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平成 24 年版 情報通信白書のポイント

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平成 24 年版 情報通信白書のポイント
平成 24 年版 情報通信白書のポイント
■ 構 成
第1部
特集
ICT が導く震災復興・日本再生の道筋
東日本大震災の発生は我が国の社会経済に大きな影響を与えた。人口減少・高齢
化の進展等様々な課題に直面する中、日本再生に向けた取組が求められている。
これらを踏まえ ICT が震災復興・日本再生に貢献する道筋について展望する。
第 1 章:成長戦略の要となる ICT とグローバル展開
○ ICT が成長のエンジンであり万能ツール(GPT(General Purpose Technology))と
して日本再生に貢献する道筋を検証。
第 2 章:「スマート革命」が促す ICT 産業・社会の変革
○ユビキタスネットの完成、スマートフォン等の登場による ICT 産業・サービス構造
や利用者動向の変化を分析・展望。
第 3 章:大震災からの教訓と ICT の役割
○東日本大震災における情報行動等を分析し、耐災害性を備えた国づくりに果たす
ICT の役割を展望。
第2部
情報通信の現況と政策動向
第 4 章:情報通信の現況
平成 23 年度における総務省実施の承認統計・業務統計を中心に、日本の情報通信の
現状を示す最新のデータを掲載。
第 5 章:情報通信政策の動向
平成 23 年度における情報通信分野での最新の政策動向について、総務省の取組を中
心に記述。
第1章
成長戦略の要となる ICTとグローバル展開
ICT は成長のエンジンであり、あらゆる領域に活用される万能ツール(GPT(General
Purpose Technology))として、成長戦略と課題解決の要の位置にあるという観点にたち(☞
図表 1)、我が国 ICT を取り巻く現状と課題について、ICT 産業、ICT 利用部門の 2 側面から多
面的に分析。
1「ICT と成長」を巡るグローバルなトレンド
● 識字率が 50 〜 80% の国・地域でも携帯電話やインターネットの普及が広がっており、ICT は開発途上国の貧困から
の脱出ツールとしても期待 。(☞図表 1)
● 世界の ICT 市場は、年平均成長 5.4%(日本の 2 倍以上)。特にアジア・太平洋地域は 7.2% と大きな潜在成長力。(☞
図表 2)
● ICT の成長潜在力を取り込むべく、各国・地域でもブロードバンド整備や ICT 利活用を中心に戦略的取組が進む。
2 我が国を取り巻く状況
● 各
種 ICT 国際指標で我が国は「立ち止まり」傾向。通信インフラ等での優位度が縮まる一方、普及・利活用面の遅れも 。
(☞図表 3、4)
● 一方、国内市場規模の大きさ、洗練された消費者の存在や高速モバイルインターネット普及を背景としたモバイル産
業などの強みも存在。(☞図表 5、6)
3 ICT 産業の成長けん引力と国際展開
● 日本の ICT 産業は、ソフト・サービス部門は堅調に推移。しかし、ハード系の落ち込み(とりわけ輸出)が大きく、
内需主導型に 。(☞図表 7)
● 日本の ICT 企業は、株式時価総額ベースでも売上成長率ベースでも地位が低下傾向。
● 世界の通信事業者や ICT ベンダーが開発途上国も含む海外市場への進出に成長を見い出すが、我が国企業の海外進出
状況は低調 。(☞図表 8)
● アジアが世界の工場となるなか、米国 ICT 製造業は、国際展開にあたり EMS 等国際分業を意識したビジネスモデル
を活用し成功。
4 ICT 利用部門の成長に向けた課題
● 各国で ICT は経済成長に寄与。労働生産性の上昇について、資本設備の情報化要因がプラスの効果を発揮。
● 我が国の GDP 成長に対して、情報資本及び TFP(全要素生産性)の成長が寄与。TFP 成長に対しても ICT が大きく
貢献。
● 我が国の情報化進展度は部門間で大きな格差。主要国と比較すると 90 年代前半の米国と同程度。
(☞図表 9)
● ICT 化に加えて、企業改革等取組を行うことで、ICT 化の効果を享受。ICT 化と企業改革を併せて進めることが重要 。
● 教育・医療分野においても ICT 化を進めている機関について効果を確認。とりわけ医療については、患者・医療機関
等の負担軽減、地域医療の安定的供給、医療の質の向上、医療費の適正化など幅広い効果を期待。
(☞図表 10)
● 公的分野における ICT 利活用は、ICT 化の趣旨に関する認知に課題(大半が半数以下の認知)。
(☞図表 11)
● ICT を活用した街づくりは、7 割以上の自治体が肯定的回答と期待が高い。予算、データがないことや人材がいない
ことが課題として指摘。
図表 1 ICT が成長に貢献する道筋
図表 2 世界市場での ICT の成長性
■ ICT が成長に貢献する道筋
■ ICT の普及率×識字率
社会課題(成長の制約条件)解決を先導するICT
(例:少子高齢化、財政悪化、労働人口の減少、地方の疲弊)
固定電話
携帯電話
=
成長のエンジン
万能ツール︵GPT︶
利活用
内需
5.4%
4
100
50
ICT産業
2011∼2016
年平均成長率
全世界
普及率
利活用から
生じる影響
ICT利用部門
企業
家計
政府
地域別
200
需要
生産誘発
雇用誘発
など
ネット
(兆ドル)
5
150
経済成長を先導するICT
需要から
生じる影響
ICT
■世界の ICT 市場
2000年
(%)
250
0
サービス革新
生産性向上
など
3
0
20
40
識字率
60
80
100
(%)
ネット
外需
固定電話
アジア・
太平洋
2
2010年
(%)
250
携帯電話
7.2%
1
200
普及率
日 本
150
国 際 展 開
2.5%
0
100
2011 2012 2013 2014 2015 2016(年)
50
0
開発途上国の貧困からの脱出とICT
0
20
40
識字率
60
80
100
(%)
※識字率は 2000 年以降把握可能な近似値
図表 4 公的分野における ICT
の利活用
図表 3 ICT インフラ整備
2010年
韓国
50
6.00
40
5.50
30
5.00
4.50
米国
スウェーデン
韓国
韓国
0.040
デンマーク
0.035
日本
50
米国
30
0.015
20
3.00
10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0
公的機関への個人インターネットアクセス (%)
0.000
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35
固定ブロードバンド普及率(%)
米国
40
0.020
0.005
40
韓国
60
0.025
3.50
30
日本
70
0
20
バブルの大きさは
携帯電話普及率(%)
80
0.030
日本
2010年
90
英国
4.00
10
中東・アフリカ
3G比率
(%)
100
バブルの大きさはオンラインゲーム
市場規模(%:GDP比)
10
0
西欧
中東欧
図表 6 モバイルインターネット
の普及
2010年
音楽配信市場
(%:GDP比)
0.045
学校インターネット整備度
7.00
6.50
日本
20
米国
中南米
図表 5 インターネットの市場化
(音楽配信・広告・ゲーム)
2010年
バブルの大きさは
インターネット人口普及率(%)
60
アジア・太平洋
カナダ
■公的機関への個人インターネット
アクセスと学校インターネット整備度
■固定ブロードバンド普及率、FTTH
比率及びインターネット人口普及率
FTTH比率
(%)
70
日本
0.010
10
0
0
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
モバイルインターネット普及率(%)
インターネット広告市場(%:GDP比)
図表 7 ICT 産業部門の状況
図表 8 ICT 企業の国際展開
■ ICT 産業部門の経済波及効果
(生産誘発額の推移)
■貿易特化指数(ICT 関連製品)
■通信事業者の海外進出状況
■ ICT ベンダーの海外進出状況
バブルの大きさは全売上合計
40
2011年
バブルの大きさは系列
会社数+子会社数(社)
30
1
0.8
20.0
0.2
−0.2
電算機類(含部分品)
−0.4
1995
2000
2005
2010(年)
映像・文字情報制作
広告
インターネット附随サービス
情報サービス
通信(除:郵便)
放送
通信機械・同関連機器
電子計算機・同付属装置
半導体等電子部品
映像機器
−0.6
通信機
−0.8
日本企業4社
(4兆1,729億円)
10
貿易特化指数
10
欧州企業4社
(3兆1,073億円)
5
対象商品の
=
輸出額−輸入額
輸出額+輸入額
−1
(年)
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
1990
15
2010年︶
0.0
20
20
0
5.0
子会社数︵社︶
0.4
10.0
25
30
0.6
15.0
米国企業10社
(13兆2,804億円)
世界シェア︵%
(兆円)
25.0
0
0
20
40
60
80
0
0
1
■ EHR を活用した取組による効果
(2000年米国=100)
)
250
オーストラリア
英国
米国
ドイツ
日本
285.5
診療の質的向上
100
10%
4%
住民
(1,001)
自治体
(425)
67%
1985 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07(年)
インターネットで
手続きができるか
どうかわからない
セキュリティ上の
不安があるから
操作が
難しそうだから
50
(n=45)
42%
20%
10
従来のやり方
でも困らない
相手先の顔が
見えないので
信用できない
認知率:72.4%
18%
9
アジア・アセアン
40
35
30
25
20
15
10
5
利用時間が
限られている
【税申告・納税サービス】
服薬指導の質的向上
処方情報入力時間の
短縮、入力ミスの減少
医療機関間の連携強化
0
中東・アフリカ
全部が電子化
されていない
【薬局】
95.8
8
認知率:47.8%
20%
19.2
7
■サービスを利用しない理由
医療機関間の連携強化
50
6
操作が
難しそうだから
事務処理の効率化
その他
5
【電子申請サービス】
17%
診療時間の短縮による1日
あたりの診療患者数増加
167.7
157.4
欧州
(n=48)
200
150
日本
【医療機関】 2%
300
4
図表 11 公共 ICT サービスに
対する利用者意識
図表 10 EHR 活用の効果
●諸外国と比較しても最低水準。90 年代前半の米国と同程度
3
売上対自国GDP比(%)
米国
図表 9 情報化進展度比較(国別)
2
海外売上比率(%:2010年)
事務処理の効率化
利用時間が
限られている
30
従来のやり方
でも困らない
20
10
相手先の顔が
見えないので
信用できない
全部が電子化
されていない
※処方情報の電子化・医薬連携、医療・介護連携・共通診
察券の活用についての実証事業を実施している 3 地域に
対して共通アンケートを実施
40
インターネットで
手続きができるか
どうかわからない
セキュリティ上の
不安があるから
住民
(936)
自治体
(581)
※その他の公共 ICT サービスの認知率は、健康管理サービ
ス 28.0%、遠隔診療サービス 34.6%、オンライン教材
43.2%、e ラーニング 48.5%
第2章
「スマート革命」が促す ICT 産業・社会の
変革
スマートフォンの普及等によるユビキタスネット環境の完成と膨大な情報の活用の融合を
「スマート革命」ととらえつつ、その成長へのポテンシャルを、モバイル産業やメディアを中
心に産業側、利用者側両面から分析。
1 ユビキタスネットワークの完成とスマート化がもたらす「スマート革命」と諸課題の顕在化
● インターネットの社会基盤化等を背景に、ブロードバンド・クラウド・ソーシャルを経て、スマートフォン等の普及
によりユビキタスネット環境が完成。膨大な情報流通・蓄積の活用‐ビッグデータと融合し、
「スマート革命」へ 。
(☞図表 1)
● サイバー攻撃、とりわけ標的型攻撃の脅威が顕在化。97%の企業が何らかの情報セキュリティ対策を講じているが、
官民連携の強化など関係者が一体となって対策を強化。
(☞図表 2)
● 近年、サイバー空間の在り方に関して国際的議論が展開。日米共同声明で連携強化が盛り込まれるなど、我が国も積
極的に参画し情報発信 。
● ビッグデータの活用は ICT の潜在力を大きく強化。米国でも戦略的取組を開始しており、日本も戦略的資源として位
置付け。
2 「スマートフォン・エコノミー」〜スマートフォン等の普及がもたらす ICT 産業・利用者の構造変化〜
● スマートフォンは 09 年から 11 年で、世界で 2.7 倍、アジア太平洋では 4.2 倍に市場が拡大し、その伸びの相当部
分をアップル・中韓台企業(アンドロイド勢)が確保。
(☞図表 3)我が国の通信キャリアはスマートフォンへのシフト、
異業種連携など付加価値領域へのシフトを推進。
● 日本の ICT 産業(インターネット関連)は、
ネットワークの比率が 5 割を超え、
特にモバイルネットの市場規模が突出。
米国は、上位レイヤー、端末レイヤーの比重が大。
● スマートフォンの登場を背景にモバイル産業は「エコシステム間」競争に。プラットフォーム(OS(端末)
、アプリ
ストア)を確保し、アプリベンダーを取り込みながら利用者を誘導する戦略へ。利用者のスマートフォン移行により、
例えば検索や音楽配信、動画配信はグーグル、アップルの比重が高まる 。
(☞図表 3)
● スマートフォン等普及により、電子商取引等のインターネット上のサービス利用が拡大。サービス・広告・端末市場
への消費拡大による経済波及効果は年間約 7.2 兆円、雇用創出効果は 33.8 万人。
(☞図表 4)
3 地上デジタル放送完全移行とスマートテレビ・放送ソーシャル連携の加速
● スマートテレビ、とりわけ放送ソーシャル連携は、視聴者との直接のつながりや広告価値向上など放送メディア発展
に寄与する可能性。スマートテレビの国際標準化及び普及・開発に向けた基本戦略を平成 24 年 6 月に策定。
● 国民の情報メディア認識は、特に 20 代ではネットの比重が高く、文書系メディアでは、楽しみとしての重視度や話
題性において、ソーシャルメディアが新聞・雑誌を上回る。(☞図表 5)
4 ICT による新たな成長のステップに向けて(第 1 章・第 2 章を総括)
● 我が国は ICT 分野で立ち止まっているが、モバイル産業など依然優位性。ICT 分野で先行との意識を取り去り、一層
の実行力を確保。
● 日本の ICT 産業は内需型産業化。グローバル市場を視野に入れた経営戦略の強化が求められており、ハードとソフト、
ユーザー企業と ICT 企業の連携など、総合的に強みを生かして国際展開。
● 生産性向上など ICT 実装の成長効果は実証済で、行動の段階。公的分野では、ICT 化推進の意義につき認識の幅広い
定着が望まれる。
● スマートフォン等普及を我が国全体の成長のバネに活用。今後の成長が期待されるスマートテレビへの展開もにらみ
つつ、HTML5 に代表されるプラットフォームの国際標準化の重要性も増している。
図表 1 スマート革命(イメージ図)
図表 2 標的型攻撃の深刻化
■ 2011 年各月の標的型
攻撃の増加傾向
インターネット・
携帯電話の
世界的普及
●標的型攻撃の増加 1日当たり平均 77件
(2010)
→82件
(2011)
●2011年各月の標的型攻撃の増加傾向
(一日当たり平均)
「ユビキタスネットワーク環境」の実現
ソーシャルサービス
の定着
×
デバイスの進化
×
(マルチスクリーン、
M2M)
スマートフォン等
の普及
・いつでも、どこでも、PC
相当の機能でアクセス
・あらゆる人の
「つながり」を実現
M2M通信
の可能性
・Wifi普及による有線・
無線の連携
・放送のデジタル化による 通信・放送連携
・あらゆるモノも
「つながり」の対象に
スマート革命
ソーシャル
ワイヤレス
︵開発途上国を含む︶
携帯電話の発展基盤化
﹁ユビキタス﹂と﹁スマート﹂の融合
︵個人・企業・政府︶
社会基盤化
インターネットの
クラウド
・あらゆる情報がネット
ワーク上で流通・蓄積
各月の1日当たり平均標的型攻撃件数
ネットワーク環境の統合化
(クラウド・ワイヤレス)
(件)
180
154
160
140
120
100
93
82
80
108
93
78
100
77
94
50
60
40 26
20
0
30
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12(月)
■標的型攻撃・従業員規模別比率
0
20
ネットワーク、メディア・サービス、デバイス各層の「スマート化」の進展
251-500
10
501-1000
ビッグデータの活用
・ネットワーク上に極めて大量に流通・蓄積する
データを高速で収集・解析することにより、社会
経済の課題解決やサービスの付加価値向上
60 (%)
40
18
1-250
従業員2500人以下の
企業が5割を占める
8
1001-1500
5
1501-2500
9
50
2501+
図表 3 スマートフォン市場の変化とエコシステム戦略(アップル・グーグルの例)
■ 2011 年スマートフォン販売台数
■エコシステムの例(アップル・グーグル)
世界全体(OS 別)
Android 46%
iOS 19%
プラット
フォーム
3.3倍
40,000
1.4倍
20,000
44.4%
日本
アジア太平洋
北米
サービス
0.3
0.2 0.2
19.3%
欧州
8.3%
アップル
中韓台(計)
日本(計)
RIM
ノキア
その他
Google
32.6
Bing(MSN)
Indi
Market
その他
利用率:75.8% 96.3%
音楽配信サービス
●iTunesが大きく躍進、6割超に
(寡占化進む)
0.9
1.2
2.7
Android OS
端末・OS
iPhone/iPad
27.7
11.0
iTunes
レコチョク
6.7
42.1
Android端末
13.4
Amazon mp3
Mora/Mora
Win
その他
16.9
1.0
:主力サービス
LISMO Music
Music.jp
64.0
12.3
:主たる収益源
携帯電話会社
の公式サイト
goo
52.2
3G/LTE/WiFi
iOS
端末・OS
0.5
Yahoo!
49.2
31.3%
その他
0.3
13.7
17.7
(クレジットカード)
3G/WiFi ネットワーク
ネットワーク
0.7
32.5
Google
Play
クレジットカード/プリペイド
39.9%
30.8%
アプリ
コンテンツ
プラット
iTunes
フォーム
App Store
54.1%
14.6%
AdMob
(検索、
メール等)
80,000
52.7%
20.7%
コンテンツ
2.2倍
100,000
60,000
検索サービス
サード・パーティ
2.4倍
120,000
0
コンテンツ
サービス
iAd
アプリ
サード・パーティ
コンテンツ
・サービス
160,000
140,000
〈グーグル〉
●携帯電話会社の公式サイト利用が減少し、Googleが半数以上に
※赤字は2009−2011の地域全体の
台数の伸び率
4.2倍
(千台)
〈アップル〉
■スマートフォン移行による
利用サイトの変化例
利用率:22.8% 31.7%
図表 5 情報メディアの重要性認識
図表 4 スマートフォン等への移行による利用拡大効果、経済効果
■パソコンユーザーの利用率を
100 とした場合の他の端末
ユーザーの各サービス利用率
■スマートフォン等普及による
経済波及効果・雇用誘発効果
全体
情報源
算出項目
検索
250
ネット
ショッピング
150
SNS
50
推計結果
(年間)
①直接効果
36,567億円
②経済波及効果
(生産誘発額合計)
71,778億円
33.8万人
③雇用誘発効果
オンライン
ゲーム
電子
書籍
〈産業内訳〉
通信業
億円
音楽配信
■テレビ / 一般映像サイト(Youtube 等)
594
電子新聞
13,789
3,322
動画配信
37,915
フィーチャーフォン
スマートフォン
タブレット端末
パソコン
※タブレット端末は電子書籍リーダーとしての性格が顕著
10,481
886
60
20
67
91
63
19
100
80
60
40
信頼度
64
21
47
93
役立ち度
92
話題性
役立ち度
楽しみ
46
20
77
89
78
59
71
90
90
85
話題性
■新聞・雑誌 / ソーシャルメディア
放送業
情報サービス業
全体
情報源
100
映像・音声・文字
情報制作業
情報通信関連製造業
情報通信関連
サービス業
楽しみ
40 40
信頼度
10代∼20代
情報源
テレビ
その他
一般映像サイト
100 95
80
80
60
信頼度
40
73
20
20
新聞・雑誌
ソーシャルメディア
90
10代∼20代
情報源
100
80 81
60
楽しみ
50
60
76
信頼度
楽しみ
40 58
69
23
20
77
62
情報通信関連建設業
1,615
0
3,177
53
研究
一般産業
役立ち度
85
73
86
67
話題性
役立ち度
78
※利用者のうち各項目について肯定的評価をした者の比率を
レーダーチャート化
74
86
話題性
第3章
大震災からの教訓と ICT の役割
東日本大震災における ICT の役割について、被災地域や近隣地域における情報行動と、地方
自治体や企業における発災時の事業継続とその後の意向に関して分析。
1 被災地域における情報行動と ICT
● 震災発生時は即時性の高いラジオ、震災直後には双方向性を有する携帯電話・メールと映像を伴う地上テレビの評価
が高い。(☞図表 1)
● 発災直後や津波情報の収集では、即時性の高い一斉同報型ツールの利用率が高いが、一番利用率の高いラジオでも 4
割強にとどまる。
● インターネット先進ユーザでは、ソーシャルメディアを用いた即時性・地域性の高い情報収集を実現。
● 携帯電話は身近な情報端末として評価が高く、ほとんどの人が持って避難も、長時間使用不能となったことの影響に
関する指摘が多い 。(☞図表 2)
2 近隣地域の情報行動と ICT
● 地震のニュースを最初に知ったメディアは、テレビが 53.4% で最も高く、一方、SNS 等が 0.9% など、ソーシャル
メディアの比率が低い 。(☞図表 3)
● 災害関連情報の入手に最も役に立った情報源は、テレビが 63.1% で他の情報源を大きく引き離している。
(☞図表 3)
● 欲しい情報が得られた情報源は、情報源を利用した人の回答では、ニュースサイトが 87.3% でテレビ(88.2%)に
並び高い比率 。
● パソコンメールやパソコンウェブは、「全くつながらなかった」がそれぞれ 22.1%、11.3% にとどまり、つながりや
すい状態。(☞図表 4)
3 被災時における業務継続と ICT
● 全体の約 7 割の地方公共団体が震災を契機としてインターネットの活用を強化するなど、震災を踏まえて意向が変化。
(☞図表 5)
● 業務継続計画(BCP)策定済みの地方公共団体は、都道府県では約 4 割に達するが、町村では 3.5% にとどまる。
(☞図表 6)
● 大企業では BCP の策定が進む(43.3%)一方、中小企業では 14.0% と策定率が低く、企業規模により格差。
(☞図表 7)
● 震災後、地方公共団体においては全体の 79% がクラウドの導入検討。一方、大企業では 45.2%、中小企業では約 6
割が導入に消極的と対応に違いも。(☞図表 6,7)
4 東日本大震災の教訓と ICT
● 災害時は、放送・携帯電話はもちろん、インターネット・ソーシャルメディアも含め、多様な情報伝送手段を用いて「エ
アポケット」が生じないよう迅速・確実な情報提供が求められる。
● 災害時の携帯電話については、最も身近な情報端末となっており、ネットワークの耐災害性の強化、端末の機能強化
の両面が求められる。
● 災害時の業務継続の観点からは、必要性に係る認識の格差への対応や、自治体・企業が安心してクラウドを利用でき
る環境の整備が求められる。
● 震災からの復旧・復興に向けて、最先端の ICT を活用した安全・安心で未来志向の街づくりなど将来を見据えた取組
が必要。スマートグリッド通信インターフェース導入事業や東北メディカル・メガバンク計画など ICT を活用した地
域の創造的復興支援を推進。
図表 2 被災地の要望やニーズ
図表 1 震災時利用メディアの評価
■時期別の利用メディアの評価
■身近に持っていた情報端末と具体的な
要望やニーズ
震災直後には、携帯電話、携帯メール、地上波放送の有用性
(%) に対する評価が向上し、4月末には、携帯電話、携帯メール、
80
地上波放送の有用性がラジオを上回った。
震災発生時
震災直後
(%)
95.1
100
4 月末まで
震災発生時には、AMラジオの評
価が最も高く(60.1%)
、次いで
FMラジオが続いている。
60
n=328
震災発生時から4月末に至る中で、行政
機関・報道機関のホームページや検索サ
イト等に対する評価が向上している。
90
震災当初はラジオが唯一の情報入
手手段であった。しかし、地域の
被災状況などが分からず、津波被
害がいかに大きかったのを知るの
も遅れた。誰が何をしているのか
分からず非常に不安になった。
40
80
70
60
50
40
30
20.4
20
インターネット
20
30
40
50
70
80
90
100
2.2%
11.3%
16.1%
8.1%
ニュースサイト
友人等のメール・電話
ワンセグ放送
ラジオ
SNS 等(PC・携帯)
10
20
30
40
60
70
80
90
1.7
2.1
63.1
12.1
5.8
4.8
100
(%)
0.9
0.5
テレビ
家族・友人・知人からのメールや電話
電子掲示板
個人のホームページ・ブログ
Facebook
ニュースサイト(Yahoo!ニュースなど)
新聞
ネットで再配信されたテレビのニュース
ミクシィ
政府・自治体のTwitter
0.2
0.2
0
ビ
ビ
テ
レ
オ
ー
カ
携
帯
テ
ジ
カ
ー
ラ
ジ
オ
末
帯
ラ
型
ト
ッ
レ
携
12.4
38.8
29.2
21.4
60.8
18.2
10
4.9
50.5
17.9
パソコンウェブ 11.3
(n=692)
0.1
3.7 2.3
29.8
32.0
パソコンメール
(n=416)
1.5
1.4
13.3
36.8
37.0
携帯ウェブ
(n=582)
n=2,000
50
27.1
65.4
携帯メール
(n=1,528)
その他
31.6
36.0
携帯(音声)
(n=1,565)
0.6%
友人等の口伝て
ツイッター
55.1
公衆電話
(n=247)
6.7%
■情報源のうち最も役に立った情報源
0
固定電話
(n=879)
0.7%
0.9%
テレビ
ブ
■通信手段別利用しようとした人の疎通度
n=2,000
60
53.4%
タ
図表 4 震災時の近隣地域における ICT 状況
■地震のニュースを最初に知ったメディア
10
n=162
その他
図表 3 震災時の近隣地域における情報源
0
端
ン
話
コ
電
ソ
帯
パ
携
タ
ン
放送
4.3
1.2
の
他
話
電
携 話
ー 帯
ネ 電
イ
ッ 話
ン
ト
タ 携 電
ー 帯 話
ネ メ
ッ ー
ト ル
メ
地 ー
上 ル
波
放
BS 送
放
ケ
送
ー CS
ブ 放
ル 送
ワ テ
ン レ
セ ビ
グ
AM 放送
ラ
ジ
イ 臨 FM オ
ン 時 ラ
タ 災 ジ
行 ー 害 オ
政 ネ 放
機 ッ 送
報 関 ト 局
道 ホ ラ
機 ー ジ
関 ム オ
ホ ペ
ー ー
ム ジ
ペ
検 ー
索 ジ
サ
イ
ト
SN
動
イ 画 Tw S
ン 共
タ 有 itte
ー サ r
位 ネ イ
置 ッ ト
そ 情 ト
の 報 放
他 サ 送
ホ ー
電話
ー ビ
・携
ム ス
帯事
ペ
ー
業者
の災 防災 ジ
害伝 無
言板 線
・ダ
近
イヤ
隣
ル
住
民 FA
の
口 X
コ
ミ
そ
の
他
電
定
衆
イ
電話・メール
12.3
2.5
0
固
公
13.0
10
レ
0
そ
20
20
70.5
30
40
50
60
70
80
90
100(%)
使おうとしたが全くつながらなかった
ラジオ
携帯電話(スマホ含む)のワンセグ放送
政府・自治体のホームページ
専門家のTwitter
マスメディアのTwitter
使おうとして時々つながった
使おうとして全部つながった
図表 5 地方自治体における災害時の住民への情報提供
■災害時の住民への情報提供の課題
■震災を踏まえた災害時におけるインターネットの活用について
n=802
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
n=590
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
68.5
20.9
6.9
2.9
30.4
0
100
0.9
被害や避難・安否に関する情報を継続的に提供
生活情報等について、きめ細かく提供
その他
特にない
図表 6 業務継続に対する意識の変化(地方自治体)
■業務継続計画(BCP)の策定状況
0
全体
(n=800)
都道府県
(n=27)
20
60
33.5
80
19.0
5.8
33.3
25.9
29.6
0.0
24.3
1.5
27.5
未策定だが、東日本大震災前から
策定に向け検討中である
2.0
33.0
13.0
未策定だが、東日本大震災以降、
策定に向け検討中である
策定済みであり、東日本大震災を契機に
特段見直しは行っていない
5.5
34.6
50.4
全体 10.1
(n=791)
都道府県
(n=26)
市区 11.3
(n=379)
町村 7.5
(n=386)
20
40
18.8
11.3 14.5
30.8
18.5
18.9
23.1
9.0
16.4
13.7 11.9
100(%)
80
24.3
26.9
25.1
24.4
4.9
9.0
40
60
大企業
(n=699)
27.9
100(%)
80
策定済みであり、東日本大震災を契機に
見直しを行った(又は検討中である)
58.9
10.0 15.4 10.9
未策定だが、東日本大震災以降、
策定に向け検討中である
35.8
策定済みであり、東日本大震災を契機に
特段見直しは行っていない
5.5
中小企業
(n=2,277)
11.1 8.5 8.9
未策定だが、東日本大震災前から
策定に向け検討中である
66.0
未策定であり、策定に向けた
検討も行っていない
■クラウドの導入・検討状況
60
7.7
20
全体
10.7 10.9 10.1 9.4
(n=2,976)
未策定であり、策定に向けた
検討も行っていない
■クラウドの導入・検討状況
0
その他
図表 7 業務継続に対する意識の変化(民間企業)
0
策定済みであり、東日本大震災を契機に
見直しを行った(又は検討中である)
37.8
11.1
活用、強化、検討などの対応を行っている
24.7
■業務継続計画(BCP)の策定状況
100(%)
4.0
市区
8.1
(n=382)
町村
(n=391)
40
特に対応していない
77.1
ソーシャルメディア
も含めて活用を
強化している
69.6
ポータルサイトの
活用を検討している
迅速・適確な情報を確実に提供
20 40 60 80(%)
ホームページを
中心に活用を
強化している
21.0
11.5
19.8
23.6
0.0
0
震災前から導入、震災を踏まえさらに積極化
震災前から導入検討、震災を踏まえ積極化
震災前は導入検討せず、震災を踏まえ積極化
震災前から導入、震災を踏まえた変化なし
20
全体
10.2 12.8
(n=1,339)
大企業
15.7
(n=383)
40
18.4
60
20.8
100(%)
80
20.9
16.8
震災前から導入検討しており、震災を踏まえ、
さらに積極的に導入(検討)を進めている
16.1
13.6
23.2
20.6
10.9
震災前から導入検討、震災を踏まえた変化なし
震災前は導入検討せず、震災を踏まえた変化なし
中小企業
7.9 11.5
(n=956)
震災前から導入しており、震災を踏まえ、
さらに積極的に導入(検討)を進めている
20.4
19.9
21.1
19.2
震災前は導入検討していなかったが、震災を
踏まえ、積極的に導入(検討)を進めている
震災前から導入しており、
震災を踏まえた変化はない
震災前から導入検討しており、
震災を踏まえた変化はない
震災前は導入検討しておらず、
震災を踏まえた変化はない
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