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第4学年3組 算数科学習指導案

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第4学年3組 算数科学習指導案
第4学年3組
算数科学習指導案
指導者
単元名
1
鶴田小学校
仲尾
卓
「面積のはかり方と表し方」
指導観
○
本単元は,面積についてその単位と測定の意味を理解し,長方形及び正方形の面積の求め方を考えることと,面
積についての量感を豊かにすることをねらいとしている。具体的には①日常生活でよく目にする面積を考えたり,あ
る単位の何個分かという見方をしたりすることで,面積についての量感を養うこと,②面積の単位を知り,面積の意
味を理解すること,③長方形や正方形の面積を計算で求める方法を理解し,面積を求める公式を作ることができるこ
と,④長方形や正方形の面積の求め方を活用し,長方形を組み合わせた図形の面積を求めることができること,⑤面
積の単位の相互関係を理解することなどである。
本単元における数学的な思考力・表現力とは,以下のことである。
◎図や公式,言葉を使って,長方形を組み合わせた面積を求めたり,その考えを表現したりすること
(思考力・表現力)
○ 本学級の児童の実態を把握するために,前提テストを行った。結果は以下の通りである。
(9月第2週実施
観
男子 13 名,女子 13 名
点
形の広さを直観で比較
問
1
1 することができる。
直接比較の考え方を用
2
計 26 名)
題
正答/正答率/誤答例
下の図で,いちばん広いのはどれでしょう
か。記号で答えましょう。
ア
イ
ウ
エ
正答率:100%
あ と○
い の長方形は,どちらが広いでしょう
○
か。記号で答えましょう。
2 いて広さを比較できる。
あ
○
正答:ウ
い
○
正答:○
い
正答率:58%
誤答例:(う)35%
重ねると
(う)
(え)7%
(え)
はみ出し部分を
重ねると
(う)
(え)
任意単位の考え方を用
3 いて広さを比較できる。
3
たたみの部屋を上から見ました。いちばん広
い部屋はどれですか。記号で答えましょう。
ア
正答:イ
正答率:100%
イ
ウ
- 21 -
【前提テストの結果の考察】
前提テストの結果から,以下のことが明らかとなった。
1つ目に形の広さを直観で比較することができているということである。設問1では結果として 100%
の正答率だったことからも分かるように直接見て分かる範囲の広さに関してはよく理解できている。
2つ目に直接比較の考え方を用いた広さの比較についてもおおむねできるということである。設問2で
の正答率は 58%と大きく低下したものの,誤答例からも分かるように,直接比較した部分でどちらが広
いかということは認識できていると考えられる。ただし,
(う)と誤答した全ての児童が問題の題意を考
えて答えたとは考えにくいため全体として,10~20%程度の児童は題意をとらえきれなかったのではない
かと考える。直接比較の考え方自体はおおむね理解しているものの,問いに正確に答えることができてい
ない点に課題が見られるので,今後の学習でも指導していきたい。
3つ目に任意単位の考え方を用いた比較についてもおおむねできるということである。この問題の正答
率は 100%ということで多くの児童は任意単位のいくつ分ということで回答していると考える。しかし,
問題の図を見ても分かるように直観的に捉えることもできる部分もあるため,おおむねできているとした。
普段の学習の中から見えることとして,本学級の児童は,とても素直であり,指示されたことに対して
まじめに取り組む児童が多い。しかし,学習の中で多様な考えを導き出したり,自分なりの工夫をしたり
ということは苦手にしているように思われる。
○ 本単元の指導に当たっては,数学的な思考力・表現力を高めるために,以下のような指導の工夫を図る。
導入においては,
「長さ」「重さ」「かさ」の学習から,任意単位を使えば,広さも比べることができる
ということを想起させる。
「広さ」=「面積」であることを知り,c㎡という単位を用いて面積を表しこ
とを理解させ,数値化することのよさを実感させる。
展開においては,長方形や正方形の面積計算で求める方法を考え,面積の公式を導き出す。また,ここ
で学習した長方形や正方形の公式を活用し,長方形を組み合わせた図形の面積の求め方を考えさせ,より
さまざまな形の面積を求めることができるようにする。
終末においては,より大きい面積には「平方メートル(㎡)」を適用できることやc㎡と㎡の関係性を
理解させる。さらに,「平方キロメートル(k㎡)」や「アール(a)」「ヘクタール(ha)」について知り,
既習の単位との相互関係を理解することで学習を深めていく。
2
目標
○
面積を数値化して表すことのよさや,計算によって求められることの便利さに気付き,身の回りの面積
を求めるなど生活に生かそうとする。
○
《関心・意欲・態度》
面積について,量や乗法の学習を基に,単位の何個分で数値化して表すことや,辺の長さを用いて計算
で求められることを考え,とらえることができる。
《数学的な考え方》
○
長方形や正方形の面積を,公式を用いて求めることができる。
○
面積について,単位と測定の意味や,長方形や正方形の面積は計算によって求められることやその求め
方を理解し,面積についての量感を身につける。
- 22 -
《技能》
《知識・理解》
3
時
単元計画(全 11 時間)
目標
1 ◎面積の比べ方をいろい
ろな方法で考え,面積を
比べることができる。
学習活動
主な支援
※思考・説明の道具
・日常生活の中で,面積を比べる場 ○既習の掲示物を掲示し,長さや重さ
面を想起する。
とのちがいを確認しながら面積に対
・絵を見ながら面積の比べ方につい
て話し合う。
する興味・関心を高める。
○交流場面では図を使って説明するよ
・陣取りゲームを行い,陣地の広さ
の比べ方について考える。
うに声をかけ,図を使った説明のわ
かりやすさを確認する。
・陣地の広さの比べ方をまとめる。 ※図
不等式
2 ◎面積の単位「平方センチ ・前時で扱った面積の広さがどれだ ○前時の学習を想起しやすいように,
メートル(c㎡)」を知り,
面積の意味について理
解する。
けなのかについて考える。
・ 面積の単位「平方センチメートル
既習の掲示物を掲示しておくととも
に,前時の学習を確認する。
(c㎡)
」の定義について知り,練 ○交流場面では図に書き込みをしなが
習問題1・2をする。
ら説明するように声をかけ,図のわ
かりやすさを確認する。
※図
3 ◎長方形,正方形の面積を ・立式を考える。
計算で求める方法を理
解する。
◎面積を求める公式をつ
くることができる。
4
○計算式を言葉の式に表し,説明がで
・長方形と正方形の面積の公式を考
える。
きるように声をかけ,図と言葉の式
の関係性を確認する。
・長方形と正方形の面積の公式をま ※図
計算式
言葉の式
とめる。
・練習問題3~5に取り組む。
・長方形と正方形の面積の公式を用
いた計算練習をする。
○計算後,末尾の0を処理することに
ついて,筆算をもとに説明する場面
を設定する。
・周りの長さと面積の関係について ※図
考える。
表
※長方形と正方形の面積の公式
5 ◎既習の長方形や正方形 ・複合図形の面積の求め方を考える。○問題の言葉や数字を確認し,数字の関
の面積を求める学習を
・長方形や正方形の面積をもとに考
係性を捕らえられるようにする。また,
本
活用して,長方形を組み
えると,複合図形の面積も求める
問題の2種の数が比例関係にあること
時
合わせた図形の面積の
ことができることをまとめる。
を確認し,数直線が使えることを確認
求め方を考え,面積を求
する。
めることができる。
※図
※長方形と正方形の面積の公式
6 ◎面積の単位「平方メート ・c㎡で表すと数が大きくなってしま ○これまでの学習を想起しやすいよう
ル(㎡)」を知り,㎡と
う面積について計算する。
に,既習の掲示物を掲示しておく。
c㎡の関係を理解する。 ・平方メートル(㎡)について知り,○実際に平方メートル(㎡)と「平方
- 23 -
7
「平方センチメートル(c㎡)
」と
センチメートル(c㎡)」の広さの紙
の関係性を確認する。
を準備し,関係性を視覚的にとらえ
させる。
※長方形と正方形の面積の公式
※実寸大の紙
8 ◎面積の単位「アール(a) ・既習をもとに問題を解決する。
」「ヘクタール(ha)
」「 ・「アール(a)
」「ヘクタール(ha)
」
○既習の面積の単位に関する掲示物を
掲示し,確認する。
平方キロメートル(k㎡
「平方キロメートル(k㎡)
」を知 ○表を使って単位を確認させ,面積の
)」を知り,面積の単位
り,面積の単位の相互関係を理解
単位の相互関係を説明させるように
の相互関係を理解する。
する。
する。
※長方形と正方形の面積の公式
9 ◎学習問題を適用して,問 ・「力をつける問題」に取り組む。
題を解決する。
◎算数的活動を通して学
・
「算数を使ってやってみよう」に取
り組む。
○これまでの学習を振り返ることがで
きるよう掲示物を掲示し,振り返る。
※長方形と正方形の面積の公式
習内容の理解を深め,面
※図
表
積についての理解を広
げたり,面積の大きさに
ついての感覚を豊かに
したりする。
10 ◎学習内容の定着を確認
・「しあげのもんだい」に取り組む。 ○これまでの学習を振り返ることがで
し,理解を確実にする。
きるよう掲示物を掲示し,振り返る。
※長方形と正方形の面積の公式
11
4
本時の目標
○
既習の長方形や正方形の面積を求める学習を活用して,長方形を組み合わせた図形の面積の求め方を考
え,面積を求めることができる。
○
具体物を用いたり,言葉,式,図を用いたりして考え,説明することで,面積を求める方法を理解し,
筋道を立てて説明しようとする。
5
本時指導の考え方
本時授業仮説
本時指導にあたり,以下のような学習活動の工夫を行えば,
「思考の道具」を「説明の道具」としても活
用することができ,数学的な思考力・表現力を高めることができるであろう。
①
ノートと板書の関連性の工夫
・ 具体的に書き込んだり,切り分けたりできる学習問題の図形と同じカードをノートに貼り付け
て用いることで様々な方法で思考することができるであろう。また,板書も学習問題の図形を
拡大したカードを用いることで自分の考えを順序だてて説明することができるであろう。
- 24 -
本時は,長方形や正方形の面積の公式を用いれば,L字型の複合図形の面積も計算できるということを理解
する場面である。その中で,図と式を結び付けていくことを通して表現力を,既習の求積公式が使えるように
複合図形を分割したり補充したりすることを通して思考力を高めていくようにしたい。
つかむ段階では,前時までの学習と本時までの学習との違いを意識させるため,図形の全体像をかくし,少
しずつ見せていく。今までの面積との形の違いに目を向けさせ,めあてにつないでいく。
見通す段階では,①長方形や正方形であれば面積の公式を使って面積を求めることができるということ,②
図形を分けたり,くっつけたりすることで長方形や正方形の面積の公式を基に考えることができそうだ,とい
う見通しをもたせる。
つくる段階では,図を分けて考えたり,組み合わせて考えたりしながら,面積を求める計算式を考えていく
よう指示する。その際思考の流れが分かるように補助線や矢印を書き込むこともあわせて指示する。交流の場
面では,黒板に考えを書き込みながら発表させ,「面積を切って考える」,「大きな長方形と見立てて余分な部
分を引いて考える」,
「切って,動かして考える」という言葉を使って筋道だった説明ができるようにする。
まとめの段階では,交流の中で出てきた考え方はどれも長方形の求積公式をもとにして計算することができ
ているということをおさえ,本時のまとめを行う。最後に,適用問題に取り組み,本時の学習を振り返る。
6
準備
教師:学習プリント
図形カード 掲示物
児童:筆記用具
7
学習指導過程(5/11)
配時
学習活動と内容
○
主な支援
<思考の道具と児童の姿>
<説明する児童の姿>
00′
1
本時問題を知り,めあてをつかむ。
○児童の学習意欲を高めるために,図はかく
(1)本時学習問題を知る。
しておく。
学習問題
次のような形の面積を
求めましょう。
○前時までの学習とのちがいに気づか
せるために,図を封筒から少しずつ
出して見せる。
(2)めあてをつかむ。
○児童に,図形がどんな形に見えるか
めあて
靴下のような形の面積の求め方を考えよう。
05′
2
見通しをもつ。
尋ね,多数が納得できる言葉を使っ
てめあてを立てる。
○前時とつなげて考えられるように掲
・長方形や正方形の面積なら求めることができる。
・今日の形にも正方形や長方形の面積の公式が使
えそうだ。
① 分ける
② くっつけて,ひく
③ 切って,動かす
- 25 -
示物を確認する。
08′
3
自分の考えをつくり,発表する。
○思考の道具として図形のカードを配
(1)自力解決をする。
る。
〔考え①〕分ける
○ 児 童 の 実 態 に 応 じ て ,机 間 指 導 し な が
2×3+2×6=18
答え
ら助言を行う。
18c㎡
<思考の道具と児童の姿>
① 図を使って,一つの面積を2つの長方形の
〔考え②〕くっつけて,ひく
面積としてみることで面積を求めようと
4×6-2×3=18
答え
している。
18c㎡
② 図を使って,一つの大きな長方形の面積と
みて,不要な部分の面積を取り除くことで
面積を求めようとしている。
〔考え③〕切って,動かす
③ 図を使って,一つの面積を2つの長方形の
面積とし,さらにその2つの面積を組み合
(2+4)×3=18
答え
わせることで別の形の長方形として面積
18c㎡
を求めようとしている。
○ カードに思考の過程が分かるように
補助線や矢印を書き込むよう促す。
○ 面積を求める過程で使った長さを書
くように指示する。
<説明する児童の姿>
20′
(2)考えを交流する
・図を使って面積を切って考えたり,大きな
長方形と見立てて余分な部分をひいたり,
切って合わせたりという言葉を使って説明
している。
・図と式を結びつけ,長方形の求積公式を使
って筋道を立てて説明している。
○どの考え方も長方形の面積の求め方
32′
4
本時学習をまとめる。
を基にしているということをおさえ
まとめ
長方形をもとに考えると,くつ下のような形の
面積も求めることができる。
る。
○ 自 己 解 決 後 ,ペ ア 交 流 を 行 い ,自 分 の
37′
5
適用問題に取り組み,本時学習を振り返る。
考えを,説明させる。
A 長 方 形 の 求 積 公 式 を 使 っ て ,2 つ 以 上
考えを作ることができる。
B 長 方 形 の 面 積 の 公 式 を 使 っ て ,1 つ の
考えを作ることができる。
- 26 -
8
板書計画
学習問題
めあて
次のような形の
まとめ
くつ下のような形の面積の求め
面積を求めましょ
方を考えよう。
長方形をもとに考えると,くつ
下のような形の面積も求めること
う。
ができる。
見通し
・長方形や正方形の
面積の公式
・図を分ける。
・切ってくっつける。
9
2×3+2×6=18
4×6-2×3=18
(2+4)×3=18
答え
答え
答え
18c ㎡
18c ㎡
18c ㎡
授業の実際と考察
(1) 授業の実際
学習活動と内容
1
主な発問と子どもの反応
本時学習問題を知り,めあてをつかむ。 T:これまで広さについて勉強してきましたね。広さと
(1) 本時学習問題を知る。
は何でしたか。
C:面積です。
T:単位がありましたね。
C:c㎡です。
C:付け加えがあります。1c㎡です。
T:1c㎡を使えば,広さを求めることができると勉強
してきましたね。
T:どんな形の面積を勉強しましたか。
C:長方形と正方形です。
T:1c㎡を 1 こずつ数えてきましたか。
C:違います。横と縦をかけました。
T:横×縦でわかったのは何の面積ですか。
C:
(掲示物で公式を確認)
本時問題
次のような形の面積を
求めましょう。
長方形(の面積)は縦×横。
T:学習問題を読みます。
C:
(問題を読む)あれ,図形がないよ。
T:あるんです。どんな形か見ていてくださいね。
(封筒
から少しずつ,図形を取り出し,提示する。
)
C:正方形?長方形?
C:いや,正方形。
- 27 -
C:え~!正長形。
T:どんな形に見えますか。
C:階段。
T:今日は階段のような形の面積を求めてもらいます。
求められそうですか。プリントを配ります。
(2) めあてをつかむ。
めあて
階段のような形の面積の求め方を
考えよう。
T:めあてはどうなりますか。
C:長方形・正方形ではない形の面積を求めよう。
T:さっき,形を言いましたね。
C:階段。
C:
(めあてを書く)
(めあてを読む)
2
解決の見通しをもつ。
・長方形や正方形の面積なら求めること
ができる。
・今日の形にも正方形や長方形の面積の
T:この面積を求めるために,何か使えそうなものはあ
りますか。
C:周りの長さです。周りというかマスを。
C:かけ算。
公式が使えそうだ。
T:長さで面積が分かりますか。
①分ける
T:長方形や正方形の面積は使えそうですか。
②くっつけて,ひく
C:使えそうです。
③切って,動かす
T:では,一応書いておきましょうね。
T:
(今日の形を指しながら)この形は正方形でも長方形
でもありませんよね。
C:
(つぶやき)でも2つの式を使って。
C:線を引いたらいいと思う。
C:正方形と長方形の間に線を引いたらいいと思います。
3
見通しにそって考えをつくる。
(1)自力解決をする。
T:考えは1つしかなさそうですか。
(プリントの)裏にもいけるといいですね。カード
を配るので,始めてください。
10分間です。よーいスタート。
【資料① 具体的に書き込める学習プリント】
【資料② 学習プリントを使い,
具体的操作をもとに自力解決する児童】
- 28 -
(2)考えを交流する。
=児童の発表=
T:できた考えを発表してもらいます。
=考え①=
T:Aさんはここで分けたのですね。ここで分けたら,
どんな形ができましたか。
C:長方形です。
T:4×3はどちらの長方形ですか。
C:
(線を引いて二つに分けた長方形を指しながら)4×
3が青い長方形(左)で,2×3が赤い長方形(右)で
す。
T:同じ考えの人はいますか。どのように考えていくと
【資料③ 思考の道具を説明の道具として
用いる児童(A 児)】
よいですか。
C:分けてから,縦と横の長さをはかってかけ算すると
いいと思います。
縦と横の長さをかけたあと面積を足します。
T:どうして足さないといけないのですか。
C:別々なので,合わせました。
T:この考え方は,①分けて,足すやり方ですね。
=考え②=
C:階段の形のままだと計算しにくいので,長方形を増
【資料④ 思考の道具を説明の道具として
用いる児童(B 児)】
やして考えます。
T:Bさんはどのようにしましたか。
C:
(長方形を)増やしました。
T:増やすとどうなりましたか。
C:長方形になりました。
T:青で囲んだ部分が(式で言うと)どこになりますか。
C:4×6の部分です。
T:
(青で囲んだ4×6の長方形を指して)この形はどん
な形ですか。
C:長方形です。
T:この考えは,どんなやり方でしたか。
C:
(長方形を)増やして計算し,後でひきました。
=考え③=
C:ここの部分を区切ってもってくると,ここが3cm
になります。
【資料⑤ 思考の道具を説明の道具として
用いる児童(C 児)】
T:今までの2人の考えと同じですか,違いますか。
C:場所をずらしています。
T:移動させるとどんな形ですか。
- 29 -
C:長方形です。
T:この考えは,移動させて長方形をつくったのですね。
=考え④=
C:まず階段のような形を反対にして,くっつけます。
縦の長さはかわらないけど,横は9cmになって,
同じものがもう一つ増えたから,4×9をして,2
で割ります。
T:Cさんの考えはどんな考えですか。
C:もう一つくっつけました。
【資料⑥ 思考の道具を説明の道具として
用いる児童(D 児)】
C:同じ形をつくってそれを反対にしてつけました。
T:同じ形を反対向きにつくって長方形をつくったので
すね。
=全体交流=
T:4つの考え方に似ているところをみんなは気付きま
したか。
C:2つ目,3つ目,4つ目は全部移動したり,増やし
たり,つくったりしています。
T:動かしたっていうのは同じですね。
C:動かして,長方形にしています。
T:1つ目は長方形ができていますか。
C:できています。
T:2つの長方形ができたのですね。
4
本時学習をまとめる。
まとめ
階段のような形の面積を求めると
きも,長方形の公式を使えば,求める
ことができる。
T:今日の階段のような形の面積を求めるのは,初めは
「え~」と言っていましたが,どうしたらできまし
たか。
C:長方形をつくれば,長方形の公式が使えます。
T:学習のまとめです。出だしは,どうしたらよいです
か。
C:階段のような形の面積は,分けたり,動かしたりす
ると,求め方がわかる。
T:では,まとめを書きましょう。
5
適用問題に取り組み,本時学習を振り
返る。
T:最後にもう1問だけ。
解いた後に隣の人に説明してください。
2分でいきます。
- 30 -
(2)
①
考察
具体的に書き込める学習プリント,切り分けられる図形カードを用いることについて
学習プリント(資料⑦)や図形カードを活用すること(資料⑧)で,全ての児童が考えをつくることが
できた。また,図形の周りに1cm方眼があることで,直線で2つの長方形に「A分ける」考えだけでな
く,
「Bくっつけて,ひく」考えが出た。
さらに,図形の周りの1cm方眼を縦・横に広くとることで,切って動かすのに十分な広さとなり,半
数の児童が「C切って,動かす」考えをつくることができた。
A・B・Cの考えができた児童には,教科書以外の「D面積を2倍して2で割る」考えに気付けるよう
に,具体物のヒントカード(資料⑨)を渡すことで,考えをつくることができた。
【資料⑦ 学習プリント】
【資料⑧ 図形カードを活用する児童】
【資料⑨ ヒントカード】
(児童の考えの内訳)
A
分ける
B
くっつけて,
C
切って,動かす
D
ひく
26/26 人
10/26 人
面積を2倍して
2で割る
13/26 人
1/26 人
(児童の考えの数)
考えの数
1つ
2つ
3つ
4つ
5つ
人数
4人
3人
13 人
5人
1人
児童は学習プリントや図形カードを用いることでA・B・Cの教科書の考えのみでなく,Dの考えに気
付き,様々な考えをかくことができた。
この姿から,具体的に書き込める学習プリントと図形カードを用いることは,有効な手立てであったと
考える。
②
板書に学習問題の図形を拡大したカードを用いることについて
学習プリントの図形を拡大したカードを黒板に掲示し,それ
に考えを書かせたり,それを使って説明したりできるようにし
た。プリントと同じ形式が黒板にあることで,発表の代表児童
は自分のプリントと同じように,考えに沿って長さや補助線,
矢印を書き込んでいた(資料⑩)。また,説明の際には必要に応
じてカードに書き込みを加えたり,分割した図形をどのように
動かすか,図を指し示したりするなど,
「思考の道具」を「説明
の道具」として活用する姿が見られた(資料⑪)
。さらに,交流
場面においても,黒板に掲示してあるカードで確認することで,
- 31 -
【資料⑩ 図形を拡大したカードを
用いて板書をする児童】
個人の考え方を全体で共有することができた。
これらの姿から,板書に学習問題の図形を拡大したカードを用いて
自分の考えを順序立てて説明することは,
「思考の道具」を「説明の道
具」として活用する上で有効な手立てであったと考えた。
【資料⑪ 図形を拡大したカードを
用いて説明をする児童】
(3)
課題
○
見通しの段階では,
「線を引く」という考えのみだったので,さら
にその意図を問い返すことにより,
「分ける」等の多様な見通しがも
てたのではないかと考える。
○
つくる段階では,図形カードの活用の指示(切り分ける等)をす
ることで,操作活動が円滑にできたと考える。
○
学習プリントの図形の下に「式」と明記したこと(資料⑫)で,
言葉や記号で表現する児童が少なかったのではないかと考える。
「式」と明記しない方が,さらに自由な表現をすることができた
のではないかと考える。
10
資料
○ 学習プリント
(表)
(裏)
○ 板書
- 32 -
【資料⑫(式)と明記した学習プリント】
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