもありませんでした。しかも丸一年間、小さな事故
さえなかったのは、恐らくその飛行隊が史上唯一のものでしょう。
手順
「リーチしてウィズドローする」の手順は、簡単に学ぶことができます。どのような
物や領域に対しても行うことができます。個人的な仕事の環境や、仕事道具の新しい部
品、機械、どのようなものに対しても行うことができます。環境全般に対して、また取
り扱っている特定の領域に対して、その人が良いコミュニケーションを取れるようにな
るまで行われます。
1. あなたがリーチしてウィズドローしようとしているところまで、人を連れて行
きます。これから、リーチしてウィズドローすることを説明して、手順を説明します。
2. 使用する指示を彼に告げ、これらの指示を彼が理解していることを確かにします。
指示は以下の通りです。
A. 「その___ にリーチしてください。」(物体、人、領域の名を挙げ、指し示す。)
B. 「その___ からウィズドローしてください。」(物体、人、領域の名を挙げ、指
し示す。
)
ある物、何かの一部(例えば、機械の正面にある大きな赤いボタンというように)
、
空間、人がその空欄の中に入ります。
3. 彼に最初の指示を与えます。例えば、
「その機械の正面にある大きな赤いボタンに
リーチしてください」というものです。
12
常に、物体(あるいは、人、空間など)を指し示してください。そうするうち、それ
を行っている人が間違えることはないでしょう。
4. その人が指示を実行する際には、
「ありがとう」や「いいですね」などと言ってア
クノレッジをしてください。
5. それから、次の指示を与えます。「その機械の正面にある大きな赤いボタンから
ウィズドローしてください。
」彼がそうしたら、アクノレッジしてください。
6. 指示 A、B、A、B と交互に繰り返し続けてください。人に物体や面のさまざまな部
分を触らせ、各指示を実行した後にアクノレッジします。
7. 人がちょっとしたウィンを得るまで、あるいは、指示が 3 回続けてその人の動きや
態度が変化せずに実行されるまで、ひとつのもの、空間や人にリーチしてウィズドロー
します。
「ちょっとしたウィン」とは、人に見られる少しの向上という意味です。例え
ば、物や領域に対して少し良い感覚を得たり、ただ単により幸せな気分を経験するとい
うことです。
8. 次に、また別の物体、空間、人物を選び、そのアイテムに関してウィンするまで
指示を行います。
対象物の同じ部分に、延々とリーチしてウィズドローさせておかずに、リーチしてい
る物体の別の箇所や別の部分にも手を触れさせなくてはなりません。
その行為を行っているその人と一緒に歩き回り、その人が実際に物体、空間、人々の
点や領域を身体で触れているかどうか確認します。
対象物を選ぶ場合、通常そこにあるものの小さなものから始まって次第に大きなもの
を選んでいき、各対象物のさまざまな部分に順に触れていきます。そして、その対象物
に対してちょっとしたウィンのようなものを得るか、1 組の指示を 3 回繰り返しても何
の変化もなくなるまで行います。また、この手順を行う場合、その環境にある壁や床、
その他の部分を対象にすることもできます。
物体に対してではなく、部屋や空間に対してその行為を行う場合は、その人を何度も
何度もその部屋を出たり入ったりさせます。
9. その人が大きなウィンや素晴らしい実感を得たり、対処している領域に対してと
ても心地好く感じるまで続けます。大きなウィンとは、自分の仕事の領域に対する新た
な認識や自分の仕事に確信を持つことです。
「リーチしてウィズドローする」は、その
ような点を超えて続けるものではありません。
その人の仕事に関係する物、人々、状況、空間、境界に対して行う「リーチして
ウィズドローする」は、その人が仕事をコントロールし、それに慣れ親しみ、理解
する上で大いに助けとなることでしょう。
13
チし
リー
て
ローする
ウィズド
「リーチしてウィズドローする」
は、人に環境の中にあるものに
対してリーチしてウィズドロー
させることによって行われます。
14
22
その人が物体、壁、床あるいは
環境のその他の部分からリーチして
ウィズドローするにつれて…
リーチ して
ウィ
ズド
… その人はさらに仕事を
する
ロー
コントロールし、
それに慣れ親しみ、
理解します。
15
日常世界における
疲労を解決する
働くべきか、働かざるべきか ? それが問題です。ほとんどの人がこの問題に対し
て最終的に抱く答えは、「疲労」です。
人はひとつの仕事に長い間従事して、極端に酷使されると、これ以上働いたら我
慢の限界を超えてしまうと感じ始めます。その人は疲れているのです。また、何か
をしようと考えることで、その人は疲れてしまいます。そんな時、私たちは、何と
か自分の精力を振り絞ろうと考えたり、もう少しだけ頑張ることができると考えた
りします。しかし、それでは見当違いをしていることになります。なぜなら、疲労
に対する答えは、どう見ても、精力とはほとんど関係がないからです。
疲労は、非常に重要な主題です。ただ生計を立てる個人にとってだけでなく、国
家にとっても重要な主題なのです。
サイエントロジーがほぼ完全に立証した事実ですが、個人の没落は、その人がも
うそれ以上働けなくなった時から始まります。仕事を行うのを妨げられただけで、
人は堕落したり、動揺してしまいます。今日では警察も、サイエントロジーのこの
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基 本 的 原 理 を 理 解 し 始め ま し た。主 に、犯 罪 者 に あ る 問 題 は、彼 が 働 く こ と
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ができないということです。警察は、犯罪者が有罪かどうかを証明する際に、この
要因を探し求めるようになりました。
疲労という問題は、
「仕事をするのを妨げられる」問題とも言えます。戦争中に
病院に収容された兵士や水兵がそこで数ヵ月過ごすと、任務に復帰した時には、そ
の「価値」が疑わしいほどまでに、戦闘意欲に低下が見られる傾向があることがわ
かりました。これは、必ずしも兵士の能力が低下した結果ではありません。それ
は、無活動状態によって一層ひどくなった傷害の結果です。傷害を受けて、
「前線」
にごく近い野戦病院で治療を受け、そのような任務に何とか耐えられるようになる
とすぐに任務に戻される兵士は、大いに戦闘意欲を保っていることがわかるでしょ
う。もちろん、彼は受けた傷害によって、恐らくかつて自分が最高レベルだと考え
ていた行動を行えなくなってしまう傾向があるでしょうが、それでも「後方」にあ
る病院に送られる兵士よりも、良い状態にあります。後方にある病院に送られる兵
士は、彼にとってみれば、この戦争には自分はとりわけ必要ではないと言われてい
るのです。実際にこれらの原則が加味されなかったために、
「疲労」という言葉は、
16
「ノイローゼ」と結び付いて一般に使われるようになりました。さて、これはノイ
ローゼにかかっている人はただ疲労しているように見えるという事実に基づいて
いました。両者の間にはそれ以上の関係はありませんでした。実際に労働する権利
を奪われた人、特に傷害を受け、労働する権利を奪われた人は、結果的に、疲労を
感じることになるのです。
人間の精力が、
「絶えず接触し続けることによって徐々に減少する」といったこ
とが発見されています。長時間働いたり、激しく働いたからといって、ただそれだ
けで人は疲労したりはしません。人は、昔のケガについての過去の記憶にある苦痛
と感情を活性化してしまうほど長い間働くと、疲労するのです。
このケガの特徴のひとつが「疲労」です。したがって、慢性的に続く疲労は、長
時間、骨の折れることをすることによって生まれるものではありません。人生に付
随する精神的ショックやケガが蓄積して、その結果として生まれるものなのです。
もしかしたら、そのどちらも数秒から数時間のものかもしれず、合計しても、もし
かするとたった 50 時間から 75 時間かもしれません。しかし、この蓄積(ケガ、嫌
悪感、精神的ショックの蓄積)が結果的に、全く何もできなくなる状態にまで達す
るのです。
子供の頃に社会の一員として認められなかったことによって、疲労というもの
が教え込まれることがあります。あるいは、人が行う特定の活動の結果として受
けるさまざまなケガやショックによって、疲労は人の中に叩き込まれることがあ
るのです。これらふたつのどちらかをすっかり取り去れば、疲労を完全に消し去
ることになります。
したがって、疲労とは実際、サイエントロジー実践者が扱う問題です。なぜな
ら、サイエントロジストだけが適切にそれを処理することができるからです。
しかし、疲労よりも下の点があります。それは、疲れても自分が疲れているのか
がわからない地点です。人は、自分が働いていることなど全く気付かずに、働き、
働き、働き続け、突然、彼が感じていなかった疲労によって倒れてしまうという、
いわば、てんてこ舞いの操り人形のようなものになりかねません。
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ここで、人は物事のコントロールに失敗しました。最後には、商売道具や仕事の
環境に似たようなものさえ何も処理することができず、そのため、そういった環境
にいたり、そういった道具を扱うことができなくなるのです。この人に、たくさん
の手厳しい言葉が投げ掛けられるかもしれません。
「怠け者」、
「浮浪者」
、
「犯罪者」
と呼ばれることもあるでしょう。しかし、実のところ彼は、専門家の力を借りなけ
れば、自分自身を良い状態に立て直すことができません。地球の核へと飛び込むこ
とができないのと同じです。
サイエントロジー実践者とともに親密に取り組まなくても、仕事に対する人の気
力や熱意を回復する方法がいくつかあります。これらの方法は比較的単純で、とて
も理解しやすいものです。
外向と内向
内向化とは単純なことです。
「内側へとあまりにも綿密に見る」ということです。
そして、外向化も単純です。
「外側へと目を向けることができる」ということに外な
りません。
「内向的な性格」の人と「外向的な性格」の人が存在する、と言うことができるで
しょう。外向的な性格の人は、自分のいる環境を見回すことができます。内向的な
性格の人は、自分自身の内側しか見ることができません。
自分の周囲の世界を見て、それを実に現実的に鮮明に見ることができる人は、当
然、外向した状態にいます。つまり、その人は 「外に目を向ける」ことができます。
また、仕事をすることもできます。また、状況を見て、処理しコントロールしなけ
ればならないことを処理し、コントロールすることもできるのです。そして、コン
トロールする必要がなく、したがって関心を持つ必要がないものには、ただ傍観す
ることができるのです。
内向的な人は、恐らくずっと以前に、疲労を経験してきた人です。こういう人は、
自分の内面へ内面へと注意を向けてしまいます。
(これは、基本的には、彼に依然と
して影響を及ぼし得る以前のケガによるものです。
)遂には、その人は実際に内側に
目を向けていて、外側に目を向けることがなくなってしまいます。固体を避けて、他
の人たちや自分の周りにある物に現実性を見ることはありません。
さてそれでは、仕事という実際の問題を取り上げてみましょう。仕事とは、
「ある
空間に位置する人や物体に対して、自分の注意と行動を注ぐこと」です。
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人が、たじろいだり避けたりすることなく、人々や物体、またそれらが位置する
●
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●
●
●
空間に直面できなくなると、途方に暮れたような気分になってきます。その人は霧
の中を動き回るような感じになり、すべてが彼にとって現実的なものではなく、自
分の周りにある物をコントロールする能力も比較的低くなっていきます。事故に遭
い続け、悪いことが度重なり、また、物事が自分に抵抗しているのは、ただ彼がそ
れらを処理してもいなければコントロールしてもおらず、正しく観察することさえ
していないからです。未来は彼にとってはとてもひどいものに思え、時としてそれ
は、向かい合うことができないほどひどいものになります。このような人は、ひど
く内向的になっていると言えるでしょう。
仕事をしていても、この人は、せいぜい自分からわずか 1 メートルほどしか離れ
ていない物体に注意が釘付けになっています。自分の手の届く範囲にあるものに最
大の注意を向けているのです。これによって、外向した状態から、少なくとも目の
前にある焦点に注意を向けるようになります。彼の注意はそこに固着します。もし
それが、昔のキズ、事故、手術と一致するものなら、以前にあった何らかの点にま
た注意を固着させ、何らかの過去の嫌な記憶を再活性化することになるでしょう。
それによって、そのケガを受けた瞬間の 痛みや病気、疲労感、無気力、または無
気力より下の感覚を経験します。そうなると、彼の注意はそこにずっと釘付けにな
り、当然、仕事をしていない時でさえ、ただそこだけを見つめるということになり
がちです。
会計士を例に取ってみましょう。彼の目は一定距離をおいて、帳簿に向けられて
います。遂に彼はそこだけを見る「近視」になります。実際、近視になるというよ
りも、
「帳簿眼」になるのです。彼の目は、ある特定の距離をおいた点に極めて簡単
に固着します。さて、そこに注意を固着させると、その点からも引き下がりがちで、
遂には、完全に自分の帳簿にもリーチできなくなります。そして、帳簿がもっとはっ
きりと見えるようにと眼鏡をかけるようになります。彼の視力と注意力は、ほとん
ど同じものになります。
機械や帳簿や物などに対して、常に一定距離を保っている人は、仕事から離れて
も、仕事をしていたまさにその場所に注意を留めたままにしがちです。つまり、彼
の注意は仕事から離れるということが全くないのです。彼は帰宅しますが、依然と
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●
してオフィスに座っています。彼の注意は、依然として仕事の環境に固着していま
す。もしこの環境が何らかのケガや事故と一致するのなら(そして、誰がこういっ
たものをひとつも持っていないと言えるのでしょうか)
、彼は倦怠感や疲労感を覚え
るようになります。
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これを治す方法はあるのでしょうか ?
もちろん、トレーニングを積んだサイエントロジー実践者だけが、この困難な状
態を完全に解決することができます。しかし、その労働者にも自分でできることが
あります。
さて、帳簿係、会計士、事務員、役員、機械工などの職業にかかわらず、やって
はいけないことがあります。それは、仕事から離れて、家に帰って、腰掛けてくつ
た い じ
ろいでいる時でも、仕事場でいつも何かに対峙するのとおおよそ同じ距離のところ
にある物体に注意を固着するということです。例えば、ある職長の場合、自分から
特定の距離にいる人々に絶えず話していますが、彼が行ってはいけないことは、家
に帰っても、職場で使うのと同じ距離を置いて奥さんに話すことです。気が付くと、
彼女は自分がまるで作業場の一員であるかのように命令を受けているということが
わかります ! 確かに行ってはいけないことは、家に帰ってから、腰掛けてくつろぎ、
新聞を読み、夕食を取り、寝てしまうということです。決まりきった仕事を朝から
晩まで行い、夜になってゆっくりと本や新聞を読んで「休息を取る」生活をしてい
ると、遅かれ早かれ、とても疲労したと感じるようになります。さらにしばらくす
るとそのずっと下へと落ち込んでいきます。以前にはとても簡単にできた仕事なの
に、やる気が全くなくなり、それを少しも不思議だと思わなくなってしまうのです。
行うべき正しいことはあるのでしょうか ? ええ、あります。仕事場で何かの物に
ずっと注意を固着させている人は、勤務時間後は、何か別のものに注意を固着させ
るべきでしょう。
20
散歩
「散歩」として知られているサイエントロジーの手順があります。この手順はとて
も簡単に行うことができます。仕事が終わって疲れたと感じた時には、外に出て、休
まったと感じるまで、近所を歩いて回るべきです(そうやって歩くことを考えるこ
としかできなかったとしてもです)
。要するに、自分が歩いている近くにあるさまざ
まな物が見えるようになるまで、近所を歩いて回り、さまざまな物を見るべきだ、と
いうことです。その区画を何周歩いて回るかは問題ではなく、気分良く感じるまで
その区画を歩いて回るべきです。
これを行っていると、まず少し気分が晴れてきて、次にさらにかなりの疲れを感
じることでしょう。十分に疲れたので、ここで、このままベッドに入ってぐっすり
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眠るべきだと思います。しかし、その時点ではまだ疲労を通り抜けているところで
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すから、散歩をやめる時ではありません。あなたは疲労を歩いて消去しているので
す。これは疲労を運動によって処理しようとしているのではありません。人々にとっ
て何よりも運動が重要な要素であると思われていますが、実際にはそれほど重要で
はありません。重要な要素は、仕事から「注意を引き離し」
、自分が生きている物質
世界に注意を向けることなのです。
辛うじて足を引きずって歩くことしかできないほど疲れていたり、興奮してし
まって全く休めないほど疲れている場合には、実際のところ質量に直面することが
必要なのです。「肉体的なエネルギーの衰え」など本当にあるのかどうか実に疑わ
しくさえあります。もちろん、この手順には限度があります。昼間は一日中働き続
け、夜は夜で一晩中街中を散歩して、次の日また仕事に行って、それでも安堵感を
得る、といったことなどできません。しかし一日中内向した後には、人はいくらか
の時間、外向して過ごすべきなのは確かです。
「散歩」はそれ相応の、万能薬とも言えるものです。例えば奥さんに対して敵対心
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を感じたりした時にやってはいけないことは、奥さんを殴ることです ! 正しい行為
は、外に出て良い気分になるまで散歩をして、その状況から外向するまで、奥さん
にも別の方向に近所を散歩させることです。特に労働者の家庭で生じる不和はどれ
も(過度の緊張というよりはむしろ)
、実際に仕事に対して過度に固着すること、ま
たそれに関連した状況から生じているのです。仕事の環境において特定の物事をコ
ントロールし損ない、それでその人は家に帰って自分がコントロールできるものを
見付け出そうとします。大抵の場合、その矛先は配偶者や子供に対して向けられま
す。そこでもコントロールをし損なうと、その人は極端に調子を悪くしてしまいが
ちです。
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バレー
不動 産
疲労を治す単純な
方法は、「散歩」です。
単に付近を歩き回り、
さまざまなものを
見ます。
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付近を歩き回って
さまざまなものを
見続けると…
バレー
不動産
…疲れた感じは
消え去り、もっと
エネルギーを感じる
ようになります。
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注意を外向させることは、仕事そのものと同じくらい必要なことです。注意を内
向させることも、仕事も、悪いことではありません。興味を持つことが何もなけれ
ば、彼は精神的に参ってしまうでしょう。ただし、そこで仕事を続けると、不自然
な疲れが起こりがちになることがわかるでしょう。これが当てはまることがわかっ
たら、これに対する解決策は、睡眠のように、数時間「無意識状態になること」で
はなく、実際に注意を外向させて、それから本当にリラックスした睡眠を取ること
です。
これらの内向化と外向化の原理から、多くのものがもたらされます。
「散歩」は、
こっけい
ほとんど滑稽とも言えるほどに単純なものですが、もっと複雑な方法を望むのであ
れば、もっと複雑な手順がたくさんあります。しかし、仕事に付随する多くの困難
は「散歩」によって対処されます。散歩していると、最初はもっと疲れたと感じ、そ
れから生き生きとしてくるということを忘れないでください。これは「セカンド・ウ
インド」として運動選手たちに知られている現象です。セカンド・ウインドとは、前
回のレースによる疲労を「消去する」ために、環境と質量を十分に実際に取り入れ
ることです。セカンド・ウインドというものはありません。あるのは、自分が生き
ている物質世界に対する外向した状態を取り戻すことです。
見回す
「散歩」とよく似た手順に「見回す」というものがあります。ある人が、一日中人
と話をしていたり、一日中人々に何かを売っていたり、一日中扱いにくい人を扱っ
ていたとしても、やってはいけないのは、社会にいるすべての人々から逃げ出すこ
とです。そう、人を相手にしている時に過度の緊張を覚える人は、人に対して大き
な困難を抱えてきたのです。もしかしたらその人は医者から手術を受けたことがあ
り、もうろうとして眺めていた手術台の周りに立ちはだかる「医者たち」の姿が、
「すべての人たち」と同一化されているのかもしれません(つまり、じっと立ってい
る人たちすべてが医者なのです)
。ちなみに、これは医者が社会においてすっかり嫌
われている理由のひとつです。というのも、医者が外科手術や麻酔療法といった行
為を主張し、そのような出来事が日常の出来事と互いに重なり合うようになってし
まうからです。
24
人との接触による疲労は、自分の注意は他の人にも向けるべきだと感じているの
に、特定の人に注意が固着されてしまうことから来ています。こういった注意の張
り詰めた状態は、彼が観察する人の数を実際に少なくしています。
これを治す方法はとても簡単です。例えば、人がとても大勢いる駅や大通りに出
掛けていき、人々に注意を向けながら通りを歩いていきます。ただ「人々を見る」、
それだけです。しばらくすると、人というのも「それほど悪いものではない」と感
じ、彼らをもっと思いやる気持ちを抱くようになることがわかるでしょう。しかし、
さらに重要なのは、これを数週間、毎日午後遅くに行う習慣をつければ、人に対し
て過度に緊張してしまう仕事上の状態はどこかに行ってしまうということです。
これはセールスマンにできる一番賢い方法です。というのも、セールスマンは他
の誰よりも、人をうまく扱うことができるようになること、そしてまさに自分がし
てほしいことを相手にしてもらえるようになること(つまり、売らねばならないも
のを買ってもらうこと)に興味を持っているからです。セールスマンは、あまりに
も多くの顧客に注意を固着させてしまうため、人と話したり、売ったりするという
考えそのものにうんざりしてしまい、自分の活動と営業全般に関して感情のトーン
を落とし、自分のことを全くの「ペテン師」だと思い始めます。そしてしまいには、
何の価値もない人間だと思うようになってしまいます。そういった人は、他の人た
ちと同様、人通りの多い場所を見付け、人々を眺めながら歩くということをすべき
です。しばらくすると、本当に多くの人々が存在するということ、そして人々はそ
れほど悪いものではないということがわかるでしょう。政府の上層部にいる人々に
●
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●
●
起こることのひとつに、彼らが常に人々から守られているために、しまいにはすべ
てのことを嫌悪するようになり、あらゆる類いの奇妙なことをしがちになるという
ものがあります。
(ヒトラーやナポレオンの生涯を見てください。
)
25
人は、他の人々に
接触することで
疲労困憊することが
あります。
回復法は、
人が大勢いる
地域を歩いていき、
歩きながら人々を
よく観察することです。
より多くの人々を
見ていくにつれ…
…自分が彼らにもっと
思いやりを感じるのが
わかるでしょう。
人々によって感じていた
過剰な緊張は全部
どこかに行って
しまうでしょう。
26
広範にわたる適用
内向化と外向化の原理は、現状よりずっと広く社会で適用できるものです。一般
的に、恐らくストライキを起こそうという考えをなくしたり、生産を著しく向上さ
せるような何かを政府や企業は行うことができるでしょう。ストライキを起こす労
働者たちは、通常「労働条件」に不満があるというよりも、仕事自体に不満がある
のです。自分たちは犠牲者だと思っており、働きたくない時でも働かされていると
感じているため、実際に安堵感を得ようとして気晴らしにストライキをしているの
です。彼らは何かと戦うことができます。ただそこに突っ立って機械や帳簿をいじ
くり回しているのではなく、何か別の行動を取ることができるわけです。不満を持っ
た労働者がストライキに走るというわけです。仕事に疲れ果て、仕事に不満を持ち、
仕事に嫌気がさすと、人はストライキを始めるのに十分な数の不満の種を見付ける
ようになる、ということが予測できます。そして、経営者側が大きな問題を抱えて
いるのに、指揮系統の低い地位にある労働者側の協力が得られないとすれば、遅か
れ早かれ経営者側は、労働者のストライキを引き起こす状況をつくり出すでしょう。
言い換えれば、悪い労働条件が、労使間のトラブルや労働紛争の本当の原因ではな
いということです。仕事そのものに対する倦怠感、あるいは自分の周りの領域や環
●
●
●
●
●
境をコントロールする能力のなさに、労働争議の本当の原因があるのです。
どのような経営者についても言えることですが、十分な収益があって、ひどく不
合理でなければ、労働者に十分な報酬を与えます。またどのような労働者も、そう
する機会がいくらか与えられれば、喜んで自らの職務を果たすものです。しかし、
ひとたび環境そのものが過度に緊張を帯びたものになったり、会社自体が政府の有
害な行為によって内向したり、あるいは労働者には経営者に対して何の規制力もな
いことを労働者側が見せ付けられたりすると、その後、労働紛争が起こりかねませ
ん。しかし、こういった観察しやすい行動パターンすべての根底にあるのが、内向
化と外向化の原理です。労働者たちは自分の仕事に対してあまりに内向してしまう
と、自分たちのリーダーに対してもはや親愛の情が持てなくなり、自分たちが働い
ている環境をもはや実際に見ることができなくなるのです。ですから、そこに誰か
が近付いてきて、実際には明らかに真実ではないのに「経営陣はみんな鬼だ」など
ふいちょう
と吹聴したりできるわけです。そして経営者のレベルでも、誰かが近付いてきて、
これまた明らかに真実ではないのに 「労働者はみんな鬼だ」と吹聴することがで
きるのです。
企業の従業員のひとりひとりに個別に対処する方法などなくとも(それは巨大な
仕事ですが)
、この内向化の原理を扱う完全なプログラムをつくることはできます。
確かに労働者側も経営者側も、内向化すると、ストライキなどの不合理なゲームを
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つくる方法を見付け出すようになります。これは生産を中断させ、工場内、事務所
内、あるいは企業内の人間関係や職場環境に崩壊をもたらします。
その治療法は、労働者を大規模に外向させるということでしょう。ひとつの解決
策として、すべての労働者が仕事をふたつ持つことを可能にするというものが考え
られます。そのためには、会社、あるいは政府のような利害関係を持つ団体が、十
分な数の「公共事業プロジェクト」を利用できるようにする必要があります。労働
者に、自分の専門の範囲外で働くことができるような、そういった仕事を提供する
ためにです。言い換えれば、非常に固定された仕事を絶えず室内で続けている人
が、戸外で行う仕事もできるとすれば、それが何か関係のない仕事であればなおさ
ら、本当に良い気分転換になるということです。例を挙げれば、会計係がしばらく
排水溝を掘ることができれば、とても良い気分転換になるでしょう。いつも据え付
け型の機械ばかり操作している機械工は、ブルドーザーを乗り回して作業をするの
は、実際にとても楽しい経験だと思うでしょう。
したがって、計画は、実際に「内向化」と「外向化」を大きな援助として取り上
げて、それをもたらすようなものになるでしょう。そうすれば、固定された位置に
非常に注意を近付けて働いている職員は、もっと広い範囲を見られるようになり、
外向化させる傾向のある物事を扱う機会が与えられるでしょう。そのようなプログ
ラムは、大掛かりではありますが、確実に労使関係の改善、生産率の向上、仕事と
賃金という主題に対する、労働および社会における緊張の大幅な緩和という結果を
生むことがわかるでしょう。
要は、この内向化 - 外向化の基本原理を使ってできることはたくさんあるという
ことです。この原理はとても単純です。個人があまりに内向させられると、彼を取
り巻くものがあまり現実的でなくなり、そうしたものに対するその人の親愛の情が
減少し、それらとのコミュニケーションがうまく行かなくなります。こういった状
態になると、人は疲れやすくなります。内向化はまず倦怠感、疲労を生み、それか
ら働く能力が奪われます。これを回復させるのが外向化、つまりより広い周囲の環
境にしっかりと目を向け、それとコミュニケーションを交わすことです。働く人な
ら誰でもケガや病気などに見舞われがちだという事実を考慮すると、これを実行し
ら せ ん
なければ螺旋状悪循環が結果的に起こることになります。仕事はますますつらくな
り、遂には何も成し遂げられなくなるという螺旋状悪循環です。こうして非生産的
な社会というだけでなく、犯罪的な社会の基盤が出来上がるのです。
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仕事の重要性
仕事こそ、この社会における基となるデータです。何もすることがなければ、生
きがいがないということになります。働けない人は死んでいるも同然で、大抵、そ
うした人は死を選び、それを達成しようと努力するのです。
人生における謎は、今日のサイエントロジーでは、それほど謎ではありません。
謎は必要な要素ではありません。広大な神秘に対する答えを求めないのは、非常に
不合理な人たちだけです。サイエントロジーは、人間の前に立ちはだかる数々の複
雑な問題にメスを入れ、これらの問題の核心を明らかにしました。サイエントロ
ジーは、人類の歴史において初めて、知性や能力を予想通りに向上させ、ゲームを
プレーする能力を取り戻させることができ、無能へと続く螺旋状悪循環から人間を
救い出すものです。したがって、仕事そのものが再び、心地好く楽しいものになり
得るのです。
サイエントロジーでひとつのことが明らかにされました。それは、労働者の精神
状態にとってとても重要なものです。人々は、自分は即座に必要な給料のために働
いていて、社会全体に対して何も重要性のあることをもたらしていないとしばしば
感じています。こうした人は、いくつかのことを知りません。第一に、優れた労働
者はごくわずかしかいないということです。役員のレベルで、仕事や人にうまく対
処し、コントロールできる人を、大企業がどれだけ貴重な存在だと思っているの
か、それを知るのは本当に興味深いことです。そういった人たちはほんのひと握り
しかいません。今日の日常世界の構造では、最上部にたくさんの空席が集中してい
るのです。
さらに、非常に重要な、もうひとつのことがあります。人は死んでしまえばすべ
ては終わりでゲーム・オーバー、どのようなことにもこれ以上何の責任も負う必要
はない ―人間を裏切るように意図された数々の精神哲学が、今日の世界の人々に
そう信じるように吹き込んできたという事実です。これが真実かどうかは、はなは
だ疑わしいところです。人は、過去、自分が死んだその理由を明日へと受け継いで
いくのです。
もうひとつ、私たちは、人間はかけがえのないものであるということを知ってい
ます。過去のさまざまな哲学のメカニズムが人間に説いていることは、こういうこ
とです。「もしも人間がかけがえのない存在だと思うなら、墓場に行ってよく見て
みるべきだ。そこにいる死人は、かけがえのない人だったのだ。」これは何よりも
ばかげた考えです。もしあなたが墓場に行ってつぶさに見てみたら、そこには、か
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つてその型の機械をつくった人がいることでしょう。彼らがいなければ、今日の産
業は存在していなかったでしょう。そういった偉業がまさに今、行われているかど
うかは疑わしいものです。
職人は、ただそれだけの存在ではありません。労働者も、ただそれだけの存在で
はありません。事務員も、ただそれだけの存在ではありません。誰もが、私たちの
いしずえ
文明全体を構成する 礎 となっている、呼吸をして人生を営む重要な柱なのです。
私たちは強大な機械に組み込まれた歯車の歯ではありません。
その機械そのものなのです。■
30
演習
次の演習は、この小冊子の理解を助け、その知識を実際に適用するあなたの能力を
高めます。
1
2
3
あなたが観察したり、経験したことのある混乱の例を考えなさい。その混乱に対
して「基となるデータの理論」をどのように適用できたかを考え出しなさい。
外に出て混乱を見付けなさい。
「基となるデータの理論」を使い、その混乱を処理
しなさい。
「リーチしてウィズドローする」を行う練習をしなさい。指示の中である物体の一
部の名前を挙げ、壁に対して「リーチしてウィズドローする」の指示を与えるド
リルを行いなさい。毎回それを指し示し、アクノレッジしなさい。ドリルの最中
に必要であれば手順を参照しなさい。不確実な点がなく、容易に「リーチしてウィ
ズドローする」を行えるようになるまで、この手順をドリルしなさい。
4
5
6
7
今度は、他の人に対して、その人の仕事道具や仕事の環境内にある道具について
「リーチしてウィズドローする」を行いなさい。
8
あなたが観察したり、経験したことのある悪いコントロールの例を考えなさい。そ
れがなぜ悪いコントロールだったのかを書き留めなさい。
あなたが観察したり、経験したことのある良いコントロールの例を考えなさい。そ
れがなぜ良いコントロールだったのかを書き留めなさい。
あなたが観察したり、経験したことのあることで、人が自ら操作している機械と
良いコミュニケーションを取っていない、またはその機械をよく知らない場合の
例を考えなさい。その人の仕事の能率と、その人に求められている生産物の質を
書き留めなさい。
あなたが観察したり、経験したことのあることで、人が自ら操作している機械と
良いコミュニケーションを取っている、またはその機械をよく知っている場合の
例を考えなさい。その人の仕事の能率と、その人に求められている生産物の質を
書き留めなさい。
9
10
自分が外向し、より冴えていると感じるまで、辺りを散歩しなさい。
仕事で疲労を感じている人、家庭内の口論で気分を害している人などを見付
け、その人が外向したと感じるようになるまで散歩をさせなさい。
31
適用の成果
職場でうまくやっていくことを可能にする技
問題の本当の解決にはなりませんでした。疲労
術をサイエントロジストたちが有し、使用して
の本当の原因が私にはわからず、そのためその
いる事実は、彼らの 54 パーセント以上が経営
本当の解決策は自分にはわからないように思
者、芸術家、技術者、エンジニア、会社の所有
えました。疲労は、ハバード氏が言っている通
者または共同所有者、法律家としての地位を
りにすれば解決することができます。これは私
持っているか、あるいは医療関係の職に携わっ
にとっては何よりも重要なことです。今では一
ているという事実に反映されています。
日を通してずっと、はつらつとして冴えたまま
しかし、このデータの適用効果は、それを適用
でいられます。」
する人々の範囲を大きく超えて広がっていき
■ 自分の仕事場で「リーチしてウィズドローす
ます。つまりそれは、その人たちの環境や彼ら
る」を受けた、あるミュージシャンは、自分はも
を取り巻く人々にも前向きな影響を与え、あく
うすでに自らの環境と優れたコミュニケーショ
せくとした世の中の混沌のうちに、正気の島々
ンを取っていると思い込んでいました。ところ
をつくる手助けとなるものなのです。このこと
が彼は、この単純な行為が自分の活動にもたら
は以下の例に見ることができます。
した変化を知って驚いてしまいました。
■ 日々の活動の後、くたくたに疲れてしまうこ
「音楽の創作に理想的な状況をとてもはっき
とが頻繁にあったある男性は、疲労の解決方法
りと思い描くことができたことと、美的感覚を
についてハバード氏が書いたものを見せられ
どのレベルまで高めることができるか、という
ました。
点で素晴らしい体験をしました。このような理
「以前は、疲れるとあきらめて休息を取る必
要があるのが常でした。しかも休息さえ、その
想の達成はサイエントロジーを通じて初めて
できたことです。『リーチしてウィズドローす
る』という技術は、何とまあ、単純かつパワフ
ルなんでしょう ! 」
職場での成功
貧困線よ り
上にあ る世帯
自分の職業で
サ イ エン ト ロ ジー
を用いている
人たちは、 繁栄し、
自ら の目標を
達成する ための
手段を持って
います。
91%
■ 職場の状況を解決することについての基本的
なデータを学んだある男性は、自分が望むこと
は何でもでき、自分が望む何にでもなれると決
66%
めました。そこで彼は配膳業の分野への参入を
決め、すぐさま退職して、南アフリカに建設中
の新しい製紙工場で 1,500 人以上の人々にサー
ビスを提供する大きな配膳会社の支配人の職を
得ました。
「私には35 人かそれ以上のスタッフがいまし
全米人口
サイエン ト ロジス ト
たが、勉強した基礎的なサイエントロジーを仕
事に適用することで、彼らを非常に生産的にす
ることができました。そこは 2 交替制で、4 人
の支配人がいました。上司はいつも、私が担当
32
する組を順調に動かし、素早く完了できること
全く変わってしまいました。今では、私が近く
に驚いていました。その時私は、この技術の最
にいても、彼はもう批判的ではありませんし、
大限の効果と、一見望みのないように見える状
私を褒めさえするのです。私には、それは自分
況をより良いものへとかなり急速に変えるこ
が学んだもののおかげであることがわかって
とのできる力を実感しました。」
います。なぜなら、私が職場にいなければ、同
■ ある若い女性は、何週間にもわたって来る日
も来る日も、何ら変わることのない校正作業を
長時間行っていました。ある日彼女は、いつも
は何の困難もなかったこの作業がだんだんきつ
くなってきていることに気が付きました。
僚たちはいまだに彼が雰囲気を壊すのを許し
てしまうからです。でも私はもう自分の環境全
体を巧みに扱うことができますし、私にとって
仕事の状況はとても心地好いものとなってい
ます。」
「その日の終わり近くになると遂に私の視覚
■ 南カリフォルニアにある大会社の人事担当役
は完全に利かなくなり、数秒間何も見えなく
員は、自分が相手にしなくてはならない多くの人
なってしまいました。両目が痛み、ものが若干
たちへの対応に深刻な問題を抱えていました。
ぼやけていました。一緒に校正を行っていた人
が『散歩をする』という改善法を知っていて、
「私のリストには、私の配慮を必要とする人た
私を外へ連れ出し、私たちは散歩に行きまし
ちの名前が長々と続いていましたし、その人た
た。最初は目が痛かったため周囲を見回したく
ちは絶えず私のサービスを要求していました。
なかったのですが、彼女は私にそうさせまし
私が彼らのために物事を完了させるのに使うこ
た。少したつと両目の痛みが止まり、周囲を見
とのできる時間はすべて、彼らの要求を何とか
回すことができました。私は再び元気になり、
かわすためだけに使い尽くされていました。ど
それ以上無理をすることなく校正を続けるこ
ういうわけか、私には何も完了させることがで
とができました。」
きなかったのです。未処理の仕事の量が大きく
なるにつれ、私はさらに圧倒されるようになり
■ あるビジネスウーマンは上司とうまくやって
ました。私は『基となるデータの理論』を適用
いくことに困難を抱えていました。ひとりの友人
しようと決心しました。理想的な光景を見つめ、
が彼女に、あくせくした世の中で他の人たちとう
そして、ひとつの仕事を取り上げ、それを完了
まくやっていく方法について、ハバード氏による
させ、それから次に進む、という視点からひと
基礎的なデータをいくつか教えました。
つひとつの違う仕事に取り組み始めました。ま
「今年の始め、私は事務所でのトラブルを非
さに魔法という外ありません ! その日の終わり
常に多く抱えていました。上司が絶えず私を批
には、陽気になって、自由を感じたのです。新
判し、オフィスでの取るに足らない細かなこと
たに未完了の仕事があることはわかっていまし
についていちいち私に文句を言うのです。とこ
たが、それを処理する方法を知っていたので、そ
ろが、私がこのデータを勉強して以来、それは
れらはもう問題ではなかったのです。」
33
用語解説
アクノレッジする : ( 誰かに ) アクノレッジメント
を与えること。この用語解説の「アクノレッジ
メント」も参照のこと。
シグニフィカンス : 何かの質量とは対象に、それ
と結び付いたあらゆる思考、決断、概念、考
え、目的、意味のこと。
質量 : シグニフィカンスとは対照的に、実際の物
アクノレッジメント : 相手が言ったことや行為が、
体、生活の中にある物を指す。
注目され、理解され、受け止められたということ
を知らせるために、言ったり行ったりすること。 親愛の情 : 愛情、好意、あるいはその他の感情的な
受け止め方のこと。好意の程度のこと。親愛の
ウィン : 望まれている向上が達成されること。ウィ
情の基本的な定義とは、良かれ悪しかれ距離に
ンの例とは、人がコミュニケーション能力を向
関する考えである。
上させたり、幸福感の高まりを経験したり、自 直面する : ひるんだり避けたりすることなく何か
分の人生のある特定の領域に対して確信が高
に向かうこと。直面する能力とは実際、心地好
まったりすることだろう。
い状態でその場所にいて、知覚する能力である。
サイエントロジー : L. ロン ハバードによって開 否定する : 他の誰かが事実だと考えていることを、
反駁したり、おとしめたり、信用できないもの
発された応用宗教哲学。これは精神と、それ自
としたり、否認したりすること。
身、いくつもの宇宙、およびその他の生命との
「ラン
関係における研究および対処のことである。 ランダムネス : ランダムな性質があること。
ダム(random)」とは何かが特定の目的や理由
「サイエントロジー」という言葉は「知る」と
も、パターンもなく起こる様子のこと。
いう意味のラテン語 「scio」と、「言葉または
外に表れた形で、それによって内にある考えが リーチしてウィズドローする : その人が物事に対
表現され、また知られるようにされたもの」と
してよりコントロールすることができるよう
いう意味のギリシャ語 「logos」から来ている。
に、その人をそれらに慣れ親しませ、そしてコ
したがってサイエントロジーとは、知ることに
ミュニケーションを取っている状態にさせる
ついて知る、という意味である。
方法。
34
L. ロン ハバードに
ついて
この簡潔な声明以上に、L. ロン ハバードの人
なく、自分自身の健康をも取り戻すことができた
生を表すのにふさわしい言葉はありません。「私
は他の人たちを助けるのが好きです。そして、人
のです。
生を日々曇らせていた影を人が取り払うのを見
数々の発見は『ダイアネティックス : 心の健康の
ることは、私の人生における至上の喜びであると
考えています。」これらの極めて重要な言葉の背
後には、人類に対する奉仕の生涯、また誰もの念
願である幸福と精神的自由への夢をかなえるの
を可能にした知恵という遺産が存在しています。
5 年間のさらなる集中的な調査の後、ロンの
ための現代科学』として世に送り出されました。
『ダイアネティックス』は、人間の心について書
かれた初めての一般向けの手引書であり、人類に
とっては新たな希望の時代の先がけとなり、著者
にとっては人生の新たな局面を開くきっかけと
1911 年 3 月 13 日ネブラスカ州ティルデンに生
なりました。しかし彼は、自分の調査をやめたり
まれ、人生の早い時期に、彼の発見の旅と人類へ
の貢献が始まりました。19 歳になるまでに、彼は
新発見が慎重に集成され、応用宗教哲学サイエン
はしませんでした。そして 1951 年の末、相次ぐ
ジャワ、日本、インド、フィリピンの文化を調べ、 トロジーが誕生しました。
40 万キロ以上にわたる旅をしました。
サイエントロジーは生命全体を説明するもの
1929 年にアメリカに戻ったロンは、正式な教
であるため、それ以後の L. ロン ハバードの仕事で
育を再開し、数学、工学、そして当時では新しい
は、人間の存在の側面すべてが取り扱われていま
分野であった核物理学を勉強しました。これらは
す。アメリカ、イギリスのさまざまな土地に移り
すべて、継続中の調査に欠かせない道具を彼に与 住みながら彼が続けた調査は、教育水準の低下や
えるものでした。その調査の費用をつくるため、 蔓延する薬物の乱用といった社会の病に解決策
ロンは 1930 年代初期に文筆業を始め、間もなく を提示しました。
ま ん え ん
最も広く読まれる人気フィクション作家のひと
りになりました。それでも彼は自分の最初の目標
サイエントロジーとダイアネティックスに関
する L. ロン ハバードの全著作は、総計 4 千万語に
を決して見失うことなく、さらに旅と探検を通じ
も及ぶ講演テープ、書籍、文書に収められていま
す。そしてこれらすべてが、1986 年 1 月 24 日に生
て、自分にとって主となる調査を続けたのです。
第二次世界大戦の勃発とともに彼は中尉とし
て米国海軍に入隊し、対潜水艦用コルベット艦の
指揮官を務めました。戦闘中の負傷がもとで視覚
と足に部分的な障害が残り、1945 年には身体障害
が一生残ると診断されました。しかしながら、心
涯を閉じた彼の遺産となっているのです。とはい
え、L. ロン ハバードの死は決して終わりを意味す
るものではありませんでした。なぜなら、現在も
1 億冊以上の彼の著書が出回っており、何百万も
に関する彼の理論を適用することによって、彼は
の人々が向上すべく毎日彼の技術を適用してい
るからです。まさに、ロンは私たちの最も素晴ら
仲間の兵士たちを助けることができたばかりで
しい友人であると言えるでしょう。■
35
NEW ERA Publications International ApS
Store Kongensgade 53 Copenhagen K, Denmark
ISBN 87-7968-454-8
© 2001 年 L. Ron Hubbard Library. 全著作権登録済。
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において も 、 こ の作品の一部ま たはすべて を許可な く
複写、 変換、 複製、 取 り 込み、 配布する こ と は
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Scientology、サイエントロジー、Dianetics、ダイアネティッ
クス、Celebrity Centre、L. Ron Hubbard、L. ロン ハバード、
Flag、フラッグ、Freewinds、L. ロン ハバードのサイン、
先の尖ったサイエントロジーの十字架および先の丸いサイ
エントロジーの十字架は Religious Technology Center が
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