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2016 年度実施計画

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2016 年度実施計画
2016 年度実施計画
日本製薬工業協会
目
次
【2016 年度実施計画】
1.コード・コンプライアンス推進委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.産業政策委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
3.流通適正化委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
4.医薬品評価委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
5.ICH プロジェクト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
6.品質委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
7.バイオ医薬品委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
8.薬事委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
9.知的財産委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
10.研究開発委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
11.国際委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
12.環境安全委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
13.広報委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
14.患者団体連携推進委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
15.くすり相談対応検討会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
16.医薬産業政策研究所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
17.事務局・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
【参考】
2016 年度事業方針および事業計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
2016 年度実施計画
1.コード・コンプライアンス推進委員会
【重点課題】
1.製薬協会員会社のコンプライアンス強化(各種ルールの周知徹底を中心に)
(1)企業行動憲章およびコンプライアンス・プログラム・ガイドラインに則った研修や講演
を実施し、会員会社の意識の向上を図る。
(2)製薬協コードの運用徹底のため必要に応じて通知等を発信し、会員会社への周知・理解
促進に努める。
(3)コンプライアンス関係諸規程を必要に応じて見直し、会員会社への周知・理解促進に努
める。
2.透明性ガイドラインに基づく適確な公開の推進
(1)会員会社が情報公開に関する準備をスムースに実施できるように、わかりやすい運用モ
デルや Q&A を構築する。
(2)情報公開に関する理解と協力を得るため、医療関係団体等への理解促進活動を実施する。
(3)社会の納得性を考慮した公開手法・様式について検討する。
3.各種ステークホルダーとの連携強化
(1)前述1,2の取り組みを進めるために各種ステークホルダーとそれぞれ必要に応じて情
報交換を実施し相互理解を深める。
(2)製薬業界と医療関係者の適正な交流について各種ステークホルダーとの間でコンセンサ
スを醸成し一層の連携を目指す。
4.IFPMA 等との関係強化、情報収集、および情報発信の実施
(1)IFPMA コード・コンプライアンス・ネットワークに積極的に参画し、日本国内のみな
らずグローバルな観点からのコード遵守体制の構築に協力し、製薬業界全体の信頼向上に
貢献する。また、その内容を必要に応じて委員会活動に反映する。
(2)IFPMA を中心とした国際的なコード、コンプライアンス関連のアウトリーチ活動に積
極的に参画し、国内製薬業界におけるコンプライアンス水準の向上、製薬業界全体の信頼
向上に貢献する。
【その他】
1
(1)委員会活動の充実を図るために、必要に応じた部会およびタスクの設置と医療用医薬品
製品情報概要審査会、およびその他関連する委員会との連携を図る。
(2)会員会社への製薬協コードの周知・理解促進、および会員会社のコンプライアンス向上
に向け、必要に応じ自主的な改善を求めるための措置をとり、場合によっては処分審査会
と連携する。
【製品情報概要審査会】
1.審査対象の拡大と対応する審査体制の確立
(1)審査対象の拡大
提言「原則として、新薬に関する広告すべてを対象とし、審査を行うこと」に対応し、
審査対象素材を拡大する。
(2)審査運営、体制の刷新
審査対象の拡大に対応するため、グループ審査の導入、電子審査の導入など審査会予
備会議の審査運営を刷新するとともに、審査会委員の増員を含めた審査体制の拡充を追
求する。
2.作成要領運用の充実
(1)作成要領の解説の追記、審査会レポートの充実を図り、各社の作成要領運用の充実を推
進する。
(2)事例説明会を実施し、ルールの徹底を推進する。
(3)審査結果の公表
3.会員各社を対象とした新たな研修体制の構築
資材に関する責任は、第一義的には会員各社にあることから、製品情報概要審査会としては、
各社での審査をサポートする施策を検討していく。
(1)年 1 回行っている研修会を見直し、より実効性の上がる研修体制を構築する。
(2)審査結果について、会員会社間でのより具体的な共有方法について検討する。
4.医療関係者等からの苦情窓口の設置
具体的なスキーム・実施時期を検討し、適切な時期に設置する。
2.産業政策委員会
2
【重点課題】
1.革新的新薬およびイノベーション創出の観点からの総合的な検討
研究開発型製薬産業を取り巻く環境変化や施策動向を把握・分析し、産業政策の要である
イノベーション推進方策、薬価制度、税制について、革新的新薬やイノベーションの創出等
の観点から、総合的に検討を行い、提言・対応を行う。また、官民対話や常設委員会で対応
できない課題、緊急事案等について的確に対応し、主張すべき内容、方向性等を整理する。
検討や対応に当たっては、関係団体と連携するとともに、医薬産業政策研究所の研究・調査機
能を活用する。
2.イノベ-ションを適切に評価し、研究開発型製薬産業の成長に資する薬価制度の実現
薬価制度に関する中央社会保険医療協議会等における議論を踏まえつつ、イノベ-ション
を適切に評価し、研究開発型製薬産業の成長・競争力強化に資する薬価制度の実現に向けて
検討・対応を進める。新薬創出等加算の趣旨に反する特許期間中の市場拡大再算定のあり方、
特にイノベーション創出に逆行する「特例拡大再算定」については、その廃止等に向けた提言
を積極的に行っていく。
3.関係各省や日本医療研究開発機構等と連携した革新的創薬創出のための環境整備
健康・医療戦略のフォローアップを行うとともに、健康・医療戦略に盛り込まれた革新的
新薬の創出を支援する施策等について、その実効性が確保され、製薬産業にとって真に有益
なものとなるよう、関係各省、各種会議体等に対して適時的確に提言等を行う。また、革新
的新薬創出のための環境整備について、創薬ベンチャーの育成・エコシステム構築を含め、
関係各省や日本医療研究開発機構等と連携して、諸課題に関し検討・対応を行う。
4.研究開発を促進し、国際競争力強化につながる税制の構築に向けた検討・提言
製薬産業の研究開発促進、国際競争力強化に資する税制について検討を行い、2017 年度税
制改正要望案を取りまとめる。特に研究開発税制の見直しが予定される中、その維持拡充を
実現すべく対応する。また、特別試験研究費税額控除制度の活用促進に取り組む。
5.「産業ビジョン 2025」の理解促進と実現に向けた取組・フォロー
「産業ビジョン 2025」の実現に向け、関係委員会と連携して実現方策等の検討を行う。
また、
「産業ビジョン 2025」等を活用して製薬産業の将来の方向性、役割・貢献について、広
報委員会等と連携し、ステークホルダーに対し理解促進を図るための活動に取り組む。
【インターナショナル・トレード・コミッティ】
3
【重点課題】
1.第 5 次医薬品関税撤廃の早期実現
昨年から引き続き、第4次関税撤廃実施の事務作業における反省から、第 5 次以降、でき
るだけ欧米と同タイミングで実施できるよう INTERCEPT の一員として種々の取り組みを行う。
(1)INTERCEPT 関連の諸会議への積極的参加と共同行動
(2)厚生労働省、外務省、財務省、経済産業省、農水省等関係する官庁への協力要請
(3)第 5 次の審査に関して、日本の関税当局が早い段階からテクニカル・レビューに参加
するなど、関税撤廃実行プロセスにおける欧米と日本の違いを理解した上で、同時期で
の実施実現に向けた方策を積極的に検討する。
(4)FTA、EPA 等の枠組みによる関税撤廃の可能性やその影響等についても検討する。
2.薬機法への対応
調査・情報収集活動・啓蒙活動の継続および他団体との連携・協力
・海外製造業者によるマスターファイル登録制度・外国製造業者認定制度の導入、GQP・GMP に関する
取り決め事項の締結など改正薬機法に関連した対応が進んでいる。今後とも薬機法令および関
連法令の遵守および適切な運用を目指し、製薬協内関連委員会、関連業界・団体と密接に連携・
協力して対応していく。
3.貿易諸問題への対応
研修会、講演会等の実施および各委員同士の情報交換
・海外も含め製造業者への委受託も増加しており、それに伴う輸入および輸出の貿易拡大によ
り発生する薬機法、関税法、化審法等の法令がらみの種々の問題に対応するため、研修や情報
交換を通じ各委員の理解や見識を高め、業界としてのレベルアップを図っていく。
3.流通適正化委員会
【重点課題】
1.医療環境の変化等による製薬企業~卸売業~医療機関等での商取引および物流全般に係る
事項について、現状分析・課題解決に必要な検討を行う。
・
「医療用医薬品の流通改善について(緊急提言)」および「医療用医薬品の流通改善の促進に
ついて(提言)」を受けた流通改善の取組状況と流通環境の変化について、現状分析・課題
解決に必要な事項を抽出し、調査・研究を行う。また、流改懇や川上 WT に対応した調査・
検討を行う。
2.医療保険制度改革や流通改善が進展する中で、製薬企業および MR 等のプロモーション活動
に及ぼす影響や課題を検討する。
4
・医療保険制度・薬価制度等に係る環境変化(後発医薬品使用促進策の進展、アンメットメ
ディカルニーズへの対応等)および医療用医薬品流通の質的な変化(流通改善の進展、異業
種の参入、情報活動における ICT の積極活用等)、並びに MR 等の活動環境の変化を考慮しつ
つ、患者・国民の視点から見た製薬企業のプロモーション活動の今日的なあり方について、
関係団体とも連携しながら調査・研究し、情報を共有する。
3.診療報酬制度、薬価制度を中心に、関連法規、行政規制、医療保険制度等の動向を把握・調
査し、医療用医薬品流通への影響を評価・検討する。
・医療用医薬品流通に係る環境変化、特に薬価制度、薬価改定および診療報酬改定について、
当業界に与える影響を把握し検討する。また関連法規、行政規制、医療保険制度等の動向を
把握し、今後の流通に与える影響について、調査・研究を行う。
4.医療用医薬品の新バーコードに関する製薬企業、卸売業、医療機関等の対応、活用状況の把
握と医療用医薬品の流通への課題等を検討する。また、医療分野における ICT 施策が医療用医
薬品流通に及ぼす影響を検討する。
・製薬企業や卸売業、医療機関等における新バーコードへの取組みや活用状況等を調査・整
理し施策推進に及ぼす課題等を検討するとともに、策定した提言内容の業界内外への周知、
現状と向かうべき方向性の差異を検証する。また、医療に関する政府 ICT 施策が、医療用医
薬品流通に与える影響について調査・研究を行う。
5.医療用医薬品取引の更なる合理化に資するために、医療用医薬品流通全体の継続的な動向
把握や調査ならびに医薬品取引システムの取り組み課題の整理など、必要となる検討を行う。
・医療用医薬品取引データ交換システムに対する更なる合理化・標準化にむけたニーズ調査、
課題整理や検討を行うとともに、必要に応じて業界標準マニュアルの改訂や関係団体と交
渉・周知を行う。また、流通全体の今日的取組みを把握し、情報システムの専門的立場から
情報化の方向性など調査・研究を継続する。
4.医薬品評価委員会
【重点課題】
1.臨床開発の効率化および成功確率の向上に向けた新薬開発方策への取り組み
「臨床研究・治験活性化 5 か年計画 2012」に係る事業に関する関係行政当局との対話を通
じて、日本の臨床研究・治験の高品質化を目指した取り組みへの支援を継続するとともに、
AMED 事業およびクリニカル・イノベーション・ネットワーク構想の推進を通じて、研究から
5
開発まで一貫した創薬支援による成果の取り込みを含め、日本における医療イノベーション
に当局と協力して取り組む。また、PMDA が推進する申請時の電子データ提出と PMDA 自らに
よるデータ解析など、レギュラトリーサイエンスの高度化への取り組みについても積極的に
協力していく。
医療機関に対しては、各種シンポジウムや講演会を通じて、事務手続き簡略化につながる
優秀な治験ネットワークの育成やリスク・ベースド・モニタリングを可能とする各施設での臨
床試験推進能力向上など、開発期間短縮、開発効率の向上や成功確率の上昇に向けた働きかけ
を継続する。
2.開発から市販後まで一貫した安全対策に向けた取り組み
副作用報告義務違反での行政処分など業界の信頼を損なう事案等が発生したことを受け、
開発から市販後まで一貫した安全管理体制の更なる充実を図る。また、関係当局とリスク管
理手法に関する具体的な論議を進め、ベネフィット・リスク評価の更なる検討に加え、医療
関係者への RMP の理解促進のための活動を進めることで、RMP の定着・浸透を図る。また、
GPSP と ICH E2E との整合性をとり、より科学的な視点での安全性監視活動ができるような方
法を検討し、広範な安全性評価の一つの手法として、医療情報データベースの活用方策を引
き続き提言していく。
3.創薬、育薬に向けた新規技術、標準化、効率化の研究
個別化医療・核酸医薬・再生医療など新規医療関連の環境整備、創薬・育薬に向けたガイ
ドラインの整備、医薬品の研究開発に活用できる疾患レジストリの構築への提言、電子化対
応を含む標準化のための新規技術の研究、研究開発の効率化手法の検討、グローバル開発戦
略方策の検討、医療情報データベースを新薬開発に活用できる環境整備等を進め、医療イノ
ベーションに向けた取り組みに活かしていく。
4.国際標準、国際連携に向けた国際展開への取り組み
ICH、IFPMA、APAC 等アジアでの活動等を通して、ガイドライン、各種マニュアル、共同指
針等の策定、国際共同治験の円滑な実施等、標準化、連携、協力に向けた国際展開方策を進
める。また、国際的な薬事関連の動向において医薬品評価委員会に係る事項(臨床データ開
示、ヘルシンキ宣言)についても適切に連携していく。
5.医薬品開発に関する社会の理解を得るための活動
日本製薬工業協会の患者団体との連携活動を支援するとともに、基礎研究・治験・臨床試
験の意義、医薬品の安全対策、医薬品産業の役割等について社会の理解を得るための日本製
薬工業協会の啓発活動に協力し、併せて委員会活動の成果を積極的に社会に開示していく。
また、患者申出療養・拡大治験等のアクセス制度、先進医療の見直しなどの未承認薬への
6
アクセス向上や、臨床データ開示を含む臨床試験の透明性向上への対応など、国内外の当局
の動向を踏まえ広く社会からの理解を得られるよう活動を行っていく。
5.ICH プロジェクト
【重点課題】
1.新トピックの検討と提案、新トピック 5 ヵ年計画の推進、進行中のトピックのステップアッ
プ、新トピック小委員会における提案、現行ガイドラインの維持・更新、ガイドライン実施の
推進
2.厚生労働科学研究「医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエン総合研究事業」として、国
際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性および安全性に関する研究への協力
3.ICH の成果の普及の一環として、ICH 地域会議、ICH 即時報告会、ICH ガイドライン説明会等
の開催、国内外で開催される ICH 関連会議への支援
4.ICH 管理委員会に設置されている Communication 小委員会・Training 小委員会の活動を通し
て、医薬品規制調和の活動を行っている非 ICH 地域や国への ICH ガイドラインの普及のための
支援
6.品質委員会
【重点課題】
1. GMP 部会
(1)海外ガイダンスウォッチャー活動、PIC/S GMP ガイド翻訳活動による海外の GMP に関す
る規制動向把握と会員会社への伝達
昨年に引き続き、従来の情報収集業務(中国 SFDA、台湾 TFDA、EMA、米国 FDA、WHO
のホームページ等に掲載の最新情報の検索、製薬協国際委員会および各社からの個別情
報収集)に加え、特定の検索テーマとして会員会社に周知すべきと認められた情報、改
訂著しい EU-GMP、PIC/S GMP、および WHO-GMP の改訂版の翻訳、および WHO 情報の翻訳・
紹介等を適宜 GMP ニュースに掲載予定である。尚、PIC/S GMP 関連の改訂については、
翻訳プロジェクトにて適宜会員へ配信する予定である。
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(2)アジア関連諸国の GMP 関連法規調査
APAC(アジア製薬団体連携会議)活動の一環として、PMDA が実施する PIC/S と協働の
海外向け GMP セミナーに、本年度は講師の派遣や査察トレーニングの場として国内製造
施設を提供し、アジアを中心とした各国査察官の GMP レベルの向上、査察頻度の低減、
MOU(査察に関する相互認証の覚書)や MRA(相互承認協定)締結活動等を支援する。
(3)Q7-IWG、Q11-IWG および Q12-EWG 等、ICH の GMP 関連課題への支援
ICH 品質グループと連携し、Q7-IWG メンバーの業界側トピックリーダーおよび副トピ
ックリーダーとして、昨年度作成した Q&A の説明会を PMDA と実施する。Q11-IWG は電話
会議などを開催し、2016 年 6 月に Step 2 を目指す。Q12-EWG は来年度も引き続き対面会
議を開催し、2016 年末に Step 1 を目指す。
2. 製剤研究部会
(1)新医薬品の開発段階におけるバイオアベイラビリティー(BA)および生物学的同等性(BE)
評価の検討、改善案の提言を行う。
後発医薬品等の生物学的同等性評価のあり方に関する研究班からの依頼に基づき、
Biopharmaceutics Classification System(BCS)に基づき高溶解性に分類される薬物
について、添加剤要件と溶出試験データによりヒト BE 試験を省略できるとする BE ガイ
ドライン追補案の作成を進める。また、生物学的同等性ガイドライン検討委員会からの
依頼に基づき、「粉末吸入投与製剤の BE ガイドラインの作成」および「局所皮膚適用
製剤の後発医薬品のための生物学的同等性試験ガイドライン改定の必要性についての
検討」に協力し、提言を行う。
(2)本邦に IVIVC に関する考え方を取り込むことの可能性、また、IVIVC の考え方の取り扱
い方を検討する為に設立された厚生労働科学研究 IVIVC WG へ参画し、検討を推進する
為の情報提供と業界の要望をベースにした行政への提言を行う。
(3)小児用製剤の設計に関する欧米の規制を調査するとともに、2015 年度に実施した小児
用医薬品に関する RA サイエンス研究班(小児用医薬品の早期実用化に資するレギュラ
トリーサイエンス研究)との協業の中で顕在化した小児用製剤の製剤設計・製剤技術上
の課題に対して、解決に有効な対応を図ることにより、日米欧に最適な小児用製剤の設
計目標を設定する上で有益な情報を提供することを目指す。
(4)2018 年の ICH Q トピックに上がることが予定されている新規生産技術である連続生産
について理解を深め、連続生産を実施する上、また、承認を取得する上での課題を抽出
する。また、それら課題に対する業界側の考え方の規制当局への提言を目指し、構築す
る。
(5)明確なガイドラインの無い高活性物質の取り扱いについて、環境安全委員会 高薬理活
性物質取り扱い分科会(原薬にフォーカス)と協業のうえ、各社の製剤製造における高
活性物質の取り扱い方法等の状況を共有し、基本的な考え方や管理手順、事例に基づい
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た Q&A を取りまとめる。
(6)治験薬の有効期間を設定する手法、および開発段階に応じた規格設定につき各社の状況
を共有し、製薬協としての共通認識を取りまとめる。
(7)活動の成果の産官学での共有および公知化を目指す。
3. ICH 品質グループ
(1)Q11(原薬出発物質の定義)の調和
(2)Q12(医薬品ライフサイクル、変更マネジメント)の調和
7.バイオ医薬品委員会
【重点課題】
1.国のバイオ医薬品関連施策の動向把握、製薬協提言のフォロー・進捗評価ならびに関連施
策に関する提言
2013 年 6 月に国が纏めた「日本再興戦略」には革新的医薬品やバイオ医薬品・再生医療な
どの先端技術の研究開発が重要施策として位置づけられ、その後発表された「健康・医療戦略」
には、バイオ医薬品の研究開発に関する施策が述べられている。さらに、厚生労働省が纏めた
「医薬品産業ビジョン 2013」では、バイオ医薬品に係わる基盤の遅れを課題と捉え、まだ開
発余地の大きいバイオ医薬品の開発促進とそのためのインフラ整備を今後の産業施策の一つ
としている。これらのバイオ医薬品に関する施策は、2012 年 3 月にバイオ医薬品委員会にて
策定した政策提言をもとにした内容となっており、その具体的な実施に関し、各府省の担当部
署と十分に意見交換を行い、また、日本医療研究開発機構による支援の内容を注視し、提言の
意図に沿った形で進められるよう働きかける。また、提言に関する具体的な施策として、バイ
オ医薬品製造技術開発に係わる人材育成に取り組むとともに、バイオ医薬品における製造技術
開発の重要性についてステークホルダーへの理解促進を図る。さらに、2015 年 9 月に発表さ
れた「医薬品産業強化総合戦略」においても、バイオ医薬品振興に関する支援策が打ち出され、
このような政府施策と連携して、よりレベルの高い成果に結びつくよう、バイオ医薬品委員会
の活動を推進する。
2.バイオ医薬品の製造販売承認申請書記載事項の調査・研究「モックアップの作成」
バイオ医薬品においては、化学薬品原薬・製剤において示されている製造販売承認申請書
の具体的な記載例が示されていない。
バイオ医薬品について、特に抗体医薬については多くの承認実績が積み重ねられてきたこ
とから、品質を確保するために必要な記載という観点から、製造販売承認申請書の記載につい
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ての調査・研究を行い、具体的な記載例案(モックアップ案)の作成を行った。作成した記載
例案(モックアップ案)について当局と意見交換を行う(具体的には、厚労省の研究班等にも
参加し、その中で意見交換を行う)。
3.バイオ医薬品における製剤添加剤に関する日本と欧米の違いに基づく課題の調査・研究
製剤添加剤に関して日本と欧米で使用できる量に関して違いが存在する。そのために生
じる課題を明確にし、今後の対応を検討する。
4.再生医療・細胞治療の調査・研究
再生医療は次世代医療として大きな期待をもたれており、「健康医療戦略」においても重点
化されている再生医療の進歩について調査・研究を行なう。改正薬事法(略称「医薬品医療機
器等法」)の施行に伴い発出された通知について、さらに理解を深めるために、過去の通知、
ガイドラインについて調査研究を進めるとともに、作成が予定されている再生医療等製品の製
造販売指針の執筆にも、関係団体と連携を取りながら協力する。また、必要により厚労省の研
究班等にも参加し、意見交換を行う。
5.ワクチンをめぐる政治的・政策的環境変化に即応した規制・制度関連の課題への取組み
予防接種・ワクチン分科会および 3 部会の動向を把握するとともに、必要・機会に応じて行
政・規制当局と意見交換を行い、製薬協の考えを提言していく。
8.薬事委員会
【重点課題】
【申請薬事部会】
1.総合機構と製薬協等業界団体とで構成する治験相談、審査、調査、国際共同治験の各 WG に
おいて、製薬協の他委員会と連携しながら、開発段階から承認までの総合機構の各業務の効
率化や次世代審査等の推進へ向けての検討およびその他の諸問題についての解決策の検討お
よび提言を行う。
(1)(審査 WG では、総合機構の第三期中期計画で策定された総審査期間の目標達成に向け
て、更なる審査プロセス等の効率化について検討し、提言を行う。平成 28 年承認品目の
審査状況に関するアンケート調査については、平成 27 年承認品目の調査を振り返り、調
査目的および調査内容の見直しを行い政策研と協同して実施する。
(2)審査 WG では、平成 28 年 10 月から開始される申請電子データの提出および Gateway の
利用が円滑に実施されるように、総合機構に対して必要な情報の早期提供を要望し、その
10
効率的な運用についての提言を行う。さらに、ICH プロジェクト委員会、医薬品評価委員
会と協力し、eCTD Ver.4 の導入も含め、審査等の電子化が総合的にかつ効率的に運用さ
れるような施策を総合機構に対して提言していく。
(3)治験相談 WG では、先駆け総合評価相談の運用状況を注視し、改善点があれば総合機構
に提案する。また、人道的見地からの治験に関する相談についても製薬企業の負担軽減の
観点から、その方法等について提言する。その他、従来の事前評価相談制度の在り方など、
治験相談制度をさらに有用なものとするための検討を行う。
(4)調査 WG では、GCP 管理シートを用いた適合性調査の運用方法、および申請電子データ
提出に伴う信頼性調査手法の継続課題の検討に加え、薬事規制環境の変化に応じた適切か
つ効率的な信頼性調査手法等、新たな検討事項にも取り組み提言を行う。
(5)国際共同治験 WG では、関連する ICH E17 の Step Up を見据え、国際共同治験に関する
基本的考え方等を見直し、必要に応じて改訂あるいは修正する事項がないか検討する。ま
たグローバル開発において新たな課題がないか、テーマ化も視野に入れて検討する。
2.医療上の必要性の高い医薬品を迅速に医療現場に届ける制度や迅速な開発・承認等について
検討し、提言を行う。
(1)平成 28 年から施行する人道的見地からの治験の実施状況を注視し、企業が実施する主
たる治験の進捗や承認申請、審査に影響を及ぼさずに患者の医薬品へのアクセス拡大が
可能となる制度となっているかどうかを確認し、改善点があれば提言する。また、平成
28 年度から施行となる患者申出療養制度についてもその実施状況を注視する。
(2)希少疾病用医薬品については、平成 24 年に実施したアンケート調査で得られた課題
について、現状の改善状況や新たな課題について検討を行い、提言する。
(3)医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の枠組みについては、未承認薬迅
速実用化スキームや要望募集の方法、検討会議の経緯等に注目し、問題点があればその
改善策を検討して提言する。
3.開発段階から承認申請、審査、さらには市販後にかけての諸問題について、薬事委員会シン
ポジウム等の開催およびレギュラトリーサイエンス学会等公の場での発表など、積極的にアカ
デミアや当局(厚生労働省、総合機構)と議論する機会を設ける。
(1)新たな薬事的課題をテーマとした薬事委員会シンポジウムを平成 28 年度中に開催し、
当局やアカデミアと活発な議論を実施する。
(2)レギュラトリーサイエンス学会第 6 回学術大会でのシンポジウムの企画、ポスター等の
発表を実施する。
(3)その他、オープンな場で議論する機会についても検討する。
【薬事制度部会】
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4.「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律」をはじめとする
関連の法令および GMP の PIC/S 加盟後の規制運用の動向を注視するとともに、これら関係法令
や規制が企業経営にとって効率的なものになるよう、他団体および関係委員会と連携をとりな
がら提言を行う。
(1)「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律」をはじめと
す
る関連の法律、政省令および通知等が、企業経営を阻害するものとならないよう提言に向
けた検討を行う(コンビネーション医薬品他)。
(2)本邦の医薬品製造販売承認書の記載内容および変更手続きについて、ICH Q12 の議論も
注視しながら、より確実で効率的な維持管理を行えるよう調査・研究を行い、必要に応
じ提言を行う。
(3)わが国の PIC/S 加盟に伴う GMP 適合性調査関連省令および通知の運用について調査検討
を行い、必要に応じ効率的な制度とすべく提言を行う。
5.製薬企業のみならず第三者から見ても問題のある薬事規制の運用面について、実態および国
際的整合性を考慮しながら提言を行う。
(1)輸出手続き(輸出関連証明書)について、課題を整理し合理的な輸出制度について検
討、提言を行う。また、医薬品医療機器法施行規則改正に伴う税関限りの輸入手続きが
適正に運用されるよう、引き続き調査、検討を行う。
(2)承認事項の変更制度が諸外国と異なっていることを踏まえ、承認内容の変更方法等に
ついて引き続き検討し、提言を行う。
(3)総合機構の審査関連業務(簡易相談を含む)に関して、効率化、合理化および適正化に
向けた検討を引き続き行い、その方策について提言を行う。
(4)(承認申請の際の手数料納付手続きに関して、効率化および合理化の観点から提言を行
う。
6.レギュラトリーサイエンス学会等、公の場での発表などを通して、今後の薬事に関連する法
律(制度)のあり方について学および官と議論する機会を積極的に設ける。
(1)レギュラトリーサイエンス学会第 6 回学術大会において、薬事制度関連のシンポジウ
ムを企画し、当局やアカデミアと議論する。
(2)その他、オープンな場で議論する機会についても検討する。
9.知的財産委員会
12
【重点課題】
1.知的財産に関する国際的課題への取組みの推進
グローバルヘルス(医薬品アクセス、顧みられない熱帯病)、生物多様性条約(遺伝資源・
伝統的知識)および偽造医薬品対策等の知的財産に関わる国際的な諸課題について、国際機関、
海外政府機関および社会に対して課題解決に向けた働きかけを推進する。
そのために、IFPMA、海外製薬団体(PhRMA、EFPIA など)、国際商業会議所および国内関係省
庁等と連携し、内外動向に関する情報収集、課題抽出、課題解決策の検討、解決に向けた行動
を行う。
特に重要な課題として医薬品特許の権利化および権利行使の制限に係る問題について、
IFPMA および海外製薬団体と連携して取り組む。製薬協は韓国対応の担当なので、韓国につい
て、主導的に対応を行う。
主な具体的活動の例は、
(1)IFPMA/IIPT 委員会および国際商業会議所(ICC)のへの参画
(2)海外製薬団体(PhRMA、EFPIA など)および他産業団体との共同
(3)WIPO、WTO、CBD 等における日本政府、IFPMA および国際商業会議所の活動のサポート
(4)専門家および関係省庁との課題解決に向けた勉強会
(5)課題解決に向けた調査・研究
である。
2.知的財産制度の国際調和への取組みの推進
知的財産制度の高いレベルでの国際調和に向けて、国内関係省庁および海外製薬団体等と連
携し、EPA および特許庁間会合等の2国間および多国間協議並びにパブコメ対応等を通じて海
外政府機関への働きかけを推進する。
主な具体策は次の 2 点である。
(1)各国知財制度の問題点について国内関係省庁と協議を行い、2国間および多国間協議で
の日本政府の活動をサポートする。
(2)対応する海外製薬団体との共同およびパブコメ対応を行う。
3.知的財産推進計画等のライフサイエンスに関する課題解決推進
知的財産戦略本部の知的財産推進計画および健康・医療戦略推進本部 等の政府の知的財産
に関する計画に対し、
(1)特許期間延長制度
(2)職務発明制度
(3)医療知財戦略
(4)AMED との連携
(5)知財紛争処理システム
13
(6)TPP に基づく制度改正 等
のライフサイエンスに関する諸課題を提起し、それらの解決策を実現するために、政府の活動
に協力すると共に、他団体、関係省庁と積極的に協議・折衝して実現推進に努力する。
具体的には、次の機会を利用して製薬協としての意見を発信する。
・あるべき特許期間延長制度の検討を行い、可能ならば政府等に提言を行う。
・改正職務発明制度に基づくガイドライン等のフォロー。
・医療関連発明の適切の保護について検討し、提言を目指す。
・AMED との意見交換。
・政府審議会、調査研究会等への委員派遣
・関係省庁との協議・折衝
・パブコメの提出
4.知的財産に関する製薬協としての情報発信の推進
知的財産に関し幅広く情報を収集し、有識者や関係者との意見交換を実施すると共に、知的
財産に係る製薬協としての諸提言を積極的且つ効果的に外部発信し、その実現を推進する。
具体策として、公開セミナー等を情報発信の場として活用することなどである。
10.研究開発委員会
【基本方針】
本委員会は、製薬企業の研究開発力を高めるために必要な諸事情を調査、検討し、会員相互の共通の
諸問題の解決を図ることを目的としている。また、ライフサイエンス研究に関連した政府の施策への提
言をおこなう。
【重点課題】
1.ライフサイエンス関連の科学技術政策のフォローと提言
(1)国の健康・医療およびライフサイエンス分野の施策への提言
(2)産業政策委員会と連携し、健康・医療戦略参与会合や創薬支援ネットワーク協議会など
を通じた健康・医療戦略推進本部への具体的な提言
(3)アカデミア発創薬支援やバイオバンク整備など日本医療研究開発機構(AMED)の創薬
関連事業との連携
2.創薬研究に関わる科学技術基盤の整備と強化
(1)新規基盤技術の創薬研究への応用方策の検討
(2)創薬研究効率化の推進と環境整備への提言
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3.臨床研究の推進および基盤整備
(1)質の高い臨床研究の推進方策および基盤整備に関する検討
(2)個人に応じた医療および予防医療の推進への取組みの検討
4.創薬のための産学官連携促進
(1)産学官連携を促進するための仕組み・あり方の検討
(2)創薬のためのオープンイノベーションの検討
5.アジア製薬団体連携会議(APAC)創薬連携活動の推進
(1)アジア製薬団体連携会議(APAC)創薬連携ワーキンググループへの協力
11.国際委員会
【基本方針】
グローバル化が進展する事業環境の中で、多様化する国際委員会活動を「国際展開」
「国際協調」
「国際貢献」の3つの柱に整理/集約し、目的を明確にしつつメリハリある活動を展開する。日
本政府との連携、製薬協他委員会との協働、PhRMA・EFPIA・IFPMA や在外日系企業グループとの
連携などを強化し、外部への発信力を強めると共に、国際舞台での会員各社の事業活動へ委員会
活動が寄与できるよう、有益情報のフィードバックにも努める。
「国際展開」 主としてアジア市場の環境改善に主眼を置き、官民協働で会員企業の海外展開を支援
する活動
「国際協調」 欧米先進国の政府・製薬団体と協調し、グローバルな課題の解決を図る活動
「国際貢献」 グローバルヘルス課題に対し、日本政府はじめステークホルダーと協働して解決
を図る活動
【重点課題】
1. 国際展開:主としてアジア部会担当地域での活動。 重点地域を中国、韓国、台湾、アセア
ン他(タイ・インドネシア・マレーシア・ベトナム・シンガポール・フィリピン・インド他)
に絞り込み、これらの地域における会員企業の事業拡大支援を目的として、規制調和・制度
整備・知識/技術移転・人材育成などをテーマとした当局の二国間定期協議の継続/新規開
15
催を全面支援して行くと共に、関連情報の収集共有に努める。
<中国>官民訪中事業の拡大復活
医療行政変革への単独・連携意見書(パブコメ)提出 (w/PhRMA/EFPIA)
中国当局・製薬団体との関係維持/強化
薬事・市場関連情報の収集
<韓国>日韓セミナー(当局との共催・於.東京)への傾注、有効活用
市場アクセス向上/改善への積極的な当局への提言。
薬事・市場関連情報の収集
<台湾>日台医薬交流会(於.東京)/貿易経済会議の側面支援と友好活用
薬事・市場関連情報の収集
<アセアン他>南西アジアチームとの融合
二国間協議の側面支援(インドネシア・マレーシア・インド等)
PMDA アジアトレーニングセンター活動への積極的支援
薬事・市場関連情報の収集
<新興国>新興国グループを発展的解消→「新興国等対応」セクション新設(事務局内)
ロシア・ブラジル・メキシコ・トルコを対象としたタスクフォースの創設
関連市場情報の収集・当局対応
<APAC 支援>APAC 推進母体としての全面的支援
2. 国際協調;主として欧米部会担当の先進国諸国での業界活動。
グローバル化の加速に伴い、製薬業界においても、日本を含むグローバルな共通の課題が増
加している。それら共通課題の解決やグローバルな事業環境の調和に向け PhRMA、EFPIA、
IFPMA および主要国業界団体と協働する。また、各課題の専門性を持つ製薬協他委員会との
連携を進め、製薬協としての活動のアウトプット向上をめざす。
・欧州二国間定期会合活用強化
英国政府との定期会合をはじめ、既存の二国間定期会合の最大活用を図る。現地子会社と
の課題の共有と会合参画を強化し、アクセス問題を始めとする市場環境の改善に資する。
・グローバルな共通課題に関する PhRMA、EFPIA との連携強化
HTA、官民協働創薬研究、規制調和協力、知財関連などへの取り組みにおいて、関連委員
会の支援のもと PhRMA/EFPIA との連携を強化する。
・HTA に関する世界の動向および開発薬事の関連情報の把握
製薬協ポジションの発信―産業政策委員会などとの連携
3. 国際貢献;主としてグローバルヘルス部会担当のグローバルヘルスへの貢献活動。製薬協ビ
16
ジョンで掲げたグローバルヘルスへのより一層の貢献を果たすため、製薬協会員企業のグロ
ーバルヘルスに対する認知度と参画意識を高めるとともに、IFPMA との協働により世界の製
薬企業のグローバルヘルス貢献活動が社会に認知されるよう、より多くの情報発信を行う。
特に2016年5月 G7 伊勢志摩サミット開催の機会を捉えてグローバルヘルスに取り組む
上で製薬企業が抱える課題を広く認知させ、対策を促し、将来の貢献活動の促進・拡大に繋
げる。日本政府を始めステークホルダーとの対話や協働を重ね、方策の具現化を目指す。
・グローバルヘルスに関する啓発と企業の貢献活動の認知度向上
会員企業への啓発活動および会員企業・製薬協活動に関する外部への発信の強化
・G7 サミットのグローバルヘルスアジェンダに対する製薬協提言書の策定と PR 活動
・グローバルヘルスの視点からのアクセス改善活動
官民連携をベースとする製薬協(会員企業)としての貢献策の検討
・IFPMA グローバルヘルスコミッティーへのより一層の参画と外部情報発信における連携
強化
・偽造医薬品対策について外部専門組織(PSI など)との情報共有や連携強化
12.環境安全委員会
【重点課題】
1.省エネルギー・地球温暖化対策に関する取り組み
(1)経団連低炭素社会実行計画のフォローアップを日薬連と協働する。
(2)省エネ・温暖化対策技術研修会を開催し、低炭素社会実行計画を推進する。
(3)日薬連低炭素社会実行計画参加の再要請を継続する。
2.省資源・廃棄物対策に関する取り組み
(1)経団連循環型社会形成自主行動計画フォローアップを日薬連と協働する。
(2)廃棄物削減に関する 2020 年度目標の達成を目指して継続した取り組みを行う。
(3)会員企業に 3R 推進のための情報提供などを行なう。
(4)医薬品に係る廃棄物問題に取り組む。
3.化学物質管理に関する取り組み
(1)PRTR および VOC に関する調査を継続して実施する。
(2)化学物質の環境排出削減事例の情報提供などを通じて、会員企業の自主的な削減取り組み
を推進する。
(3)医薬品の環境影響やリスク管理に関する情報収集や啓発活動を実施する。
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(4)化学プロセスの安全性評価研究、高薬理活性物質取り扱いに関する知識取得・スキルア
ップを推進する。
4、労働安全衛生管理に関する取り組み
(1)労働安全衛生活動に関する調査を行ない、結果を情報提供する。
(2)予防的取り組みやその成果などの調査を検討する。
(3)安全衛生技術研修会を開催し、安全衛生意識と管理技術の向上を図る。
(4)労働安全衛生マネジメントの導入実績やリスクアセスメントの実施状況を調査する。
(5)営業車両の事故防止研究を推進し、事故削減、無事故の達成を目指す。また、取り組みを
社会に発信する。
13.広報委員会
【重点課題】
1.研究開発を志向する製薬産業の貢献と挑戦、すなわち「生命関連産業としての使命」およ
び「健康長寿社会の実現」「経済成長への寄与」「科学技術の発展・波及」「グローバルヘル
スへの寄与」について、広く国民の理解を促進するための情報発信を強化する。
2.製薬協が提言する政策の実現に向け、政策テーマに関する活動について、より効果的・効
率的な活動とするため、関係する委員会等と密に連携を取りながら推進する。具体的には、
広報委員会が主体となり、関係する委員会等にテーマ設定など企画面を相談しながら、活動
を推進する。
3.一般国民はじめ各ステークホルダーの産業理解向上のためには、メディアからの適正な情
報発信が重要である。そのためにメディアのさらなる産業理解を図るべく活動をより強化す
る。
4.各種コミュニケーションツールが、その目的に合わせて適切に制作・活用されているかを
検証し、既存ツールの見直しと新規ツールの制作を行う。また、製薬協ウェブサイトを製薬協
全体のコミュニケーションツールのコアとして位置付け、各委員会等との連携のもと、積極的
な活用を図る。
【具体的な活動】
1.政策 PR 部会
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製薬協が提言する政策についてステークホルダーの理解・共感を促進するため、政策の優
先度、重要度を勘案し、かつ適切な媒体を通して情報発信を強化する。また、一般国民へ正し
く情報が伝わるようにメディアに対し働きかけ、メディアのさらなる理解・適正な情報発信の
ための活動を行う。
(1)ステークホルダーの理解促進活動
製薬協が提言する政策の決定に直接的・間接的に影響を与えるステークホルダー(議員、
行政、医師会、薬剤師会、患者団体、有識者、メディアなど)に対して、製薬協が提言す
る政策や考え方等をセミナーやメディアを通して直接発信する。
①製薬協政策セミナー:1 回
②透明性ガイドライン周知活動;過去 3 年間の実績と目的を踏まえ、より効果的・効率
的な PR を目指す。
③各種メディアを介した PR 活動;座談会・意見広告・記事広告などを適宜展開する
(2)メディアを介した理解促進活動
製薬協が提言する政策について一般国民に正しく情報が伝わるよう、メディアの理解と
メディアの適正な情報発信に資する活動を行う。また、メディアとのコミュニケーション
の場を設定し、ニーズ把握および理解向上を促進する。
①定例会長記者会見(東京開催 2 回)
②メディアフォーラム:2~3 回(必要に応じて一つのテーマを多面的に展開する)
③メディア懇談会:2~3 回(記者・編集長等を対象にニーズ把握・相互理解向上を図
る)
④製薬産業担当記者プログラム;コミュニケーション推進部会と協力し、新任記者に
対して製薬産業の理解促進のために、ブリーフィングプログラムを実施する。
2.コミュニケーション推進部会
研究開発を志向する製薬産業の貢献と挑戦、透明性ガイドラインを含めたコンプライアン
ス遵守など、製薬産業および医療用医薬品に関する一般国民の理解を促進するための情報発
信を強化する。また、一般国民へ正しく情報が伝わるようにメディアに対し働きかけ、メデ
ィアのさらなる産業理解・適正な情報発信のための活動を行う。
(1)一般国民の理解促進活動
研究開発を志向する製薬産業の貢献と挑戦およびその社会的役割の重要性等について
一般国民の正しい理解を得るために、直接的なコミュニケーションや適切な媒体の活用
など、効果的・効率的に活動を展開する。
①コミュニケーションプラン:各種媒体への広告等を通じ製薬協ウェブサイトへ誘導
し、研究開発を志向する製薬産業の理解促進を図る。
②TV シンポジウム企画: 1~2 回
③パブリシティ活動: テーマに適した媒体の活用を検討・実施する。
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④若年層への啓発活動:科学技術館での薬の展示室常設展示、インターネットを通じ
た情報提供活動を推進する。
(2)メディアの理解促進活動
製薬産業を取り巻く様々なトピックやテーマについて、一般国民に正しく情報が伝わ
るよう、メディアの理解とメディアの適正な情報発信に資する活動を行う。また、メデ
ィアとのコミュニケーションの場を設定し、ニーズ把握および理解向上を促進する。
①メディアフォーラム:2~3 回(研究開発を志向する製薬産業に関わるテーマとする)
②プレスツアー:1回(医療・製薬の研究開発に関わる先端技術等をテーマとする)
③メディア懇談会:2~3 回(記者・編集長を対象にニーズ把握・相互理解向上を図る)
④製薬産業担当記者プログラム: 政策 PR 部会と協力し、新任記者に対して製薬産業
の理解促進のために、ブリーフィングプログラムを実施する。
(3)コミュニケーションツールの活用
一般国民・メディアの理解促進活動を効果的・効率的に推進するために、適切なコミ
ュニケーションツールを提案し、活用を推進する。
①情報提供ツール: 適切な情報ツールを提案・提供し、その活用を推進する。(製
薬産業理解促進 VTR、ウェブサイト上の説明動画の活用など)
②製薬協ウェブサイト: 事務局と連携して、製薬協全体の情報提供ツールのコアとし
て活用できるようにコンテンツの充実を検討する。
③刊行物: 事務局と連携して、刊行物の改訂およびウェブ化等を推進する。
3.事務局
各種コミュニケーションツールが、その目的に合わせて適切に制作・活用されているかを
検証し、既存ツールの見直しと新規ツールの制作を行う。また、製薬協ウェブサイトを製薬
協全体のコミュニケーションツールのコアとして位置付け、各委員会等との連携のもと、積
極的な活用を図る。
(1)一般国民・ステークホルダー・メディアの理解促進活動
①「製薬協ウェブサイト」を製薬協全体のコミュニケーションツールのコアとして活
用する。
②「製薬協ニューズレター」を、製薬協のメッセージや活動をわかりやすくタイムリ
ーに知らせるツールとして、他委員会、政策研の協力を得ながら作成する。また、
配信方法の見直し等の検証結果を踏まえ、より効果的な情報提供を推進する。
③刊行物の改訂およびウェブ化等を推進する。
(2)製薬協広報委員の研修活動
①「広報セミナー」を、製薬産業を取り巻く環境や課題を取り上げ、会員の自己研鑽
・情報共有の場として開催する。
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14.患者団体連携推進委員会
【重点課題】
1.製薬協の重点課題、提言内容について患者団体へ理解の促進を図るとともに、患者団体から
の意見を聴取、把握し、患者団体連携推進委員会委員(以下、委員)と共有し、必要に応じて、
製薬協各委員会にフィードバックする。
(1)製薬協と患者団体との共通の課題について、アドバイザリーボードの意見を踏まえ行
政、他団体、製薬協各委員会の協力を得ながら解決を図る。
(2)製薬協として患者団体に役立つ情報を、患者団体セミナー、製薬協ニューズレター、
および製薬協ウェブサイトの「患者さんとともに」等により分かりやすく発信し、製薬産
業の取り組みへの理解を得る。
(3)今年新たに発表された、「製薬協 産業ビジョン2025」に記述されている将来の
製薬協と患者団体のさらなる協働の在り方に向けた具体的な取り組み方法等につい
て、アドバイザリーボードを中心に検討する。
2.製薬協と患者団体との共通の課題については、その解決方法等の検討を行う。
(1)患者団体、会員会社に対し2014年1月に実施したアンケート結果を踏まえ、会員
会社が患者団体と活発で透明性の高い協働が行えるよう、引き続きその方法等について検
討を行う。さらに今年度も、患者団体および会員会社を対象にアンケートとして会員会社
へ患者団体との協働の現状等についてアンケートを実施することとする。
3.委員がさまざまな患者団体の活動の現状と課題を理解し、患者団体が取り組んでいる課題に
ついて共に議論を深められるよう、積極的に関連法規、臨床研究(開発治験、医師主導臨床研
究ほか)についての学習の機会を持ち、より一層患者団体との連携意識を高め、透明性の高い、
より良い協働を図る。
(1)「患者団体との協働に関するガイドライン」「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイ
ドライン」を会員会社へ徹底するとともに、患者団体への周知を図り理解を得る。
(2)「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」に基づき、2014年度分の情報
公開を2015年度に行ったが、会員会社は昨年度に比べてより適切に情報公開を行えた。
また、公開場所を製薬協ウェブサイトのわかりやすい場所とした。今年度は、公開様式の
改良等により一層透明性を高める。
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15.くすり相談対応検討会
【重点課題】
1.企業くすり相談部門の社会的認知向上
(1)薬剤師会との連携を深め、くすり相談部門との情報の共有化を推進
(2)情報提供範囲に関する PMDA、当局への対応
(3)企業くすり相談部門の現状把握と分析(会員会社へのアンケート)
(4)「くすり相談対応の指針」改訂の要否検討
2.時代のニーズに対応した情報提供のあり方の構築
(1)効果的かつ効率的な情報提供全体のあり方の検討
(2)医療従事者に対する適正使用情報提供のためにホームページに掲載するFAQガイド
ライン(仮)の完成
(3)共通プラットフォームの検討
16.医薬産業政策研究所
【重点課題】
1.事業遂行の基本的な考え方
政策研設立の目的と 2014 年度よりスタートした政策研改革方針を踏まえ、政策研究事業並
びに産業調査事業を遂行するにあたっての基本的な考え方を以下の通りとする。
(1)革新的で有用性の高い医薬品を継続的に生み出し医療消費者に提供するという製薬産
業の使命の実現に向けて、環境、制度整備やその他製薬産業の活性化、円滑化に資する
提言を行う。
(2)製薬産業が直面する政治、経済、社会等の動向および医療関連ビジネスを取り巻く様々
な環境変化をデータ・情報として捉え、産業に関する実態分析、実証研究を通じて、製
薬産業の実態と果たすべき社会的役割、重要性について理解、認識を広める。
(3)これらの外部データ・情報に加え、産業政策委員会を中心に製薬協が作成、利用する
製薬業界関連データ・情報を逐次収集、データベース化し、その更新/拡張、維持、管
理を行う。
(4)データベースの公開等を通じて情報の収集/共有化を促進し、また、各委員会への参加
を通じて、各委員会活動の活性化を図るとともに、連携して製薬協の事業方針と政策提
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言活動の強化に結びつく調査分析を行う。
(5)調査・研究の推進は、研究員を中心としたプロジェクトを基本とし、加えて内外の研
究者および研究機関との連携や共同研究も積極的に行い、エビデンスベースで客観性の
ある分析や提言につなげる。
(6)行政当局、アカデミア、その他製薬産業に関連する機関、団体等との情報・意見交換
を積極的に行い、製薬産業に関わる政策の充実と具体的な推進につなげる。
(7)研究成果は「リサーチペーパー」等の刊行物としてまとめ、外部に発信することに加
え、メディアを通じた発表や、学会・内外の専門誌への投稿等にも取り組む。
2.政策研究事業
年間研究計画に沿ってテーマ研究を確実に遂行する。
【具体的な研究テーマ候補】
(1)医薬品をめぐる次世代の制度・政策の在り方
① 医薬産業政策の在り方と医薬産業の果たすべき役割(新規/仮題)
(2)将来の医薬品産業における課題
① 医療健康分野のビッグデータ活用
② 研究開発の生産性
③ バイオ医薬産業の課題と更なる発展に向けた方策
④ ICTを活用した創薬イノベーション、情報イノベーション(新規/仮題)
(3)革新的医薬品の創薬(基礎研究、治験・臨床研究)基盤
① アカデミア発革新的医薬品の実用化促進に向けての製薬産業の関与について
② 創薬化学研究の側面から見る低分子医薬の将来像
(4)患者中心の医薬品の在り方
① 小児あるいは致死性の高い難病・希少疾病に対する医薬品開発のあり方
3.産業調査事業
2015 年度より稼働を開始した産業調査データベース(DB)を軸とする以下の業務を実施す
ることで、産業政策関連を中心に、製薬協の諸活動の促進に資する。
(1)産業調査・分析業務
① 各種定点調査業務の効率化あるいは高付加価値化
新薬の開発・審査期間調査
UMN 向け新薬開発動向調査
活動概況調査/DATA BOOK 2017
② DB と連動したデータマイニング機能の活用による仮説構築と政策提言に繋がり得
る提案発信
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③ 外部機関との共同研究
(2)データベース業務
① 製薬協関係者(含む権限付与委員会メンバー)、会員会社による DB 利用促進
② コンテンツの維持、更新/取捨、新規追加等による拡張
(3)産業政策委員会を中心とする製薬協支援業務
① HTA 試行導入対応
② 薬価改定対応
③ 製薬協産業ビジョン 2025 フォローアップ
④ 平成 29 年度税制改正対応
17.事務局
【重点課題】
1.常任理事会、理事会、総会等の会議運営の活性化
(1)常任理事会、理事会、総会を活性化すべく、事前の資料作成、打合せ等を充実させる。
(2)企画政策会議の機能を改善すべく、議題の優先順位や議事進行の工夫に努める。
2.事務局機能の強化と政策提言能力の向上および業務効率化
(1)事務局内の人的資源をフレキシブルに活用するための再配置を行う。
(2)製薬協予算の効率的運用を図る。
(3)第 17 回製薬協フォーラム(11 月 24 日開催予定)の企画、運営を行う。
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【参考】2016年度事業方針および事業計画
1.事業方針
急速な少子高齢化の進行、2020年の基礎的財政収支の均衡目標の達成などの社会的
諸情勢を反映して、近年、政府の財政支出抑制への姿勢は一段と鮮明になりつつある
が、このような中にあっても我が業界は今後ともイノベーションの促進による新薬創
出の活性化、加速化を通じて我が国の医療の向上に貢献し続けていくことが重要であ
る。当協会はこのような観点に立って引き続き次の主要課題に積極的に取り組んでい
く。
また、当協会として本年初に取りまとめた「製薬協 産業ビジョン2025(世界に届
ける創薬イノベーション)」については、今後の製薬協活動の事業方針の策定におい
て中長期的指針として活用し、ビジョン実現に向けて工程表をつくるなど関係委員会
等でさらに議論を深めていく。また、今後必要に応じ当協会の事業計画や各委員会の
実施計画に反映するなどその推進に努めていく。
(1)イノベーション(革新的な新薬の研究開発)の促進による医療の質の向上、
経済発展への貢献
(2)国際展開の推進とグローバルヘルスへの貢献
(3)コンプライアンスの更なる徹底と国民の信頼感の一層の醸成
(4)産業理解の一層の推進
以上の課題のうち、特にコンプライアンスの問題については、大きな社会問題とな
った臨床研究をめぐる事案に引き続き、広告違反や副作用報告義務違反での行政処分、
さらには長期間にわたる製造承認違反状態の顕在化など、業界の信頼を損なう事案が
続発しており、協会として更なるコンプライアンスの強化に取り組む。
また、昨年末には政府主催で「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」に関す
る国際会議が東京で開催され、世界規模での感染症対策などが話し合われ、また、今
年も5月の先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)や9月の保健大臣会合(神戸)で「UHC」
が取り上げられる可能性が指摘されている。このようなグローバル・ヘルスに関連す
る政治的な動向についても業界として十分注視しながら、これまで以上に積極的な役
割を果たすため必要な対応を図っていく。
さらに当協会としては従来より患者団体との対話、患者参加型医療の実現といった
ことにも注力してきたが、このような面でも、昨今いわゆる日本版コンパッショネー
ト・ユース(人道的見地からの治験)や患者申出療養といった患者のアクセスを重視
した制度が具体化されてきており、このような問題についても引き続き業界として制
25
度の趣旨に沿いつつ適切に対応していく。
また、税制については平成29年度に研究開発税制の大幅見直しが予定されており、
研究開発型製薬産業にとって極めて重要な年を迎える。今後の業界発展の基礎固めと
なるような制度の構築を目指して、経団連その他の関係業界とも連携を図りつつ総力
を挙げて取り組む。
2.事業計画
(1) イノベーション(革新的な新薬の研究開発)の促進による医療の質の向上、経済
発展への貢献
<研究開発関連事項>
○日本医療研究開発機構(AMED)との連携・協力関係の発展強化に努める。
・昨年発足したAMEDに対する政府の取組みを引き続き支持し、我が国の保健医療分野の
研究施策に関する司令塔機能の充実・強化に向けて必要な協力および提言を行う。
・特に、製薬協として取り組む官民共同事業(生物統計家人材育成支援事業)について
は着実な実施に向け資金面を含め必要な協力を行う。
・創薬支援ネットワークによるアカデミア発創薬シーズの産業化支援としての「産学協
働スクリーニングコンソーシアム(DISC)」に引き続き協力する。
・アカデミア発の革新的創薬実現に向けた支援の一環として、知的財産関連課題解決に
向けて引き続き提言する。
・AMEDと製薬協側の連絡調整窓口の機能強化を図る。
○内閣官房に設置されている健康医療戦略参与会合へ参画し貢献する。
○厚生労働省に設置された臨床開発環境整備推進会議に参加するとともに、クリニカ
ル・イノベーション・ネットワーク(CIN)への構築に貢献する。
・ARO機能を有する臨床研究中核病院等の体制整備等、研究開発型製薬産業の開発力強
化に資する臨床試験基盤整備対策の推進を働き掛ける。
・医療情報データベースの利活用等を通じて、新たな有効性・安全性確保のための評価
手法の確立に取り組む。
・ワクチンを含むバイオ医薬品の研究開発および製造の基盤整備推進、当該分野の人材
育成に関係者とともに引き続き取り組む。
・iPS技術などの新技術に基づく画期的新薬の開発や評価技術の開発等を引き続き目指
す。
○内閣官房に設置されたゲノム医療実現推進協議会へ委員を派遣し、参画・ 貢献する。
○研究開発促進面から化合物ライブラリーの共同購入(J-CLIC)等の事業を継続する。
○医療上の必要性の高い医薬品等の迅速な承認を促進する立場から、「先駆け審査指定
制度」が適切に実施・運用されるよう注視するとともに的確に対応する。また、いわ
ゆる日本版コンパッショネートユース制度(人道的見地からの治験)や患者申出療養
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制度が患者の安全確保や本来の治験や研究開発に悪影響を及ぼすことがないよう適
切に対応する。
○未承認薬・適応外薬の開発企業公募品目について一般社団法人未承認薬等開発支援セ
ンターとも連携して引き続き適切に対応する。
<薬価制度関連事項>
○イノベーションの成果を適正に評価する制度の構築に向けた活動の一環として、本年
4月実施の薬価制度改革から引き続く課題について、日本製薬団体連合会と連携した
取組みを継続する。特に新薬創出・適応外薬解消等促進加算の制度化・本格実施に向
けた取組を推進する。また、「特例再算定」制度については、イノベーションの否定
につながる容認しがたいものであることから、次期制度改革時に見直しの提言を行う
ことを含めて検討する。さらに費用対効果評価の試行的導入にも適切に対応する。
○医薬品流通改善にも悪影響を及ぼすと考えられる、市場実勢価格調査を伴 う方式で
の来年4月の消費税率引き上げに伴う薬価改定に断固反対の立場を堅持する。
○単品単価取引の促進など、医薬品流通問題に関し様々な関係者と協力し改善を図る。
<税制関連事項>
○平成29年度研究開発税制の大改正に向けた検討を着実に行い、必要な提言につなげる。
○研究開発税制への影響にも配慮しつつ、他の先進国に比して重い法人実効税率の一層
の引き下げを求めていく。
○創薬研究の拠点国としての研究開発税制の維持・拡充を基本方針とする他、環境整備
の一環としてパテントボックス税制の実現を目指して継続的に取り組む。
○オープンイノベーション税制の活用促進、企業版エンジェル税制の導入に継続的に取
り組む。
<知財関連事項>
○職務発明制度に関する改正特許法が所期の目的に合致して運用されるよう、また特許
期間延長制度が医薬品産業の発展に資するような運用がされるよう提言活動を継続
するとともに、名古屋議定書の批准動向についても引き続き注視する。
(2)国際展開の推進とグローバルヘルスへの貢献
○国際薬事規制調和戦略(RSI:厚生労働省策定、2015年6月)や「PMDA国際戦略2015」
を業界の側からも積極的に支援する。
・第5回アジア製薬団体連携会議(APAC)の開催などを通じ、厚生労働省、PMDA並びに
各国当局の参画を一層推進し、相互理解の促進を通じて各国規制の調和や改善につな
げる活動を継続する。
・二国間定期協議(日英、日仏、日独、日韓、日台、日伯 など)やアジア太平洋経済
協力(APEC)の枠組みを活用した活動等の更なる充実・強化を図る。
○新たに設立・発足したICH協会の活動において、同協会内で創始常任委員メンバーと
いう主要なポストに位置づけられたことに鑑み、医薬品規制の技術面からの国際調和
を推進する積極的役割を担う。
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○2014年5月に我が国も加盟が認められたGMPに関するPIC/Sへの対応とGDP(Good
Distribution Practice:医薬品の流通段階における品質確保に関する基準)策定の
検討に協力するとともに、PIC/S本部と連携のうえ国際協調を推進する積極的役割を
担う。
○グローバルヘルスの向上に貢献することが社会的使命であるとの認識の下、三大感染
症(マラリア、結核、エイズ)を初めとする感染症、NTD(顧みられない熱帯病)、NCD
(非感染性疾患)などの予防、治療への貢献活動に努める。
○偽造医薬品問題やドーピング問題等の社会的課題に立ち向かうため、関係機 関との
連携を強化する。
○知財を含むグローバル課題の解決に向けて、国際製薬団体連合会(IFPMA)、米国研究
製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)と引き続き連携し、また世界
保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)、APEC等の国際機関等との連携を強化する。な
お、知財については関係団体と連携のうえ、各団体の主担当国・課題を決め効果的・
効率的に対応を行うこととし、製薬協は、当面韓国を主担当とする。
(3)コンプライアンスの更なる徹底と国民の信頼感の一層の向上
○コード・オブ・プラクティスをはじめとしたコンプライアンス遵守に資す る研修会
等を継続して実施し、各社のコンプライアンス推進体制の強化を図る。その際には、
特に最近の業界の信頼を損なう事案として顕在化した製造販売承認違反を念頭に関
連法規の遵守の徹底を図ることを会員企業トップ自ら率先していく。
○個別の不適切事案には厳正に対処するとともに、必要に応じ処分審査会との連携を図
る。
○各社の透明性ガイドラインによる情報公開を一層推進するとともに、法制 化の動向
を注視する。
○IFPMAのコード・オブ・プラクテイスに準拠する形で製薬協コードを改訂し、周知・
理解の徹底を図り、プロモーション活動や広告活動の一層の適正化などを着実に推進
する。
○IFPMA基準に準拠した製薬協「適正な競争に関するガイドライン」(2015年7月)の定
着を推進する。
○「臨床研究支援の在り方に関する基本的考え方」に係る企業と医療機関との間のモデ
ル契約の定着を推進する。
(4)産業理解の一層の推進
○「製薬協 製薬産業ビジョン2025(世界に届ける創薬イノベーション)」の普及およ
び社会における研究開発型製薬産業の理解促進のための広報活動を一層強化する。
○ステークホルダーとの相互理解推進のため、積極的な意見交換や情報発信 を一層強
化する。
○生活者の製薬産業に対する理解・認識の実態(推移)について生活者意識調 査を通し
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て把握する。
○日本経済団体連合会(経団連)の各活動との連携強化を図り、経団連内での
研究開発型製薬産業の理解推進に努める。
また、社会に対する製薬産業理解促進の観点から広報分野においても協力を推進す
るとともに、日本科学技術振興財団と連携し科学技術館における若年層を主たる対象
とした「くすり」の常設展示に取り組む。
○医薬品を含む医療へのアクセス問題を中心に、製薬産業のグローバルヘル スへの貢
献の社会的意義について理解の促進を図る。
○社会における産業理解促進の一環として、患者団体との相互理解を深めより良い協働
を推進する。
以上の項目に加えて以下の事項にも取り組む。
○2015年12月に開催された国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択
された「パリ協定」を踏まえ、業界としてさらなる低炭素社会の実現に向けた環境保
全の取組みに邁進するとともに、労働安全衛生の推進に向けた取組みを継続する。
○2016年度以降の活動計画等を踏まえたうえで、各委員会活動の効率化等を念頭に委員
会再編成に向けた検討を開始する。
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