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273 パーオキサイド バーコード パーツカート パーツカタログ パーツブース

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273 パーオキサイド バーコード パーツカート パーツカタログ パーツブース
パール原色
は
パーオキサイド
【Peroxide】
ペルオキシド
過酸化物の総称。パテの硬化剤やポ
パーツカタログ
リエステル系の塗料として使用される
パーツリスト
物質。BPO(過酸化ベンゾイル)とシ
自動車を構成する各部品のイラスト、
クロヘキサノンパーオキサイドの 2 種
部品番号、部品価格などが掲載されて
類がある。亜 鉛 鋼 板の 普及に伴い、
おり、部品の受発注で使用する。カー
BPO を硬化剤として使用するメーカー
メーカーにより内容等は異なるが、い
が 増えた。日本では BPO のみでは、
までは DVD-ROM での提供が主とな
白などのベースコートが若干黄ばんで
り、インターネット検索もある。
しまうため、シクロヘキサノンパーオキ
パーツブース
サイド少々を混合することで変色を防
部品
(パーツ)塗装用に特化した塗装
いでいる。
ブース。本格的な箱型からビニールタ
バーコード
イプまで、各種ある。
商品の識別など管理ツールとして使用
される。縦じま模様の線の太さなどに
は
【Bar Code】
塗装ブース
パートパネル
【Part Panel】
スモールスペアパーツ
情報を置き換えた
「桁タイプ」
、ドット
半 切り部 品。切り継ぎ用部 品。1970
(点)を正方形
(四角形)の中に打ち付
年代後半、コストダウンを図ろうとして、
けることで、桁タイプより大量の情報を
ヨーロッパのリペア・リサーチセンター
記録できる
「QR コード
(2 次元バーコー
が、交換部品の小さい単位での供給を
ド)
」がある。桁タイプの規格と表示の
提唱した。
仕方には種類がある。バーコードは商
パーマハイド
品管理だけでなく、ホームページへの
【Permahyd】
誘導や、配合データ検索にも使用され
デュポンの水性ベースコート塗料。ヨー
ている。
ロッパでは 1994 年に発売、日本では
パーツカート
2005 年に発売された。
交換部品用の収 納棚。識別性の向上
パール原色
とスペースの有効活用につながる。
キャ
マイカ
(雲母)を主顔料としたパール塗
スター付きで、自由に移動することが
色の調色用原色。当初は、コストと使
できる。
用量が少なかったことでパウダー仕様
も多かった。塗色の増加に対応して、
上塗りラインを問わずに混入できるマ
BSR-IK
273
パール塗色
ルチタイプおよび使 用量が多いホワ
コートパール
(2CP)
がある。
イト系は、0.9ℓ缶など、塗料メーカー
補修 一般的なボデー塗色では特に 3
も使い勝手を考えてのラインアップと
コートパールの調色が難しいといわれ
なっている。いまでは原色数は、メタ
る。底色のカラーベースをまず合わせ
リックを超えている。なかには、高額な
る。これは淡彩色が多い。当初は車体
ものもあるので見積り等では材料費に
の一部にカラーベース塗装の箇所が
も注意したい。
残されていたが、いまはすかして見て、
パール塗色
パール
パールカラー
で確認する。次のパールベースは、パー
は
塗色の種類。パール
(Pearl)は真珠色
ルの厚みで色を判断する。塗り回数で
のこと。真珠色のもとであるマイカ顔
パール感の深み、虹 彩感、色差を調
料を混入させた塗色。
節する。そのために試し塗り板を複数
経緯 1972 年に本田技研工業が 1300
枚用意するか、またはマスキングして
クーペに採用したのが最初。ホワイト、
塗装回数が分かるように区別して比色
イエロー、ライラックの 3 色を設定。塗
し、合致した塗装回数で実車を塗装す
膜構成はいまの 3 コートパールと同じ
る。2 コートの場合はメタリックと変わ
で、ソリッドのカラーベース、マイカベー
らないが、メタリックをはじめ特殊顔
ス、クリヤーとなっていた。しかし、補
料との混合色もあり、配合データを充
修が困難で続かなかった。①調色が
分に確認して調色する。
難しい、②強制乾燥時の黄変、③耐ブ
塗装 3 コートパールは、合致した試し
リスター性に問題があった。当時の調
塗り板と同じ条件で塗装する。タッチ
色技法では、カラーベースを合わせて
アップでは、
アンダークリヤー の利用
パールベースをマイカの量で合わせる
やニゴシ塗装により、ボカシ処理をう
のは難度が高かった。また、ライラッ
まくする。
クパールはマイカにピンクの着色をして
パールベース
おり、特に色が合わせにくかった。さ
① 3 コートパールの 2 層目、② 2 コー
らに強制乾燥時の黄変は、熱で旧塗
トパールの 1 層目、③パール原色。
膜のほうが変色した。こうして登場し
パールマイカ
てほどなく消えたパール塗色であるが、
2CP
3CP
マイカ
1980 年 11 月になって、トヨタ自動車
ハイ X ボーンフレーム
がクラウンターボに新色 034 ノーブル
本田技研工業が S2000(AP1)で開発
パールマイカを採用した。これも 3 コー
トパール仕様だった。新車ラインに納
入した日本ペイントは、補修用にパッ
ケージカラーを用意して対応した。こ
の塗色をきっかけに、1980 年代後半
から 1990 年代にパール塗色は、メタ
リックに並ぶ一つの塗色グループとし
て増加、定着した。
種類 ① 3 コートパール
(3CP)と、② 2
274
「オートペイントカラーズ」の色票など
BSR-IK
配合データ
した新骨格オープンボデー構造。アン
① 重 量 100 %割 合。ほかには、② 重
ダーボデーが、フロアトンネルを高い
量 100g または 1000g、③重量 g 割合
位置におき、左右のサイドメンバーと
1000mℓ、④重量 g 加算 1000mℓがあ
水平につないだ X(エックス)字状の構
る。③と④は外資系塗料メーカーに多
造を形成している。
く、③は 1ℓを作るための重量割合、④
ハイアート
は 1 色ずつその数字まで計量していく
【Hi-Art】
と最後には 1ℓになるもの。なお以前は
イサム塗料が 1966 年に発売したアクリ
数値が 3 ケタで配合量が微量とされて
ルウレタン塗料。硬化剤との配合比は
いるものもあったが、いまは 4 ケタが
4:1。上塗りのウレタン化の先鞭をつ
主流になり精度が高まっている。これ
けた。
に合わせて 1/10原色が用意され、
デ
上塗り
アクリルウレタン
バイオプラスチック
【Bioplastics】
ジタル計量器の最小秤量は最初 0.1g
であったものが 0.02g の機種まで登場
している。
植物由来樹脂
提供 配合データは、一部のカーメー
塗膜中のアルミ粒子の並び。
「配向が
カーのボデー修理書にも記載はある
良い」とはアルミ粒子がきれいな横並
が、塗料メーカーがすべて提供してお
びの状態を指し、白さやメタリック感
り、毎年発行される
「オートペイントカ
に優れた塗膜になっている。塗料の種
ラーズ」をはじめ
「実車カラー」や新色
類にもよるがシンナーを 80%以上にす
のメールサービスなどに記載されて車
ればアルミはきれいに並ぶ。配向を良
体修理 工場に届けられる。色票はな
くするには、希釈量を多くして、薄膜に
いが、いまではインターネットを利用し
塗装してシンナーを速く蒸発させ、アル
た配合データの検索が可能になってい
ミ顔料の動きを止めながら最小限度の
る。塗料メーカーのサイトで、カーメー
塗り重ね回数で仕上げる。
「配向が悪
カー名と塗色コード、塗料銘柄と必要
い」とは、アルミ粒子がバラバラになっ
量を入力すれば、必 要量に合わせて
ている状態。
計 算されたデータが表 示される。標
アルミ顔料
準配合データだけではなく、バリエー
配合データ
調色配合データ
は
配向
調色データ
配合表
調色するために使用する原色の配合量
(率)
を記したデータ。
ションカラーのデータも含まれる。塗
料メーカーによっては、ネット検索を会
員制にしているところもある。塗料メー
カーのデータ提供の電子化は、初期に
内容 カーメーカー名、
塗色コード、塗
は電話回線を利用して始まった。たと
色名、その色票、使用車種、塗料銘柄、
えば、1988 年 12 月に関西ペイントは
原色番号と原色名、配合量・比率、備
VAN 通信網を使った調色オンライン
考
(下色、クリヤー、プラサフ、バリエー
システム
「Van-Van」を稼働。1989 年、
ションカラー、塗装テクニックや工程、
ロックペイントもVAN 方式で続いた。
材料代のランクなどに関する追記)で
1990 年 10 月、日本アールエムは
「パ
構成される。
ソコン通信」を利用した
「RM オートカ
表記 配合データの一般的な表記は、
ラーフォーラム・簡単郎」、同年 11 月よ
BSR-IK
275
配合比
り日本ペイントは FAX を使用して専
イヤー
用用紙に書き込み送信すると配合デー
新品パネルを溶 接する際の、固定 用
タが返信される
「ニッペ VIF システム」
ツール。バイスグリップは、製品名で
をそれぞれ開始。1997 年 10 月、久保
登 録商標であるが、同様の機能を持
孝ペイントはパソコンで検索する CD-
つものについての一般名としても日常
ROM での配合データ提供を発表、こ
的に使用されている。米国でウィリア
れには技術情報まで盛り込まれてい
ム・ピーターセン氏が発明、特許を取
た。塗料メーカーのホームページ検索
得し、1924 年に工場生産を始めたも
は 1999 年に、ロックペイントが始めた
の。わが国には 1969 年にムラー・ア
のが国内での最初になる。2000 年 10
ンド・フイップス社が輸入販売を開始
月には久保孝ペイントは、携帯電話の
している。いまの発売元は京都機械工
iモード利用の配合データ照会をスター
具。様々な箇所を固定するためにあご
トさせている。いまでは、パソコンと携
の部分の形状が工夫されている。本体
帯電話、それに類した携 帯端末で配
はほとんど同じ機構で、大きくはプライ
合データが入手できる。
ヤータイプとクランプタイプに分けられ
イントカラーズ
オートペ
る。固定以外の機能が付いているもの
調色
配合比
もあるが、使用している現場ではほと
塗料や接着剤などを調合する際の主
んど溶接時のクランプを用途としてい
剤と硬化剤
(もう一つの主剤、反応剤
る。パネルの厚みに合わせてねじで開
などもある)の混合割合。
口値を調整でき、固定ロックを外せば
塗料 さらに希釈剤
(シンナー)の比率
外れるという簡便さが特徴。
は
もマニュアルでは指定されている。希
釈剤は条件によって幅があるため、ウ
レタン塗料のように、ほとんどは主剤
(調色済み塗料、クリヤー)と硬化剤の
割合表示になる。希釈剤の比率がはっ
きりしているものは、反応にかかわる
場合が多い。
比率 一般にはパテは 100:2、2 液型
のウレタンは、2:1 ∼ 10:1 まで様々。
接着剤では 1:1 もある。ただし、容量
比と重量比があるので注意したい。配
合比が決められているものは、比率を
配線・配管費用
守らないと本来の性能が発揮できなく
指数テーブルの車種別編の項目。修理
なる。
作業に伴い、ハーネスなどを取り外す
配合表
際の費用。作業範囲と指数値が示さ
れている。数値には幅が示されており、
配合データ
作業内容によって適宜選択する。
バイスグリップ
【VISE-GRIP】
溶接用クランプ
276
BSR-IK
指数テーブル
ロッキングプラ
ハイレフコート
ハイソリッド型塗料
界初の量産車は 1997 年のトヨタ・プ
環 境 対応型塗料。乾燥 後、塗膜とな
リウス。ホ ンダ は IMA(Integrated
る固形分の割合を増やし、蒸発してし
Motor Assist)と呼ぶシステムを開発
まう溶剤分を減らした塗料。明確な定
し、1999 年にインサイトに採用したの
義はないが、固形分 がおよそ 70%以
を皮切りに車 種を拡充。日産は 2000
上の塗料。これにより大気に放出する
年前後に台数限定で発売。2010 年以
VOC の削減につながり環境負荷の低
降は、他メーカーも発売。
減になる。また、固形分の比率が高い
ため、隠ぺい力があり塗料の使用量の
削減にもつながる。ただし、シンナー
エンジン
の混合比率が少ないため、高い仕上が
発電機
り品質を得るには塗装環境の見直しお
インバーター
よび技術の習得が必要となる。
ハイブリッド
バッテリー
トランスアクスル
低 VOC 型塗料
モーター
ハイテン
【High Tensile Strength Steel】
シリーズ・パラレル式
高強度な鋼を意味し、ほぼ高張力鋼の
廃油燃焼装置
ハイドロフォーム成形
廃油を燃やすための装置。廃油の燃
鋼管の成型方法。内部に水圧をかける
焼時に発生する NOx、PM を除去する
ことで鋼管を膨らませると同時に長さ
フィルターなどを備えている。また、燃
方向に圧力をかけることで、複雑な形
焼時に発生した熱をヒーターに使用す
状に加工する。この方式によるものは
る暖房機器もある。
1990 年代末ごろからサブフレームやピ
廃溶剤再生装置
ラーのリインホースメントなどで採用。
溶剤再生装置
のちインパクトビームなどにも用いられ
ハイライト
ている。2008 年、ホンダ・オデッセイ
物体の表面で光源からの光を受けて
(RB3・4)では 980MPa の超高張力鋼
特に明るく輝く部分を指す。光の点。
による電縫鋼管をハイドロフォーム加
倍力機構
工した A ピラーリインホースメントが
テコの原理、歯車の組み合わせなどを
採用された。
利用し、小さい力でより大きな作用を
ハイブリッド車
発揮させる仕組み。装置やツールに組
HV
HEV
ハイブリッド
は
こと。
み込まれている。
ハイブリッドとは、
「雑種」
、
「異質なも
ハイレフコート
のの組み合わせ」を意味している。2
マツダの生産ラインで、高品質の塗装
種類の動力源を持つ自動車のこと。ガ
仕上がりを生み出すための塗料と塗装
ソリンエンジンとモーターを持つ車が
のシステム。1988 年に開発された。マ
その例。ただし、モーターだけで走る
ツダ松井雅隆専務
(当時)の発案によ
ことが できる車とモーターがエンジ
る車体を回転させて焼き付ける方法と
ンを補助 するだけの場 合もある。世
新開発の塗料との組み合わせによるも
BSR-IK
277
ハイロック
の。塗膜は 200μm、上塗りだけでも
バインダー方式
70 ∼ 80μm に達する。日本ペイントと
米国デュポン独自の塗料システム。バ
共同開発した塗料は、耐スリ傷性クリ
インダー(樹脂)分と、顔料分を別にし
ヤーの最初のものになる。硬くて適度
たもので、バインダーを替えることで、
な弾力性を持つ。最初のころは、補修
いろいろな種類の塗料を作ることがで
用の対応クリヤーが発売にならなかっ
きる。1990 年半ばに
「マルチレッグシ
た。
ステム」として紹介された。
「スーパーセ
ンタリ」の使用するバインダーの品番を
替えるだけで、
アクリルラッカー(400)
、
ハイソリッドウレタン
(500)
、速乾ウレ
タン
(501)、1 液ベースコート
(600)
、ミ
ディアムソリッドベースコート
(6000)が
得られる。
ハイロック
ハウスオブカラー
ロックペイントが 1973 年に発売したア
は
クリルウレタン上塗り。073 ライン。配
米国のカスタムペイント塗料および素
合 比 は 4:1。1984 年 に 2000 番 級、
材のメーカーとして知名度が高い。日
5000 番 級を発 売。2001 年には 大 型
本ではアイワ、レベル商会などから販
車両向け 8000 番 級「ハイロック デ
売されている。
ラックス」を発売し、第 2 石油類化し
ハガレ
た。2002 年に 6000 番級「ハイロック
塗膜のトラブル。塗膜が付着力を失い
DX シリコン」
が登場。アクリルシリコン
下層から部分的にハガレること。英語
ウレタンで配合比は 4:1。大型・鉄道
では、同じ意味で「Peeling」になるが、
車両用。
ほかにも
「Poor Adhesion」
「
、Adhesion
バイワイヤ
Loss&Chipping」
、
「Flaking」などと呼
【By Wire】
んでいる。密着力が弱いか、なくなっ
「電気配線によって」の意味。電子制御
ている、チッピング、フレーキング
(細
スロットル=ドライブバイワイヤ
(DBW)
片になり一部がはがれる)と、それぞ
は電気配線によって動く仕組み。ほか
れの状態を示している。
にシフトバイワイヤ、ブレーキバイワイ
原因 塗装系の層の間での密着不良、
ヤ、ステアバイワイヤなど。
「X-by wire」
シリコーンや油、不純物の付着、表面
(エックス・バイ・ワイヤ)はこれらの総
処理や足付け不充分、密着性の悪い
称。
素材への塗装、など。対策は下地作業
バインダー
をきっちりとおこない、密着性の良い
【Binder】
278
【HOUSE of KOLOR】
塗料を使用すること。
塗料の構成物。英語で「結びつけるも
補修 はがれた層まで研磨して、再塗
の」を意味し、樹脂またはそれを主とし
装する。
た塗料を指す。
波及損傷
塗料
バインダーテクノロジー
間接 損傷の種 類。ボデーに加わった
バインダー技術。
衝撃が、直接損傷部位を経由して、さ
BSR-IK
ハジキ
らに後方まで波及して生じた損傷。よ
に北海道などにも塗料メーカーの試験
く例になるのが、フロントエンドの衝
場がある。新色は特に変色などに注意
撃で強度の高いピラーは変形せず、ピ
している。
ラーの上のルーフにひずみが発生する
ハコバン
というもの。見積りに際しては、ボデー
ワンボックス車の異称。エンジンを運
のどこまで衝撃力が波及しているかを
転席の床下に配置したキャブオーバー
的確に見極められるよう求められる。
車を指す場合が多い。
バキュームプラー
刃先研磨機
引き出し板金用のハンドツール。特殊
スポットカッター用研磨装置。刃先が
なラバーを鋼板のへこみ部分にしっか
摩耗または欠けて、切れ味が低下した
りと密着させ、真空引きする。ドアの
スポットカッターの刃先を再研磨する
弾性変形で丸くへこんでいる箇所など
ツール。一般のドリル刃用の研磨機も
に使用すれば効果的である。また、2
ある。
個使用することで、フロントガラスなど
ハジキ
の脱着作業にも使用できる。
クレタリング
(Cratering)
フィッシュアイ
(Fish Eyes)
塗装トラブル。水と油の関係のように
塗料を弾いてしまい、小さなへこみや
クレーター状の穴が できた状 態。英
語ではクレタリング、フィッシュアイに、
白亜化
「Cissing」
(ハジキ)が総称。
塗膜のトラブル。表面に粉が露出して
原因 塗 面 にシリコーン、油 分、コン
ツヤがなくなった状態。耐候性の悪い
パウンドなどが付着した状態で塗装し
塗料を使用したか、または硬化剤の配
た、エアに油水分が含まれていた。一
合比を守らなかった。補修は表面を研
番多いのはワックスなどに含まれてい
磨後、再塗装する。
るシリコーンに起因するものである。脱
爆発限界
脂・清掃作業を充分におこない、塗面
有機溶剤など可燃性の蒸気と空気が
には直接手で触れない、シリコーン系
一定割合で混合している場合、火源が
のワックスやコンパウンドを使用してい
あれば爆発を引き起こす濃度の範囲。
るそばで作業をしないなどが対策にな
一般的な溶剤は、1.0 ∼ 10.0%(容量
る。
比)
。
補修 ハジキは、上塗りであれば最初
はく離
の捨て吹きで確認できる。軽いものは
塗膜はく離
は
チョーキング
「Saucering Crawling」を 合 わ せ て、
ドライコートで埋めるが、ひどいものは
暴露試験[ばくろしけん]
乾燥後再研磨して塗装をしなおす。
「ハ
日光や雨風にさらした耐候性のテスト。
ジキ止め」
を使用するときは分量を守る
塗料の性能を見るために、塗り板を長
こと。なお、もともと表面張力の調整
期間、屋外に放置して劣化の状態など
で塗料にもシリコーンは添加剤として
を確認する。太陽光の強い沖縄や反対
使われている場合がある。
BSR-IK
279
ハジキ止め
た力をそのままの状態で他の場所に伝
えることを示している。この原理を応
用し、断面積、動く長さ、掛ける力の関
係から、少ない力で強い力を得ること
もできる。
肌[はだ]
表面の状態。塗膜の表面を指すことが
多い。
〔例〕塗膜の肌、肌合わせ、肌作
シリコーンなど
り、肌調整、塗り肌、吹き肌、ゆず肌、
鏡面肌など。
パターン
スプレーパターン
白化
ハジキ止め
ブラッシング
塗料添加剤。ハジキが生じた場合、塗
料に少量添加することで、再発を防止
発火点
発火温度
する。成分はシリコーンオイル。ハジキ
可燃性の固体、液体を空気中で加熱し
の原因物質でもあるので、取り扱いに
た場合、点火源なしで自ら炎を発する
は注意する。塗料は表面張力が大き
最低温度。
く、分子の凝集力が強い。つまり極性
バックボーンフレーム
(分子のプラスマイナスの電位差)が大
引火点
【Backbone Frame】
は
きい。シリコーンオイルは極性がない
フレームの種類。センターフロアトンネ
ので表面張力を低下させる。
ル部などを箱状にして強度を持たせた
表面
張力
フレーム構造。車の中心部を貫く 1 本
はしご型フレーム
のフレームにエンジン、プロペラシャフ
ラダーフレーム
トなどが取り付けられている。生産性
パスカルの原理
は低いがシート位置を低くできるため、
油圧式のポートパワーなどに利用され
少量生産のスポーツカーなどで採用さ
ている流体力学の基本原理。フランス
れた時期があった。
人のブーレーズ・パスカルが提唱した。
密閉容器の内部で水などの流体は、容
器の形状と無関係に、ある一点で受け
10㎏ f
10cm
1㎏ f
1㎝
100c㎡
10c㎡
10c㎡のピストンで1㎏ (9.81N)
f
の力を加えると、力は液全体に
同じようにかかるので、
10c㎡の10倍の100c㎡のピストンには、
1㎏ f の10倍だけの力が加わる。
つまり力と断面積の比率はいつで
も等しい
パッケージカラー
塗料メーカーが供給 する調色済み塗
料。①調色が困難な塗色、②材料 費
が 高額になる塗色、③市場に多く出
ている塗色、④カスタム用塗料、など
280
BSR-IK
パッド
で例がある。基本的には、調色の難し
水性は、ボデーコーティング剤や最終
い色や使用量の少ない色への設定に
仕上げ剤の塗布によって得られる。塗
なるが、まったく反対なのが③の例。
料では、
フッ素樹脂クリヤー にこの機
1970 年代終わりから比率が増加した
能がある。
ホワイト色。1980 年にはカラーポピュ
バッテリー
ラリティーの半数を超え、白っぽさを
【Battery】
親水性
一般的な車の場合は、繰り返し充電可
調色が 難しくなった。1985 年には販
能な二次電池をこのように呼ぶ。12V
売する乗用車の 6 割、車種によっては
(トラックは 24V)
。ヘッドライトなど電
80 ∼ 95%までがホワイト色となってい
装品を使用するのに不可欠で、鉛蓄電
た
(この時期、家電や衣服など様々な
池の採用が多い。正極
(陽極板)に二
分野で白が好まれた)
。これを受けて、
酸化鉛、負極
(陰極板)には海綿状の
1985 年半ばにロックペイントがロック
鉛、電解液として希硫酸を用いた二次
エースでの調色済み塗料 10 色を供給
電池。ほかの蓄電池に比べて大型で
し、同年 10 月に大日本塗料が「ホワイ
重く、希硫酸を使うために漏洩や破損
トキャンバス」の商品名で調合済み 7
時に危険が伴う。希硫酸の代わりに安
色と微調色用原色 7 点を用意すること
全なシリコン液を電解液とするバッテ
で 17 色のホワイト色が 調色できる上
リーもある。ハイブリッド車の走行用
塗りを発売したことがあった。一方、塗
バッテリーは水酸化カリウム水溶液が
料販売店が調色して車体修理工場に
電解液に使われている。電気自動車は
提供する場合も広い意味ではパッケー
リチウムイオンバッテリーなどである。
ジカラーといえるかもしれない。軽補
ハイブリッド車や電気自動車の電圧は
修のシステムなどで、調色サービスをし
高い。
ている例もある。ほかにも、カンペ共
作業 修理作業にあたっては、一般車
販 東 京が 1995 年に開始した
「PG2K
はバッテリーのマイナス端 子を外す。
パッケージサービス」
がある。内製化工
HV や EV の走行用バッテリーは、メ
場を主なターゲットにして、依頼された
イン電源の遮断から始める。後者は高
翌日に調色済み塗料を納品する仕組み
電圧で危険も伴うため、カーメーカー
のサービスだった。
のマニュアル
(ホームページなどでも公
パッシブセーフティー
開されている)で要領を確認する。
【Passive Safety】
は
強調する新色も数多く登場したことで
バッテリーチャージャー
事故時の受動的安全。事故が起きた
バッテリー充電器。短時間で充電可能
ときの乗員の安全性を高めること。具
な急速タイプと、充電時間がかかるも
体的には、
衝突安全ボデーが代表的な
ののバッテリーの短命化につながる負
もので、SRS エアバッグシステムなど
荷をかけない普通タイプがある。
もこの対策になる装置。
パッド
アクティ
ブセーフティー
【Pad】
撥水性
サンダーやポリッシャーなど でペー
水を弾く性能。撥 水性のある塗膜は、
パーやバフを取り付ける支えになるも
水滴が丸くなって表面にとどまる。撥
の。英語では
「当てるもの」や「詰め物」
BSR-IK
281
発泡ウレタン充填
の意味である。パネルへの追従性を高
る塗料。
体質顔料が主となっており、顔
めるために、ゴムやウレタン、PP 樹脂
料 4:1 樹脂くらいの構成比率である。
など素材は様々。近年では、パッドに
種類 ① 板 金パテ、②中間型パテ、③
特殊な溝を設け、回転時に発生する摩
ポリパテ、④ラッカーパテ、⑤その他に
擦熱を逃がす機能を搭載したものも登
大別される。①から④へとへこみを埋
場している。
める能力が低下、その反対に研磨性や
種類 パッドには硬・軟 がある。研磨
仕上がりは向上していく。いまでは、中
では作業内容により、平面出しは硬い
間型パテ、次にポリパテで仕上げ、ラッ
パッド、曲面は軟らかいパッドと使い
カーパテでスアナを埋める流れが一般
分ければ効果的である。そのほか、サ
的である。⑤その他のパテは、光硬化
ンダーのパッドとペーパーの間にはさむ
パテ、アルミパテ、グラスファイバーパ
「クッションパッド」や、手研ぎ用の
「ハ
テ、バンパーパテなどで、用途が絞られ
は
ンドパッド」もある。また、サンダーで使
ているものになる。
うものをパッドとして、バフ用は
「バフ
経緯 1940 年代には
「オイルパテ」が使
パッド」と使い分ける例もある。
用されていた。1950 年代半ばに国産
発泡ウレタン充填
の
「ポリパテ」が開発され、1960 年半
ピラーの内部に、剛性を高めるととも
ばに米国から空研ぎシステムとともに
に防振・防音のため、発泡ウレタンが
「ボデーフィラー」
(板金パテ)が入り、広
充填されている場合がある。1989 年
く使われるようになる。1977 年に米国
の日産インフィニティ Q45 では、フロン
の
「軽量型パテ」が紹介され、1980 年
トピラー、センターピラー、フロントシー
には国産の軽量型パテも登場する。こ
トマウンティングブラケットの内部に充
れらは
「中間型パテ」という新しい分野
填されており、比較的以前からおこな
を生み出した。1980 年代末には防錆
われていたものである。
鋼板との付着性が取り上げられ、関連
修理 切り継ぎでのピラーの切断では、
メーカーは
「防錆鋼板対応型パテ」を発
ボデー修理書の指示に従い作業する。
売した。さらに軽補修ブームにより作
発泡ウレタンを燃やさないように注意
業時間短縮に対応した
「加熱即硬化パ
する。修理後は補修用の発泡ウレタン
テ」を経て、2000 年代前半には高張
充填材を注入する。
力鋼板のひずみの原因の一つはパテ
発泡防止剤
にあるとされ、
「低収縮型パテ」が登場
塗料添加剤。ピンホールを防止するも
した。いまでは、環境対応の面から成
ので、成分はリターダーよりも乾燥の
分の見直しが進められ、水性タイプも
遅い高沸点溶剤。ピンホールは急激な
開発されている。
乾燥で起きるので、溶剤蒸発の時間を
パテ跡
長くする。入れすぎるとタレるので注意
塗膜のトラブル。パテの境界、つまり
も必要。
フェザーエッジ部分が、チヂミやふくら
ピンホール
パテ
【Putty】
282
みなどで、表面に見える状態。
原因 パテが完全硬化していない状態
下地塗料。素材に直接か、または表面
で次の工程に移ったため、プラサフや
処理後に塗布し、ボデーの凹凸を埋め
上塗りの溶剤が浸透して膨潤した。対
BSR-IK
パテディスペンサー
策としては、硬化剤を規定通り配合し、
傾け、最後は寝かしてヘラまくらを作
パテの薄いところで乾燥を確認する。
らないように表面をならす。空 気を巻
プラサフや上塗りは気温にあったシン
き込むとスアナの原因になるので気を
ナーを使用して厚塗りしない、など。
つける。また、一度に厚付けはしない。
補修 乾燥後、不具合部分まで研磨し
必要な箇所は何回かに分けて盛る。形
て、シール性の高いウレタンプラサフ
状ではプレスラインにかかっている場
でカバーする。
合は、一つずつの面で考えて、分けて
順に付けていく。アールは、柔軟性の
あるゴムヘラで付ける。
ヘラ
①しごき付け
45°
旧塗膜
鋼 板
パテ
パテ
②盛り付け
薄い部分は乾燥が進みにくい
旧塗膜
鋼 板
パテ研磨
は
パテの研磨は、① 粗研ぎ、②面出し、
③ならし
③足付けの 3 工程でおこなう。パテは
放置しておくと硬くなりすぎるものもあ
るので、乾燥 後は速やかに研磨に入
旧塗膜
鋼 板
る。工程ごとにそれぞれサンダーや手
研ぎホルダー、ペーパーの最適な選択
をすると効率的に進む。サンドペーパー
は番手を飛ばさないように、順に細か
いものを使用して、ペーパー目を小さく
パテディスペンサー
していく。
パテと硬化剤を適正な比率で押し出す
足付け
面出し
パテ付け
ことができるツール。計量する必要が
パテは練り合わせたあと、時間をおか
ない。パテも硬化剤も専用タイプとな
ずに、しかも短時間で付ける。バチ型
る。ロックペイントが 1982 年に開発元
のパテヘラは人さし指と中指で押さえ、
付ける箇所に合わせて力の入れ具合を
変える。手順は、①しごき付け、② 盛
り付け、③ならしの 3 工程になる。工
程に沿って、ヘラの角度がしごき付け
は立て気味で、盛り付けでさらに少し
BSR-IK
283
パテワイパー
の西ドイツ・ホスシミ社から製造販売
の工程に限った共同開発や、何らかの
権を取得、
「パテディスペンサーシステ
チェーンやグループ内でのシステムに
ム」として発売。のち、外資系塗料メー
は例はあるが、一般的な観点からのも
カーからも同タイプが紹介されている。
のはほとんどない。
パテワイパー
パドル
ヤスハラの発売した製品の名称である
【Paddle】
が、その後、同じ機能を持つ製品の代
英語の意味は
「櫂 =カヌーなどを漕ぐ
名詞にもなっている。盛り付けたパテ
ための短く両端が平たいもの」や「ヘ
の表面をワイパーでならすもの。広い
ラ」。この形状から付けられている。
面積のパテ付けを効率良く、しかも初
❶撹拌、取り出し、フタ開けの機能を
心者でもきれいに塗ることができる。
持った棒。
パテの表面をきれいにしておくことで、
❷塗料のミキシングマシーンの部品。
のちの研磨作業も短くなる。形状では
撹拌用のプロペラ。
ワイパータイプ
(細長く薄いゴム板を金
バナナダメージ
属製のホルダーに取り付けたツール)
と
側面衝突の結果、上から見るとバナナ
定規タイプがあり、硬・軟もある。硬い
のような形にゆがんでいる損傷状態。
ものは平面、軟らかいものは曲面に対
パナロック
応できる。作業はすばやくおこなう。こ
【PANAROCK】
は
のツールはパテとの相性も大事。パテ
ロックペイントが 1987 年 11 月末に発
面をがさがさにしないように、粘度調
売した速乾ウレタン。088 ライン。配合
整したパテとセットにしているシステム
比は 10:1。1992 年 5 月、
「 パナロッ
もある。
クマルス」を発売。メタリック、メタリッ
ク用原色を用意。配合比は同じ 10:1。
1994 年 8 月、
「パナロックマルス 2K」
にバージョンアップさせ、同時に 2:1
クリヤーなどを追加した。
跳ね上げ式エンジンフード
対人事故安全対策機構。車が前方か
ら人と衝突した場合、ある一定の速度
と衝撃を感知すると、エンジンフード
を瞬間的に持ち上げる仕組み。エンジ
284
パトリックシステム
ンフードを持ち上げることによって、硬
2000 年に、あいおい損害保険、ソー
いエンジンヘッド部の空間を確保でき
ラー、三共理化学、テーピ販売、明治
るため、主に人の頭部への衝撃を軽
機械製作所が共同開発した下地処理
減する。共通のシステムはフロントバン
システム。特許取得
(第 3196935 号)。
パー内側にクラッシャブルセンサーを
作業時間短縮とコスト削減を目指した
内蔵し、車速センサーの速度情報とを
もので損保と機 材メーカーが集まり、
総合的に判断し起動。エンジンフード
合理的な組み合わせでシステムアップ
を持ち上げるのは、アクチュエーター
したという意味で珍しいケース。一部
から押し出されるポールと、ポールに
BSR-IK
バフ洗浄器
よって動くヒンジによる。
装備車 輸入車が早く、ジャガー XF、
シトロエン C6 で採用。国産車では、日
接着板金
パパ・ママ・ビジネス
サンちゃん企業
産自動車がスカイラインクーペ
(V36)、
小規模な家族経営による事業所をい
GT-R(R35)、フェアレ ディ Z(Z34)、
う。車体修理工場は個人企業で、夫が
本 田 技 研 工業は、レジェンド
(KB2、
社長、妻が経理で兄弟や息子と一緒に
2008 年 9 月のマイナーチェンジ後)に
仕事をしている形態が多い。デンマー
装備。フードとエンジンの間が狭いス
クのエイギル・ジャンセン氏
(
「スマッ
ポーティーな車両に装備されやすい。
シュ」の著者)の寄稿にあったことば
修理 システムが作動した車の修理方
で、そこから伝わる様々なイメージがほ
法は、基 本的にエアバッグと同様で、
ほえましい。
アクチュエーター、クラッシャブルセン
バフ
サー、制 御 ECU は交 換。バンパー、
【Buff】
エンジンフードは損傷度合いに応じて
磨き
(ポリッシュ)作業で、コンパウン
判断する。日産車はセンサーのあるバ
ド、
ポリッシャーとの最適な組み合わ
ンパーの交換基準、フードの交換基準
せで能力を発揮する。ポリッシャーの
が設定されている。
パッドに貼り付けるものと、かぶせるも
の(タオルバフがほとんど)がある。
種類 ①タオルバフ
(綿バフ)、②ウール
バフ
(羊毛バフ)、③スポンジバフ、④
その他
(フェルトなど)がある。研磨力
は
とツヤ出し能力は両立させにくい。研
磨力は、①>②>③、ツヤ出し能力は
その逆になる。ラッカー系の上塗りが
主流であったころは、磨いてツヤを出
パネルカッター
ロータリーカッター
すために、タオルバフからスタートした
が、ウレタン系の上塗りに替わり、羊毛
パネルバック
バフ
(ことばとしては、ウールバフよりも
1970 年代後半に日精オーバルが開発
こちらのほうがよく使われる)
、スポン
した灯油焚きの遠 赤外線乾燥 装置。
ジバフで仕上げる流れとなっている。
当初はブース内設置の全塗装用乾燥
タオルバフはゼロではないが、使用機
装置であったが、後年は天井設置の暖
会は少ない。それぞれのなかでもさら
房装置としての利用が見られる。
にいろいろな種類がある。スポンジと
パネルボンディング
ウールの組み合わせのハイブリッドタ
パネルボンド工法
イプなどもある。
接 着 板 金の手法。
「ウエルドボンディ
バフ洗浄器
ング」が溶接機と構造用接着剤を交え
ポリッシング使用後のバフを洗浄する
た工法であるのに対して、接着剤だけ
ツール。バフに付着しているコンパウン
で交換パネルを車両に取り付ける修理
ドや塗膜、鉄粉、ゴミなどを強力に取
方法がパネルボンディングになる。
り除くことで、次の磨き作業時にバフ
BSR-IK
285
バフ目
傷の発生を予防する
バリアテスト
バフ目
バリア衝突実験
バリア
(Barrier)は
「バリアフリー」のバ
バフ傷
バフ作業によって発生する塗面の傷。
リアで、
「障壁」や「障害物」の意味。壁
研磨と同様により細かいバフで消して
のような構造物に車を衝突させておこ
いくことになるが、最後まで残ってい
なう安全性能テスト。車を走らせて固
れば、クレームになる。
定されたバリアにぶつける方式と、車
オーロラマ
ーク
を停車状態にして移動可能なバリアを
バフレックス
ぶつける方式がある。カーメーカー、自
【Buflex】
コバックスが 1996 年に発売した研磨
修所などでの例がある。自研センター
フィルム。特許取得
(第 2808261 号)。
でもバリアテスト用の設備を備えてお
塗装後の塗り肌調整用。それまで使用
り、車の衝突実験を実施し
(見学人数
されてきた耐水ペーパーよりも深い研
には制限があるが公開で実施)、指数
磨傷をつけない。商品名ではあるが、
作成の参考情報を得ている。損保関係
この種の高番手製品を呼ぶことばとし
が実施するのは、安全性能ではなく、
て定着している。
どのように壊れるか、どこまで壊れる
はめ殺し
かなどのデータを取るためである。
フィックス窓
主に採光や視界性確保のためにパネ
ルに直接はめ込まれた、開閉すること
は
ができない窓のこと。取り外す場合は、
バリエーションカラー
実車カラー
塗色コードに対する標準色以外の色。
実車カラーデータ
室内側からゴム枠の縁をめくりながら
バリオ
外に押すようにする。
スポットカッターの根元形 状の種類。
バラ吹き
横方向に掘り込んだ溝状の部分を利
捨て吹き
塗装技術。スプレーガンと被塗物の距
用してドリルのチャックに固定する。
スポットカッター
離を離し、ツヤが少し出る程度に塗料
馬力
を吹き付けること。ハジキを防ぐ塗装
英語
(Horse Power)からの直 訳で馬
方法でもある。隠ぺい性の悪い塗色
の力。
単位記号は HP
(英語の頭文字)
。
(黄色系や赤色系など)の場合にも効
フランス語は PS が単位記号。1 馬力
果的。
は 1 秒間に 75kg の物体を 1m 動かす
バランス
力。エアコンプレッサーの能力を測る
様々な要素が適正な状態であることを
単位などで使われる。
バランスが良いという。スプレーガン、
張り剛性
サンダー、ポリッシャーなど、ツールの
アールを帯びた平面に力がかかったと
使用感に関して語られることが多い。
きの剛性。外板の多くは軽いアールが
動作
(性能)
、形状、握り、重さ、重心、
あり、張り剛性がないとすぐにへこむ
振動、音などの釣り合いがとれている
ことになる。
ことの総合的な判断。
286
動車事故対策機構、一部の損保の研
BSR-IK
板金塗装工場
バリ取り
フィラメントに戻るので長寿命。高温
バリ
(Bur / Burr)は英語で、
「くっつ
で発熱させることも可能となり、光量
いたもの」や「ぎざぎざ」を意味する。ミ
も増すことができる。
グ溶 接の跡の盛り上がりや付着した
パワーアジテーター
スパッタ、材料の切断や研削、樹脂な
ミキシングマシーン
どを型に入れて成型したときの材料の
ハンガー
端にできる出っ張りが、バリである。
【Hanger】
目視できるものから、触ってみないと
ものを吊るして支えるためのツール。そ
分からない小さなものまである。車体
れを目的にする専用タイプと機器の一
修理でいう
「バリ取り」は、主にミグ溶
部の機能をいう場合がある。エンジン
接後の溶接跡をベルトサンダーなどで
を支えるハンガー(エンジンリフター)、
研磨することを指している。
スポット溶接機の溶接ガンのアームを
ベルト
サンダー
支えるハンガー、などがある。
バルクヘッド
板金
【Bulkhead】
狭義には、自動車ボデー外板の叩き出
英語で「隔壁」のこと。つまり、仕切り。
し、広義には、損傷車両の修理で、部
ボデーの剛性強化で設定される部品。
品脱着、骨格の修正、パネルの交換お
パルスアーク
よび損傷箇所の修理復元、これに付
【Pulsed Arc Welding】
随する作業をいう。かつては、一般向
けの金属加工との違いを示すため
「鈑
供給速度に合わせて、電流の強さ
(大
金」と表記する場合がみられた。高度
きさ)を周期的に増減させ、電流波形
な修理技術と長年の作業で培った勘
をパルス状にして溶接をする方法。ひ
と経験の時代から、いまは車の構造の
ずみが少なくなる。
変化を踏まえて最新の技術情報を収
ハロゲンランプ
集し、新技術に対応可能な設備機器
【Tungsten Halogen Lamp】
ヘッドランプ、乾燥機のヒートエレメン
トとして使用される。
が作業には必須になっている。
板金塗装
車体整備
車体修理
構造 白熱電球と同様に、タングステン
事故車の修 理仕事の内容
(板 金と塗
のフィラメントに通電、白熱させる仕
装)
を端的に表したことば。
「車体整備」
組みであるが、白熱電球では温度を上
や「車体修理」よりも、作業内容に踏み
げると寿命が短くなる。これに対して、
込んでいる。
ハロゲンランプは、ヨウ素や臭素など
板金塗装工場
のハロゲン元素をバルブ内に封入する
車体整備工場
ことによって、タングステン原子が再び
は
溶接用語。アーク溶接で溶接ワイヤの
板金
塗装
車体修理工場
自動車の板金塗装をしごとにしている
工場。業種としては 1930 年ごろからの
口金
スタートと推定される。当時は輸入車
が中心であり、港のある横浜と神戸あ
フイラメント
たりから自動車関連産業が広まった。
このころ、車体は手作りで叩き出しで
BSR-IK
287
板金塗装内製化
あった。貴重かつ高級品であっただけ
せずに供給しているところも多い。硬
に塗装にしても漆塗りの職人が輸入品
化剤を混ぜればすぐに反応が始まり、
のラッカーでおこなった。欧州では馬
「反応熱」で連鎖的に進む。これによ
車の製造や修理から車体修理業者が
り、厚いところのほうが乾燥が速く進
生まれた。
むため、乾燥の確認は周囲の薄いとこ
板金塗装内製化
ろでおこなう。板金パテは 30mm 程度
内製化
までのへこみに対応できる。密着性や
板金塗装ライン化工場
厚付け性に優れているが、キメ
(肌理)
工場ライン化システム
が粗いため、スアナが生じることもあ
板金塗装ローン
る。キメの粗いものは、さらに次のポリ
板金塗装の修理料金をローンで支払
パテ工程で表面を調整して、プラサフ
う仕 組み。塗料メーカー主導でまず、
へ移る。
関西ペイントと日本信販が 1977 年 10
板金リフト
月にスタートさせ、統一看板を作るな
リフトの種類。板金作業のための小型
どして一気に板金塗装ローンという呼
リフト。パンタグラフ式が多い。車体の
び名を定着させた。ほどなく他の塗料
側面の作業、下部の損傷確認、あるい
メーカーや車協も信販会社と提携して
はボデー修正装置へのセッティングで
全国共通のローンの看板を掲げること
車体を持ち上げるために使用。ボデー
になった。関ペは、1982 年 5 月にはク
修正装置への組み込みタイプやフロア
レジットカード決済を導入。クレジット
への埋め込みタイプもある。
ボデーフィラー
カードが普及するにつれて、ローンはす
は
たれた。
板金パテ
【Filler】
厚付けパテ
パンタグラフ式リフト
パテの種類。本格的な板金パテは、米
288
国から空研ぎ方式と合わせて輸入さ
バンク
れたボデーフィラーを指す。いまでい
【Bank】
う板金パテとは、厚付けできる中間型
近・中・遠の赤外線乾燥機のヒートエ
パテや軽量型板金パテをいう。一般に
レメントが並んでいる照射面。
粘度が高く、主成分はポリエステル樹
半自動溶接機
脂に体質顔料。ポリエステル樹脂はポ
ミグ溶接機
リエステルとスチレンの分子からなり、
[ばんじょうさんかてつ]
板状酸化鉄
すぐに結合する。それを促進するのが
特殊顔料。赤の顔料である酸化鉄
(ア
硬化剤のパーオキサイドである。した
イアンオキサイド)のリン片状のもの。
がって主剤と硬化剤でセットになって
厚みが薄いので、光の透過性が高く、
いる。わが国では、気温の変化もある
正面はパール、スカシは赤の 2 色性が
ので乾燥速度を調整した夏用、標準
特徴。トヨタは 1994 年 10 月、セルシ
型、冬用の 3 種類をパテメーカーは用
オ
(UCF20、21)の 6N9 ダークグリー
意していることがあるが、あえて表 示
ンマイカ PIO で初採用。
BSR-IK
ハンドツール
頃に
「フランジングツール」とセットで知
られるようになった。
2
μm
ハンダ
はんだ
半田
鉛と錫の合金で古代より使用されてい
る。環境対策から鉛の代わりに、銅や
銀、ビスマスなどのいずれかまたは複
番手[ばんて]
番
数で錫と混ぜた鉛フリーハンダが各種
一般的には順序や糸の太さなどの単
開発されている。
位であるが、サンドペーパーなど研磨
ハンダ付け板金工法
材の研削力の大きさを表す数字表記。
引き出し板金技法。古くから外板をハ
特にサンドペーパーで、たとえば「120
ンダで埋める、またはプレートをハン
番のペーパー」などとして使われる。サ
ダ付けして引き代にすることは技法と
ンドペーパーでは、番手が小さいもの
してあった。近年、鉛フリーのハンダを
が研磨粒子が粗く、番手が大きくなる
使用した工法を山本自動車
(京都市)
につれて細かくなる。
が開発した。低温
(200℃程度)で引き
ハンドツール
出し用のアタッチメントをハンダで付け
【Hand Tool】
ることができるので、高温での作業で
手工具
手まわり工具
は
強度を損なうことのある高張力鋼板や
アルミ合金パネルに適している。延び
ている箇所にはハンダの凝固収縮で、
絞りと同じ働きをするという。
スパナ
メガネレンチ
ソケットレンチ
パンチングツール
【Punch】
パンチャー
穴開けツール。動力式とハンド式があ
る。ミグ・プラグ溶接での穴を開ける
ために使用する。1970 年代の終わり
ハンドルレンチ
モンキーレンチ
BSR-IK
289
ハンドピース
ドライバー
ペンチ
ハンドレイアップ
【Hand Lay Up】
FRP 製作技法。英語のレイ
(Lay)
は「敷
ハサミ
クリップはがし
く」であり、手でガラス繊維のマットを
積み上げていく方式。手 作業で一品
手の力だけで使用する。スパナ・レン
一品生産されるカスタムメイドの FRP
チ類、ドライバー、ペンチ、プライヤー、
パーツ。特に少量多品種生産のエアロ
タガネ、ハンマー、ドリー、スプーンな
パーツなどは、メス型だけを用いた開
どがある。モール外しなどの特殊な道
放的手法が一般的である。
具もある。それぞれ、目的に応じて正
工法
しく使うことと、効果を発揮できる使
反応型塗料
い方をすることがポイント。
反応により硬化乾燥する塗料。ウレタ
ハンドピース
ンのように溶剤の蒸発と合わせ、主剤
エアブラシ
と硬化剤が 架 橋反 応をはじめ、高分
は
子の強固な塗膜を形成する。樹脂の反
ハンドファイル
手研ぎファイル
RTM
手研ぎホルダー
フォルダ
応を促進するものには、加熱、空気中
の水や酸素、光などがある。
研磨ヤスリ。手研ぎ用のペーパーを取
販売会社
り付ける底面が長方形のもの。木製や
販社
樹脂製で、手や指で持ちやすい形状に
塗料メーカーにあっては卸会社。建築
加工してある。単純な四角いものは
「サ
や自補修塗料など汎用塗料を販売店
ンディングブロック」。英語のファイル
に卸す販売会社の全国網作りは日本
(File)は
「ヤスリ」、または
「ヤスリをか
ペイントが早かった。1973 年から進
ける」ことの意味で、英米ではヤスリ面
めており、1997 年 4 月には全国 8 販
を持つものや、ペーパーを貼るまたは
売会社を東日本、西日本、北海道、中
はさんで使用するタイプがある。
部、四国の 5 社に再編、社名もニッペ
サンディングブロック
販売から日本ペイント販売 へ変更し
ハンドマスカー
た。2004 年 4 月に は 5 販 社を 統 合
マスキング用品。片手で持ち、作業箇
し日本ペイント販売に一本化した。一
所の前で切ることのできるマスキング
方、関西ペイントはカンペ共販を 1988
ペーパーディスペンサー。テープ付き
年 4 月に北海道からはじめ、1991 年
ペーパーを1本セットできる。
春に全国に数多くの販売網を敷いた。
1995 年 10 月には 4 販社をカンペ共販
290
BSR-IK
ビーディング
東 京に統 合、全 国 8 社体 制が 完 成。
を入れて握り、中指と薬指は軽く支え
2002 年 7 月にはカンペ共販 東 京、中
る程度に握る。親指と人さし指は側面
部、東 北、大 阪が 合 併し関西ペイン
に軽く押し当てて握り、
パネルに当たっ
ト販売となった。さらに大日本塗料は
た瞬間に強く握る。また、力任せに打
2005 年 4 月、一般塗料販売事業部門
つのではなく、小指を支点に頭の重さ
を分割し、大日本塗料販売を設立して
を利用して自然に落ちるようにして打
いる。
つ。速く打つ時は手首のスナップを利
ハンマー
かせる。パネルに対して平行に当てる
【Hammer】
ことも大事である。
叩き出し板金の主要工具。板金技術
ハンマリング
者にはなくてはならないツールである。
【Hammering】
打撃面を持つヘッド部分とそれを支え
ハンマーをメインに、ドリー、スプーン
る柄でできている。
などを使用してパネルの形状を復元し
①鉄
(鋼)
、
②木、③樹脂、
種類 素材は、
ていくパネル板金作業。単純に
「叩い
④ゴム、⑤ステンレスなどがある。鉄以
ている」状態を指している場合もある。
外は、打撃力を少なくして傷をつけた
くない素材や箇所に使用する。機能や
形状では、①ならしハンマー(板金ハ
ンマー)
、②絞りハンマー(シュリンキ
ひ
ングハンマー)、③ピックハンマー、④
フレーム用の大型ハンマー、⑤一般用
使い方 持ち方は、柄の端を小指に力
は・ひ
のハンマーなどがある。
ピアノ線
【Piano Wire】
高炭素鋼の線状にしたもので高強度。
ウインドガラスやサイドモールの接着
剤を外すためなどに利用する。両端を
柄の先を
軽く握る
持ってノコギリのようにして切ってい
く。
ピースガン
エアブラシ
ビーディング
【Beading】
ビード加工
手首のスナップを
利かせて振る
ハンマーの持ち方
パネルの加工法。細長い出っ張りまた
はへこみを平均的に入れていく。加工
BSR-IK
291
Fly UP