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EMC Symmetrix VMAXファミリ ストレージ システム向け

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EMC Symmetrix VMAXファミリ ストレージ システム向け
ホワイト ペーパー
Symmetrix VMAX ファミリ ストレージ
システム向け Enginuity 5876 の新機能
オープン システム環境向け詳細レビュー
要約
このホワイト ペーパーでは、EMC® Symmetrix® VMAX™ファ
ミリ ストレージ システムで使用できる新機能について説明
します。これらの機能は、Enginuity™ 5876 および Solutions
Enabler V7.4 の実行時に使用できます。このドキュメントを
通じて、EMC Symmetrix VMAX ファミリという用語は、すべ
ての VMAX 10K(VMAXe)、VMAX 20K(VMAX)、VMAX 40K
シリーズ ストレージ システムに対して適用されます。
2012 年 7 月
Copyright © 2012 EMC Corporation. All rights reserved.
(不許複製・禁無断転載)
EMC Corporation は、この資料に記載される情報が、発行日
時点で正確であるとみなしています。この情報は予告なく
変更されることがあります。
この資料に記載される情報は、「現状有姿」の条件で提供
されています。EMC Corporation は、この資料に記載される
情報に関する、どのような内容についても表明保証条項を
設けず、特に、商品性や特定の目的に対する適応性に対す
る黙示の保証はいたしません。
この資料に記載される、いかなる EMC ソフトウェアの使用、
複製、頒布も、当該ソフトウェア ライセンスが必要です。
最新の EMC 製品名については、EMC.com で EMC Corporation
の商標を参照してください。
VMware は、VMware Inc.の登録商標です。その他のすべて
の名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者
の商標または登録商標です。
パーツ番号:h10497
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
2
目次
エグゼクティブ サマリー ...................................................................................... 4
はじめに ............................................................................................................................ 4
オープン システムの新機能 ................................................................................... 5
Federated Tiered Storage .................................................................................................... 5
TimeFinder の機能拡張 ...................................................................................................... 6
TimeFinder VP Snap ........................................................................................................ 7
Target Not Ready による Clone の終了 ........................................................................... 8
Auto-Terminate/Auto-Cancel ログ ................................................................................... 8
TimeFinder/Snap 動作.................................................................................................... 8
RecoverPoint の機能拡張 ................................................................................................... 8
アレイ ベースの RecoverPoint スプリッタ .................................................................... 8
RecoverPoint で設定可能なデバイス サイズとジオメトリ ........................................... 9
RecoverPoint が管理する動的 WPBP(書き込み保護バイパス) .................................. 9
RecoverPoint の追加の記述的デバイス タグ機能........................................................ 10
RecoverPoint n-1 の相互運用性サポート ..................................................................... 10
RecoverPoint と VMware の統合 ................................................................................... 10
Federated Live Migration のサポート ............................................................................... 10
FAST VP の機能拡張 ......................................................................................................... 12
FAST ポリシーによる VP の割り当て .......................................................................... 12
SRDF の整合性 ............................................................................................................. 12
ハードウェア関連の機能拡張 .............................................................................. 14
グリーン電源 .................................................................................................................. 14
動的バックエンドの改善 ................................................................................................ 14
Fibre RA の圧縮 ................................................................................................................ 15
その他の VMAX 40K の機能拡張 ...................................................................................... 15
レポート作成 .............................................................................................................. 15
分散システム ベイ ...................................................................................................... 15
RVA の直接メンバー スペアリング ............................................................................. 15
結論...................................................................................................................... 16
関連資料 .............................................................................................................. 16
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
3
エグゼクティブ サマリー
Enginuity™バージョン 5876 は、Symmetrix® VMAX™ファミリ ストレージ シス
テ ム を サ ポ ー ト す る 最 新 の リ リ ー ス で す 。 Enginuity 5876 は 、 IaaS
(Infrastructure-as-a-Service)を可能にする自動化とモビリティによってリソー
スの共通プールを連携して共有することにより、バーチャル ストレージにおけ
る EMC のリーダーシップを発展させます。
Enginuity 5876 のネットワーク、共有、階層型ストレージ リソースの機能によ
り、データセンターは専用アレイからのアプリケーションの統合および新しい
レベルの効率性の提供が可能になり、使用率の向上、モビリティの向上、電力
および設置面積要件の軽減、ストレージ管理の合理化を実現します。
はじめに
EMC は Symmetrix VMAX 40K を導入しました。VMAX 40K は、ハイエンド ストレー
ジにおける EMC のリードをさらに発展させる新しいアレイです。
Symmetrix VMAX
40K および Enginuity 5876 は、強力で信頼性の高いスマート ストレージである
Symmetrix VMAX を基盤にして構築され、仮想データセンターにより高度なパ
フォーマンス、可用性、インテリジェンスを提供します。
Enginuity 5876 オペレーティング システムは、ハイブリッド クラウド全体に自
動化とモビリティによってストレージ リソースのプールを連携して共有するこ
とにより、バーチャル ストレージにおける EMC のリーダーシップを発展させ
ます。Enginuity 5876 は、VMAX 10K(VMAXe)、VMAX 20K(VMAX)、VMAX 40K
シリーズ ストレージ システムを含む、Symmetrix VMAX ファミリ全体で使用可
能です。次に説明する新しい Enginuity 5876 ソフトウェア機能により、物理お
よび仮想サーバ環境の両方における情報の管理と保護が大幅に合理化されて自
動化されました。
Enginuity 5876 では、次の新機能が提供されます。
IBM System z と IBM i 環境向け容量使用率の自動化と向上:

IBM System z と IBM i 環境向け FAST VP(Fully Automated Storage Tiering
for Virtual Pools)と仮想プロビジョニング™

IBM System z と IBM i 環境向け VLUN VP 移行サポート
効率性の向上

FAST VP 環境向け SRDF®と SRDFe の対応
統合の強化と TCO の削減

VMAX システム*を通じて外部ストレージ アレイを管理するための FTS
(Federated Tiered Storage)

RecoverPoint™スプリッタ

TimeFinder® VP Snap
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
4
容易な統合と管理

VMAX 向け Unisphere™

動的バックエンド

Federated Live Migration クラスタ サポート
* VMAX 10K(VMAXe)では使用不可。
このホワイト ペーパーで説明されている機能は、オープン システム環境のみに
適用されます。
IBM System z と IBM i プラットフォーム(メインフレーム システム)向けの
Symmetrix 5876 の新機能に関する情報については、このホワイト ペーパーとと
もに発行される該当するホワイト ペーパーを参照してください。
オープン システムの新機能
次の機能は、Solutions Enabler バージョン 7.4 を使用する Enginuity バージョン
5876 で使用可能で、Symmetrix VMAX ファミリ ストレージ システムをサポート
します。
Federated Tiered Storage
FTS(Federated Tiered Storage)を使用すると、EMC またはサード パーティ スト
レージ アレイを使用して外部ストレージを作成できます。FTS では、既存の VLUN
移行テクノロジーを使用して、VMAX 20K(VMAX)、または VMAX 40K と外部
アレイ間でのデータ移動、および 2 台の外部アレイ間でのデータ移動ができま
す。FTS は新しいハードウェアを必要としません。FTS は使用可能な SAN ポー
ト
(FA および RF としても使用可能)を活用します。また、DX(Disk Adaptor eXternal)
と呼ばれる新しい Enginuity エミュレーション機能に基づいています。
表 1 に、5876 Enginuity 機能として FTS をサポートするストレージ プラットフォー
ムを示します。外部アレイ サポートの詳細については、www.emc.com/Powerlink
に公開されている FTS サポート マトリックスを参照してください。
VMAX 10K(VMAXe)
N/A
VMAX 20K(VMAX)

VMAX 40K

表 1:FTS をサポートする Symmetrix ストレージ
FTS(Federated Tiered Storage)を使用すると、外部アレイに存在する LUN を
Symmetrix VMAX の物理ストレージを提供するために使用できます。外部 LUN
は、内部 Symmetrix 物理ドライブを使用するのと同じ方法で、Symmetrix デバ
イスを作成するための未フォーマット ストレージ領域として使用できます。こ
れらのデバイスは、eDisk と呼ばれます。外部 LUN 上のデータも維持でき、
Symmetrix デバイス経由でアクセスできます。これにより、Symmetrix Enginuity
機能を外部アレイに存在するデータを使用したローカル レプリケーション、リ
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
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モート レプリケーション、ストレージ階層化、データ管理、データ移行に使用
できるようになります。
Federated Tiered Storage のメリットには、次が含まれます。
•
SMAS、Solutions Enabler、ProSphere によって異機種混在アレイを管理
可能にすることで、仮想マルチベンダー、EMC ストレージの管理を合理
化する。
•
異機種混在ストレージ アレイ間および異機種混在アレイと VMAX 間の
データ移動および移行が可能になる。
•
外部アレイに仮想プロビジョニングのメリットを提供する。
•
SRDF や TimeFinder などの VMAX エンタープライズ レプリケーション テ
クノロジーを外部アレイに存在するストレージのレプリケーションに使
用できる。
•
既存のディスク アレイを追加のストレージ階層として使用可能にする
ことで、既存のディスク アレイの価値を拡張する。
FTS は、オープン システム環境のみでサポートされています。現在、System z
と IBM i 環境ではサポートされていません。図 1 に、EMC 外部ストレージを使
用した、FTS 構成のコンポーネントを示します。
図 1 Federated Tiered Storage 構成
TimeFinder の機能拡張
このセクションで説明する次の新しい TimeFinder の機能拡張は、Enginuity 5876
および Solutions Enabler V7.4 で使用可能です。これらの TimeFinder の機能拡張
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
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は、表 2 に示すとおり次の VMAX シリーズ ストレージ システムでサポートされ
ます。
VMAX 10K(VMAXe)

VMAX 20K(VMAX)

VMAX 40K

表 2:TimeFinder の機能拡張をサポートする Symmetrix ストレージ
TimeFinder VP Snap
TimeFinder VP Snap は、キャッシュ使用率の向上とプール管理の合理化を実現
するスナップショット テクノロジーの効率性を提供すると同時に、仮想プール
デバイスに設置効率の高いスナップショットを提供します。
TimeFinder VP Snap は、Enginuity レベル 5876 以降および Solutions Enabler
V7.4 を実行している、すべての Symmetrix VMAX ファミリ ストレージ アレイで
使用可能です。
この新しい TimeFinder テクノロジーは、同じソース ボリュームから発生したト
ラック グループに対して容量割り当てを共有する機能を追加します。
(これは、
TimeFinder/Snap が現在共有トラックをコピーする方法に類似しています)。
TimeFinder VP Snap は、管理が容易でフル コピー クローンと省スペース型のス
ナップショット テクノロジーの両方のメリットが組み込まれています。
TimeFinder VP Snap は、複数のクローン VSE(Virtual Space Efficient)セッション
がシン デバイスをターゲットにし、シン プール内でエクステン割り当てを共有
する機能を提供します。これにより、保存したトラックのストレージに必要な
スペースが削減されます。TimeFinder VP Snap は、これらの VP Snap セッション
からの差分リストアを実行する機能も提供しますが、リストアには制限が適用
されます。
図 2 に、複数のターゲットがある TimeFinder VP Snap が単一のシン プー
ル内でトラック割り当てを共有している図を示します。
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
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図 2 トラック割り当てを共有している TimeFinder VP Snap
Target Not Ready による Clone の終了
Clone の終了では、ユーザーは Target Not Ready オプションを指定できます。このオプ
ションは、
終了動作の完了時にターゲット デバイスを以前の ready または NR
(not-ready)
状態のいずれかのままにします。終了の完了後、デフォルトは Ready に設定されます。
Auto-Terminate/Auto-Cancel ログ
Snap および Clone の Auto-Terminate および TimeFinder Mirror Auto-Cancel 機能
は、セッションが削除されると監査ログおよび SYMAPI ログ エントリーを生
成します。
TimeFinder/Snap 動作
Enginuity 5876 からは、SYMCLI_MULTI_VIRTUAL_SNAP 環境変数の設定にかかわ
らず、すべてのスナップショット セッションが Multi-Virtual Snap として自動的
に作成されます。VMAX 20K(VMAX)および VMAX 40K ストレージ アレイでは、
Multi Virtual Snap のみがサポートされます。
注:TimeFinder/Snap 動作は、VMAX 10K ハードウェアではサポートされません。
RecoverPoint の機能拡張
RecoverPoint は、データ保護およびレプリケーション テクノロジーを提供し、
すべての書き込みをキャプチャしてヒストリ PiT(ポイント イン タイム)ジャー
ナルに保存します。データ リカバリ動作は、ジャーナルに保存された古いバー
ジョンのデータを使用し、選択したポイント イン タイムにターゲット ボリュー
ムを戻すことによってローカルとリモートのいずれかまたは両方で実行でき
ます。
表 3 に、最小の Enginuity レベル 5876 および Solutions Enabler V7.4 を実行して
いる Symmetrix VMAX ファミリ ストレージ システムの RecoverPoint の可用性を
示します。
VMAX 10K(VMAXe)

VMAX 20K(VMAX)

VMAX 40K

表 3:RecoverPoint の機能拡張をサポートする Symmetrix ストレージ
アレイ ベースの RecoverPoint スプリッタ
Symmetrix アレイで RecoverPoint を導入するには、ホスト ベースのスプリッタ
(KDriver)またはファブリック ベースのスプリッタ
(Cisco SANTap または Brocade
FAP)のいずれかが必要です。Symmetrix スプリッタは、Enginuity バージョン
5875 および RecoverPoint バージョン 3.4 SP1 以降を実行する VMAX 10K(VMAXe)
でサポートされています。
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
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最新の Enginuity リリースの場合、RecoverPoint スプリッタは、Enginuity バー
ジョン 5876 および RecoverPoint バージョン 3.5 を実行する VMAX 20K(VMAX)
および VMAX 40K をサポートします。
RecoverPoint は次の構成をサポートします。
•
RecoverPoint CRR、CLP、CDP
•
オープン システムのみ
図 3 に、アクティブな RecoverPoint CDP および CRR の構成を示します。
図 3 ローカルとリモート レプリケーション用の RecoverPoint 構成
RecoverPoint で設定可能なデバイス サイズとジオメトリ
RecoverPoint スプリッタは、小さいデバイスから大きいデバイスへの移行目的
でのレプリケーションをサポートします。小さいデバイス サイズから大きいデ
バイス サイズへの RecoverPoint レプリケーションおよび移行をサポートするた
めに、ユーザーはネイティブ Symmetrix デバイス サイズ、およびデバイスのジ
オメトリを変更できます。レプリケーションおよび移行用のデバイス セットに
は、異なるジオメトリを指定できます。通常、ジオメトリとシリンダ割り当てユ
ニットが同じデバイス サイズを生成しない場合に、異機種混在の構成で異なる
ジオメトリの指定が必要になります。RecoverPoint は、レプリカ セット内のサイ
ズの違いを検出して、デバイスをブロック内の共通のサイズまで縮小します。
RecoverPoint が管理する動的 WPBP(書き込み保護バイパス)
RecoverPoint では、ユーザーが RecoverPoint イニシエータ グループのアレイの
WriteProtectBypass 機能を明確に有効にする必要があります。このバイパス機能
は、ユーザーではなく RecoverPoint が管理します。
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
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一方で、RecoverPoint クラスタにいったんマスクされたデバイスの書き込み保
護を明示的に削除する必要がなくなったため、動的 WPBP デバイス保護の構成
処理におけるステップがなくなりました。
この機能により、顧客による追加のアクションを一切必要としない RecoverPoint
クラスタにデバイスがマスクされた後の WPBP フラグ設定が自動化されます。
RecoverPoint の追加の記述的デバイス タグ機能
追加の記述的デバイス タグ機能によって、リポジトリ、ジャーナル、ソース、
レプリカ ボリュームとして明示的にデバイスをタグ付けできるようになりまし
た。この機能は、現在のタグ機能メカニズム、および RecoverPoint の管理性を
拡張します。
以前は、リポジトリ、ジャーナル、ソース、レプリカ ボリューム間を容易に区
別できませんでした。追加の記述的デバイス タグ機能によって、RecoverPoint
管理を相互参照して各ボリュームの使用状況を判断する要件がなくなりました。
RecoverPoint n-1 の相互運用性サポート
RecoverPoint n-1 の相互運用性は、リリース間の RecoverPointスプリッタをサポー
トします。
EMC VMAX 10K(VMAXe)は、RecoverPoint スプリッタを Enginuity バージョン
5875 で初めてサポートしました。n-1 の相互運用性サポートは、5875 スプリッ
タと 5876 RecoverPoint スプリッタの下位互換性を確保します。
RecoverPoint と VMware の統合
VMware vSphere 4.1 では VAAI(vStorage API for Array Integration)が導入されま
した。VAAI のコマンドは、VMware ESX サーバがストレージ アレイに書き込む
際の特定の動作を高速化します。
RecoverPoint と VMware の統合は、クラスタ化されたホスト環境に効率のより
高いメカニズムを提供する、ハードウェア支援 LUN ロックを完全にサポートし
ます。
Federated Live Migration のサポート
FLM(Federated Live Migration)は、EMC のテクノロジーで、ホスト アプリケー
ションのボリュームをソース アレイから任意の EMC Symmetrix VMAX アレイに
アプリケーション ダウンタイム不要でシームレスに移行させます。新しいアレ
イ ボリュームは、古いアレイ ボリュームの WWID とジオメトリをエミュレート
します。このため、I/O ホストは新しいアレイのパスを古いアレイへのパスと
して認識します。これにより、マルチパス ソフトウェアは、I/O を一切停止す
ることなく、新しいアレイにシームレスに切り換えできます。FLM はアプリケー
ションに透過的なため、ストレージ管理者は移行タスクをダウンタイムなしで
開始できます。このため、移行時間が非常に高速化されます。
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
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次の表に、FLM ターゲットとしてサポートされる EMC ストレージ プラットフォー
ムを示します。現時点では、Symmetrix DMX ストレージのみが FLM 移行のソー
ス/ドナーになれます。
VMAX 10K(VMAXe)

VMAX 20K(VMAX)

VMAX 40K

表 4. FLM をサポートする Symmetrix ストレージ
ORS(Open Replicator for Symmetrix)機能セットへの機能拡張によって、SCSI-3
ホスト クラスタリングの Federated Live Migration サポートが可能になりまし
た。この新機能の実装前は、SCSI リザーブを持つデバイスからの FLM プル動
作中、Open Replicator セッションを作成する前に、ホスト シャットダウンが
必要でした。
このクラスタ サポートでは、Windows 2003 および Windows 2008 クラスタに
対して SCSI-2 および SCSI-3 の持続的なリザーブ状態が提供されます。Microsoft
Windows 2003 クラスタ サポートは、SCSI-2 の非持続的なリザーブ状態を必要
とします。一方で、Windows 2008 クラスタ サポートは、SCSI-3 の持続的なリ
ザーブ状態を必要とします。
クラスタ サポートには、Enginuity 5876 および Solutions Enabler 7.4 以降が必
要です。これよりも前の Enginuity バージョンを使用した FLM 移行では、引き
続き非クラスタ ホスト環境が必要です。図 4 に、クラスタ サポートのある FLM
構成を示します。
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
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図 4 SCSI-2 クラスタとの FLM セッション
FAST VP の機能拡張
FAST VP(Fully Automated Storage Tiering for Virtual Pools)の機能拡張は、Enginuity
レベル 5876 以降および Solutions Enabler 7.4 を実行している Symmetrix VMAX
ファミリ ストレージ システムで使用可能です。表 5 に、サポートされる Symmetrix
VMAX シリーズ ストレージ システムを示します。
VMAX 10K(VMAXe)

VMAX 20K(VMAX)

VMAX 40K

表 5:FAST VP をサポートする Symmetrix ストレージ
FAST VP は、自動化された階層型ストレージをすべての EMC Symmetrix ファミリ
ストレージ システムに提供します。これにより、仮想プロビジョニングされた
ストレージ デバイスのサブ LUN データ移動が可能になります。一方、容量使用
率は大幅に高まり、
ストレージ管理の時間は短縮されて複雑さが軽減されます。
FAST ポリシーによる VP の割り当て
この機能では、シン デバイスが関連づけられた FAST VP ポリシーに含まれる任
意のシン プールからの新しい割り当てが可能です。
FAST VP は、まず最適な階層に新しい書き込みの割り当てを試みます。これに
より、最初の割り当ての後に、ストレージ階層プロモーションまたはデモーション
が続く二重の移動を防ぎます。最適な階層を判別するために使用可能な情報が
ない場合、FAST VP はデバイスがバインドされているプールからのエクステン
トを割り当てます。
データの割り当てに選択したプールがいっぱいの場合、FAST VP は FAST VP ポリ
シー内に含まれる他のプールに割り当てを実行します。ポリシー内の少なくと
も 1 つのプールに利用可能なスペースがある限り、新しいエクステントの割り
当てはすべて成功します。
ポリシーによる割り当て機能は、Symmetrix アレイ レベルで有効になり、FAST VP
によって管理されるすべてのデバイスのすべての割り当てに適用されます。こ
の機能はデフォルトで無効になっています。ポリシー機能による割り当てが無
効の場合、新しい割り当ては、シン デバイスがバインドされているプールから
実行されます。
SRDF の整合性
Enginuity 5876 の別のコア機能として、リモート デバイス(R2)を FAST VP ポ
リシーの考慮に含めるための SRDF(Symmetrix Remote Data Facility)の機能拡
張があります。Enginuity 5875 では、FAST VP は、SRDF リンクの各側で独立し
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
12
て動作していました。FAST VP によるプロモーションおよびデモーションの決
定は、個々のデバイスが認識する実際のワークロードに基づいていました。
R1 デバイスは一般に読み取りおよび書き込みワークロードの混合に耐える一方
で、対応する R2 デバイスは書き込みワークロードのみを認識することがあり
ます。(5875 では、R1 に対する読み取りはリンク全体に反映されません)。
この結果、R2 デバイス データは、R1 デバイスの関連データと同じ階層に配置
されていない場合がありました。
Enginuity 5876 では、FAST VP 向けに SRDF の対応が導入されました。R1 デバイ
スに対して収集されたパフォーマンス値は、リンク経由で対応する R2 デバイ
スに定期的に転送されます。
R2 デバイスでは、
R1 のパフォーマンス値が実際の R2のパフォーマンス値とマー
ジされます。FAST VP は、R1 デバイスのワークロードを考慮してから、R2 デバ
イス データに対するプロモーションおよびデモーションを決定します。
SRDF の整合性は、ストレージ グループごとに有効または無効にされます。デ
フォルトでは、無効になっています。
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
13
ハードウェア関連の機能拡張
グリーン電源
VMAX 10K(VMAXe)
VMAX 20K(VMAX)
N/A
VMAX 40K
N/A

表 6. グリーン電源をサポートする Symmetrix ストレージ
EMC Symmetrix VMAX 40K は、Climate Savers Gold 認証の電力効率に優れた電源を
D15 DAE とエンジンに使用しています。これらの電源では、電源の 80 Plus Gold
標準を満たす電源提供の効率性が向上しています。このグリーン電源のサポー
トには、適応型冷却および電力モニタリング機能の設定も含まれます。
動的バックエンドの改善
VMAX 10K(VMAXe)

VMAX 20K(VMAX)

VMAX 40K

表 7:動的バックエンドをサポートする Symmetrix ストレージ
動的バックエンドは、表 7 に指定された Symmetrix ストレージ システムで使用
可能です。一方で、
これらの変更は、
ユーザーや他のアプリケーション
(Symmetrix
Management Console など)には示されていません。
構成変更はアレイ処理への割り込みを一切引き起こさず、他の構成変更と並列
して実行され、短時間で完了することが理想です。EMC Symmetrix システムの
旧バージョンの Enginuity では、この方法論に近い構成変更が提供されていまし
た。フロントエンド マッピングおよびマスキング、メタボリューム作成、デバ
イス属性の設定は、ストレージ アレイに割り込みしない新しいメカニズムを使
用した動的変更として定義されていました。
Enginuity 5876 では、動的方法論を活用するために複数のバックエンド構成変
更が計画されました。
最初に追加された動的機能を次に示します。
今後のリリー
スでは、より多くの機能の追加が予定されています。
他の動的変更と同様に、次のバックエンド動作は割り込みを引き起こさずに並
列処理に参加でき、迅速に完了します。これらの改善により、IML を必要とす
ることなく、構成変更(ディスク グループ、物理ドライブ、RAID グループ、論
理ボリューム、静的 RDF デバイス関連づけ、VLUN 移行、スペアリング動作な
ど)の影響が軽減されます。
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
14
Fibre RA の圧縮
VMAX 10K(VMAXe)
VMAX 20K(VMAX)
VMAX 40K
N/A


表 8. Fibre RA の圧縮をサポートする Symmetrix ストレージ
5876 のこの新機能では、Fibre RA が圧縮ハードウェアを使用して、FC リンクを
介して転送する SRDF データを圧縮できます。この機能は、GigE RA で使用可能
なハードウェア圧縮に類似しています。各 RDF グループに対する圧縮の SRDF
の動的パラメータに基づく、同じメカニズムがハードウェア圧縮の使用を制御
するために使用されています。
SRDF の圧縮は、より長い距離を介して Symmetrix リモート レプリケーション
の導入を拡大している顧客にとってますます重要になってきています。現在、
ハードウェア圧縮は、GigE ダイレクタで定義された SRDF グループのみでサポー
トされます。
Enginuity 5876 および Solutions Enabler バージョン 7.4 では、Fiber RA のハード
ウェア圧縮は、Fibre RDF(RF)ダイレクタで定義された SRDF グループでもサ
ポートされます。
その他の VMAX 40K の機能拡張
レポート作成
Solutions Enabler の機能拡張には、ファンや電源などの環境データのレポート
作成が含まれます。
分散システム ベイ
VMAX 40K ストレージ システムは、分散システム ベイをサポートします。シス
テム ベイは、25 メートルで 2 分割できます。1 番目のベイには偶数台のエンジン
があり、2 番目のベイには残りのエンジンがあります。
Solutions Enabler CLI を使用すると、ユーザーは分散システム ベイ、およびドラ
イブ ベイのライトを点滅状態に設定できます。SMC(Symmetrix Management
Console)は、必要に応じてこれらのライトを点滅状態に設定する機能をサポー
トします。
RVA の直接メンバー スペアリング
Solutions Enabler の機能拡張では、RVA の直接メンバー スペアリング機能に関
連づけたレポート作成およびイベントを提供します。ドライブ障害のシナリオ
では、スペア ドライブが RG(Rebuild Group)の別のメンバーとして追加され
ます。つまり、データの再構築に加えて、ユーザーにはデータを不良ドライブ
から新しいドライブに直接コピーするオプションがあります。
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
15
結論
EMC Symmetrix VMAX シリーズ ストレージ システム向けの EMC の最新のハード
ウェア プラットフォームおよびソフトウェア Enginuity 機能は、クラウド イン
フラストラクチャをサポートし、ストレージの管理に関してパフォーマンス向
上のメリット、およびより高い柔軟性を提供します。EMC は、エネルギー保全を
サポートする機能の提供を継続することにより、グリーン/環境に優しい製品に
取り組み続けます。
関連資料
次を含む、参照情報および製品ドキュメントについては、
www.powerlink.emc.com を参照してください。
General
 「EMC Symmetrix VMAX 10K Series – Product Guide」
 「EMC Symmetrix VMAX 40K Series – Product Guide」
 「Implementing TimeFinder VP Snap for Local Replication」
 「Federated Live Migration 技術概要:テクニカル ノート」
 「EMC RecoverPoint –Administration Guide」
 「EMC Symmetrix VMAX 向け FAST VP の原理および計画とパフォーマン
スのためのベスト プラクティス:テクニカル ノート」

Symmetrix Remote Data Facility (SRDF) Product Guide
 「Managing SAN-attached Disk Arrays with EMC Symmetrix Federated
Tiered Storage」
インストールと構成
 「EMC RecoverPoint & the Symmetrix array-based Splitter」
 「EMC Solutions Enabler インストール ガイド」
Symmetrix VMAX 10K/VMAX 20K/VMAX 40K ファミリ向け 5876 の新機能
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