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脱水について
脱水について 県立山田病院 臨床検査室 二ッ森 秀一 ●脱水症 水分と電解質(主にナトリウム)が不 足した状態の事 ●熱中症 高温の環境で発生した健康障害の 総称 ちなみに 日射病は炎天下(屋外)での運動や労働で 汗をかき、汗で体液が減り、脱水病状態に なり起こる症状 熱射病は体の熱を十分に発散できないで、 熱が体にこもってしまい、高い体温に体が 対処し切れなくなった状態です(冬の室内 でも起こりえます) 【熱中症の度合い】 Ⅰ度 めまい、たちくらみを自覚する 筋肉痛、足がつる、こむら返りがある 汗が止まらない Ⅱ度 頭痛、吐き気、嘔吐を認める 全身倦怠感(だるさや疲れ)を自覚する。 Ⅲ度 意識障害を認める けいれんが起こる 体温が高くなる 応急処置として 熱けいれん 生理食塩水(0.9%の食塩水)を補給 熱失神・熱疲労 涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を補給 熱射病 直ちに全身に水をかけたり、濡れタオルを当てて身体を冷やす。 また、首すじ、脇の下、大腿部の付け根などの大きい血管を水やアイスパックで 冷やす方法も効果的です。足を高くし、手足を末梢から中心部に向けて マッサージするのも有効です。 吐き気やおう吐などで水分補給ができない場合には病院に運び、点滴を受け る必要があります 万が一熱中症が起きてしまった時、適切に応急処置を する必要がありますが、以下のひとつでも当てはまれ ば、すぐ医療機関に連れて行きましょう •本人の意識がはっきりしていない •自分で水分や塩分(ナトリウム)が摂取できない •症状がよくならない カラダにとって不可欠な体液が不足した状態 を「脱水症」と言います 脱水症とは単なる水の不足ではありません 「カラダから水分が失われるだけではなく 電解質も同時に失われた状態」のことです 高張性脱水 等張性脱水 低張性脱水 高張性脱水 等張性脱水 低張性脱水 高張性脱水(水欠乏性脱水) 発汗の亢進、水分摂取の極端な低下などに より、水分が不足した状態 →細胞内液の減少 〈原因〉 ・不感蒸泄の増加 ・水分摂取の極端な低下 ・渇中枢の障害 ・尿崩症 高張性脱水 等張性脱水 低張性脱水 低張性脱水(ナトリウム欠乏性脱水) →下痢・嘔吐などにより水分の喪失以上に電解質の 喪失が著しい状態。 →血漿中の電解質濃度および血漿浸透圧の低下を伴う。 〈原因〉 ・嘔吐、下痢 ・吸引による消化液の消失 ・腎臓のNa保持機構の障害(食塩損失性腎炎・アジソン病) 高張性脱水 等張性脱水 低張性脱水 等張性脱水(混合性脱水) →水とナトリウムの両方が欠乏す る 〈原因〉 コレラ、出血、下痢、熱傷など急激 に細胞外液が失われる場合 脱水症の 分類 水欠乏性(高張 性)脱水症 混合性(等張性)脱 水症 食塩欠乏性(低張性) 脱水症 のどの渇き ある 弱い ない 口の中の乾燥 ある ある ない 食欲不振 ない ある ある おう吐 ない ある ある めまい ない ある ある 倦怠感 ない ある ある 頭痛 ない ない ある こんな時は、水分だけでなく塩分 (電解質)も多く失われます!! かくれ脱水 熱くなると汗をかくことで、体は内部の熱を 外に出します。 自覚症状のない脱水を 「かくれ脱水」 隠れ脱水で「脳梗塞」 「心筋梗塞」のおそれ 水分が不足することで血液が濃縮され、 血液の流れが悪くなったり血栓ができる などして、脳や心臓の血管が詰まり恐 れがあります 脳梗塞の前兆 •感覚障害 •物がつかめない •うまく喋れない このような兆候があったらできるだけ早く 病院に行くこと。 心筋梗塞の前兆 ・胸の痛み ・吐き気 ・冷や汗 このような兆候があったらで きるだけ早く病院に行くこと 。 かくれ脱水の症状 ・夜に足がつる 運動不足の場合と違うところは、つる場所が移動 右の足や左の足がつったり、上の方や下のほうがつったりと移動 •大量の汗をかく •集中力の低下 いつも普通にできている仕事や家事が時間が長くかかる ・めまい •食欲不振 •立ちくらみ •しびれ・脱力 かくれ脱水や脱水状態を見分ける方法 握手をして手が冷たくなっている 手の循環が脱水症のひとつのサインとなので、循環が悪 くなると冷たくなる 手の親指の爪を押す 親指の爪を白くなるまでギュッと押してから離し、元の爪 の色に戻るのに3秒以上かかる場合、脱水状態になって いる可能性がある 手の甲の皮膚をひっぱる 手の甲の皮膚をひっぱり、元の状態に戻るまで3秒以上 かかる場合 みなさん、快適な夏を 過ごしましょう