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12月号(PDF/1.08MB)

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12月号(PDF/1.08MB)
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2012 年 12 月号 ■NOTICIAS■ 国際協力機構アルゼンチン事務所 ■NOTICIAS■
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01 プロジェクト便り
「第三国研修 『貧困人口向け食糧安全保障 (Pro Huerta)』」
山本フアン・カルロス 次長
02 ボランティア便り
「私の職場」
美邉暾 シニア海外ボランティア(生産性向上)
03 日系社会便り
「アルゼンチンで進む日系起業家育成の取り組み!」
日系若手起業家育成集団 『REN』
三須裕二 職員
04 文化コーナー
「アルゼンチンにおける科学技術振興」
山本フアン・カルロス 次長
05 安全対策コラム
「外国人観光客が多数来訪。この時期は、安全対策に特に留意!」
小野由美 企画調査員
第三国研修「貧困人口向け食糧安全保障(Pro Huerta)」
山本フアン・カルロス 次長
今年、JICA は、10 月 15 から 26 日まで当地において国立農牧技術院(INTA)、社会開発省、外務省とと
もに、第三国研修「貧困人口向け食糧安全保障」を実施し、
中南米諸国やアンゴラ、モザンビークから 18 名の研修員
が参加しました。この研修は、アルゼンチン政府が、20
年間以上に亘り、貧困人口を対象に、野菜の自家生産によ
る栄養バランスの取れた食料を確保することを目的とし
て取り組んできた Pro Huerta 計画を他の中南米諸国やア
フリカ諸国にも紹介するものです。
INTA が社会開発省の予算でアルゼンチン国内で実施し
ている Pro-Huerta 計画は、現在、約 350 万人の受益者を
対象としており、約 3,750 の市町村にて約 65 万ヵ所の菜園(家庭菜園、学校菜園、協同菜園)と約 14
万ヵ所の小農園(鶏、ウサギ等の小動物の飼育を含む)が設置されています。本プログラムの指導・促進
には、約 700 人の技術者、約 20,000 人のプロモーター(市民団体のボランティア)が活動しており、強
力なネットワークが構築されています。また、地域ごとに構
築されているこのネットワークを通じ、プログラムの活動で
ある種子や雛の配布(無料)
、研修・普及、巡回指導、モニ
タリング等が実施されています。
この第三国研修実施期間中の 10 月 16 日、社会開発省主催
により「世界食料デー」記念イベントが開催され、現大統領
の義姉であるアリシア
キルチネル社会開発大臣、INTA 総
裁、FAO 当国事務所所長とともに JICA アルゼンチン事務所
武田所長も出席し、上記イベント参加者約 1000 人に対し、
JICA の三角協力への取り組み、本研修実施の意義等についてスピーチを行い、JICA の協力を関係者に広
く PR しました。同イベントには、多数の政府要人や関係団体、市民に加え、本コースの研修員も招待さ
れ、社会開発大臣、INTA 総裁のスピーチでは、三角協力を通じ域内周辺国やアフリカ地域への Pro Huerta
の普及を支援している JICA の協力に対する謝意が述べられました。さらには、この第三国研修にこれま
で参加した研修員の協力を得て作成された、身近な野菜を使って作る簡単な各国料理の紹介カラー冊子
「Cultivos y sabores de nuestra América」の出版も発表され、現物が関係者に配布されるとともに、
同イベントに参加した今年のコースの研修員も同イベント
の参加者に紹介されました。
本研修は、2008 年から、5 年間の計画で開始されました
が、2010 年、同年 1 月の大地震によって大きな被害を受け
たハイチで実施している Pro Huerta 計画の実施体制の更な
る強化を図るため、ハイチ向け特設コースを特別に実施さ
れたことから、2013 年まで実施することになりました(ハ
イチ向けコースを含め計 5 回)
。今年は、アンゴラ(2)
、キ
ューバ、エクアドル(3)
、グアテマラ、ハイチ(2)、モザ
ンビーク(3)、パナマ、ドミニカ共和国(2)、ベネズエラとグレナダの 10 カ国から計 18 名参加し、これ
まで 5 年間で、88 名が同コースに参加しています。
Pro Huerta 計画は、アルゼンチン政府が中南米諸国他で実施している南南協力の「目玉商品」の一つ
であり、最も実施している年数が長く、規模も大きなものです。ハイチでの協力が良く知られていますが、
コロンビア、エクアドル、キューバ、アンゴラ、モザンビ
ーク、ニカラグア等でも Pro Huerta に関する協力が実施さ
れています。
ハイチにおいては、現在、ハイチ農業省と米州農業協力
機構(IICA)の協力を得て、2005 年より協力が開始されて
おり、その後、カナダ、スペイン、国際機関も加わり、現
在、国内の 10 県の内の 6 県で推進されています。
(2012 年
9 月現在、26 名の技術指導員(ハイチ人 23 名、アルゼンチ
ン人 3 名)の指導の下、コミュニティのボランティア・プ
ロモーター約 2,206 名が活動中。16,438 世帯、103 学校、
77 市民団体が菜園を設置し、約 12 万人の栄養改善に寄与。)
これまでのハイチにおける我が国の三角協力での関与は、第三国研修でしたが、今年度は、ハイチ農業
省への専門家派遣も予定されており、Pro Huerta 事業を含めたハイチでの食料安全保障の強化が期待さ
れるところです。
最近では、この第三国研修に参加した多くの帰国研修員が、自国で Pro Huerta やこれに類した活動を
試行していることもあり、既に関係国では彼ら同士のネットワークも構築されています。上記の各国料理
の紹介カラー冊子の作成の他、昨年からは、INTA は、e ラーニング・プラットフォーム(ムードル)を用
いて帰国研修員を対象としてフォローアップを実施したり、研修期間中は、ストリーミング技術の応用に
より、いくつかの講義は、インターネットで生放送され、世界中どこからでも視聴できるようにもなって
います。
私の職場
:
国立工業技術院(INTI)
美邉暾 シニア海外ボランティア
指導科目:生産性向上
私はブエノスアイレス市の西 20 数kmのサンマルティン市にある国立工業技術院(INTI)の中小企業
の経営・生産管理を支援する部署で、同技術院の普及員を支援
しています。職場は総勢7人。今まで JICA の多くのシニア海外
ボランティアや専門家の指導及び JICA を通じた日本での研修に
よって、日本の生産性向上・品質管理の手法に関する知識レベ
ルは非常に高いものがあります。習った知識の中には 3S(整理・
整頓・清掃)のように「どこでも真理」もあれば「日本の特定
企業でのみの合理性」もあります。
こうした活動環境の中において、私の役割は、
「
『INTI の中小
企業の経営管理に関する普及員』が現実のアルゼンチンの問題
解決に対し、これら
の知識を適用し、あるいは新しいやり方を自分なりに考えて実
行する。
」ことを支援することであると考えています。例えば、
工場訪問に際しては、これに同行し、普及員と先方のやりとり
を見て、探りを入れながら、さりげなく課題を投げかけます。
「回答を教えるのではなく、考えるように仕向ける」ことを心
掛けます。
例えば、食品添加物
製造会社で、材料倉庫
で期限切れの材料を
見た時、在庫管理の一
つの定石「先入れ・先出し」
(スーパーマーケットが先駆者)を
話題にします。普及員も先方の技術者もこの言葉は知っているの
ですが、現実のイメージが薄いのです。私は作業者を演じて、近
くからだけ材料を取ります。ある程度減ると注文し入庫。すると
奥には何時までも古い材料が残り、ついには期限切れ。このよう
な場面を意図的に作ります。「Claro!!!」と言ったのでどうなる
か楽しみです。
「ジャスト・イン・タイム」や「在庫ゼロ」とか表面的な「凄いこと」を真似る前に「ご
く普通のこと、しかしながら、やるべきこと」が沢山ある毎日です。
また、意外にも、この職場は「素材・製品技術」や「製造技術」そのものには余り触れません。「習っ
てない。
」、
「自分達の役割ではない。
」からでしょうか。しかしながら、素材・製品や製造技術を理解して
いた方が先方とより上手く仕事がやれるはずだし、「品質管理」に踏み込むには必須ではないかと思うの
です。一口に「素材・製品」や「製造技術」と言っても、金属(鉄・銅・アルミ・チタンなど)やプラス
チック・ゴムなど素材の作り方をはじめとして、二次加工品たとえば鋼材、合金、カーボンファイバー等、
さらには、プレスなど機械加工、溶接、メッキなど技術は多岐にわたります。電気・電子製品ですとまた
違った技術があり大変です。しかしながら、「当面は〇〇まで、将来は〇〇まで」と大まかな絵を描きな
がら仕掛けてみたいと思うこの頃です。
アルゼンチンで進む日系起業家育成の取り組み
-日系若手起業家育成集団 「REN」三須裕二 職員
アルゼンチンには、中南米で第 3 位の規模とされる 3 万人以上の日系社会があります。そして今日、
これら日系社会の方々は、農業のみならず、医師、歯科医師、弁護士、会計士、技術者、商業等、様々な
分野で、それぞれにプロフェッショナルとして活躍している方々が尐なくありません。
こうした中、各方面で活躍する優秀な若手日系青年により運営され、後進の指導として日系人の若手起
業家の育成を行なっている日系起業家ネットワーク(以下「REN」
)という非常にユニークな団体がありま
す。
「REN」(コーディネーター:山尾マルコス氏)は、2010 年に設立された任意団体で、協力者は現在7
人。メンバーは、極めて尐人数ですが、アルゼンチン社会の第一線で活躍する日系の公認会計士、外資系
企業幹部、日系人の若者の人材育成を推進している日系団体会長等で、真の意味での尐数精鋭のビジネス
界の日系青年プロ集団です。主たる活動は、大きな、かつ強い志を抱く日系の若者の人材育成で、協力者
が講師となり起業セミナーを開催しています。(研修期間:2 ヶ月間、週1回 4 時間)
ブエノスアイレスには、様々な大学が、起業家を目指す人材のためのワークショップやセミナーを実施
していますが、
「REN」が伝えたいのは、
「日系というアイデンティティーをどの様にビジネスフィールド
で活かすか。」であるとしています。
具体的には、独自のテキストを使用し、ビジネスマネージメント、ビジネスプランの立案、マーケティ
ング等、起業のために必須な知識を修得する内容で構成されている他、受講者は、コースの修了時、ビジ
ネスプランの提出が義務付けられ、事業開始後もモニタリング支援があります。また、受講生が策定した
ビジネスプランが優れたものである場合、
「REN」が起業に際しての資金を融資する制度もあります。過去
2 年間に計 15 名の日系の若者が同セミナーで学び、うち 2 名が、自分のビジネスプランに基づき起業し
ました。
「REN」幹部は、優秀なかつ気概をもって起業を志す日系人の若者の人材育成に積極的に関わりたいと
しており、受講者からは資料代、場所代等の実費のみを徴収し、講義やモニタリング支援等については、
講師陣がボランティアで行っています。
かつて国際的な大手会計事務所に所属し、現在は、独立して公認会計士として活躍しており、
「REN」の
設立に深く関わった山尾マルコス氏は、
「私たちがプロフェッショナルとして培ってきた経験、人脈など
を次の日系世代に引き継ぐことによって、日系社会から将来のビルゲイツとなるような人材を輩出した
い。」としています。
「REN」の活動は、まだ歴史が浅く、尐人数の組織ですが、このように強いプロ意識を有した日系青年
同士が切磋琢磨することで、優秀な日系青年同士の連帯意識が深められているのも事実です。そして、現
地社会の第一線でプロとして活躍できる能力を備えた日系青年の人材育成は、今後の日本と日系社会の関
係を考える際にも今後もますます重要になってくるのではないかと考えます。
アルゼンチンにおける科学技術振興
山本フアン・カルロス 次長
1.アルゼンチンにおけるこれまでの科学技術振興
アルゼンチンは、5人のノーベル賞受賞者の内、ラテンアメリカにおける初代の生理学・医学分野の受
賞者であるベルナルド・ウッセイ(1947年度の生理学・医学賞(カール・コリ、ゲルティー・コリ夫妻と
共に))を始めとして、ルイス・フェデリコ・ルロワール(1970年度の化学
賞)とセーサル・ミルスタイン(1984年度の生理学・医学賞)と計3人の生理
学・医学分野でのノーベル賞受賞者を生んでいます。しかしながら、優秀な
科学者を育成しているにも拘らず、アルゼンチンにおける科学技術分野への
投資は、必ずしも多くはありませんでした。
1950 年代は、国家科学技術研究審議会(CONICET)
、国立農牧技術院(INTA)、
国立工業技術院(INTI)、国立原子力委員会(CNEA)等の設立など、アルゼンチ
ンにおける現代の科学技術研究の体制が整備されましたが、その後も予算の
制約や頭脳の流出等により、科学技術の研究は、長年、停滞した時期が続き
ました。
2.近年の状況
しかしながら、近年、アルゼンチンは、新たな動きを見せています。2003 年に発足したキルチネル政
権以来、経済成長の持続性を中長期的に維持するための重要な施策として、「建国 200 周年 科学技術革
新国家戦略 2006~2010 年」の推進等を通じ、積極的な科学技術政策を実施してきています。また、2007
年には、現大統領のクリスティーナ・フェルナンデス政権の発足とともに、科学技術・生産革新省が新設
され、現在、「科学技術革新
国家計画 2012~2015 年」に取り組んでいます。
この結果、2003 年から 2010 年の間、研究者数が 66%、研究実習員数が 240%増大した他、科学技術予算
の著しい伸びが確認されています。人口 1,000 人当たりの研究者数も、1.8 人(1997 年)から 3.1 人(2011
年)に増加しています。また、2004 年には 0.44%であった研究開発投資の GDP 比は、2008 年には 0.52%
に伸びましたが、未だ中南米諸国の平均値(0.67%)を下回っています(OECD 諸国の平均値:2.29%)。
(出
典 2012 年「科学技術革新
国家計画 2012~2015 年」
)
アルゼンチンにおける科学技術分野の特徴は、民間部門の比重の低さであり、民間部門が研究開発投資
に占めるシェアは、僅か 29.3%であり(OECD 諸国:63.8%)、また、民間部門に従事する研究者の割合は僅
か 9.6%(2009 年)です(ブラジル:28.2%、メキシコ:37.65%、OECD 諸国:64.85%)
。
(出典 2012 年「科
学技術革新
国家計画 2012~2015 年」)
3.科学技術振興関係機関と現況
アルゼンチンにおける科学技術研究は、科学技術・生産革新省の傘下にあり、科学技術の促進機関であ
る国家科学技術研究審議会(CONICET)との連携のもと、主に大学で行われています。この他、国立の研
究機関として国立農牧技術院(INTA)、国立工業技術院(INTI)、国立原子力委員会(CNEA)、国防科学技術研
究所(CITEDEF)、地質鉱業調査所(SEGEMAR)、国立水研究所(INA)等が存在します。
CONICET は、科学技術研究の振興・資金面での支援、研究者の認定・昇級、研究者の人材育成、研究施
設の運営等を所掌する政府機関であり、18,000 人以上の
人員(2011 年現在、
研究者
約 6,300 人、
実習員 約 8,800
人、研究補助員 約 2,300 人、事務員
約 900 人)を抱
え、185 ヵ所の研究施設(直営施設、大学との共同運営
施設等)を運営しています。CONICET における研究従事
者は、研究者(investigador)と実習員(becario)に大
きく区分されています。研究者は、更に初級研究者
(asistente、27.7%)
、准研究者(adjunto、32.5%)、独
立研究者(independiente、24.8%)
、主任研究(principal、
11.2%)、上級研究者(superior、3.9%)に区分され、他方
実習員は、ポスドク(19.5%)
、或いは博士課程(80.5%)の大学院生で、研究者の指導の下で研究に従事
する人材です。
全国の国立大学(47 校)では、総計
約 32,000 人の教員・研究者が登録されており、そのうち、約 7,000
以上の研究プログラムに参加している約 20,000 人が研究者として手当てが支給されており、そのうちの
29%が CONICET の研究者として登録されています(2009 年)。
他の主要研究機関で特筆に値するのは、国立農牧技術院(INTA)と国立工業技術院(INTI)です。
INTA は、農業部門の競争力強化を目的に設立された研究・普及機関であり、約 6,600 人の人員を抱え、
15 の地域センタ-、47 の試験場、313 の普及所と 16 の研究所からなる 4 研究センターを運営している機
関です。他方、INTI は、中小企業を中心とした製造業部門の加工技術の向上を主目的に設立された研究・
技術指導機関であり、約 2,600 人の人員を抱え、42 の技術センターを運営している機関です。
これらの機関は、双方とも過去 20 年以上に亘り、JICA の様々な協力案件において先方実施機関でもあ
ったことから、JICA とは、非常に密接な関係を有してきた機関でもあり、今日においても技術者の多く
が日本の技術に対する尊敬の念と日本に対して特別の親近感を有してくれています。
4.「科学技術革新
国家計画 2012~2015 年」
現在、政府が打ち出している「科学技術革新 国家計画 2012~2015 年」では、経済の競争力の向上と
住民の生活水準の改善を目指した inclusive でかつ持続可能な生産革新の促進を長期目標として掲げて
おり、科学技術革新システムの強化(人材、研究インフラ、組織、制度)と革新・起業家精神の促進を中
短期目標とし、優先して取り組むべき分野は、以下のとおりとしています。
 アグロインダストリー: 品種改良・種子生産、農食品加工
(高たんぱく粉、変性油、機能性食品等)バイオ精製(バイオエネルギー、ポリマー、化成品)等
 環境・持続開発:
 社会開発:
環境データの収集・保存・共有、水資源管理、環境劣化の修復等
インクルーシブ・イノベーションに向けたな社会的経済
(ソーシャルエコノミーとローカル・ディベロップメント)
ハビタット(住宅、ソーシャル・インクルージョンに向けたエネルギー、運輸、通信)等
 エネルギー: 太陽光エネルギーの活用、分散型発電・インテリジェント・ユーティリティー・ネ
ットワーク、第二世代バイオ燃料製造用代替作物と製造技術等
 工業: 自動車部品(鋳造、新素材、成形)
、天然資源の高付加価値化(エレクトロニクス産業にお
ける金、銀、銅等の利用)エレクトロニクス部品、医療機器等)
 医療分野:
バイオシミラー(モノクローナル抗体を含む生物製剤)
感染症(シャーガス病、デング熱)
、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病)等
本計画は、2015 年までに研究開発に対する投資の GDP 比を 0.63%(2011 年)から 0.74%~1.0%、人口
1,000 人当たりの研究者数を 3.1 人から 4.1 人~5.5 人、国家予算に占める科学技術予算の比率を 1.87%
(2011 年)から 2.45%に上げることを目標値として掲げています。
また、科学技術・生産革新省は、研究者の増員を目指し、海外在住のアルゼンチン人研究者の帰国を奨
励するプログラムを推進し、その結果、これまで約 1,000 人の研究者が海外からアルゼンチンに帰国しま
した。
アルゼンチンのこうした動きに対し、米州開発銀行(IDB)も研究施設インフラの整備(約 10 万㎡床面
積が不足)
、組織強化、人材育成等への支援を中心とした借款(3 件)を供与しています。
このように近年、アルゼンチン政府は、科学技術振興に積極的に取り組んでおり、我が国の科学技術協
力についても関心が高まっています。日本側からも大学、研究機関の研究者らが当国に来訪し、将来の協
力の可能性についてアルゼンチン関係機関(多くがかつて JICA が協力した機関)と協議がもたれていま
す。この背景としては、当国の関係機関や人材が、比較的高いレベルにあることに加え、我が国の協力に
対するニーズも高い一方で、アルゼンチンが日本にはない地理的条件を有する等、日本との相互補完関係
が成り立っている事情があるのです。
こうした状況を踏まえ、JICA としても日亜間の科学技術協力の拡充に向けて取り組んでいるところで
す。
外国人観光客が多数来訪。この時期は、安全対策に特に留意!
小野由美 企画調査員(ボ)
例年、クリスマス及び年末年始の時期を中心に、夏季休暇を利用して JICA 関係者のみならず、多くの
外国人旅行者が当国に来訪します。このため、旅行者が犯罪被害に遭遇する危険性も非常に高くなります。
特に今年は、9 月以降、数回に亘り、一般市民や労働組合関係者による大規模な反政府抗議運動等が行
われている他、最近では、当国の複数の都市でスラムの住人などによるスーパーでの集団商品略奪行為な
ども発生している状況から、当国への渡航に際しては、これまで以上に十分注意する必要があります。
皆様におかれましては、日頃から十分留意されているとは思いますが、万が一、当地への旅行中にこう
した集団反政府運動、集団での商品略奪行為等に遭遇した場合は、大変危険ですので、絶対に近づかない
ようお願いします。
また、これまでと同様、旅行者が、ケチャップ・マスタード強盗等の犯罪被害に遭うケースも尐なくあ
りません。旅行者がカメラを首にぶら下げて、ガイドブックを見ていたりすると、絶好のターゲットにな
るため、カメラ等は鞄に入れ、常に周囲の状況に十分な注意を払いながら行動することを強くお勧めしま
す。さらには、可能な限り周囲の人々と同じ速度で歩くように努め、くれぐれも犯罪のターゲットとされ
ないよう十分気を付けて下さい。
平成 24 年 12 月-119 号
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