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2007/11/08 吉田村たたら

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2007/11/08 吉田村たたら
吉 田 村 た た ら出 張 報 告
平成19年11月 13 日 製銑技術Gr. 長池
① 日時 11月8 日∼10 日
② 場所 島根県吉田村
③ 参加者 大山 M ズクチーム 11 名 ケラチーム 9 名
④ スケジュール
8 日:出雲大社、和鋼博物館の訪問、金屋子神社参拝
9 日:オープンエアーミュージアムにてたたら操業開始(9:00)∼
10 日:∼オープンエアーミュージアムにてたたら操業終了(9:00)、
奥出雲たたら博物館と刀剣館訪問
たたら操業には村下1 人、研修者 30 人が参加し、3 班に分かれて操業を行った。
⑤ 目的 たたら操業について学ぶ、及び育成メンバーの交流を深める。
⑥ たたら操業
・
炉内乾燥、及び昇温
到着した際には炉は完成しており、炉内乾燥も終わっていた。炉を作製する際に粘土が用
いられ、また内張りには水分を添加した真砂土を使用しているので十分な炉内乾燥が必要。
真砂土は乾き難いので長時間の乾燥が必要となる。炉内乾燥が不十分だと炉底が冷える可
能性があるので失敗の原因となる。
・
操業
荷下がり、炎の色、羽口の状態を判断しながらノロ出し、風量を調整する。ケラを目的にして
いるが木炭、砂鉄と装入順番が通常のケラ押し法とは異なり珍しい。荷下がりは序盤では
10cm/30min、中盤では 10cm/15cm 、終盤では10cm/10min であった。炎の高さは序盤で
は 50cm、中盤では 100cm、終盤では 200cm であり、風量を調整していた。炎の色はわかり
易く序盤では青色の還元炎であり、徐々に赤みを帯びてくる。ノロが溜まり出すと赤色から赤
黒い色に変化し、ノロ出しを行うと綺麗な山吹色と還元炎の青色が混合した色になる。中盤で
はノロ出しを繰り返すことで山吹色と赤黒い色が交互に変化する。ノロを出しても山吹色に変
わり難くなると操業も終盤である。終盤では赤と赤黒い色の中間ような色になり、砂鉄の装入を
止め、その1 時間後程度で炭の装入を止め、炭炉の半分程度になると操業が終わる。
・
砂鉄
砂鉄は地元の砂鉄。序盤の操業では砂鉄に 5%の真砂土を混ぜて、ノロが作製しように考
慮している。
・
木炭
木炭は松炭を使用。大きさは、序盤では100mm 程度のものを使用し、通気を確保による熱
量の確保。中盤では65mm 程度のものを使用し持続性を優先。終盤では 30mm 程度のもの
を使用し密度増加による荷下がりの調整を行っている。
・
炭切り
思いの他、難しく歩留 80%程度ある。綺麗に割れ、粉に成り難いものから、思った通りに割
れず粉になるものあり、同じ松炭、同じ切り方をしているはずなのに不思議である。
・
ノロ出し
ノロ出しのタイミングは炎の色で判断。山吹色から赤黒くなるとノロ出しのタイミング。炉内温
度低いと固まりとなり、取り出せない。その際は、風量を上げてやり、炉に熱を付けるのが重要
である。手遅れになると羽口が詰まりどうしようもなくなる。ノロの重さにより歩留を判断、軽く粘
性が低いものが最もよい。重く、粘性が低い時は思い切って珪砂などを入れる必要がある。逆
に粘性が低い時は石灰石を入れるのが良い。
・
炉の解体
吉田村の炉は、鉄枠の内側に内張りを張り作製されている。非常に使い勝手が良く、築炉の
手間、解体の時間が短縮される。しかしながら、この構造では乾燥に時間がかなりかかるのが
弱点である。
⑦ 所感
吉田村のたたらは非常に勉強となった。その理由として操業が順調であり、操業メン
バーとして参加できたからである。炎の色の変化など様々な人から聞いて、実際に新
見・苅田たたらと見ていたがさっぱり良くわからなかったが吉田村では非常に良くわか
った。操業の明確なイメージ、及び手本であると考えている。一仕事、一片付けは基本
中の基本であるが吉田村ではみんながその意識を持っている。おそらく、吉田村たたら
の伝統、及び雰囲なのだろう。この雰囲気を創りたいと思う。また一仕事、一片付けを
実践すると単純なミスが起こらない。これは行った作業、動作が終わって片付けをして
いる際に自然と作業、動作を振り返っており、未然とミスを防いでいるのではないかと
思う。
吉田村のたたらは本当に手本にすることが多く、また操業前日に参加メンバーで飲み
会をするので交流も深まるので最も有意義な研修であると感じている。
平成 19 年度 出張報告書
出張先
目的
島根県吉田村
・
実体験を通して、たたらとは何かを感じる。
・
リハーサルに活かせるものをつかむ。
期間
平成19 年 11 月8 日∼11 月10 日
文責
大光炉材株式会社 技術統括部 平山 武靖
参加者
大山 MG
ケラチーム 9 名 ズクチーム 11 名
1. 炉の構造
・
断熱及び湿気防止対策のために盛り土がなされており、その上に粘土製の炉体が築かれてい
る。炉の寸法概略は、高さ 1154mm 幅1390mm 長さ約1597mm である。ざっと見た感じは、
正方形に近い。
・
内張り構造は、舟形である。炉上部から炉底にかけて緩やかに絞り込んでいる。
・
ノロ出し口が、2 か所、炉底下部に開けられている。寸法は、横 160mm 高さ 159mm である。
・
羽口は、炉両端側面に、合計32個、片面に16 個、上下に 8個づつ設置されている。そのうち
計8つが操業時に使用される。残りの羽口は、炉内状態を監視するためのものと予備の羽口で
ある。
テーパーは20°、羽口先端が炉底より 100mm で位置している。
・
送風は、ブロアを使用する。吉田村下が、炉の状態をうかがいながら、送風量の調整を行う。
2. 操業について
・
作業の安全を祈願し神事が終了したのち、11 月9 日 9 時に操業が開
始される。木炭を装入し、炉内温度を上げてゆく。約 3 時間昇温に費や
される。
・
12 時ころに最初の 8kg の砂鉄が投入される。ケラの成長にともない砂鉄
投入量が増してゆく。その反面木炭の投入量は10kg に落ち着いている。
・
実際、操業の一員として砂鉄と木炭の投入を行わせていただく。木炭の
投入技術に関しては、新見市たたらの経験もあり、難しいものではない。
ただし、投入箇所が炉内の状況に合わせて選定しなければならない。や
みくもに投入すればいいというものではない。
・
木炭投入に比べ、砂鉄投入は、経験のない者にとって非常に難しい。お
おきな柄杓のような道具を使って投入を行うのだが、柄が長いこともあり見
た目以上に重い。さらには、炉へ均一に投入しなければならない。事前に
時間の空いたときに練習はしていたものの、何度も一か所に多量の砂鉄
を投入してしまう。
・ 送風に関しては機械化されており、吉田村下の感覚で送風量の調
整がなされていた。
・
たたらの醍醐味の一つであるノロ出しが、行われる。
・
ケラが取り出される。単なる鉄とは言えない異様な感じだ。
3. 菅谷たたら訪問
・
時代から取り残された、昔話に出てくるような集落だ。現代社会のせわし
さを忘れさせてくれる一時であった。また、ゆったりと静かな気分にさせてく
れる情緒ある風景でもあった。
4. 感想
・
今回、吉田村たたら研修は、新見たたらとは、自分の中で趣の異なる内容となった。たたら三昧
の濃い 3 日間だった。吉田村下の最後の真心のこもったあいさつには、非常に感動し、印象に
深く残っている。いままでの疲れを忘れさててくれる。参加してよかったと思っている。
たたらとは、何か?を考える目的で参加させていただいている。あまりにも抽象的な目的でなかな
か思い付かなかったが、吉田村下のあいさつのなかにリンクする言葉が見つかったような気がした。
はっきりとは覚えていないが、「たたらは、人の気持ちに答えてくれる」といった主旨のことをおっしゃ
られた。いい加減な気持ちで築炉、操業を行えば、その程度のものしかできない。一生懸命が
んばれば素晴らしいものを与えてくれるということだと思う。ものづくりすべてに共通する考え方だと
思う。
・
単純なことしか思いつかないが、整理整頓が大切だと感じた。あとで指摘されて気づいたのだが、
一作業が終わると清掃作業も行なう必要がある。常にたたら場は整理整頓されてあった。リハー
サルでやるべきことが一つ見つかった。あそこの道具が乱れている、汚れているなと気付けば、積
極的に行動したい。
平成19年11月8日
出張報告
件
名
熱延技術Gr.
吉田村たたら見学
出 張 日 H19.11.8∼H19.11.10
出 張 先 島根県雲南市
〔出席者〕
製銑部 :大山MG
新日鐵八幡 の新入社員 :8名、富津の新入社員 :2名
報 告 者 増田 禅
協力会社 :7名
学生:5名
1.目的
東田たたらの築炉・操業で活用できる技術・知識を学ぶ。
たたらの歴史を学ぶ。
2.出張内容
1日目:出雲大社、和鋼博物館の訪問、金屋子神社参拝
2日目:オープンエアーミュージアムにてたたら操業開始(9:00)∼
3日目:∼オープンエアーミュージアムにてたたら操業終了(9:00)、奥出雲たたらと刀剣館訪問
たたら操業には村下(操業の指導者)を含め約 30 人が参加し、3 班に分かれて操業を行った(3班3交代)。
2.たたら操業
・ 炉乾燥・昇温
現地に到着した時には、すでに炉が完成しており、炉乾燥・炉の昇温が行われていた。炉乾燥は築炉で
用いた粘土等の水分を十分に飛ばすために行われている。これを怠ると水分が熱量を奪い、本操業中、炉
内を十分に加熱することができない。吉田村たたらの乾燥時間は約3日と非常に長い。
・ 操業
<木炭・砂鉄の装入>
炉乾燥で用いた木炭の上から、操業で使用する木炭・砂鉄を必要量投入し、ブロアーの出力を上げる
その後、挿入した木炭・砂鉄が荷下がりするので、機会を見計らってさらに木炭・砂鉄を装入する。基本
的に操業においては、この作業の繰り返しである。
装入時、炉上の炎が直接手に当たるためコツがいる。
<砂鉄>
装入する砂鉄には、わざとノロ(スラグ)を形成するために真砂を混ぜ込ませる。操業開始時には、初期
段階に炉内でノロを形成させるために、真砂を多く混ぜ込ませる。
<木炭切>
炉に装入する木炭の大きさは決められているので、その大きさになるように木炭を切る。この作業では、
木炭の粉などがもろに体に降りかかるため、全身が黒くなる。
<ノロ出し>
炉側に備え付けられている羽口や炉上の炎の色を観察することにより、ノロ出しタイミングを計る。粘土
で固められたノロ出口を崩壊し、ノロ出しを行う。初期段階では、ノロが十分に形成されていないことから流
動性が悪い。砂鉄投入量が増すにつれてノロも増えるので、中期段階からはノロの流動性もよくなる。
<終盤>
最後に装入した木炭が十分に荷下がりしたのを確認し、炉の解体へと移る。
・ 炉の解体
吉田村の炉は、外側が鉄枠で出来ており、内側が粘土で固められている構造となっている。そのため、炉
の解体では鉄枠をクレーンで持ち上げて行われ、解体の所要時間は約 20 分と大変短時間で行われた。
クレーンで炉が取り除かれるため、内側に成形したノロ・ケラ(鋼)が現れる。このケラは、刀になる品質の良
い鋼(玉鋼)や、質の悪い鋼に分割され、売り出される。
・ 所感
今回訪れた吉田村は、街灯もなく、圏外である山奥に存在し、そこでたたらがひっそりと行われた。島根県
は、採掘する砂鉄の成分に恵まれている事から江戸時代までたたらで栄えていた。吉田村の家並みなど非
常に歴史の感じられるが、昔、本当にたたらが栄えていた街なのかと疑問視するほど山奥に存在している。
たたらの操業では、東田たたらで活用できる技能を多く教えてもらった。例えば、炎で非常に熱い炉上から
木炭・砂鉄の投入をいかに目的の位置に装入するかなど、些細なことではあるが、鋼を作る上で非常に重要
であることなどを教わった。
また、3日間ともに過ごしてきた東田たたらメンバーとの親交をより深め合うことが出来、これまで以上に意見
交換を活発に行える環境ができた事は非常に幸いです。
吉田村たたら出張報告書
H19.11/13 丸田亮輔
1. 出張目的
・東田たたらに向けて、さらなる知識・技術の充実
・東田たたらチームとの交流
2. 日時・場所・メンバー
(1)日時・場所:H19.11/08~11/10 島根県雲南市吉田町
(2)メンバー: 大山マネージャー,
熱鉧感 9名 , 志銑 11 名
合計 21名
3. 出張特記
・3班編成のローテーションで操業を行った。作業は、炭切り(作業前半のみ)、炉回
り(炭と砂鉄の計量・装入,記録係)、ノロ出しの3つ。
・作業で一番難しかったのが砂鉄の装入であった。炉の淵に均等に装入できず、部分
的に砂鉄の量が多くなってしまった。作業で一番大変だったのはノロ出しであった。
重い器具を使用するので体力が必要であり、かなりの高温が襲ってくるので怪我と火
傷に注意する必要がある。また、器具が長いので周りを常に気にしないと怪我につな
がる恐れがあるため、危険予知を十分にしなければならないと感じた。
・たたら操業の作業を一通り体験したが、実際に経験なしでたたらを操業するのは難
しいと感じた。予期せぬ事態が起こった時に、机の上で考えていただけではとても対
応できない。特に砂鉄の装入とノロ出しは、新見市たたらでは見ているだけで体験は
していなかったので、吉田村たたらで得た経験は大きい。
・熱鉧感,志銑両チームが一丸となって作業したので、普段できない他チームとの交
流が図れたのも大きな収穫だった。
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