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協働のプログラムづくり 事業全体の「参加のデザイン」
市民参加や 協働の事業を組み立てる時に 協働のプログラムづくり 1.ワークショップなどの企画を要素とする「事業全体」 の流れを、「参加のデザイン」として組み立てる。 (1年間?全10回?) 2.「個々の企画」の流れを、「参加のデザイン」として 組み立てる。(2時間?1時間半?) NPO法人旧小熊邸倶楽部 代表 東田 秀美 ⇒この2つの要素を考えながら、 「事業全体」と「個々の企画」の関係性を 考えることが重要! 1 事例として、 『中標津町「パートナーシップで進めるまちづくり」町民会議』 2 どのような方法で、個々に話し合ったのか? 平成17年11月に設置され、「町民・行政・企業・団体」とのパ ートナーシップの確立に向け、パートナーシップの課題や目指 すべき方向性や方針について、お互いに議論を深めながら議 論する場としてスタート。 町職員23名、公募の町民委員32名、総勢55名の会議。 最初は行政に対する批判から始まったが、批判を課題として 捉え、町民委員と町職員が課題解決の方法を議論した。これ が、町民会議のパートナーシップの始まりであった。 平成18年3月に、提言書が提出され、これが中標津町のパ ートナーシップの始まりである。 詳しい会議内容や事業スケジュールは、HPにて。かなり詳細 に掲載している。 3 どのような方法で、全体(1年半)を進めたのか? 基本は、情報共有のための全体会議⇒グループワーク⇒全体会議の繰り返し ■共有⇒発散⇒収束⇒決定(合意)の繰り返し ①役場や町内の現状を報告した。会議で使う言葉の勉強会をした。話し合いに 必要な情報は、事務局などがスグに用意した。⇒共有 ②グループ毎に話し合いをした。⇒発散 ③グループ内での話し合いの内容を、全体で発表した。⇒共有 ④全体会議を行ない、町民会議としての意見を整理した。⇒収束 ⑤文章作成班を選出し、文章化して、全体会議に諮り、決定した。⇒決定 5 基本は、「グループワーク」での話し合い ■共有⇒発散⇒収束⇒決定(合意)の繰り返し ①5~8名(適正人数)に参加者を分け、自己紹介から始めた。⇒共有 ②進め方を説明し、意見をラベルに書き出していった。⇒発散 ③ラベルを紹介する形で、自分の意見を言いながら、貼り出した。⇒共有と発 散 ④似たような内容のラベルをまとめて、キーワードや考え方を整理した。⇒収束 ⑤キーワードや考え方から、ラベルに見出しをつけた。⇒収束 4 ⑥模造紙全体に、キャッチコピーをつけた。⇒決定 事業全体の「参加のデザイン」 ①現状説明(全体スケジュール案、会議のルールなど) ②情報共有(見せたくない部分も含めて) ③職員も町民も一緒に勉強会(時間を共有する他に、使用する用 語の統一という意味もある) ④話し合い(最初は批判ばかりで不安になる、職員は我慢) ⑤また、話し合い(町民が変化し始める、職員も言ってもいい) ⑥町民側から「これは話し合いではない!」という声が出て、全体 がどうあるべきかを考えて、やっと本当の話し合いが始まる。 ⑦到達点(成果)をお互いが確認しあい、収束へ向かう。 ⑧決定するために、メリット・デメリットや条件を話し合う。 ⑨納得がいかないときは、話し合う回数を増やす。 6 ⑩全員が収束し、決定(合意)。 個々の企画の「参加のデザイン」 でも、でも、でも、でも、すごく不安・・・ 平成16年当時、某担当者は、どうしたか? ①自己紹介やアイスブレイクなどで、ファシリテーターと参加者 がお互いを知る。(本音が言える、笑える場づくり) ②口頭での説明や、文書、模造紙などを使って、情報の共有を する。(今日のスケジュール、何をどうやるのか?) ③グループ分けして、話し合いを始める。(意見集約の場なの か?意見交換後に到達点があるのか?の理解) ④模造紙やラベルなどを使って、意見を集約、共有し、グルー プごとに収束。(意見を言えても書けない人が居る、書記役 の配置) ⑤グループごとに発表し、全体で共有する。(発表者が片寄ら ない配慮、グループから修正できる時間が必要) ⑥今日の振り返りと、全体スケジュールの確認。(最終到達点 についての理解と、全体での意見の収束へ向けて、次をどう するのか?を確認すること) ①地域のNPOと話をした。 ②札幌の大きなNPOとも話をした。 ③腹を割って、相談した。困っていることを打ち明けた 。 ④勉強した。講座を受ける、事例を調べてヒアリング するなど。 ⑤それでも不安は消えない。⇒参考事例は、参考でし かない。 7 でも、でも、でも、でも、すごく不安・・・ 平成16年当時、某担当者は、どうしたか? 今までは、どうしてきたのか? ⑥諦めて、実行した。 これからは、どうして行きたいのか? コンサルタントに委託 ⇒予算が無い。 ⇒地域を知らないので、金太郎飴のような計画ばかり 関係機関へのヒアリング。 ⇒利害関係がある部分のみ、意見を主張する。 ⇒関係機関同士が、連携を取れていないので、整合性に欠ける 。 アンケートなどによる意見集約。 ⇒具体性に欠ける。実態が分からない。 少数の町民による委員会の設置 ⇒行政にお任せ?シナリオ通り?結局は誰が作ったもの? 10 ⇒計画を実行する担い手が見えない。誰が引き継ぐの? ⇒職員プロジェクトチームの編成(平17年5月~10月 全12回) (まずは、職員から想いを共有できる仲間づくり) ⇒また、煮詰まって相談をした。(8回目くらい) (WSの方法を知らない、参加のデザインを知らない、質問力が 不十分、 次のステップが分からない) ⇒パートナーシップで進めるって、本当はどういうこと? (職員だけで話していても、結論は出ないという結論に達した) ⇒町民と職員が、一緒に話し合う。それこそがパートナーシップ。 (職員も含めて町民会議?町民だけで話し合うの?という議論) ⇒町民会議へ移行(平17年11月~平19年3月 全17回) 9 8 コンサルタントの代わりに、地域のNPOや行政がファシリテー ターを担う。 ファシリテーターは、「地域を良く知る第3者」であることが有効 なので、広域のネットワークを使うことも有効になる。(隣町のフ ァシリテーターを務めるなど)⇒広域連携も可能に? 地域が連携するため、担い手が計画づくりに係わり、その後の 実行についても担保できる。 どこかの誰かが作ったものではなく、自分達が作った計画を自 分達が実行する立場になる。 事業全体の「参加のデザイン」と、個々の企画の「参加のデザ イン」を経験して、組み立てて実行できる行政職員に! 11