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(くにさき)の由来

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(くにさき)の由来
国東半島宇佐地域の位置
活動状況写真
国東半島・宇佐地域
大分県
国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会
幹事
国東市農政課長
真城
孝之
国東(くにさき)市の位置
国東(くにさき)の由来
国東市
大分県
地図
九州地図
大分空港
【出典】
豊後国風土記
彼(そ)の見ゆるは、若(けだ)し、
国の埼(さき)ならむ。
天平12年頃(740年)
けいこう
景行天皇が
周防(山口県)から海路で巡幸した際に、
その国の海岸線が突出している(半島である)
と言ったことが、国東という地名の由来。
国東市は、平成18年3月31日
に国見町・国東町・武蔵町・安岐
町の4町が合併して発足しました。
【国の埼】⇒ 【国東】※豊後国の東端に位置する
ところから「東」をあてたのではと言われています。
国東市
基本情報
国東市の気候・地理的特徴
項目
面
積
数値
合併時
317.84㎞2 (H18.3.31)
総人口
31,118人
34,726人
世帯数
13,416世帯
13,475世帯
高齢化率
37.29%
平均気温
16.5℃
1ヵ月平均
降水量
127.8mm
【出典】住民基本台帳(H25.9.30現在)
■気候
【夏】⇒ 降水量が少なく、晴れの日が多い
(瀬戸内海式気候)
【冬】⇒ 比較的温暖、一冬に数回程の積雪
■地形
ふたご
●両子山を中心に、放射線状に谷が形成
●平野の面積が狭い
●海にも山にも近い
1
国東市の文化財
国東市の特産物
◆指定文化財数
(≪国指定≫
安国寺集落遺跡
「西の登呂遺跡」
大分県内最多
◆国指定
◆県指定
15
92
◆市指定 321
高床式住居
◆多くの石造物が点在
◆仏教文化や民俗行事が、
色濃く残る
≪国指定≫
ケベス祭り
≪国指定≫
岩戸寺宝塔(国東塔)
①農産物
・海のトマト
(国東高校)
しちとう
・七島イ(国東市が国内唯一の生産地)
・かぼす・みかん・梨・オリーブ
②林産物
・原木乾しいたけ
③水産物
・タコ(くにさき姫だこ)
・タチウオ(くにさき銀たち) 等
国東半島宇佐地域 世界農業遺産コンセプト
タイトル
「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」
~森の恵みしいたけの故郷~
コンセプト
クヌギ林とため池群によって持続的に維持されている日本一
の原木しいたけ生産をはじめとする農林水産業システム
概 要
(1)
(2)
(3)
(4)
日本一のクヌギ林とため池群
日本一の原木乾しいたけ
多様な農林水産業と生物多様性
地域農業に深く関わる歴史と文化
2
国東半島宇佐地域GIAHS(ジアス)の特徴
 日本一の原木しいたけ生産や、日本で唯一の水稲作とシチトウイを組み
合わせた生産をはじめとする多様な農林水産業が行われているシステムで
あり、それは、蓄積量で日本最大のクヌギ林と、連携するため池群によって
持続的に維持されている。生物多様性の保全にも貢献しており、地域農業
に深く関わる歴史と文化のもとで、多くの農耕にまつわる民俗行事が継承
されている。
クヌギ林
ため池
食料と生計の保障の観点
約20km
■中心の両子山から海岸線までは
約20Km
■両子山から放射状に延びる尾根と
深い谷のため平野部は狭小で河川
は短く急勾配
■雨水が浸透しやすい火山性の土壌
であり水の確保が困難な地域
原木
しいたけ栽培用の原木確保のためにクヌギ林が持続的に維持され、
それがため池の水源をかん養することによって米、シチトウイの生
産を可能とし、乾しいたけの生産に加えて、黒毛和牛、かんきつな
ど多様な農林水産物の生産が行われ、地域の食料と生活の保障に大
きく貢献している
原木しいたけ栽培は、森林資源から食料を産み出すことで、世界
的な食料安全保障に貢献している。
水・養分の涵養
広葉樹林の
明るいほだ場
灌
灌
水
+
廃ほだ木
漑
+
現代に生きる中世荘園
《田染荘》
農耕文化を守ってきた農村社会
《修正鬼会》
原木しいたけ(日本一)
生物多様性の観点
 クヌギ林と連動した「ため池システム」による灌漑の下で、
しいたけ、米などの主要作物の他、伝統品種のみとり豆や大分県特
産のカボスの 栽培も維持され、農業の多様性を確保している。
生物多様性の保全
イワギリソウ
オオサンショウウオ
 広葉樹林のクヌギ林が維持されることにより国の特別天然記念
物に指定されているオオサンショウウオや、生きた化石と呼ばれる
カブトガニの貴重な生息地となっているなど、生物多様性が保全さ
れている。
カブトガニ
コシャクシギ
知識システムの観点
知識システムの観点
地域の気候や条件に最も適しているクヌギ林を持続的に活用する
しいたけの原木栽培技術が開発され、水と土地が不足するこの地
域の状況に適応した食料生産が継承されている。
限られた土地を有効に活用し、不足する水に対応するため、複数
の小さなため池群を連携させる灌漑技術を導入し、現在も継承され
るなど独創的な知識システム(適応技術)が存在している。
国東市綱井地区の
ため池連携システム
広葉樹林内の
明るいほだ場
3
複数連形式のため池群管理システム
~国東市国東町綱井地区~
高雄池
綱井地区では、6つ
のため池を連携させた
システムが江戸時代か
ら今日まで運用されて
います。
最上流にある「高雄
池」は水稲の生育後期
用として貯水され、そ
れまでの期間は、中流
域の3つと下流域の2
つのため池が補水しあ
って給水します。
文化の観点
独特な神仏習合の「六郷満山文化」の下で、昔から人々は宇佐八幡宮
や弥勒寺の支援を受けて農地を拓いてきたことから、農地に関連した宗
教的、精神的な信仰が深く根ざしており、修正鬼会、御田植祭やどぶろ
く祭りなど、農業に関係する特徴ある祭礼が、今なお、継承されている。
古池
どぶろく祭り
美迫池
宇佐八幡宮
峯入り行
荒神池
迫池
平尾池
修正鬼会
景観の観点
今に息づく六郷満山文化
宇佐神宮本殿(国宝)
六郷満山とは、国東半島の六郷にあ
る寺院の総称でもあり、その多くが
宇佐八幡神の化身といわれる仁聞菩
薩の開基と伝えられ、かつてこの一
帯は宇佐八幡宮の神領地でもありま
した。
クヌギ林とため池、棚田、シチトウイ、田や畑が農村集落と融合し、
半島の丘陵から海岸に接続する土地利用のモザイクをなす優れた景観
を生み出している。
特に、14世紀前半から15世紀における耕地・村落の形態を今に伝える
「田染荘小崎地域」は、水田開発の非常に貴重な歴史的資源である
とともに、優れた文化的景観を有している。
田染荘
修正鬼会
国東市の取り組み
・小学校での「ふるさと学習」
旭日小学校
ふるさとの宝(ため池)を学ぼう
・七島イの産業としての再生
くにさき七島藺振興会、工芸士の育成
・物産の販売
中世の形態をほぼそのままに継承する田染荘
古代地図
ふるさとの宝「ため池」について学ぼう
旭日小学校
ふるさと学習
世界農業遺産登録を機に、ふるさと綱井地区の宝で
ある「ため池」築造に全身全霊を捧げた尊敬すべき
先人「萱嶋信任翁」について学習しました。
講演会の講師は、地元綱井地区在住の高橋貴人さん
です。
世界農業遺産物産展、くぬぎ原木低温菌椎茸「香ちゃん」
・体験型旅行の概要
国東おだやか博2013
・その他
国東市独自のポスターやパンフの作成、新聞広告の掲載
講演する高橋貴人さん
地域の方々が40名出席
4
全国唯一のシチトウイの産地
夏に行われる「七島イ」の刈り取り作業
国内唯一の生産地
冬に行われる畳表の製織作業
七島イ(しちとうい)
『七島イ(しちとうい)』は、国東市だけで生産され
ている「カヤツリグサ科」の植物で、琉球畳の材料にな
る。琉球畳は、縁がなく大きさも通常の半分のサイズ
(正方形)で、普通の畳に比べて目が細かいのが特徴。
琉球畳は、本来この七島イを使ったものを言う。
現在、14名の工芸士が、七島イを使った工芸品づく
りを継承している。
七島イの振興について
七島イを使った工芸品
ラグマット
全自動織機の改良(大分高専と共同研究)
・平成22年「ふるさと文化財の森」(文化庁)に国東市の七島イ
が認定される
・平成22年「くにさき七島藺振興会」を設立
・平成24年 新規就農者2名が研修を開始
・平成24年 国東市と大分高専とで「七島藺織機の省力化」
連携協定を締結
・平成24年 「くにさき七島藺工芸士」14名認定
・平成25年 全自動織機の改良に着手
シチトウイ工芸士の育成
シチトウイの製品
七島イ工芸品 円座
七島イ工芸品 草履
七島イ工芸品 ラグマット
和モダンの一畳敷き
5
世界農業遺産を歩く
国東半島 峯道ロングトレイル
国東半島峯道ロングトレイルは、国東半島で古くから行わ
れてきた六郷満山峯入行のコースを基本とし、それにト
レッキングやウオーキングの醍醐味を味わうことのできる
登山道や遊歩道を追加するなどの工夫を加え、楽しく、そ
して心地よく歩けるトレイルとして再構成したものです。
適正に管理されたクヌギ林
風味が良くおいしい
クヌギを長さ約10cmに切った原木に発生した原木しいたけ
低温菌種乾しいたけ
国東市内では、クヌギを利用した「原木しいたけ
栽培」が伝統的に行われている。
しいたけには、中温(10~20度)と低温(5~15
度)で発生する品種がある。国東市では、風味があ
り柔らかく、味も良い「低温菌種」の種駒購入費を
助成するなど、「国東産乾しいたけ」の生産に力を
入れている。
原木しいたけ
今後の取り組み(国東市)
今後の取り組み(概要)
国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会
1.市役所内での「世界農業遺産」の共通認識の確立
・職員への周知、世界農業遺産認定を活用した事業
2.市民への周知啓発
・市ホームページ、市報、ケーブルテレビ等での周知
・イベント、祭り等でのPR活動
3.市外からの訪問者、マスコミ等への情報提供
・総合受付窓口の設置、観光ガイド、語り部等の育成
・市ホームページに世界農業遺産関連情報掲載
・マスコミに対する情報提供(随時)
4.世界農業遺産ブランド推進事業への対応
・大分県・国東半島宇佐地域の6市町村及び関係団体と協力し
て、保全啓発活動、ブランド化、情報発信等に取り組む
1.クヌギ林の保全活動
鳥獣被害対策
2.GIAHSサイト間の交流促進
J‐GIAHSネットワーク会議等
3.啓発活動
写真コンテスト、ポスター等
農業文化公園での学習コーナー等の整備
4.ブランド化・情報発信
乾しいたけ
坐来おおいたの活用
認証の検討、ホームページ(英語)での発信
5.研究
農林水産研究センターと大学との連携
6
Fly UP