Comments
Description
Transcript
セイフティネット! 100年に一度の危機を救える? 孫への教育資金贈与
NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE セイフティネット! 孫への教育資金贈与! 100年に一度の危機を救える? 本当に使える?使えない? 相続に商機を見出す金融機関! 孫への想いは伝わるか? そのメリット、デメリットは? の 30年分 ! 愛情 資金 教 育 今年度税制改正の目玉の一つである「教育 資金贈与の非課税制度」がこの4月からスター ト。15年からの相続税の増税もあり、相続や 贈与への関心が高まっています。金融機関の 競争も過熱する中、制度の実態は? 今注目の教育資金贈与 ●信託銀、滑り出し上々? 祖父母が孫に贈る教育資金を預かる信託銀行 の新サービスが上々の滑り出しです。4月開始 で、大手信託銀行4行の5月末までの申込額は 約700億円、契約数は計約10,000件と当初 の想定を大きく上回っているとか。 <主な銀行の「教育資金信託」> 銀行名/愛称 三菱UFJ信託 利用額 主な特徴 10万円~ 学費支払い前にお金を引 「まごよろこぶ」 1,500万円 き出せる「前払い」に対応 三井住友信託 利用者とその家族に定期 預金や住宅ローン金利優遇 「孫への想い」 5,000円~ 教育資金の払い出し状況 (愛称なし) 1,500万円 などを祖父母等に送付 りそな銀行 孫への思いを書き込める メッセージカードを契約時配布 「きょういく信託」 みずほ信託 Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved ●今年の税制改正の目玉?! 教育資金贈与の非課税特例は、今年の税制改 正の目玉とも言われ、制度に対応した商品を信 託銀行などが発売を開始。孫1人あたり1,500 万円まで教育資金として金融機関に預けると贈 与税が非課税となる制度で、高齢者層に集中す る資産の移転が進めば、子育て世代の教育費負 担を軽減し、消費好転につながりそうですが。 ●2年9ヵ月の期間限定の制度! みずほ信託銀行では70歳前後の祖父母を中 心に、高校・大学生の孫に贈与するケースが目 立つとか。三井住友銀行も今月から専用預金を 開始。りそな銀行は制度終了の2015年末まで の目標件数の1割近くを4月中に達成。 ●手数料が無料のワケは? 意外にも、これらの新商品、手数料 は大半が無料です。預金や住宅ローンの金利優 遇などの付帯サービスもあり、各行とも、この 商品で儲けるのではなく、顧客の囲い込みが目 的のようです。大手銀行の信託業務への本格参 入もあり、今後、顧客の奪い合いは激化しそう。 ●背景には相続税の増税が! 各行、好調の背景には2015年からの相続税 の増税があるようです。三井住友信託銀行が2 月と3月に開催した税制改正セミナーでは、参 加者が昨年の6,000人から9,000人と5割増。 改正後の相続税額や贈与信託の商品内容につい ての質問が多かったとか。 ●祖父母の45%「贈与したい」 教育資金贈与の非課税制度について、電通の 調査によると、祖父母の制度の認知度は高く、 約半数が贈与の意向ありという結果に。これは 関東1都6県居住の小学生以下の孫がいる50歳 NEWS RELEASE 2013.6 NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE 以上の祖父母2,000人を対象に行なったもの。 同制度を「よいと思う」との回答は52%で、祖 父に限ると6割近くが肯定的な評価。サポート したい費用は大学の費用が最多でした。 ●「教育資金一括贈与の特例」登場 制度を知っていますか? 聞いたことがある 知っている 61.8% 23.7% 85.5% 検討したい37.9% 44.5% サポートしたい費用は? 0 10 20 そこで登場したのが今回の特例(教育資金の 一括贈与の1,500万円非課税制度)です。 制度の概要 贈与を考えていますか? 贈与したい6.6% 大学の費用 高校の費用 スホ ゚ーツ芸術等 塾・予備校 留学費用 語学費用 幼稚園・保育園 ただし、大学入学の資金として300万円を孫 に渡し、実際の入学金等が100万円だった場 合、剰余分の200万円は生活費と主張しても贈 与になります。 孫と同居して いると52.1% 30 40 44.2% 26.2% 19.8% 14.9% 14.4% 14.2% 14.2% (調査:電通) ◆父母・祖父母等が孫等に対して、教育目的の資金 を一括贈与した場合、金融機関に信託等をして行な われる場合には贈与税が非課税となる。 ◆この制度の非課税枠は1,500万円と多額であり、 教育目的の贈与に限ることから、要件や手続きが厳 格になっています。 非課税限度額1,500万円 祖父母 ③拠出 孫口座 ④払出 ⑦保管 ①贈与契約 ⑧調書 (終了時) 税務署 非課税制度を詳しく見る 孫 金融機関 ⑥領収書 ②非課税 申告 (金融機関経由) ⑤ 支払 学校等 ●孫が30歳になるまでに? ●そもそも教育資金は非課税! <その他の留意点> 非課税と聞くと飛びつきたくなりますが、そ の功罪を考えてからでも遅くはありません。今 回の特例ができる前でも、教育資金の贈与は非 課税です。この制度が新聞等に取り上げられる ようになって初めて、現行でも孫への教育資金 は非課税であることを知った人が多いとか。 ①子や孫(ひ孫含む)への教育資金で、贈与を受 けた孫等が30歳までに教育資金として使ったもの が非課税になります。 ②銀行等に支払った教育資金の領収書等を提出し て教育目的の支出があった記録を受けます。 ③孫等が30歳に達した時、銀行等の管理契約は終 了し、一括贈与額から教育資金支出を差し引いた 残額は30歳時の贈与として課税されます。 ④この特例適用の預け入れ期間は2013年4月1日 から2015年12月31日までの限定。 贈与税の非課税財産 国税庁HP等より ◆扶養義務者から生活費や教育費に充てるためにも らった財産で通常必要と認められるものは非課税。 (直系血族である祖父母は扶養義務者) ◆教育費とは学費や教材費、文具費などをいいます (入学金等も含みます) 例えば、充分に収入のある息子を差し置い て、祖父が孫のために私立高校から医科大学の 学費を出してあげたとしても、贈与税はかかり ません。教育資金は親以外が出してはいけない という規定はありませんし、扶養義務者間の教 育資金の拠出は問題なしとされています。 ●まとめて渡すと問題が・・・ NEWS RELEASE 2013.6 教育資金の一括贈与 課税の繰延べ 精算(30歳達齢時) 教育資金として 使用した部分 非課税 左記以外の 部分 課税 *30歳達齢年分の贈与として ●どんなものが教育資金になる? 海外の学校や国内のインターナショナルスク Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE NEWS RELEASE ールも対象になります。学校への支払い以外に も、専門学校・予備校・学習塾・スポーツやダ ンススクール・ピアノや絵画教室などの費用も 対象になります(500万円限度)が、いずれも 領収書や証明書が必要です。受講料以外に、そ の教室指導で買った物品等も含まれます。 <デメリット> メリット・デメリットは? 相続税の節税にもなり、最高1,500万円を 一度に贈与して非課税というのは魅力的で す。でもこの制度は贈与をしてそれで終わり ではありません。非課税制度というものの、 納税猶予に近く、孫が30歳になる時点で精算 をする必要があります。使い切っていれば良 いわけではなく、教育費以外に使ったものが あれば、その時点で贈与を受けたことに。 ●業界からの強い働きかけ! 信託銀行が大々的に宣伝していますが、銀行 や証券会社でも適用が可能です。その場合は信 託方式ではなく、教育資金管理契約に基づい て、銀行に預金または、証券会社で有価証券を 購入します。この非課税制度の導入にあたって は、信託銀行業界から強い要望と働きかけが あったようです。 ●1,500万円でも足りない? 子ども1人にかかる教育費用は、ある試算で は幼稚園から大学まですべて国公立の場合で約 1,100万円、すべて私立の場合は大学が文系な ら約2,400万円、理系になると約2,500万円。 まだ小さい孫への贈与なら1,500万円の限度額 いっぱいでも使い切ってしまうのです。 ●こんな場合には効果大! やはり相続対策としては大きな効果がありま す。祖父母が高齢で体調も悪く、相続まで充分 な時間がない時でも、孫に教育資金を贈与する だけで、相続財産を減らし相続税の軽減を図る ことができます。例えば、孫5人に1,500万円 ずつ贈与すると7,500万円の財産削減。実効税 率50%の方なら3,750万円もの節税に。 ●元気なうちに一括贈与! 祖父母が元気な時に、「孫の大学資金は出し てあげるね」と約束していても、その後認知症 になり成年後見人が付くと、まとまった額を引 き出すことはできません。元気なうちに教育資 金を一括贈与してもらうのもお勧めです。 <メリット> ●孫の教育資金を生前に一括して援助できる。 ●孫の教育資金を援助することで、直接の扶養 義務者である孫の親世代の経済的な負担を軽減。 ●相続税の節税効果(相続開始前3年以内の贈与 でも相続税計算への持ち戻しなし) Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved ●事務手続きの手間がかかる(領収書の提出等) ●運用可能な資金が長期に拘束され、目的外の引 き出しは将来(孫30歳時)贈与税がかかる ●計画的に公正に実行しないと、将来の相続時に 揉める原因になる(遺留分の問題等も) ●「出口」に気をつけたい! ●一括贈与の意外な落とし穴 もう一つ忘れがちなのが「心」の問題です。 せっかく孫を想って贈与をしても、まとめて もらった孫からすれば実感がなく、時間が経 つと有難味も薄れてしまうもの。教育資金に 限らず、必要な額をその都度、孫に会って渡 した方がいいという声も。 ●祖父母が亡くなったら・・・ 教育資金管理契約の終了時、つまり孫が30 歳になった時、教育資金以外に使った残額が あれば、その時点での贈与税がかかります。 2015年以降、直系尊属から20歳以上の子や 孫への贈与は税率が緩和されますが、教育資 金管理契約終了時に祖父母が亡くなっている 時は緩和税率が適用できないという不合理も。 ●類似会社名にご用心! 新商品投入で金融機関の競争も激化してい ますが、信託銀行・信託会社と類似する会社 名を使っている金融機関にはご用心。会社名 や商品に疑問を感じたら信託協会や金融庁に 問い合わせを。 ●心の贈与で想いを伝える 孫の将来の幸せを考えるなら、別な形で想 いの伝わる贈与をしたいものです。単に現金 を渡すのでなく、中長期的運用の高利回りの 金融商品や保険などで、将来、祖父母の愛情 が伝わるような贈与を考えてはどうでしょう。 NEWS RELEASE 2013.6