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1 はじめに (一部改定) 近年、多くの自治体病院において経営状況が

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1 はじめに (一部改定) 近年、多くの自治体病院において経営状況が
はじめに
(一部改定)
近年、多くの自治体病院において経営状況が悪化するとともに、医師及び看護師不足
に伴い医療提供体制の維持が極めて厳しい状況になっていることから、総務省は、平成
19年12月24日付け自治財政局長通知において「公立病院改革ガイドライン」を公
表し、経営が悪化している自治体病院に抜本的な改革を実施するために、平成20年度
以内に公立病院改革プランを策定することを義務付けました。
碧南市においても、この総務省のガイドラインを尊重し、平成20年10月に碧南市
民病院改革プランを策定しました。この改革プランは、平成20年度から平成23年度
までの4年間を目標期間とし、「経営の効率化」に主眼を置き、公立病院としての機能
を果たすため、医療機能の充実及び経営の健全化を図るものとなっています。
また、その内容は、医療機能の充実、経営の健全化及び職員の意識改革の3つを重点
項目とし、16の推進項目に対する79項目のアクションプラン(行動計画)から構成
されています。
しかし、改革プラン策定時には、平成21年2月からの院外処方の本格的実施による
収支への影響については、改革プランに盛り込まれていませんでした。また、平成20
年末から世界的に経済状況の悪化が続いている下での受診抑制等の外的要因に伴う外来
※1
受診患者数の影響、並びに平成22年4月の診療報酬改定及び平成23年度から予定し
※2
ているDPC(診断群分類包括評価)請求の開始等により改革プラン策定時における収
支の前提条件が大きく変わってきていることから、改革プランの見直しを行いました。
1
1
碧南市民病院の概要
(全部改定)
(1) 碧南市の概要
本市は、愛知県のほぼ中央、中部圏の中核都市名古屋市から40キロメートル圏内
に位置しています。市の北部は油ヶ淵、東部は矢作川、西部・南部は衣浦港と周囲を
水に囲まれ、地形的には矢作川西岸に広がる碧海台地と矢作川沖積地からなる平坦地
で、温暖な気候に恵まれています。
本市では「第5次」にあたる総合計画として、市民が安全な環境で安心して生活で
き、併せて地方分権時代における新たな市民と行政の協働の形を形成し、これからの
地方自治体として創造的なまちづくりを推進することを目指し、計画策定を進めてい
ます。
【人口】(平成21年10月31日現在)
男性 37,484 人
※
女性 35,909 人
計 73,393 人
世帯数 25,993 世帯
高齢比率19.6%(愛知県人口動向調査結果(月報) 平成21年10月1日
現在(推計人口)により算出)
高齢比率は、確実に上昇傾向にあり近隣市町に比べやや高い数字となっています。
(2) 病院の概要
碧南市民病院は、昭和63年5月に開院し、平成20年5月に満20年を迎えまし
たが、開院以来、地域における急性期疾患に対応する中核病院として、必要な医療機
※3
器(MRI、CT、リニアック等の先端医療機器)の整備に努め、市民生活にとって
※4
大切な救急医療、小児・周産期医療を重視するとともに、リハビリテーション医療、
地域住民健康教育等を実施しています。
※5
地域の医療機関との連携をさらに深めるため、平成20年4月に地域連携室の組織
※6
強化を行い、医療ソーシャルワーカーを配置しました。
外来メンタル、禁煙外来、外来がん化学療法の実施等、時代や地域の住民の要請に
応えるための医療の提供にも努めており、災害対応においては碧南市の後方支援病院
の役割を担っています。
※7
※8
財団法人日本医療機能評価機構の認定、臨床研修病院の指定等を取得し、地域から
※9
評価される病院としてチーム医療を推進し、医療の質及び患者サービスの向上に取り
組んできました。
平成20年度は医療の安全及び質の向上、患者サービスの向上、業務運営の効率化
2
及び省力化を図るため、電子カルテを核とする最新の医療情報システムに更新しまし
た。
(平成21年11月30日現在)
所 在 地
〒447-8502
(1) 敷地
施設規模
(2) 建物
沿
革
愛知県碧南市平和町3丁目6番地
敷地面積
病院用地
堤防敷占有部分
借用地部分
計
建 築 面 積
建築延床面積
30,931.83㎡
3,504.10㎡
16,365.00㎡
50,800.98㎡
11,736.16㎡
25,572.57㎡
昭和63年 5月23日開院(病床200床)
平成 元年 6月
病床230床(30床増床)
元年 7月
病床235床(5床増床)
2年 5月
病床247床(12床増床)
2年 6月
病床282床(23床増床)
3年 5月
病床312床(30床増床)
4年 5月
病床330床(18床増床)
9年 1月
院外処方せん発行を実施
9年 4月
処方オーダリングシステム開始
9年 4月
歯科口腔外科開設(診療科17科)
9年10月
アレルギー科、呼吸器外科開設(診療科19科)
10年 2月
日本医療機能評価機構による病院評価を受審
10年 6月
日本医療機能評価機構から認定証を授与
14年 3月
病院内情報システムを新規開発、稼動
14年 8月
新救急外来室オープン
15年 3月
自動支払機等案内表示システム稼動
15年 6月
日本医療機能評価機構認定(更新)
15年10月
臨床研修病院(管理型)に指定
15年12月
日本医療機能評価機構による病院評価を受審
17年11月
歯科医師臨床研修病院(単独型)に指定
20年 1月
3階病棟(産婦人科)改修
病床320床(10床減床)
20年 2月
日本医療機能評価機構による病院評価を受審
20年 2月
禁煙外来開始
20年 3月
外来化学療法開始
20年 6月
日本医療機能評価機構認定 Ver5.0 更新
20年10月
碧南市民病院改革プラン策定
レセプトオンライン請求開始
3
沿
革
病 床 数
21年
21年
2月
5月
電子カルテ導入、院外処方本格実施
64列マルチスライスCT更新
320床(一般)
内科、精神科、神経内科、アレルギー科、小児科、外科、整形外科、
脳神経外科、呼吸器外科、小児外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、
(19科) 眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、
歯科口腔外科
診 療 科
保険医療機関、救急告示病院、労災保険指定医療機関、地方公務員災
害補償基金愛知県支部指定医療機関、結核指定医療機関、生活保護法
指定医療機関、更生医療指定医療機関、育成医療指定医療機関、被爆
施設認定等
者一般疾病医療機関、養育指定医療機関、特定疾患医療受託病院、先
天性血液凝固因子障害治療研究事業受託病院、小児慢性特定疾病患治
療受託
【基本診療料】
電子化加算、地域歯科診療支援病院歯科初診料、一般病棟入院基本
料7対1入院基本料、臨床研修病院入院診療加算(管理型臨床研修
病院)、臨床研修病院入院診療加算(歯科・単独型臨床研修病
院)、地域歯科診療支援病院入院加算、超急性期脳卒中加算、妊婦
緊急搬送入院加算、診療録管理体制加算、医師事務作業補助体制加
算、療養環境加算、重症者等療養環境特別加算、栄養管理実施加
算、褥瘡患者管理加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、ハイリスク
妊娠管理加算、ハイリスク分娩管理加算、後期高齢者退院調整加
算、小児入院医療管理料3
施設基準
(平成 21 年
12 月 31 日現在)
【特掲診療料】
糖尿病合併症管理料、ニコチン依存症管理料、地域連携診療計画管
理料、地域連携診療計画退院時指導料、薬剤管理指導料、医療機器
安全管理料1、医療機器安全管理料(歯科)、検体検査管理加算
(Ⅰ)、心臓カテーテル法による諸検査の血管内視鏡検査加算、神
経学的検査、コンタクトレンズ検査料1、小児食物アレルギー負荷
検査、画像診断管理加算1、CT撮影及びMRI撮影、外来化学療
法加算1、無菌製剤処理料、脳血管疾患リハビリテーション科
(Ⅱ)、運動器疾患リハビリテーション科(Ⅰ)、呼吸器疾患リハ
ビリテーション科(Ⅰ)、ペースメーカー移植術及びペースメーカ
ー交換術、大動脈バルーンパンピング法(IABA 法)、体外衝撃波
腎・尿管結石破砕術、麻酔管理料、輸血管理料Ⅱ、補綴(てつ)物
維持管理料、歯科特定疾患療養管理料
4
職 員 数
(平成 21 年
12 月 31 日現在)
医師 43名(59)、看護師・助産師 233名(63)、薬剤師
16名(1)、放射線技師 14名(2)、臨床検査技師 11名
(5)、臨床工学技士 3名、理学療法士 4名、作業療法士 1名、
言語聴覚士 1名(1)、管理栄養士 2名、視能訓練士 2名
(1)、歯科衛生士 3名(2)、臨床心理士 (1)、医療ソーシ
ャルワーカー 3名(1)、事務関係職員 17名(11)
合計353名(147)
※括弧内は非常勤職員数
(3) 碧南市民病院の基本理念及び基本方針
【基本理念】
碧南市民病院は、「温かな心のこもった医療」の提供を病院の基本理念として掲げ
ます。
病院は地域における中核病院として必要な医療機器を設置するとともに、職員一同
けんさん
日々進歩する医療に対して自己研鑽を行い、市民生活にとって大切な救急医療を重視
し、チーム医療による高度医療を行うとともに、リハビリテーション医療にも力を注
ぎ、患者中心のより質の高い医療の提供に努めます。併せて、地域医療機関との病診
連携を密にし、地域住民から「愛され、選ばれうる病院」を目指します。
【基本方針】
基本理念『温かな、心のこもった医療の提供』のもとに、地域に信頼され選ばれる
病院、職員が誇りを持って働ける病院を目指して基本方針を定めます。
1
医の倫理にもとづいて、すべての人に平等に人格、権利を尊重して、心のこもっ
た医療を行います。
職員は誠実な人柄と品位を持ち、日々その維持、向上に努めます。
2
質の高い医療を提供します。
けんさん
新しい医学、医療技術の研鑽を行い、高度な医療の提供に努めます。
わかりやすい言葉による説明と同意のもとに適切な医療を行います。
医療情報を提供し、適切な医療が選択できるよう支援します。
チーム医療により最良の医療を行うよう努めます。
3
安心の医療、心穏やかな医療を提供します。
安全管理の充実を図り、快適な環境の整備に努めます。
5
4
救急医療、地域医療機関連携の推進をします。
救急医療、急性期医療、高度医療、地域住民健康教育など、地域における市民
病院の役割を認識して責任を果たすよう努めます。
5
健全な運営、管理を行います。
健全経営を行い、医療機器設備の効果的な活用に努めます。
(4) 医療圏の現状
碧南市民病院の位置する西三河南部医療圏は、豊田市を除く西三河の7市(碧南市、
刈谷市、安城市、岡崎市、西尾市、知立市、高浜市)及び幸田町並びに幡豆郡3町の
7市4町の区域からなっており、面積は806キロ平方メートルで県下の15.6パ
ーセントを占めています。
平成17年国勢調査を確定値とした平成21年10月1日現在での西三河南部医療
圏の推計人口は、1,087,448 人(男556,813人、女530,635
人)となっており、愛知県の全人口の14.7パーセントとなっています。
また、本医療圏の高齢化状況は、65歳以上人口189,143人、高齢化率17.
39パーセント(「あいちの人口」平成21年10月31日現在)となっています。
医療法(昭和23年7月30日法律第205号)第30条の4第2項第12号に規
定する基準病床数は6,420床(平成18年3月31日公示)、既存病床数は6,
363床(平成21年3月31日現在)で57床が不足しています。
西三河南部医療圏域内で一般病床を有する病院は、33施設(4,290床)、診
※10
療所は64施設(656床)となっています。愛知県西三河南部医療圏保健医療計画
※11
※12
において岡崎市民病院と安城更生病院が医療圏における救急救命センター、地域中核
※13
※14
災害医療センター、地域周産期母子医療センター及びがん診療連携拠点病院と位置付
けられており、高度医療を提供しています。このような医療提供体制のもと西三河南
部医療圏における碧南市民病院の位置付けを明確にすることが求められています。
6
愛知県西三河南部医療圏の医療施設
西三河南部医療圏
区
分
施設数
愛
知
県
病床数
人口1万
人当たり
病床数
人口1万
人当たり
33
4,290
40.3
41,043
55.8
21
2,108
19.8
14,081
19.2
精神科病院
5
1,224
1.15
13,274
18.1
一般診療所
602
715
6.7
6,085
8.3
64
715
6.7
6,085
8.3
5
59
0.6
428
0.6
一般病院
(再掲)療養病床を有する病院
有床
(再掲)療養病床を有する診療所
無床
歯科診療所
538
―
―
―
―
445
―
―
―
―
(出典:厚生労働省平成 20 年医療施設調査)
碧南市民病院は、入院・外来患者の約53パーセントが碧南市の市民であり、さら
に患者の約44パーセントが本市と隣接する西尾市、高浜市、安城市、幡豆郡3町の
圏域南部の住民となっています。
しかし、平成21年3月31日現在、本市における一般病床数は、423床(医療
圏の一般病床数は、4,290床)で、医療圏の人口1万人当たりの病院病床数が平
均で40.3床に対し、本市の人口1万人当たりの病院病床数は平均で58.3床と
なります。医療圏全体からみると医療法に基づいた公立病院の使命である救急医療や
地域医療を十分に行うには、病床不足の状況です。厚生労働省の平成20年医療施設
調査(平成20年10月1日現在)によれば、人口1万人当たりの一般病床数は、全
国で71.2床、愛知県では55.8床でした。
【解説】
☐
愛知県では、県内を11の地域(圏域)に分け、地域ごとに適正な医療の提供ができ
る体制整備を図っています。西三河南部医療圏は、豊田市を除く西三河の7市(碧南
市、刈谷市、安城市、岡崎市、西尾市、知立市、高浜市)及び幸田町並びに幡豆郡3町
の7市4町の区域からなっています。
7
愛知県西三河南部医療圏の医療従事者数
区
分
医
碧南市
西三河南
部医療圏
愛知県
人口 1,000 人当たり
碧南市
西三河南部
愛知県
師
108
1,492
14,042
1.50
1.40
1.92
歯 科 医 師
44
559
4,978
0.61
0.52
0.78
保
健
師
19
244
1,746
0.26
0.23
0.24
助
産
師
32
223
1,443
0.44
0.21
0.20
看
護
師
383
4,736
39,105
5.32
4.45
5.36
准 看 護 師
173
2,427
16,460
2.40
2.38
2.26
89
1,415
12,059
1.24
1.33
1.65
薬
剤
師
(出典:平成19年愛知県衛生年報)
愛知県内における人口1,000人当たりの医師数(平成18年12月31日現
在)は、碧南市は西三河南部医療圏の1.40人よりわずかばかり多い1.50人と
なっており、愛知県全体の1.92人と比べると少ないのが現状です。
また、碧南市内の就業看護師数は、383人で、人口1万人当たりでは、5.32
人で西三河南部医療圏の4.45人よりやや多くなっていますが、愛知県全体の5.
36人より少ない数字となっています。
西三河南部医療圏における医療従事者は、愛知県全体からみると助産師・准看護師
を除くと低い数字となっています。
(人)
人口1,000人当たりの医師数
2.00
1.50
1.00
1.92
1.50
1.40
0.50
8
愛知県
西三河南部
碧南市
0.00
(参考)
愛知県西三河南部医療圏における碧南市民病院の位置付け
病床数
安城更生病院
一般692床(内緩和
ケア17床)(7:1看護)
圏域 面積
刈谷豊田総合病院
岡崎市民病院
一般579床(7:1看護)・
回復期リハ42床
医療圏における
医療提供機能
806k ㎡
一般650床
(10:1看護)
西尾市民病院
一般400床(10:1看護)・
亜急性期12床
碧南市民病院
一般320床
(7:1看護)
八千代病院
一般216床(7:1看護)
療養52床・回復期リハ52床
医療提供
がんセンター愛知病院
一般216床(10:1看護)・
結核50床・集中治療室4
床・感染症6床
岡崎三田病院
療養218床
刈谷豊田総合病院高浜分院
一般90床・療養40床
宇野病院
一般85床・療養30床
岡崎南病院
一般70床(20:1看護)・療養72床
医療提供体制
慢性期
回復期
亜急性期
一般
急性期
9
超急性期
(5) 愛知県地域保健医療計画上での碧南市民病院の位置付け
平成19年に施行された改正医療法により、医療計画制度の下で、地域の中で保健
福祉医療サービスが完結できるよう主要な4疾病5事業ごとに数値目標を設定し、適
切な医療サービスを切れ目なく提供されることになりました。平成20年3月28日
に公示された西三河南部医療圏保健医療計画においての碧南市民病院の位置付けは、
次のとおりです。
区
分
がん対策
循
環
器
疾
患
4
対
疾
策
病
脳卒中
心筋梗塞
糖尿病対策
救急医療
災害保健医療対策
5
事
業 小児医療対策
周産期医療対策
へき地医療対策
医療提供体制
体外照射治療を実施
脳神経外科標榜病院
開頭術を実施している病
院
その他急性心筋梗塞治療
病院
日本循環器学会循環器専
門医(常勤医師)
糖尿病専門外来実施病院
教育入院実施病院
糖尿病教室実施病院
日本糖尿病学会糖尿病専
門医(常勤医師)
日本内分泌学会内分泌代
謝専門医(常勤医師)
衣浦西尾広域2次救急医
療圏(Kブロック)
第2次救急医療施設
―
2次救急医療施設
地域周産期医療施設
(分娩実施医療機関)
―
(出典:平成20年3月公示
※
医療連携体制
がん診療連携拠点病院と連携し
てがん診療を担う病院
※15
脳卒中の「地域連携クリニカル
パス」の整備が必要
心筋梗塞の「地域連携クリニカ
ルパス」の整備が必要
かかりつけ医(診療所)との連
携
3次救急医療施設(救急救命セ
ンター:安城更生病院・岡崎市
民病院)との連携
地域災害医療センター(刈谷豊
田総合病院・西尾市民病院)と
の連携
3次救急医療施設(安城更生病
院・岡崎市民病院)との連携
地域周産期母子医療センター
(安城更生病院・岡崎市民病
院)との連携
―
愛知県西三河南部医療圏保健医療計画)
4疾病とは「がん」、「脳卒中」、「急性心筋梗塞」、「糖尿病」を指します。
また、5事業とは、「救急医療」、「災害医療」、「小児救急を含む小児医療」、
「周産期医療」、「へき地医療」を指します。
10
(6) 碧南市民病院における診療体制の現状
平成20年度における入院年間延患者数は、84,112人(1日平均230.4
人)で対前年度△7,232人(△7.9%)、外来年間延患者数は、198,69
9人(1日平均798.7人)で対前年度△17,544人(△8.1%)となり、
一部診療科の医師の不足、内科(消化器)の診療制限や電子カルテの導入時の診療抑
制の影響を受け、外来・入院患者数ともに大幅に減少しています。
平成21年度は、入院患者数は増加傾向に転じてきていますが、外来患者について
は、再診患者や救急外来受診患者の減少傾向が続いており、依然厳しい状況となって
います。
区
分
平成17年度
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
(見込)
許可病床数
330床
330床
※ 330床
320床
320床
病床利用率
78.4%
79.1%
76.2%
72.0%
76.0%
入院年間延患者数
94,387人
95,225人
91,344人
84,112人
88,768人
日平均入院患者数
258.6人
260.9人
249.6人
230.4人
243.2人
6,595人
6,701人
6,468人
5,946人
6,199人
235,715人
216,688人
200,404人
184,871人
170,852人
16,352人
16,849人
15,839人
13,828人
13,140人
1,018.8人
930.6人
816.3人
798.7人
742.0人
入院診療単価
37,754円
38,930円
38,513円
39,668円
41,700円
外来診療単価
11,399円
11,386円
12,338円
11,877円
9,100円
(注1)
(注2)
新入院患者数
外来年間 時間内
延患者数 時間外
日平均外来患者数
(注3)
※平成20年1月から320床に変更
(注 1) 病床利用率=入院年間延患者数÷年間稼動病床数×100
(注 2) 日平均入院患者数=入院年間延患者数÷入院診療日数
(注 3) 日平均外来患者数=外来年間延患者数÷外来診療日数
11
2
碧南市民病院の果たすべき役割
(新規追加)
碧南市民病院が掲げる基本理念・基本方針を正規職員のみならず、委託職員を含め
病院に勤務する全職員に浸透させながら、市内・近隣の医療機関を始め保健・介護保
※16
険施設等の2次医療圏における地域連携を進め、各医療機関等が専門的な機能を分担
することで、地域における医療提供体制の確保・充実が担えるよう努めているところ
です。
今後も継続的に地域において必要な良質で安全な医療を確保していくためには、市
内の各病院を始め、2次医療圏における地域医療連携を更に進め、それぞれの病院が
専門的な機能を分担することが必要であることから、碧南市民病院として次に掲げる
項目を中心に地域における役割を果たし、西三河南部地域の医療確保、充実に努めて
いきます。
【碧南市民病院の果たすべき役割】
ア
救急医療、周産期医療、小児医療等の不採算医療を担います。
イ
救急病院輪番制における医療機関の1施設として救急医療を提供します。
ウ
急性期医療を中心にこれまで担ってきた内科(消化器・内分泌・循環器)、外科、
整形外科、脳神経外科、泌尿器科、眼科、歯科口腔外科に係る手術等、高度な医療
の提供に努めます。
エ
地域の中核病院として地域の医療機関・薬局、介護保険施設や医療従事者等との
連携を強化し、地域全体の医療水準の向上に努めます。
※17
オ
看護外来、医療相談、糖尿病教室等の保健衛生活動を行い、市民の健康増進に必
要な医療を提供します。
カ
災害発生時においては、市内医療機関の後方支援病院として、地域災害医療セン
ター等と連携し、医療活動を行います。
【解説】
☐
救急医療とは、通常の時間外(休日、夜間)及び緊急的に医療を必要とする者に医療
を提供するもので、第1次、第2次、第3次と機能分担された救急医療体制を構築する
こととされています。
☐ 第2次救急医療施設である碧南市民病院は、救急隊及び第1次救急医療機関からの要
請に応え、入院又は緊急手術を要する重症救急患者に医療を提供する医療機関であり、
病院群輪番制により休日夜間の救急患者の受入れをしています。
☐ 災害拠点病院は、基幹災害医療センター、地域中核災害医療センター及び地域災害医
療センターにより構成されており、災害発生時には地域災害医療センター(刈谷豊田総
合病院、西尾市民病院)が病院・診療所及び救護所からの患者の受入れをします。
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経営改革プランの策定
(一部改定)
(1) 計画策定の必要性
ア
医業収益の減少
当院の医業収益は、平成13年度の70億6千万円余をピークに減少傾向が続い
ています。特に平成17年度においては、前年度比で3億9千万円余と過去最高の
減収となり、単年度の事業損益は、6億5千万円を超える赤字となりました。
医業収益の減少は、大規模病院の接近による患者数の減少、医師不足による外来
及び入院の一部診療科の診療制限、平均在院日数の短縮等によるものです。
事業損益の悪化は、医業収益の減に加えて、医療技術の高度化に伴う高額医療機
器の整備、施設の修繕、常勤の医師不足に伴う臨時職員の賃金増等の経費が増大す
る一方で、診療報酬が引き下げられたこと等が影響しています。
イ
医師不足
全国的に医師不足が深刻化しており、当院も例外ではなく、診療を制限せざるを
得ない診療科があります。
必要な医師の確保は、診療機能を継続できるかできないかという問題と同時に医
業収益にも左右する重大な問題です。加えて、医師不足は勤務する医師に大きな負
担を強いることになるため、診療体制全体に影響を与えています。
(2) 碧南市民病院改革プラン改定の基本方針
ア
策定期間
改革プラン改定後の計画期間は、平成21年度から平成23年度までの3か年と
します。
イ
目標
当院の改革プランは、ガイドラインの視点の一つである「経営の効率化」に主眼
を置き、公立病院としての機能を果たすため医療機能の充実及び経営の健全化を図
ります。
なお、本改革プランは、平成22年4月の診療報酬改定を始め医療環境等の変化
によって大きく影響を受けることから、必要に応じて適切な見直しを行っていきま
す。
ウ
実施状況の評価・管理等
(ア) 院内におけるアクションプランの管理・実行体制
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院内においてアクションプランの進捗状況の確認及び評価を行います。
アクションプランの実施状況は、各責任部署において月1回ごとに自己点検及
び自己評価を行うとともに、病院幹部職員で組織する幹部会議において評価し、
それに対する助言及び指導を行います。
また、その状況については、定期的に経営改善委員会において報告するととも
に、アクションプランの実行に係る問題点について協議・検討を行います。
(イ) 改革プランの評価及び公表
改革プランは、市民の皆様に公表し、実施状況は、年1回以上自己点検及び自
己評価を行うとともに、有識者及び地域住民の参加を得て組織する碧南市民病院
運営審議会において評価し、客観性を確保します。
進捗状況は、広報紙及び市民病院のホームページで定期的に公表します。
(3) 平成21年度における改革プラン改定の視点
平成21年度の改革プランの改定に当たっては、経営診断を実施することで改革プ
ランの進捗状況の評価をし、その診断結果に基づき経営改善策の効果測定を行い、今
後の課題等を整理しました。
また、平成20年10月の改革プラン策定時からの社会経済情勢の変化、市民病院
の現況、医療制度の改正状況を踏まえ、数値目標並びにアクションプランの基本方向
及び推進方法の検討を行い、次に掲げる視点を重視してアクションプラン項目の整理
及び内容の見直しを行いました。
ア
改革プラン実行・管理体制の構築
改革プランの取組みを具体的に推進するために、病院内の各部署の代表者で構成
する経営改善委員会を組織し、アクションプラン実行のための調整及び進捗管理を
行っています。
イ
各部門の職員の意見を反映
改革プランの実現に向けて、職員が一丸となって取組みを進めるため、病院幹部
職員及び各部門長を対象に市長によるC・Sミーティング(市長懇談会)を始め病
院長による常勤医師及び各部門長ヒアリング等を行い、病院の改革基本方針を伝え、
意思の疎通を図り、意識改革を進めるなかで現場において具体的なアクションプラ
ンを作成しました。
平成21年の実施状況の詳細は、次に掲げるとおりです。
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平成21年6月
病院幹部職員及び各部門の長を対象にした市長によるC・Sミ
ーティング(市長懇談会)
7月
病院長との目標面接(院長ヒアリング)
常勤医師を対象にしたC・S講演会(市長スピーチ)
9月
第1回部門ヒアリング(2日間)
第2回部門ヒアリング(2日間)
12月
第3回部門ヒアリング(2日間)
【解説】
☐
C・Sとは、CITIZEN’S(市民)SATISFACTION(満足度)の頭文字をとったもので、市民満足
度を向上させることを言い、・田市長が提案した用語です。そのため、C・Sミーティング及
びC・S講演会とは、市民満足度を向上させるための市長と職員との会議という意味です。
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