『Acta Theriologica Vol. 47, Suppl. 1, 2002. Theriology at the Turn of
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『Acta Theriologica Vol. 47, Suppl. 1, 2002. Theriology at the Turn of
Title Author(s) Citation Issue Date 『Acta Theriologica Vol. 47, Suppl. 1, 2002. Theriology at the Turn of a New Century』 Joanna Gliwicz編(Mammal Research Institute, Polish Academy of Sciences, Białowie a, Poland) 大舘, 智氏 哺乳類科学, 42(2): 171-171 2002 DOI Doc URL http://hdl.handle.net/2115/44414 Right Type column Additional Information File Information MS42-2_171.pdf Instructions for use Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP 1 7 1 2 1 1 1 2 2 1 2 1 1 E z i 2 5 2 1 1 1 2 5 1 5 書 評 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 i I ActaT h e r i o l o g i c 昌 Vo I .47 , Supp I .1 , 2 0 0 2 .T h e r i o l o g ya t あり東欧,北欽を中心とした小型補乳類研究の最前線を t h eTurno faNewC e n t u r y J J 知る上で貴重な論文集であるといえる.ポーランドの鳴 n s t i t u t e ,P o l i s h J o a n n aG l i w i c z編 (MammalR e s e a r c hI i a l o w i e z a,P o l a n d ) Academyo fS c i e n c e s,B E v o l u t i o no fS h r e w s J という単 乳類研究所は 1998年に I c t a 行本形式の論文集を, 2000年には今回と時様に A η l e r i o l o g i c aの特別号として I E v o l u t i o ni nt h eS o r e x この論文集は二人の著名なポーランドの晴乳類学者で Ar a n e u sG r o u p :C y t o g e n e t i candM o l e c u l a rA s p e c t s J という ある Z .Puc e k ,R .An d r z 伊w s k i両氏の 70歳記念に A c t a 発行している.これらの論文集にももちろん今 論文集者E T h e r i o l o g i c a の特別号として編まれたもので. 2氏と縁 回の被献呈者である 2氏がかかわっている.このように の深い 7カ国2 3人の著者が書いた 1 3の論文よりなってい ポーランドでは小型補乳類とりわけトガリネズミ類の研 る.論文はアメリカやイギリスからの寄稿もあるが,主 入れており(もちろん大形獣の研究のレベルの 究に力者E にポーランド,ロシアおよび北欧の著者らによって占め 高さも有名であるが), られている.また対象としてトガリネズミ類や議歯類が にとっては個人的に非常のうらやましい限りである.あ 中心となっている. .G l i w i c z まず本書の構成を列挙する.始めに編者の J トガリネズミの研究者である私 る分野での研究の発展は,研究者の層の厚さと研究者聞 の協力関係と適度な競争関係があって達成される.日本 氏の巻頭言があり,次に生態学 (6題).進化と生活史 でももっと小型晴乳類の研究が盛んになることを心から (5題),生態生理学 (2題)の論文が続き最後に Z .Puc e k ,R .An d r z e j e w s k i両氏のような 望む.それには Z P u c e , kR .An金z e j e w s k i両氏の主要な出版物のリストが載 良き先導者がいて可能になるのだと,大学の教官の一人 せられている. として反省そ含めて痛感した. 次に簡単な掲載論文の内容を紹介する.生態学の最初 の 3題はいわゆる北欧学派の人たちによる葱爾類の個体 群変動についての論文である.彼等は本学会員の湾藤 行っており,日本のエゾヤチネズミ 隆氏とも共同研究者E での研究成果もこれら論文にも反映されている.他の l題はトガリネズミ類の種多様性問題について,残りの 2題は晴乳類の行動圏について警かれている.進化と生 活史のセクションでは,ポーランドの中新世の化石,重要 歯類における歯と骨より生活史を推定する方法,ヨーロ ッパトガリについての核型多型と分子進化, トガリネズ ミの体サイズの決定要民, トガリネズミと重量歯類の生活 史の比較,についての論文がある.最後の生態生理学に は 2題があり,それぞれ晴乳類の赤血球の表面積に対す るヘモグロビン量と非冬眠晴乳類の生存戦略について書 かれている. 最後にこの論文集に対する感想,意見について述べ る. トピックと著者については,当論文集の目的により Z . Pucek,R . An d r z 巴j e w s k i両氏の興味と人慌のなかから 論文が選ばれたので大きな偏りがある.したがって I T h e r i o l o g ya tt h etumo fanewc e n t u r y J という副題は少 々大袈裟である気がする.また寄稿論文のほとんどがレ ヴ、ュー形式のものでありオリジナルなデータはほとんど ない.しかし,いずれの著者もその方面で活動的な人で 大舘智氏(北海道大学低温科学研究所)